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研究分野:医歯薬学 に関係する研究一覧:527件
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発表日:2026年7月23日
1
量子光干渉断層撮影で、世界最高体積分解能4フェムトリットルを達成
―グラフ理論を応用し、量子イメージング特有の「偽信号」も克服―
電⼦や光⼦などの量⼦は、通常の物体とは異なった振るまいをします。その量⼦の個々の振るまいや相関(量⼦もつれ)を制御することで、従来の計測技術の限界を超える光量⼦センシングの研究が精⼒的に進められています。特に、量子もつれ光を用いた「量子光干渉断層撮影(QOCT)」は、サンプル内の分散の影響を受けないため、従来の光干渉断層撮影(OCT)を超える高い分解能を実現できる可能性があり、注目されています。しかし、技術的な困難さから、これまでのQOCTの体積分解能は176μm³(176フェムトリットル)に留まり、さらにQOCTには「画像に現れる特有の偽信号」の存在という課題もありました。今回、京...
キーワード:アルゴリズム/グラフ理論/コヒーレンス/量子もつれ/材料科学/計測技術/センシング/微細構造/分解能/高分解能/非侵襲
他の関係分野:情報学数物系科学工学
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発表日:2026年7月22日 この記事は2026年8月5日号以降に掲載されます。
2
気体に反応して色と光がスイッチする相分離材料を開発
―液体がしみ出す相分離を分子レベルの相互作用で制御―
この記事は2026年8月5日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年7月22日 この記事は2026年8月5日号以降に掲載されます。
3
ゲノム情報を守るタンパク質の機能を解明
〜機能ドメインがなくても働くSquash〜
この記事は2026年8月5日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年7月17日 この記事は2026年7月31日号以降に掲載されます。
4
凝集するタンパク質をほどくRNA分子の開発に成功
―シヌクレイノパチーの進行抑制につながる新しい治療戦略―
この記事は2026年7月31日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年7月17日 この記事は2026年7月31日号以降に掲載されます。
5
脳は、進行波を介して情報針路をガイドする
―意識がある時、脳内通信は安定し信頼できる―
この記事は2026年7月31日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年7月16日 この記事は2026年7月30日号以降に掲載されます。
6
耳介の神経が肺炎症に関わる仕組みを発見
―迷走神経耳介枝を介した炎症調節―
この記事は2026年7月30日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年7月15日 この記事は2026年7月29日号以降に掲載されます。
7
膜タンパク質の折り畳みを補助する新しい品質管理機構を発見
~構造の安定性と機能性のジレンマを解消~
この記事は2026年7月29日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年7月15日 この記事は2026年7月29日号以降に掲載されます。
8
日本海のイルカの生態を音で探る
―若狭湾と浅茅湾における来遊と鳴音の違い―
この記事は2026年7月29日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年7月15日
9
常識を覆す新材料で有機薄膜太陽電池の性能向上に成功
―低コスト、大面積化に向けた実用化研究が前進―
化学理工学専攻 大北英生 教授、広島大学大学院先進理工系科学研究科の尾坂格 教授、三木江翼 助教、日本電子株式会社の西山裕介 博士らの共同研究チームは、広島大学のグループが以前に開発したポリマー半導体であるPTNT2Tについて、その高い電荷移動度の起源を明らかにするとともに、有機薄膜太陽電池(OPV)において世界最高水準のエネルギー変換効率を達成しました。従来、ポリマー半導体では、ポリマー主鎖が規則正しく並んだ結晶構造を形成することが電荷輸送性向上に不可欠であると考えられてきました。しかし、PTNT2Tは結晶構造の秩序(結晶性)が低いにもかかわらず高い電荷輸送性を示すことが以前の研究...
キーワード:太陽/高移動度/電荷移動度/有機薄膜太陽電池/有機薄膜/電荷輸送/材料設計/太陽電池/電池/ポリマー/移動度/電荷移動/半導体/エネルギー変換/結晶構造/結晶性/フラーレン/誘導体
他の関係分野:数物系科学化学工学農学
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発表日:2026年7月13日
10
ヒトiPS細胞由来心筋細胞の増殖と成熟を制御する分子スイッチ「PRDM16」の役割を解明
ヒトiPS細胞由来心筋細胞(hiPSC-CMs)の増殖と成熟のバランスを制御する重要な因子として「PRDM16」を同定した。PRDM16は、細胞周期を駆動する中心因子であるCDK1およびリン酸化AKT(phospho-AKT)の機能を抑制することで、心筋細胞の増殖を抑え、筋収縮のための構造と代謝に関する成熟を誘導するスイッチとして機能することを示した。PRDM16の発現制御により、心筋細胞を「増殖させる段階」から「成熟した状態」へと移行できる可能性を示し、将来の心臓再生医療や人工心臓モデルの作製に貢献す...
キーワード:プロファイル/機械学習/最適化/人工知能(AI)/毒性評価/フラックス/筋細胞/タンパク質複合体/定量評価/CVD/リン酸/アイソフォーム/機能解析/iPS細胞/橋渡し研究/心筋/心筋細胞/人工心臓/組織構築/病理/免疫染色/臨床応用/mRNA/ホルモン/筋収縮/骨格筋/心臓/胎児/電気刺激/評価法/分子標的/オルガノイド/フローサイトメトリー/病態モデル/AKT/ATP/RNA/siRNA/エネルギー代謝/ミトコンドリア/レンチウイルス/遺伝子治療/再生医療/細胞周期/細胞分裂/阻害剤/創薬/転写因子/発現制御/不整脈/副作用/ウイルス/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/抗がん剤/疾患モデル/非侵襲/標準化
他の関係分野:情報学複合領域環境学生物学工学農学
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発表日:2026年7月10日
11
乳がんの悪性度を決める代謝バランス
―細胞内BCAA濃度によるがん幹細胞の制御―
がん組織の中には、自分自身を複製して腫瘍を新たに作り出す「がん幹細胞」が一部存在し、がんの再発や転移の原因になると考えられています。京都大学医生物学研究所 松浦顕教 助教、服部鮎奈 准教授、伊藤貴浩 教授らの研究グループは、有効な治療薬の少ないトリプルネガティブ乳がん(TNBC)において、分岐鎖アミノ酸(BCAA)という栄養素の代謝が、がん幹細胞の性質を左右していることを明らかにしました。 研究グループは、生きた細胞1個ごとにBCAA濃度を測れるバイオセンサー「OLIVe」を用い、がん組織の中で細胞ごとにBCAA濃度が大きく異なること、そしてBCAA濃度の高い細胞にがん幹細胞が多く含ま...
キーワード:センサー/バイオセンサー/生合成/悪性度/不均一性/アミノ酸/がん幹細胞/がん細胞/がん治療/幹細胞/腫瘍形成/乳がん
他の関係分野:工学農学
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発表日:2026年7月9日
12
白血病の「個性」を決めるエピゲノムを解読
―大規模クロマチン解析による新たな分類と層別化治療―
急性骨髄性白血病(AML)は難治性の血液がんの一つです。AMLでは遺伝子変異などのゲノム異常が認められ、病態解明とそれらの異常を標的とする治療薬剤の臨床応用が進んでいます。一方で、どの遺伝子が使われるかを制御する仕組みである「エピゲノム1」もAMLの病態に関わっているものと考えられていますが、その全容は明らかではありませんで...
キーワード:インテリジェンス/がん研究/ゲノムDNA/筋細胞/遺伝情報/塩基配列/ヒストン/一細胞/一細胞/診断法/クロマチン構造/シークエンス/ゲノム情報/スーパーエンハンサー/血液内科学/オミクス/オミクス解析/クロマチン/ヒトゲノム/マルチオミクス/マルチオミクス解析/遺伝子制御/治療標的/腫瘍学/心筋/心筋細胞/整形外科学/染色体/臨床応用/ゲノム解析/白血球/分子機構/分子標的/予後予測/エピゲノム解析/エンハンサー/骨髄/次世代シーケンサー/造血幹細胞/病態解明/DNAメチル化/RNA/がん細胞/メチル化/一細胞解析/幹細胞/急性骨髄性白血病/血液/血小板/細胞治療/細胞増殖/細胞分裂/上皮細胞/神経細胞/腎臓/赤血球/転写因子/転写制御/白血病/網膜/薬剤感受性/ゲノム/トランスレーショナルリサーチ/遺伝子/遺伝子発現/遺伝子変異/感染症/染色体異常/造血/分子標的薬
他の関係分野:情報学複合領域化学生物学工学総合生物農学
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発表日:2026年7月9日
13
1細胞の全タンパク質発現パターンを 分子感度で解析することに成功
〜従来法のわずか数十分の一の細胞数で、分化過程の全体像が明らかに〜
東京大学大学院薬学系研究科のラティファ ビンティ カマルザマン 特任研究員(研究当時、大阪大学大学院生命機能研究科 大学院生)、金水縁 助教、谷口雄一 教授、京都大学アイセムス(高等研究院物質―細胞統合システム拠点(WPI-iCeMS))の日髙拓也 客員研究員(研究当時)、京都大学農学部の土田美咲 学部生(研究当時)らの研究グループは、伝統的なタンパク質分析法であるゲル電気泳動法に先端顕微鏡技術である光シート顕微鏡を導入することで、細胞内に存在するタンパク質全体(プロテオーム)を、細胞ごとに、分子量別の発現プロファイルとして1分子感度で計測できる Single-cell PAGE-PISA 法...
キーワード:プロファイル/電気泳動/統合システム/一細胞/プロファイリング/タンパク質発現
他の関係分野:情報学工学総合生物
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発表日:2026年7月8日
14
森の木々の熾烈な競争と共存の謎を解く
―なぜ巨木が独占せず、多様な木々と共存できるのか?―
一見、平和そうに見える森も、木々にとっては熾烈な生存競争の場です。木々は光を求めて上に伸び、大きな木が勝ち残りますが、一方で100年を超える立派な森でも、小さな木々も共存しています。これまで、森における木々の競争と共存の関係は謎に包まれていました。小野田雄介 農学研究科教授、松尾智成 ワーヘニンゲン大学(オランダ)博士研究員、小林慧人 森林総合研究所研究員、日浦勉 東京大学教授らのグループは、森林の光の3次元分布と樹木の三次元構造を解析する独自の方法により、樹木の成長速度を「光を獲得する効率」と「獲得した光を成長に転換する効率」の2つに分解して評価する新しいアプローチを開発・適用しました。その...
キーワード:生態学/ニッチ
他の関係分野:農学
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発表日:2026年7月8日
15
肺がん脳転移の「免疫の壁」を併用免疫療法が乗り越える可能性
―脳転移の免疫抑制環境と免疫療法の作用を解明―
京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 細谷和貴医員(研究当時、現:同客員研究員/洛和会音羽病院 呼吸器内科 医員)、小笹裕晃講師、平井豊博教授らの研究グループは、名古屋大学大学院医学系研究科 分子細胞学 和氣弘明教授(兼:生理学研究所教授)らと共同で、非小細胞肺がん脳転移の免疫環境と免疫療法の効果を解析しました。抗PD-1抗体は非小細胞肺がんの標準治療の一つですが、脳転移では効果が限られることが報告されていました。本研究では、臨床情報、手術検体、マウス脳転移モデル、単一細胞RNAシーケンスなどを組み合わせて解析しました。その結果、脳転移巣ではCD8陽性T細胞や三次リンパ様構造が少なく、免疫が...
キーワード:構造形成/一細胞/CD8/小細胞肺がん/PD-1/マウスモデル/浸潤/微小環境/免疫抑制/免疫療法/RNA/T細胞/マウス/非小細胞肺がん/免疫細胞/がん患者/抗体/手術/生理学/肺がん
他の関係分野:化学総合生物農学
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発表日:2026年7月8日
16
ヒト胚モデル研究のガバナンスを考える
―日本の新指針と国際ガイドラインの比較から―
京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点(WPI-ASHBi)およびiPS細胞研究所(CiRA)の藤田みさお教授、赤塚京子助教、東新川藤佳研究員は、ヒト胚モデル(Stem cell-based embryo models: SCBEMs)研究に関する国内外のルー...
キーワード:governance/iPS細胞/不妊症/ヒトES細胞/ES細胞/幹細胞
他の関係分野:環境学
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発表日:2026年7月8日
17
地震データで火山の「信号機」―噴火の切迫度を準リアルタイムで評価―
〜性質の異なる世界の火山で初めて系統的に検証、衛星観測と同等の的中率〜
公益財団法人地震予知総合研究振興会地震調査研究センター副主任研究員 Thystere Matondo Bantidi(ティステール・マトンド・バンティディ)、静岡県公立大学法人静岡県立大学グローバル地域センター自然災害研究部門特任教授 楠城一嘉、同振興会地震調査研究センター主任研究員 石辺岳男(現在気象庁地震火山部地震津波監視課地震津波監視・警報センター技術専門官)、国立大学法人東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻教授 西村太志、国立大学法人京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻地球物理学教室准教授 Bogdan Enescu(ボグダン・エネスク)、キンシャサ大学理学部物理学科准教授 An...
キーワード:オープンアクセス/地震津波/自然災害/ポートフォリオ/火山防災/水蒸気/水蒸気噴火/地震活動/衛星/衛星観測/惑星/惑星科学/地震予知/津波/調査研究
他の関係分野:情報学複合領域環境学数物系科学工学
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発表日:2026年7月7日
18
実験データから「見えない内部状態の分布」を再構成する新手法を開発
―情報幾何の応用により、生体分子の動きの可視化に成功―
慶應義塾大学理工学部物理学科の苙口友隆専任講師、京都大学複合原子力科学研究所の井上倫太郎教授、杉山正明教授らの研究グループは、実験データから直接観測できない「内部状態の分布」を高精度で再構成する新しい計算手法を開発しました。 実験データから対象の内部状態の分布を推定する問題は「逆問題」と呼ばれ、生命科学、物理学、材料科学といった幅広い分野で重要な研究課題となっています。本研究では、情報幾何に基づき、分布空間の多様体構造を厳密に考慮した新しい最適化手法を開発しました。これにより、従来法では困難であった高精度な分布再構成が可能となり、実験データから溶液中におけるタンパク質の動きを可視化する...
キーワード:情報幾何/最適化/多様体/逆問題/材料科学/最適化手法/逆問題解析/シミュレーション/原子力/MDシミュレーション/生体分子/動的構造
他の関係分野:情報学数物系科学工学
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発表日:2026年7月6日
19
光を熱に変える:海の珪藻が光合成を調節するしくみの解明
―新規光捕集タンパク質による過剰な光エネルギーの消去機構―
海洋の植物プランクトンである珪藻は、地球規模の炭素固定に大きく貢献しています。海洋では光環境が絶えず変化するため、珪藻は弱い光を効率よく利用すると同時に、強すぎる光から自身を守る必要があります。この過剰な光エネルギーを熱として逃がす仕組みは非光化学的消光(Non-Photochemical Quenching、略してNPQ)と呼ばれますが、NPQを担う光防御装置がどのように形成されるのかは十分にわかっていませんでした。京都大学大学院農学研究科のXING JIAN(邢 健)博士課程学生、同じく伊福健太郎教授、および北海道大学低温科学研究所の熊沢穣研究員(現大阪大学大学院理学研究科の助教)らの研究...
キーワード:アンテナ/珪藻/光エネルギー/海洋/光化学/光合成/環境適応/光環境/電子顕微鏡/変異株/プランクトン/植物プランクトン/クライオ電子顕微鏡
他の関係分野:情報学環境学化学生物学工学農学
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発表日:2026年7月6日
20
血液遺伝子発現データからALS識別の新手法を開発
―機械学習によるALS病態分子の発見とiPSモデルでの検証―
今村恵子(研究当時:理化学研究所(理研)革新知能統合研究センター iPS細胞連携医学的リスク回避チーム・客員研究員、現:バイオリソース研究センターiPS創薬基盤開発チーム・客員研究員、CiRA臨床応用研究部門・特定拠点准教授)、上田修功(研究当時:iPS細胞連携医学的リスク回避チーム・チームディレクター、現:革新知能統合研究センター・副センター長)、井上治久(研究当時:iPS細胞連携医学的リスク...
キーワード:アルゴリズム/機械学習/最適化/人工知能(AI)/非線形/マイクロ/モデリング/非線形解析/診断法/機能性/リン酸/運動神経/TDP-43/レジストリ/脳神経科学/iPS細胞/ニューロン/治療標的/病理/臨床応用/運動機能/筋萎縮/筋肉/オルガノイド/in vitro/RNA/siRNA/スクリーニング/遺伝子治療/運動ニューロン/幹細胞/血液/細胞核/細胞死/神経科学/神経細胞/神経変性/神経変性疾患/創薬/コホート/遺伝子/遺伝子発現/医師/筋萎縮性側索硬化症 /難病/認知症
他の関係分野:情報学数物系科学工学総合生物農学
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発表日:2026年7月3日
21
反応機構を語る収率予測AI
―自動反応経路探索・自動実験・機械学習の融合―
本研究成果は、2026年6月19日に国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」に掲載されました。 化学反応の収率を予測する人工知能(AI)は近年発展していますが、多くは「なぜそう予測できるのか」という反応の仕組み(反応機構)までは説明できませんでした。 京都大学化学研究所 道場貴大 助教、北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI...
キーワード:経路探索/AI/機械学習/最適化/人工知能(AI)/反応機構/有機分子/ロボット/パラジウム/パラジウム触媒/配位子/分子変換
他の関係分野:情報学化学総合理工工学
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発表日:2026年7月3日
22
転居者の多い地域で「助け合いの規範」の力が弱まるのは、転居者が特別に規範を無視するからではなく、住民全体が規範を無視しがちになるからかもしれない
滋賀大学・東京女子大学・京都大学・神戸大学の共同研究グループが、地域コミュニティにおける規範と転居に関する研究論文を、国際学術誌「Cities」にて発表しました。発表のポイント西日本各地の約400コミュニティ、ならびに、滋賀県の約100コミュニティを対象とした2つの大規模郵送調査データを分析地域コミュニティにおける人々の「助け合いの規範」(協力規範)が人々の助け合いに実際につながっている程度と、人々の転居経験の関係を検討転居者率が高い地域では、そうでない地域に比べて、協力規範が助け合いにつながりにくい(規範が形骸化している)傾向があることを確認ただし、...
キーワード:地球環境/コミュニティ
他の関係分野:工学
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発表日:2026年7月3日
23
赤い足と黄色い足のムカデがいる理由に迫る
―市民科学で全国の色彩変異の分布を解明―
よく似た環境に暮らす近縁の種が、足の色に同じ色彩変異をもつなら、その色彩は同じ仕組みで進化し、維持されているのでしょうか。日本に広く分布するトビズムカデとアオズムカデは、生態がよく似ているうえ、どちらにも足が赤い個体と黄色い個体が見られ、この問いを検証する格好の研究対象です。宇野良祐 京都大学大学院理学研究科博士課程学生と伊與田翔太 同研究科博士課程学生は、市民科学に投稿された全国の写真記録を活用し、両種では色彩変異の起源や維持の仕組みが異なる可能性を明らかにしました。 本研究では、両種の足に見られる色彩変異の分布を地図化し、気候、餌、捕食者(ムカデを食べる動物)との関係を解析しました...
キーワード:野外実験/生物多様性/ニッチ
他の関係分野:生物学農学
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発表日:2026年7月2日
24
液晶の物理学で解き明かす、哺乳類の胚が組織パターンを獲得するしくみ
―境界が導く細胞の並び方―私たち生物のからだは、個々の細胞が動ける柔軟性を持ちながらも、細胞同士が向きを揃えることで、複雑な組織の形を作り、高度な機能を獲得しています。これは、テレビの画面などに使われる液晶と似た性質で、液晶は液体のように流動性を持ちながらも、分子が一定の向きに揃う秩序を示します。近年、こうした物理学的な考え方を生物学に応用し、様々な生命現象を解き明かす試みが行われています。 哺乳類の発生において、将来のからだのもととなるエピブラスト...
キーワード:パターン形成/液晶/マウス胚/哺乳類/着床/内胚葉/胚盤胞/マウス/細胞分化/分子生物学
他の関係分野:数物系科学化学生物学農学
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発表日:2026年7月2日
25
「ごちゃまぜ法」でペプチドを修飾する新規酵素を一挙に探索
―ペプチドへの脂質付加を可能にする酵素レパートリーの拡張―
後藤佑樹 理学研究科教授、菅裕明 東京大学教授、佐竹真幸 同准教授、仙石徹 横浜市立大学准教授、濱田恵輔 同助教、岡田正弘 神奈川大学教授らの研究グループは、ペプチドに脂質を付加する酵素(プレニルトランスフェラーゼ)を効率よく探し出す新しい手法を開発し、多数の新規酵素の発見に成功しました。 ペプチドは、数個から数十個のアミノ酸がつながった分子で、生体内ではホルモンや神経伝達物質などとしてさまざまな役割を担っています。また、優れた生理活性を示すものも多く、医薬品としての利用が期待されています。一方で、ペプチドはそのままだと体内で分解されやすく、また、速やかに体外へ排出されるため、体内で長...
キーワード:機能性分子/生体内/機能性/モチベーション/ホルモン/神経伝達物質/アミノ酸/医薬品開発/生理活性/立体構造/立体構造解析/脂質
他の関係分野:化学総合生物農学
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発表日:2026年7月1日
26
酸化物中の水素を「プラス」から「マイナス」へ
―プロトン伝導体の水素を 「ヒドリド」に置き換えることに成功―
頑丈な酸化物の骨格内に、強い還元力と高い反応性を秘めたマイナスの水素イオン「ヒドリド(H⁻)」を組み込んだ材料は、アンモニア合成触媒や次世代燃料電池の鍵として世界中で注目されています。しかし通常、水素は酸化物中では、プラスの電荷をもつ「プロトン(H⁺)」として存在します。これをマイナスのH⁻へと置き換える場合、その量を精密に制御し、しかも高温で保持することは容易ではなく、ヒドリドの優れた性質を狙いどおりに引き出すうえでの課題となっていました。今回、化学理工学専攻の加藤大地 助教、陰山洋 教授は、東北大学大学院工学研究科の高村仁 教授らの研究グループとの共同研究により、プロトン伝導体...
キーワード:プロトン伝導/アンモニア/ヒドリド/プロトン伝導体/アンモニア合成/電池/燃料電池/酸化物/プロトン
他の関係分野:化学工学
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発表日:2026年7月1日
27
イソブタノールによる酵母の生育阻害メカニズムを解明
~次世代バイオ燃料の高効率生産につながる新たな知見~
地球温暖化対策や化石資源依存からの脱却に向けて、再生可能資源を原料として生産されるバイオ燃料への期待が高まっています。なかでもイソブタノールは、高いエネルギー密度と既存の燃料インフラとの高い親和性を有することから、次世代バイオ燃料として注目されています。 しかし、生産されるイソブタノールは宿主である出芽酵母自身の生育を強く阻害するため、生産量向上の大きな障害となっています。これまでイソブタノールによる生育阻害は、細胞膜の流動性低下やタンパク質の変性などによる非特異的な細胞機能障害として説明されてきましたが、実際にどの分子が直接の標的となって生育阻害を引き起こしているのかは、これまで分か...
キーワード:地球温暖化/ロイシン/tRNA/栄養飢餓/出芽酵母/生産技術/持続可能/再生可能資源/地球温暖化対策/バイオ燃料/温暖化/細胞膜/分子標的
他の関係分野:環境学生物学工学農学
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発表日:2026年6月30日
28
プラズマの状態を多点同時に長時間計測できる世界最高水準の計測システムを構築
―フュージョンエネルギーの社会実装に必要不可欠なプラズマ計測技術を開発―
長﨑百伸 エネルギー理工学研究所教授、三菱電機株式会社および自然科学研究機構核融合科学研究所(以下、核融合科学研究所)は、プラズマの状態を長時間にわたり多点同時に計測できる世界最高水準のフュージョンエネルギー向けマイクロ波プラズマ計測システムを構築しました。また、本学が保有する核融合実験装置「Heliotron J」において、本システムの実証に成功しました。 京都大学、三菱電機および核融合科学研究所は、フュージョンエネルギーの社会実装に不可欠なプラズマ計測技術の開発を推進します。 フュージョンエネルギーは、脱炭素社会の実現に向けた次世代エネルギー源として期待されており、日本政府...
キーワード:信号処理/産学官連携/核融合/核融合プラズマ/核融合炉/高周波/中性子/マイクロ波プラズマ/計測技術/マイクロ/マイクロ波/計測システム/周波数/同時計測/フュージョン
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学工学
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発表日:2026年6月29日
29
生きた細胞内で「液滴」の物性を非侵襲に測定する手法を開発
― 表面のわずかなゆらぎを物理モデルで解析し、表面張力・硬さ・粘性を数値化―
生きた細胞内で液体のように形を変えながら機能する生体分子凝縮体を輪郭のゆらぎの大きさと時間変化を物理モデルで解析し、表面張力・曲げ剛性・粘性を測定する手法を開発した。この手法を人工凝縮体、核小体、核スペックルに適用し、凝縮体にも表面の硬さ(曲げ弾性)があること、核小体が特に高い粘性を示すことを明らかにした。将来、神経変性疾患の患者さん由来iPS細胞から作製した神経細胞などに応用することで、疾患に伴う凝縮体の物性変化の理解や、候補薬の評価に役立つことが期待される。1. 要旨...
キーワード:臨界点/相分離/内部構造/分子集合体/リボソームRNA/界面物性/核生成/表面張力/物理モデル/摩擦係数/核小体/リボソーム/さんご/ヘテロクロマチン/層構造/iPS細胞/クロマチン/光制御/染色体/ゆらぎ/筋萎縮/RNA/アルツハイマー病/スプライシング/ミトコンドリア/ライブイメージング/遺伝子治療/共焦点顕微鏡/凝集体/細胞核/細胞骨格/神経細胞/神経変性/神経変性疾患/生体分子/創薬/分子集合/ゲノム/ストレス/遺伝子/加齢/筋萎縮性側索硬化症 /疾患モデル/非侵襲
他の関係分野:数物系科学化学生物学工学総合生物農学
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発表日:2026年6月26日
30
6G時代に向け、サブテラヘルツ波を利用した車両通信システムの高速大容量伝送に成功
―実走行車両に対し1.7Gbit/s、300m超の5G標準仕様準拠無線伝送を実証―
原田博司 情報学研究科教授、香田優介 同准教授らの研究グループは、サブテラヘルツ帯(100GHz帯)において、交差点から約300m長にわたる車線上を実際に走行する車両に対し、5G標準化で定められている通信仕様に準拠しながら、国内の5Gに割り当てられている最大チャネル帯域幅(400MHz)の2倍以上(920MHz)を用いた高速無線伝送(伝送レート:1.7Gbit/s)に成功しました。実際に走行する車両へのデータ伝送において、5G標準化仕様に準拠した通信方式を用いながら、サブテラヘルツ帯の電波を用いて高速・大容量伝送を実証したのは世界初の成果です。今回の成果により、交差点周辺で生成される点群データ...
キーワード:移動通信/通信方式/無線通信/自動運転/情報学/テラヘルツ/テラヘルツ波/標準化
他の関係分野:情報学数物系科学工学
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発表日:2026年6月26日
31
「赤と緑はなぜ見分けられるのか」霊長類色覚の分子構造を解明
~赤・緑錐体視物質の構造を原子レベルで決定、30ナノメートルの謎に迫る~
ヒトを含む霊長類の色覚は、赤・緑・青の3種類の「錐体(すいたい)視物質」によって実現されています。なかでも赤と緑の視物質は、アミノ酸配列の約96%が共通しているにもかかわらず、吸収する光の波長に約30ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)という決定的な差があり、このわずかな違いが赤と緑の識別を可能にしています。しかし、この波長差を生む立体構造上のメカニズムは、色覚研究における長年の大きな謎でした。 岩田想 医学研究科教授、野田岳志 医生物学研究所教授、杉田征彦 同准教授、今井啓雄 ヒト行動進化研究所教授、片山耕大 名古屋工業大学准教授らの国際共同研究グループは、霊長類(マカ...
キーワード:量子化/レチナール/分子構造/量子化学/量子化学計算/光応答/視物質/霊長類/双極子/3次元構造/ナノメートル/電子顕微鏡/親水性/アミノ酸配列/クライオ電子顕微鏡/SPECT/分子機構/病態解明/アミノ酸/ロドプシン/創薬/立体構造
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発表日:2026年6月25日
32
胎児組織研究の適切な実施に向けて
―日本における同意取得と研究ガバナンスの課題―
京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点(WPI-ASHBi)およびiPS細胞研究所(CiRA)の藤田みさお教授、斎藤通紀教授、CiRAの...
キーワード:法制度/iPS細胞/胎児/幹細胞/再生医療/インフォームド・コンセント/妊娠
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発表日:2026年6月25日
33
ラジカル共有結合性有機構造体の形成
―不対電子を組み込んだ有機構造体の形成による擬1次元反強磁性体への展開―
新しい多孔性の材料として注目を集めている金属有機構造体(Metal Organic Frameworks:MOFs)や水素結合性有機構造体(Hydrogen-bonded Organic Frameworks:HOFs)と並び、注目を集めている材料に共有結合性有機構造体(Covalent Organic Frameworks:COFs)があります。化学理工学専攻 Rajendra P. Paitandhi 博士研究員、Madhurima.Giri 博士課程学生、小八重 良輔 修士課程学生、信岡 正樹 博士課程学生(研究当時)、筒井 祐介 同助教、Yunhee Koo 博士研究員(当時)、Zhu...
キーワード:反強磁性/反強磁性体/軽元素/磁性体/金属有機構造体/強磁性/強磁性体/有機物/機能性/結晶構造/ラジカル
他の関係分野:数物系科学総合理工工学農学
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発表日:2026年6月23日
34
医療イメージング材料開発に新指針
―金ナノクラスターの発光特性を自在に設計―
大田航 福井謙一記念研究センター特定助教、佐藤徹 同教授、縄田拓己 大阪大学博士後期課程学生、坂本雅典 同教授らの研究グループは、金ナノクラスターの表面を覆う配位子との相互作用を利用することで、その発光特性が制御可能であることを見出しました。 金ナノクラスターは、数個から数百個ほどの金原子が集まった、非常に小さな粒子です。生体への負担が小さく、体の組織を通り抜けやすい「近赤外光」を出して光ることから、体内を観察する際の目印(生体プローブ)への応用が期待されています。 また、金ナノクラスターは、エネルギー的に近接した複数の励起状態を形成し、それに起因した特異な発光挙動が見られます...
キーワード:近赤外/励起状態/ナノクラスター/ハイブリッド材料/赤外光/センシング/環境応答性/生体内/環境応答/プローブ/近赤外光/配位子
他の関係分野:数物系科学化学工学総合生物農学
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発表日:2026年6月23日
35
ウキクサを食べる虫の“選り好み”
―日本に生育する3種のウキクサに対するウキクサミズゾウムシの摂食嗜好性を解明―
ウキクサ植物は急速な増殖能力とタンパク質含量の高さから、家畜飼料やバイオ燃料の原料として注目されています。自然環境では複数種のウキクサが同所的に共存し、ウキクサミズゾウムシなどの草食動物による食害を受けますが、「どの種が好まれるのか」「植物の生理状態が摂食をどう左右するのか」は十分に解明されていませんでした。 小山時隆 理学研究科准教授、磯田珠奈子 安田女子大学助教、髙橋伽乃 県立広島大学学部生(研究当時)、八木宏樹 北里大学助教、村中智明 龍谷大学講師(研究当時:名古屋大学助教)、金岡雅浩 県立広島大学教授らの共同研究グループは、日本産ウキクサミズゾウムシを用い、日本で見られる3種の...
キーワード:最適化/嗜好性/アントシアニン/二次代謝/バイオ燃料/二次代謝産物/代謝産物/ストレス
他の関係分野:情報学農学
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発表日:2026年6月22日
36
「血液サラサラの薬」を飲んでいて脳梗塞になった人は脳梗塞後に初めて不整脈が見つかった人より2倍再発しやすい
心房細動という不整脈は、高齢社会における「国民病」ともいえる疾患です。心房細動があると心臓の中に血の塊(血栓)ができやすくなり、それが血管内を流れて脳血管に詰まって脳梗塞を引き起こします。脳梗塞は死亡や寝たきりの主な原因の一つであり、高齢化が進む日本では大きな問題となっています。 現在、心房細動による脳梗塞を防ぐために「抗凝固薬」、いわゆる「血液サラサラの薬」が広く使われています。しかし、この薬を飲んでいても脳梗塞を起こしてしまう人が一定数存在します。また、一般的には心房細動が先に見つかり、その後脳梗塞を起こす人が多いのですが、実は脳梗塞を起こした後に初めて心房細動が見つかる人も少なく...
キーワード:高齢社会/血栓/心臓/心房細動/血液/脳梗塞/不整脈/高齢化
他の関係分野:工学
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発表日:2026年6月22日
37
学校に根づく「健康づくりの文化」を見える化
―日本語版ヘルスプロモーティングスクール文化尺度の信頼性・妥当性を検証―
喜屋武享 成長戦略本部特任准教授(兼:琉球大学准教授)、升川清則 関西福祉大学教授、高倉実 名桜大学教授(琉球大学名誉教授)の研究グループは、世界保健機関(WHO)が提唱する「ヘルスプロモーティングスクール(HPS)」の考え方に基づき、学校における健康づくりを支える組織文化を評価する日本語版「ヘルスプロモーティングスクール文化尺度(Japanese version of the Health Promoting School Culture Scale:J-HPSCS)」を作成し、その信頼性と妥当性を検証しました。 本研究では、日本の一県の公立高等学校135校に勤務する教職員1,148...
キーワード:コミットメント/妥当性/ソーシャルキャピタル
他の関係分野:複合領域
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発表日:2026年6月19日
38
ナノダイヤ中シリコン欠陥、9ケルビンで最高品質の 「単一光子」特性観測に成功
―高効率・高品質の単一光子源実現へ-
従来のコンピュータでは時間がかかりすぎて解けない問題を解けると期待される光量子コンピュータや、量子力学の原理を用いることで物理的に安全性が保証される量子暗号通信の長距離化(量子中継)の実現には、光の波長(色)がそろった高品質な光子をひとつひとつ発生させる単一光子源の開発が重要です。特に、直径が数十ナノメートルの微小なダイヤモンド(ナノダイヤモンド)中の単一シリコン(Si)空孔(Vacancy)中心(SiV 中心)が注目されています。しかし、高品質な光子発生を可能にする特性の観測は、従来は極めて低い温度(絶対温度で2.3ケルビン)でのみ行われており、単一光子源の実現に大きな課題となっていました。...
キーワード:量子コンピュータ/量子暗号/分子構造/芳香族/単一光子/単一光子源/シリコン/スピン/ナノメートル/熱処理/量子力学/寿命
他の関係分野:数物系科学化学工学
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発表日:2026年6月19日
39
水晶体が解き明かす魚の集団構造
―欧州イワシ類の資源管理に貢献―
海の中で魚はどこから来て、どこへ向かうのか。この一見単純な問いは、水産資源を守りながら利用するうえで欠かせない一方、広い海を移動する魚を多数追跡することは容易ではありません。 坂本達也 白眉センター/人間・環境学研究科特定助教(兼:ポルトガル海洋大気研究所(Portuguese Institute for Sea and Atmosphere)客員研究員)とSusana Garrido ポルトガル海洋大気研究所主席研究員は、魚の目の水晶体に着目し、イベリア半島周辺に生息するヨーロッパカタクチイワシとヨーロッパマイワシの集団構造を明らかにしました。水晶体中心部の化学組成には魚が発生した海...
キーワード:安定同位体比/海洋/安定同位体/同位体/化学組成/同位体比/資源管理/集団構造/水晶体
他の関係分野:環境学数物系科学農学
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発表日:2026年6月19日
40
脳は“傷つきながら”作られる
ニューロン移動中に DNA 損傷が発⽣するしくみを発⾒
京都大学アイセムス(高等研究院 物質―細胞統合システム拠点:WPI-iCeMS)の見學美根子教授、張喆菁研究員(当時:生命科学研究科大学院生)、高等研究院 ヒト生物学高等研究拠点:WPI-ASHBiのAndres Canela特定研究員(当時:放射線生物研究センター特任准教授)らの研究グループは、東京都医学総合研究所の笹沼博之プロジェクトリーダー、東京大学の岸雄介准教授、大阪大学の古田貴寛教授、シンガポール国立大学のGianluca Grenci博士らと共同で、正常な脳発生過程で、ニューロン遊走に伴う力学的ストレスによりDNA損傷が多発することを発見しました。この成果は6月17日(英国時間)に...
キーワード:ニューロン移動/変異マウス/統合システム/小脳/脳発生/哺乳類/ゲノム安定性/ゲノム不安定性/ニューロン/染色体/DNA損傷/マウス/ライブイメージング/幹細胞/細胞移動/細胞死/神経回路/脳機能/ゲノム/ストレス/遺伝子/遺伝子発現/加齢/神経疾患/放射線
他の関係分野:生物学工学総合生物農学
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発表日:2026年6月17日
41
宇宙空間のプラズマ波動の源を可視化する「リング状に拡大する脈動オーロラ」を世界で初めて発見
栗田怜 生存圏研究所准教授、松岡彩子 理学研究科教授、今城峻 同助教、細川敬祐 電気通信大学教授、名古屋大学、国立極地研究所、金沢大学、東北大学などを中心とする国際共同研究グループは、フィンランドのソダンキュラに設置されている全天型オーロラ撮像装置と、地球磁気圏を観測する探査衛星「あらせ」(ERG)による観測によって、これまでに報告例のない「リング状に急速拡大する脈動オーロラ」の観測に成功しました。宇宙や地上からの観測を統合的に解析することによって、この巨大なリング状のオーロラは、宇宙空間で発生する自然のプラズマ波動である「コーラス波」の波源領域そのものが急速に拡大することによってつくられたも...
キーワード:電気通信/極地/時間分解/地球磁気圏/オーロラ/プラズマ波動/磁気圏/衛星/時間分解能/分解能/イミン
他の関係分野:情報学環境学数物系科学総合理工工学
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発表日:2026年6月16日
42
ゲノム編集の安全性を徹底検証
―LNPの優位性と新たな評価法を確立―
従来のAAVウイルスベクターを用いた送達ではゲノム編集部位にベクター断片の挿入が観察されましたが、脂質ナノ粒子(LNP)ではそのようなベクター断片の組み込みリスクが極めて低いことをマウス生体内で実証しました。予期せぬゲノム編集変異を検出するために、LNPをヒトiPS細胞に投与し、全ゲノムシーケンスを実施してゲノム編集に特異的な変異パターンを抽出しました。コンピュータ予測、試験管内実験、ヒトiPS細胞の全ゲノム解析を統合し、ゲノム編集による予期せぬ変異を高精度に検出する「多階層評価手法」を開発しました。こ...
キーワード:ベンチマーク/アノテーション/ノイズ/ゲノムDNA/遺伝性疾患/遺伝情報/評価手法/ナノ粒子/リスク評価/安全性評価/生体内/CRISPR-Cas/筋ジストロフィー/実験動物/遺伝子破壊/ゲノム配列/輸送体/新規治療法/AAV/CRISPR/DNA修復/iPS細胞/アデノ随伴ウイルス/ゲノム変異/ベクター/染色体/臨床応用/ゲノム解析/筋肉/骨格筋/評価法/AAVベクター/がん化/ゲノム編集/CRISPR-Cas9/DDS/PCR/RNA/ウイルスベクター/がん細胞/がん抑制遺伝子/マウス/ラット/遺伝子治療/再生医療/創薬/免疫応答/ウイルス/ゲノム/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子変異/脂質/全ゲノム解析/難病
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発表日:2026年6月16日
43
1つで3役を担う金ナノクラスター触媒を開発
―階層構造が生み出す多機能性―
京都大学化学研究所 井芹建太 博士後期課程学生(研究当時)、關谷創太 博士前期課程学生、中村正治 教授、磯﨑勝弘 准教授らの研究グループは、立教大学理学部 山内颯斗 博士前期課程学生、三井正明 教授らの研究グループとの共同研究により、アルキニル配位子で保護された金22核ナノクラスターが、階層的な構造に由来する3つの異なる機能を同時に発現し、多機能性触媒として高い活性を示すことを明らかにしました。 これまで金属ナノクラスターは、内部のコア構造と表面構造に基づいて多様な触媒作用を示すことが知られていました。研究グルー...
キーワード:超原子/カップリング反応/クロスカップリング反応/ナノクラスター/有機分子/アミン/一重項酸素/触媒機能/触媒作用/脱水素/持続可能/金属ナノ粒子/ナノサイズ/ナノ粒子/階層構造/機能性/表面構造/層構造/カップリング/クロスカップリング/活性酸素/活性酸素種/酸化反応/配位子/分子変換/有機合成
他の関係分野:化学総合理工工学農学
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発表日:2026年6月15日
44
海底のDNAから読み解く絶滅危惧種スナメリの100年史
―海棲哺乳類の個体数の推移を堆積物DNAから推定―
現在、海棲哺乳類の多くは、絶滅危惧種に指定され、化学物質による汚染の影響などが危惧されています。しかし、観測データの不足から、絶滅リスクの評価ができない状況が続いてきました。 土居秀幸 情報学研究科教授、槻木玲美 松山大学教授、加三千宣 愛媛大学教授、国末達也 同教授、中根快氏(元・愛媛大学大学院生)、落合真理 麻布大学講師、磯部友彦 国立環境研究所主幹研究員らからなる研究チームは、絶滅危惧種スナメリの個体数の長期復元を目的に、本種に特異的なプライマー・プローブを開発し、瀬戸内海、別府湾の堆積物に残る環境DNAをリアルタイムPCR法によって検出・解析しました。 その結果、過去1...
キーワード:情報学/環境汚染/自然保護/PCB/化学物質/堆積物/PCR法/現地調査/哺乳類/絶滅危惧種/リアルタイムPCR/環境DNA/PCR/プローブ
他の関係分野:情報学環境学数物系科学生物学工学農学
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発表日:2026年6月15日
45
生命のナノマシンが「合成し、組み立てる」人工材料
―プログラマブル材料工学の基盤技術として期待―
角五彰 理学研究科教授、浜田省吾 東京科学大学助教らの研究チームは、DNAポリメラーゼと分子モーターという2種類の生体分子ナノマシンを使い、化学エネルギーを動力源としてDNAネットワーク材料をボトムアップで動的に形成するシステムを開発しました。 生命は、自らの身体を形作る複雑な材料を、化学燃料を消費しながら合成し、自在に組み合わせることで動的に作り出します。こういった概念を人工的に模倣する試みとしては、人工代謝系で動く分子ロボットの開発などが既に実施されています。しかし生体内で行われているような、複数種類の酵素や分子モーターなどを組み合わせた多段階プロセスは、限定的にしか再現されていま...
キーワード:分子ロボット/構造形成/自己集合/DNAポリメラーゼ/キネシン/ボトムアップ/ネットワーク構造/モーター/ロボット/長鎖DNA/生体内/分子モーター/ナノマシン/微小管/ATP/生体分子/分子設計
他の関係分野:情報学化学生物学工学総合生物
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発表日:2026年6月12日
46
半値幅5nmに迫る超狭帯域発光を示す分子を開発
―次世代ディスプレイ創出とLEDの応用範囲拡大に期待―
畠山琢次 理学研究科教授、儘田正史 同准教授、越智純毅 同助教、片岡宏太 同修士課程学生(研究当時)、Lee Taehwan 同博士後期課程学生らの研究グループは、「多重共鳴」とよばれる分子設計を発展させ、極めて小さな半値幅の発光を示す有機材料の開発に成功しました。 一般的な有機材料の発光は、40nm(nm、ナノメートル、10億分の1メートル)を超える半値幅(ピークの半分の高さでの幅)を有します。広い半値幅は、さまざまな色が混ざった光を意味し、ディスプレイが表現できる色域を制限する要因となります。有機発光材料を用いた有機発光ダイオード(OLED)は、スマートフォンなどのディスプレイで広...
キーワード:スペクトル/発光スペクトル/励起状態/ディスプレイ/発光材料/分子振動/有機材料/LED/ナノカーボン/発光ダイオード(LED)/カーボン/ナノメートル/レーザー/励起子/分子設計/スマートフォン
他の関係分野:数物系科学化学工学
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発表日:2026年6月11日
47
分子設計の常識を覆す高スピン有機化合物の合成
―[4n]π電子系の軌道エネルギーを自在に操り、特異な芳香族性を基底状態で実現―
化学理工学専攻の山田孟 修士課程学生(研究当時)、篠塚智仁 博士課程学生(研究当時)、清水大貴 助教、松田建児 教授らの研究グループは、従来の定説では低スピン(一重項)状態が安定になると予想されるKekulé(ケクレ)型の分子構造を有する有機分子に高スピン(三重項)基底状態を実現する新しい分子設計戦略を発見しました。閉殻構造式が描けるKekulé型構造を有する有機分子は一般に電子が2つずつペアを組んで安定化するため、磁性を持たない低スピン(一重項)状態をとることが常識とされてきました。しかし本研究グループは、分子の構造ではなく、フロンティア軌道のエネルギーを精密に制御することでこの常識に収まら...
キーワード:量子情報/π電子/分子構造/芳香族/有機分子/スピンエレクトロニクス/光励起/スピン/寿命/分子設計
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学
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発表日:2026年6月11日
48
平面シートが「変身」して曲面に
―生物の「かたちづくり」をモノづくりに―
マイクロエンジニアリング専攻 井上康博 教授、森川健太郎 同 助教、中村拓未 同 修士課程学生(研究当時)、松本嘉彦 同 博士後期課程学生、九州大学大学院医学研究院 松田佳祐 助教、富山大学学術研究部理学系 秋山正和 准教授、早稲田大学大学院情報生産システム研究科 山﨑慎太郎 教授、国立遺伝学研究所 近藤滋 所長らの研究グループは、植物や動物が用いる「偏差成長」の仕組みを、熱収縮フィルムと3Dプリンタで人工的に再現することに成功しました。偏差成長は、組織の場所ごとに成長の速さを変えることで、平らな組織が立体に立ち上がる、生物の形態形成の根幹原理です。生物が「どこでどれだけ成長するの...
キーワード:人工知能(AI)/フィルム/樹脂/紫外線/マイクロ/生産システム/形態形成/遺伝学
他の関係分野:情報学化学工学
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発表日:2026年6月10日
49
チロシンキナーゼ阻害剤による幹細胞様メモリーT細胞の誘導を非臨床で確認
西川博嘉 医学研究科教授(兼:国立がん研究センター研究所分野長、名古屋大学教授)、奥廣有喜 国立がん研究センター研究所特任研究員らの研究チームは、分子標的薬チロシンキナーゼ阻害薬「ポナチニブ」が、幹細胞様メモリーT細胞(T stem cell memory:TSCM細胞)を誘導し、マウスモデルを用いた実験において、抗腫瘍免疫応答を増強する可能性を示しました。 TSCM細胞は、自己複製能を持ち長期間にわたりがん免疫療法の治療効果(持続的な抗腫瘍免疫応答)を支える重要な免疫細胞として注目されていますが、効率よく誘導する方法は確立されていませんでし...
キーワード:がん研究/メモリ/メモリーT細胞/がん免疫/がん免疫療法/チロシンキナーゼ/マウスモデル/抗腫瘍免疫/自己複製/自己複製能/分子標的/免疫療法/T細胞/キナーゼ/マウス/幹細胞/腫瘍免疫/阻害剤/免疫応答/免疫細胞/分子標的薬
他の関係分野:複合領域工学
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発表日:2026年6月9日
50
認知症の人における入院加療がその後の死亡率と医療費に与える因果効果を検証
―丁寧な入院判断が重要―
池洲諒 医学研究科特定助教と米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究グループは、米国の公的医療保険(メディケア)の全国データを用いて、認知症の人における入院加療が、その後の死亡率と医療費に与える因果効果を検証しました。 認知症の人は救急外来受診や入院加療を経験する頻度が高く、「入院させるべきかどうか」は重要な判断です。認知症の人は、不慣れな入院環境により合併症が起きやすく、入院によって身体・認知機能が低下する可能性があると指摘されてきました。従来の研究では、入院を経験した認知症の人は、入院しなかった人に比べてその後の経過が良くないこと(死亡率が高い、など)が示されてきまし...
キーワード:因果効果/合併症/死亡率/医療費/在宅医療/認知機能/認知症
他の関係分野:情報学
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発表日:2026年6月8日
51
アオコ問題は終わらない
―今後のアオコ研究をどう進めるか?―
夏の良く晴れた日、湖沼の水面が抹茶のごとく緑色の粉をまいたようになる「アオコ」現象は、富栄養化した湖沼で世界的に広く見られます。アオコは、植物プランクトンのうち「ラン藻」あるいは「シアノバクテリア」と呼ばれる生物が大量に増殖したものです。わが国では、高度経済成長期に全国の主要な湖沼が富栄養化して、アオコは深刻な環境問題となりました。アオコが発生すると、景観の悪化、強い悪臭、水処理におけるろ過障害などの問題が生じます。そして最も深刻な問題として、アオコが人や家畜に有害な毒素を生産することが挙げられます。このことから、アオコ問題は現在もなお、米国や欧州などの先進国だけでなく、アジアやアフリカの発展...
キーワード:高度経済成長/ワークショップ/オーストリア/湖沼/富栄養化/バクテリア/シアノバクテリア/ラン藻/キャリア/水処理/環境問題/ため池/経済成長/アオコ/プランクトン/植物プランクトン/生態学/成長期/発展途上国
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学生物学工学農学
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発表日:2026年6月5日
52
細胞内相分離が制御する組織ダイナミクス
―三細胞結合点の物性が多細胞生物の形作りを支える―
上地浩之 薬学研究科准教授(研究は東北大学学際科学フロンティア研究所でも実施)らの研究グループは、細胞内相分離(水と油が分離するように、生体高分子がダイナミックに区画化することで分子会合体や細胞内小器官を形成する現象)が、上皮組織の形態形成を適切に導くことを明らかとしました。上皮組織は細胞膜上の細胞間接着分子群により、バリア機能と協調した細胞運動性を獲得します。なかでも3つ以上の細胞が接する「三細胞結合点」には、特定のタンパク質が局在し機能することが知られていますが、特異な分子局在や生理機能を発現するしくみは不明でした。本研究ではショウジョウバエ上皮形態形成の生きたままの観察と、試験管内再構成...
キーワード:相分離/高分子/細胞内小器官/ダイナミクス/生体内/変異体/ミオシン/細胞間接着/細胞膜/細胞運動/生理機能/ショウジョウバエ/形態形成/細胞接着/生体高分子/生体分子/接着分子
他の関係分野:数物系科学化学生物学工学総合生物農学
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発表日:2026年6月5日
53
電気と酵素の力で補酵素NADを再生
―新規DET型酵素による高速化と省エネルギーの実現―
紀之定玲司 農学研究科修士課程学生、武部幸佳 同修士課程学生(研究当時)、足立大宜 同特定研究員、宋和慶盛 同助教、北隅優希 同准教授、白井理 同教授、株式会社村田製作所の生出伸一博士(研究当時)らの共同研究グループは、Methylorubrum extorquens AM1というメタノール資化性細菌由来ギ酸脱水素酵素のβサブユニット単独発現体(FoDH1B)を用いたニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)再生系を構築しました。 NADは生物の異化代謝において必須の補酵素であり、NAD依存性酵素を用いた物質生産にも利用されています。本物質生産において、酸化型NA...
キーワード:酸化還元状態/アミド/電子移動/酵素電極/脱水素/省エネ/電極反応/電池/バイオミメティクス/酸化還元/省エネルギー/物質生産/生体内/メタノール/大腸/ラット/大腸菌/細菌
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学総合生物農学
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発表日:2026年6月5日
54
社会経済的に不利な地域で自殺率が11%増加
―全国約3900万人の大規模コホート研究―
小村慶和 医学研究科博士課程学生(現:関西医科大学助教)、井上浩輔 同教授、近藤尚己 同教授およびRory C. O'Connor 英国グラスゴー大学(University of Glasgow)教授らの研究グループは、居住地域の社会経済的な不利が個人の所得水準にかかわらず自殺リスクの上昇と関連することを明らかにしました。これまでの研究で、自殺リスクは社会経済的に不利な地域に集中していることが分かっていました。その影響は個人の所得によっても異なる可能性があると考えられますが、その影響を調べた研究は見当たりませんでした。そこで、全国健康保険協会の被保険者約3900万人を対象とした分析を行いました...
キーワード:自殺予防/コホート
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発表日:2026年6月2日
55
持効型G-CSF製剤が幹細胞ドナーの負担を低減することを実証
〜注射1回で、幹細胞をより多く・より速く・より少ない日数で採取可能に〜
同種造血幹細胞移植は、白血病などの血液のがんに対する重要な治療ですが、その実施には健康なドナーから幹細胞を採取する必要があります。従来法では、採取前に4〜5日間連続してG-CSF製剤を注射する必要がありました。また、十分な細胞数が得られないことや、目標細胞数の確保に複数日を要する場合がありました。そのため、ドナーへの身体的・時間的な負担に加え、患者に確実な幹細胞数を届けるうえでも課題がありました。近年、1回の注射で効果が続く持効型G-CSF製剤のドナーへの使用が承認されましたが、実際の診療現場での有効性は明らかではありませんでした。 そこで、清水知成 医学研究科博士課程学生、城友泰 医...
キーワード:最適化/移植医療/幹細胞移植/細胞移植/造血幹細胞/幹細胞/血液/白血病/副作用/がん患者/造血/造血幹細胞移植
他の関係分野:情報学複合領域
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発表日:2026年6月2日
56
ビニルポリマーの立体構造を制御する新戦略
―弱い相互作用で側鎖の方向を思い通りに―
化学理工学専攻の西川剛 助教、鈴木宏史 博士後期課程学生(研究当時)、大内誠 教授の研究グループは「非古典的水素結合」と呼ばれる弱い相互作用が鍵となってビニルポリマーの立体規則性(側鎖の方向)が制御される現象を見出しました。立体規則性はプラスチックをはじめとする高分子材料の結晶性や材料の硬さや強靭さといった力学特性に影響を与えることが知られており、さらに安定性や分解性にも影響する可能性があります。しかし、立体規則性を制御する手法はいまだ限られています。本研究では、高分子材料(ポリマー)の原料となる分子(モノマー)として独自に研究を進めてきたホウ素が二重結合部分に直結した分子に対し、ホウ素上の保...
キーワード:弱い相互作用/ポリビニルアルコール/高分子/保護基/立体規則性/プラスチック/ポリマー/結晶化/高分子材料/ホウ素/結晶性/アルコール/立体構造
他の関係分野:数物系科学化学工学農学
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発表日:2026年6月2日
57
鉄と水素の結合を結晶内で安定化
―レドックス非対称性で鉄系酸水素化物を実現―
酸水素化物は、酸化物中に負の水素イオン(ヒドリド)を導入した材料で、触媒などへの応用が期待されています。特に、組み合わせる遷移金属種が機能を決める重要な要素であり、安価で低毒性な鉄は有望視されています。一方で、鉄系酸化物を強く還元すると、ヒドリドが入らずに酸素が抜けた酸素欠損相へ変化するため、鉄系酸水素化物は未開拓でした。化学理工学専攻 陰山洋 教授、笹原悠輝 特定研究員(学振PD)(研究当時、現:北海道大学大学院工学研究院 助教)、九州大学大学院工学研究院材料工学部門 藤井進 准教授、名古屋工業大学物理工学類 壬生攻 教授、東京科学大学理学院化学系 八島正知 教授らの研究グループ...
キーワード:対称性/非対称性/タンタル/酸化還元反応/ヒドリド/酸素欠損/遷移金属/ペロブスカイト/還元反応/材料設計/水素化物/酸化還元/酸化物/水素化/レドックス
他の関係分野:数物系科学化学工学
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発表日:2026年6月1日
58
スマートフォン認知行動療法がうつ病発症を長期予防
─1年間追跡で実証─
田近亜蘭 医学研究科特定准教授、豊本莉恵 同特定講師、 羅妍 同助教(研究当時) 、中山健夫 同教授、近藤尚己 同教授、福間真悟 同特定教授、古川壽亮 同特定教授、名古屋市立大学を中心とする共同研究グループは、閾値下うつ状態にある一般成人を対象に、スマートフォン・アプリを用いて認知行動療法(CBT)の個別スキルを提供し、うつ病発症予防効果を1年間にわたり示しました。 本研究は、完全オンラインで実施した分散型臨床試験(DCT)によって行われ、スマートフォンCBTによる1年後のうつ病発症予防効果を示したものです。なかでも、行動活性化とアサーションの組み合わせ、行動活性化と認知再構成の組み合...
キーワード:スキル/臨床試験/CBT/うつ/うつ病/スマートフォン/睡眠/認知行動療法
他の関係分野:
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発表日:2026年5月29日
59
ゲノムから探るアカハライモリの多様化プロセス
~交雑が新たな遺伝グループの形成に関与していることを明らかに~
キーワード:地球環境/集団構造/ゲノムワイド/ゲノム
他の関係分野:工学農学
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発表日:2026年5月29日
60
日本近海における過去60年間の詳細な海況を再現
~海洋、気候、水産等幅広い分野への活用に期待~
キーワード:デバッグ/海洋/海面水温/健康診断
他の関係分野:情報学環境学数物系科学
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発表日:2026年5月28日
61
脳卒中後の痛みが両側へ広がる謎を画像で解明
―LPAがミクログリアを脳梁内で連鎖的に活性化し、PGE₂増加を招く過程を可視化―
脳卒中後には、手足などに長く続く痛みが生じることがあります。通常は脳の損傷部位とは反対側に現れますが、まれに両側へ広がります。なぜ脳卒中後に痛みが起こり、なぜ片側にとどまらず両側へ広がるのか、その仕組みは分かっていませんでした。 根山広行 医学研究科特定研究員、杉浦悠毅 同特定准教授らの研究グループは、この謎に、生理活性脂質リゾホスファチジン酸(LPA)、脳内免疫細胞ミクログリア、痛みに関わるプロスタグランジンE2(PGE2)が連動して関わることを、イメージング質量分析などにより本研究で初めて画像として捉えました。 研究グループは、マウスの虚血・再灌流モデ...
キーワード:質量分析/生体内/大脳/虚血・再灌流/グリア/プロスタグランジン/プロスタグランジンE2/マウス/ミクログリア/リゾホスファチジン酸/虚血/生理活性/生理活性脂質/創薬/大脳皮質/免疫細胞/薬理学/脂質/脳卒中/疼痛
他の関係分野:総合理工総合生物
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発表日:2026年5月28日
62
キナーゼをリン酸標識化剤として用いたタンパク質高次構造変化の大規模計測法を開発
タンパク質の高次構造は、その機能と密接に関連しています。細胞内でタンパク質は他のタンパク質や核酸との相互作用、翻訳後修飾などを通じて絶えず構造変化を起こしており、これらの構造ダイナミクスがシグナル伝達や細胞機能の制御に重要な役割を果たしています。このため、細胞内プロテオームの構造変化を網羅的に解析する「構造プロテオミクス」は、生命象の分子基盤を理解する上で不可欠です。しかし、従来のタンパク質構造プロテオミクス手法では、標識ペプチドの不均一性や標識化されたペプチドの検出感度の低さがプロテオーム規模の解析の障壁となっていました。 前田朝登 薬学研究科博士後期課程学生、小形公亮 同助教、石濱...
キーワード:タンパク質構造/ダイナミクス/酸化酵素/リン酸/オミクス/タンパク質リン酸化/不均一性/in vitro/RNA/RNA結合タンパク質/キナーゼ/プローブ/プロテオミクス/リン酸化酵素/構造変化/高次構造/酸化反応/生体分子/創薬/翻訳後修飾
他の関係分野:化学工学農学
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発表日:2026年5月28日
63
自然免疫の炎症シグナルの終息を制御する新たな脂質–タンパク質相互作用を発見
~STINGシグナルに着目した治療戦略に道~
自然免疫はウイルスなどの異物を認識して炎症反応を引き起こす生体防御機構です。その中心的な経路の一つがSTING経路であり、DNAウイルス感染やがん細胞からのDNA漏出を感知して炎症反応を誘導します。一方で、この経路の過剰な活性化は自己炎症性疾患や神経変性疾患などの原因となるため、STING炎症シグナルを適切に終息させる仕組みが重要です。 八角高裕 医学研究科特定教授、東海林紬 東北大学大学院生、朽津芳彦 同助教、田口友彦 同教授、東京科学大学、慶應義塾大学、旭川医科大学、鹿児島大学の研究グループは、リソソーム膜に存在する脂質PI(3,5)P2がESCRT複合体の構...
キーワード:炎症性疾患/炎症反応/生体防御/がん細胞/タンパク質相互作用/リソソーム/自然免疫/神経変性/神経変性疾患/ウイルス/脂質
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発表日:2026年5月28日
64
免疫制御タンパク質の多量化機構を解明
―タンパク質が集まることがシグナルとなる―
笠井一希 理学研究科博士後期課程学生(現:大阪大学特任研究員)と杤尾豪人 同教授の研究グループは、自然免疫タンパク質MyD88がシグナル伝達の際に形成する多量体の構造を解明し、「多量化によるシグナル制御」の分子機構を明らかにしました。本研究は、紺野宏記 金沢大学准教授、成田哲博 名古屋大学准教授、大西秀典 岐阜大学教授、難波啓一 大阪大学特任教授、古寺哲幸 金沢大学教授らとの共同研究です。 病原体などから体を守る免疫システムにおいて、MyD88は受容体からのシグナルを細胞内に伝える役割を果たしています。その際、MyD88分子の「集積」が必須であることが知られていましたが、その集積の意義...
キーワード:AFM/ナノメートル/原子間力顕微鏡/電子顕微鏡/電子顕微鏡法/リンパ腫/クライオ電子顕微鏡/高速原子間力顕微鏡/病原体/悪性リンパ腫/免疫制御/分子機構/自然免疫/受容体
他の関係分野:工学農学
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発表日:2026年5月27日
65
T細胞の運命を安定化させる鍵分子の発見
―Satb1によるFoxP3制御メカニズム―
セオ・ウセオク(SEO Wooseok)医学研究科准教授、谷内一郎 理化学研究所チームリーダーらの研究グループは、免疫細胞であるT細胞の性質を安定して維持するために不可欠なDNAの働きを解明しました。 T細胞は、がんや病原体と戦う「エフェクターT細胞」と、免疫の暴走を抑える「制御性T細胞(Treg)」に分かれます。本研究では、ゲノムの立体構造を調節するタンパク質「Satb1」が、成熟したエフェクターT細胞において、Tregのマスター遺伝子である「Foxp3」が誤って働くのを防いでいることを発見しました。この抑制には、TET酵素を介したDNAのメチル化調節が関わっています。Satb1を失うと、一...
キーワード:免疫機能/病原体/FoxP3/がん免疫/がん免疫療法/ヘルパーT細胞/免疫療法/DNAメチル化/T細胞/メチル化/制御性T細胞/免疫細胞/立体構造/ゲノム/遺伝子
他の関係分野:複合領域
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発表日:2026年5月26日
66
7億年にわたる血液細胞の家系図
―T細胞の祖先はマスト細胞だった―
河本宏 医生物学研究所教授と長畑洋佑 同特定助教(現:スペイン進化生物学研究所(Institute of Evolutionary Biology)日本学術振興会海外特別研究員)の研究グループは、血液細胞の7億年にわたる進化の過程を解明しました。 本研究では、様々な動物と単細胞生物における、多種多様な細胞の遺伝子の使われ方を比較する手法を開発することで、(1)動物の祖先は、まだ単細胞生物であった頃の遺伝子プログラムを用いて、マクロファージ様の血液細胞として誕生させ、(2)マクロファージからマスト細胞が分岐し、(3)そのマスト細胞から原始的なT細胞が、(4)マクロファージから原始的なB細...
キーワード:進化生物学/脊椎動物/脊椎/前駆細胞/造血幹細胞/B細胞/T細胞/ファージ/マクロファージ/マスト細胞/幹細胞/血液/血小板/赤血球/免疫細胞/遺伝子/造血
他の関係分野:生物学
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発表日:2026年5月26日
67
環状分子の“協同作業”を可視化することに成功
化学理工学専攻の生越友樹教授(兼 金沢大学ナノ生命科学研究所 特任教授)、金沢大学理工研究域物質化学系の淺川雅教授、ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)の柴田幹大教授、大学院生命科学研究科の炭竈享司特定講師(兼 金沢大学ナノ生命科学研究所研究協力員)らの共同研究グループは、基板上に集まった環状分子が協力して他のゲスト分子を捕まえる様子を単分子レベルで可視化することに成功しました。本研究では、微小な孔を持つ環状分子を基板上に高密度に並べ、その孔に別のゲスト分子が取り込まれて形成されるホスト–ゲスト錯体を、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて直接観察しました。その結果、単独の分子で...
キーワード:オープンアクセス/分子構造/機能性分子/超分子化学/単一分子/安全・安心/AFM/環境問題/原子間力顕微鏡/分解能/分子システム/生体内/機能性/高分解能/APC/超分子/構造変化
他の関係分野:情報学化学工学総合生物農学
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発表日:2026年5月25日
68
オオサンショウウオ交雑個体の遺伝子鑑定精度を再評価
西川完途 人間・環境学研究科教授、松井正文 名誉教授、原壮大朗 人間・環境学研究科特定助教、福谷和美 同博士後期課程学生(研究当時)、松原康平 同修士課程学生(研究当時)、福山伊吹 北海道大学特任助教、吉川夏彦 国立科学博物館研究員、江頭幸士郎 北九州市立自然史・歴史博物館学芸員、富永篤 琉球大学教授らの研究グループは、西日本で深刻な問題になっているオオサンショウウオ交雑個体の遺伝子鑑定で、従来用いられてきたマイクロサテライトマーカー(SSR)による遺伝鑑定の精度をより高精度な一塩基多型(SNP)に基づく手法で再評価し、従来手法では詳細な遺伝子鑑定には限界があり、特に交雑の進んだ個体の検出には...
キーワード:博物館学/外来種/生物多様性保全/マイクロ/マイクロサテライトマーカー/生物多様性/SNP/ゲノム/遺伝子/一塩基多型
他の関係分野:複合領域環境学工学農学
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発表日:2026年5月25日
69
分⼦を識別し、⾊・⼤きさ・硬さが変わる多孔性ゲル
京都⼤学アイセムス(⾼等研究院 物質ー細胞統合システム拠点:WPI-iCeMS)の⽴⽯友紀 ⽇本学術振興会特別研究員 PD(当時、現・東北⼤学学際科学フロンティア研究所助教)と古川修平 教授らの研究グループは、特定の分⼦を⾒分け、「どの分⼦を取り込んだか」という分⼦レベルの識別情報を、「⾊」、「⼤きさ」、「硬さ」の変化として出⼒する多孔性ゲル「MOPEG ゲル」の開発に成功しました。 分⼦を識別する仕組みはガスの分離から⽔質管理、薬剤分⼦の輸送など、私たちの⽣活・社会に密接に関連しており、これまでにもさまざまな分⼦認識材料の開発が進められてきました。似通った構造の分...
キーワード:化学物質/弾性率/配位結合/ポリエチレン/材料設計/センサー/ナノサイズ/ナノメートル/ポリマー/統合システム/ポリエチレングリコール(PEG)/エチレン/機能性/分子標的
他の関係分野:環境学化学総合理工工学総合生物農学
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発表日:2026年5月22日
70
波として伝わる磁気振動の周波数の瞬間切替に成功
―超低消費電力情報処理へ道―
京都大学化学研究所 塩田陽一 准教授、小野輝男 教授らの研究グループは、韓国科学技術院(KAIST) Kab-Jin Kim 准教授の研究グループ、同大学 Se Kwon Kim 准教授、蔚山大学 Sanghoon Kim 准教授の研究グループと共同で、二つの磁石の磁極が逆方向に結合した人工反強磁性体)において、波として伝わる磁気振動(マグノン)の異なる振動モード間を瞬時に切り替える現象を観測しました。 反強磁性体中を伝播するマグノンには複数の振動モードが存在し、それらを高速か...
キーワード:マグノン/反強磁性/反強磁性体/非線形/磁場/磁性体/振動子/スピン波/ニューロモルフィック/強磁性/電子回路/強磁性体/スピン/スピントロニクス/ダイナミクス/マイクロ/マイクロ波/周波数/振動モード/低消費電力/量子力学/ルテニウム
他の関係分野:数物系科学総合理工工学
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発表日:2026年5月22日
71
医師の働き方に潜むジェンダーギャップ
―時間・ケア労働・収入から見えた課題―
大越香江 医学研究科客員研究員、所為然 同博士課程学生、肥田侯矢 同客員研究員(研究当時:同准教授)、水野良祐 同博士課程学生、山本洋介 同教授、小濵和貴 同教授、深見佳代 鳥羽商船高等専門学校准教授らの研究グループは、日本の病院勤務医を対象とした全国規模のウェブ調査により、時間配分と収入にみられるジェンダー差を明らかにしました。 医師の働き方改革や人材確保が課題となるなか、家事や育児などの無償ケア労働の負担が医師の働き方やキャリアにどのように関連するかは、これまで十分に検討されてきませんでした。そこで、解析条件を満たした2,540人のデータを用いて検討したところ、年齢や家族構成、診療...
キーワード:gender/キャリア/働き方改革/医師/育児/生活の質
他の関係分野:情報学工学
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発表日:2026年5月21日
72
小笠原諸島で樹上性外来トカゲの痕跡を探る
―葉面環境DNAのふき取りで高感度に侵入検知―
外来生物の早期発見や侵入モニタリングは、定着を防ぎ、生態系への影響を軽減するために重要です。しかし、特に樹上性の爬虫類などは捕獲や目視による生息確認が困難であり、簡便かつ効率的な検知手法の開発が喫緊の課題とされていました。小笠原諸島などで深刻な生態系被害をもたらしている特定外来生物のグリーンアノールは樹上性の小型トカゲ類であり、まさにこうした確認が困難な種の典型例と言えます。 辻冴月 情報学研究科助教、村上勇樹 自然環境研究センター主任研究員、戸田光彦 同研究主幹、八神遥介 同研究員、芦澤航 同上席研究員、西脇拓朗 同研究員、環境省の山本捺由他氏らの研究グループは、葉の表面に残されたグ...
キーワード:情報学/外来種/爬虫類/トラップ/モニタリング/生態系/環境DNA/早期発見
他の関係分野:情報学環境学生物学工学農学
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発表日:2026年5月21日
73
クラゲに寄生するフジツボのなかま
―クラゲエボシの生態と進化の道すじ―
フジツボのなかまには「エボシガイ」と呼ばれる、甲殻類のなかまや魚、流木などさまざまなものに付着して暮らす仲間がいます。 山守瑠奈 フィールド科学教育研究センター助教、遊佐陽一 奈良女子大学教授、平林勲 東北大学技術職員、渡部裕美 海洋開発機構准研究主任による研究グループは、大型クラゲ類に付着して暮らすエボシガイ「クラゲエボシ」Alepas pacificaについて、食性などの生態や系統を明らかにしました。クラゲエボシは、風来坊のクラゲとともに暮らしているため、狙って採集することが困難で、その生態はほとんどわかっていませんでした。今回の研究では、脚や顎などの詳しい形態観...
キーワード:海洋/海洋生物/甲殻類/遺伝子
他の関係分野:環境学農学
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発表日:2026年5月20日
74
ニホンザルの休息場所での暑さ対策
―「カラ暑」は半日陰、「ムシ暑」は日陰―
田伏良幸 理学研究科博士後期課程学生(現:中央大学共同研究員)は、屋久島に生息する野生ニホンザルを対象に、気温と湿度に応じた休息場所選択による体温調節のしくみを解明しました。 動物にとって体温調節は、生存に欠かせない重要な機能です。動物は外部環境の変化に対して柔軟に行動を変えることで深部体温の変化を予防したり、和らげたりしています。これまで、寒い環境下での体温調節行動については多くの研究が行われてきましたが、暑い環境下での体温調節行動に関する報告は限られていました。さらに、木漏れ日が差し込む半日陰を休息場所の選択肢として扱った内温動物の体温調節研究は、これまでありませんでした。...
キーワード:フィールドワーク/体温調節
他の関係分野:複合領域
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発表日:2026年5月20日
75
RNAとDNAの組み合わせにより核酸アプタマーの分子認識を調節できることを発見
―分子標的薬やバイオセンサ開発に向けた核酸材料設計の分子基盤を確立―
永田崇 エネルギー理工学研究所准教授、片平正人 同教授、阪本知樹 博士(現:東京薬科大学助教)、坂本泰一 千葉工業大学教授、山岸賢司 日本大学准教授(現:千葉工業大学教授)、堀内正隆 北海道医療大学教授、石川岳志 鹿児島大学教授らの共同研究により、分子標的薬やバイオセンサの材料となる核酸アプタマーについて、RNAとDNAを組み合わせることで、アプタマーの柔らかさを変え、標的タンパク質へのフィットの仕方を変えられることを明らかにしました。 現在、核酸アプタマーは、抗体に代わる分子認識材料として、分子標的薬やバイオセンサに応用されています。核酸アプタマーは、一般にDNAあるいはRNAから、...
キーワード:環境汚染/環境モニタリング/環境汚染物質/材料設計/モニタリング/キメラ/ゆらぎ/分子標的/RNA/分子認識/抗体/分子標的薬
他の関係分野:環境学工学農学
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発表日:2026年5月19日
76
働く世代で見つかる「心房細動」は腎機能低下のサイン
―心臓と腎臓の「悪循環」を防ぐため、早期発見が重要―
福間真悟 医学研究科特定教授(兼:広島大学教授)、森雄一郎 同博士課程学生(現:同特定研究員)、柳田素子 同教授、池之上辰義 宮崎大学教授らの研究チームは、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入する就労世代の健康診断および医療データを分析し、不整脈の一つである「心房細動(しんぼうさいどう)」が新たに見つかると、その後の腎機能が年齢に伴う自然な低下と比べて加速することを明らかにしました。 これまで心臓に病気のなかった35〜59歳の約770万人のデータから、新たに心房細動が見つかった約2.3万人を追跡調査しました(追跡期間中央値:4.7年)。その結果、心房細動のない人と比べて、年間の腎機能低...
キーワード:腎臓病/健康診断/心臓/心房細動/追跡調査/心電図/腎機能/腎臓/不整脈/早期発見
他の関係分野:
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発表日:2026年5月19日
77
ウェアラブル脳波計システム「ポリメイトGo」を産学連携で共同開発・製品化
―てんかん診断を容易にする在宅脳波測定への応用を可能に―
松本理器 医学研究科教授、保多隆裕 神戸大学特命教授、馬瀬隆造 株式会社ミユキ技研代表取締役社長らは、本学、神戸大学、株式会社ミユキ技研による三者共同研究によって、より生活環境に近い状態での持続的な脳波測定への応用が期待できるウェアラブル脳波計 「ポリメイト Go」 を開発し、本装置が医療機器として正式に認証され、保険診療の枠組みで利用可能になりました。 本成果は、大学における研究成果を、実臨床で使用可能な医療機器として社会実装した事例であり、在宅医療や地域医療への貢献が期待されます。...
キーワード:ウェアラブル/医療機器/産学連携/地域医療/てんかん/在宅医療/脳波
他の関係分野:情報学複合領域
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発表日:2026年5月19日
78
体の温度適応の多様性を決める新たな仕組みを解明
―線虫の温度応答神経回路の多様性を決めるsmall RNAの発見―
岡畑美咲 医生物学研究所助教(研究当時:甲南大学客員研究員)、井木太一郎 同特定准教授、久原篤 甲南大学教授、太田茜 同研究員(科学技術振興機構(JST)さきがけ研究者)(研究当時:同特任研究准教授)らの研究チームは、「進化の過程で蓄積された小分子RNA(sRNA)の自然変異が温度適応の多様性を決める神経回路を生み出す」ことを線虫の解析から明らかにしました。 研究チームはシンプルな実験動物である線虫C. エレガンスの温度順化を解析してきました。世界各地で単離された線虫多型株が示す温度順化の違いを決定する原因遺伝子として、smrn-1遺伝子を同定しました。従来、...
キーワード:初期胚/神経系/環境適応/温度応答性/実験動物/ニューロン/ヒトゲノム/小分子RNA/RNA/神経回路/ゲノム/遺伝子/生理学/脳・神経
他の関係分野:生物学工学総合生物
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発表日:2026年5月18日
79
病院の再編は地域住民に何をもたらすのか?
―地域の視点から病院再編の効果を分析する―
2010年代から我が国では医療機関の再編や統合が進められています。特に地域医療の中核となる公立病院については、地域のニーズに応じた再編が各地で検討されてきました。しかし、これまで病院の再編や統合について、その効果を地域住民の立場から分析した研究はほとんど報告されていませんでした。 今中雄一 医学研究科教授、國澤進 同准教授、岸本健治 同客員研究員らの研究グループは、国内で実際に行われた公立病院の再編事例について、再編後に住民の入院数や受診数がどのように変化するか、保険請求データを用いて分析しました。再編が行われた地域は過疎化と高齢化が進み、再編前は入院を必要とする住民の多くが他の地域に...
キーワード:医療政策/地域医療/高齢化
他の関係分野:
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発表日:2026年5月18日
80
スクミリンゴガイの壁面歩行を抑制する表面形状
―産卵場所への到達を阻害する物理的防除―
橘悟 地球環境学堂研究員、西川星也 生命科学研究科特定講師らは、スクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata)の壁面歩行を大きく抑制する表面形状を明らかにしました。 スクミリンゴガイは、日本では重点対策外来種に指定されており、稲作などの農業に大きな被害をもたらしています。年間3000個以上の卵を産む高い繁殖力をもつため、成貝や卵塊の除去には限界があり、農業被害や生態系への影響、農作業者への健康リスクなども課題となっています。 本研究では、スクミリンゴガイが水面上の壁面へ移動して産卵する性質に着目し、垂直歩行を阻害する表面形状を調査しました。具体的...
キーワード:外来種/健康リスク/地球環境/3Dプリンター/センサー/トラップ/生態系/運動能力/スリット
他の関係分野:環境学工学農学
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発表日:2026年5月18日
81
ナノファイバーによるヒト髄鞘形成モデルの構築と定量化
ー 生体模倣システム(MPS)としての新規ヒト細胞評価系 ー
ヒトiPS細胞由来のオリゴデンドロサイトとナノファイバーを組み合わせ、神経軸索を包み込む「髄鞘形成」の初期過程を試験管内で再現する新モデルを構築しました。髄鞘特異的な分子(Claudin-11)を指標とすることで、これまで困難だったヒト細胞による「髄鞘化」プロセスの定量的な評価手法を確立しました。本評価系は、多発性硬化症などの神経難病の病態解明や創薬研究に加え、老化に伴う脳機能低下の抑制に向けた研究基盤としての活用が期待されます。1. 要旨 森田賢受託研究員...
キーワード:人工知能(AI)/神経系/定量評価/ファイバー/生体模倣/絶縁体/評価手法/ナノファイバー/MPS/マイクロ/安全性評価/政策研究/突起伸長/多糖類/層構造/ドコサヘキサエン酸/生体組織/レジストリ/髄鞘/脳神経科学/iPS細胞/グリア細胞/細胞株/神経機能/神経前駆細胞/中枢神経/視覚障害/中枢神経系/次世代シーケンサー/前駆細胞/多発性硬化症/病態解明/RNA/アストロサイト/アラキドン酸/イミン/グリア/マウス/ミクログリア/モデル動物/遺伝子治療/幹細胞/共培養/血液/細胞外マトリックス/細胞核/細胞接着/細胞培養/自己免疫/神経科学/神経細胞/神経変性/神経変性疾患/接着分子/創薬/多能性幹細胞/転写因子/脳機能/分化誘導/免疫応答/コホート/バイオマーカー/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/脂質/脂質代謝/神経疾患/難病/認知症/老化
他の関係分野:情報学生物学工学総合生物農学
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発表日:2026年5月18日
82
細胞集団移動を制御する接着因子動態
―ZO-1の動的局在変化を発見―
青木一洋 生命科学研究科教授、平野咲雪 同助教、近藤洋平 同特定准教授(現:名古屋大学特任准教授)、北島旦之 同修士課程学生らの研究グループは、上皮細胞が集団で移動するとき、細胞どうしをつなぐタンパク質ZO-1が、細胞の底面にある接着構造「ポドソーム」へ一時的に移動することを明らかにしました。発生、傷の修復、がんの浸潤では、多数の細胞が足並みをそろえて動く必要がありますが、その仕組みには不明な点が残されていました。本研究では、蛍光イメージングや細胞移動実験を用いて、ERKという細胞内シグナル活性化の波がZO-1の移動を促し、ポドソームでの力の発生や細胞外基質の分解、浸潤的な移動を高めることを示...
キーワード:生体内/細胞間接着/接着因子/光イメージング/細胞内シグナル/浸潤/組織形成/細胞外基質/蛍光イメージング/細胞移動/上皮細胞
他の関係分野:総合生物
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発表日:2026年5月14日
83
iPS細胞由来CAR導入キラーT細胞による固形がん動物モデルの治療効果を高めるサイトカインの組み合わせを発見
―固形がん治療に向けた次世代型iCAR-T細胞の開発―
iPS細胞から作製したCAR-T細胞に、2種類のサイトカイン(IL-15, IL-21)を同時に発現させることで、固形がん克服を目指した次世代型iCAR-T細胞を作製した。作製した細胞は、動物モデルにおいて、固形がんの塊(腫瘍)へ入り込み、長期間生存し、腫瘍の増大を抑え、個体の生存率を高め、その結果、従来のiCAR-T細胞を上回る治療効果を発揮した。IL-15とIL-21の相乗効果により、STAT1の活性化(リン酸化)を介して、CXCR3の発現が促進され、固形がんへの遊走能を強力に向上させる新たな仕組み...
キーワード:アンテナ/メモリ/センサー/モーター/遺伝子改変/リン酸/CD8/キメラ/遺伝子操作/抗原受容体/CAR-T細胞療法/JAK/STAT/プロモーター/メモリーT細胞/免疫沈降/免疫沈降法/免疫不全/iPS細胞/TNFα/がん免疫/クロマチン/ベクター/レトロウイルス/細胞株/細胞遊走/浸潤/染色体/動物モデル/発現解析/腹膜播種/免疫不全マウス/卵巣/臨床応用/リンパ球/T細胞受容体/ゲノム編集/免疫療法/B細胞/RNA/Stat3/STAT5/TNF/T細胞/ウイルスベクター/がん細胞/がん治療/ケモカイン/マウス/炎症性サイトカイン/共培養/血液/抗原/抗腫瘍効果/再生医療/細胞治療/細胞培養/細胞療法/受容体/転写因子/免疫細胞/臨床試験/ウイルス/がん患者/ゲノム/サイトカイン/トランスボーダー/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/抗体/手術/薬物動態
他の関係分野:情報学工学総合生物農学
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発表日:2026年5月11日
84
ケロイドの再発兆候を光音響で三次元可視化
―光超音波イメージングの臨床応用―
齊藤晋 医学部附属病院非常勤医師(研究当時:同准教授)、牧野愛子 医学研究科研究員らの研究グループは、光超音波イメージングを用いて、ケロイドの再発に微小循環の高酸素化が生じることを明らかにしました。 ケロイドは難治性皮膚疾患の一つであり、強いかゆみや痛みを生じます。ステロイド局所注射が標準的治療ですが、再発率は高く、発見が遅くなればケロイドの拡大につながり、患者さんはさらなる注射の苦痛を余儀なくされます。そのため、早期発見が重要ですが、ケロイドがいつ、どこに再発するかは予測が困難でした。本研究グループは、ケロイドと血管異常の関係に着目し、光超音波イメージングを導入しました。光超音波イメ...
キーワード:超音波/技術革新/光音響/ケロイド/微小循環/臨床応用/画像診断/ステロイド/プローブ/低酸素/皮膚疾患/医師/早期発見/非侵襲
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発表日:2026年5月8日
85
「ゆらぎ」の操作による微生物叢制御
―微生物叢遷移の再現性を制御する―
林息吹 生命科学研究科博士後期課程学生と東樹宏和 同教授らの研究グループは、多様な微生物種で構成される群集において、遷移初期の「ゆらぎ」を操作することで、遷移後の群集に現れる様々なばらつきが制御可能であることを実証しました。 近年、医療や農業、環境分野において機能的な微生物群集(マイクロバイオーム)の重要性が認識され、その制御への関心が高まっています。しかし、同じ条件で培養しても全く異なる群集構成に変化することがあり、その予測や制御は困難とされてきました。 本研究では、こうした違いが培養初期のわずかな細胞数の差、すなわち「初期ゆらぎ」によって生じると考え、さまざまなゆらぎ条件を...
キーワード:微生物群集/生物群集/マイクロ/生態系/細菌群集/微生物/微生物叢/ゆらぎ/マイクロバイオーム/細菌
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発表日:2026年5月8日
86
水中でのRNAの光損傷経路の解明
―C=C結合のねじれと電子分極がもたらす損傷―
私たちの遺伝情報は二重らせん構造を持つDNAに記録されていますが、その情報を読み解きタンパク質を合成する役割を果たすのが1本鎖のRNAです。DNAは紫外線を吸収するとその一部が化学変化を受ける(損傷する)ことが知られていますが、RNAはDNAよりも容易に紫外線で損傷を受けます。具体的には、RNAを構成するウラシルやシトシンのC=C二重結合に対して、細胞内の水分子がOHおよびH原子として化学結合する(水和)反応が起こります。水和反応の存在は1960年代から知られていましたが、そのメカニズムはいまだ解明されていませんでした。 鈴木俊法 理学研究科教授らとイタリア・ボローニア大学(Unive...
キーワード:水分子/計算機シミュレーション/分子構造/赤外分光/らせん構造/光化学/遺伝情報/赤外分光法/光照射/紫外線/水和反応/シミュレーション/メチルシトシン/RNA/ヌクレオシド/核酸塩基/構造変化
他の関係分野:数物系科学化学生物学総合理工工学農学
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発表日:2026年5月8日
87
スマートフォン普及と内斜視発生の実態解明
―国内全数データの解析で初めて証明―
和田沙織 医学研究科大学院生(研究当時)、宮田学 同講師、辻川明孝 同教授らの研究グループは、スマートフォンが急速に普及した2014~2019年の日本国内における内斜視発生率の推移を調査しました。スマートフォンの過剰使用との関連が疑われる中、大規模データによる客観的証拠はありませんでした。本研究では、日本のほぼ全ての保険診療情報を網羅する匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)の全データを用いて内斜視の新規発生数と手術件数を調べました。その結果、内斜視の発生率は10万人年あたり32.26(2014年)から36.61(2019年)へ、手術件数も3,061件から3,743件へ増加していることを...
キーワード:スマートフォン/手術
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発表日:2026年5月7日
88
膵臓のストレス応答因子「CXCL13」を特定
―慢性炎症とがん進行を制御する新メカニズムを解明―
膵臓へのストレスや加齢によりタンパク質「CXCL13」が誘導されることを発見。CXCL13が免疫細胞を集め、慢性炎症を引き起こすことで、膵がんの発症や進行を促進する仕組みを特定。今回見出したストレス応答経路を制御することで、膵がんや慢性膵炎の治療法開発が期待される。1. 要旨 吉田昌弘 研究員(...
キーワード:悪性化/獣医学/形質転換/抵抗性/土壌/免疫系/iPS細胞/p21/PD-L1/ホメオスタシス/マウスモデル/治療抵抗性/治療標的/前がん病変/組織修復/微小環境/病理/病理学/放射線照射/免疫染色/老化細胞/膵臓/がん化/モデルマウス/解剖学/発生学/B細胞/アポトーシス/がん細胞/ケモカイン/ストレス応答/マウス/ミトコンドリア/ラット/遺伝子欠損マウス/阻害剤/創薬/転写因子/慢性炎症/免疫応答/免疫細胞/膵がん/ストレス/リスク因子/遺伝子/加齢/抗がん剤/抗体/線維化/早期発見/糖尿病/放射線/老化
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発表日:2026年5月7日
89
動く分子の群れが生み出す力の計測に成功
―アクティブマター機能設計への基盤を構築―
モサンマツ・ラシヅ・ルバヤ 理学研究科博士研究員(現:米国テキサス・サザン大学(Texas Southern University)博士研究員)、川又生吹 同准教授、谷茉莉 同准教授、角五彰 同教授らは、自己駆動する分子サイズのアクティブマター素子の群れが生み出す力の測定に世界に先駆けて成功しました。生物の中には、鳥や魚の群れ、蟻の集団のように、群れを形成することで、単体では実現できない性質や機能、力を生み出すものがいます。これらは近年、アクティブマター物理学の観点からも注目されています。これまでに、アクティブマター素子による群れは実現されていましたが、協働的に生み出される力の大きさはわかって...
キーワード:アクティブマター/モーター/分子モーター/イミン
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発表日:2026年5月3日
90
PD-1の適度な調節でがんを強力に抑制
私たちの体にある免疫細胞はがんを攻撃しますが、がん細胞はT細胞の表面にある「PD-1」という分子(ブレーキ役)を利用して、その攻撃から逃れてしまいます。現在の治療法はこのブレーキを外すものですが、効果が限定的な場合もあり、PD-1が作られる仕組みの根本的な解明が求められていました。 このたび、セオ ・ウセオク(SEO Wooseok) 医学研究科准教授、西川博嘉 同教授らの研究グループは、PD-1を作る遺伝子の働きを調節する「上流エンハンサー」というスイッチに着目しました。ゲノム編集技術を用いてこのスイッチを壊したマウスを作製したところ、がん組織内においてT細胞のPD-1の発現が減少す...
キーワード:ゲノム編集技術/遺伝子操作/PD-1/がん免疫/がん免疫療法/マウスモデル/抗体療法/免疫逃避/エンハンサー/ゲノム編集/免疫療法/T細胞/がん細胞/がん治療/マウス/自己免疫/自己免疫疾患/制御性T細胞/副作用/免疫チェックポイント/免疫細胞/ゲノム/遺伝子/抗体
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発表日:2026年5月3日
91
高効率かつ高耐久で円偏光を示す新規発光ラジカルを開発
―3Dディスプレイ、バイオイメージング、レーザー応用に期待―
赤色から近赤外領域で円偏光発光(CPL)を示すキラルな有機小分子(SOMs)は、3Dディスプレイやバイオイメージングなどへの応用が期待され注目されています。しかし、これまでに報告されているCPL材料の発光は青~緑色に集中しており、赤~近赤外領域のCPL材料は多くありません。その主な要因として、広いπ共役系を有するキラル分子の合成が困難であることや、一般には赤~近赤外の発光では理論的に発光が起こりにくく発光効率(PLQY)が低いことが挙げられます。 佐藤徹 福井謙一記念研究センター教授、アルブレヒト建 九州大学准教授、中村和宏 同博士課程学生、石割文崇 東京都立大学准教授、櫛田創 筑波大...
キーワード:3Dディスプレイ/量子情報/スペクトル/近赤外/π共役系/円偏光発光/キラリティー/キラル/スチレン/ディスプレイ/ポリスチレン/円偏光/レーザー/微粒子/バイオイメージング/ラジカル
他の関係分野:情報学数物系科学化学総合理工工学
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発表日:2026年5月3日
92
NAT1はクロマチン制御因子の選択的翻訳を介して成体腸管幹細胞の恒常性と分化を支える
翻訳開始因子eIF4G2(別名NAT1)を失うと、腸管幹細胞の維持と分泌系細胞の成熟が損なわれ、腸上皮は胎児様/再生様状態へ移行した。 eIF4G2欠損により、クロマチン制御因子の翻訳が選択的に低下し、ヒストンアセチル化低下と腸管幹細胞関連制御領域におけるクロマチン状態の選択的再編成が生じた。この変化は炎症や統合的ストレス応答が主因ではなく、翻訳制御とエピゲノム制御の連携が成体組織アイデンティティを支えることを示した。...
キーワード:時空間制御/タンパク質合成/翻訳開始/オルガネラ/ヒストン/アイデンティティ/リボソーム/形態変化/Lgr5/プロファイリング/細胞運命/CREB/アイソフォーム/翻訳制御/differentiation/DNA損傷応答/iPS細胞/クロマチン/ヒストンアセチル化/遺伝子発現解析/自己複製/発現解析/mRNA/胎児/Wnt/オルガノイド/細胞系譜/不均一性/分化制御/DNA損傷/RNA/アセチル化/ストレス応答/スフェロイド/ヒストン修飾/マウス/幹細胞/再生医療/小腸/上皮細胞/神経変性/神経変性疾患/阻害剤/ゲノム/ストレス/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:化学生物学工学総合生物農学
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発表日:2026年5月3日
93
エポキシ樹脂はなぜ劣化するのか?分子レベルで解明
―水や酸が分解を加速する仕組みを理論計算で解明―
エポキシ樹脂は次世代モビリティなど多様な分野で重要な材料ですが、水分や酸による経時劣化が課題となっています。こうした背景のもと、九州大学を中心に科学技術振興機構(JST)未来社会創造事業「界面マルチスケール4次元解析による革新的接着技術の構築」のプロジェクトが進められています。 その一環として、吉澤⼀成 福井謙一記念研究センター研究員(九州大学名誉教授)と塩田淑仁 九州大学准教授の研究グループは、エポキシ樹脂を構成する主要な化学結合に着目し、コンピュータを用いた理論計算によって、結合切断に必要なエネルギーを調べました。その結果、水が関与すると反応が起こりやすくなり、酸性環境では結合切断...
キーワード:樹脂/エポキシ樹脂/環境負荷低減/マルチスケール/モビリティ/リサイクル/環境負荷/長寿命化/寿命/分子設計
他の関係分野:工学
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発表日:2026年5月3日
94
火山噴火を駆動する巨大マグマ貯留域の「縁」のマグマ
―桜島火山・霧島火山の地下構造から提案するマグマ供給系の新しい描像―
火山の地下にマグマがどのように蓄えられ、どこを上昇して噴火に至るのかは、火山の理解や、噴火予測の根幹に関わる重要課題です。 宇津木充 理学研究科准教授、相澤広記 九州大学准教授および小山崇夫 東京大学准教授、上嶋誠 同教授、神田径 東京科学大学准教授、角野浩史 東京大学教授らの研究グループは、活発な活動を続ける桜島火山、霧島火山においてMT法電磁探査を実施し、両火山の地下には共通して、巨大で長寿命な珪長質マグマ貯留領域に対応すると考えられる電気を流しやすい領域(低比抵抗領域)が存在することを明らかにしました。その一方で、GNSS観測等で検出される地下の膨張・収縮源は、こうした巨大な貯留...
キーワード:火山噴火/地下構造/GNSS/MT法/マグマ/マグマ供給系/比抵抗/寿命
他の関係分野:環境学数物系科学
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発表日:2026年4月30日
95
フラットバンドが生む世界最大の横磁気熱電伝導率
―磁気秩序下での遍歴フラットバンドを初めて実証―
機械理工学専攻の見波将 助教(研究当時:東京大学大学院理学系研究科 特任助教)、東京大学大学院理学系研究科のYangming Wang博士課程学生(研究当時)、中村紘人博士課程学生(研究当時)、酒井明人講師と中辻知教授らの研究グループは、同大学大学院有田亮太郎教授(兼:理化学研究所創発物性科学研究センターチームディレクター)、理化学研究所創発物性科学研究センターの大岩陸人基礎科学特別研究員(研究当時、現:北海道大学講師)、東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)の相馬清吾准教授、佐藤宇史教授らと共同で、フェリ磁性体GdCo5において、室温で過去最大の横磁気熱電伝導率を観測しました。また...
キーワード:カゴメ格子/角度分解光電子分光/光電子分光/磁気秩序/熱電効果/波動関数/磁性体/材料科学/電子分光/フェリ磁性体/スピン/スピントロニクス/第一原理/第一原理計算/干渉効果/結晶構造/ラット
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学農学
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発表日:2026年4月30日
96
ゲノム内の「撹乱DNA」を抑え込む新戦略
―ウイルス抑制因子を転用した新規抑制機構の解明―
三好知一郎 生命科学研究科准教授(現:理化学研究所チームディレクター)、西森奎 同博士後期課程学生(研究当時)らの研究グループは、伊藤拓宏 理化学研究所チームディレクターらと共同で、ゲノム情報を書き換えるLINE-1レトロトランスポゾンを、ウイルス抑制タンパク質であるHERC5が抑制することを発見し、その機構を明らかにしました。ヒトの遺伝情報であるゲノム内には、自らのコピーDNA配列をゲノム上の別の場所に挿入(転移)する「LINE-1」とよばれるレトロトランスポゾンが存在します。LINE-1の転移は進化の原動力となる一方で、挿入先の遺伝子を破壊するリスクがあり、疾患の発症につながる可能性もあり...
キーワード:悪性化/遺伝情報/胚発生/レトロトランスポゾン/トランスポゾン/ゲノム情報/LINE-1/免疫応答/ウイルス/ゲノム/遺伝子/老化
他の関係分野:生物学総合生物
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発表日:2026年4月28日
97
日本の野生植物オニドコロの雌雄を決める性決定機構の解明
多くの植物は一つの花の中に雄しべと雌しべをもちますが、一部の植物は雄株と雌株に分かれていることが知られています。 工藤葵 農学研究科助教、寺内良平 同特命教授らの共同研究グループは、日本に広く分布する野生植物オニドコロにおいて、雄株と雌株を決定する性決定機構を解明しました。 雄株と雌株に分かれている植物は、被子植物の約6%を占めており、雌雄異株植物と呼ばれます。雌雄異株植物では、一般に性染色体の組み合わせにより雄株か雌株かを決めていることが知られており、XY性決定型(XYが雄・XXが雌)やZW性決定型(ZZが雄・ZWが雌)といった多様な性決定様式が報告されています。 本...
キーワード:性染色体/性決定/遺伝子発現解析/染色体/発現解析/連鎖解析/ゲノム解析/Hsp90/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:生物学農学
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発表日:2026年4月28日
98
iPS創薬により神経突起を伸長させる「チエノピリドン誘導体」を新たに同定
―脳の疾患の細胞病態である神経細胞突起短縮の改善―
ヒトiPS細胞由来神経細胞を用いた大規模スクリーニングにより、神経細胞の突起伸長を促進する化合物群を特定した。化合物群の解析により、酵素「TNIK」を神経細胞の突起の伸長を制御する新たな創薬標的として発見した。ヒットした化合物群の化学構造の最適化により「チエノピリドン誘導体」を候補化合物として新たに見出した。チエノピリドン誘導体は、ヒト脳オルガノイドでも神経突起の伸長効果を示した。1. 要旨 今村恵子(...
キーワード:最適化/運動発達/霊長類/生成機構/政策研究/突起伸長/機能性/リン酸/コピー数多型/レジストリ/精神医学/知的障害/統合失調症/脳神経科学/iPS細胞/ニューロン/染色体/前頭葉/オルガノイド/ゲノム編集/in vitro/キナーゼ/スクリーニング/てんかん/遺伝子治療/運動ニューロン/神経科学/神経回路/神経細胞/神経変性/神経変性疾患/創薬/脳疾患/誘導体/ゲノム/コホート/ヒトiPS細胞/遺伝子/自閉スペクトラム症/神経疾患/認知症/臨床研究
他の関係分野:情報学複合領域生物学工学総合生物農学
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発表日:2026年4月28日
99
重力崩壊直前の恒星内部自転進化モデル
―磁場が握る星の自転の命運―
嶌田遼太 理学研究科博士後期課程学生、Lucy O. McNeill 同助教を中心とした国際研究グループは、大質量星内部での自転率進化を支配する新たな物理モデルを構築しました。 恒星は一生を通じて自転率を減少させると考えられていますが、従来の理論では観測されている自転率を正確に再現できないという長年の課題があります。本研究では、重力崩壊直前の大質量星内部の酸素燃焼殻に関する3次元電磁流体計算の解析を行いました。特に、自転率進化をもたらしている磁場による角運動量輸送が、太陽型星で知られる角運動量輸送理論を満たすことを発見しました。この結果を踏まえて、磁場による角運動量輸送の新たなモデルを...
キーワード:重力崩壊/マグネター/恒星/恒星進化/磁場/太陽/大質量星/ケイ素/物理モデル/寿命
他の関係分野:数物系科学化学工学
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発表日:2026年4月28日
100
“ねじれた電子の流れ”が生む常識破りの芳香族性
―4π電子系でも安定化する重元素分子の新原理―
本研究成果は、2026年4月24日に国際学術誌「Angewandte Chemie International Edition」にオンライン掲載されました。 京都大学化学研究所 水畑吉行 准教授、内田大地 大学院生、山田容子 教授らの研究グループは、ゲルマニウムを含む重元素環状分子において、従来の理論では説明できない新しい...
キーワード:高エネルギー/軽元素/π電子/芳香族/ジエン/芳香族分子/ゲルマニウム/電子構造/分子設計
他の関係分野:数物系科学化学工学
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発表日:2026年4月28日
101
ガラスの「新たな非平衡状態」をレーザー照射により創出
―高圧処理とは異なる特異な原子構造と発光特性の解明に成功―
シリカガラスは、光ファイバやレンズなど現代社会を支える基幹材料ですが、その原子配置は不規則(アモルファス)であり、構造と性質(屈折率など)の関係には多くの謎が残されています。これまで、ガラスの性質を変えるには「熱」や「外部からの圧力」を加えるのが一般的でした。しかし、これらは材料全体に影響を与えてしまうため、特定の場所だけを狙って性質を書き換えることは困難でした。今回、化学理工学専攻 下間靖彦 准教授、関西学院大学理学部 河野義生 教授、日本原子力研究開発機構システム計算科学センター 小林恵太 研究副主幹らの研究グループは、フェムト秒レーザーを用いた「光加圧」により、従来の物理的な...
キーワード:マルチコア/機械学習/情報通信/コヒーレンス/パルス/非平衡/非平衡状態/分子動力学シミュレーション/X線回折/放射光/放射光X線/パルスレーザー/レーザー照射/メモリ/レンズ/光メモリ/超短パルス/アモルファス/原子構造/シミュレーション/シリカ/フェムト秒/フェムト秒レーザー/レーザー/屈折率/原子力/動力学/分子動力学/X線構造解析/超短パルスレーザー/ゆらぎ
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学工学総合生物
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発表日:2026年4月24日
102
水完全分解光触媒における初めてのオールインワン助触媒を実現
―サステイナブルな水素社会の実現に向けて―
光触媒による水完全分解(OWS)は、持続可能な水素生産に大きな可能性を秘めています。OWS では、光触媒表面での水素発生反応(HER)と酸素発生反応(OER)の双方の促進が極めて重要であり、おのおのの反応に、個別に高い活性を示す HER および OER 助触媒を、光触媒上の狙いの位置に選択的に修飾することが高活性化の鍵になります。しかし、煩雑な多段階光析出プロセスと逆反応を阻害するための酸素遮断層の必要性、逆反応を完全に抑制することの難しさ、遮断層の耐久性に関する懸念など、依然として大きな課題が残っています。化学理工学専攻の鈴木肇 助教、阿部竜 教授、東北大学大学院理学研究科の坂本...
キーワード:自己組織/金属有機構造体/酸素発生反応/持続可能/光触媒/水素発生/ナノメートル/耐久性/導電性/組織化
他の関係分野:化学工学
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発表日:2026年4月24日
103
3次元培養技術を用いてiPS細胞から機能的なCD4陽性iNKT細胞の作製に成功
人工胸腺オルガノイド(ATO)を用いた3次元培養により、インバリアントナチュラルキラーT(iNKT)細胞由来のiPS細胞からCD4陽性(CD4+)iNKT細胞を作製することに成功した。作製したCD4+ iNKT細胞は、特異的な抗原からの刺激により増殖し、サイトカイン(IFN-γ、IL-4)を産生することで樹状細胞の成熟を促す「アジュバント効果」をもつことを明らかにした。さらに、固形がんの免疫回避機構であるM2マクロファージによるT細胞の増殖抑制を、抗原特異的に...
キーワード:がん研究/光散乱/レーザー/一細胞/生体内/CD8/固形腫瘍/胸腺上皮細胞/増殖抑制/糖脂質/TCR/セラミド/獲得免疫/iPS細胞/アジュバント/胸腺/細胞増殖抑制/微小環境/免疫抑制/臨床応用/3次元培養/T細胞受容体/オルガノイド/フローサイトメトリー/ヘルパーT細胞/腫瘍微小環境/免疫療法/HLA/NK細胞/T細胞/がん治療/ファージ/マウス/マクロファージ/幹細胞/共培養/蛍光色素/抗原/抗腫瘍効果/細胞増殖/細胞培養/細胞分化/細胞分裂/細胞療法/自然免疫/受容体/樹状細胞/上皮細胞/制御性T細胞/分化誘導/免疫応答/免疫細胞/サイトカイン/トランスボーダー/ヒトiPS細胞/遺伝子/脂質
他の関係分野:複合領域工学総合生物農学
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発表日:2026年4月24日
104
ヒトiPS細胞から免疫の司令塔「ヘルパーT細胞」の作製に成功
―フィーダー細胞を使わない新手法で次世代の免疫療法開発に期待―
分化段階に応じたシグナル伝達の制御により、マウス支持細胞(フィーダー細胞)からなる人工胸腺オルガノイドを用いずにiPS細胞からCD4単陽性T細胞を誘導した。iPS細胞から誘導したCD4単陽性T細胞は、キラーT細胞や樹状細胞の活性化を含むがん免疫応答を導くヘルパーT細胞としての機能を発揮し、高い細胞増殖能とがん細胞への攻撃能力をもつことを示した。1. 要旨 河合洋平研究員、...
キーワード:最適化/メモリ/3次元構造/遺伝子改変/生体内/CD8/胸腺上皮細胞/細胞運命/支持細胞/潜伏感染/免疫系/CAR-T細胞療法/HTLV-1/TCR/細胞膜/CD40/iPS細胞/インターロイキン/がん免疫/がん免疫療法/胸腺/自己複製/自己複製能/臨床応用/mRNA/可塑性/3次元培養/T細胞受容体/オルガノイド/フローサイトメトリー/ヘルパーT細胞/前駆細胞/免疫療法/RNA/T細胞/がん細胞/がん治療/ファージ/マウス/マクロファージ/リガンド/遺伝子治療/幹細胞/共培養/抗原/細胞治療/細胞増殖/細胞培養/細胞分化/細胞療法/受容体/樹状細胞/上皮細胞/分化誘導/膜タンパク質/免疫応答/免疫細胞/サイトカイン/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/感染症/抗がん剤
他の関係分野:情報学工学総合生物農学
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発表日:2026年4月24日
105
人工胸腺オルガノイドによるヒトiPS細胞由来CD4⁺T細胞療法の開発と評価
ヘルパーT細胞による免疫細胞の活性化機能とキラーT細胞などでみられる細胞傷害機能の両方を併せ持つ、ヒトiPS細胞由来のCAR-CD4+T細胞(CAR-iCD4+T細胞)を作製した。ヒトiPS細胞由来CD8+T細胞(iCD8+T細胞)と比較して、iCD4+T細胞は高い増殖能とよりメモリー様の表現型を示した。血液系腫瘍モデルにおいて、CAR-iCD4+T細胞の単独使用は、CAR...
キーワード:免疫機能/持続性/生細胞/メモリ/遺伝子改変/生体内/CD8/キメラ/CD19/胸腺上皮細胞/抗原受容体/生体組織/エピトープ/メモリーT細胞/抗原提示/CD40/iPS細胞/PD-1/インターロイキン/がん免疫/がん免疫療法/胸腺/細胞株/微小環境/免疫抑制/臨床応用/mRNA/3次元培養/オルガノイド/フローサイトメトリー/ヘルパーT細胞/腫瘍微小環境/発生学/免疫療法/B細胞/NK細胞/PCR/T細胞/がん細胞/ファージ/マウス/マクロファージ/遺伝子導入/幹細胞/共培養/血液/抗原/抗原提示細胞/細胞・組織/細胞増殖/細胞培養/細胞分化/細胞療法/受容体/樹状細胞/上皮細胞/制御性T細胞/転写因子/白血病/分化誘導/免疫応答/免疫細胞/ウイルス/サイトカイン/トランスボーダー/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/抗体
他の関係分野:複合領域化学工学総合生物農学
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発表日:2026年4月24日
106
構造情報と計算科学を駆使して膜酵素を可溶化
―酵素を利用した生物電気化学デバイスの機能向上に貢献―
市川小夏 農学研究科修士課程学生(現:同博士後期課程学生)、足立大宜 同特定研究員、北隅優希 同准教授、白井理 同教授、宋和慶盛 同助教、宮田知子 大阪大学特任准教授、牧野文信 同招へい准教授、難波啓一 同特任教授らの共同研究グループは、Gluconobacter oxydansという酢酸菌由来の膜結合型アルコール脱水素酵素(ADH)の膜結合領域を同定し、界面活性剤フリーのADH可溶化変異体を開発しました。また、本変異体の電極触媒活性が野生型組み換えADH(rADH)の約2倍程度に向上していることを明らかにしました。 酸化還元酵素は、常温・常圧・中性で高い選択性を有す...
キーワード:タンパク質構造/電子移動/酸化還元酵素/酵素電極/電極触媒/アルコール脱水素酵素/生体触媒/脱水素/選択性/ボトルネック/電極反応/電池/燃料電池/エタノール/界面活性剤/酸化還元/電気化学/電子顕微鏡/組み換え/変異体/バイオ燃料/クライオ電子顕微鏡/アルコール/酸化反応/立体構造
他の関係分野:化学生物学総合理工工学総合生物農学
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発表日:2026年4月22日
107
磁性材料のエネルギー損失に潜む「熱ゆらぎ」を説明可能AIで解明
~エントロピーの効果を世界初で可視化、新材料の設計指針を提示~
平岡裕章 高等研究院教授、小嗣真人 東京理科大学教授、増澤賢氏(元・東京理科大学修士課程学生)、筑波大学、岡山大学らの研究グループは、次世代の説明可能AI「拡張型自由エネルギーモデル」を進化させ、新たにエントロピーの項を加えたモデルを開発しました。 この新モデルを用いることで、磁性材料のエネルギー損失における熱ゆらぎのメカニズムを定量解析することに成功しました。さらに、エントロピー増大の起源を顕微鏡画像上に直接可視化することにも成功しました。 電気自動車(EV)のモーターでは、エネルギー損失(鉄損)における熱的な散逸が重要な課題となっています。本研究で提案した次世代AIを用いた...
キーワード:自由エネルギー/人工知能(AI)/エントロピー/磁区構造/省エネ/磁性材料/電池/エネルギーモデル/モーター/自動車/省エネルギー/電気自動車/半導体/ゆらぎ
他の関係分野:情報学数物系科学工学
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発表日:2026年4月22日
108
膵β細胞が増えるための新しいしくみを解明
―ストレスへの適応が生存と増殖をうまく調整―
村上隆亮 医学研究科助教、大谷大輔 同医員、矢部大介 同教授、稲垣暢也 名誉教授らの研究グループは、インスリン(血糖値を下げるホルモン)をつくる膵β細胞が増えるための新しいしくみを解明しました。糖尿病ではこの細胞が減ってしまい、どうすれば膵β細胞量を回復できるのかが大切な課題です。本研究では、細胞の中でタンパク質の異常に対応する「小胞体ストレス応答」に関与するATF6αという分子に注目しました。マウスを用いた解析により、ATF6αは膵β細胞にストレスがかかる状況(高脂肪食や妊娠)で細胞が生き延びて増えるのに必要であることが明らかになりました。さらに、シングルセルRNA解析の結果、ATF6αがな...
キーワード:β細胞/ホルモン/高脂肪食/RNA/インスリン/ストレス応答/マウス/小胞体/小胞体ストレス/小胞体ストレス応答/ストレス/糖尿病/妊娠
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発表日:2026年4月22日
109
高齢者虐待を防ぐ手がかりは“子ども時代”にある?
―子ども期のポジティブな体験の多さが将来の加害リスクの低さと関連―
これまで「虐待の世代間連鎖」という言葉は、子ども期に虐待を受けた人が成人後に自らの子どもへ虐待を行うという文脈で用いられてきました。しかし以前の研究では、この連鎖は子どもだけでなく高齢者に対する虐待にも及び、暴力の連鎖はあらゆる弱者に及ぶ可能性が明らかとなりました。 古賀千絵 人と社会の未来研究院特定講師らの研究グループは、子ども期のポジティブな経験が成人期における高齢者虐待加害リスクにどのように関連するかを20〜64歳の男女約1万3千人を対象に、2022年9月から10月にオンライン調査を実施しました。子ども期の経験と高齢者虐待との関連を検討した結果、子ども期に逆境体験がない人の中では...
キーワード:高齢者
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発表日:2026年4月22日
110
サルの好奇心:「ほどよく不確実」な刺激を自ら探索する
―飼育動物向けビデオゲーム開発にもつながる知見―
ビデオゲームは単なる娯楽にとどまらず、認知機能のトレーニングや生活の質(QOL)の向上にも役立つものとして注目されています。実験室や動物園で飼育されている動物、さらにはネコやイヌなどのペットが、好奇心をもって積極的に取り組めるビデオゲーム課題を開発できれば、生活環境の改善などを通じて、動物福祉への貢献が期待されます。 壹岐朔巳 白眉センター/ヒト行動進化研究所特定助教、服部裕子 ヒト行動進化研究所助教、足立幾磨 同准教授、岩沖晴彦 量子科学技術研究開発機構研究員の研究チームは、タッチパネル上で行われる「かくれんぼ型ゲーム課題」を用いて、サルの好奇心を引き出す刺激の特徴を調べました。この...
キーワード:ゲーム/ノイズ/動物福祉/トレーニング/生活の質/認知機能
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発表日:2026年4月22日
111
CAR-T細胞療法後の合併症重症化を予測
―腎機能低下が鍵、重症CRSを高精度に層別化―
キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、再発・難治性B細胞リンパ腫に対して高い有効性を示す一方で、免疫が関与する合併症が多くみられ、その対策が重要です。なかでも、サイトカイン放出症候群(CRS)は、CAR-T細胞、あるいは活性化された他の免疫細胞が放出するサイトカインに起因し、輸注後数時間から数日以内に発生する急性期合併症です。CRSは重症化すると生命に関わることに加え、遷延性血球減少など他の合併症の誘因となることが報告されてきました(Transplantation and Cellular Therapy, 30, 4, 404-414)。重症CRSの治療は改善してきました...
キーワード:モニタリング/キメラ/リンパ腫/抗原受容体/CAR-T細胞療法/レジストリ/合併症/造血細胞/細胞移植/B細胞/T細胞/血液/抗原/細胞療法/受容体/腎機能/免疫細胞/サイトカイン/リスク因子/造血
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発表日:2026年4月20日
112
高血糖時に膵β細胞を増やす分子スイッチを発見
―糖尿病で失われる膵β細胞量回復へつながる新たな治療標的―
ダイアベティス(糖尿病)の発症予防や進行抑制には、インスリンを分泌する膵β細胞の量を維持・回復することが重要です。しかし、成人では膵β細胞の再生能力は限られており、その増殖を制御する分子機構の全容は未だ明らかではありません。 このたび、矢部大介 医学研究科教授、村上隆亮 同助教、今泉俊則 同助教、岐阜大学、関西電力医学研究所、藤田医科大学の共同研究グループは、グルコースに応答して活性化する転写因子ChREBP(Carbohydrate Responsive Element Binding Protein)に着目しました。膵β細胞特異的にChREBPを欠損させたマウスを作製し、さまざまな...
キーワード:グルコース/抵抗性/β細胞/遺伝子発現解析/治療標的/発現解析/高脂肪食/分子機構/RNA/インスリン/マウス/細胞増殖/転写因子/インスリン抵抗性/ストレス/遺伝子/遺伝子発現/糖尿病/妊娠
他の関係分野:生物学農学
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発表日:2026年4月20日
113
低ブドウ糖環境下によるCAR-T細胞の機能不全を克服するオンデマンド型代謝強化CAR-T細胞を開発
―抗腫瘍効果の向上と安全性をマウスモデルで検証―
西川博嘉 医学研究科教授(兼:国立がん研究センター研究所分野長、名古屋大学教授)、渡邊慶介 国立がん研究センター研究所主任研究員らの研究チームは、ブドウ糖を高効率に取り込む細胞膜タンパク質(ブドウ糖膜輸送体)GLUT3をT細胞のブドウ糖需要の高まりに応じてCAR-T細胞に発現させる、オンデマンド型代謝強化CAR-T細胞(On-d GLUT3 CAR-T細胞)を開発し、極度の低ブドウ糖環境である膠芽腫に対する有効性をマウスモデルで検証しました。 本研究成果により、ブドウ糖需要に応じたオンデマンド型のブドウ糖の取り込みを実現し、過剰なブドウ糖摂取によるCAR-T細胞の過度な活性化や、それに...
キーワード:がん研究/膜輸送/膜輸送体/遺伝子改変/輸送体/細胞膜/マウスモデル/膠芽腫/T細胞/マウス/抗腫瘍効果/膜タンパク質/遺伝子
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発表日:2026年4月18日
114
急性白血病における移植後維持療法の意義を解析
―再発・難治FLT3変異陽性白血病に対するギルテリチニブ維持療法の検証―
FLT3遺伝子変異は急性骨髄性白血病(AML)において最も高頻度に認められる遺伝子変異の一つであり、予後不良因子として知られています。FLT3阻害薬であるギルテリチニブ(商品名:ゾスパタ®、製造販売:アステラス製薬株式会社)は再発・難治性(R/R)FLT3変異陽性AMLに対する標準治療として広く使用されていますが、同種造血幹細胞移植(HSCT)後の維持療法としての忍容性や有効性については、臨床試験以外の実臨床での検証が十分ではありませんでした。 そこで、新井康之 医学部附属病院講師、大引真理恵 日本造血細胞移植データセンター(JDCHCT)医師、熱田由子 同センター長(兼:愛知医科大学...
キーワード:臍帯血移植/幹細胞移植/造血細胞/臍帯血/骨髄/細胞移植/造血幹細胞/幹細胞/急性骨髄性白血病/細胞療法/白血病/免疫細胞/臨床試験/遺伝子/遺伝子変異/医師/造血/造血幹細胞移植
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発表日:2026年4月18日
115
硫黄が光で動く新反応
―硫黄種が自律的かつ触媒的に働き、難反応基質を活性化―
化学理工学専攻の大宮寛久 教授、村上翔 助教、薬学研究科の柳田瞭 大学院生、Institute of Chemical Research of CataloniaのValero Gimeno Alfonso大学院生、University of TorontoのJustin Ching大学院生らの研究グループは、硫黄を含む分子が光を受けて自律的かつ触媒的に働き、反応しにくい有機分子を活性化する新しい反応手法を開発しました。炭素ラジカルは医薬品や機能性分子の合成に役立つ重要な反応中間体ですが、従来は高価な光触媒や金属試薬を必要とすることが多く、簡便で汎用的な方法の開発が課題でした。今回の研究では、...
キーワード:機能性分子/有機分子/可視光/活性種/持続可能/光触媒/機能要素/機能性/エポキシド/ラジカル/有機合成
他の関係分野:化学総合理工工学農学
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発表日:2026年4月18日
116
喉頭構成細胞の多様性とオルガノイド作製
―声帯再生の新たな指標の発見とモデル作製―
喉頭は呼吸、嚥下、発声という重要な機能を担っていますが、機能障害に対する根本的治療法は確立されていません。治療法開発には、指標となる正常組織の細胞組成、幹細胞を含めた恒常性維持機構の解明が必要ですが、喉頭での知見は少なく、これらの情報の集積は急務です。 このたび、大森孝一 医学研究科特任教授、大西弘恵 同特定講師、田村啓一 同博士課程学生らの研究グループは、トランスクリプトーム解析と組織学的解析を用いて喉頭各部位の上皮、上皮下間葉層を構成する細胞の多様性を明らかにし、幹細胞マーカーとして知られるSOX9-、Lgr5-陽性細胞が声帯に存在することを見出しました。さらに、...
キーワード:Lgr5/Sox9/遺伝子発現解析/発現解析/外傷/オルガノイド/トランスクリプトーム/幹細胞/再生医療/遺伝子/遺伝子発現/生活の質
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発表日:2026年4月15日
117
生態系の動態を予測・制御するデータ分析の体系化
―微生物叢の「崩壊」はなぜ起こるのか―
東樹宏和 生命科学研究科教授らの研究グループは、多様な微生物種で構成される生態系が急激にその構造と機能を変化させる現象について、その仕組みを統一的に理解するためのデータ分析手法を体系化しました。 近年、腸内細菌叢や農地土壌の微生物叢などが、人の健康や作物生産、環境浄化に深く関わることが明らかになってきています。その一方で、こうした微生物叢は、一見安定に見えても環境条件の変化に伴って急激に崩壊し、元の状態に戻らない場合があることが知られています。そのため、微生物叢の予測や制御は大きな課題となってきました。 本研究では、理論生態学や統計物理学、非線形力学を用いた分析を比較しつつ、微...
キーワード:環境浄化/微生物群集/統計物理/統計物理学/非線形/非線形力学/データ解析/生物群集/ヒステリシス/体系化/微生物学/ランドスケープ/農地/生態系/土壌/土壌微生物/微生物生態/生態学/微生物/微生物叢/細菌/細菌叢/腸内細菌/腸内細菌叢
他の関係分野:環境学数物系科学生物学工学農学
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発表日:2026年4月14日
118
過去の代謝ストレスが免疫系に及ぼす持続的影響の解明
―プリン代謝系がT細胞の細胞死を制御する―
近年の免疫疾患の発症率上昇は、食生活の変化など生活様式の多様化による代謝状態の撹乱(代謝ストレス)が長期間にわたり影響を与えていることが一因と考えられています。しかしながら、代謝ストレスが、いつ、どこで、どのように免疫系に異常を及ぼすのか、その実体は分かっていませんでした。 但馬正樹 医学研究科講師とシドニア・ファガラサン 同特定教授(兼:理化学研究所チームディレクター)らの研究グループは、高脂肪食を給餌したマウスにおいてがんを攻撃するCD8+ T細胞が脆弱化しており、通常食に戻した後も長期間にわたり脆弱性が持続することを見出しました。この脆弱化の原因は、高脂肪食...
キーワード:脆弱性/生活様式/CD8/抵抗性/免疫系/高脂肪食/T細胞/がん治療/マウス/抗酸化/抗酸化作用/細胞死/脂肪酸/代謝物/不飽和脂肪酸/免疫応答/ストレス/脂質/食生活
他の関係分野:環境学工学農学
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発表日:2026年4月14日
119
医師働き方改革、循環器救急医療に影響せず
―全国30万件の実データで検証―
2024年4月に日本で医師の時間外労働の上限規制(働き方改革)が導入され、救急医療への影響が懸念されていました。特に心筋梗塞などの緊急疾患では、24時間体制での迅速な治療が必要であり、医師の勤務時間制限が治療の遅れや死亡率の上昇につながる可能性が指摘されていました。 今中雄一 医学研究科教授、髙田大輔 同特定講師(現:同志社女子大学准教授)、森下哲司 同客員研究員(兼:松波総合病院副部長)らの研究グループは、全国163施設・約33万件の心血管治療手技(カテーテル治療およびバイパス手術)のデータを用いて、政策導入前後の変化を準自然実験デザイン(分割時系列解析)で検証しました。その結果、働...
キーワード:時系列解析/カテーテル/安全性評価/救急医療/心筋/医療政策/死亡率/心筋梗塞/働き方改革/DPC/医師/医療の質/手術
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発表日:2026年4月13日
120
致死性脳炎を引き起こすボルナ病ウイルス1型の基本構造を解明
―近縁の病原性ウイルスの理解にも繋がる発見―
ボルナ病ウイルス1型(BoDV-1)は、ヒトや動物の命に関わる重い脳炎を引き起こすことがあるウイルスです。このウイルスは、エボラウイルスや麻疹ウイルス、狂犬病ウイルスなど、世界的に重要な感染症を引き起こすウイルスと同じ「モノネガウイルス目」と呼ばれるグループに属しています。こうしたウイルスでは、遺伝情報であるRNAと、それを包む核タンパク質が結合した複合体が、ウイルスが増殖するための鍵となっています。しかし、ボルナウイルス科では、この複合体がどのような形をしているのか、長年にわたって解明されていませんでした。 杉田征彦 医生物学研究所准教授(兼:生命科学研究科准教授)、後藤真也 生命科...
キーワード:遺伝情報/進化生物学/電子顕微鏡/電子顕微鏡法/病原性/クライオ電子顕微鏡/病原体/ウイルス学/麻疹ウイルス/分子機構/RNA/創薬/立体構造/ウイルス/感染症/真菌
他の関係分野:生物学工学農学
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発表日:2026年4月13日
121
謎の藻類共生性菌類の84年振りの再発見
―独自に藻類と共生した新科新属新種―
森山貴登 農学研究科修士課程学生(研究当時:農学部学生)、遠藤千晴 同研究員(現:生命科学研究科研究員)、井鷺裕司 同教授、田中千尋 地球環境学堂教授(兼:農学研究科教授)、橋本陽 理化学研究所研究員らの研究グループは、1941年にスケッチのみで報告された、藻類と共生する正体不明の菌類を京都市郊外より再発見しました。研究グループは生態観察および形態観察、DNA配列に基づく分子系統解析を行った結果、宿主となる藻類はカワノリ目のRadiococcus signiensisに近縁であり、寄生菌は子嚢菌門クロイボタケ綱ナチプシラ目に属する、これまでに知られていなかった種であることが明...
キーワード:分子系統解析/分子系統/地球環境/生態系/系統解析/生物間相互作用/生物資源/生物多様性/微生物/調査研究/分子生物学
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発表日:2026年4月13日
122
コロナ禍の行動制限とその解除が体組成と血糖管理に与える長期的影響を解明
村上隆亮 医学研究科助教、小林亜海 医学部附属病院管理栄養士、境内大和 医学研究科研究生、矢部大介 同教授らの研究グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う行動制限とその解除が、耐糖能異常を有する人の血糖管理や体組成に与えた長期的な影響を明らかにしました。 医学部附属病院の外来通院患者221名を対象に、「コロナ禍前(2019年)」「緊急事態宣言下(2020~2021年)」「5類感染症移行後(2023年)」の3時点で比較した結果、5類感染症移行後のHbA1c値はコロナ禍前と比べて有意に高値でした。また、体重や体脂肪量は5類感染症移行後に減少した一方、骨格筋量は全期間を...
キーワード:身体活動/コロナ禍/ウイルス感染症/骨格筋/新型コロナウイルス/体組成/ウイルス/感染症/新型コロナウイルス感染症/新型コロナウイルス感染症
他の関係分野:複合領域工学
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発表日:2026年4月13日
123
「光らない」常識を覆す!アゾベンゼン微粒子から鋭い発光を世界初観測
―次世代光デバイスへの重要な一歩―
京都大学化学研究所 山内光陽 助教、水畑吉行 准教授、山田容子 教授、関西学院大学生命環境学部 町田恵利子 博士前期課程学生(研究当時)、増尾貞弘 教授らの研究グループは、大阪大学大学院基礎工学研究科 五月女光 助教、量子科学技術研究開発機構 藤田貴敏 博士らの研究グループとの共同研究により、”光らない”と認知されていたアゾベンゼン微粒子から鋭い発光ピークを世界で初めて観測しました。 アゾベンゼンは、代表的な光応答性有機化合物として広く知られていますが、光照射による構造変化(光異性化)にエネルギーが消費されるため、通常はほとんど発光しません。山内らはこれまでに、剛直な置換基を有す...
キーワード:スペクトル解析/スペクトル/近赤外/π共役系/光応答性/光応答/光デバイス/双極子/発光材料/ベンゼン/光照射/ナノスケール/マイクロ/レーザー/結晶化/微粒子/アゾベンゼン/光異性化/構造変化/誘導体
他の関係分野:数物系科学化学生物学工学
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発表日:2026年4月13日
124
WHOが提唱するヘルスプロモーティングスクール
―日本の学校でも実践状況が定量化できるように―
喜屋武享 成長戦略本部特任准教授(兼:琉球大学准教授)、升川清則 関西福祉大学教授、高倉実 名桜大学教授(琉球大学名誉教授)の研究グループは、世界保健機関(WHO)が提唱する「ヘルスプロモーティングスクール(Health-Promoting School:HPS)」の実施状況を評価する日本語版調査票を開発し、国内の県立高等学校および県立特別支援学校174校(教職員1,295名)を対象とした調査を実施して、開発した日本語版HPS実施状況調査票が高い信頼性と妥当性をもつことを確認しました。 本研究成果は、2026 年4月5日に、国際学術誌「Scientific Reports」に掲載されま...
キーワード:妥当性
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発表日:2026年4月10日
125
ヘテロクロマチン形成促進の分子機構
―ヒストンH1の役割―
古川亜矢子 農学研究科准教授(研究当時:横浜市立大学特任助教)、Samuel Blazquez 理学研究科研究員、寺川剛 同准教授、西村善文 横浜市立大学名誉教授(同特任教授)、越後谷健太 東京大学特任研究員、滝沢由政 同准教授、胡桃坂仁志 同教授、梅原崇史 立命館大学教授らの研究グループは、細胞の核内で遺伝子の発現が抑制されている領域であるヘテロクロマチン形成におけるヒストンH1の役割について、その分子機構を解明しました。遺伝子が発現している領域であるユークロマチンは、ヒトで約250種類存在するといわれる各細胞の機能を決定しています。ヘテロクロマチンとユークロマチンの変換は、同じ遺伝子を持っ...
キーワード:磁気共鳴/ヒストン/電子顕微鏡/動力学/分子動力学/ヌクレオソーム/クライオ電子顕微鏡/ヘテロクロマチン/クロマチン/分子機構/アセチル化/核磁気共鳴/分子動力学計算/遺伝子
他の関係分野:数物系科学工学総合生物
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発表日:2026年4月10日
126
シュニッツラー症候群に共通する遺伝子異常を同定
―B細胞の一部に生じるMYD88遺伝子の後天的変異が発症に関与―
シュニッツラー症候群は、蕁麻疹様皮疹と単クローン性IgM血症に加え、発熱や関節痛などの全身症状を伴う成人発症の疾患であり、その発症機序はこれまで明らかになっていませんでした。 このたび、周瑜仪(ZHOU Yuyi) 医学研究科博士課程学生、神戸直智 同准教授(現:医学部附属病院研究員、兵庫医科大学准教授)らの研究グループは、医学研究科小児科学、血液内科学、腫瘍生物学との共同研究として、カナキヌマブ(商品名:イラリス®)の有効性と安全性を検証する医師主導治験(jRCT2051220139)に組み込まれ、IL-1βを標的とした治療が奏功した5症例と、医学部附属病院を受診した2症例の計7症例...
キーワード:クローン/血液内科学/遺伝子異常/炎症性疾患/関節/体細胞変異/細胞系譜/B細胞/血液/遺伝子/遺伝子変異/医師/小児
他の関係分野:生物学
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発表日:2026年4月10日
127
スタートアップエコシステムにおけるハラスメント調査を実施
―起業家調査で3割がハラスメント経験、多様なネットワークが鍵―
2024年8月のNHK報道を契機として、スタートアップエコシステムにおけるハラスメントへの社会的関心が高まる一方、その実態は十分に解明されていませんでした。 山田和郎 経営管理研究部/経営管理教育部(経営管理大学院)准教授、崔真淑 同研究員らは、経済産業省の協力のもと、東京大学、一橋大学、慶應義塾大学と共同で、企業情報プラットフォーム「Speeda」に登録されている2015年以降設立のスタートアップ全13,264社を対象にハラスメント実態調査を実施し、467件の有効回答を得ました。 調査票は「起業家エコシステムの環境調査」として中立的に設計し、ハラスメントに関する自己認識ではな...
キーワード:経営管理/ラット
他の関係分野:農学
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発表日:2026年4月9日
128
ミトコンドリア膜中でのATP合成酵素と呼吸超複合体の超分子構造を高分解能で可視化
村井正俊 農学研究科教授、横山謙 京都産業大学教授を中心とする共同研究グループは、ウシ心臓由来ミトコンドリアから調製したサブミトコンドリア粒子を用い、クライオ電子顕微鏡による単粒子解析によって、ミトコンドリア内膜タンパク質を、膜を壊さない本来の状態(ネイティブ状態)で構造解析しました。 その結果、ATP合成酵素(FoF1)がIF1タンパク質で連結された二量体として存在し、さらにそれらが会合した四量体構造がミトコンドリア内膜中に実在することを初めて明確に示しました。この四量体は膜を強く湾曲させ、ミトコンドリアのクリステ形成に重要な役割を果たすと考えられます。また、ATP合成酵素の回転リン...
キーワード:分子構造/二量体/タンパク質構造/ATP合成/超分子複合体/界面活性剤/電子顕微鏡/分解能/構造決定/ウシ/ATP合成酵素/クライオ電子顕微鏡/機能解析/高分解能/超分子/心臓/ATP/ミトコンドリア/生体膜/培養細胞/膜タンパク質/脂質
他の関係分野:化学生物学工学農学
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発表日:2026年4月8日
129
ヤドカリの体内に寄生するカニヤドリムシの日本初記録および新属新種記載
―日本初のヤドカリ寄生カニヤドリムシ―
篠田晏希 理学研究科博士後期課程学生、中野智之 フィールド科学教育研究センター准教授、下村通誉 同教授、滝山直人 東京海洋大学大学院生、藤田大樹 日本学術振興会特別研究員らの研究グループは、高知県土佐市の潮下帯にて得られたイザナミツノヤドカリDiogenes izanamiaeの体腔内からオカダンゴムシやダイオウグソクムシの仲間である等脚類カニヤドリムシ科(Entoniscidae)の1種を発見しました。解剖学的な形質の精査の結果、雌胸部に7対の脚、腹部に4対の腹肢を持つ形質は既存のどの属にも当てはまらないため、新属新種と判断し「ヤドカリノカニヤドリParadioge...
キーワード:海洋/イオウ/解剖学
他の関係分野:環境学農学
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発表日:2026年4月8日
130
超大質量ブラックホール近傍の化学組成
―極限環境の宇宙蛍光X線が照らし出した重い星の運命―
上田佳宏 理学研究科教授、植松亮祐 博士(元・理学研究科博士後期課程学生)、小川翔司 東京理科大学助教、福島光太郎 同助教らを中心とする研究グループは、最新のX線天文衛星「XRISM」を用い、地球から約1,300万光年離れた「コンパス座銀河」の中心にある超大質量ブラックホール周辺の元素組成を精密に測定しました。 銀河の中心は、星の誕生や死、そして物質がブラックホールへ吸い込まれる過程を知る上で重要な場所ですが、これまでは観測の精度が足りず、詳しい成分分析が困難でした。XRISMの優れた分光能力により、ブラックホールを取り囲むガスと塵の層(トーラス)から放射される「蛍光X線」を詳細に捉えることに...
キーワード:カロリメータ/スペクトル/ブラックホール/衛星/化学組成/銀河/銀河中心/恒星/新星/太陽/太陽系/超新星/超新星爆発/望遠鏡/可視光/マイクロ/極限環境/カルシウム
他の関係分野:数物系科学工学総合生物
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発表日:2026年4月7日
131
極性金属に潜む構造ゆらぎの謎を解明
―伝導電子が生み出す浅いポテンシャルと新しいダイナミクス―
「金属」と「極性(電気的な偏り)」は、物理学において長らく相いれない性質と考えられてきました。金属中を自由に動き回る伝導電子が、物質内部の電気的な偏りを打ち消してしまう(遮蔽(しゃへい)効果)ためです。この常識は近年の「極性金属」の発見によって覆されました。しかし、伝導電子が極性構造の安定性や相転移のダイナミクスにどのような影響を及ぼしているのか、その本質的なメカニズムは未解明のままでした。物質エネルギー化学専攻の村山寛太郎 博士課程学生、化学理工学専攻の高津浩 准教授、陰山洋 教授、東京大学大学院理学系研究科の有田亮太郎教授らを中心とする国際共同研究グループは、金属的な電気伝導性を...
キーワード:ノイズ/相転移/レニウム/環境発電/省エネ/材料設計/電気伝導/ヒステリシス/電気伝導性/ダイナミクス/リチウム/省エネルギー/超音波/ゆらぎ
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2026年4月7日
132
魚の“助け合い子育て”は何度も進化していた
―アフリカの古代湖シクリッドで小型化と少産化が社会の複雑性に関与―
協同繁殖とは、親以外の個体も子育てに参加し、グループで生活する社会システムのことです。協同繁殖は鳥類や哺乳類でよく研究されていますが、魚類での種間比較研究は限られており、どのような条件で進化するのかはよく分かっていませんでした。 佐藤駿 白眉センター/理学研究科特定助教と奥野聖也 大阪公立大学助教を中心とした研究チームは、アフリカの古代湖であるタンガニイカ湖に生息するランプロログス族シクリッド73種を対象に、最新の系統樹と野外・文献データを用いた系統種間比較解析を行いました。その結果、協同繁殖は単一の祖先から一度だけ生じたのではなく、複数回(少なくとも7回)独立に進化していたことが明ら...
キーワード:社会システム/複雑性/データ収集/シクリッド/系統樹/哺乳類/比較研究/子育て
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学農学
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発表日:2026年4月7日
133
細胞内カルシウム濃度の変化を検出する新たなバイオセンサーを開発
―血中生理活性物質の測定や創薬開発の迅速化に貢献―
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、ホルモンや神経伝達物質などの刺激を受け取り、細胞内へ情報を伝える膜タンパク質です。GPCRの情報伝達の主要な経路として、三量体Gタンパク質を介した細胞内カルシウムイオン(Ca2+)の濃度上昇があり、神経伝達物質の分泌や筋肉の収縮など多様な生命現象を制御します。しかし、この細胞内Ca2+濃度の変化は数秒から数十秒の短時間で起こるため、細胞内Ca2+応答の計測には特殊な測定機器が必要でした。 井上飛鳥 薬学研究科教授(兼:東北大学教授)と土居耕介 東北大学大学院生(研究当時、兼:ヤマサ...
キーワード:センサー/バイオセンサー/カルシウムイオン/Ca2+/細胞内カルシウムイオン/ホルモン/筋肉/神経伝達物質/GPCR/Gタンパク質/Gタンパク質共役型受容体/カルシウム/サイクリックAMP/ルシフェラーゼ/血液/細胞内カルシウム/自己免疫/自己免疫疾患/受容体/生理活性/生理活性物質/創薬/膜タンパク質
他の関係分野:工学総合生物
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発表日:2026年4月1日
134
蛍石型強誘電体の分極反転における原子の動きをリアルタイムに直接観察
―次世代強誘電体デバイスに向けた材料開発の新たな設計指針―
近年の高度情報化社会では、情報を保存するメモリデバイスの低消費電力化や高速化・小型化が大きな課題となっています。こうした課題を解決する次世代メモリのひとつとして、物質内部の電気の偏り(分極)を利用する強誘電体メモリの開発が進められています。中でも、従来材料と比べて飛躍的に薄い膜厚でも分極を安定して保持できる蛍石型強誘電体が注目されています。 しかし、この蛍石型強誘電体では、情報の保存や読み書きの根幹を担う分極反転(スイッチング)がどのような過程を経て進行しているのか、また構成する元素によってどのように分極の振る舞...
キーワード:低消費電力化/画像処理/軽元素/検出器/電子線/メモリ/分極反転/誘電体/誘電特性/STEM/強誘電体/原子構造/固体化学/ダイナミクス/ナノメートル/第一原理/第一原理計算/低消費電力/電子顕微鏡/電子顕微鏡法/透過電子顕微鏡/量子力学/ジルコニウム
他の関係分野:情報学数物系科学総合理工工学
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発表日:2026年4月1日
135
分子を「曲げる」ことで有機半導体の光耐久性を向上
―光に強く高性能な次世代材料の開発に成功―
合成・生物化学専攻の久田雅人 博士後期課程学生、化学理工学専攻(旧 合成・生物化学専攻)の清水大貴 助教、松田建児 教授は、同専攻(旧 分子化学専攻)筒井祐介 助教、関 修平 教授、理化学研究所・Kirill Bulgarevich 博士、瀧宮和男 チームリーダー、、九州大学・宮田潔志 准教授と共同で、優れた半導体特性を持つことで知られる有機分子ルブレンの構造を改良し、骨格内に七員環を組み込んだ新しい有機半導体材料(縮環ルブレン:FR)の開発に成功しました。従来のルブレンは、炭素と水素のみから構成される有機半導体として最高クラスの性能を持つ一方で、光や酸素に弱く劣化しやすいという実用上の大き...
キーワード:有機半導体/有機分子/半導体材料/材料設計/耐久性/半導体/誘導体
他の関係分野:化学総合理工工学
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発表日:2026年3月31日
136
ヒトiPS細胞から後脳特異的な神経幹細胞を安定的に誘導・維持する手法を開発
ー 後脳の発達解明や神経変性疾患の病態解明・創薬研究への貢献に期待 ー
ヒトiPS細胞から後脳領域の特性を持つ神経幹細胞(hindbrain-like induced NSC; Hb-LiNSCs)を作製する新たな分化誘導法を確立した。この方法は、3種類の特定の低分子化合物の組み合わせにより、動物由来成分や成長因子bFGFを用いない条件で、簡便かつ安定的にHb-LiNSCを誘導・維持することが可能である。誘導されたHb-LiNSCsは、1年間以上の長期培養後も、後脳としての領域特異性と分化能、正常な核型を維持することを示した。Hb-LiNSCsから分化した神経細胞...
キーワード:免疫機能/神経系/微小電極/電極アレイ/シナプス/一細胞/小脳/細胞モデル/テトロドトキシン/支持細胞/微小電極アレイ/髄鞘/HOXB9/iPS細胞/グリア細胞/シグナル伝達系/遺伝子発現解析/細胞株/自己複製/自己複製能/染色体/中枢神経/発現解析/薬剤スクリーニング/臨床応用/神経伝達物質/中枢神経系/BMP/SMAD/TGF-β/Wnt/Wntシグナル/成長因子/軟骨/病態解明/in vitro/アストロサイト/グリア/スクリーニング/セロトニン/マウス/リガンド/遺伝子治療/幹細胞/血液/血液脳関門/再生医療/受容体/神経幹細胞/神経細胞/神経分化/神経変性/神経変性疾患/阻害剤/創薬/多能性幹細胞/低分子化合物/分化誘導/サイトカイン/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/疾患モデル/神経疾患
他の関係分野:複合領域生物学工学総合生物農学
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発表日:2026年3月31日
137
トポロジカルデータ解析で柔軟な細胞セグメンテーションを実現
東京大学大学院医学系研究科の織田遥向 氏と、京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点(WPI-ASHBi)の井元 佑介 特定准教授による研究グループは、トポロジカルデータ解析1...
キーワード:セグメンテーション/機械学習/人工知能(AI)/ホモロジー/トポロジー/幾何学/データ解析/トポロジカル/細胞膜/ステント
他の関係分野:情報学数物系科学総合理工
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発表日:2026年3月31日
138
メタゲノム由来ゲノムを収集・整理した統合データベース 「Microbiome Datahub」を開発
―21万ゲノム以上のMAG配列と環境・機能情報を統合し、微生物研究を加速―
京都大学化学研究所 松井求 助教、情報・システム研究機構国立遺伝学研究所 森宙史 准教授、自然科学研究機構基礎生物学研究所 内山郁夫 准教授、東京科学大学生命理工学院 山田拓司 教授を中心とする共同研究グループ(京都大学、国立遺伝学研究所、基礎生物学研究所、東京科学大学、東京大学)は、環境中の微生物を解析したメタゲノム由来のゲノム配列(MAG: Metagenome-Assembled Genomes)を公共の塩基配列リポジトリから網羅的に収集し、環境や系統・遺伝子機能等、様々な情報を付加した統合データベース「...
キーワード:データ駆動/アノテーション/クラスタリング/塩基配列/系統分類/微生物学/ゲノム配列/微生物/メタゲノム/ゲノム/遺伝学/遺伝子
他の関係分野:情報学生物学農学
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発表日:2026年3月30日
139
生体内の「不良細胞」を見分けて排除する仕組みの一端を解明
―細胞競合の「敗者細胞」が決まる分子機構―
動物の生体内では、遺伝子変異やストレスによって生じた「不良細胞」が周囲の正常細胞によって排除されることが知られており、この現象は「細胞競合(cell competition)」と呼ばれています。細胞競合は異常細胞やがん細胞を生体から除去するための重要な機構と考えられていますが、どのようにして排除されるべき細胞(「敗者細胞」)が決まるのか、その仕組みは十分に理解されていませんでした。これまでの研究で、細胞競合によって排除される細胞では、細胞内でXrp1と呼ばれるタンパク質の量が顕著に増え、このXrp1の働きによって細胞が死に至ることがわかってきました。しかし、細胞内でXrp1の量がどのような仕組...
キーワード:リボソームタンパク質/塩基配列/転写後制御/リボソーム/生体内/アミノ酸配列/翻訳制御/細胞競合/選択的スプライシング/mRNA/分子機構/アミノ酸/がん細胞/ショウジョウバエ/スプライシング/細胞死/転写因子/ストレス/遺伝子/遺伝子変異/予防医学
他の関係分野:生物学総合生物
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発表日:2026年3月30日
140
ゲノムでみえた希少魚ネコギギの集団形成史
―ゲノムに残る最終氷期の河川の痕跡―
近年のゲノムシーケンシング技術の向上は、生物多様性の理解にも革命をもたらし続けています。身近な生物に対してゲノム分析を適用することで、その自然史を解像度高く理解し、保全や利用に応用することが現実的になっています。 大貫渓介 理学研究科博士課程学生(現:国立遺伝学研究所日本学術振興会特別研究員(PD))、渡辺勝敏 同教授、田畑諒一 琵琶湖博物館学芸員、三品達平 九州大学助教、西田睦 東京大学名誉教授の研究グループは、伊勢湾・三河湾周辺にのみ生息する日本固有種の淡水魚で絶滅危惧種でもあるネコギギ(ナマズ目ギギ科)についてゲノム分析を行い、従来の遺伝分析では見いだせなかった本種の地域集団分化...
キーワード:博物館学/最終氷期/絶滅危惧種/遺伝的多様性/生物多様性/ゲノム/遺伝学
他の関係分野:複合領域環境学農学
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発表日:2026年3月30日
141
価値を選択に変換する意思決定の神経回路
―神経回路操作によりサルの選択行動に介入―
松本正幸 ヒト行動進化研究センター教授と禰占雅史 筑波大学研究員(現:東京都医学総合研究所研究員)らのグループは、サルの脳で意思決定を行う神経回路を探索し、その回路の活動を操作することでサルの意思決定に介入することに成功しました。研究では、サルに選択肢を提示し、選ぶかどうかを決定させました。このとき、腹側線条体と呼ばれる脳領域の神経活動が、まず選択肢の価値を反映し、その後徐々に「実際に選択するかどうか」という意思決定の信号へと変化していくことが明らかになりました。この脳領域が価値情報を意思決定に変換する「橋渡し」の役割を担っていることを示しています。次に、腹側線条体に密に投射するドーパミン神経...
キーワード:選択行動/神経活動/線条体/ドーパミン/電気刺激/光遺伝学/神経回路/うつ/うつ病/遺伝学/精神疾患
他の関係分野:工学総合生物
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発表日:2026年3月28日
142
ヒトミクログリアにおけるアルツハイマー病重要分子APOEの新たな機能を解明
―酸化ストレスを介したミクログリア増殖制御の仕組みを発見―
ヒトiPS細胞を用い、アルツハイマー病注1)をはじめとする筋萎縮性側索硬化症やパーキンソン病などの神経変性疾患注2)の主要なリスク因子であるAPOE注3)遺伝子を欠損させたミクログリア注4)を作製した。APOE欠損がNUPR1-p21注5)経路の活性化とTGF-betaシグナル注6)の変化を引き起こし、これらがミクログリアの増殖を著しく抑制することを突き止めた。本研究により...
キーワード:データ駆動/人工知能(AI)/免疫機能/細胞周期制御/タンパク質複合体/霊長類/生成機構/政策研究/CRISPR-Cas/機能性/脂質輸送/輸送体/ゲノム編集技術/増殖抑制/病原体/タウタンパク質/環境要因/脳神経科学/CRISPR/iPS細胞/p21/ROS/グリア細胞/シグナル伝達系/ニューロン/遺伝子発現解析/炎症反応/細胞株/自己複製/発現解析/免疫染色/運動機能/筋萎縮/生理機能/前頭葉/TGF-β/オルガノイド/ゲノム編集/病態解明/ATP/CRISPR-Cas9/in vitro/RNA/SOD1/アミロイド/アルツハイマー病/インフラマソーム/グリア/シグナル分子/スクリーニング/トランスクリプトーム/パーキンソン病/ミクログリア/ラット/リポ多糖/遺伝子治療/運動ニューロン/炎症性サイトカイン/活性酸素/活性酸素種/共焦点顕微鏡/蛍光色素/細胞周期/細胞増殖/神経科学/神経細胞/神経変性/神経変性疾患/創薬/免疫応答/免疫細胞/ゲノム/コホート/サイトカイン/ストレス
他の関係分野:情報学複合領域生物学工学総合生物農学
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発表日:2026年3月28日
143
付加重合でポリアミドを作る
―多段階ラジカル異性化による新たな高分子合成―
高分子化学専攻の黒田啓太 博士後期課程学生、大内誠 教授のグループは、ラジカル重合中に複数の異性化反応を連続的に起こす「カスケード型ラジカル異性化重合」により、主鎖にアミド結合を周期的に含む新たな高分子を合成することに成功しました。付加重合によって得られる高分子は通常は炭素–炭素結合のみからなる主鎖構造を有しますが、今回見いだした重合はアミド結合[–CONH–]やエーテル結合[R–O–R’]を主鎖に導入できる新しい高分子合成反応であり、分子設計を工夫することで分解性の付与も可能です。本異性化重合で得られる高分子は従来の重合では得られなかった主鎖構造を有しており、機能性材料や環境調和型材料の開発...
キーワード:環境調和/アミド/ポリアミド/ラジカル重合/共重合/高分子/高分子化学/高分子合成/ポリマー/機能性材料/光分解/機能性/アミド結合/ケトン/ラジカル/分子設計
他の関係分野:化学工学総合生物農学
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発表日:2026年3月28日
144
水を飲む感覚を担う脳内の神経細胞を発見
〜水がもたらす心地よさのメカニズム解明と脱水症予防への貢献に期待〜
野村憲吾 医学研究科助教(兼:京都府立医科大学助教)、樽野陽幸 同教授、山田優 京都府立医科大学研究員らの研究グループは、マウスを用いた実験で、水を飲むという感覚を担う脳内の領域、および神経細胞のグループを新たに発見しました。 本研究では、「水の摂取を開始すると速やかに活性化して、飲水行動を持続させる」という、あたかも“水のおいしさ”をつくるかのような性質を持つ神経細胞の実体が明らかになりました。飲水行動の異常は加齢や精神疾患など様々な要因によって生じ、水中毒や脱水症などの重篤症状につながる危険性がありますが、その対策は本人の努力による行動改善に大きく依存している現状があります。本研究...
キーワード:マウス/神経細胞/加齢/精神疾患
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発表日:2026年3月28日
145
「巧みな手の動き」の主役は脊髄だった
—随意運動制御における脊髄反射回路の役割を、神経細胞の働きとして実証—
梅田達也 医学研究科研究員(兼:山梨大学教授)、関和彦 国立精神・神経医療研究センター部長、金祉希 同研究員(研究当時)、戸松彩花 生理学研究所特任准教授、武井智彦 玉川大学教授、舩戸徹郎 電気通信大学准教授は、霊長類(サル)が行う自己の意思に基づく運動(随意手関節運動)において、興奮性の脊髄反射回路(正のフィードバック回路)が、巧緻な手の運動の「計画」と「実行」の両方に重要な役割を果たすことを明らかにしました。つまり、実際に運動するときに見える筋活動(振幅・持続時間)は、運動前の「計画段階」で、脊髄回路のフィードバックの強さ(ゲイン)があらかじめ設定され、実際の運動は脊髄反射が実行しているこ...
キーワード:電気通信/霊長類/フィードバック/運動制御/大脳/関節/筋活動/神経細胞/大脳皮質/生理学
他の関係分野:情報学生物学工学総合生物
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発表日:2026年3月26日
146
脳の負荷、心拍で可視化
―心拍のゆらぎのカオス解析から脳活動の影響を示唆―ストレス評価や心不全の早期兆候検出への応用可能性
梅野健 情報学研究科教授、真尾朋行 同社会人博士課程学生(現:東芝情報システム株式会社マーケティング・商品企画担当スペシャリスト)、奥富秀俊 同社会人博士課程学生(現:東芝情報システム株式会社マーケティング・商品企画担当チーフエンベデッドスペシャリスト)の研究グループは、心拍のゆらぎ(心拍変動)をカオス理論に基づく新しい指標で解析し、心拍のゆらぎの中に脳活動の影響が現れている可能性を示しました。健康な被験者を対象に、安静、立位、認知課題(暗算・パズル)の条件で心拍データを比較したところ、認知課題において、カオス・複雑系指標が有意に増加しました。本成果は、心拍という容易に測定できる生体信号から、...
キーワード:ウェアラブル/ウェアラブルセンサー/情報システム/情報学/生体信号/脳活動/数理科学/複雑系/カオス/健康リスク/センサー/ゆらぎ/心臓/ストレス/ヘルスケア/心拍変動/生理学
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学工学
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発表日:2026年3月26日
147
ヒトiPS細胞由来の間葉系間質細胞(MSC)とそこから分泌される細胞外小胞は抗炎症・免疫調節能をもつ
ー次世代の細胞療法や「EV療法」への応用に期待ー
ヒトiPS細胞から動物由来成分を用いずに誘導した間葉系間質細胞「XF-iMSC」が炎症性サイトカインの分泌を抑制する抗炎症効果をもつことを確認した。XF-iMSCから分泌される細胞外小胞「XF-iEv」が抗炎症効果に関わることを示した。XF-iMSCおよびXF-iEvは、T細胞の増殖や活性化を抑制する免疫調節能を示した。XF-iEvは、生体組織由来MSCの細胞外小胞と組成が一部異なり、神経・骨格筋再生に関連する成分が含まれていることを明らかにした。1. 要旨...
キーワード:結合組織/神経系/免疫調節/増殖抑制/生体組織/iPS細胞/TNFα/炎症性疾患/炎症反応/胸腺/細胞外小胞/細胞増殖抑制/臨床応用/リンパ球/骨格筋/脂肪細胞/CD44/T細胞受容体/フローサイトメトリー/筋再生/骨髄/神経堤細胞/組織再生/軟骨/TNF/T細胞/マウス/炎症性サイトカイン/間質細胞/共培養/蛍光標識/血液/抗炎症/抗原/再生医療/細胞増殖/細胞療法/自己免疫/自己免疫疾患/受容体/エクソソーム/サイトカイン/ヒトiPS細胞/網羅的解析
他の関係分野:生物学総合生物
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発表日:2026年3月26日
148
関節マクロファージの炎症惹起機構を解明
―関節リウマチの新たな治療法開発に期待―
向山宙希 医生物学研究所研究員、渡邊仁美 同助教、近藤玄 同教授、廣田圭司 同准教授らの研究グループは、自己免疫性関節炎において慢性的な炎症と痛みを引き起こす新たな仕組みを解明しました。 関節リウマチは免疫細胞が炎症を誘導し関節の痛みや腫れを引き起こす疾患です。マクロファージが炎症に重要であることは知られていましたが、どのように制御されているかはわかっていませんでした。 本研究グループは関節炎モデルマウスを用いて、骨髄から移動してきた炎症性単球が関節内で「炎症」と「痛み」を担う、機能の異なる集団へ分化することを突き止めました。この分化を制御するのが顆粒球マクロファージコロニー刺...
キーワード:病原性/新規治療法/顆粒球マクロファージコロニー刺激因子/GM-CSF/関節/関節炎/モデルマウス/骨髄/ファージ/マウス/マクロファージ/リウマチ/関節リウマチ/血液/自己免疫/慢性炎症/免疫細胞
他の関係分野:農学
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発表日:2026年3月25日
149
異なるカルコゲンどうしの「見えない」結合の観測に成功
―超カルコゲナイドの新しいレドックス活性―
村上一馬 農学研究科准教授、赤池孝章 東北大学国際卓越教授らの研究グループは、異なるカルコゲンどうしの不安定な結合を観測する新たな手法を開発しました。私たちの体では、酸化と還元のバランス(レドックス制御)が生命活動の維持に重要な役割を果たしています。レドックス制御には、システインの硫黄原子などが中心的な役割を担っています。近年、硫黄に加えてセレンやテルルなどのカルコゲン(Ch)が連なった分子群である「超カルコゲナイド」が注目されていますが、その構造を解析する手段は限られていました。本研究グループは、核磁気共鳴(NMR)装置を用いて、グルタチオンのトリカルコゲナイド(3つのカルコゲンを含む超カル...
キーワード:セレン/磁気共鳴/分子構造/レドックス制御/カルコゲナイド/酸化還元/システイン/レドックス/グルタチオン/核磁気共鳴/創薬
他の関係分野:環境学数物系科学化学生物学総合理工工学農学
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発表日:2026年3月25日
150
受精卵の遺伝子改変を狙い通りに近づける新手法
―AI予測で結果のばらつきを低減―
遺伝子改変後に起こりやすい変化について、AI(機械学習)モデルによる予測とES細胞での事前検証を組み合わせ、受精卵でのゲノム編集の結果を事前に見通す手順を確立マウス受精卵で狙った遺伝子を働かなくし、初代の個体で目的の表現型を効率的に確認できることを実証ゲノム編集動物の作製期間の短縮と結果の確実性の向上だけでなく、動物の使用数の抑制も期待1. 概要 滋賀医科大学動物生命科学研究センターのKhanui Lkhagvadorj大学...
キーワード:機械学習/人工知能(AI)/実験計画/霊長類/遺伝子改変/ゲノム編集技術/CRISPR/iPS細胞/遺伝子改変動物/受精/受精卵/胚盤胞/ゲノム編集/胚性幹細胞/ES細胞/RNA/マウス/幹細胞/細胞分裂/培養細胞/ゲノム/ワクチン/遺伝子
他の関係分野:情報学数物系科学生物学総合生物農学
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発表日:2026年3月24日
151
多線毛細胞への分化の鍵「デューテロソーマル細胞」をヒトiPS細胞から分化誘導
―特異的表面マーカーにより、気道防御の司令塔細胞の解析が可能に―
ヒトiPS細胞由来気道上皮細胞から、多線毛細胞の前駆細胞であるデューテロソーマル細胞に特異的な表面マーカーCD36(目印となるタンパク質)を同定しました。線毛機能不全症候群(PCD)の患者さん由来iPS細胞から誘導した気道上皮細胞の解析により、Cyclin O (CCNO) 遺伝子がデューテロソーマル細胞において中心小体を大量につくるプロセスを制御し、正常な線毛形成に必須の役割を持つことを明らかにしました。PCD患者さん由来iPS細胞から誘導した気道上皮細胞の単一細胞トランスクリプトーム解...
キーワード:遺伝性疾患/中心小体/前駆体/遺伝子マーカー/気液界面/電子顕微鏡/電子顕微鏡観察/一細胞/生体内/診断法/ゲノム編集技術/Cdc2/病原体/differentiation/FACS/iPS細胞/気道上皮細胞/臨床応用/生体防御/ゲノム編集/前駆細胞/病態解明/イミン/スクリーニング/トランスクリプトーム/ラット/遺伝子治療/再生医療/細胞分化/上皮細胞/創薬/分化誘導/ゲノム/ヒトiPS細胞/遺伝子/感染症/難病
他の関係分野:生物学工学総合生物農学
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発表日:2026年3月24日
152
遺伝子変異に合わせたRNA標的創薬へ RNA構造と低分子化合物の相互作用を大規模に検出する新技術 『BIVID-MaP』を開発
RNA-低分子化合物相互作用の検出手法「BIVID-MaP」を開発しました。1塩基変異がRNA構造と結合能を変化させることを大規模に解明しました。個々の変異に最適化したRNA標的創薬と精密医療の実現への貢献が期待できます。1. 要旨 宮下映見 大学院生(京都大学iPS細胞研究所(CiRA)...
キーワード:最適化/突然変異/物質科学/遺伝情報/結合状態/cDNA/iPS細胞/がん関連遺伝子/体細胞変異/CD44/次世代シーケンサー/RNA/がん細胞/ラット/高次構造/創薬/低分子化合物/薬剤感受性/立体構造/がん患者/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現/遺伝子変異/個別化医療/難病
他の関係分野:情報学環境学数物系科学生物学工学
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発表日:2026年3月24日
153
自己免疫性関節炎における炎症性T細胞の病原性機能獲得メカニズムを解明
炎症性T細胞は、関節炎の慢性化に重要な役割を果たします。しかし、炎症関節におけるT細胞の機能的多様性や病原性を獲得する仕組みは十分に解明されていませんでした。 竹内悠介 医生物学研究所特定研究員、渡邊仁美 同助教、近藤玄 同教授、廣田圭司 同准教授らの研究グループは、T細胞依存的に慢性的な関節炎を発症する疾患モデルマウスを用い、シングルセルRNAおよびT細胞受容体(TCR)シーケンス解析により、関節に浸潤する炎症性T細胞の分化過程と炎症を悪化させる機能について包括的に検討しました。その結果、関節に浸潤するT細胞が幹細胞様状態から病原性状態へと段階的に分化するために必要な転写因子を同定し...
キーワード:病原性/TCR/関節/関節炎/治療標的/浸潤/T細胞受容体/モデルマウス/病態解明/分化制御/RNA/T細胞/マウス/リウマチ/幹細胞/関節リウマチ/細胞分化/自己免疫/自己免疫疾患/疾患モデルマウス/受容体/転写因子/疾患モデル
他の関係分野:農学
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発表日:2026年3月23日
154
遺伝暗号の使い分けを認識する分子機構を解明
―ヒト細胞における非最適コドンのセンサーを同定―
コドンとは、細胞がタンパク質を合成する際にどのアミノ酸を使うかを指定する、3つの塩基からなる遺伝暗号です。ヒトのタンパク質は主に20種類のアミノ酸から構成されていますが、それらを指定するコドンは全部で61種類存在します。多くの場合、1種類のアミノ酸は複数のコドンによって指定されており、これらは「同義コドン」と呼ばれます。同義コドンのどれを使っても、最終的に作られるタンパク質の種類は同じです。しかし、どの同義コドンを使うかによって、タンパク質が作られる量が大きく変わることが知られています。特に「非最適コドン」を多く含むメッセンジャーRNA(mRNA)は、タンパク質が効率よく翻訳されず、さらにmR...
キーワード:コドン/タンパク質複合体/センサー/遺伝暗号/リボソーム/タンパク質翻訳/mRNA/分子機構/RNA/RNA結合タンパク質/アミノ酸/創薬/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:生物学工学総合生物農学
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発表日:2026年3月23日
155
冬の山でなわばりを守るミソサザイ
―繁殖なわばり争いは非繁殖期に始まっていた―
ミソサザイは、低山帯から亜高山帯といった標高の高い地域で、春から夏にかけて繁殖する小鳥です。秋から冬の非繁殖期には、こうした山地は厳しい寒さに見舞われるため、ミソサザイは低地へ移動すると考えられていました。 惣田彩可 理学研究科博士課程学生は、足環を装着して個体識別をしたミソサザイを、非繁殖期から繁殖期にかけて野外で追跡調査しました。その結果、ミソサザイの雄には、非繁殖期にも山地にとどまり、なわばり争いをする個体がいることを明らかにしました。これらの雄の多くは、翌春の繁殖期まで同じなわばりを維持し、繁殖のためのなわばりとして利用していました。このことから、ミソサザイにおける繁殖のための...
キーワード:繁殖生態/追跡調査
他の関係分野:農学
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発表日:2026年3月18日
156
肺高血圧症の新規発症・進展メカニズムの解明
―新規治療法の開発につながる可能性―
昨今の治療法の進歩にも関わらずいまだ予後不良の希少難病である肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、その病態解明に基づく新規治療薬の開発が切望されています。 このたび、尾野亘 医学研究科教授、中川靖章 同助教(現:医学研究所北野病院健康管理センター部長)、柳澤洋 同博士課程学生(現:同研究生)らと桑原宏一郎 信州大学教授らの研究グループは、岡山大学、京都医療センターとの共同研究により、血管内皮から分泌される局所ホルモンであるC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)が同じく血管内皮に発現する受容体であるguanylyl cyclase-B(GC-B)に働くことで、肺高血圧の進展を抑制していること、肺...
キーワード:細胞モデル/ナトリウム/新規治療法/肺高血圧/ナトリウム利尿ペプチド/血管内皮/ホルモン/健康管理/病態解明/モデル動物/受容体/遺伝子/遺伝子発現/血圧/高血圧/難病/肺高血圧症
他の関係分野:農学
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発表日:2026年3月18日
157
気候変動緩和策が将来の飢餓リスクに与える影響を包括的に評価
―化石燃料削減等による大気汚染軽減が作物収量を増加させる効果を考慮―
気候変動の緩和策には、将来の飢餓リスクを減少させる影響と増加させる影響の両方があります。従来、減少分としては、気候変動によって生じうる作物収量の低下を回避する効果が、増加分としては、バイオエネルギー作物や植林が土地利用の競合を通じて食料生産を抑制させる効果が、それぞれ取り上げられてきました。また、増加分が減少分を上回るため、緩和策によって飢餓リスクが正味で増加すると指摘されてきました。一方で、気候変動の緩和は大気汚染を軽減させ、結果として作物収量が増えることが期待されますが、このことによる飢餓リスクの「副次的な減少分」は十分に評価されてきませんでした。東京大学、立命館大学、都市環境工学専攻の藤...
キーワード:気候変動/都市環境/土地利用/バイオエネルギー/大気汚染
他の関係分野:数物系科学工学農学
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発表日:2026年3月18日
158
先んずれば花色を制す
―「先客」を確保した地味な花は派手な花にも負けずハチを惹きつける―
材料工学専攻 川口利奈 講師、筑波大学 大橋一晴 講師、徳永幸彦 同准教授、小沼明弘 農業環境技術研究所 主任研究員(研究当時)らの共同研究チームは、ハチを誘引しやすい派手な見た目を持たない花でも、ライバルの派手な花に先んじて訪問者を確保することで、後からその「先客」につられて花を訪れるハチを増やし、見た目の不利さを覆してより多くの訪問者を得るチャンスがあることを実証しました。慣れない土地で良い食堂を探す人間のように、ハチは店構え(見た目)だけを頼りに新しい花を探すのではなく、他の個体がどこでどのような花を訪れているかを手がかりにしていることが知られています。本研究では、網室内で蜜を...
キーワード:環境技術/イミン
他の関係分野:環境学
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発表日:2026年3月13日
159
2µm帯赤外線フォトニック結晶レーザー(PCSEL)の発振に成功
― 健康モニタリング、ガスセンシング、通信/LiDAR等の 次世代光センシング技術の進化のために ―
高等研究院の野田進 特別教授、工学研究科 附属光・電子理工学教育研究センターの石﨑賢司 特定准教授、井上卓也 准教授、メーナカ デゾイサ 教授らのグループと旭化成エレクトロニクス株式会社は、2µm帯赤外線フォトニック結晶レーザーの発振に成功しました。PCSELは、小型でありながら、高出力・高指向性・高機能性を特長とする次世代の半導体レーザーであり、PCSELによる2μm帯レーザーの実現により、生体内物質の非侵襲センシング、がんリスク研究への応用など、従来技術では適用が難しかったアプリケーションへの展開を目指します。本研究成果について、2026年3月の応用物理学会で発表します。研究詳細...
キーワード:赤外線/中赤外/GaSb/光センシング/LiDAR/センシング/モニタリング/レーザー/半導体/半導体レーザー/生体内/機能性/非侵襲
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発表日:2026年3月13日
160
液晶性発光色素により薄膜で実装レベルの円偏光発光を実現
-オプトエレクトロニクス分野への応用に期待-
高分子化学専攻の権正行 助教、田中一生 教授は、東京科学大学(Science Tokyo) 物質理工学院 応用化学系の飯田優斗 大学院生、小西玄一 准教授、関西学院大学 工学部の吉田浩之 准教授らの共同研究チームは、高濃度の液晶性発光色素により構成されたコレステリック液晶を用いて、液晶層の膜厚が従来の10分の1程度のデバイスに実装可能なレベルの円偏光発光を実現しました。 コレステリック液晶は、分子がらせん状に配列した液晶場であり、特定の波長域の円偏光のみを選択的に反射する「選択反射」という光学特性を示します。カナブンの美しい金属光沢もこの選択反射に由来します。近年、コレステリック液...
キーワード:情報セキュリティ/π電子/コレステリック液晶/円偏光発光/液晶/光学材料/高分子/高分子化学/円偏光/蛍光共鳴エネルギー移動/エネルギー移動/蛍光体/光通信/発光ダイオード(LED)/光学特性/センシング/FRET/凝集体/蛍光色素
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発表日:2026年3月13日
161
1型糖尿病の“見える”膵臓評価を可能に
―新規PET検査による膵β細胞量評価―
村上隆亮 医学研究科助教、榊健太郎 同研究生、矢部大介 同教授、中本裕士 同教授、稲垣暢也 名誉教授らの研究グループは、1型糖尿病で減少する膵臓のβ細胞(インスリンを作る細胞)を体外から可視化する新たなPET/CT検査を開発し、その有用性を検証しました。1型糖尿病ではβ細胞が減っていくことが病気の進み方や血糖値の管理に影響しますが、体の中のβ細胞の量を直接確かめることは難しく、これまでは血液検査などの間接的な方法に頼ってきました。本研究では、1型糖尿病を持つ人を対象に、β細胞に発現するGLP-1受容体を目印にする新規PETプローブ([18F]FB(ePEG12)12-exendin-4)を用い...
キーワード:人工知能(AI)/β細胞/早期診断/膵臓/インスリン/プローブ/血液/受容体/副作用/糖尿病
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発表日:2026年3月13日
162
受容体の活性化サイクルの網羅的可視化
―時間分解構造解析により明らかになったGPCRのGタンパク質選択性と2つのGタンパク質活性化経路―
井上飛鳥 薬学研究科教授、角野歩 生命科学研究科准教授、炭竈享司 同特定講師、加藤英明 東京大学教授、光武亜代理 明治大学准教授らによる研究グループは、ヒトの生理機能調節に深く関わり、創薬上重要な標的でもあるGタンパク質共役型受容体(GPCR)について、そのGタンパク質活性化メカニズムの詳細を明らかにしました。 細胞の表面には、ホルモンや神経伝達物質など外からの合図を受け取る「受容体」が並んでいます。なかでもGPCRは、痛み・血圧・食欲・精神機能など多様な生理機能を調節しており、現在使われる医薬品の多くがこのGPCRを標的としています。GPCRが合図を受けると、細胞内のGタンパク質がG...
キーワード:時間分解/分子動力学シミュレーション/神経ペプチド/選択性/シミュレーション/原子間力顕微鏡/電子顕微鏡/動力学/分子動力学/クライオ電子顕微鏡/高速原子間力顕微鏡/ホルモン/神経伝達物質/生理機能/GPCR/Gタンパク質/Gタンパク質共役型受容体/受容体/創薬/血圧
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発表日:2026年3月11日
163
骨折リスクや歩行低下を捉える代謝産物
―大腿骨頸部骨粗鬆症のマーカー代謝物を発見―
近藤祥司 医学部附属病院准教授、亀田雅博 同特定助教、柳田充弘 沖縄科学技術大学院大学教授の研究グループは、大腿骨頸部骨粗鬆症と関連する新たな血中代謝物を報告しました。 高齢期には、転倒や骨折を契機として要介護や寝たきりに至るケースが多く、特に大腿骨頸部骨折は健康寿命を大きく損なう要因として知られています。本研究は高齢女性の大腿骨頚部の骨粗鬆症を対象に、骨密度、筋量、歩行などの臨床指標と血液中の代謝物の関連を質量分析計を利用した全血メタボロミクスにより統合的に解析しました。その結果、筋代謝に関わるホスホクレアチン等のエネルギー代謝物の低下と、骨吸収に関連するメチル化代謝物の増加が、骨粗...
キーワード:質量分析/リスク評価/質量分析計/筋肉/骨折/寿命/代謝産物/要介護/骨密度/エネルギー代謝/メチル化/血液/骨吸収/骨粗鬆症/代謝物/メタボロミクス/健康寿命
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発表日:2026年3月9日
164
パンデミックを止めるために他者への強い配慮は必要ない
―感染時の自己隔離は自然な生存戦略であることを数理モデルが解明 ―
化学工学専攻 山本量一 教授、John Molina助教、英国ウォーリック大学 Matthew Turner教授、東京大学 生産技術研究所 Simon Schnyder特任助教らの研究グループは、感染症流行時に人々がどのような行動を選ぶかを数理モデルとゲーム理論を用いて予測することに成功しました。感染者は自ら隔離しても直接の利益を得にくいため、これまで自己隔離には他者への配慮が必要だと考えられてきました。本研究では、感染状況や流行規模、ワクチン接種までの時間などを考慮したモデルを構築し、人々の行動がどのような集団結果を生むかを調べました。その結果、ごく弱い利他性しか持たない場合でも、感染時に接...
キーワード:ゲーム/ゲーム理論/生存戦略/生産技術/化学工学/パンデミック/感染症対策/ワクチン/感染症/公衆衛生
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発表日:2026年3月5日
165
細胞の方向性はどのように揃えられるのか?
―従来の濃度勾配説を覆すメカニズムを発見―
ある種の上皮組織では、シート状に並んだ細胞が一定方向に揃った極性を持ちます。この極性は「平面内細胞極性(PCP)」と呼ばれ、神経管形成や内耳有毛細胞の配向などに見られます。脊椎動物ではPCPの形成に分泌性シグナルタンパク質であるWntが必要であることが示されており、その作用機構として、Wntは濃度勾配を形成し、個々の細胞がその濃度勾配の方向(勾配の傾き)を読み取ることで、PCPが揃えられるという説が提唱されてきました。 三井優輔 医生物学研究所助教(前:基礎生物学研究所助教)、鈴木美奈子 同特定研究員(前:基礎生物学研究所研究員)および高田慎治 基礎生物学研究所名誉教授(前:同教授)ら...
キーワード:パターン形成/アフリカツメガエル/ツメガエル/脊椎動物/ボトムアップ/フィードバック/一細胞/有毛細胞/脊椎/Wnt/シグナル分子/細胞極性
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発表日:2026年3月4日
166
世界初、超高性能熱電半金属に潜む「プラズモニックポーラロン」を直接観測
―半金属は熱電材料にならないという常識を覆す―
吉田鉄平 人間・環境学研究科教授、大槻太毅 岡山大学准教授と中埜彰俊 名古屋大学助教(現:同講師)、寺崎一郎 同教授、長谷川巧 広島大学准教授、有田将司 同技術専門職員、堀場弘司 高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所准教授(現:量子科学技術研究開発機構上席研究員)、北村未歩 同助教(現:量子科学技術研究開発機構主任研究員)らの研究グループは、半金属でありながら極めて高い熱電性能を示す準一次元物質Ta₂PdSe₆において、電子と集団的電荷振動が結合した新しい準粒子状態「プラズモニックポーラロン」を世界で初めて直接観測しました。 熱電材料は温度差から電気を取り出せるため、...
キーワード:角度分解光電子分光/光電子分光/高エネルギー/準粒子/有効質量/加速器/放射光/電子分光/キャリア/プラズモン/ポーラロン/半金属/電子構造/電子状態/熱電材料/寿命
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発表日:2026年3月3日
167
「孤立しやすさ」の背景に迫る
―日本人6万人の解析から 社会的孤立に関わる遺伝的背景を東アジアで初めて解明―
人とのつながりは、家庭や職場、地域といった社会的な環境の中で形づくられるものと考えられてきました。しかし同じ地域や職場にいても、家族や友人とのつながりの広がり方には個人差がみられます。その背景にどのような要因が関連しているのかを検討するため、日本の一般住民6万人以上を対象に、遺伝情報を用いた大規模な解析を行いました。 井上浩輔 医学研究科教授、近藤尚己 同教授、栗山進一 東北大学教授らの研究グループは、家族や友人との実際のやり取りの頻度や人数を質問票で数値化し、その情報と数百万か所に及ぶ遺伝情報を統計的に照らし合わせるゲノムワイド関連解析を行うことで、社会的孤立との関連を網羅的に探索し...
キーワード:遺伝情報/ゲノムワイド/環境要因/ゲノムワイド関連解析/ゲノム/遺伝子
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発表日:2026年3月2日
168
多糖ファイバー融合スフェロイドによる筋再生
―材料が細胞機能を再設計する再生医療―
高分子化学専攻 佐々木善浩 教授は、医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科の奥山英晃 客員研究員(筆頭著者)および岸本曜 同准教授らとの医工連携により、嚥下機能改善を目指した新規幹細胞スフェロイド技術を開発しました。本研究は、カナダ・マギル大学 Nicole Y. K. Li-Jessen教授との国際共同研究として実施されたものです。本研究では、脂肪由来幹細胞と天然由来多糖ナノゲルからなる多糖マイクロファイバーを融合したハイブリッドスフェロイドを構築しました。これにより、従来の細胞スフェロイドで課題となっていた内部壊死を抑制するとともに、構造安定性の向上、細胞生存率の改善、ならびに再生関連因子の分泌...
キーワード:高分子/高分子化学/ファイバー/マイクロ/水田/筋損傷/医工連携/筋再生/脂肪由来幹細胞/スフェロイド/ラット/幹細胞/再生医療
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発表日:2026年3月2日
169
フリーNH 部位を有するキラルナノグラフェンの合成とスピン輸送特性
ナノグラフェンとは、炭素と水素から構成されるナノメートルサイズのπ共役系分子を指します。その電子状態はグラフェンに類似したものにとどまらず、ナノグラフェン特有の構造的性質を反映した興味深い性質が多数報告されています。ナノグラフェンの多様性をさらに拡張する戦略として、i)ヘテロ元素の導入、ii)曲面構造の誘起、が重要な分子設計指針として挙げられ、それぞれヘテロナノグラフェン、非平面ナノグラフェンとして分類されています。特に、ねじれた曲面構造を形成することでキラリティが生じ、円二色性(CD)や円偏光発光(CPL)といったキラル光学特性が発現します。近年では、キラリティ誘起スピン選択性(CISS)と...
キーワード:スピン偏極/輸送特性/円二色性/π共役系/円偏光発光/キラル/光学材料/ナノグラフェン/円偏光/選択性/電子状態/光学特性/グラフェン/スピン/ナノメートル/ヘテロ元素/機能性/分子設計
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発表日:2026年2月27日
170
次世代「ナトリウムイオン電池」の充電メカニズムを世界で初めて直接観測!
—中性子散乱を用いたマルチスケール観測で、ハードカーボンの謎を特定—
南部雄亮 複合原子力科学研究所特定教授、梅本好日古 東北大学博士研究員(現:米国オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)博士研究員)、大石一城 総合科学研究機構(CROSS)次長、河村幸彦 同技師、五十嵐大輔 東京理科大学プロジェクト研究員、中本康介 同助教、駒場慎一 同教授、多々良涼一 横浜国立大学准教授、LIN Che-an 東京科学大学研究員、館山佳尚 同教授、廣井孝介 日本原子力研究開発機構研究副主幹、高田慎一 同研究副主幹の研究グループは、中性子を用いて、次世代の蓄電デバイスとして期待されるナトリウムイオン電池の負極材料「ハードカーボン」に...
キーワード:中性子散乱/陽子/J-PARC/加速器/中性子/電池/カーボン/ナノサイズ/マルチスケール/原子力/ナトリウム
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発表日:2026年2月27日
171
血液中のがん反応性T細胞で治療効果を予測
―免疫療法に反応する希少な血中のがん反応性T細胞の発見―
体内には、様々な異物を見分けるためのT細胞がたくさん存在します。その中で、がんを攻撃できるT細胞(がん反応性T細胞)は、がん免疫療法の効果を左右する重要な細胞です。しかし、この細胞は血液中にごくわずかしか存在せず、詳しい性質は分かっていませんでした。 谷口智憲 医学研究科特定准教授、茶本健司 同教授、伊藤克弘 同博士課程学生(現:米国イェール大学(Yale University)ポスドク研究員)らと、猪爪隆史 千葉大学教授らによる共同研究グループは、血液中にわずかに存在するがん反応性T細胞を、血中で見分けるマーカーを発見しました。このマーカーをもつT細胞は、がん組織内で働くT細胞のもと...
キーワード:がん免疫/がん免疫療法/免疫チェックポイント阻害剤/免疫療法/HLA/T細胞/がん治療/血液/阻害剤/免疫チェックポイント/がん患者/肺がん
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発表日:2026年2月26日
172
鎖骨頭蓋異形成症の新たな病態モデルを確立
〜Runx2のミスセンス変異が骨と歯の形成に与える影響〜
佐久間哲史 農学研究科特定教授、渡邊仁美 医生物学研究所助教、近藤玄 同教授、星野麻里 広島大学大学院生(研究当時)、濱田充子 同助教、内部健太 同准教授、岡本哲治 同教授(研究当時)、谷本幸太郎 同教授、山本卓 同教授、小守壽文 長崎大学教授らの研究グループは、小川咲希 広島大学大学院生、樋口真之輔 同助教(研究当時)、吉本由紀 同特任助教(兼:同日本学術振興会特別研究員(研究当時))、宿南知佐 同教授の研究グループとの共同研究で、生まれつき骨や歯の発達に異常が起こる「鎖骨頭蓋異形成症」の原因を詳しく調べるため、骨形成の鍵となる遺伝子Runx2に、患者さんと同じタイプの変化...
キーワード:変異マウス/モデルマウス/病態モデル/病態解明/マウス/骨形成/遺伝子
他の関係分野:生物学
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発表日:2026年2月25日
173
仏教AIヒューマノイドロボット「ブッダロイド」の開発
―身体性を獲得した仏教AIと対面での触れ合いを実現―
熊谷誠慈 人と社会の未来研究院教授らの研究開発グループは、株式会社テラバース(代表:古屋俊和)と共同で、多数の宗教AIプロダクトを開発してきました。2021年3月に開発した仏教対話AI「ブッダボット」に続き、2022年9月には仏教AR(拡張現実技術)の「テラ・プラットフォームver1.0」を開発、チャットに加え、視覚・聴覚コミュニケーションを実現しました。 この度、京都大学熊谷ラボ、株式会社テラバース、株式会社XNOVA(代表:八鳥孝志)の研究開発グループは、仏教AIヒューマノイドロボット「ブッダロイド」を共同開発しました。本ロボットは、Unitree Robotics社製のUnitr...
キーワード:ヒューマノイド/ヒューマノイドロボット/拡張現実/身体性/人工知能(AI)/ロボット/聴覚/ラット/コミュニケーション
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発表日:2026年2月24日
174
iPS細胞由来血小板を用いたMRSA殺菌メカニズムの解明
―遺伝子編集が可能な感染症研究プラットフォームとしての可能性―
iPS細胞由来血小板(iPS血小板)注1)には多剤耐性細菌MRSA注2)を殺菌する能力があった。TLR2/MyD88シグナリング経路注3)がMRSA殺菌に寄与していることを遺伝子編集注4)したiPS血小板を用いて証明した。IgG/FcγRIIA結合注5)も殺菌作用に寄与していた一方、MRSAのα毒素注6)は殺菌作用に拮抗していることが示唆された。iPS血小板はMR...
キーワード:免疫機能/クローン/質量分析/カテーテル/バイオリアクター/センサー/核分裂/新エネルギー/ペプチドグリカン/遺伝子改変/血流/生体内/アダプター/黄色ブドウ球菌/微生物学/抗菌活性/細胞壁/病原性/微生物/自然免疫受容体/病原体/巨核球/血栓/細胞膜/CRISPR/iPS細胞/TLR/シグナリング/細胞株/死亡率/臨床検査/Toll様受容体/医療費/骨髄/歯学/造血幹細胞/DNA損傷/HLA/MRSA/RNA/インテグリン/タンパク質発現/ラット/リガンド/遺伝子治療/遺伝子導入/炎症性サイトカイン/幹細胞/血液/血小板/抗生物質/細胞分裂/自然免疫/受容体/多剤耐性/多剤耐性菌/免疫細胞/臨床試験/サイトカイン/ヒトiPS細胞/遺伝子/感染症/抗体/細菌/造血/薬剤耐性/臨床研究
他の関係分野:複合領域生物学総合理工工学総合生物農学
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発表日:2026年2月21日
175
地球温暖化が湖沼藻類ブルームを加速
―長期データが示す温度主導型富栄養化―
湖の水面が緑色に覆われる「アオコ(有害藻類ブルーム)」は、世界的に深刻な環境問題であり、水質悪化や生物多様性の低下を引き起こすだけでなく、人の健康や水資源の安全にも影響を及ぼしています。これまで、アオコをはじめとする湖沼の藻類ブルーム対策は、主に窒素やリンなどの栄養塩の削減に重点が置かれてきました。しかし、地球温暖化が進行する現在、その効果には限界が生じつつあります。 周川喬 情報学研究科特定研究員らの研究グループは、土居秀幸 同教授、許晓光 中国・南京師範大学教授、木内豪 東京科学大学教授らと共同で、世界中の156湖沼を対象とした約40年に及ぶ長期観測データを統合し、気候変動下におけ...
キーワード:機械学習/情報学/湖沼/地球温暖化/富栄養化/ブルーム/気候変動/クロロフィル/シナリオ/栄養塩/環境問題/水資源/アオコ/温暖化/生物多様性/将来予測
他の関係分野:情報学環境学数物系科学生物学工学農学
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発表日:2026年2月21日
176
ボノボ(大型類人猿)とテナガザル(小型類人猿)のiPS細胞と脚腕の元になる細胞の作製に成功
―霊長類発生進化学・生物多様性保全・動物園獣医学の統合推進に貢献―
今村公紀 ヒト行動進化研究センター助教(現:金沢大学准教授)、濱嵜裕介 同博士課程学生、今村拓也 広島大学教授、飽田寛人 同博士課程学生らの研究グループは、野生動物研究センター熊本サンクチュアリ(熊本県宇城市)、一柳健司 名古屋大学教授、田辺秀之 総合研究大学院大学准教授らと共同で、大型類人猿のボノボの血液から、ゲノムに外来遺伝子が挿入されない方法で人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製することに成功しました。また、同研究グループはボノボiPS細胞の作製に先行して、日本モンキーセンター(愛知県犬山市)、豊橋総合動植物公園(愛知県豊橋市)、東山動植物園(愛知県名古屋市)、大型類人猿情報ネットワーク...
キーワード:情報ネットワーク/生物多様性保全/進化学/進化発生/進化発生学/大型類人猿/類人猿/霊長類/獣医学/生物多様性/iPS細胞/発生学/幹細胞/血液/多能性幹細胞/分化誘導/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:情報学環境学生物学農学
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発表日:2026年2月21日
177
イラリス®皮下注射液150mgのシュニッツラー症候群への効能追加
―世界初の適応拡大の基となる成果は、医師主導治験によって示されました―
神戸直智 医学研究科准教授、中溝聡 同特定准教授、吉藤元 同准教授、城友泰 同助教、井澤和司 同講師、井上徳光 和歌山県立医科大学教授、金澤伸雄 兵庫医科大学主任教授らの研究グループは、京都大学医学附属病院の他、高知大学医学部附属病院(山本真有子 講師)、総合病院国保旭中央病院(加々美新一郎 部長および竹村浩至 部長)、神奈川県警友会けいゆう病院(河原由恵 部長)との多施設共同治験として、日本人のシュニッツラー症候群患者に対するカナキヌマブ(商品名:イラリス®)の有効性と安全性を検討する医師主導治験(jRCT2051220139)を実施しました。 その結果として得られた、2025年4月...
キーワード:アレルギー/医師
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発表日:2026年2月21日
178
2色模様の花ができるしくみを解明
―RNA干渉とフラボノイドによる遺伝子発現調節を発見―
大野翔 農学研究科准教授、栗山和典 東京農工大学博士課程学生(研究当時)、福原敏行 同教授、森山裕充 同教授、津川裕司 同教授、田原緑 立命館大学助教、小岩尚志 米国テキサスA&M大学(Texas A&M University)教授(兼:東京農工大学特任教授)の研究グループは、ペチュニアやダリアにおいて2色模様の花ができるしくみを解明しました。本研究において、植物の2次代謝物であるフラボノイドが、RNA干渉による遺伝子発現制御を調節することを示しました。植物色素アントシアニンは、RNA干渉により遺伝子発現が調節されることで蓄積量が決定され、花の色や模様が決まることが多数報告され...
キーワード:遺伝子発現調節/アントシアニン/RNA/RNA干渉/フラボノイド/遺伝子発現制御/代謝物/発現制御/発現調節/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:生物学農学
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発表日:2026年2月21日
179
カツオの眼球の分析から回遊履歴を推定する手法の開発に成功
海洋生物の生涯にわたる移動を追跡することは、生態学および水産科学における大きな課題です。特にかつお・まぐろ類のような外洋を回遊する魚類は、ときには数千kmに及ぶ長距離移動をするため、その回遊生態の把握は困難を極めていました。 これまで海洋生物の移動を追跡するために用いられてきた電子標識を用いたバイオロギング手法は、高コストであり、小型個体への適用が難しく、バッテリーの寿命による追跡期間の制限があることから、個体の生涯にわたる移動を捉えるには至りませんでした。 千田哲朗 フィールド科学教育研究センター博士課程学生(元・水産研究・教育機構水産資源研究所研究等支援職員)、松林順 福井...
キーワード:海洋/同位体/同位体比/個体群/海洋生物/バイオロギング/生態学/寿命/水晶体
他の関係分野:環境学数物系科学生物学農学
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発表日:2026年2月21日
180
新技術e2MPRA: 遺伝子発現制御原理の解明へ前進
遺伝子スイッチのエピジェネティック状態を大規模並列的に理解する
京都⼤学⾼等研究院ヒト⽣物学⾼等研究拠点 (WPI-ASHBi) 張 子聡研究員、井上 詞貴特定准教授らの研究グループは、シス制御配列における変異が転写活性およびエピジェネティック状態1に与える影響を同一サンプルで大規模並列に定量する新技術を開発しました。DNAには私たちの「部品」である遺伝子の他に、その遺伝子を「...
キーワード:ヒストン/クロマチン/ヒトゲノム/筋肉/分子機構/RNA/アセチル化/ヒストン修飾/メチル化/遺伝子発現制御/転写因子/転写制御/発現制御/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:工学
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発表日:2026年2月21日
181
SARS-CoV-2肺炎の重症化に好中球のRegnase-1タンパク質が寄与
―好中球のRegnase-1を標的とした治療の可能性―
安田圭子 医学研究科特定助教(現:名古屋市立大学講師)、竹内理 同教授、松浦善治 大阪大学特任教授、渡辺登喜子 同教授らの研究グループは、免疫細胞の炎症を抑えるブレーキとして働くRegnase-1(レグネース1)が新型コロナウイルスSARS-CoV-2感染マウスモデルの系において重症化に寄与することを見出しました。 ウイルス感染に対する自然免疫応答は、適切にウイルスを除去し、また過剰な活性化を引き起こさないように調節されています。しかし、免疫系が適切な応答をコントロールできず、いわゆるサイトカインストームを引き起こすことが、SARS-CoV-2感染重症化の一因であることが分かっています...
キーワード:免疫系/SARS-CoV-2/インターフェロン/ウイルス感染症/マウスモデル/治療標的/mRNA/新型コロナウイルス/マウス/炎症性サイトカイン/好中球/自然免疫/免疫応答/免疫細胞/ウイルス/サイトカイン/感染症
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発表日:2026年2月18日
182
ダイアベティス(糖尿病)治療薬DPP-4阻害薬の“真の主役”はGIPだった!?
―肥満マウスで明らかになった新たな作用メカニズム―
DPP-4阻害薬は、食事をとったときに腸から分泌される「インクレチン」と呼ばれるホルモンの働きを高め、血糖値を下げる効果のある薬であり、 ダイアベティス(糖尿病)の治療では広く使用されています。インクレチンには GIP(Glucose-dependent insulinotropic polypeptide) と GLP-1(Glucagon-like peptide-1) の2種類がありますが、これまでは主にGLP-1に注目した研究が行われてきました。そのため、DPP-4阻害薬の効果において、GIPがどのような役割を果たしているのかは十分に分かっていませんでした。 この度、矢部大介 ...
キーワード:インスリン分泌/ホルモン/高脂肪食/インスリン/マウス/受容体/糖尿病
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発表日:2026年2月17日
183
テラヘルツ帯における6G向け超広帯域無線伝送試験装置を開発し、時速1000 kmの高速移動エミュレーション環境下での基礎伝送に成功
原田博司 情報学研究科教授、香田優介 同准教授らの研究グループは、テラヘルツ帯(300 GHz帯)において6G向け超広帯域無線伝送試験装置をソフトウェア無線技術により開発し、時速1000 kmの高速移動エミュレーション環境下において、5G標準化で定められている通信仕様に準拠しつつ、国内の5Gに割り当てられている最大チャネル帯域幅(400MHz)の約20倍にあたる7.8 GHz幅を用いた超広帯域信号伝送(伝送レート:14.6 Gbit/s)に成功しました。 今回の成果により、固定通信システムから陸上移動無線、非地上系ネットワークに至るまであらゆるモビリティを想定した利用モデルに対する通信...
キーワード:無線通信/情報学/広帯域/テラヘルツ/テラヘルツ波/モビリティ/標準化
他の関係分野:情報学数物系科学工学
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発表日:2026年2月16日
184
タンパク質の動きを捉える新しい試料導入システムを開発
―テープ搬送による試料導入で試料消費量を低減―
岩田想 医学研究科教授、姜正敏 理化学研究所研究員、矢橋牧名 同グループディレクター、登野健介 高輝度光科学研究センターチームリーダー、南後恵理子 東北大学教授らの国際共同研究グループは、X線自由電子レーザー(XFEL)施設「SACLA」において、タンパク質の動きを捉える連続フェムト秒結晶構造解析(SFX)のための試料を導入する新たなシステムを開発しました。 本研究成果により、わずかな量の試料で時分割の構造解析が可能となり、タンパク質の動きが原子レベルで明らかになることが期待されます。 生体の重要な構成成分であるタンパク質が機能する際、巧妙にその構造を変えて機能を発揮しているこ...
キーワード:X線自由電子レーザー/自由電子レーザー/結晶構造解析/微小液滴/フェムト秒/レーザー/結晶構造/動的構造
他の関係分野:数物系科学生物学総合理工工学農学
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発表日:2026年2月14日
185
ベネトクラクスの血中濃度と副作用の関係を解明
―白血病治療における最適な投与設計への道―
林裕美 医学研究科客員研究員、諫田淳也 同講師、髙折晃史 同教授、山際岳朗 医学部附属病院薬剤主任、中川俊作 同准教授、寺田智祐 同教授、米澤淳 慶應義塾大学教授らの研究グループは、急性骨髄性白血病(AML)の治療薬であるベネトクラクス(VEN)の血中濃度が、治療の安全性に与える影響を明らかにしました。近年、高齢者や強力な化学療法が困難なAML患者に対し、VENとアザシチジンの併用療法が標準的に広く用いられる治療となっています。しかし、VENの血中濃度には大きな個体差があり、副作用である血球減少症の管理が課題となっていました。本研究グループが152名の患者データを解析した結果、VENの血中トラ...
キーワード:モニタリング/骨髄/TDM/急性骨髄性白血病/血液/好中球/白血病/副作用/化学療法/個別化医療/高齢者
他の関係分野:工学
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発表日:2026年2月14日
186
ヒトiPS細胞で肺線維症の「修復不全」を再現
―病態をリセットする新たな治療標的候補を特定―
ヒトiPS細胞を使って肺線維症で肺胞上皮細胞が正常に分化しない状態(ATCS)を再現した。このモデルを用いた検証により、ATCSをリセットし、肺の線維化を抑制する薬剤の候補としてp300/CBP阻害剤を見つけた。1. 要旨 筒井優介研究員、後藤慎平教授(...
キーワード:一細胞/生体内/細胞モデル/CBP/iPS細胞/オミクス/オミクス解析/マルチオミクス/マルチオミクス解析/治療標的/実験モデル/臨床応用/間質性肺炎/肺線維症/エンハンサー/オルガノイド/線維芽細胞/病態モデル/コラーゲン/スクリーニング/ブレオマイシン/遺伝子ネットワーク/遺伝子治療/化合物ライブラリー/幹細胞/共培養/再生医療/上皮細胞/阻害剤/創薬/代謝物/転写因子/ゲノム/ストレス/ヒトiPS細胞/メタボローム/遺伝子/生活の質/線維化/難病
他の関係分野:総合生物農学
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発表日:2026年2月14日
187
藻類の光合成ターボエンジンを制御する「ブレーキ」を発見
~高CO₂環境での「空吹かし」を防ぎ、バイオ燃料等の省エネ化へ道~
山野隆志 生命科学研究科准教授、嶋村大亮 理化学研究所特別研究員(元・生命科学研究科研究員)、安田詢子 生命科学研究科修士課程学生(研究当時)、山原洋佑 同修士課程学生(研究当時)、中野博文 同修士課程学生(研究当時)、福澤秀哉 京都女子大学教授(元・生命科学研究科 教授)らの研究グループは、光合成におけるCO2濃縮メカニズム(光合成のターボエンジン:水中の乏しいCO2を葉緑体内に濃縮し、光合成をフル回転させる仕組み)を、不要な時に抑制する「ブレーキ役」のタンパク質「CBP1」を発見しました。 これまで、CO2が少ない環...
キーワード:光合成/生存戦略/葉緑体/エネルギー効率/省エネ/カーボン/エンジン/リサイクル/二酸化炭素/高CO2/変異株/ゲノム編集技術/CO2濃度/バイオ燃料/CBP/ゲノム編集/ゲノム
他の関係分野:生物学工学農学
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発表日:2026年2月14日
188
電子のやりとりに連動した構造変化が鍵!
コレラ菌の生育に必須のナトリウムポンプのはたらく仕組みを解明
先進国ではコレラはもはや深刻な感染症ではありませんが、途上国では地域的流行(エンデミック)が散発しており、依然として深刻な感染症です。また世界的に見ても、抗菌剤の効かない薬剤耐性菌の出現は大きな社会問題となっています。新しい抗菌剤の標的となるタンパク質や、その標的に作用する化合物を探し続けることは、社会的意義の大きい基礎研究です。 石川萌 農学研究科博士課程学生(現:日本学術振興会海外特別研究員)、桝谷貴洋 同助教、村井正俊 同准教授、岸川淳一 京都工芸繊維大学准教授、関健仁 総合研究大学院大学(分子科学研究所)博士課程学生、岡崎圭一 分子科学研究所准教授らの研究グループは、Blanc...
キーワード:キノン/酸化還元反応/酸化還元酵素/還元反応/シミュレーション/酸化還元/電子顕微鏡/動力学/分子動力学/病原性/ナトリウム/ナトリウム輸送/抗菌剤/構造変化/創薬/立体構造/感染症/細菌/薬剤耐性
他の関係分野:化学生物学工学農学
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発表日:2026年2月14日
189
ミュー粒子を使って超伝導電子ペアの状態を解明
―隣接する超伝導体の作る落とし穴に警鐘―
最近注目度が増している量子物質とは、日常的なスケールでの性質が量子力学効果から創発する物質で、超伝導体はその最たる例です。その中でも銅酸化物高温超伝導体など、標準的な理論の枠では説明できない「非従来型超伝導体」が、現代の基礎研究の中心対象です。ルテニウム酸化物で約30年前に発見された超伝導も非従来型の典型例です。長年、電子ペアが磁石のような性質を保って量子情報を電気抵抗ゼロで運べる、スピン三重項超伝導という画期的な状態が実現していると考えられてきました。ところが最近の核磁気共鳴の実験から以前の結論をくつがえす結果が明らかになったため、ほかの実験手法で検証することが重要となっていました。...
キーワード:ミュー粒子/ルテニウム酸化物/原子核/高温超伝導体/磁気共鳴/超伝導体/銅酸化物/銅酸化物高温超伝導体/非従来型超伝導/量子情報/磁場/超伝導/高温超伝導/酸化物高温超伝導体/単結晶/電気抵抗/スピン/酸化物/量子力学/ルテニウム/核磁気共鳴
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2026年2月12日
190
飲酒・喫煙の両方をやめることで内視鏡治療後の食道に新たながんが発生するリスクを大幅に低減することを明らかにしました(JEC試験)
―食道がん内視鏡的切除後の患者さん330人を10年以上追跡した多施設共同研究―
武藤学 医学研究科教授、堅田親利 同特定准教授、および全国20施設の研究グループは、早期食道がんに対して内視鏡的切除を受けた患者さんを10年以上追跡し、飲酒と喫煙の両方をやめることが、新たな食道がんの発生を大幅に減らすことを明らかにしました。 食道がんは難治性のがんのひとつですが、最近は早期発見によって内視鏡的切除で食道を温存して治るようになってきました。しかし、温存した食道には、治療後も2個目、3個目のがんが発生すること(異時性発がん)が課題でした。本研究において、治療後に禁酒・禁煙の指導をした上で飲酒と喫煙の両方を完全にやめた患者さんでは、新しい食道がんが発生するリスクが約5分の1...
キーワード:内視鏡/食道がん/発がん/コホート/前向きコホート研究/早期発見
他の関係分野:
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発表日:2026年2月10日
191
Gαノックアウト細胞で切り分けたGPCRシグナル
―“特異的”と信じられてきた転写レポーターの再定義―
齋藤郁貴 薬学研究科博士課程学生、木瀬亮次 同助教、井上飛鳥 同教授(兼:東北大学教授)の研究グループは、Gαタンパク質の遺伝子欠損細胞を用いた網羅的な解析によってGαタンパク質による転写活性制御を精緻に対応付けしました。 Gタンパク質共役型受容体(G-protein–coupled receptor:GPCR)は、細胞外のシグナル分子と結合することで活性化状態に構造変化し、Gαタンパク質(Gαs/olf、Gαi/o、Gαq/11、Gα12/13の4つのサブファミリーに大別される)を介して細胞内シグ...
キーワード:CRISPR-Cas/CRISPR/細胞内シグナル/CRISPR-Cas9/GPCR/Gタンパク質/Gタンパク質共役型受容体/シグナル分子/構造変化/受容体/創薬/遺伝子
他の関係分野:総合生物
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発表日:2026年2月10日
192
中性子捕捉治療が効きにくい腫瘍にも有効な薬剤を開発
―既存薬剤が適応困難な腫瘍にも中性子捕捉療法の選択肢を提供―
鈴木実 複合原子力科学研究所教授は、中村浩之 東京科学大学教授、三浦一輝 同助教らの研究グループと共同で、既存薬剤を用いたホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy:BNCT)が効きにくい腫瘍にも高い治療効果を示す、新規ホウ素薬剤「GluBs」の開発に成功しました。 BNCTは、がん細胞に取り込まれたホウ素と中性子との核反応を利用して、がん細胞のみを選択的に殺傷する治療法であり、近年、手術や通常の放射線治療が難しい難治性がんや再発がんに対する新たな治療法として注目されています。しかし、現在薬事承認されている唯一のBNCT用ホウ素薬剤であるL-BPA...
キーワード:中性子/原子力/分子デザイン/システイン/ホウ素/輸送体/増殖抑制/中性子捕捉療法/放射線治療/発がん/アミノ酸/がん細胞/手術/放射線
他の関係分野:数物系科学工学総合生物農学
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発表日:2026年2月10日
193
ヘプタセンの「真の」励起状態ダイナミクスを解明
―室温均一希薄溶液中での蛍光と薄膜での一重項分裂を世界で初めて観測―
京都大学化学研究所 鈴木慎二郎 博士後期課程学生、山田容子 教授らの研究グループは、同研究所 廣瀬崇至 准教授、慶應義塾大学理工学部 羽曾部卓 教授、酒井隼人 専任講師、国立研究開発法人物質・材料研究機構 林宏暢 主幹研究員らとの共同研究により、炭素環が7つ連なった「ヘプタセン」の誘導体(TIPS-Hep)を新たに合成し、その光物理的性質の解明に成功しました。 ヘプタセンなどの高次アセンは、次世代の光電子材料として期待される一方、極めて不安定で溶解性が低く、その性質は謎に包まれていました。本研究では、光を利用して...
キーワード:光物性/近赤外/太陽/芳香族/励起状態/励起状態ダイナミクス/π共役系/芳香族化合物/有機半導体/有機分子/超高真空/前駆体/ペンタセン/可視光/赤外光/超高速分光/電子デバイス/発光材料/ベンゼン/材料設計/太陽電池/電池/シリコン/ダイナミクス/ピコ秒/フェムト秒/極低温/半導体/励起子/エネルギー変換/ショック/寿命/近赤外光/分子設計/誘導体
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学農学
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発表日:2026年2月9日
194
細胞・遺伝子治療の35年の研究動向を分析
―モダリティの成熟度や国際連携効果を可視化―
細胞・遺伝子治療は革新的な治療法として期待されています。イノベーションを加速するうえでは、この領域における経年的な発展を定量的に評価することが不可欠ですが、従来、そのような分析は十分に行われてきませんでした。 永井純正 医学部附属病院教授らの研究グループは、アーサー・ディ・リトル・ジャパンらと共同で、過去35年間に発表された関連論文を基に、モダリティの発展や、国別の貢献、国際共同研究による影響を分析しました。その結果、造血幹細胞移植やex vivo遺伝子治療と比較して、間葉系幹細胞治療やin vivo遺伝子治療は、臨床への移行が停滞している実態が明らかになりました。国別には、米国や中国...
キーワード:ボトルネック/資源配分/幹細胞移植/間葉系幹細胞/細胞移植/造血幹細胞/遺伝子治療/幹細胞/細胞治療/遺伝子/造血/造血幹細胞移植/調査研究
他の関係分野:工学農学
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発表日:2026年2月6日
195
TAF4Bの発現低下は、ヒト臍帯血由来造血幹・前駆細胞からの赤血球系・NK細胞系分化に選択的な影響を与える
ヒト臍帯血由来の造血幹・前駆細胞(HSPC)注1)の血球分化における転写因子TAF4B注2)の働きを系統別に評価した。TAF4Bは、HSPCからの血球産生(造血)における多系統性の維持に関わる可能性が明らかになった。HSPCからの各系統への分化において、TAF4Bは赤血球系の増殖や産生量と成熟化、NK細胞の成熟化に作用する可能性が示された。1. 要旨 中野早織研究員、丹羽明特定拠点講師、...
キーワード:タンパク質複合体/生殖/モーター/生体内/RNAポリメラーゼ/生殖細胞/免疫系/プロモーター/differentiation/iPS細胞/クロマチン/臨床応用/mRNA/胎児/白血球/臍帯血/フローサイトメトリー/細胞系譜/前駆細胞/NK細胞/RNA/ファージ/マクロファージ/遺伝子治療/血液/受容体/赤血球/転写因子/転写制御/転写調節/分化誘導/ゲノム/サイトカイン/遺伝子/遺伝子発現/抗体/造血
他の関係分野:生物学工学総合生物農学
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発表日:2026年2月6日
196
太陽活動が地震の引き金になる可能性
―電離圏と地殻の静電結合モデル―
梅野健 情報学研究科教授、水野彰 同研究員、高明慧 同技術補佐員らの研究グループは、太陽フレアなどの太陽活動が電離圏に電子数密度の変動(電離圏擾乱)を与えるほど大きい場合、地震発生そのものを促す可能性があることを示す新たな物理モデルを提案しました。 本研究では、地殻内の破砕帯と電離圏が「巨大なコンデンサ」のように電気的に結合していると考え、太陽フレアなどによる電離圏の電子数密度の変動(電離圏擾乱)が、地殻内部に電気的な圧力を生じさせる仕組みを理論的に示しました。この電気的圧力は、地震発生に関与すると考えられている潮汐力や重力と同程度、あるいはそれ以上の大きさに達する可能性があります。...
キーワード:情報学/太陽フレア/地球内部/地震学/電離層/太陽/太陽活動/静電力/火砕流/超臨界/超臨界水/物理モデル/遺伝子解析/遺伝子
他の関係分野:情報学数物系科学工学
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発表日:2026年2月3日
197
臍帯血移植後の二次性悪性腫瘍の日欧比較
―地域や集団背景による発生傾向の違いを解明―
諫田淳也 医学研究科講師、熱田由子 日本造血細胞移植データセンター長(兼:愛知医科大学教授)、Éliane Gluckman ユーロコード(Eurocord)教授らの研究グループは、日本と欧州における臍帯血移植後の二次性悪性腫瘍(Subsequent neoplasms, SN)の発生状況を世界で初めて直接比較しました。 同種造血幹細胞移植後の長期生存者が増加する中で、二次性悪性腫瘍は生存率や生活の質を左右する重大な晩期合併症ですが、地域や集団背景による違いはこれまで不明でした。本研究では日欧のレジストリデータを解析した結果、固形がんでは日本で食道や胃がんが多く、欧州では皮膚がんや甲状...
キーワード:リンパ腫/レジストリ/臍帯血移植/幹細胞移植/合併症/造血細胞/甲状腺/臍帯血/悪性腫瘍/骨髄/細胞移植/造血幹細胞/幹細胞/血液/白血病/胃がん/生活の質/造血/造血幹細胞移植
他の関係分野:農学
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発表日:2026年2月3日
198
分子モーターによる秩序形成の原理を解明
~細胞内の「秩序」が生まれる仕組みを発見~
マイクロエンジニアリング専攻 井上康博 教授、千葉大学大学院理学研究院の原口武士 助教、伊藤光二 教授、九州大学先導物質化学研究所の森俊文 准教授、大阪大学大学院理学研究科の松野健治 教授らの研究グループは、細胞内のタンパク質が、特別な設計図や指令がなくても、自ら秩序だった構造を作り出す仕組みを明らかにしました。またその仕組みとして、分子モーター (ミオシンCcXI)とアクチンという2種類のタンパク質の相互作用だけで、アクチンが自律的に集まり、一方向に回転し続けるリング状の秩序構造が自律的に形成されることを示しました(図1、および巻末の二次元コードより顕微鏡動画を視聴可能)。これは、細胞内に見...
キーワード:対称性/非対称性/秩序構造/マイクロ/モーター/アクチン繊維/バイオマテリアル/ミオシン/分子モーター/ナノテクノロジー/アクチン
他の関係分野:数物系科学工学総合生物農学
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発表日:2026年2月3日
199
ネットワーク科学の視点から、燃焼振動の挙動解明と抑制
機械理工学専攻 黒瀬 良一 教授、河合 真穂 氏(博士課程1年)は、東京理科大学工学部機械工学科 後藤田 浩 教授、難波江 佑介 助教、東京理科大学大学院機械工学専攻 加藤 健太氏(2024年度修了)との共同研究により、バックステップ型燃焼器で発生する噴霧燃焼振動の挙動解明と抑制を行いました。(I) 噴霧燃焼振動の乱流ネットワークにスケールフリー性が現れる(II) 乱流ネットワーク内に主要なハブが形成される(III) 乱流ネットワークのコミュニティを抽出し、コネクターコミュニティが形成される領域に障害物を設置することで、噴霧燃焼振動が抑制される本研...
キーワード:ネットワーク科学/空間分布/コミュニティ
他の関係分野:複合領域環境学
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発表日:2026年2月2日
200
ダイアベティス(糖尿病)に伴う筋肉の衰えを防ぐ仕組みを解明
―筋肉を守る「糖を感知する仕組み」に着目した新たなモデルマウス―
矢部大介 医学研究科教授、村上隆亮 同助教、今泉俊則 岐阜大学大学院生、恒川新 同教授、飯塚勝美 藤田医科大学教授らの研究グループは、ダイアベティス(糖尿病)をもつ人で起こりやすい「サルコペニア(筋肉量の減少、筋力や身体機能の低下する疾患)」に着目し、その病態解明を目的とした研究を実施しました。 サルコペニアは、転倒や寝たきり、要介護状態につながりやすく、特にダイアベティスをもつ高齢者では大きな健康課題です。これまで、ダイアベティスによるサルコペニアは、主に「インスリン不足」や「高血糖」が原因と考えられてきました。しかし、筋肉が糖をどのように認識し反応するかについては十分な研究がありま...
キーワード:筋肉/寿命/身体機能/要介護/モデルマウス/病態解明/インスリン/マウス/転写因子/遺伝子/高齢者/糖尿病
他の関係分野:
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発表日:2026年2月2日
201
CAR-T細胞療法を受けるのに年齢は関係があるのか?
―高齢者における安全性と有用性、そして年齢に応じた製剤選択の重要性を明らかに―
キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法は、悪性リンパ腫をはじめとした血液がんに対する有効な治療選択肢となっています。しかし、本疾患の多くをしめる「高齢患者」における有効性や安全性については、大規模な実臨床データに基づく検証が十分ではありませんでした。とりわけ、悪性リンパ腫に対しては使用可能なCAR-T細胞療法が3種類ありますが、年齢の観点からみたCAR-T製剤ごとの治療成績の違いは明確ではありませんでした。 そこで 柴田翔 医学研究科大学院生、新井康之 医学部附属病院講師、加藤光次 九州大学准教授、熱⽥由⼦ ⽇本造⾎細胞移植データセンター長(兼:愛知医科⼤学教授)らの研究グループは、...
キーワード:キメラ/リンパ腫/抗原受容体/CAR-T細胞療法/悪性リンパ腫/細胞移植/B細胞/T細胞/血液/抗原/細胞治療/細胞療法/受容体/免疫細胞/高齢者/造血
他の関係分野:農学
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発表日:2026年1月30日
202
ダイアベティス(糖尿病)をもつ高齢者におけるSGLT2阻害薬の有効性と安全性
―十分なたんぱく質摂取と筋肉トレーニングで筋肉量を維持しながら安全に血糖改善―
ダイアベティス(糖尿病)をもつ高齢者では、血糖値の管理だけでなく、加齢に伴って起こりやすい「サルコペニア(筋肉量の減少や筋力・身体機能の低下)」を防ぐことが重要です。近年、日本でも使用が広がっているSGLT2阻害薬には優れた血糖改善・減量効果がある一方、筋肉の減少を助長するのではないかという懸念が指摘されてきました。 そこで、矢部大介 医学研究科教授、岐阜大学、関西電力医学研究所、久留米大学などの研究グループ(BALLAST Study Group)は、サルコペニア予防に有効とされるたんぱく質摂取と筋力トレーニング(レジスタンス運動)を実践している2型のダイアベティスをもつ日本人高齢者...
キーワード:筋力トレーニング/ロイシン/たんぱく/SGLT2/トレーニング/筋肉/骨格筋/身体機能/アミノ酸/副作用/加齢/高齢者/糖尿病
他の関係分野:複合領域生物学総合生物
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発表日:2026年1月27日
203
CAR-T細胞療法のバイオマーカーを発見
―急性リンパ性白血病の治癒率向上に期待―
キメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T細胞療法)は、患者さんから免疫細胞であるT細胞を取り出し、遺伝子操作でがん細胞を認識する受容体を導入して体内に戻すがん免疫療法です。日本では2019年に小児・若年成人の急性リンパ性白血病の治療として承認され、病気の治癒を目指す治療法として注目されています。 滝田順子 医学研究科教授、平松英文 同講師(現:近畿大学講師)、加藤格 同講師、三上貴司 同特定研究員(現:同特定助教)、高折晃史 同教授、James Badger Wing 大阪大学教授らの研究グループは、再発難治性の前駆B細胞性急性リンパ性白血病(BCP-ALL)に対するCD19 ...
キーワード:メモリ/キメラ/CD19/遺伝子操作/抗原受容体/CAR-T細胞療法/オミックス/メモリーT細胞/アデノシン/オミックス解析/がん免疫/がん免疫療法/代謝産物/マルチオミックス/免疫療法/B細胞/HLA/T細胞/がん細胞/抗原/細胞療法/受容体/白血病/免疫細胞/バイオマーカー/遺伝子/小児
他の関係分野:工学農学
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発表日:2026年1月26日
204
CAR-T治療における神経毒性の予測指標を発見
―網赤血球数がICANS発症リスクを事前に評価―
キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、再発・難治性B細胞リンパ腫に対して高い有効性を示す一方で、免疫が関与する合併症が多くみられ、その対策が重要です。なかでも、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は、重要な急性期の神経系合併症として知られています。ICANSは、重症例では命に関わることもあり、集中治療を要することや、治療後の生活機能低下をもたらす可能性があります。しかし、治療前にICANS発症を予測する簡便な指標は確立されていませんでした。 そこで、田代裕介 医学研究科研修員、城友泰 医学部附属病院助教、新井康之 同講師、長尾美紀 同教授、山下浩平 同特定准教授、髙折...
キーワード:多変量解析/神経系/モニタリング/キメラ/リンパ腫/抗原受容体/CAR-T細胞療法/合併症/B細胞/T細胞/血液/抗原/細胞療法/受容体/赤血球/リスク因子
他の関係分野:情報学生物学工学農学
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発表日:2026年1月26日
205
中性子過剰なスズ原子核は小さい
―陽子弾性散乱を用いた重い不安定核研究の始まり―
土方佑斗 理学研究科博士課程学生(研究当時)、銭廣十三 同准教授、上坂友洋 理化学研究所部長、松田洋平 大阪大学教授、大田晋輔 同教授、宮城宇志 筑波大学助教、横山輪 東京大学助教らの国際共同研究グループは、二重閉殻構造を持つ不安定原子核(不安定核)である質量数132のスズ(以下「132Sn」)の物質半径を初めて測定し、その値が第一原理計算による予言値より小さいことを明らかにしました。本研究成果は原子核分野にとどまらず中性子星の構造研究など宇宙分野にも大きな貢献をもたらすことが期待されます。 原子核の大きさ(半径)は、その性質を表す最も基本的な量の一つです。安定な...
キーワード:RIビーム/原子核/精密測定/中性子過剰核/不安定核/陽子/安定同位体/中性子/同位体/検出器/中性子星/第一原理/第一原理計算/カルシウム
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2026年1月23日
206
北海道の海には2タイプのシャチがいる
―北海道の海に現れるシャチのエコタイプ解明―
鈴木百夏 野生動物研究センター博士後期課程学生、三谷曜子 同教授、佐藤悠 同助教、村山美穂 同教授、河合真美 北海道大学修士課程修了生、早川卓志 同助教、松田純佳 同研究員、松石隆 同教授、北夕紀 東海大学教授、大泉宏 同教授、塩崎彬 国立科学博物館研究員、田島木綿子 同研究主幹、故・山田格 同名誉研究員、西田伸 宮崎大学教授、蛭田眞平 昭和医科大学准教授、中原史生 常磐大学教授、独立研究者の斎野重夫氏、宇仁義和 東京農業大学教授、天野雅男 長崎大学教授、吉岡基 三重大学名誉教授らの研究グループは、北海道に来遊するシャチが、北太平洋で広く見つかっているresident(レジデント)とtrans...
キーワード:食行動/行動観察/海洋/北太平洋/ミトコンドリアDNA/ミトコンドリアゲノム/哺乳類/ゲノム配列/生態系/サケ/海洋生態/海洋生態系/ミトコンドリア/ゲノム
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学生物学農学
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発表日:2026年1月23日
207
PGE₂による新たながん免疫抑制機構の解明
―PGE₂は腫瘍内Tregに特徴的な表現型を獲得させる―
制御性T細胞(Treg)は、自己免疫疾患などの過剰な免疫反応を抑制し免疫系のバランスを維持するものですが、一方、がんでは、腫瘍組織に強く集積し、抗腫瘍免疫を抑制してがんの進展を促進します。この腫瘍に浸潤したTreg(Tumor Infiltrating Treg: TI-Treg)は、活性化を起こす分子を多様に発現し免疫を強く抑制するのが特徴です。この腫瘍に浸潤したTregに特徴的な表現型(TI-Treg Phenotype)は、ヒトの様々ながんでステージによらず見られ、マウスなどの実験的腫瘍でも観察されることから、腫瘍微小環境にはがんの種類を超えて共通のTreg活性化メカニズムが存在すると考...
キーワード:免疫系/がん免疫/抗腫瘍免疫/浸潤/微小環境/免疫抑制/腫瘍微小環境/免疫療法/T細胞/プロスタグランジン/マウス/自己免疫/自己免疫疾患/腫瘍免疫/受容体/制御性T細胞/生理活性/生理活性脂質/臨床試験/環境因子/脂質
他の関係分野:
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発表日:2026年1月23日
208
銅代謝酵素に隠された活性調節機構を解明
―酵素電極反応を駆使した反応機構解析―
足立大宜 農学研究科特定研究員、宋和慶盛 同助教、加納健司 名誉教授、竹井利忠 金沢大学博士前期課程学生、西山琢巳 同博士前期課程学生(研究当時)、山下哲 同准教授、片岡邦重 同教授らの共同研究グループは、大腸菌由来の銅排出酸化酵素(CueO)における直接電子移動型酵素電極反応(DET型反応)を解析し、銅イオンの結合が引き起こす活性調節機構を解明しました。 CueOは、細胞内の銅恒常性を維持するため、毒性の高い1価銅イオン(Cu+)を2価銅イオン(Cu2+)へと酸化する重要な役割を担っています。また本酵素は、電極から電子を受け取り、酸素を水へ...
キーワード:速度論/電子移動/反応機構/酸化還元酵素/酵素電極/酸化還元電位/生体触媒/持続可能/地球環境/電極反応/銅イオン/酸化還元/電気化学/生体内/酸化酵素/変異体/酵素反応/生理機能/大腸/分子機構/アミノ酸/代謝酵素/大腸菌/分子設計
他の関係分野:数物系科学化学生物学総合理工工学総合生物農学
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発表日:2026年1月22日
209
ガラス強化技術で電子材料の特性を制御
―化学強化ガラスの新しい応用展開―
材料化学専攻 ガラス基礎科学講座の寺門信明 特定准教授、東北大学大学院工学研究科の安達海渡 修士課程学生(研究当時)、藤原 巧 教授(研究当時、現:東北職業能力開発大学校 学長)らの研究グループは、スマートフォンのカバーガラスに用いられる化学強化技術を応用し、電子材料であるチタン酸バリウムの相転移温度を約30℃上昇させることに成功しました。化学強化ガラスは、化学的な処理によってガラス表面に圧縮応力を与えて割れにくくしたガラスであり、スマートフォンのカバーガラスなどに広く利用されています。本研究では、このガラス表面に生じる応力場に着目し、ガラス中に電子材料を組み込むことで、電子材料...
キーワード:応力場/相転移/チタン/チタン酸バリウム/内部応力/シミュレーション/機能性材料/微粒子/有限要素法/機能性/スマートフォン
他の関係分野:数物系科学工学農学
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発表日:2026年1月16日
210
百年以上前から経験的に用いられてきた鉛蓄電池添加剤の効果を先端計測で解明
〜微量アンチモンが正極構造を安定化する原子レベルの仕組みを可視化〜
早川佳樹 人間・環境学研究科博士課程学生(兼:株式会社GSユアサ社員)、渡邊稔樹 同特定助教、内本喜晴 同教授らの研究グループと株式会社GSユアサは、共同研究で、鉛蓄電池の正極に微量添加されるアンチモンが、電池の寿命を延ばす仕組みを、放射光X線を用いた先端計測により原子レベルで解明しました。 鉛蓄電池は1859年の発明以来、160年以上にわたり社会インフラを支えてきた最も歴史ある二次電池です。その一方で、正極活物質が繰り返しの充放電により軟化・脱落することが寿命低下の主要因であることが古くから知られていました。この劣化を抑制するため、アンチモンを微量添加すると耐久性が向上することは、2...
キーワード:放射光/放射光X線/アンチモン/蓄電池/電池/マルチスケール/マルチスケール解析/耐久性/添加剤/二次電池/寿命
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発表日:2026年1月15日
211
海洋下のマントルに由来する岩石中に有機物を発見
―上部マントル中での生物が関与しない有機物合成の証拠―
三津川到 理学研究科博士課程学生、三宅亮 同教授、伊神洋平 同准教授を中心とし、京都大学、広島大学、立命館大学、東北大学、高輝度光科学研究センター(JASRI)、早稲田大学、東京大学、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所のメンバーで構成される共同研究チームは、南太平洋タヒチ島で採取されたマントル捕獲岩中の包有物から、多環芳香族炭化水素を主体とする有機物を発見しました。地球のマントル内部で生物とは無関係に有機物が合成されている可能性は古くから指摘されてきましたが、海洋下のマントルに由来する天然のマントル物質からそのような有機物を検出した例は極めて限られていました。本研究では、放...
キーワード:多環芳香族炭化水素/海洋/高エネルギー/マグマ/マントル/マントル捕獲岩/加速器/上部マントル/放射光/放射光X線/硫化鉱物/芳香族/芳香族炭化水素/ラマン/X線CT/二酸化炭素/二酸化炭素/有機物/極限環境/炭化水素/ラマン分光/ラマン分光法/CT画像
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発表日:2026年1月15日
212
皮質脳波進行波に基づく選択的情報伝搬の仕組みを発見
松本理器 医学研究科教授、池田昭夫 同特定教授、佐藤直行 公立はこだて未来大学教授、下竹昭寛 国立病院機構宇多野病院臨床研究部長、尾谷真弓 神戸大学助教らの共同研究グループは、認知課題遂行中の皮質脳波の進行波を解析し、大域的な脳波進行波が認知課題に依存せず、課題関連の脳部位では局所脳波と脳波進行波との同期の強さが変化することをはじめて明らかにしました。 今回得られた皮質脳波進行波の性質は、頭皮脳波の解析にも応用できるものと考えられます。これまで頭皮脳波の進行波現象はよく調べられてきましたが、その発生の仕組みは必ずしも明らかではありません。今回の成果に基づき、大脳皮質での大域的な情報伝搬...
キーワード:進行波/大脳/皮質脳波/大脳皮質/脳波/臨床研究
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発表日:2026年1月14日
213
嫌な仕事を「始められない」脳回路を解明
―行動開始を抑える「やる気ブレーキ」を発見―
私たちは日常生活の中で、クレーム対応の電話をかけるのを先延ばしにしてしまう、厳しい上司からの仕事になかなか手がつかない、といった「嫌な仕事」の一歩目が出ない場面をよく経験します。しかしながら、こうした現象の裏側にある脳の機能は明らかとなっていませんでした。京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点(WPI-ASHBi)雨森賢一 主任研究者、オ・ジョンミン 同研究員、...
キーワード:動機づけ/線条体/大脳/視床/大脳基底核/前頭前野/日常生活/うつ/うつ病/ストレス/遺伝学
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発表日:2026年1月14日
214
“パブロフの犬”の新たな脳内機構の解明
~条件づけ学習における記憶痕跡細胞の役割~
パブロフの犬で有名な条件づけは、餌などの「無条件刺激」と、ベルの音のような「条件刺激」が結びつけられることにより生じる連合学習です。この学習が成立して記憶が形成されるためには、条件刺激が無条件刺激よりも少しだけ先行したタイミングで起きる必要があることが、100年以上も前から行動学的に知られています。しかし実際の脳内で、条件刺激を伝える具体的な神経細胞やその活動の様子は不明でした。 このたび、寺前順之介 情報学研究科准教授、松尾直毅 九州大学教授、小林曉吾 同助教、曾我部蓮 同大学院生らの研究グループは、海馬内で文脈情報を表現すると考えられる記憶痕跡(エングラム)細胞に特有の神経活動が、...
キーワード:情報学/行動選択/神経活動/連合学習/カルシウムイメージング/光遺伝学/イミン/カルシウム/マウス/神経細胞/PTSD/遺伝学/海馬/精神疾患
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発表日:2026年1月14日
215
巨大ウイルスのmRNA翻訳戦略
―局所環境構築を構築し宿主との競合を回避か?―
ウイルスは、mRNAからタンパク質を合成するための翻訳システムを保持せず、宿主の翻訳システムに依存しています。張瑞軒 京都大学化学研究所 特定研究員、緒方博之 同教授、疋田弘之 同助教(現国立健康危機管理研究機構 主任研究員)、岩崎信太郎 理化学研究所開拓研究所 主任研究員、七野悠一 同上級研究員(研究当時、現同客員研究員、現筑波大学医学医療系 教授)、ウィーン大学Anouk Willemsen博士らの研究チームは、ウイルスが宿主の翻訳システムを細胞内の一部の区画に集積させ、その局所翻訳環境を利用することで、ウイルス遺伝子を効率的に翻訳している可能性を見出しました。 mRNAがタ...
キーワード:危機管理/突然変異/ポリペプチド/タンパク質合成/tRNA/コドン/オミクス/オミクス解析/マルチオミクス/マルチオミクス解析/mRNA/不均一性/アミノ酸/蛍光顕微鏡/ウイルス/ゲノム/遺伝子
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発表日:2026年1月13日
216
飲酒がもたらす充足感を担う仕組みを解明
―希少糖アルロースでマウスの減酒を達成―
お酒の飲み過ぎは、個人の健康リスクだけでなく、社会に大きな負担をかけています。しかし、飲み過ぎの原因は未解明で、効果的な対策が不足しています。 佐々木努 農学研究科教授、松居翔 同助教、疋田貴俊 大阪大学教授、Yulong Li 中国・北京大学(Peking University)教授らの研究グループは、飲酒後に充足感を生み出す仕組みが存在し、その働きの低下が飲み過ぎの一因となることを明らかにしました。飲酒すると、肝臓から線維芽細胞増殖因子21(FGF21)が分泌されます。そして脳のオキシトシン陽性神経細胞が活性化され、ドーパミン神経の活性化が続くことで充足感が生まれ、飲酒の間隔が延び...
キーワード:FGF21/食行動/健康リスク/食品成分/マウスモデル/増殖因子/アルコール/ドーパミン/ホルモン/代謝産物/FGF2/線維芽細胞/マウス/細胞増殖/神経細胞/オキシトシン
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発表日:2026年1月13日
217
群れはどのようにまとまりを保つのか?
―パタスモンキーの集団移動の維持機構―
群れで暮らす動物は、互いの位置や動きに注意を払いながらまとまりを保っています。しかし、個体が何を手がかりにどんな行動によって調整しているのかは十分に解明されていません。 半沢真帆 理学研究科博士課程学生(現:兵庫県立大学特別研究員)、中川尚史 同教授、森光由樹 兵庫県立大学准教授、Erasmus H. Owusu ガーナ大学(University of Ghana)教授、Richard D. Suu‑Ire 同准教授らの研究グループは、サバンナに暮らすパタスモンキー群を対象に、個体の位置と行動を同時記録し、集団移動の協調メカニズムを調べました。その結果、メスは見回し行動によって周囲のコ...
キーワード:GPSデータ/コミュニケーション
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発表日:2026年1月9日
218
食道扁平上皮がんに対する根治的化学放射線療法と免疫チェックポイント阻害薬の併用療法の有効性と安全性を明らかにしました(NOBEL試験)
―治療効果が高い患者さんを見分ける手がかりも発見―
野村基雄 医学部附属病院特定講師、武藤学 同教授らの研究グループは、国内の4つの医療機関(国立がん研究センター中央病院、国立がん研究センター東病院、千葉県がんセンター、北里大学医学部)とともに、2019年1月から、切除可能および切除不能な食道扁平上皮がん患者を対象に、根治的化学放射線療法に免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブを併用する治療法の安全性と有効性を調べる医師主導治験(NOBEL試験)を実施しました。 食道がん(扁平上皮がん)に対し、手術をしない治療法として、抗がん剤と放射線治療を組み合わせる治療(化学放射線療法)があります。今回の研究では、この標準的な治療に、さらに免疫...
キーワード:がん研究/放射線治療/放射線療法/食道がん/扁平上皮がん/がん細胞/副作用/免疫チェックポイント/免疫チェックポイント阻害薬/がん患者/遺伝子/医師/抗がん剤/手術/放射線
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発表日:2026年1月9日
219
化学反応は水内部より水表面でより速く進むのか?
―気液界面の化学反応の超高速観測―
地球表面の約7割は海であり、大気中にはエアロゾルと呼ばれる微粒子や雨粒のような液滴が多数浮遊しています。こうした液体には必ず空気と接する境界である「表面(界面)」があり、特に表面に分子がある場合にはお風呂での半身浴のように分子の一部だけが水に浸った状態にあります。その結果、空気と水の境界では化学反応が水溶液の内部とは異なる速度で進む可能性があります。実際、大気科学や合成化学の研究で分野では、液体表面の反応が通常の水溶液中での反応よりも桁違いに速く進行することを示唆する例が見いだされています。ただ、反応が促進される原因として、疎水性(水を嫌う)分子が水の表面に集まりやすいために、表面の分子の濃度...
キーワード:光電子分光/水溶液/物質科学/光電子分光法/光化学/電子分光/反応制御/液体膜/固体触媒/気液界面/反応速度/レーザー/微粒子/フェノール/SPECT/インドール/合成化学
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発表日:2026年1月8日
220
悪玉老化細胞を見分けて健康老化へ
―悪玉老化細胞抑止のメカニズム―
老化した細胞には、健康な状態を維持している善玉老化細胞と疾患を促す悪玉老化細胞があります。この悪玉老化細胞の抑止が健康寿命の維持に重要です。 この度、井倉毅 生命科学研究科准教授、井倉正枝 同研究員、古谷寛治 同講師らの研究グループは、アセチル化によってクロマチンから放出された動的ヒストンH2AXが、老化細胞の過剰蓄積を抑止していることを見出しました。細胞老化のマーカーであるH2AXのリン酸化によるγH2AX fociの形状のバラツキに着目した老化細胞の質を見極める機械学習解析により、この過剰な老化細胞が悪玉化していることを明らかにしました。過剰老化細胞抑制の仕組みとして、アセチル化依...
キーワード:機械学習/ゲノムDNA/ヒストン/リン酸/シャペロン/クロマチン/細胞老化/老化細胞/寿命/アセチル化/タンパク質分解/細胞核/分子シャペロン/ゲノム/健康寿命/老化
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発表日:2026年1月8日
221
iPS細胞由来の間葉系間質細胞が発生経路によって異なる性質を持つことを解明
ー疾患や組織に応じた最適な細胞供給への期待ー
ヒトiPS細胞から5つの異なる発生経路注1)(頭部神経堤、体幹部神経堤注2)、体節注3)、側板中胚葉注4)、肢芽間葉注5))を経て誘導された間葉系間質細胞(iPSC-derived Mesenchymal Stem/stromal Cells, iMSC)注6)の特性を詳細に比較した。iMSCはどの経路で誘導した場合も標準的なMSCの特徴を持つ一方で、発生経路によって形態、増殖速度、...
キーワード:結合組織/神経系/胚発生/脊椎動物/生体内/シークエンス/生体組織/細胞形態/iPS細胞/遺伝子発現解析/橋渡し研究/細胞株/脂肪組織/受精/受精卵/動物モデル/軟骨分化/発現解析/網羅的遺伝子発現解析/臨床応用/CD9/骨格筋/脂肪細胞/心臓/脊椎/間葉系細胞/骨再生/骨細胞/骨髄/骨分化/石灰化/軟骨/軟骨再生/軟骨再生医療/軟骨細胞/RNA/RNAシークエンス/シグナル分子/マウス/遺伝子治療/間質細胞/再生医療/細胞増殖/細胞療法/分化誘導/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/老化
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発表日:2026年1月8日
222
近視、強度近視では緑内障手術を要するリスクが最大約4倍に上昇
―1400万人追跡調査で判明―
日本人の多くが抱える「近視」が、失明原因の上位を占める緑内障の、特に手術を要するリスクを最大4倍に高めることが明らかになりました。 近視は世界的に増加している代表的な眼科疾患で、様々な眼合併症との関連が指摘されています。中でも、日本の失明原因の第一位を占める緑内障との関連は古くから研究が進められており、近視患者において緑内障が多いことはよく知られています。しかし、「近視の程度によって、将来的にどの程度緑内障を発症しやすいのか?」について大規模なデータを用いて長期間検証した研究はほとんどなく、「手術が必要になるほど重症化もしやすいのか?」を検証した研究はありませんでした。 三宅正...
キーワード:近視/合併症/緑内障/追跡調査/アウトカム/ゲノム/ゲノム疫学/レセプト/疫学/疫学研究/手術/早期発見/電子カルテ/臨床研究
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発表日:2026年1月8日
223
活性アルデヒドによるT細胞代謝変化と疲弊化の機序解明
―活性アルデヒド蓄積が引き起こす免疫不全の解明―
茶本健司 医学研究科教授、白康晴 同博士課程学生、北岡功次 同博士課程学生らの研究グループは、がん免疫療法の効果を発揮する腫瘍内CD8+T細胞が疲弊してしまう要因を、細胞エネルギー代謝の視点から解析しました。T細胞の機能は、分化の促進につながる解糖系と、長期生存に有利な脂肪酸酸化(FAO)のバランスによって保たれていますが、疲弊T細胞でこの均衡がどのように破綻するのかは未解明でした。本研究グループは、腫瘍内最終疲弊T細胞が解糖系に過度に依存し、FAOが大きく低下した「代謝的疲弊」に陥っていることを明らかにしました。その背景には、FAO低下が引き起こす脂質過酸化と、それによ...
キーワード:有害物質/CD8/アルデヒド/免疫不全/T細胞疲弊/がん免疫/がん免疫療法/抗腫瘍免疫/微小環境/解糖系/腫瘍微小環境/免疫療法/T細胞/エネルギー代謝/ミトコンドリア/細胞代謝/脂肪酸/腫瘍免疫/脂質
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発表日:2026年1月5日
224
パーキンソン病の症状を抑える「脳の底力」
―運動習慣と適切な薬物療法が「脳の底力(運動予備能)」を高める―
パーキンソン病は脳内のドパミン神経が減少することで生じる病気ですが、ドパミン神経の減り方が同じであっても、運動症状の重さには大きな個人差があります。これは、脳が持つネットワーク機能を駆使してダメージを補う力が働くためと考えられており、この能力は「運動予備能(Motor Reserve)」と呼ばれます。いわば、病気に立ち向かうための「脳の底力」です。しかし、この運動予備能が病気の進行とともにどのように変化するのか、またどのような要因によって維持・強化できるのかは、これまで十分に理解されていませんでした。 このたび、月田和人 医学研究科特定講師(兼:帝京大学特任研究員)、松本理器 同教授、...
キーワード:運動習慣/パーキンソン病/生活の質/薬物療法
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発表日:2026年1月5日
225
アリによる種子散布共生を、イネ科植物で初めて確認
山尾僚 生態学研究センター教授、木村文香 弘前大学学部生(研究当時)、大崎晴菜 名城大学助教、金子拓斗 鹿児島大学修士課程学生(研究当時)らの共同研究チームは、イネ科の一年生草本であるエノコログサとアキノエノコログサの種子に、エライオソームと呼ばれるアリによる種子散布に特化した器官が存在することを発見しました。さらに、エノコログサとアキノエノコログサの複数集団を対象とした野外調査と、アリの飼育個体を用いた室内実験から、このエライオソームが実際に種子散布に貢献していることが確かめられました。本研究により、イネ科植物において初めて、アリによる種子散布共生が存在することが明らかになりました。ゲノム情...
キーワード:室内実験/変異体/イネ/生態学/ゲノム情報/ゲノム/遺伝子
他の関係分野:工学農学
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発表日:2025年12月26日
226
熱帯泥炭地は温室効果気体の巨大排出源である
~排出量推定法の開発と排出削減への貢献~
伊藤雅之 生存圏研究所准教授、坂部綾香 農学研究科助教、平野高司 北海道大学教授らの研究グループは、東南アジアの低平地に広がる熱帯泥炭地(18万km2)からの温室効果気体(GHG =二酸化炭素(CO2)+メタン(CH4))の排出量を推定し、詳細な分布図(空間分解能463 m)を月単位で作成することに世界で初めて成功しました。 東南アジアに広がる泥炭地は湿地林と共生してきました。地下水位が高いため枯死木の分解が遅く、膨大な量の有機炭素を泥炭として地中に蓄えてきましたが、近年の大規模農地開発で地下水位が低下して泥炭分解が進み...
キーワード:温室効果ガス/エルニーニョ/温室効果/光合成/CO2排出量/メタン/二酸化炭素/二酸化炭素/分解能/農地/生態系/土地利用/土地利用変化/熱帯林/空間分解能
他の関係分野:環境学数物系科学生物学工学農学
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発表日:2025年12月26日
227
湖底に眠る宿場町を地球科学的手法で3D復元
―1888年磐梯山噴火で沈んだ「桧原宿」を科学が甦らせる―
山﨑新太郎 防災研究所准教授、谷川亘 海洋研究開発機構(JAMSTEC)研究員らの研究チームは、福島県耶麻郡北塩原村の桧原湖に沈む自然災害遺跡である旧桧原宿跡(会津・米沢街道の宿場町)の湖底地形を、高分解能マルチビーム音響測深機を用いて詳細に計測し、水没した町並みを3次元的に復元することに成功しました。本研究は、明治21年(1888年)の磐梯山噴火で形成された桧原湖の湖底に残る町の構造を、非破壊的な地球科学的手法で明らかにした初の事例です。 本研究成果は、2025年12月22日に、国際学術誌「Journal of Cultural Heritage」に掲載されました。...
キーワード:地球科学/海洋/自然災害/分解能/高分解能
他の関係分野:環境学工学
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発表日:2025年12月26日
228
植物の永続的な成長を支える分子機構を解明
~成長点の司令塔を担う転写因子が鍵~
河内孝之 生命科学研究科教授、灰庭瑛実 同修士課程学生(研究当時)、木南武 同修士課程学生(研究当時)、西浜竜一 東京理科大学教授(元生命科学研究科准教授)、今井雄星 同修士課程学生(研究当時)、鈴木秀政 東北大学助教(元生命科学研究科博士課程学生)、湯本絵美 帝京大学技術職員、朝比奈雅志 同教授らは、オーストラリア・モナシュ大学(Monash University)、英国ケンブリッジ大学(University of Cambridge)と共同で、植物の幹細胞は分化を促進するホルモンを作るものの、自身はその影響を受けずに周辺で器官形成を促す成長点形成のしくみがあり、それが植物の永続的な成長の基...
キーワード:オーガナイザー/コケ植物/ゼニゴケ/器官形成/オーキシン/植物ホルモン/生合成/生合成酵素/ホルモン/分子機構/幹細胞/転写因子
他の関係分野:生物学農学
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発表日:2025年12月26日
229
老化細胞除去の新規治療法開発に成功
―加齢性疾患への実用化に期待―
近藤祥司 医学研究科准教授、三河拓己 同研究員、亀田雅博 同特定助教らの研究グループは、新規の老化細胞除去(セノリシス)による個体老化の症状改善を見出しました。個体老化における組織機能低下は、「レジリエンス(回復力、しなやかな弾性)」の低下が原因と考えられます。個体老化と共に蓄積する「老化細胞」は、若い細胞より死ににくく、炎症性サイトカインを放出し、「レジリエンス」を低下させます。「レジリエンス」回復の方法として、老化細胞除去「セノリシス」が、注目されています。近藤准教授らは、老化細胞では、解糖系酵素PGAMとシグナル伝達キナーゼChk1の異常なタンパク結合亢進により、解糖系代謝亢進し、老化細...
キーワード:レジリエンス/Chk1/新規治療法/老化細胞/解糖系/肺線維症/アポトーシス/キナーゼ/炎症性サイトカイン/細胞死/慢性炎症/サイトカイン/加齢/老化
他の関係分野:複合領域
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発表日:2025年12月26日
230
ウイルスが抗ウイルスタンパク質をコード
―20アミノ酸で構成されるVPgタンパク質―
ウイルスは宿主の細胞に感染してその機能を使って増殖して細胞死を引き起こす事があります。 藤田尚志 医生物学研究所連携教授らの研究グループは、この時の細胞死の機構の解析を行いました。脳心筋炎ウイルス(EMCV)による細胞死の解析をしたところ、感染細胞から放出された因子によることが明らかになりました。この因子だけを正常な細胞に作用させると直接ウイルスが感染していないにも関わらず細胞を殺しました。この因子は免疫応答の結果、宿主細胞が産生するサイトカインの一つであるTNF-αとEMCVがコードする蛋白質VPgの混合物である事が判明しました。VPgはこれまでEMCVのRNA複製に必須のタンパク質...
キーワード:RNA複製/病原性/ウイルス学/筋炎/インターフェロン/心筋/免疫療法/RNA/TNF/アミノ酸/インターフェロンγ/細胞死/受容体/免疫応答/免疫学/ウイルス/サイトカイン/疫学/感染症
他の関係分野:農学
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発表日:2025年12月24日
231
脂質ナノ粒子で「筋肉のもと」である筋幹細胞のゲノム編集に成功
―筋損傷を繰り返しても治療効果が持続する、DMDに対する新しい治療戦略―
脂質ナノ粒子を用いて、筋肉の幹細胞(筋幹細胞)に対して効率的なゲノム編集に成功した。筋損傷を繰り返してもゲノム編集の効果が持続することを証明した。デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する長期的かつ持続可能な治療法への道を拓いた。1. 要旨 持田泰佑主任研究員(武田薬品工業株式会社ターゲットバリデーションサイエンシズ/タケダ-CiRA共同プログラム(T-CiRA))、...
キーワード:持続性/突然変異/衛星/ゲノムDNA/遺伝性疾患/筋細胞/遺伝情報/持続可能/ナノメートル/ナノ粒子/CRISPR-Cas/筋ジストロフィー/ゲノム編集技術/病原性/細胞膜/AAV/CRISPR/iPS細胞/アデノ随伴ウイルス/ウイルス感染症/ベクター/臨床応用/mRNA/トレーニング/外傷/筋線維/筋損傷/筋肉/骨格筋/新型コロナウイルス/AAVベクター/ゲノム編集/モデルマウス/筋衛星細胞/筋再生/CRISPR-Cas9/RNA/アミノ酸/ウイルスベクター/ドラッグ・デリバリー・システム/マウス/遺伝子治療/遺伝子導入/核酸医薬/幹細胞/細胞分裂/ウイルス/ゲノム/ワクチン/遺伝子/感染症/抗体/脂質/小児/新型コロナウイルス感染症/新生児/難病
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学化学生物学工学総合生物農学
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発表日:2025年12月24日
232
圧力がハイパーハニカム構造を安定化する
―高容量電池・量子磁性材料への期待―
自然界に多く見られる蜂の巣構造(ハニカム格子)は、結晶材料においても重要な役割を果たす代表的な二次元ネットワーク構造です。一方、その三次元拡張に相当する「ハイパーハニカム格子」は、高い構造安定性や独自の電子物性が期待されながらも、実現例が極めて限られていることが課題でした。物質エネルギー化学専攻の村山寛太郎 博士後期課程学生、セドリック・タッセル准教授(研究当時、現ボルドー大学教授)、陰山洋 教授らの研究グループは、高圧合成法を用いることでハイパーハニカム構造を安定化し、完全なリチウム脱離挙動の実証に成功しました。本研究では、スズ(Sn)が二次元ハニカム状に並ぶ酸化物Li2...
キーワード:機械学習/学習支援/スピン液体/量子スピン/正極材料/量子スピン液体/電子物性/イリジウム/リチウムイオン電池/高圧合成/熱力学/磁性材料/電池/シミュレーション/スピン/ネットワーク構造/リチウム/構造制御/酸化物/第一原理/第一原理計算/結晶構造/ルテニウム
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学総合理工工学農学
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発表日:2025年12月20日
233
核融合プラズマの遠隔リアルタイム予測制御を実証
― 1,000 km離れたスーパーコンピュータにデジタルツインを実現 ―
原子核工学専攻 森下侑哉 助教、村上定義 同教授、釼持尚輝 自然科学研究機構核融合科学研究所准教授、舟場久芳 同助教、横山雅之 同教授、長壁正樹 同教授、石井康友 量子科学技術研究開発機構六ヶ所フュージョンエネルギー研究所部長、宮戸直亮 同グループリーダー、徳永晋介 同主幹技術員と上野玄太 情報・システム研究機構 統計数理研究所教授らの研究グループは、大型ヘリカル装置(LHD、岐阜県土岐市)と、核融合科学研究所と量子科学技術研究開発機構が共同調達した新スーパーコンピュータ“プラズマシミュレータ”(青森県六ヶ所村)を、高品質・広帯域の学術情報ネットワークSINET6で接続。2万コアの占有計算と処...
キーワード:学術情報ネットワーク/情報ネットワーク/スーパーコンピュータ/核融合/核融合プラズマ/原子核/広帯域/電子温度/シミュレータ/デジタルツイン/遠隔制御/大規模計算/フュージョン
他の関係分野:情報学数物系科学工学
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発表日:2025年12月20日
234
大腸がん幹細胞包括的トランスクリプトーム
―患者の予後を予測できるシグネチュア―
武藤誠 医学研究科教授(兼:田附興風会医学研究所北野病院所長)、柿崎文彦 同特定助教らの研究グループは、大腸がん総合シグネチュア(GCS)と呼ばれる実用的な予後指標を同定しました。 57株の患者由来大腸がん幹細胞(CRC-SC)のmRNA発現プロファイルを正常大腸上皮幹細胞(NCE-SC)と比較した結果、5つのCRCサブタイプを特定しました。1つ目のCRC-SCサブタイプでは、MUC12、PIGR、PLA2G2A、SLC4A4、ZG16の発現が増加していました。残りの4つのサブタイプでは、NCE...
キーワード:プロファイル/細胞株/mRNA/大腸/がん幹細胞/トランスクリプトーム/幹細胞/大腸がん/遺伝子/手術
他の関係分野:情報学
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発表日:2025年12月20日
235
MAXI-NICER連携で捉えた悪魔のまばたき
―アルゴルで発生した巨大恒星フレア食の観測に成功―
中山和哉 理学研究科修士課程学生、榎戸輝揚 同准教授、井上峻 同博士課程学生、岩切渉 千葉大学助教、三原建弘 理化学研究所専任研究員、Keith Gendreau 米国航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センター(Goddard Space Flight Center)研究員、Zaven Arzoumanian 同研究員、濱口健二 同研究員、野津湧太 米国コロラド大学ボルダー校(University of Colorado Boulder)研究員のグループは、国際宇宙ステーションに搭載された日本の全天X線監視装置MAXIおよびNASAのX線望遠鏡NICERの国際連携観測により、悪魔の星と呼ば...
キーワード:インターネット/太陽フレア/ニュートリノ/衛星/観測装置/恒星/国際宇宙ステーション/重力波/太陽/天文学/変光星/望遠鏡/連星/連星系/空間情報/イミン
他の関係分野:情報学数物系科学工学
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発表日:2025年12月20日
236
AIで家庭血圧測定の中断を予測
―約30万人のデータから“続けられる測定”を支援―
奥野恭史 医学研究科教授、松本麻見 同博士課程学生らの研究グループは、オムロンヘルスケア株式会社との共同研究により、約30万人の大規模な家庭血圧測定データを解析しました。高血圧管理においては、家庭での測定を継続することが重要ですが、多くの人が途中で測定をやめてしまうことが課題となっています。本研究では、年齢や性別などの基本情報と、測定開始から2週間のデータをもとに、4週間後に測定を続けているかどうかをAIで予測するモデルを開発しました。 解析の結果、このモデルは約9割の確度(AUC=0.93)で将来の測定中断を見分けることができました。さらに、平日の測定頻度の減少や、血圧値が高すぎる...
キーワード:人工知能(AI)/心臓/イミン/ヘルスケア/血圧/高血圧
他の関係分野:情報学
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発表日:2025年12月20日
237
謎多き超伝導体の「隠れた対称性」を絞り込む
―ルテニウム酸化物の超伝導の本質に迫る―
物体に力を加えて歪ませることで、電気的性質を大きく変化させることができます。最近、ピエゾ素子を用いた装置で、ピエゾ素子に加える電圧によって試料のひずみを制御する技術が格段に進歩しました。特に一方向の歪では、物質の対称性を変化できるので、性質の大きな変化も生み出せます。その典型例として、量子物質の非従来型の超伝導体であるルテニウム酸化物Sr2RuO4では、一方向のひずみで超伝導が起こる温度が倍増することが知られています。 ジョルダーノ・マットニ 高等研究院豊田理研-京大連携拠点(TRiKUC)特定助教、トーマス・ジョンソン 同博士研究員、前野...
キーワード:ルテニウム酸化物/静水圧/対称性/超伝導体/物性物理/超伝導/せん断/ひずみ/酸化物/ルテニウム
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年12月20日
238
宿主変われば色変わる
―ナマコ寄生性ゴカイ類のカモフラージュ―
保護色によるカモフラージュは、捕食を免れるための手段として幅広い生物で知られています。ナマコウロコムシは、ナマコ類の体表に寄生するゴカイ類ですが、複数の種を宿主として利用し、驚くべきことに各個体が利用する宿主種と同じ体色(黒、白、茶など)を持ちます。この宿主特異的な保護色が、種内の可塑性によるものなのか、宿主ごとへの遺伝的分化に起因するものなのか不明でした。 杉山高大 理学研究科博士課程学生(研究当時)、後藤龍太郎 フィールド科学教育研究センター助教、朝倉彰 同特任教授、下村通誉 同教授、小林元樹 大阪教育大学特任講師、Chloé Julie Loïs Fourreau 琉球大学博士...
キーワード:海洋/生殖/脊椎動物/海洋生物/無脊椎動物/ゲノム情報/SNP/可塑性/脊椎/ミトコンドリア/ゲノム/遺伝子
他の関係分野:環境学生物学農学
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発表日:2025年12月16日
239
腫瘍免疫を広範囲に活性化するキメラ型MHCクラスI・IIエピトープの開発に成功
―がん抗原の本質を明らかにした画期的な発見―
茶本健司 医学研究科特定教授、Zhang Rongsheng 同博士課程学生らは、キラーT細胞とヘルパーT細胞を同時に活性化する非自己ペプチドが細胞内に存在すると、その配列内容に依存せず広範な腫瘍免疫を誘導できる「キメラ型MHCクラスI・IIエピトープ」を開発しました。この様なペプチドの条件として、1)MHCクラスI・IIエピトープが単一のペプチドに存在すること、2)そのペプチドが生体内の細胞内で発現という2条件を見出しました。この条件下では、抗原提示細胞の成熟化が起こり、これまでに反応しなかった新規がん特異的キラーT細胞を所属リンパ節で誘導できることを示しました。これらの配列はがんのフレーム...
キーワード:生体内/キメラ/エピトープ/抗原提示/PD-1/アジュバント/がん抗原/がん免疫/マウスモデル/抗腫瘍免疫/臨床応用/大腸/ヘルパーT細胞/免疫治療/免疫療法/T細胞/がん細胞/マウス/抗原/抗原提示細胞/腫瘍免疫/大腸がん/免疫チェックポイント/免疫チェックポイント阻害薬/免疫学/がん患者/疫学/抗体
他の関係分野:総合生物農学
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発表日:2025年12月16日
240
京都大学×京セラ共同開発 セラミックデバイスを用いて熱を計算資源として活用する リザバーコンピューティングを実証
マイクロエンジニアリング専攻 廣谷潤 准教授と京セラ株式会社は共同で、セラミックデバイスを用いて「熱」をAIの計算資源として活用するリザバーコンピューティング技術の実証に成功しました。熱は、私たちの生活に身近なエネルギーであり、衣服、食事、住居などさまざまな場面で使われています。しかし、日本のように資源が限られた国では、「熱エネルギーをいかに有効に活用するか」が重要な課題です。一方で、近年AIの学習や推論を担うデータセンターの消費電力は、生成AIの普及により急増しており、社会的な問題となっています。京都大学と京セラは、これまで廃棄されてきた排熱をAIの「計算資源」に変換...
キーワード:コンピューティング/時系列データ/人工知能(AI)/省エネ/マイクロ/省エネルギー/リザバーコンピューティング
他の関係分野:情報学工学
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発表日:2025年12月16日
241
慢性炎症の原因となるタンパク質を新たに特定
―ぜんそくなどの慢性炎症性疾患の新たな治療法開発に期待―
上野英樹 医学研究科教授、波多野悦朗 同教授、木内政宏 千葉大学助教、平原潔 同教授らの研究グループは、「組織常在性記憶CD4+T細胞(CD4+TRM細胞)」が肺や腸などの組織に長期間とどまるメカニズムと、炎症性サイトカインの持続的な産生は、遺伝子の働きを調節するタンパク質である転写因子Hepatic Leukemia Factor(HLF)によって制御されていることを新たに特定しました。 今回の成果は、ぜんそくや関節リウマチなどの疾患に見られる慢性炎症の発症の仕組みを分子レベルで解明したものであり、HLFを標的とした...
キーワード:炎症性疾患/関節/T細胞/リウマチ/炎症性サイトカイン/関節リウマチ/転写因子/慢性炎症/サイトカイン/遺伝子
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発表日:2025年12月15日
242
細胞空間の形を“読む”アクチンの流れ
―形状に応じて自己組織化する細胞骨格系の力学機構を解明―
化学工学専攻 前多裕介 教授、九州大学理学研究院 ネギアーチット 博士課程学生、台湾・中央研究院 坂本遼太 アシスタントリサーチフェロー、本学研究科 化学工学専攻 家永竜 博士課程学生、理化学研究所生命医科学研究センター 宮﨑牧人 チームディレクター(兼務:生命機能科学研究センター 上級研究員)らの研究グループは、細胞と同じスケールのさまざまな形状を持つ半閉鎖型マイクロウェルを作製し、その内部にアクトミオシン細胞骨格を再構成して動態を観察する手法を開発しました。マイクロウェル内では境界形状に応じたアクチン流れが生じ、その流れに乗ってアクチンが集積することで、複雑な空間パターンが転写された細胞...
キーワード:自己組織/形態制御/マイクロ/モーター/化学工学/アクトミオシン/ミオシン/分子モーター/生体組織/組織化/アクチン/細胞骨格/生体材料
他の関係分野:化学工学農学
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発表日:2025年12月13日
243
過去の超新星が放った宇宙線が地球誕生のカギだった
―「宇宙線浴」メカニズムで太陽系の放射性元素の起源に迫る―
LEE Shiu-Hang 理学研究科准教授(兼:東京大学客員科学研究員)、澤田涼 東京大学特任研究員(研究当時:同日本学術振興会特別研究員)、黒川宏之 同准教授、諏訪雄大 同准教授、瀧哲朗 同特任研究員、谷川衝 福井県立大学准教授らによる研究グループは、地球のような岩石惑星の誕生に不可欠な短寿命放射性核種(10Be、26Al、36Cl、41Ca、53Mn、60Fe)が、どのようにして初期の太陽系にもたらされたかという天文学の長年の謎を解決する新しい理論「宇宙線浴...
キーワード:進化論/宇宙線加速/高エネルギー/高エネルギー宇宙線/普遍性/閉じ込め/宇宙線/衝撃波/新星/太陽/太陽系/地球型惑星/超新星/超新星残骸/超新星爆発/天文学/惑星/隕石/放射性核種/寿命
他の関係分野:複合領域数物系科学工学
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発表日:2025年12月11日
244
“食べやすい”虫こぶの記憶が、“食べにくい”虫こぶを救う
―捕食者の学習による行動変化が創出する生態的ニッチ―
山尾僚 生態学研究センター教授、菊地孝介 弘前大学学部生(研究当時)、笹部美知子 同准教授、奥田圭 広島修道大学教授、池田紘士 東京大学教授らの共同研究チームは、虫こぶ(植物にできるこぶ状の構造)の捕食者に対する防御機能が、捕食者であるヒメネズミ(以下、「ネズミ」)の学習行動に依存して発揮されることを明らかにしました。 本研究チームは、ネズミが「食べやすい虫こぶ」を経験的に学習すると、「食べにくい複雑な構造の虫こぶ」を避けるようになることを発見しました。つまり、ネズミが食べやすい虫こぶに関する記憶を形成することで、複雑な構造をもつ虫こぶを避けるようになり、虫こぶの構造が捕食回避の仕組...
キーワード:学習行動/アブラムシ/室内実験/生物間相互作用/生態学/生物多様性/ニッチ/認知能力
他の関係分野:複合領域生物学工学農学
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発表日:2025年12月11日
245
脳の神経スパイク活動に潜む「時間の矢」の可視化に成功
―行動成績に応じた時間非対称性の変化を発見―
脳の活動には、「時間の矢」として知られる過去から未来へ向かう因果的な流れが存在し、その時間非対称性の強さは、意識の状態や認知的な負荷によって変化することが、脳画像や脳波の研究で指摘されてきました。しかし、脳の情報処理の基本単位である神経スパイク活動は、発火という離散的なイベントで構成され、刺激や行動に応じて刻々と変化するため、この時間非対称性を正確に捉えることはこれまで困難でした。 島崎秀昭 情報学研究科准教授(兼:北海道大学客員准教授)と、石原憲 北海道大学博士課程学生の研究チームは、時間変動する非定常なスパイク活動に内在する時間的な非対称性を可視化する新しい解析手法を開発しました...
キーワード:状態空間モデル/タスク/情報学/脳活動/対称性/統計力学/非対称性/非平衡/エントロピー/時間変動/熱力学/ダイナミクス/神経活動/脳画像/ニューロン/マウス/視覚野/神経科学/脳波
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学工学総合生物
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発表日:2025年12月10日
246
なぜM9級カムチャツカ巨大地震は73年で繰り返し発生したのか
1952年にマグニチュード(M)9級の超巨大地震が起きたロシア・カムチャツカ半島沖で、2025年7月、M8.8〜8.9の超巨大地震が発生しました。この地震は、1952年に起きたM9級巨大地震とほぼ同じ場所を再び破壊したにもかかわらず、その発生間隔はわずか73年と異例の短さであり、地震学の常識を大きく揺るがすものでした。 深畑幸俊 防災研究所教授、八木勇治 筑波大学教授、髙川智博 海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所グループ長、遠田晋次 東北大学教授らからなる研究チームは、筑波大学が独自に開発した「Potency Density Tensor Inversion(PDTI)」と...
キーワード:プレート境界/巨大地震/地震学/沈み込み/沈み込み帯/南海トラフ/ひずみ/大地震/予測モデル
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年12月10日
247
「引退」は脳に良い?機械学習で解明した認知機能へのプラス効果と個人差
―女性や高学歴・高所得、運動習慣がある人などで特に改善効果大―
仕事からの引退が高齢者の認知機能に与える影響は、個人差が大きいと考えられます。 井上浩輔 医学研究科教授は、佐藤豪竜 慶應義塾大学専任講師、野口晴子 早稲田大学教授とともに、欧米19か国の50~80歳の7,432名を対象に、引退と認知機能の関係を、機械学習モデルを使って解析しました。 分析の結果、引退した人は、働き続けている人に比べて平均して1.3語多く単語を記憶しており、引退に認知機能を維持・改善する効果があることが明らかになりました。特に、女性、高学歴・高資産、健康状態の良好な人、引退前に運動習慣があった人ほど、引退による認知機能への効果が大きいことも明らかになりました...
キーワード:機械学習/運動習慣/健康格差/高齢者/認知機能
他の関係分野:情報学複合領域
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発表日:2025年12月9日
248
種子が植食者の糞を感知して食害を回避
―糞中成分が安全なタイミングでの発芽を可能にする―
山尾僚 生態学研究センター教授、澤進一郎 熊本大学教授、石川勇人 千葉大学教授、および名城大学農学部、森林総合研究所、理化学研究所環境資源科学研究センター、琉球大学熱帯生物圏研究センター、静岡大学農学部からなる研究チームは、多年生植物のオオバコの種子がダンゴムシの糞に含まれる化学物質を感知して発芽を一時的に止め、ダンゴムシによる食害を回避する仕組みを発見しました。ダンゴムシの糞中に含まれる「トレハロース」と「アブシジン酸(ABA)」が発芽を一時的に抑制すること、そしてそれらの成分が水で洗い流されると発芽が再開することが明らかになりました。さらに野外調査では、ダンゴムシの糞が存在する環境では、雨...
キーワード:化学物質/トレハロース/生態系/環境応答/生態学/イミン/コミュニケーション
他の関係分野:環境学農学
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発表日:2025年12月9日
249
がんPETのための高コントラスト診断薬を開発
―治療効果を高精度に予測可能に―
天滿敬 複合原子力科学研究所教授(兼:大阪医科薬科大学教授)、近藤直哉 関西医科大学講師、鈴木健介 ステラファーマ株式会社研究員らの研究グループは、がん細胞に高発現するアミノ酸輸送体LAT1を標的とした新しいPET用診断薬5-[18F]F-αMe-3BPAを開発し、その有効性を動物モデルで実証しました。この化合物は、同グループが以前に開発し、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)のための治療薬候補として期待される5F-αMe-3[10B]BPAと分子構造が完全に一致しており、診断と治療を一体化したセラノスティックペアとして機能します。5-[18...
キーワード:トラスト/中性子/分子構造/診断薬/選択性/原子力/ホウ素/輸送体/中性子捕捉療法/動物モデル/アミノ酸/がん細胞/バイオマーカー/個別化医療
他の関係分野:情報学数物系科学化学工学農学
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発表日:2025年12月6日
250
フラーレン誘導体が光誘起超核偏極に有用であることを発見
―高感度化MRIへの応用に必要な実用化レベルの高偏極率を達成―
御代川克輝 理学研究科博士課程学生、倉重佑輝 同准教授、今堀博 工学研究科教授は、坂本啓太 東京大学博士課程学生、濱地智之 同博士課程学生(現:九州大学助教)、楊井伸浩 同教授、立石健一郎 理化学研究所研究員、上坂友洋 同主任研究員(兼:同部長)、小堀康博 神戸大学教授らと共同で、トリプレットDNPの新規偏極源分子としてフラーレン誘導体の開発を行うことで、高効率なトリプレットDNPを実現しました。 光励起三重項電子の高いスピン偏極率を利用したトリプレットDNPは、低磁場、室温でも駆動するため、簡便で低コストな超核偏極法として注目されています。本研究では、新規偏極源としてフラーレンの電...
キーワード:スピン偏極/磁場/ペンタセン/光励起/アモルファス/電子構造/スピン/MRI/フラーレン/誘導体
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年12月6日
251
大腸がん:免疫細胞をがんに “呼び込む” 仕組みを解明
―免疫治療が効かない大腸がんに突破口―
近年、がんに対する免疫細胞の働きを高める「免疫チェックポイント阻害薬」が実用化され、がん免疫療法として一部のがんでは非常に高い治療効果を示しています。しかし、日本でがん罹患数の第1位、がん死亡数の第2位の大腸がんでは、大部分の症例でこの治療が効かず、新たな治療戦略の開発が強く求められています。その理由のひとつとして、多くの大腸がんでは、がん細胞を攻撃する免疫細胞であるCD8陽性T細胞ががんの中に侵入できないことがあげられます。 妹尾浩 医学研究科教授、中西祐貴 同助教、牟田優 同助教、岩根康祐 同医員らの研究グループは、間質が豊富で治療が効きにくい大腸がんに多く存在するトロンボスポン...
キーワード:CD8/がん免疫/がん免疫療法/マウスモデル/悪性度/消化器がん/臨床応用/死亡率/大腸/線維芽細胞/免疫治療/免疫療法/T細胞/がん細胞/マウス/大腸がん/免疫チェックポイント/免疫チェックポイント阻害薬/免疫細胞
他の関係分野:農学
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発表日:2025年12月6日
252
ゲノムデータから読み解くウイルス感染拡大の実態
―どこからどこへ伝播したか?―
COVID-19のパンデミックは、病原体がどのように地域を越えて広がっていくのかという「地域間伝播」の重要性を再認識させました。従来は、人の移動データや接触履歴に基づいて伝播を推定してきましたが、社会的・地理的に離れた地域間で起きるような稀な伝播イベントを捉えることは困難でした。 岡田崇 医生物学研究所准教授、Giulio Isacchini 米国カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)研究員、QinQin Yu 米国ハーバード大学(Harvard University)研究員、Oskar Hallatschek 米国カリ...
キーワード:隠れマルコフモデル/時系列データ/時系列解析/揺らぎ/モニタリング/変異株/病原体/SARS-CoV-2/パンデミック/予測モデル/ウイルス/ゲノム/疫学/新型コロナウイルス感染症
他の関係分野:情報学数物系科学工学農学
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発表日:2025年12月6日
253
マダガスカルで“種子を埋めるネズミ”を初確認
―森を作る担い手としての新たな可能性―
ネズミなどの齧歯類が、将来の食糧として植物の種子を森のあちこちの地中浅くに埋める「ばら撒き貯食」は、世界中の様々な生態系で確認されており、森林更新において種子の散布や発芽を助ける重要な行動特性といわれています。しかし、独自の動植物相を有し、生物多様性ホットスポットであるマダガスカルでは、これまで齧歯類によるばら撒き貯食行動は確認されていませんでした。 大河龍之介 アジア・アフリカ地域研究研究科一貫制博士課程学生、佐藤宏樹 同准教授、北島薫 農学研究科教授らの研究グループは、マダガスカル北西部の熱帯乾燥林で、自動撮影カメラを用いて齧歯類による植物の果実や種子の持ち去りを調べました。調査...
キーワード:食行動/ホットスポット/行動特性/マダガスカル/植物相/動特性/生態系/森林生態/森林生態系/生態学/生物多様性/マウス
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学工学農学
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発表日:2025年12月3日
254
あなたの心脳血管疾患リスク予測、もっと正確に
―日韓共同研究から、米国発の最新予測式「PREVENT」のアジア人への有効性を確認―
井上浩輔 医学研究科教授、森雄一郎 同博士課程学生、矢野裕一朗 順天堂大学教授(兼:同センター長)と、韓国・延世大学デジタルヘルスケア革新研究所(Yonsei University Institute for Innovation in Digital Healthcare)らの共同研究グループは、米国で開発された新しい心血管疾患(CVD)リスク予測式(PREVENT:Predicting Risk of CVD EVENTs)が、アジア人集団においても有効であることを解明しました。 「PREVENT」は欧米人におけるCVDリスクを正確に予測する手法として期待されていました...
キーワード:CVD/心筋/健康管理/心筋梗塞/脳血管疾患/ヘルスケア/脳卒中
他の関係分野:工学
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発表日:2025年12月2日
255
あやとりの巻線技術で高性能モータを実現
―高温超電導誘導モータの実用化に貢献―
電気工学専攻 中村 武恒 特定教授,正木 藍子 同技術職員,Ren Mengyi同特定研究員(研究当時),三瓶 峻志 同修士課程学生らの研究グループは,中村研究室が先駆研究を展開している高温超電導誘導同期モータを対象として,あやとりの技術を適用した高温超電導巻線構造を提案し,電磁界解析ならびに実験によって優れた回転特性を実証しました。本方法によれば,航空機用途他の大形モータの実用の際に問題となるハンダ接合箇所が格段に低減される簡易な高温超電導巻線が実現され,大きなブレークスルーと考えられます。 本研究成果は,2025年12月4日に国際会議「38th International Sy...
キーワード:自己組織/エンジン/航空機/設計法/超電導/電磁界解析/組織化
他の関係分野:化学工学
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発表日:2025年12月2日
256
脂質受容体のGタンパク質選択機構を解明
―副作用のない治療薬開発の創薬基盤を提供―
萩原正敏 医学研究科特任教授、山内萌々乃 同博士課程学生らの研究グループは、岩田想 同教授、林到炫(イム・ドヒョン)同准教授との共同研究により、Gタンパク質共役受容体(GPCR)であるスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体3(S1PR3)とGqタンパク質複合体構造をクライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析により決定しました。GPCRは重要な創薬標的であり、現在、米国食品医薬品局(FDA)で承認されている薬の約30%が標的としています。その一方で、意図しないシグナルが伝達され副作用が生じる問題は未だ解決されておらず、GPCR創薬において最大の課題となっています。安全かつ効果的な創薬を実現するには...
キーワード:タンパク質複合体/選択性/電子顕微鏡/生体内/リン酸/クライオ電子顕微鏡/分子機構/GPCR/Gタンパク質/受容体/創薬/副作用/脂質
他の関係分野:生物学工学総合生物農学
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発表日:2025年12月2日
257
レーズン水が自然発酵によりワインになる仕組み
―ワインの原型のひとつか?―
日尾守 農学研究科修士課程学生(研究当時)と橋本渉 同教授らの研究グループは、レーズンを水に浸漬する(レーズン水)だけでワインができる仕組みの一端を明らかにしました。 19世紀には、レーズン(干しブドウ)はパン種に用いられており、レーズンに真核生物であるアルコール発酵性パン酵母が存在することが知られていました。また、レーズンを原料とするワインも製造されています。一方、ブドウにはアルコール発酵性酵母がほとんど検出されないことが報告されており、レーズンにおけるアルコール発酵性酵母の由来やレーズン水からワインができるプロセスでの微生物動態には不明な点が多く存在します。 本研究では...
キーワード:グルコース/発酵/糸状菌/微生物/微生物叢/アルコール/細菌
他の関係分野:生物学農学
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発表日:2025年11月23日
258
巨大磁気嵐がもたらす宇宙空間の変動観測に成功
~宇宙空間に電離大気の供給が抑制されていたことを発見~
松岡彩子 理学研究科教授、惣宇利卓弥 生存圏研究所特定研究員、新堀淳樹 名古屋大学特任助教らの研究グループは、全球測位衛星システム(GNSS) と「あらせ」衛星などの観測データを解析し、2024年5月10日に発生した巨大磁気嵐時のプラズマ圏と電離圏の電子密度の時間変化と空間構造の観測に成功しました。 観測データにおいて、通常、地球半径(6,378 km:赤道半径)の4~6倍の高度域までの宇宙空間に広がっているプラズマ圏が地球半径の1.5倍の高度域にまで急速に縮小し、元の状態にまで回復するまでに4日以上要していたことが分かりました。この回復時間は、通常の磁気嵐時に比べて約2倍長いことが...
キーワード:環境変動/高エネルギー/高エネルギー粒子/磁気嵐/GNSS/地磁気/データ解析/衛星/空間構造/統計解析/構造変化
他の関係分野:環境学数物系科学工学
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発表日:2025年11月23日
259
ウニ幼生に光で行動を調節する脳のような神経細胞群が存在することを発見
山下高廣 理学研究科講師は、谷口俊介 筑波大学准教授、露崎弘毅 千葉大学特任講師、山本卓 広島大学教授と共同で、脳を持たないとされてきたウニ幼生に、光で行動を調節する「脳のような」神経細胞群(中枢)を見いだしました。この神経細胞群は、脊椎動物の脳と一部共通する特徴が確認され、後口動物の共通祖先までさかのぼる脳機能の起源に関する新たな示唆を提供する結果となりました。 本研究は、ウニ幼生の前端部神経外胚葉に、非視覚性光感受性ニューロン(「見る」ためではなく、光を感じて応答する神経)の細胞群を同定しました。これにより、脊椎動物の脳に相当する「中枢」が、脳を持たないとされてきた棘皮動物(ウニ...
キーワード:光受容/棘皮動物/オプシン/脊椎動物/ニューロン/中枢神経/脊椎/セロトニン/神経細胞/脳機能/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:生物学
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発表日:2025年11月23日
260
「理解」から「実践」へ:「ELSI研究プログラム」創始者ワトソン博士を偲んで
久保田唯史特定研究員と三成寿作特定准教授(京都大学CiRA上廣倫理研究部門)は、アヴィアド・ラズ教授(イスラエルのネゲヴ・ベン・グリオン大学)との共著論文において、生命医科学における倫理的・法的・社会的課題(ELSI)研究...
キーワード:らせん構造/塩基配列/制度設計/iPS細胞/ヒトゲノム/ELSI/パフォーマンス/ゲノム
他の関係分野:化学生物学農学
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発表日:2025年11月18日
261
病原体への抵抗性か?ガス交換か?
―植物の進化におけるトレードオフ―
気孔は葉の表面に存在する小さな穴で、光合成に必要なガス交換を担う重要な器官であると同時に、植物と細菌が繰り広げる攻防の最前線でもあります。植物は気孔を閉じることで細菌の侵入を防ぎますが、病原細菌は閉じた気孔を再び開かせることが知られていました。しかし、その仕組みの詳細は長らく不明でした。 峯彰 農学研究科准教授、平田梨佳子 同特定研究員、津田賢一 中国・華中農業大学(Huazhong Agricultural University)教授らの研究グループは、病原細菌がシロイヌナズナの遺伝子発現制御の仕組みを転用することで、気孔を再び開かせることを発見しました。さらに、この遺伝子発現制御...
キーワード:アブラナ科/トレードオフ/共進化/光合成/アブラナ科植物/シロイヌナズナ/育種学/抵抗性/病原体/遺伝子発現制御/発現制御/遺伝子/遺伝子発現/細菌
他の関係分野:生物学農学
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発表日:2025年11月15日
262
KAT7の加齢依存的な減少がiPS細胞由来血小板産生を阻害
―免疫特性の促進を介したメカニズムを解明―
iPS細胞由来巨核球株(imMKCL)において、増殖期における細胞周期G1およびG2/M期細胞集団が血小板産生に寄与する一方、加齢に伴ってG0期細胞が増加することで血小板産生能を低下させる。KAT7の活性低下は、免疫巨核球の特性を促進することでimMKCLの増殖能および血小板産生能を阻害する。KAT7の機能低下は、染色体不安定性を引き起こし、cGAS-STING経路の活性化を介してimMKCLから複数の炎症性サイトカインの分泌が促進される。分泌された炎症性サイトカインTNF-αは、imMKCL...
キーワード:品質評価/品質管理/GTPase/ヒストン/核分裂/染色体分配/低分子量GTPase/リン酸/少子高齢化/IRF/セントロメア/巨核球/DNA修復/iPS細胞/インターフェロン/ヒストンアセチル化/細胞株/細胞老化/染色体/染色体不安定性/臨床応用/思春期/再生医学/前駆細胞/造血幹細胞/不均一性/DNA損傷/DNA複製/NF-κB/RNA/TNF/アセチル化/遺伝子治療/遺伝子導入/遺伝子発現制御/炎症性サイトカイン/幹細胞/血小板/骨粗鬆症/再生医療/細胞治療/細胞周期/細胞分裂/自然免疫/阻害剤/発現制御/免疫応答/臨床試験/サイトカイン/遺伝子/遺伝子発現/加齢/高齢化/造血/糖尿病/臨床研究/老化
他の関係分野:情報学複合領域生物学工学総合生物農学
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発表日:2025年11月15日
263
熱力学第3法則を拡張する新たな普遍原理を発見
―「時間・コスト・エラー」間に成立する限界の解明―
Vu Tan Van(ヴー・タンバン)基礎物理学研究所准教授、齊藤圭司 理学研究科教授らの研究グループは、冷却や情報消去など、あらゆる熱力学的な操作において、「所要時間」「熱力学的なコスト」「エラー(誤差)」の間に成り立つ根本的なトレードオフ関係式を発見しました。この成果は、長年にわたり主張が曖昧であった「絶対零度には到達不可能」とする熱力学第3法則が、なぜ、どのように不可能なのかを定量的に示すものであり、第3法則を「時間・コスト・エラー」の観点から一般化・更新するものです。さらに今回の発見は、熱力学第3法則を、従来の冷却過程を超えて、コピー過程を始めとする様々な物理過程に適用可能な一般的な法...
キーワード:非平衡/非平衡熱力学/量子コンピュータ/トレードオフ/熱力学/ダイナミクス/ナノマシン
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発表日:2025年11月15日
264
炎症の鍵となるIL-1βの放出メカニズムを単一細胞レベルで「見る」ことで解明
―炎症性サイトカインIL-1βは細胞死に伴って放出されていた―
滝田順子 医学研究科教授、井澤和司 同講師、加藤健太郎 同医員(研究当時)と、東京大学、東京科学大学、ベルギー・ゲント大学(Ghent University)等による国際共同研究グループは、細胞の分泌過程を可視化できる顕微鏡技術「LCI-S」を中心とした単一細胞解析技術を用い、ヒト単球における炎症性サイトカインIL-1βの分泌メカニズムを単一細胞レベルで解明しました。その結果、IL-1βは「生きた単球」からではなく、ごく一部の単球(約5〜10%)が炎症性細胞死(パイロトーシス)を起こす過程で放出されることを世界で初めて実証しました。 この発見により、従来「炎症性サイトカイン」として知...
キーワード:ベルギー/一細胞/炎症性疾患/一細胞解析/炎症性サイトカイン/細胞死/サイトカイン
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発表日:2025年11月15日
265
銅酸化物の高温超伝導体で特殊な電子状態「ノード金属」を発見
~三層構造が高い超伝導を実現する仕組みの解明へ~
吉田鉄平 人間・環境学研究科教授、出田真一郎 広島大学准教授、有田将司 同技術専門職員、藤森淳 東京大学名誉教授、内田慎一 同名誉教授、藤井武則 同助教、渡辺孝夫 弘前大学教授(研究当時)、足立伸太郎 同博士課程学生(現:京都先端科学大学講師)、田中清尚 自然科学研究機構分子科学研究所准教授(兼:総合研究大学院大学准教授)、石田茂之 産業技術総合研究所主任研究員、野地尚 東北大学助教(研究当時)らと、台湾国立清華大学、米国スタンフォード大学(Stanford University)の国際共同研究チームは、銅酸化物高温超伝導体のなかでCuO2面を3枚もつ三層系銅酸化物の電子...
キーワード:角度分解光電子分光/近接効果/光電子分光/高温超伝導体/対称性/超伝導体/銅酸化物/銅酸化物高温超伝導体/放射光/超伝導/アニール/物質設計/電子分光/キャリア/高温超伝導/酸化物高温超伝導体/電子状態/酸化物/分解能/結晶構造/層構造/高分解能
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学農学
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発表日:2025年11月12日
266
腸管バリア機能を制御する新たな短鎖脂肪酸受容体の同定
~炎症性腸疾患や大腸がんなどの予防・治療法の開発応用に期待~
キーワード:免疫機能/炎症性腸疾患/生体防御/大腸/短鎖脂肪酸/血液/脂肪酸/受容体/上皮細胞/大腸がん/細菌/腸内細菌
他の関係分野:複合領域
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発表日:2025年11月8日
267
地球の限界を超えないために世界の食料システムの大転換が必要
―国際プロジェクトが持続可能で健康な食生活のガイドラインを提案―
現代の食料システムは、世界の温室効果ガス排出量の要因の25%以上を占めるなど、地球環境に大きな負荷を与えています。都市環境工学専攻 藤森真一郎 教授、国立環境研究所 社会システム領域 地球持続性統合評価研究室 土屋一彬 主任研究員、高橋潔 領域長、立命館大学 総合科学技術研究機構 長谷川知子 教授らが参画する国際研究グループは、複数のシミュレーションモデルを用いた研究により、持続可能で健康な食生活、食品廃棄物の削減、生産性の向上を組み合わせた「食料システムの大転換」を2050年にかけて進めた場合の地球環境と経済に与える影響を評価しました。その結果、食料システムの大転換を進めた場合、何もしない場...
キーワード:社会システム/身体活動/持続性/温室効果ガス/温室効果/気候変動/フレキシブル/持続可能/地球環境/都市環境/シミュレーション/シミュレーションモデル/生産性/廃棄物/土地利用/食生活
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学工学農学
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発表日:2025年11月8日
268
遺伝子多型検査で抗真菌薬の副作用を軽減
―薬理遺伝学的解析に基づく個別化投与設計―
ボリコナゾールは、アスペルギルス症などの重篤な真菌感染症に広く用いられる抗真菌薬ですが、血中濃度の個人差が大きく、副作用として肝障害や視覚障害が問題となっています。 片田佳希 医学部附属病院薬剤主任、寺田智祐 同教授、平大樹 同講師、長尾美紀 医学研究科教授らの研究チームは、ボリコナゾールの代謝に関与する酵素「CYP2C19」の遺伝子多型に基づき初期投与量を調整することで、副作用の発現を大幅に減らせることを明らかにしました。 本研究は、薬理遺伝学(Pharmacogenomics: PGx)検査を抗真菌治療に応用した日本初の臨床研究であり、真菌感染症治療における精密医療(P...
キーワード:ブログ/視覚障害/肝障害/副作用/薬理学/遺伝学/遺伝子/感染症/個別化医療/真菌/臨床研究
他の関係分野:情報学
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発表日:2025年11月5日
269
難治性慢性活動性EBウイルス感染症を分子レベルで解明
―高メチル化と体細胞変異の蓄積が重症化に関与することを発見、新たな治療の可能性も―
慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)は、EBウイルスに感染したT/ナチュラルキラー(NK)細胞が増殖し、多彩な症状を示すリンパ増殖性疾患です。東アジアや中米に集積し、本邦では全国調査から年間約100例の発症が推定されています。症状は消化器、神経、呼吸器など様々な臓器におよび、急激に進行して死に至るものから、長期間良好な経過を示す症例まで多岐にわたりますが、何故そのような様々な経過を辿るのかについては明らかになっていませんでした。 滝田順子 医学研究科教授、赤澤嶺 同博士課程学生(現:静岡県立こども病院副医長)、三上貴司 同特定助教らは、CAEBV患者65例の血液やDNAサンプル...
キーワード:モーター/CpGアイランド/プロモーター/EBV/ウイルス感染症/オミクス/オミクス解析/体細胞変異/EBウイルス/悪性腫瘍/DNAメチル化/NK細胞/メチル化/血液/ウイルス/感染症
他の関係分野:工学
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発表日:2025年11月5日
270
原子核スピンの新しい秩序
―あり得ない領域で実現したスピン冷却―
武田和行 理学研究科准教授と鈴木康平 同博士課程学生の研究チームは、固体核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)において、原子核が持つ磁石(スピン)を断熱消磁冷却して局所的に揃える新たな方策を考案し、実験実証にも成功しました。このスピン冷却法は、高速試料回転下でも実行可能である点が最大の特徴です。高速回転は、原子核スピンの相互作用を消去して測定の分解能を上げることができる、化学分析としての固体NMRに欠かせない操作です。しかし、回転により消失する相互作用はスピン冷却に本質的な役割を果たします。このため、スピン冷却と高速試料回転による高分解能化学分析は両立できな...
キーワード:原子核/磁気共鳴/分光学/磁場/固体NMR/核スピン/スピン/化学分析/周波数/分解能/高分解能/核磁気共鳴
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学
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発表日:2025年11月1日
271
低酸素が呼び起こす脳内前駆細胞の新たな一面
―脳血流を取り戻す新たな仕組み―
脳卒中は、世界で4人に1人が一生のうちに経験する主要な死因・後遺症の原因であり、その多くは脳の血管が詰まることで起こる脳梗塞です。脳の血管が詰まったままでは、酸素や栄養が神経細胞に届かず、細胞死が急速に進行します。そのため、できるだけ早く血流を再開させて脳への酸素供給を回復させることが極めて重要です。 この度、眞木崇州 医学研究科講師、安田謙 同特定助教、月田和人 同特定助教(兼:帝京大学特任研究員)、桑田康弘 くわた脳神経内科・在宅クリニック院長らの研究グループは、マウス脳梗塞モデルとして一般的な一過性中大脳動脈閉塞(tMCAO)モデルの単一細胞RNAシーケンス公開データを統合解析...
キーワード:酸素濃度/オリゴデンドロサイト前駆細胞/一細胞/血流/大脳/髄鞘/hypoxia/臨床応用/運動機能/脳血流/前駆細胞/RNA/マウス/幹細胞/血管新生/再生医療/細胞死/細胞治療/神経細胞/低酸素/脳梗塞/脳卒中
他の関係分野:環境学総合生物
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発表日:2025年11月1日
272
κオピオイド受容体バイアスドシグナリングに関与する分子スイッチを同定
―複数の最先端技術を統合し、創薬戦略に資する構造情報を獲得―
井上飛鳥 薬学研究科教授(兼:東北大学教授)、清水(小林)拓也 関西医科大学教授、寿野良二 同准教授、片山耕大 名古屋工業大学准教授、神取秀樹 同特別教授、光武亜代理 明治大学准教授、斉藤毅 筑波大学准教授、加藤貴之 大阪大学教授らの共同研究グループは、ヒトκオピオイド受容体のバイアスドシグナリング機構を従来より詳細に解析し、新たにシグナル選択性に関与するアミノ酸残基を同定しました。 本研究成果は、2025年10月28日に、国際学術誌「Nature Communications」に掲載されました。...
キーワード:先端技術/選択性/シグナリング/アミノ酸/受容体/創薬
他の関係分野:複合領域工学
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発表日:2025年11月1日
273
ウイルスに感染した植物上ではアブラムシ産仔数が減少することを自然環境下で発見
〜ウイルスが宿主植物の遺伝子発現を変化させ昆虫被害を軽減〜
大坪雅 生態学研究センター博士課程学生、本庄三恵 同准教授、工藤洋 同教授、西尾治幾 滋賀大学講師からなる研究グループは、カブモザイクウイルスに感染したアブラナ科多年草のハクサンハタザオ上で、アブラムシの産仔数が減少することを発見しました。さらに、網羅的遺伝子発現解析の結果、ウイルス感染はアブラムシの吸汁・繁殖を抑制するように植物の遺伝子発現を変化させることを明らかにしました。アブラムシは植物を吸汁し弱らせるだけでなく、ウイルスを運ぶ媒介者でもあります。そのため、アブラムシ数の減少は植物集団内のウイルス感染の拡大を抑制すると予想されます。これまで、ウイルスは感染植物上のアブラムシの行動を活発に...
キーワード:アブラナ科/アブラムシ/生態系/生態学/遺伝子発現解析/発現解析/網羅的遺伝子発現解析/ウイルス/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:生物学農学
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発表日:2025年11月1日
274
赤色光で動く有機触媒
―深赤色から近赤外光でラジカルを自在に操る、有機触媒の新たな進化―
材料化学専攻 大宮寛久 教授、村上翔 助教、同大学院薬学研究科博士後期課程3年の宮本祐輔 さん、修士課程1年の村岡寛治 さん、東和薬品株式会社の松平忠慶 研究員らの研究グループは、深赤色から近赤外光(波長600〜800 nm)で作動する有機触媒反応の開発に成功しました。本研究では、アザジピロメテン(Aza-dipyrromethene, ADP)という有機分子(触媒)がホウ素化合物と結合して形成する「光活性ボレート複合体」を設計し、この複合体が赤色光照射によって直接励起され、炭素–ホウ素結合を切断し炭素ラジカルを生成することを明らかにしました。従来の光触媒反応は高エネルギーの青色光...
キーワード:高エネルギー/近赤外/環境調和/光触媒反応/金属錯体/触媒反応/有機ホウ素化合物/青色光/有機分子/赤外光/光照射/光触媒/ホウ素/ラジカル/リガンド/医薬品合成/近赤外光/有機触媒
他の関係分野:数物系科学化学生物学総合理工工学農学
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発表日:2025年10月30日
275
多様な樹種のバイオマス量を評価する
―ドローンによる多樹種のバイオマス推定式の開発―
HTOO Kyaw Kyaw 農学研究科博士研究員(研究当時)、小野田雄介 同教授らのグループは、ドローンを用いた大規模な森林調査を行い、日本全国の多様な樹種(149種)のバイオマス量を推定する式を開発しました。 森林のバイオマスを正確に把握することは、温室効果ガスの収支評価や持続可能な森林経営の基盤となるなど、大きな意義があります。しかし、従来の評価方法は、多様な樹種の違いを十分に考慮しておらず、また現地調査には、労力やアクセス面で大きな制約があります。近年、レーザー(LiDAR)を搭載したドローンが普及しつつあり、本研究グループは、この技術を用いて全国23か所で149樹種・4,3...
キーワード:先端技術/温室効果ガス/温室効果/種多様性/持続可能/森林資源/LiDAR/現地調査/モニタリング/レーザー/生態系/ドローン/バイオマス/人工林/天然林/生物多様性/立体構造
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学生物学工学農学
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発表日:2025年10月29日
276
HLAは原発性硬化性胆管炎の発症と関連する
―日本人集団における疾患感受性HLAアレルの同定―
原発性硬化性胆管炎(Primary sclerosing cholangitis:PSC)は、肝内及び肝外胆管に慢性炎症及び線維性狭窄を来たし、閉塞性黄疸に伴う慢性肝障害から肝不全に至る原因不明の難治性肝疾患であり、世界的に病態解明に向けた努力が続けられています。欧州や北米からの研究によれば、本症には遺伝的素因があり、特にヒト白血球抗原(HLA)と本症発症との間には強い関連があることが報告されていましたが、日本人集団においてその関連は長らく不明のままでした。 岡本竜弥 医学研究科助教、岡島英明 同非常勤講師(現:金沢医科大学教授)、伊藤孝司 同准教授、波多野悦朗 同教授らの研究グルー...
キーワード:アミノ酸配列/肝疾患/肝不全/胆管/白血球/病態解明/HLA/アミノ酸/肝障害/抗原/慢性炎症/肝移植/臓器移植
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発表日:2025年10月29日
277
腸内環境モニタリング機能付きデジタル錠剤に向けた胃酸充電半導体集積回路の開発に成功
―65nm CMOSで実証、消化器官内の温度・pHモニタリングに目途―
新津葵一 情報学研究科教授、ウ・ヨウ(Wu You) 同修士課程学生、大西弘二 大塚製薬株式会社プリンシパル、山根育郎 同課長らの研究グループは、腸内環境モニタリング機能付きデジタル錠剤に向けた胃酸充電機能を有する半導体集積回路の開発に成功し、65nm(ナノメートル:10億分の1メートル)のCMOSプロセスで製造した半導体集積回路を用いて実証しました。 生体内センシングは、健康状態を把握するうえで有効なアプローチの一つです。特に、腸内環境の継続的なモニタリングは、近年の研究によりその有用性が明らかになり、注目を集めています。しかしながら、腸内環境の継続的なモニタリングを日常的に行うこ...
キーワード:情報学/環境モニタリング/CMOS/センシング/ナノメートル/モニタリング/集積回路/半導体/生体内/腸内環境
他の関係分野:情報学環境学工学総合生物
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発表日:2025年10月29日
278
働く世代の健診で心房細動発見
―脳梗塞5倍・心不全18倍リスク―
森雄一郎 医学研究科博士課程学生、福間真悟 同特定教授(兼:広島大学教授)らの研究チームは、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入する就労世代約1,000万人の健康診断・医療データを分析し、健診で偶然見つかる「心房細動(しんぼうさいどう)」が将来の脳梗塞や心不全の大幅なリスク上昇と関連することを明らかにしました。過去に心臓や血管の病気がなかった35~59歳の約950万人のうち、健康診断の心電図で新たに心房細動が見つかった人は毎年約2,400人に1人。その後3年間の追跡調査で、脳梗塞による入院リスクが約5倍(5.38倍)、心不全による入院リスクが約18倍(18.35倍)高いことが分かりました。これ...
キーワード:血栓/健康診断/心臓/心房細動/追跡調査/心電図/脳梗塞/不整脈/血圧/生活習慣病
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発表日:2025年10月29日
279
乳児期と幼児期以降で異なる白血病の特徴
―小児急性骨髄性白血病の年齢別解析で新知見―
松尾英将 医学研究科准教授、庄子皓太 同修士課程学生、小川誠司 同教授、錦織桃子 同教授、滝田順子 同教授、吉田健一 国立がん研究センター研究所分野長、足立壯一 滋賀県立総合病院総長らの研究グループは、小児の急性骨髄性白血病(AML)において、発症年齢によってゲノム異常や予後(治りやすさ)が異なることを明らかにしました。 AMLは生まれて間もない乳児にも発症することがありますが、乳児期の発症と幼児期以降の発症との間で、病気の性質がどのように異なるかは、これまで十分に分かっていませんでした。本研究グループは、日本小児がん研究グループ(JCCG)の臨床試験で得られたサンプルおよび海外のデ...
キーワード:がん研究/治療標的/染色体/ゲノム解析/予後予測/骨髄/急性骨髄性白血病/白血病/臨床試験/ゲノム/個別化医療/小児/小児がん/染色体異常
他の関係分野:複合領域
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発表日:2025年10月28日
280
“特殊な芳香族性”を示す新しいゲルマニウム化合物の合成
―中性ホモ芳香族アレンの合成とその結合変換の実証―
京都大学化学研究所 水畑吉行 准教授、内田大地 博士後期課程学生、山田容子 教授らの研究グループは、炭素と同族で、より高周期に位置するゲルマニウムを用いて“中性ホモ芳香族アレン”という新しい分子構造を創出し、これまでにない電子構造的性質を実証しました。 アレン(R2C=C=CR2)は、中央の炭素原子が2つの二重結合で両側の炭素とつながった構造を持ち、反応性や立体構造の特徴から有機化学で重要な役割を果たしています。一方、近年ではこのアレンの炭素を高周期14族元素(Si, Ge, Sn, Pb)に置き換えた「重いアレン」の化学が盛んに開拓さ...
キーワード:分子構造/芳香族/カルベン/結合状態/ゲルマニウム/電子構造/アレン/分子設計/立体構造
他の関係分野:化学工学
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発表日:2025年10月28日
281
移植後TMAにNarsoplimabが有効
―移植後TMAに対する新規治療薬の有効性を国際共同研究で明らかに―
移植後血栓性微小血管障害症(TMA)は、同種造血幹細胞移植後に起こる、稀ではありますが致死的な合併症の一つです。従来は病態に即した特異的かつ有効な治療はなく、支持療法が治療の主体であり、新規治療法の開発が待たれていました。近年、移植後TMAの病態の解明が進み、補体経路の活性化が移植後TMAの病態の中心をなすことが明らかになってきました。米国のOmeros社(Omeros Corporation)は、補体レクチン経路のエフェクター酵素であるMASP-2を阻害するモノクローナル抗体であるnarsoplimabを開発、Alessandro Rambaldi イタリア・ミラノ大学(Unive...
キーワード:レジストリ/血栓/新規治療法/幹細胞移植/血管障害/合併症/モノクローナル抗体/細胞移植/造血幹細胞/レクチン/幹細胞/抗体/造血/造血幹細胞移植
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発表日:2025年10月28日
282
寄生植物は自分の仲間をなぜ襲わない?
~「自己回避」の仕組みを世界で初めて解明~寄生雑草の新たな防除戦略に期待
飛松裕基 生存圏研究所教授、吉田聡子 奈良先端科学技術大学院大学教授、峠隆之 同教授、白須賢 理化学研究所副センター長らの共同研究グループは、寄生植物が「自分や近縁の仲間に寄生しない」仕組みを分子レベルで初めて明らかにしました。 寄生植物は世界で年間10億ドル以上という大きな農業被害をもたらす深刻な雑草です。一方で、寄生植物は自分自身や近縁の寄生植物には寄生しないという不思議な性質を持っています。今回、共同研究グループは、モデル寄生植物コシオガマの変異体の解析から、その「自己回避」現象を担う配糖化酵素を同定しました。この酵素は、寄生を開始する合図となる物質に糖を付加して寄生シグナルを...
キーワード:変異体/代謝物
他の関係分野:農学
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発表日:2025年10月21日
283
光で分解可能な高分子を開発
―配列制御と後修飾反応によるケトン骨格の周期的導入―
高分子化学専攻の黒田啓太 博士後期課程学生、大内誠 教授のグループは、配列制御ラジカル共重合と重合後修飾反応によってケトンのカルボニル基が周期的に導入された高分子の合成手法を開発しました。得られた高分子(ポリマー)は熱的に安定でありながら紫外(UV)光で分解可能でした。プラスチックやゴムとして用いられる高分子は、安定な材料として使われる一方で、分解されにくく、環境問題の大きな要因となっています。私たちは、「ノリッシュ反応」と呼ばれる光化学反応を引き起こすケトン骨格を高分子に周期的に組み込むことで、光照射によって主鎖を分解できる「光分解性高分子」の開発を目指しました。そこでケト-エノー...
キーワード:ガラス転移/共重合体/アミド/ジエン/ブタジエン/共重合/光化学/高分子/高分子化学/材料科学/ガラス転移温度/持続可能/光照射/プラスチック/ポリマー/環境問題/高分子材料/光分解/ガラス状態/ケトン/ラジカル/分子設計
他の関係分野:数物系科学化学工学総合生物
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発表日:2025年10月21日
284
ゾウは人間に見られていると気づいているのか?
―アジア最大の陸生動物が人間の視覚的注意を認識する仕組みの研究―
ゾウは大きな耳と長い鼻を持ち、主に音や匂いによってコミュニケーションをとると考えられています。しかし、視覚的な情報をどの程度利用しているのかは不明なままでした。視覚的注意に関する研究は主に霊長類を対象に行われており、アジアゾウに適用された例はほとんどありませんでした。 ジム・ホイラム 人と社会の未来研究院特定研究員らの研究チームは、アジアゾウが人間の顔の向きや体の向きといった視覚的手がかりを理解できるかどうかを調べました。タイ北部チェンライで飼育されている10頭の雌ゾウに、餌を要求する課題を与え、実験者は次の4つの姿勢のいずれかをとりました。(1)顔と体の両方をゾウに向ける、(2)両...
キーワード:視覚的注意/身振り/霊長類/ジェスチャー/コミュニケーション
他の関係分野:情報学生物学総合生物
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発表日:2025年10月21日
285
森林・泥炭地火災から発生する煙霧による健康リスク:火災の近隣地域では?
―森林・泥炭火災煙霧の発生地域と風下地域における影響の違い―
内藤大輔 農学研究科助教、PHUNG Vera Ling Hui(プン・ヴェラリンフイ)東京大学助教、上田佳代 北海道大学教授、川崎昌博 同研究員、大橋勝文 鹿児島大学教授らによる研究グループは、インドネシア・中央カリマンタン州のパランカラヤ大学(University of Palangka Raya)との共同研究から、同地域で森林・泥炭地火災から発生する煙霧が呼吸器疾患を増やすことを示しました。また、発生源に近い地域では、煙霧による健康リスクが大きくなる可能性を示しました。 東南アジアで発生する煙霧は、地域の大気汚染物質だけでなく、周辺地域で発生する火災由来の煙が原因となります。本...
キーワード:粒子状物質/ホットスポット/気候変動/衛星/健康リスク/森林火災/衛星画像/健康影響/大気汚染/公衆衛生
他の関係分野:環境学数物系科学工学農学
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発表日:2025年10月18日
286
層状酸化物におけるFe3+/Fe5+間での可逆的な酸化還元に成功
―安価な鉄を含んだ高エネルギー密度リチウムイオン電池の開発に向けた新展開―
本研究成果は、2025年10月15日に国際学術誌「Nature Materials」に掲載されました。 京都大学化学研究所 後藤真人 助教、島川祐一 教授と米国スタンフォード大学、オークリッジ国立研究所、SLAC国立加速器研究所、アメリカ国立標準技術研究所の共同研究チームは、層状酸化物Li4FeSbO6において、Fe3+イオンと異常高原子価...
キーワード:高エネルギー/加速器/酸化還元反応/正極材料/高原子価/リチウムイオン電池/遷移金属/電気化学反応/還元反応/固体化学/材料設計/電池/コバルト/リチウム/レアメタル/構造制御/酸化還元/酸化物/自動車/電気化学/電気自動車/リン酸/結晶構造/スマートフォン
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学農学
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発表日:2025年10月18日
287
気候変動・統合評価モデル分野の未来を開く新提案
―オープンで透明な国際比較研究の構築へ
パリ協定に基づく世界の気候対策は進んでいますが、その科学的な根拠となる将来予測やシナリオは、限られた地域や研究機関に偏っているのではないか、という懸念がIPCCの第6次評価報告書の公表後指摘されてきました。今回、都市環境工学専攻の藤森真一郎教授、オーストリアに本部を置く国際研究機関である国際応用システム分析研究所(IIASA :International Institute for Applied Systems Analysis)のVolker Krey 研究主幹(Research Group Leader)、 Keywan Riahi研究部門長(Research Director)、東京...
キーワード:プロトコル/オーストリア/気候変動/都市環境/透明性/シナリオ/比較研究/将来予測/ラット
他の関係分野:情報学環境学数物系科学工学農学
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発表日:2025年10月18日
288
未来の医師の糖尿病スティグマの認知と課題
―スティグマ根絶に向けた教育的アプローチ―
村上隆亮 医学研究科助教、矢部大介 同教授らの研究グループは、片岡仁美 同教授、中村祐太 聖マリアンナ医科大学講師、曽根正勝 同教授らと共同で、京都大学・聖マリアンナ医科大学の医学部医学科生と両大学病院の臨床研修医を対象に、糖尿病スティグマとアドボカシー活動に関する世界初の大規模実態調査を実施しました。将来の医療を担う者の認知の実像を明らかにした世界初の研究成果です。その結果、糖尿病スティグマの認知率は全体の57.0%、アドボカシー活動の認知率は25.9%と低いことが明らかとなりました。糖尿病に関する臨床講義を受ける3・4年生以降で認知度が上昇し、臨床講義の教育効果が示される一方、医療現場での...
キーワード:アドボカシー/スティグマ/医師/糖尿病
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発表日:2025年10月18日
289
決めるのは政府か消費者か!リバタリアン・パターナリズムを活かしたポリシー・ターゲティング
依田高典 経済学研究科教授を中心とする7名の国際共同研究チームは、行動経済学、機械学習、人工知能(AI)を融合させた新たな政策設計手法を開発しました。研究テーマは「電力の節約行動を促すには、誰にどのように報酬(リベート)を与えるのが最も効果的か」というもので、2020年夏には日本の約4,000世帯を対象に、全員に一律でリベートを与える方法、希望者のみに与える方法、介入を行わない方法の三つを比較する大規模な実験が実施されました。さらに、各家庭の属性に応じて最適な介入を割り当てるAIベースの手法「経験厚生最大化(Empirical Welfare Maximization:EWM)」を適用した結果...
キーワード:AI/スーパーコンピュータ/機械学習/最適化/人工知能(AI)/ターゲティング/行動経済学
他の関係分野:情報学総合生物
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発表日:2025年10月16日
290
人と動物実験のギャップをつなぐ卵殻膜研究
―³Hラベル体内動態解析とIBDモデルによる腸内細菌バランス改善機序の解明―
髙宮幸一 複合原子力科学研究所教授、清水美穂 東京農工大学客員准教授、跡見順子 同客員教授(研究当時)、渡邊敏行 同教授らは、卵殻膜の主要タンパク質をプロテオミクス解析によりリゾチームと同定し、動物実験とヒト臨床試験を体重あたり同一投与量で比較することで、両者に共通する有効性を初めて明らかにしました。これまでに知られていなかった複合天然素材をトリチウムラベルし、体内動態を簡便に解析できる手法を開発し、この成果により、今後、卵殻膜を活用した新しい機能性食品や医療補助食品の開発が期待されます。 本研究成果は、2025年9月18日に、国際学術誌「International Journal ...
キーワード:トリチウム/リチウム/原子力/機能性/機能性食品/リゾチーム/IBD/オミクス/オミクス解析/動態解析/プロテオミクス/体内動態/臨床試験/細菌/腸内細菌/動物実験
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発表日:2025年10月16日
291
湿度が決める温暖化時の極端な雨の強まり方
―湿度が高い場合に豪雨は1℃当たり7%強まる―
将来、地球温暖化が進行した時に、豪雨・台風・猛暑・干ばつといった極端な気象現象がどのように変化するのか、ということを理解することは、科学的にも社会的にも重要な課題です。 竹見哲也 防災研究所教授とSridhara Nayak 日本気象株式会社主任研究員(元:防災研究所特任准教授)の研究グループは、集中豪雨を念頭に置き、日本における極端な降水の温暖化時の変化の仕方について、気候予測データを用いて明らかにしました。使ったデータは、数値気候モデルを用いた現在の気候を再現した実験と、4℃上昇した温暖化気候を予測した実験結果で、20 kmの分解能を持つものです。日本を7つの地域に区分して、地域...
キーワード:地球温暖化/気候モデル/気候変動/水蒸気/集中豪雨/分解能/温暖化/高分解能
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発表日:2025年10月8日
292
遺伝子カタログ化によるコムギ品種間多様性の解明
〜食料安全保障を目指した新品種開発を加速〜
那須田周平 農学研究科教授、清水健太郎 横浜市立大学客員教授(兼:スイス・チューリッヒ大学(University of Zurich)教授)、岡田萌子 新潟大学助教(前:横浜市立大学特任助教)および半田裕一 京都府立大学教授らの研究グループは、国際10+コムギゲノムプロジェクトとの共同研究で、日本を代表する品種である農林61号を含む9品種の網羅的な遺伝子発現解析を行い、農林61号が他の品種にはない特徴的な染色体領域を持つことを明らかにしました。この領域には組織特異的に機能する新規遺伝子や病害抵抗性に関連する遺伝子が多く見つかり、今後の世界のコムギ安定生産に向けた新品種育成に有用な素材としてゲノ...
キーワード:病害抵抗性/食料安全保障/抵抗性/遺伝子発現解析/新規遺伝子/染色体/発現解析/ゲノムプロジェクト/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
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発表日:2025年10月7日
293
コミュニティごとの多様な価値観をリアルタイムに反映できる仮想発電所制御技術を開発
―CO2削減やコスト低減など、地域のニーズに応じた柔軟なエネルギー運用の実現をめざす―
大塚敏之 情報学研究科教授は、株式会社日立製作所と共同で、都市や地域などのコミュニティごとの多様な価値観をリアルタイムに反映しながら、仮想発電所(VPP)を安定的に運用できる新たなシステム制御技術を開発しました。本技術は、従来の「経済性最大化」などの固定的な指標だけでなく、CO2削減や利便性など、状況に応じて変化する価値観をシステム制御に柔軟に組み込むことができます。この実現に向け、モデル予測制御(MPC)による動的なエネルギー資源配分と、Preference Learning(選好学習)による価値観の自動反映、さらに安定稼働を実現するロバスト制御技術を開発しました。シミュレーションによる検証...
キーワード:ロバスト/最適化/情報学/オーストリア/持続可能/CO2排出量/システム制御/シミュレーション/モデル予測制御/ロバスト制御/二酸化炭素/資源配分/コミュニティ
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発表日:2025年10月1日
294
白血病の“系統転換再発”による免疫逃避
―マルチオミクス解析で免疫抑制性を解明―
滝田順子 医学研究科教授、加藤格 同講師、三上貴司 同特定研究員(現:同特定助教)、髙木正稔 東京科学大学教授、James Badger Wing 大阪大学教授らの研究グループは、急性リンパ性白血病(ALL)が治療中に別の系統である急性骨髄性白血病(AML)へと変化して再発する「系統転換(lineage switch)再発」に注目し、その病態解明を行いました。マルチオミクス解析(RNAシーケンス、全エクソーム解析、CyTOF、シングルセルRNA解析など)を駆使して患者検体を解析した結果、KMT2A遺伝子再構成を有する系統転換したAMLは、白血病細胞自体が免疫を抑制する能力を持...
キーワード:MDSC/エクソーム/エクソーム解析/オミクス/オミクス解析/がん免疫/がん免疫療法/マルチオミクス/マルチオミクス解析/治療標的/免疫逃避/免疫抑制/骨髄/病態解明/免疫療法/RNA/T細胞/がん細胞/急性リンパ性白血病(ALL)/急性骨髄性白血病/血液/制御性T細胞/白血病/遺伝子/小児
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発表日:2025年9月30日
295
いつでもどこでもできる“ゆる”定点調査
―市民科学の大規模鳥類群集データ収集の促進―
久野真純 情報学研究科助教(現:広島大学助教)は、鳥類定点調査における従来の厳しいルールを緩和させ、日常生活や旅行の合間に実施できる「“ゆる”定点調査」を提案しました。本研究では、場所・時間・調査点間距離のしばりを緩め、都市から農村、山地、人為改変環境まで幅広い景観で鳥類群集データを収集する方法を検討しました。とくに、生活圏や観光地、通勤・通学路など従来対象外となりがちな場所を積極的に調査に組み込むことで、空間的・時間的範囲を拡大することが可能となります。さらに、距離や時間の制約をなくすことでサンプルサイズを増やしつつ、統計的補正により群集比較の信頼性を確保する枠組みを紹介しました。早朝の調査...
キーワード:サンプルサイズ/情報学/データ収集/季節変動/生物多様性/日常生活
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発表日:2025年9月29日
296
善玉コレステロール(HDL)が産生される過程を 可視化することに世界で初めて成功
世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)の2拠点、①京都大学アイセムス(高等研究院 物質―細胞統合システム拠点)の植田和光特定拠点教授、小段篤史特定准教授らの研究グループと、②金沢大学ナノ生命科学研究所の古寺哲幸教授のグループは、高速原子間力顕微鏡(高速AFM)を用いて、ABCA1が新生HDLを形成する過程を可視化することに世界で初めて成功しました。 新生HDLは、数百分子のコレステロールとリン脂質の周りに2~4分子のアポリポタンパク質A-I(アポA-I)が巻き付いた構造をした円盤状粒子で、細胞膜上のタンパク質ABCA1の働きによって形成されます。次に新生HDL...
キーワード:高速AFM/AFM/原子間力顕微鏡/統合システム/高速原子間力顕微鏡/細胞膜/新規治療法/ATP/リポタンパク質/リン脂質/コレステロール/脂質/脂質異常症
他の関係分野:化学工学
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発表日:2025年9月27日
297
ニホンザルの季節適応力を解明
―腸内細菌が果たす食物の季節変化への適応能力―
半谷吾郎 生態学研究センター准教授、Lee Wanyi 同特定助教らは、屋久島に生息する野生ニホンザルを対象に、食性の季節変化に対応する腸内細菌叢の適応メカニズムを解明しました。 野生動物にとって、季節による食物の変化は大きな課題です。ニホンザルは果実や種子を優先的に摂取しますが、これらが不足する季節には、代替的に葉や樹皮といった低栄養の資源を利用します。しかし、葉や樹皮は繊維質が多く、サル自身の酵素だけでは十分に消化できません。そのため腸内細菌が発酵によって繊維を分解し、短鎖脂肪酸と呼ばれるエネルギー源を生み出すことが、生存の鍵となります。これまで腸内細菌の組成が季節で変化すること...
キーワード:季節変化/行動観察/発酵/生態学/微生物/短鎖脂肪酸/脂肪酸/細菌/細菌叢/腸内細菌/腸内細菌叢/低栄養
他の関係分野:複合領域農学
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発表日:2025年9月27日
298
植物の低温耐性を支える新たなメカニズムを発見
―葉緑体の活性酸素ダメージの軽減機構―
気候変動が進む中、作物の温度耐性を支えるメカニズムの解明が求められています。低温ストレスは、キュウリなどの夏作物の光合成を阻害して生育を低下させますが、その詳細なメカニズムは不明でした。 伊福健太郎 農学研究科教授、竹内航 同博士課程学生、播本慎太郎 同修士課程学生、三宅親弘 神戸大学教授らの研究グループは、葉緑体にある「NDH複合体」の分解がキュウリの低温ストレス障害のトリガーであることを明らかにしました。低温に弱いキュウリ品種では、低温ストレス時にNDHが分解され、光合成の阻害と葉の白化が起こりました。一方、低温に強いキュウリ品種ではNDHは低温でも安定で、葉緑体は活性酸素から安...
キーワード:気候変動/光化学/キュウリ/タンパク質複合体/光化学系I/光合成/葉緑体/環境ストレス/ストレス耐性/活性酸素/ストレス/生理学
他の関係分野:数物系科学化学生物学農学
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発表日:2025年9月27日
299
汎用性の高い高品質スズペロブスカイト薄膜の作製法を開発
―下地の濡れ性に依存せず、大面積塗工も可能―
京都大学化学研究所 原田布由樹 博士課程学生、中村智也 助教、若宮淳志 教授、金子竜二 元特定助教(現・株式会社エネコートテクノロジーズ)、Shuaifeng Hu 元博士課程学生らの研究グループは、高品質なスズペロブスカイト半導体薄膜を作製するための、汎用性の高い塗布成膜法を開発しました。 スズペロブスカイト半導体は鉛フリー型材料として期待されていますが、均一で高品質な薄膜が作製しにくいことが、鉛フリー型太陽電池の高性能化を妨げるボトルネック課題となっていました。本研究では、実用的なサイズにも利用できる塗布成膜法として、1-ビニルイミダゾールを結晶成長制御の添加剤に利用した真空...
キーワード:太陽/ペロブスカイト/単分子膜/ボトルネック/太陽電池/電池/結晶成長/添加剤/濡れ性/半導体/分子集合
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年9月27日
300
発芽時の幼植物を光による害から守る新しい遺伝子を発見
土の奥深くは光の届かない暗闇です。この深く暗い場所で発芽してしまった植物は、発芽後最初に現れる茎である胚軸をもやし状の形で伸ばし、その胚軸の先に付く最初の葉である子葉は葉緑体を持たない状態に保ちつつ、早く地表に出ようとします。そして、子葉が地表に出ると、子葉は緑化して光合成を始めます。光合成は、クロロフィル(葉緑素)が光エネルギーによって活性化することによって始まりますが、このようなクロロフィルの活性化が過剰になると、細胞に害を与える場合があり、クロロフィルは「諸刃の剣」のような物質であると考えられてきました。さらに、このような光による害(光ストレス)は暗い場所で発芽した植物が初めて光に出会う...
キーワード:光エネルギー/地球温暖化/細胞内小器官/クロロフィル/光合成/葉緑体/光環境/前駆体/地球環境/二酸化炭素/ストレス耐性/温暖化/生合成/ホメオスタシス/活性酸素/細胞死/転写因子/ストレス/遺伝子
他の関係分野:環境学生物学工学農学
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発表日:2025年9月25日
301
磁場を味方にするウラン超伝導の機構を解明
―自らを柔軟に変化させ、耐えられる磁場の限界を2倍に―
超伝導はある温度以下で物質の電気抵抗がゼロになる現象です。この時、超伝導体(物質)では2つの電子が1組の電子対となり、自ら持つスピン(磁力の最小単位)を打ち消しあっています。このため、磁場は超伝導と相性が悪く、超伝導を抑制する外的要因としてのみ取り扱われてきました。応用上においても、磁場に強い超伝導状態をどのように作り出すかは、重要な課題となっています。一方、近年ウラン化合物で発見された「スピン三重項超伝導」は、従来の超伝導状態とは電子スピンの状態が異なるため、本質的に磁場に強く、高い磁場の中でも超伝導状態を保つことが知られていました。 この度、栁瀬陽一 理学研究科教授、常盤欣文 日...
キーワード:高磁場/超伝導体/加速器/磁場/超伝導/単結晶/電気抵抗/ウラン/スピン/原子力/MRI
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年9月23日
302
iPS細胞と動物モデルで実証:FGFR1阻害が心臓線維化を抑制し、心臓機能を改善
拡張型心筋症注1)患者さんの心筋生検組織検体の解析から、心臓線維化注2)の治療標的としてFGFR1を特定しました。FGFR1阻害剤(AZD4547)が、ヒトiPS細胞由来心臓オルガノイドモデルやマウス心臓損傷モデルで、線維化を抑制し心臓機能を改善させることを示しました。本研究の知見は心臓線維化を伴う心不全に対する新たな治療戦略となることが期待されます。1. 要旨 畑玲央研究員(京都大学大学院医学研究科循環器内科学、...
キーワード:スレッド/機械学習/人工知能(AI)/毒性評価/筋細胞/細胞周期制御/一細胞/シークエンス/プロファイリング/アンジオテンシンII/リエントリー/レジストリ/iPS細胞/マウスモデル/遺伝子発現解析/治療標的/心筋/心筋細胞/心筋症/組織構築/増殖因子/動物モデル/発現解析/病理/網羅的遺伝子発現解析/臨床応用/死亡率/心機能/心臓/評価法/オルガノイド/線維芽細胞/病態解明/in vitro/RNA/RNAシークエンス/アンジオテンシン/コラーゲン/トランスクリプトーム/ファージ/マウス/マクロファージ/遺伝子治療/一細胞解析/虚血/血液/再生医療/細胞外マトリックス/細胞周期/細胞増殖/受容体/阻害剤/内皮細胞/不整脈/副作用/臨床試験/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/抗がん剤/線維化/標準化
他の関係分野:情報学複合領域生物学総合生物
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発表日:2025年9月23日
303
息から病気を検知する
―鉄の匂いが教える肝臓の異変―
私たちの体の中では、鉄の働きによって細胞が壊れる「脂質の酸化」が起こることがあります。これが進むとフェロトーシスと呼ばれる細胞死が起き、肝臓などさまざまな病気の原因になることが知られています。ところが、これまでフェロトーシスを体の中で直接調べるには、肝臓の一部を取り出すような体に負担の大きい検査が必要でした。 松岡悠太 医学研究科特定助教、杉浦悠毅 同特定准教授らの研究グループは、勝俣良紀 慶應義塾大学専任講師、中本伸宏 同准教授、井口公太 田附興風会医学研究所北野病院副部長らとの共同研究により、フェロトーシスが進むと「鉄の匂い分子」として知られる特殊な物質がガスとして細胞から放出さ...
キーワード:分析技術/診断法/カルス/肝疾患/マウス/細胞死/代謝物/脂質
他の関係分野:環境学総合生物農学
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発表日:2025年9月21日
304
燃料電池や触媒などへの応用が期待されるプロトン機能性材料を発見
南部雄亮 複合原子力科学研究所特定教授は、本橋輝樹 神奈川大学教授らの研究グループ、杉本邦久 近畿大学教授、Zi Lang Goo 同研究員(研究当時)、林克郎 九州大学教授、稲田幹 同准教授、木本浩司 物質・材料研究機構センター長、Maxim Avdeev オーストラリア原子力科学技術機構(Australian Nuclear Science and Technology Organisation:ANSTO)博士との共同研究により、卓越した熱安定性を有するストロンチウム・ガリウム酸水酸化物を発見しました。本化合物は、独自開発した「気相水酸化物化反応」を用いて合成され、電子顕微鏡、X線回折、...
キーワード:X線回折/ストロンチウム/中性子/中性子回折/赤外分光/固体酸/固体酸触媒/酸触媒/電池/熱安定性/燃料電池/機能性材料/原子力/酸化物/電子顕微鏡/機能性/結晶構造/プロトン
他の関係分野:数物系科学化学工学農学
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発表日:2025年9月21日
305
非相溶元素間の原子拡散障壁が未踏結晶相形成に及ぼす影響を解明
―未踏結晶構造の探索に向けた新たな知見―
京都大学化学研究所 精密無機合成化学研究領域 松本憲志 特定助教、佐藤良太 特定助教、髙畑遼 助教、寺西利治 教授、九州大学 工藤昌輝 学術研究員(現北海道大学特任助教)、名桜大学 立津慶幸 上級准教授の研究グループは、元素間に固有の相溶性(元素間相溶性)により安定化されるZ3型合金構造の形成過程において、非相溶な元素ペアの隣接が原子拡散の活性化障壁を大きくすることを明らかにしました。 複数の金属元素で構成される合金の化学的・物理的な特性は、その結晶構造に大きく依存することが知られています。その...
キーワード:金属元素/拡散過程/準安定/数値計算/金ナノ粒子/準安定相/熱力学/状態図/相互拡散/ナノ粒子/第一原理/第一原理計算/熱処理/量子力学/結晶構造/合成化学
他の関係分野:環境学数物系科学化学工学農学
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発表日:2025年9月21日
306
近年の未熟児網膜症治療の低侵襲化を明らかに
―全国規模の医療データベースを用いた研究―
未熟児網膜症(retinopathy of prematurity, ROP)は早産児に発症する失明リスクの高い疾患で、従来は網膜光凝固術(レーザー治療)が標準治療とされてきました。しかし、レーザー治療は網膜に侵襲を与える可能性があり、視野異常や近視進行などの合併症も報告されています。より低侵襲な治療法として血管新生抑制薬(抗VEGF薬)が注目され、2019年11月には本邦で初めてROPに対する抗VEGF薬が薬事承認されましたが、治療選択にどのような影響を与えたかは不明でした。 赤田真啓 医学研究科博士課程学生、畑匡侑 同特定講師、辻川明孝 同教授らの研究グループは、厚生労働省の管理...
キーワード:時系列解析/レーザー/近視/合併症/視機能/血管新生/網膜/新生児/早産児/低侵襲
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発表日:2025年9月18日
307
砂浜の海岸線予測にはガリ勉不要?
~短期集中観測データの学習は長期間のデータでの学習を上回る予測精度を得る~
森信人 防災研究所教授、陳信宇 海上・港湾・航空技術研究所専任研究員、伴野雅之 同グループ長による共同研究チームは、砂浜の海岸線が季節によってどのように変化するかを予測する際に、従来常識とされてきた数値モデルの最適化を「長期間のデータで学習させる」手法よりも、わずか2年という「短期間のデータで学習」させた方が、はるかに予測精度が向上するという画期的な手法を発表しました。例えるなら、砂浜の海岸線の予測モデルで季節的な砂浜の変動を予測する際には、長期間の大量のデータで「ガリ勉」させるよりも、少ないデータで「短期集中」で学習した方が成績が上がったと言えます。 この「少ない方が、成果は大きい...
キーワード:最適化/防災計画/数値モデル/予測モデル
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発表日:2025年9月17日
308
鳥取県沖・隠岐海嶺から塊状メタンハイドレートを採取
桑野太輔 人間・環境学研究科助教、戸丸仁 千葉大学准教授らの研究チームは、2025年7月31日から8月6日に実施した東北海洋生態系調査研究船「新青丸」航海(KS-25-8次研究航海)において、鳥取県沖・隠岐海嶺の海底から、初めて塊状のメタンハイドレートを採取しました。 鳥取県沖海底には海底深部メタンの移動経路であるガスチムニーが密集しており、メタンハイドレートの存在が予想されていましたが、今回の成果により、塊状メタンハイドレートが広く分布することが確実となりました。メタンハイドレートは、天然ガス資源としてだけでなく地球環境の劇的変動要因としても注目されています。 今後、日本...
キーワード:海洋/地球環境/ハイドレート/メタン/メタンハイドレート/資源探査/天然ガス/生態系/海洋生態/海洋生態系/調査研究
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発表日:2025年9月16日
309
福島第一原子力発電所事故後の安定ヨウ素剤内服と甲状腺検査結果
西川佳孝 医学研究科准教授、中山健夫 同教授、鈴木千晶 医学部附属病院特定助教、後藤あや 米国ハーバード大学(Harvard University)教授、坪倉正治 福島県立医科大学教授らの研究グループは、ひらた中央病院(主たる研究機関)と共同で、2011年の福島第一原発事故で安定ヨウ素剤の配布と内服指示が実施された三春町の子どもたちを対象に調査を実施しました。 本調査では、災害時の安定ヨウ素剤の服用歴などを含む住民アンケートと甲状腺超音波検診結果をふまえ、安定ヨウ素剤の内服有無が甲状腺の状態と関係するかを分析しました。その結果、安定ヨウ素剤の服用と甲状腺の要精密検査には差は認められま...
キーワード:原子力発電所/原子力災害/情報提供/原子力/原子力発電/超音波/福島第一原発事故/原発事故/甲状腺/ヨウ素/副作用/食生活/超音波検査/妊婦/放射線
他の関係分野:複合領域環境学工学農学
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発表日:2025年9月16日
310
シリコン/金複合プローブにおける光増強メカニズムを解明
―ナノスケール化学分析の実用化へ―
電子工学専攻 伊藤 正尚 氏(博士課程3年)・小林 圭 准教授らは、有限要素法を用いて、複雑な構造の導波路プローブの三次元電磁界計算を行い、様々なラマン励起光の照射条件のもと、ラマン散乱光と背景光の強度を解析しました。その結果、励起光をTERSプローブの前面から照射したときに最も強い信号強度が得られることが分かりました。また、プローブ先端付近に定在波が生じることが分かりましたが、このことから、光増強のメカニズムは避雷針効果および局所表面プラズモン共鳴効果に基づくことが示唆されました。本研究によって、プローブの前方から光照射することでTERSの励起光が強く増強され、高いラマン散乱光強...
キーワード:ラマン散乱/ラマン/表面プラズモン共鳴/プラズモン/導波路/表面プラズモン/光照射/AFM/シリコン/ナノスケール/化学分析/定在波/有限要素法/ラマン分光/プローブ
他の関係分野:数物系科学総合理工工学
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発表日:2025年9月14日
311
キタオットセイの北上回遊行動を衛星追跡で解明
―海洋環境要因と北上回遊行動の関係―
李何萍 野生動物研究センター博士課程学生、三谷曜子 同教授、土橋稜 米国ハワイ大学マノア校(University of Hawaiʻi at Mānoa)博士課程学生、三寺史夫 北海道大学名誉教授(研究当時:同教授)からなる研究グループは、衛星発信器を用いてキタオットセイの北上回遊と海洋環境との関係を明らかにしました。キタオットセイは、繁殖地と越冬地のあいだを季節的に長距離回遊する鰭脚類であり、日本近海は非繁殖期に豊富な餌資源を提供する主要な越冬海域のひとつです。これまで、繁殖地からの南下回遊についてはよく知られていましたが、春に越冬海域から繁殖地へと戻る北上回遊については、タグの脱落や電池寿...
キーワード:人間活動/海洋/環境変動/気候変動/衛星/エネルギー消費/電池/モニタリング/沿岸域/海洋環境/哺乳類/生態系/海洋生態/海洋生態系/漁業/環境要因/寿命
他の関係分野:環境学数物系科学工学農学
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発表日:2025年9月11日
312
化学反応ネットワークの構造的情報に基づく分岐解析
―生命のしくみを分子の“つながり”から読む―
近年の生命科学の進展により、生体分子の相互作用や化学反応ネットワークの構造が詳細に明らかになりつつあります。こうしたネットワークは、細胞の状態制御や分化、多様性の形成に深く関わっており、特に外的な変化に応じた細胞状態の急激な切り替わりは、「分岐現象」として数理的に捉えることができます。しかし、生体内ネットワークは複雑かつ不確実性を多く含むため、従来の手法では分岐の要因や影響を体系的に解析するのは困難でした。 Yong-Jin Huang 医生物学研究所博士課程学生、岡田崇 同准教授、望月敦史 同教授の研究グループは、化学反応ネットワークのネットワーク構造情報のみに基づいて分岐現象を解...
キーワード:不確実性/分岐現象/ネットワーク構造/分岐解析/生体内/ファージ/マクロファージ/生体分子/遺伝子
他の関係分野:複合領域数物系科学工学総合生物
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発表日:2025年9月10日
313
ヒト末梢血細胞からの高効率なiPS細胞作製法を開発
―p53経路の調節により初期化効率を10倍以上に向上―
RNAによるPBMCの初期化に成功 従来困難とされていた末梢血単核球(PBMC)からの合成RNAを用いたiPS細胞の作製に初めて成功しました。p53経路の抑制により初期化効率が劇的に向上 p53の働きを抑制するMDM4を導入することで、PBMCのRNA初期化効率が顕著に向上することを示しました。特に、ユビキチン化分解を受けにくい変異を加えたMDM4が最も高い効果を示しました。作製したPBMC由来iPS細胞は角膜細胞へ分化可能 ...
キーワード:オープンアクセス/プログラミング/品質管理/EGFP/筋細胞/リン酸/変異体/キチン/iPS細胞/Mdm2/p53/角膜/眼科学/受精/受精卵/心筋/心筋細胞/染色体/内胚葉/免疫染色/臨床応用/mRNA/筋肉/心臓/白血球/がん化/線維芽細胞/前駆細胞/B細胞/PCR/RNA/T細胞/アポトーシス/がん抑制遺伝子/ストレス応答/ユビキチン/ユビキチン化/リプログラミング/遺伝子治療/遺伝子導入/幹細胞/血液/再生医療/細胞死/上皮細胞/神経細胞/創薬/多能性幹細胞/分化誘導/ウイルス/ゲノム/ストレス/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/個別化医療/抗体/疾患モデル/神経疾患/低侵襲/糖尿病/標準化
他の関係分野:情報学複合領域生物学農学
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発表日:2025年9月8日
314
産後女性のうつ症状は短鎖脂肪酸の産生に関わる腸内細菌叢と食習慣に関連
―食生活習慣から身体とこころの健康をまもる支援を目指して―
産後うつの症状が見られる産後女性は25〜30%にのぼり、その発症時期や罹患期間は、周産期だけでなく産後4〜5年にわたって長期間持続する可能性があります。うつ病の診断初期には身体症状のみを報告する場合が多く、こころの不調を身体的側面から包括的に検討するという視点が求められます。これまでの研究で、うつ病患者の腸内細菌叢の多様性や組成は健常者のそれと異なることが示されています。また、野菜や果物、魚の摂取を中心とする食習慣はうつ病の緩和に関連する可能性があります。しかし、産後の女性を対象とした研究は世界的にも限られており、特に未診断・未治療のうつ病の早期発見や重症化の予防を目的とした研究は行われていま...
キーワード:心身の健康/発酵/きのこ/短鎖脂肪酸/脂肪酸/うつ/うつ病/細菌/細菌叢/周産期/食習慣/食生活/精神疾患/早期発見/腸内細菌/腸内細菌叢/乳幼児
他の関係分野:複合領域農学
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発表日:2025年9月7日
315
AIが解き明かす水稲の収量変動の秘密
―半世紀に渡る長期連用試験からの新知見―
桂圭佑 農学研究科教授、山口友亮 岐阜大学助教らの研究グループは、フィリピンで1962年から続く世界最長の長期連用栽培試験のデータに人工知能(AI)を適用し、水稲収量を持続させる要因を明らかにしました。1968年から2017年までの50年間、150作に渡る連続栽培データを解析した結果、窒素施肥管理や日射量が収量維持の鍵となる一方、その効果は作期ごとに大きく異なることが示されました。乾季作では生殖成長期・登熟期の夜温、前期雨季作では栄養成長期の気温、後期雨季作では病害リスクや同一品種の連続作付けがそれぞれ収量変動に大きく寄与していました。さらに、1970~80年代の収量低下は窒素不足だけでなく夜...
キーワード:AI/人工知能(AI)/持続性/気候変動/生殖/食料安全保障/水稲/灌漑/フィリピン/成長期
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学生物学農学
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発表日:2025年9月7日
316
植物間の塩ストレス情報伝達を地上と地下で同時解明
―受信者の遺伝的距離に応じて異なる伝達機能―
山尾僚 生態学研究センター教授、大崎晴菜 名城大学助教、廣田峻 福島大学准教授、弘前大学、イスラエル・ネゲヴ・ベン・グリオン大学(Ben-Gurion University of the Negev)の研究チームは、日本の在来植物であるオオバコ(Plantago asiatica)が塩ストレスを受けた際に、地上と地下の両方を通じてストレス情報を他の個体に伝達していること、さらに情報が伝わる相手が地上部と地下部で異なることを明らかにしました。塩ストレス情報は、地下部の根を介した場合、同じ親個体由来のきょうだい個体間で伝達されやすい一方、地上部の空気(揮発性化合物など)を介した場...
キーワード:植物群落/コミュニケーション能力/ストレス耐性/生物間相互作用/生態学/コミュニケーション/ストレス
他の関係分野:生物学工学農学
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発表日:2025年9月7日
317
星の死に際の“破壊的核燃焼”を明らかに
~超新星残骸から爆発直前の激しい核燃焼過程の観測的証拠を掴む~
松永海 理学研究科博士課程学生(兼:同日本学術振興会特別研究員)、内田裕之 同助教、吉田敬 基礎物理学研究所特定研究員、佐藤寿紀 明治大学専任講師、久保池結 同博士前期課程学生、梅田秀之 東京大学准教授らの国際共同研究グループは、超新星残骸「カシオペア座A」のX線観測から、大質量星が一生の最期に引き起こす超新星爆発の直前のわずか数時間の間に、激しい核燃焼によって星の内部構造が破壊されていた証拠を掴みました。大質量星の寿命は数百万年から数千万年程度と言われていますが、その最期の数か月から数時間の間に星の内部は激しい核燃焼によって劇的な進化を遂げます。一方で、通常の星を観測してもその内部進化の情報...
キーワード:内部構造/衛星/恒星/新星/大質量星/超新星/超新星残骸/超新星爆発/シリコン/マグネシウム/寿命
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年9月4日
318
不要な細胞を“食べさせる”タンパク質を開発 がんや自己免疫疾患モデルで効果
京都大学アイセムス(高等研究院 物質―細胞統合システム拠点:WPI-iCeMS)の鈴木淳教授、大和勇輝元研究員らの研究グループは、がんや自己免疫疾患を起こす細胞など、体内における不要細胞を標的として貪食により除去する新しいタンパク質「クランチ」(Crunch, Connector for Removal of Unwanted Cell Habitat)を開発しました。この成果は、2025年9月3日午後6時(日本時間)にNature Biomedical Engineering誌に発表されました。 体内では毎日100億個をこえる不要細胞が細胞死を起こし、その過程で”...
キーワード:化学物質/統合システム/がん細胞/マウス/ラット/細胞死/自己免疫/自己免疫疾患/免疫細胞/臨床試験/加齢/抗体/疾患モデル
他の関係分野:環境学工学
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発表日:2025年9月4日
319
脱細胞化血管の微細構造が細胞機能を誘導することを発見
―ヒトiPS細胞由来の血管内皮細胞による人工血管再生のための設計指針を提示―
村田梢 医学部附属病院特定講師と升本英利 同特定教授、岸田晶夫 東京科学大学プロジェクト教授らの研究チームは、ブタなどの動物から採取した血管に「脱細胞化処理」と呼ばれる方法を施し、細胞成分を除去して細胞の足場(細胞外マトリクス)のみを残した脱細胞化血管を作製しました。 この脱細胞化血管に、ヒトiPS細胞から作製した血管内面を覆う細胞(内皮細胞)を植え付けることで、実験室内で機能する人工血管の開発を目指しています。この技術により、体内で自ら成長・修復できる「自己成長型の血管移植片」の実現が期待されます。 本研究では、ヒトiPS細胞から誘導した内皮細胞を用い、ブタの脱細胞化血管...
キーワード:静水圧/微細構造/iPS細胞/血管再生/血管内皮/脱細胞化/基底膜/血管内皮細胞/再生医療/人工血管/内皮細胞/ヒトiPS細胞/遺伝子
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年9月3日
320
植物の時計が停止する温度では成長も停止することを野外データから発見
工藤洋 生態学研究センター教授と村中智明 同特定研究員(現:名古屋大学助教)、湯本原樹 同研究員(現:信州大学特任助教)、本庄三恵 同准教授らの研究グループは、永野惇 名古屋大学教授、Ji Zhou 英国国立農業植物学研究所(National Institute of Agricultural Botany)教授との共同研究において、アブラナ科多年草のハクサンハタザオを対象とした野外トランスクリプトームと個体モニタリングにより、遺伝子発現の日周リズムが7℃以下で停止すること、その温度帯では成長も停止することを発見しました。 植物には概日時計という1日周期のリズム(日周リズム)を生み出...
キーワード:機械学習/アブラナ科/モニタリング/生態学/概日時計/トランスクリプトーム/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:情報学生物学工学農学
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発表日:2025年9月3日
321
日本初記録のカクレテッポウエビモドキおよびアナジャコ共生者相の整理
邉見由美 フィールド科学教育研究センター助教と伊谷行 高知大学教授の共同研究グループは、日本初記録のテッポウエビ類の一種Betaeus levifronsを5個体採集し、カクレテッポウエビモドキの和名を提唱しました。本種はこれまでロシアのピョートル大帝湾でのみ確認されており日本海固有の分布をしている可能性がありましたが、太平洋岸で記録されたのは今回が初めてです。 本種は、砂泥に巣穴を掘って生活する甲殻類アナジャコUpogebia majorの巣穴内から発見されました。また、本研究では本種の体色の個体差や繁殖期、ミトコンドリアDNAの一部(16S r...
キーワード:ミトコンドリアDNA/rRNA/16S rRNA/甲殻類/ミトコンドリア
他の関係分野:生物学農学
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発表日:2025年8月30日
322
17年ゼミはどう羽化のタイミングを決めているのか?
―野外調査による4年ゲート仮説の検証―
アメリカ東部に生息する周期ゼミ(素数ゼミ)は、 17年または13年の厳密に制御された幼虫期を持ち、地域ごとに複数の種が同調して周期的に発生することで有名です。しかし、その生活環を制御する仕組みは未解明です。 曽田貞滋 理学研究科教授(現:名誉教授)は、昭和医科大学、大阪公立大学、静岡大学、東京科学大学、米国コネチカット大学(University of Connecticut)、米国マウント・セント・ジョセフ大学(Mount St. Joseph University)、米国カリフォルニア大学(University of California)と共同で、周期ゼミの生活史制御に関する「4...
キーワード:ゲノミクス/イミン/遺伝子
他の関係分野:生物学
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発表日:2025年8月28日
323
三次元クロマチン構造に基づく精子幹細胞分化制御機構の解明
― 新たなコヒーシン複合体 STAG3-cohesin の発見 ―
京都大学高等研究院 ヒト生物学高等研究拠点 (WPI-ASHBi)斎藤通紀 拠点長/主任研究者(兼:同大学院医学研究科教授)、同大学院医学研究科長野眞大 助教(研究当時、現:ASHBi連携研究員/マサチューセッツ工科大学博士研究員) 、同大学院医学研究科Bo ...
キーワード:構造形成/遺伝情報/減数分裂/生殖/質量分析/ヒストン/モーター/機能制御/コヒーシン/クロマチン構造/リンパ腫/生殖細胞/免疫系/ゲノム情報/プロモーター/精子形成/免疫沈降/クロマチン/自己複製/染色体/エンハンサー/分化制御/B細胞/アセチル化/マウス/メチル化/遺伝子発現制御/幹細胞/細胞分化/細胞分裂/精子/発現制御/免疫細胞/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現/抗体
他の関係分野:化学生物学総合理工工学総合生物農学
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発表日:2025年8月27日
324
細胞内において自己・非自己の境界線を決定する分子パターンの発見
~自己由来成分の病原体含有液胞をセルオートノマス免疫系が捕捉するメカニズムの解明~
中川一路 医学研究科教授と野澤孝志 同准教授らのグループは、新崎恒平 東京薬科大学教授、山本雅裕 大阪大学教授と笹井美和 同准教授、永井宏樹 岐阜大学教授と久堀智子 同准教授らのグループとの共同研究により、感染宿主の自己成分である細胞膜によって覆われたレジオネラ含有液胞膜が細胞内において非自己としてセルオートノマス免疫系に捕捉される仕組みを解明しました。本研究の成果は、セルオートノマス免疫系が自己成分を「非自己」として識別できる分子機構の一端を明らかにしたとともに、この仕組みの解析はセルオートノマス免疫系に由来する自己免疫疾患発症機構の理解に繋がることが期待されます。 本研究成果は、...
キーワード:GTPase/レジオネラ/病原体/免疫系/細胞膜/分子機構/自己免疫/自己免疫疾患
他の関係分野:生物学工学
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発表日:2025年8月27日
325
テングザルは大きな鼻で声の個性を発揮
―動物園と霊長類学、機械工学とのコラボ―
松田一希 野生動物研究センター教授、西村剛 大阪大学教授と、徳田功 立命館大学教授らの研究グループは、東南アジアの熱帯雨林に生息するテングザルのオスが、天狗のような大きな鼻を通じて発する声を使って、個体認証している可能性があることを発見しました。 テングザルのオスは、成体になるにつれて鼻(外鼻)が大きく発達します。その大きな鼻は、見た目からオスのステータスを示すほか、声の高さを低くして体の大きさをアピールしていると考えられてきました。サルに限らず、さまざまな動物において、声の高さは、それを発する個体の体の大きさとよく相関していることから、相手の体の大きさを識別する手がかりとして使われ...
キーワード:音声コミュニケーション/霊長類/シミュレーション/熱帯雨林/コミュニケーション
他の関係分野:情報学生物学工学農学
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発表日:2025年8月27日
326
ヒトiPS細胞から胸腺上皮細胞を作製
―ヒトナイーブT細胞の再生に向けた技術基盤を開発―
ヒトiPS細胞から成熟した胸腺上皮細胞(iTEC)を作製することに成功した。iTECは、T細胞に抗原提示を受ける能力を賦与する皮質上皮細胞と、自己寛容を担う髄質上皮細胞を含む、多様な上皮細胞集団から構成されていた。iTECは、ヒトT前駆細胞と共培養したオルガノイドを作製すると、多様な反応性をもつナイーブT細胞注1)への分化を支持することができた。今後、ヒト胸腺の発生や小児先天性無胸腺症や胸腺低形成症候群を試験管内で再現するモデルとして、またヒトT細胞再生のための新たな医療...
キーワード:免疫機能/システム構築/突然変異/メモリ/一細胞/CD8/胸腺上皮細胞/抗原受容体/自己寛容/自己免疫寛容/病原体/ビタミン/CAR-T細胞療法/TCR/獲得免疫/抗原提示/抗原特異性/免疫不全/FoxP3/iPS細胞/がん抗原/遺伝子発現解析/胸腺/細胞株/内胚葉/発現解析/免疫染色/免疫逃避/筋肉/思春期/心臓/代謝産物/T細胞受容体/オルガノイド/ヘルパーT細胞/間葉系細胞/自己抗原/前駆細胞/ES細胞/HLA/in vitro/T細胞/がん細胞/がん治療/ビタミンA/マウス/レチノイン酸/遺伝子治療/共培養/抗原/抗原提示細胞/再生医療/細胞療法/自己免疫/自己免疫疾患/受容体/上皮細胞/制御性T細胞/転写因子/分化誘導/免疫応答/免疫寛容/免疫細胞/ウイルス/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/加齢/小児/老化
他の関係分野:複合領域環境学工学総合生物農学
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発表日:2025年8月27日
327
国際宇宙ステーションで凍結保管したマウス精子幹細胞からの子孫作出
―宇宙環境のリスクと可能性を検証―
篠原美都 医学研究科助教と篠原隆司 同教授らのグループは、国際宇宙ステーション(ISS)で半年間凍結保存したマウス精子幹細胞からの子孫作出に成功しました。 これまでに宇宙環境で飼育された動物に精子形成の異常が起こることが指摘されてきましたが、これがどのような原因で生じるのかについては明らかになっていません。宇宙では宇宙線による障害に加えて無重力環境がホルモンのバランスを崩すことも知られており、生体をそのまま解析するだけではその原因に迫ることは困難です。本研究グループは、凍結保存された精子幹細胞をISSで維持して、純粋な生殖細胞にどの程度のダメージがあるのかについて検討しました。半年間...
キーワード:宇宙線/国際宇宙ステーション/生殖/生殖細胞/精子形成/精巣/ホルモン/凍結保存/マウス/幹細胞/精子
他の関係分野:数物系科学生物学
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発表日:2025年8月25日
328
重篤な先天性筋疾患の新たな病態を解明
―細胞内小器官の異常な集積が筋形成を妨げる―
X連鎖性ミオチュブラーミオパチー(XLMTM)は、生まれつき全身の著しい筋力低下を引き起こす、重篤な先天性の筋疾患です。現在、支持療法のほか、遺伝子治療などの先進的な治療法の開発が進められていますが、根本的な治療法はまだ確立されていません。その背景には、筋力低下がどのような仕組みで生じるのか、そのメカニズムが十分に解明されていないという課題がありました。 甲良謙伍 医学部附属病院医員、吉田健司 同助教、滝田順子 同教授、櫻井英俊 iPS細胞研究所准教授らの研究グループは、患者由来のiPS細胞を用いることで、細胞内の様々なシグナルを伝える役割を持つ小器官「リソソーム」が細胞の隅に異常に...
キーワード:筋細胞/細胞内小器官/さんご/iPS細胞/筋肉/リソソーム/遺伝子治療/遺伝子
他の関係分野:生物学農学
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発表日:2025年8月24日
329
清浄な南極地域でもヘイズ現象が出現
―大気化学過程・雲過程を介して気候変動に与える影響も―
矢吹正教 生存圏研究所特定研究員、原圭一郎 福岡大学助教らの研究チームは、1997から2022年の間に南極昭和基地に出現した南極ヘイズの特徴、その発生要因、南極ヘイズの大気化学過程へのインパクトを明らかにしました。 本研究チームによる解析の結果、南極ヘイズ現象は、荒天・強風時に寿命が1年以内の海氷域から大気へ大量の海塩エアロゾル(以下、「海氷起源海塩エアロゾル」)が放出された結果出現することが明らかとなりました。昭和基地の地上付近では、南極ヘイズ現象は主に5-10月に出現し、昭和基地上空の4km付近まで分布していたことが分かりました。さらに南極ヘイズ現象時には、日射環境下では海塩エア...
キーワード:海氷/極域/極地/気候変動/大気化学/オゾン/モニタリング/寿命
他の関係分野:環境学数物系科学工学
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発表日:2025年8月24日
330
「骨」まで剥き出しになった超新星
―宇宙で稀に見る爆発、元素工場の直接的証拠―
武井勇樹 基礎物理学研究所特定研究員、前田啓一 理学研究科教授らの国際研究グループ(米国ノースウェスタン大学(Northwestern University)、スウェーデン・オスカー・クライン・センター(Oskar Klein Centre)、イスラエル・ワイツマン科学研究所(Weizmann Institute of Science)ほか)は、外層をほとんど失い、最深部がむき出しになった大質量星が爆発したと考えられる超新星を世界で初めて発見しました。大質量星は水素やヘリウムから始まって、中心部でより重い元素を次々と生成することで玉ねぎのような層構造を形成し、最深部には鉄の核を取り囲むシリコン...
キーワード:プログラミング/ヘリウム/恒星/恒星進化/新星/数値計算/大質量星/超新星/突発天体/望遠鏡/シリコン/層構造
他の関係分野:情報学数物系科学工学
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発表日:2025年8月24日
331
三次リンパ組織における代謝微小環境の解明
―グルタチオンが鍵となる免疫代謝制御機構―
三次リンパ組織(Tertiary lymphoid structure: TLS)は老化や感染など様々な刺激によって非リンパ臓器に誘導される異所性のリンパ組織で、局所における免疫応答の起点として機能します。腎臓におけるTLSは間質の炎症や尿細管障害を誘導し、IgA腎症や移植腎など様々な病態において腎予後を悪化させることが知られています。一般に免疫器官はリンパ球の増殖や免疫応答のため様々な代謝資源を必要とすることから、TLSの形成過程では劇的な代謝リモデリングが生じていると予想されていましたが、その詳細はこれまで不明でした。 柳田素子 医学研究科教授(兼:高等研究院ヒト生物学高等研究拠...
キーワード:質量分析/モデリング/酸化物/生体内/腎臓病/尿細管/微小環境/免疫染色/リンパ球/グルタチオン/リモデリング/in vitro/マウス/抗酸化/抗酸化物質/腎臓/免疫応答/薬理学/ストレス/バイオマーカー/メタボローム/メタボローム解析/酸化ストレス/非侵襲/老化
他の関係分野:総合理工工学総合生物
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発表日:2025年8月24日
332
幼生は知っている
―動物体表性カサガイの浮遊幼生に見られた着底基質選好性―
中山凌 理学研究科博士課程学生(現:青森県産業技術センター研究員)および中野智之 フィールド科学教育研究センター准教授らは、動物体表性カサガイ類の1種であるコモレビコガモガイについて、浮遊幼生の着底が主要な宿主である巻貝ヒメクボガイの粘液に誘引されることを解明しました。この発見は、本種が浮遊幼生の段階で適した宿主を認識している事を示唆しており、海産無脊椎動物における浮遊幼生の着底メカニズムおよび動物体表性という特殊な生態がもつ適応的意義の理解だけでなく、海洋生態系における共生関係の進化についての重要な知見であるといえます。 本研究成果は、2025年7月29日に、国際学術誌「Venus...
キーワード:海洋/個体群/脊椎動物/生態系/無脊椎動物/海洋生態/海洋生態系/脊椎
他の関係分野:環境学生物学農学
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発表日:2025年8月21日
333
マルチモーダル解析で酸素発生反応(OER)の鍵を握る“活性点”を特定:酸化イリジウム触媒の構造が高性能の秘密を握る
〜水電解によるグリーン水素社会実現へ新たな一歩〜
Neha Thakur 人間・環境学研究科特定研究員、内本喜晴 同教授らの研究グループは、田中貴金属工業株式会社、技術研究組合FC-Cubic、横浜国立大学、九州大学、奈良女子大学、島根大学、立命館大学と共同で、水を電気分解して水素を製造する水電解の鍵となる酸素発生反応(OER)において、酸化イリジウム触媒の高い活性の起源を解明しました。 再生可能エネルギー由来の電力を利用した水電解によるグリーン水素の製造は、カーボンニュートラルへ向けたエネルギーシステムの中で重要な役割を果たします。固体高分子水電解は高効率で高純度な水素製造法であり、酸素発生反応(OER)の触媒の特性がさらなる効率...
キーワード:マルチモーダル/再生可能エネルギー/関数解析/X線吸収分光/光電子分光/相関関数/X線回折/軟X線/赤外分光/高分子/エネルギーシステム/電気分解/電子分光/イリジウム/貴金属/酸素発生反応/カーボンニュートラル/分光測定/カーボン/階層構造/酸化物/水素製造/電子顕微鏡/透過電子顕微鏡/分解能/層構造/高分解能
他の関係分野:情報学環境学数物系科学化学総合理工工学
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発表日:2025年8月21日
334
AI個別最適化スマートフォン認知行動療法を開発
―治療効果35%向上:大規模臨床試験で有効性を確認―
古川壽亮 成長戦略本部特定教授、田近亜蘭 医学研究科准教授、豊本莉恵 同特定助教、野間久史 統計数理研究所教授らの研究グループは、日本で行われた世界最大規模のスマートフォン認知行動療法(CBT)試験(RESiLIENT試験、4,469人参加)のデータに基づき、どういう人にどの認知行動スキルが有効かをAIにより解析し、個人ごとに最適な治療を推奨し介入効果を高める「個別最適化治療(POT)アルゴリズム」を開発しました。 POTアルゴリズムは、ベースライン情報や早期の治療反応から26週時点での抑うつ症状の改善を予測し、各参加者に最適なCBTスキルまたはその組み合わせを推奨します。シミュレー...
キーワード:アルゴリズム/最適化/人工知能(AI)/レジリエンス/シミュレーション/スキル/臨床試験/CBT/うつ/スマートフォン/認知行動療法/抑うつ
他の関係分野:情報学複合領域工学
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発表日:2025年8月21日
335
「非自己iPS細胞を⽤いたパーキンソン病細胞治療の医師主導治験 (Kyoto trial)」における移植後免疫反応の制御戦略と解析
穏やかな免疫抑制でも生着に成功:今回の医師主導治験での免疫抑制療法ではタクロリムス単剤を使用しました。その結果ヒト白血球抗原(HLA)が不一致のレシピエントでも、臨床的には明らかな免疫反応は認めませんでした。高感度検査が示す潜在リスク:HLAが不一致のレシピエントでは、高感度のリンパ球混合試験(MLR)にて潜在的な免疫反応のリスクが示されました。1. 要旨 ...
キーワード:プロトコル/神経系/CD8/ELISA/iPS細胞/TNFα/インターフェロン/インターロイキン/炎症反応/血清/神経前駆細胞/精巣/中枢神経/脳神経外科/免疫抑制/臨床応用/パンデミック/リンパ球/胎児/中枢神経系/白血球/ヘルパーT細胞/細胞移植/前駆細胞/ES細胞/HLA/NK細胞/TNF/T細胞/グリア/パーキンソン病/ファージ/プローブ/マクロファージ/ミクログリア/幹細胞/拒絶反応/血液/抗原/再生医療/細胞治療/自己免疫/自己免疫疾患/樹状細胞/神経細胞/腎機能/腎機能障害/多能性幹細胞/敗血症/副作用/免疫応答/免疫細胞/免疫抑制剤/臨床試験/ウイルス/サイトカイン/ヒトiPS細胞/医師/抗体/臓器移植/動物実験/放射線/臨床研究
他の関係分野:情報学生物学農学
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発表日:2025年8月21日
336
超分子ピラミッドの液中創製に世界初成功!
―前駆体法と超分子重合の組み合わせで実現―
京都大学化学研究所 山内光陽 助教、村上英之 博士後期課程学生、山田容子 教授の研究グループは、量子科学技術研究開発機構 藤田貴敏 博士との共同研究成果として、逆ディールスアルダー反応を利用した熱前駆体法を超分子重合プロセスに導入することで、難溶解性のπ拡張有機化合物テトラベンゾポルフィリンから、ユニークな多層分子集合体『超分子ピラミッド』への自己組織化を液中で達成し、ナノスケールからマイクロスケールへのサイズ拡張に成功しました。有機分子系単結晶などの綺麗な構造体を液中で作るためには、粉末を...
キーワード:分子構造/自己組織/ジエン/高分子/分子集合体/有機分子/前駆体/電子デバイス/ベンゼン/単結晶/ナノスケール/ポリマー/マイクロ/エチレン/組織化/超分子/ポルフィリン/分子集合
他の関係分野:化学総合理工工学農学
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発表日:2025年8月20日
337
関節リウマチの病変部に形成される免疫“拠点”
ー 幹細胞様ヘルパーT細胞の増殖とエフェクター型への分化 ー
関節リウマチは自己免疫疾患(;注1)の1つであり、免疫系の異常が関節の腫れや痛みを引き起こします。これまでの研究において、関節内の滑膜組織に多く存在する末梢性ヘルパーT細胞(peripheral helper T細胞、Tph細胞)が関節リウマチの病態に重要な役割を果たしていることが明らかとな...
キーワード:モニタリング/CD8/免疫系/PD-1/滑膜/関節/治療標的/自己複製/ヘルパーT細胞/B細胞/T細胞/ファージ/マクロファージ/リウマチ/幹細胞/関節リウマチ/自己免疫/自己免疫疾患/免疫細胞/抗体
他の関係分野:工学農学
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発表日:2025年8月19日
338
CAR-T治療、スピードが鍵
―CAR-T細胞療法の待機期間をどう調整するかのヒントを発見―
キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、再発・難治性B細胞リンパ腫に対する治療の切り札として期待されています。本治療では、まず病院で患者さんからT細胞採取を行い、それを原料に細胞調整施設でCAR-T細胞が製造され、完成した細胞が病院に納品されて投与されます。T細胞採取からCAR-T細胞納品までは通常4~6週間を要するうえ、病勢管理や入院調整も必要で、投与までに待機期間が生じます。特に病床数が限られる中、CAR-T細胞療法の件数は増加しており、待機期間は延長傾向です。待機期間延長によって病勢進行や合併症によって治療効果が損なわれる可能性がありますが、治療成績への影響に関するデータがありませんでし...
キーワード:最適化/キメラ/リンパ腫/抗原受容体/CAR-T細胞療法/合併症/B細胞/T細胞/抗原/細胞療法/受容体/化学療法
他の関係分野:情報学農学
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発表日:2025年8月19日
339
小笠原諸島の絶滅危惧のハト 個体数増加の背景に遺伝的浄化
辻本大地 農学研究科博士課程学生(現:同研究員)、井鷺裕司 同教授、高柳真世 東京動物園協会職員、石井淳子 同職員、坂下涼子 上野動物園職員、堀越和夫 小笠原自然文化研究所理事長、鈴木創 同副理事長らの研究グループは、世界自然遺産・小笠原諸島にのみ生息する絶滅危惧種アカガシラカラスバトが、隔絶された小さな島で長年にわたって生き延びてきた過程において、有害な突然変異がゲノムから除去される、いわゆる「遺伝的浄化」が起きていたことを明らかにしました。 一般的に生物が絶滅寸前まで減少すると、近親交配によって劣性の有害変異が発現し、個体数の回復力が著しく低下します。アカガシラカラスバトは200...
キーワード:突然変異/カラス/ゲノム構造/絶滅危惧種/生物多様性/ゲノム情報/ゲノム
他の関係分野:環境学工学農学
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発表日:2025年8月9日
340
ストレスが誘導するグルココルチコイドは急性炎症を促進する
―グルココルチコイドの新規免疫促進作用の発見―
生田宏一 医学研究科特任教授(兼:医生物学研究所連携教授)と榛葉旭恒 同助教(研究当時)らの研究グループは、副腎で産生されるホルモンであるグルココルチコイドが炎症性ヘルパーT細胞であるTh17細胞の発生に必要であることを明らかにしました。さらに、ストレスによって分泌されるグルココルチコイドが、Th17細胞による急性炎症の惹起を促進することを明らかにしました。 ストレスが炎症性疾患の発症に寄与することが知られていますが、ストレスに反応して分泌されるグルココルチコイドが炎症の惹起に関係するかは不明でした。本研究では、サイトカインIL-17を産生して慢性炎症や自己免疫疾患を増悪させるTh1...
キーワード:グルココルチコイド/感染防御/副腎/differentiation/炎症性疾患/炎症性腸疾患/関節/ホルモン/ヘルパーT細胞/液性因子/Th1/Th17細胞/T細胞/マウス/リウマチ/関節リウマチ/好中球/自己免疫/自己免疫疾患/受容体/腸炎/慢性炎症/免疫応答/免疫細胞/サイトカイン/ストレス/細菌/真菌
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発表日:2025年8月9日
341
地熱システムをモデリングする新手法の開発
―自然法則×機械学習による地下の特徴の理解―
附属工学基盤教育研究センターの石塚師也 講師は、九州大学大学院工学研究院地球資源システム工学部門の石須慶一助教、産業技術総合研究所再生可能エネルギー研究センター地熱研究チームの渡邉教弘主任研究員、山谷祐介研究チーム長、東北大学流体科学研究所の鈴木杏奈准教授、ローレンス・バークレー国立研究所の万代俊之博士研究員(研究当時)らと共同で、地熱地域で得られた観測データを基に、地熱システムをモデル化し、地下の高温域および高透水領域の分布、地熱流体の流動経路と移動量等を予測する新たな機械学習手法を開発しました。地熱資源開発においては、観測データを基に直接は見ることのできない地下の状態や資源の分...
キーワード:ニューラルネットワーク/機械学習/再生可能エネルギー/システム工学/ニューラルネット/モデリング/モデル化/資源開発/数値モデル/妥当性
他の関係分野:情報学環境学工学
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発表日:2025年8月9日
342
オピオイド危機から人々を救う画期的鎮痛薬
―京大病院で医師主導臨床試験が実施された―
米国ではフェンタニルなど合成麻薬(オピオイド)の過剰摂取によって、2023年には8万人もの人々が亡くなり、オピオイドクライシスと呼ばれています。それゆえトランプ政権は国境警備の強化などを隣国に迫っていますが、根本的な解決を図るためには、オピオイド鎮痛薬に代わる新薬の開発が必要です。 萩原正敏 医学研究科特任教授、豊本雅靖 同特定准教授らは、ヒトを含む動物は、生命に危機が及ぶような状況に陥ると、ノルアドレナリンを神経細胞から分泌して痛みを抑えていることにヒントを得て、オピオイドとは全く異なる作用機序で働く画期的な鎮痛薬ADRIANA(アドリアーナ)を見出しました。ADRIANAは、癌な...
キーワード:膀胱がん/ノルアドレナリン/神経細胞/副作用/臨床試験/医師
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発表日:2025年8月7日
343
異方的量子スピンジグザグ鎖モデルの予測を実験的に実証
―新たな物質機能性の実現が期待―
堀文哉 理学研究科博士課程学生(現:東北大学助教)、松平広康 同博士課程学生、北川俊作 同准教授、石田憲二 同教授、鈴木大斗 広島大学博士課程学生、鬼丸孝博 同教授の研究グループは、近年提案された異方的量子スピンジグザグ鎖モデルの予測を実験的に実証しました。 固体物理の分野では、通常の磁性体では見られない秩序状態や準粒子の研究が注目されています。以前、同研究のグループは希土類のイッテルビウム(Yb)原子がジグザグ鎖を形成する磁性半導体YbCuS2において、格子間隔と非整合な周期をもつ磁気秩序(非整合磁気秩序)と電気的中性な準粒子を発見しました。この現象を説明する...
キーワード:磁気秩序/準粒子/多極子/多極子秩序/量子コンピュータ/量子スピン/磁性体/磁性半導体/希土類/スピン/スピントロニクス/半導体/機能性/妥当性
他の関係分野:数物系科学総合理工工学農学
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発表日:2025年8月7日
344
サブテラヘルツ帯における6G向け広帯域移動伝送試験装置を開発し、車両向け広帯域移動通信システムの基礎伝送に成功
原田博司 情報学研究科教授、香田優介 同助教らの研究グループは、サブテラヘルツ帯(100 GHz帯)において6G向け広帯域移動伝送試験装置をソフトウェア無線技術により開発し、交差点から約200 m長にわたる車線上で、5G標準化で定められている通信仕様に準拠しつつ、国内の5Gに割り当てられている最大チャネル帯域幅(400MHz)の2倍以上(920MHz)を用いた広帯域移動伝送(伝送レート:1.7 Gbit/s)に成功しました。今回の成果により、交差点における定点映像に代表される車両向け認識情報を移動通信環境において高速に伝送し、より安全な交通社会を実現するための超高速無線通信インフラ構築に関する...
キーワード:移動通信/無線通信/情報学/広帯域/テラヘルツ/標準化
他の関係分野:情報学数物系科学
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発表日:2025年8月7日
345
難病「アミロイドーシス」に“光”を
―アミロイドの無毒化による治療効果を初めて実証―
梶弘典 化学研究所教授は、金井求 東京大学教授と山根三奈 同特任助教らの研究グループ、富田泰輔 同教授、堀由起子 同准教授、山中邦俊 熊本大学准教授、広川貴次 筑波大学教授、相馬洋平 和歌山県立医科大学教授、安東由喜雄 杉村会杉村病院総長、植田光晴 熊本大学教授、水口峰之 富山大学教授の研究グループと共同で、難病「トランスサイレチンアミロイドーシス(ATTR)」に対し、新たな治療戦略を打ち出しました。 本技術の鍵となった触媒は、光と空気中の酸素を使った化学反応(光酸素化)により、疾患モデル動物個体内で毒性のアミロイドを無毒化することができ、治療効果を観察することに初めて成功しました。...
キーワード:分子触媒/疾患モデル動物/アミロイド/モデル動物/疾患モデル/難病
他の関係分野:総合理工
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発表日:2025年8月7日
346
細胞の情報伝達を制御する足場脂質
―アレスチンと膜脂質の協調作用による受容体の細胞内取り込み機構―
細胞はGタンパク質共役型受容体(GPCR)と呼ばれる細胞表面のセンサータンパク質を用いて、外界からの情報分子を細胞内に伝えます。この情報伝達の効率を調節する重要な仕組みの一つに、GPCRの細胞内への取り込み(内在化)による情報伝達の収束があり、アレスチンというタンパク質がその役割を担います。アレスチンがGPCRと結合する際に、機能性膜脂質であるPIP2が関わることが報告されていますが、その詳細な分子機構は不明な点が多く残されていました。 井上飛鳥 薬学研究科教授(兼:東北大学教授)、倉本律輝 東北大学博士課程学生らの研究グループは、アレスチンがPIP2...
キーワード:センサータンパク質/センサー/機能性/膜脂質/細胞膜/分子機構/GPCR/Gタンパク質/Gタンパク質共役型受容体/受容体/創薬/脂質
他の関係分野:環境学工学農学
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発表日:2025年8月6日
347
小児・AYA世代の難治性B細胞性急性白血病に対しブリナツモマブを使用した新たな移植後再発予防治療の可能性を示唆
梅田雄嗣 医学研究科准教授、加藤格 同講師、坂口大俊 国立成育医療研究センター診療部長、坂口公祥 浜松医科大学講師らが中心となり、日本小児がん研究グループ(JCCG)が、難治性B細胞性急性白血病(B-ALL) に対する臨床試験を実施しました。難治性または再発性のB細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)に対して同種造血細胞移植を受けた小児・AYA(思春期・若年成人)患者さんに、免疫療法薬ブリナツモマブ(blinatumomab)を用いた第I相臨床試験 を実施し、この維持療法が安全に実施可能であることを示す研究結果を発表しました。 本研究成果は、2025年7月10日に、国際学術誌「Hae...
キーワード:がん研究/CD19/造血細胞/思春期/細胞移植/免疫療法/B細胞/白血病/臨床試験/小児/小児がん/造血
他の関係分野:複合領域
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発表日:2025年8月5日
348
機械学習による視床下部
-下垂体オルガノイド分化効率予測モデルの構築
機械学習を用いて、ヒトiPS細胞から下垂体オルガノイドへ分化する効率を予測するモデルを構築本モデルは、熟練実験者と比べても高い予測精度を示した予測にはオルガノイド表面の性状が重要であり、これらの違いは細胞腫の違いを反映している1. 要旨 松本 隆作 特定拠点助教(CiRA...
キーワード:画像データ/ニューラルネットワーク/プログラミング/画像認識/機械学習/畳み込みニューラルネットワーク/生細胞/初期発生/CAM/ニューラルネット/表面構造/トロホブラスト/視床/下垂体/視床下部/内分泌学/iPS細胞/遺伝子発現解析/細胞株/中枢神経/発現解析/免疫染色/膵島/ホルモン/予測モデル/オルガノイド/前駆細胞/発生学/リプログラミング/遺伝子治療/幹細胞/再生医療/神経幹細胞/神経細胞/創薬/胎盤/内分泌/分化誘導/網膜/アレルギー/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/新生児/糖尿病
他の関係分野:情報学化学生物学工学農学
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発表日:2025年8月5日
349
エレクトロポレーション(電気穿孔法)を用いたカブトムシの遺伝子機能解析手法の確立に成功
安藤俊哉 白眉センター/農学研究科特定准教授、左倉和喜 基礎生物学研究所研究員、森田慎一 同助教、新美輝幸 同教授、重信秀治 同特任教授らからなる共同研究チームは、カブトムシTrypoxylus dichotomusにおけるエレクトロポレーション(電気穿孔法)を用いた遺伝子機能解析手法の確立に成功しました。基礎生物学研究所の新美研究室では、カブトムシが進化の過程で角を新奇形質として獲得した過程について明らかにするための研究を進めており、それに必要な研究手法の開発を独自に行っています。これまでに、カブトムシのゲノム解読、RNA干渉法による遺伝子機能の抑制に成功していました。今回...
キーワード:プラスミド/機能解析/エレクトロポレーション/遺伝子機能解析/蛍光タンパク質/緑色蛍光タンパク質(GFP)/RNA/RNA干渉/RNA干渉法/ゲノム/遺伝子
他の関係分野:農学
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発表日:2025年8月5日
350
難病・視神経脊髄炎 (NMO)の病態解明へ前進
京都大学大学院医学研究科 免疫細胞生物学上野英樹教授(兼・同高等硏究院ヒト生物学高等研究拠点(WPI―ASHBi))、臨床神経学 高橋良輔教授(研究当時、現:総合研究推進本部 特定教授)、錦織隆成 同博士課程学生(研究当時、現:医学部附属病院 特定助教)らの研究グループ...
キーワード:生細胞/神経系/前駆体/フローサイトメーター/治療標的/中枢神経/代謝産物/中枢神経系/自己抗体/病態解明/B細胞/アクアポリン/血液/抗原/細胞生物学/自己免疫/自己免疫疾患/免疫応答/免疫細胞/抗体/難病
他の関係分野:化学生物学工学総合生物
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発表日:2025年8月5日
351
関節リウマチにおける霊長類特異的な新規サイトカインを同定
関節リウマチは免疫細胞が自己の関節を攻撃して炎症や関節破壊をきたす疾患です。これまでの研究から関節に存在する滑膜という組織の中に存在するヘルパーT細胞が、関節リウマチの病態に重要な役割を果たしていることが明らかになっていましたが、関節内においてどのように炎症に関わるのか詳しくはわかっていませんでした。本研究概要図: IGFL2遺伝子は比較的ヒトに近い霊長類に認められるサイトカインです。関節リウマチの滑膜組織でTph細胞はB細胞の抗体産生に関わるだけでなくIGFL2を産生することで、T細胞分化やマクロファージの活性化に関わります。...
キーワード:霊長類/モニタリング/滑膜/関節/治療標的/整形外科学/動物モデル/臨床応用/白血球/ヘルパーT細胞/B細胞/T細胞/ケモカイン/ファージ/マクロファージ/リウマチ/関節リウマチ/血液/細胞生物学/細胞分化/免疫細胞/サイトカイン/バイオマーカー/遺伝子/抗体
他の関係分野:生物学工学
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発表日:2025年8月5日
352
マイクロRNA-33の阻害は筋ジストロフィーを改善させる
―核酸医薬による治療応用―
筋ジストロフィーは、進行性の骨格筋変性と筋力低下を引き起こす遺伝性疾患であり、中でもデュシェンヌ型は最も重症な型とされています。栄養管理やリハビリテーションなどの支持療法によって病状の進行を抑制でき、エキソンスキッピングなどの核酸医薬が特定の遺伝子変異を有する患者さんに対する新たな治療法として開発されています。しかし、筋ジストロフィーを治癒させる治療法は、未だ確立されていません。 堀江貴裕 医学研究科准教授、尾野亘 同教授らの研究グループは、マイクロRNA(miRNA; miR)-33が骨格筋の再生に重要な働きを持っており、筋ジストロフィーの病態形成に密接に関わっていることを見出しま...
キーワード:人工核酸/遺伝性疾患/マイクロ/筋ジストロフィー/骨格筋/モデルマウス/リハビリ/RNA/マウス/核酸医薬/miRNA/リハビリテーション/遺伝子/遺伝子変異/脂質/脂質代謝
他の関係分野:化学生物学工学総合生物
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発表日:2025年8月2日
353
「液体のり」の成分を利用した悪性胸膜中皮腫治療
―ホウ素中性子捕捉療法用ポリビニルアルコール製剤の実用化に向けた画期的一歩―
鈴木実 複合原子力科学研究所教授は、ポリビニルアルコール(PVA)製剤の実用化を目指し、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に使用されるホウ素薬剤や類似化合物に、液体のりに使われるPVAを加えると、腫瘍集積性・滞留性、抗腫瘍効果が劇的に向上することを発見してきた小成田翔 東京大学特別研究学生、野本貴大 同准教授ら、およびステラファーマ株式会社(BNCT用医薬品を製造販売する企業)らと共同で改良を重ねてきた結果、悪性胸膜中皮腫を模倣したマウスの胸部悪性腫瘍を、副作用を抑えながら治療し、生存率を大幅に向上することに成功しました。近年普及しつつある加速器型中性子線源と組み合わせることで、悪性胸膜中皮腫を...
キーワード:加速器/中性子/ポリビニルアルコール/原子力/ホウ素/中性子捕捉療法/アルコール/悪性腫瘍/マウス/抗腫瘍効果/副作用
他の関係分野:数物系科学化学工学農学
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発表日:2025年8月2日
354
⽝は⼈を評価する?
―飼い犬は「気前のよい人」を選ぶのか―
「犬には人を見る目がある」とよく言われますが、犬が人間の行動を観察し評価しているかは、まだ明らかではありません。以前にオーストリア・ウルフ・サイエンス・センター(Wolf Science Center)で行われた研究では、群れ飼育の犬やオオカミは人間についての評価を形成しないことが示されていました。 この度、ジム・ホイラム 人と社会の未来研究院特定研究員(研究当時:オーストリア・ウィーン獣医大学(University of Veterinary Medicine, Vienna)博士課程学生)らは、同獣医大学クレバー・ドッグ・ラボ(Clever Dog Lab)でペット犬40頭を対象...
キーワード:社会的認知/オーストリア/認知能力
他の関係分野:情報学環境学
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発表日:2025年7月30日
355
コケ植物の栄養繁殖と有性生殖の両方に必要な鍵制御因子を発見
―ゼニゴケの転写因子SHOT GLASSの機能を明らかに―
山岡尚平 生命科学研究科准教授、酒井友希 神戸大学特命講師、石崎公庸 同教授、深城英弘 同教授らと、加藤大貴 愛媛大学准教授らの研究グループは、モデル植物ゼニゴケ(Marchantia polymorpha)において、繁殖に関わる器官の形成を制御する鍵転写因子SHOT GLASSを発見し、その働きを明らかにしました。 ゼニゴケは栄養繁殖と有性生殖により繁殖します。栄養繁殖では杯状体とよばれる栄養繁殖器官が、有性生殖では雌雄の有性生殖器官が形成されますが、いずれも器官形成のメカニズムは明らかになっていませんでした。そこで、本研究グループは、器官形成に関与すると思われる...
キーワード:コケ植物/ゼニゴケ/器官形成/生殖/遺伝子破壊/シロイヌナズナ/遺伝子制御ネットワーク/有性生殖/遺伝子制御/転写因子/遺伝子
他の関係分野:生物学農学
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発表日:2025年7月30日
356
老化した細胞が鉄で死なない仕組みを解明
〜リソソームの酸性度が細胞死の鍵を握る〜
松岡悠太 医学研究科特定助教、杉浦悠毅 同特定准教授、羅智文 がん研究会特任研究員、周翔宇 同博士研究員、高橋暁子 同部長らの研究グループは、正常な細胞においては酸性に保たれている細胞内分解器官であるリソソームの内部が老化細胞では中性に近づくことで、老化細胞においてリソソーム内部に鉄が滞留し、鉄依存性の細胞死である「フェロトーシス」が生じにくくなることを明らかにしました。 正常な細胞がさまざまなストレスを受けた結果として生じる老化細胞は、慢性的な炎症環境をつくることで、がんを含む加齢性疾患の発症や進行を促進することが知られています。近年、老化細胞に蓄積した鉄が炎症性因子の誘導や病態の...
キーワード:がん研究/タンパク質複合体/抵抗性/細胞内分解/老化細胞/膵臓/モデルマウス/がん細胞/マウス/リソソーム/細胞死/酸化反応/膵臓がん/ストレス/加齢/脂質/老化
他の関係分野:複合領域生物学農学
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発表日:2025年7月30日
357
クリオピリン関連周期熱症候群の経時的解析
―成人期以降の発症にクローン性造血が関与―
クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)は、NLRP3遺伝子の変異によって発症する自己炎症性症候群です。発熱や皮疹に加え、重症例では関節病変や眼病変、中枢神経病変を合併します。病態の中心は炎症性サイトカインIL-1βの過剰産生であり、抗IL-1療法が有効とされています。近年、NLRP3遺伝子の体細胞モザイク変異によるCAPSの報告が増加していますが、体内で変異率がどのように推移するのか、また発症時期の違いやクローン性造血との関連は明らかになっていませんでした。 加藤健太郎 医学研究科博士課程学生(現:天理よろず相談所病院医員)、井澤和司 同講師、八...
キーワード:クローン/関節/中枢神経/炎症性サイトカイン/血液/サイトカイン/遺伝子/造血
他の関係分野:生物学
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発表日:2025年7月30日
358
爆発的記憶想起を実現するニューラルネットワークを開発
―曲がった統計多様体がもたらす新理論―
物理・生命・社会といった複雑なシステムでは、構成要素が同時に関係し合う高次相互作用が、創発的な変化や多様な振る舞いを生み出すうえで本質的な役割を果たしていることが明らかになってきています。こうした高次相互作用は脳のような生物のネットワークにおける情報の表現や、人工ニューラルネットワークの性能向上にも関与していると考えられています。しかし、それらを一貫した原理に基づいて扱える理論的枠組みは、これまで十分に整備されていませんでした。 島崎秀昭 情報学研究科准教授(兼:北海道大学客員准教授)、Miguel Aguilera スペイン・バスク応用数学センター(Basque Center fo...
キーワード:ロバスト/アーキテクチャ/AI/ニューラルネットワーク/フレームワーク/情報学/人工知能(AI)/符号化/多様体/応用数学/統計物理/統計物理学/非線形/複雑系/エントロピー/相転移/自己制御/ニューラルネット/フィードバック/モデリング/ロバスト性/非線形性/記憶想起/ニューロン/神経細胞
他の関係分野:情報学数物系科学生物学工学農学
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発表日:2025年7月30日
359
西之島の大規模噴火により絶滅した植物個体群の起源を解明
中野智之 フィールド科学教育研究センター准教授、野田博士 理学研究科特定助教、髙山浩司 東京都立大学教授らの研究チームは、小笠原諸島の西之島にかつて生育していたスベリヒユ(Portulaca oleracea)の遺伝的特徴を解析し、同島の個体群が小笠原諸島の他の島から由来していたことを明らかにしました。さらに、西之島の個体群は独自の遺伝的組成を持つことから、定着過程における創始者効果や遺伝的浮動の影響を強く受けた可能性が示唆されました。本研究は、激しい火山活動により植生が完全に消失した西之島にかつて生育していた植物群落の成立過程を遺伝子情報に基づき解明したもので、海洋島におけ...
キーワード:海洋/火山活動/個体群/植物群落/海洋生物/生態系/遺伝子
他の関係分野:環境学数物系科学生物学農学
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発表日:2025年7月29日
360
界面活性剤フリーの高活性電極触媒を開発
―構造生物電気化学に基づく酵素の合理的設計―
足立大宜 農学研究科特定研究員、市川小夏 同修士課程学生、宋和慶盛 同助教、宮田知子 大阪大学特任准教授、牧野文信 同招へい准教授、難波啓一 同特任教授、株式会社テクノプロの田中秀明氏らの共同研究グループは、Gluconobacter japonicusという酢酸菌由来のフルクトース脱水素酵素(FDH)の膜結合領域欠損変異体を開発し、直接電子移動型酵素電極反応(DET型反応)における活性向上を実現しました。 FDHは、酢酸菌の呼吸鎖電子伝達系を構成する酵素で、フルクトース(果糖)を酸化します。本酵素は、電極との直接的な電子移動ができるユニークな特徴を有しており、優れ...
キーワード:最適化/電子移動/電子伝達/酵素電極/電極触媒/生体触媒/脱水素/バイオエレクトロニクス/反応速度/電極反応/電池/燃料電池/界面活性剤/電気化学/電子顕微鏡/電子顕微鏡観察/生体内/エネルギー変換/変異体/酵素活性/バイオ燃料/クライオ電子顕微鏡/細胞膜/構造変化/電子伝達系/立体構造
他の関係分野:情報学化学生物学総合理工工学総合生物農学
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発表日:2025年7月29日
361
ヒトiPS細胞由来の気道および肺胞モデルでウイルス感染を再現
―気道と肺胞で異なる免疫応答を可視化した生体模倣システム―
マイクロエンジニアリング専攻の横川隆司教授、Sachin Yadav博士後期課程学生(現、アステラス製薬株式会社)らの研究グループは、医生物学研究所野田岳志教授、iPS細胞研究所後藤慎平教授らと共同で、ヒトiPS細胞から作製した肺前駆細胞を用いて、気道および肺胞という2つの呼吸器部位を模倣する生体模倣システム(Microphysiological systems (MPS))を開発しました。このモデルを用いて、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)およびインフルエンザウイルス感染後の細胞傷害や自然免疫応答を再現することに成功しました。生体模倣システムでは、ヒト臓器細胞をマイクロ流...
キーワード:生体模倣/MPS/マイクロ/マイクロ流体/SARS-CoV-2/iPS細胞/インターフェロン/ウイルス感染症/血管内皮/細胞株/パンデミック/新型コロナウイルス/前駆細胞/病態解明/インフルエンザ/インフルエンザウイルス/ケモカイン/スクリーニング/マイクロ流体デバイス/幹細胞/自然免疫/免疫応答/ウイルス/ヒトiPS細胞/感染症/個別化医療/新型コロナウイルス感染症
他の関係分野:工学
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発表日:2025年7月28日
362
「色の変化」で目に見えない有害物質の存在を知らせる金属材料を開発
–3d遷移金属錯体で検出できる物質の拡大に期待–
ガラス基礎科学講座の増野敦信 特定教授ら弘前大学大学院理工学研究科の村上辰成 大学院生(博士後期課程2年生)、太田俊 准教授、岡﨑雅明 教授の共同研究グループは、揮発性有機化合物(VOC)を検出する新たなメカニズムを発見しました。VOCは、常温常圧で揮発性を有し、大気中へと放出されやすい有機化合物の総称です。VOCの多くは、健康被害や大気汚染を引き起こすため、高価な分析機器を用いずにVOCを検出できる材料が求められています。そのような材料として、化合物の蒸気に応答して可逆的に色が変化する性質(ベイポクロミズム)を示す3d遷移金属錯体が注目されています。しかし、従来の3d遷移金属錯体の...
キーワード:揮発性有機化合物/カゴメ格子/アニオン/カルベン/ヘテロ環/金属錯体/遷移金属錯体/遷移金属/有害物質/メタン/金属材料/大気汚染/カチオン
他の関係分野:環境学数物系科学化学総合理工工学
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発表日:2025年7月27日
363
木材が曲がる瞬間をナノ・ミクロの世界で初めて観察
―放射光で明かされたマルチスケール構造変化―
木材を大きく曲げると、肉眼では見えないナノからミクロスケールの構造にどのような変化が起きるのでしょうか。 この度、田中聡一 生存圏研究所助教、今井友也 同教授、神代圭輔 京都府立大学准教授、堀山彰亮 産業技術総合研究所研究員らの研究グループは、大型放射光施設「SPring-8」で行った小角X線散乱(SAXS)と広角X線回折(WAXD)による「その場観察」で、木材が曲がる瞬間のナノ・ミクロ構造の変化を世界で初めて捉えました。木材を曲げると、凸側(外側)は引っ張られて伸び、凹側(内側)は圧縮されて縮みます。得られたSAXSデータを、Paavo Penttilä フィンランド・アールト大学...
キーワード:フィンランド/SPring-8/X線回折/放射光/広角X線回折/小角X線散乱/その場観察/ナノメートル/ナノ構造/ひび割れ/マルチスケール/セルロース/バイオマス/細胞壁/構造変化
他の関係分野:情報学数物系科学化学工学農学
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発表日:2025年7月27日
364
理論物理学が解き明かす体内時計の新たな仕組み
―遺伝子活性の時間的な変化の形がカギ―
國廣悌二 基礎物理学研究所特任教授、儀保伸吾 理化学研究所客員研究員、黒澤元 同専任研究員、初田哲男 同部門長の共同研究グループは、私たちの睡眠と覚醒のタイミングをつかさどる「体内時計」の周期が、温度に影響されない仕組みを、理論物理学の手法を用いて明らかにしました。 本研究の成果は、体内時計の仕組みを新しい視点から説明する理論的枠組みを提供するものです。 普通は温度が高くなると化学反応は速くなって周期も短くなりそうですが、体内時計は、温度が変わっても約24時間の周期を保ちます(「温度補償性」)。なぜ温度にかかわらず体内時計が周期を一定に保てるのかは長年の謎でした。...
キーワード:くりこみ群/ひずみ/振動現象/mRNA/体内時計/イミン/遺伝子/睡眠
他の関係分野:数物系科学工学総合生物
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発表日:2025年7月27日
365
CAR-T細胞の「攻撃力」を予測
―CAR-T製造中の細胞増殖が治療効果と相関する―
再発・難治性B細胞リンパ腫に対する治療の切り札としてキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法が期待されていますが、CAR-T細胞療法の治療効果は症例ごとに大きく異なります。治療効果はリンパ腫細胞の性質(防御力)にも依存しますが、CAR-T細胞は患者さん自身から採取したT細胞を原料として製造されることから、症例ごとに原料T細胞の機能に差があり、できあがったCAR-T細胞自体の抗腫瘍効果(攻撃力)が異なることが知られるようになってきています。そのためCAR-T細胞の「攻撃力」を評価するバイオマーカー同定が喫緊の課題です。 城友泰 医学部附属病院助教、新井康之 同講師、長尾美紀 同教授、北脇年...
キーワード:キメラ/リンパ腫/CD19/抗原受容体/CAR-T細胞療法/個別化治療/B細胞/T細胞/抗原/抗腫瘍効果/細胞増殖/細胞療法/受容体/バイオマーカー
他の関係分野:農学
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発表日:2025年7月27日
366
iPS細胞由来巨核球の免疫シグナル調節による血小板産生の改善
LIN28Aは、ヒトiPS細胞由来巨核球細胞株において、let-7マイクロRNA-RALB軸を介して血小板産生を調節する。STAT1はDNAメチル化を介してLIN28Aの発現を制御し、その阻害は細胞老化を抑制して血小板産生を促進する。1. 要旨 橋本一哉元大学院生(現 京都大学医学部附属病院麻酔科 助教)、...
キーワード:最適化/GTPase/塩基配列/バイオリアクター/マイクロ/核分裂/生産性/リン酸/トロンビン/少子高齢化/遺伝子操作/STAT/巨核球/iPS細胞/Ras/インターフェロン/インターロイキン/遺伝子制御/細胞株/細胞老化/臨床応用/分子標的/再生医学/前駆細胞/造血幹細胞/不均一性/DNAメチル化/RNA/RNA結合タンパク質/siRNA/メチル化/レンチウイルス/遺伝子治療/遺伝子導入/幹細胞/血液/血小板/再生医療/細胞周期/細胞増殖/細胞分裂/転写因子/発現調節/免疫応答/薬理学/臨床試験/ウイルス/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/感染症/高齢化/造血/標準化/臨床研究/老化
他の関係分野:情報学生物学工学農学
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発表日:2025年7月27日
367
画像解析と機械学習を用いたヒトiPS細胞の分化効率の早期・非破壊予測法を開発
機械学習を用いることで、位相差細胞画像から分化効率を非破壊的に予測することに成功した。骨格筋幹細胞の82日目における分化効率を24~34日目の画像から早期に予測できることが明らかとなった。効率のよい分化細胞の取得に貢献し、ヒトiPS細胞を用いた再生医療研究が加速することが期待される。1. 要旨 北條未来 元研究員(当時:CiRA...
キーワード:ランダムフォレスト/画像データ/機械学習/主成分分析/筋分化/ボトルネック/フーリエ変換/ミオシン/differentiation/iPS細胞/臨床応用/筋肉/骨格筋/妥当性/遺伝子導入/幹細胞/再生医療/細胞分化/創薬/分化誘導/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/難病
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発表日:2025年7月27日
368
自然界の構造体はどこまで再設計できるか?
―人工タンパク質設計で細胞骨格様構造を創出―
細胞の形や動きは、アクチンやチューブリンなどのタンパク質が織りなす繊維状の「細胞骨格」によって支えられています。細胞骨格は、細胞内外の環境に応じて集合や分解を繰り返す柔軟な構造体であり、その動的な性質は生命現象の根幹をなしています。こうした複雑で変化に富んだタンパク質集合体のしくみを理解するために、タンパク質を自在に設計し、動的な構造を人工的に再現するという新たなアプローチが注目されています。 京都大学アイセムス(高等研究院 物質ー細胞統合システム拠点:WPI-iCeMS)野地真広特定研究員と鈴木雄太特定助教(JSTさきがけ研究者)を中心とする研究グループは、異なる...
キーワード:環境変化/らせん構造/電子顕微鏡/統合システム/アクチン繊維/人工タンパク質/バイオマテリアル/アミノ酸配列/アクチン/アミノ酸/チューブリン/細胞骨格
他の関係分野:複合領域化学工学総合生物
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発表日:2025年7月27日
369
がん治療にも!マウスでタンパク質分解
―デグロンタグで体内のタンパク質分解―
成瀬智恵 医学研究科准教授、浅野雅秀 同教授(研究当時)、宮崎龍彦 岐阜大学教授、杉山文博 筑波大学教授らの研究グループは、特定のタンパク質を必要な時だけ除去するデグロンシステムを用いて、人工的にマウス、ラットおよびヒト細胞に導入した蛍光タンパク質や、マウスの内在性PD-1の分解および移植したがん細胞株の増殖抑制に成功しました。 本研究で使用したタンパク質分解システムは、同研究グループが以前開発した実験系よりも、予期せぬタンパク質の分解が少なく、様々な生物現象の研究や病気の治療法の研究などに応用することが期待できます。 本研究成果は、2025年7月18日に、国際学術誌「iS...
キーワード:増殖抑制/PD-1/蛍光タンパク質/細胞株/がん細胞/がん治療/タンパク質分解/マウス/ラット
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発表日:2025年7月23日
370
機能から見るトランスポゾン新分類法の開発
古代にゲノムへ取り込まれたウイルス由来遺伝子の機能解明を目指し
キーワード:塩基配列/霊長類/転移因子/トランスポゾン/系統解析/ヒトゲノム/遺伝子制御/反復配列/次世代シーケンサー/ウイルス/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
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発表日:2025年7月22日
371
カンムリワシはなぜ有毒外来種を捕食できるのか
―毒耐性遺伝子の進化的背景―
日本では沖縄県の西表島と石垣島のみに生息するカンムリワシは、絶滅危惧IA類に指定される希少な猛禽類です。カンムリワシの特徴的な生態のひとつに、「外来種である毒を持つオオヒキガエルを食べる」という行動が挙げられます。 強い毒を分泌することで知られるオオヒキガエルは、1978年に石垣島に持ち込まれました。同様に、オオヒキガエルが人為的に持ち込まれたオーストラリアでは、その毒によって捕食者が中毒死した例が報告されています。しかし、石垣島のカンムリワシはこのカエルを食べている姿が頻繁に観察されているにもかかわらず、中毒症状を起こしたという報告例はありません。なぜカンムリワシはオオヒキガエルを...
キーワード:外来種/生態系保全/カエル/生態系/遺伝子
他の関係分野:環境学農学
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発表日:2025年7月22日
372
超分子配位子設計による金ナノクラスター触媒の高活性化
上田恭輔 化学研究所修士課程学生(研究当時)、中村正治 同教授、磯﨑勝弘 同准教授らの研究グループは、単一組成を有する分子状の金25核ナノクラスターにおいて、保護配位子であるチオラート上の置換基として水素結合性のペプチドが樹状に分岐したペプチドデンドロンを用いることで、金ナノクラスター表面に超分子反応場が形成され、触媒活性が大きく向上することを見出しました。 これまで金属ナノクラスターにおける配位子は構造安定化のために用いられることが一般的であり、配位子上の置換基を活用した触媒特性や選択性の向上に関する知見は浅く、未だ発展途上の分野でした。本研究では、超分子反応場を活用することで、通...
キーワード:ナノクラスター/触媒反応/反応場/有機分子/選択性/反応速度/超分子/配位子/分子変換
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発表日:2025年7月20日
373
腸内細菌は樹状細胞を介して腸から離れたがんの免疫環境に影響する
―免疫チェックポイント阻害薬の作用に関与する新たな腸内細菌を同定―
西川博嘉 医学研究科教授(兼:国立がん研究センター分野長、名古屋大学教授)、小山正平 国立がん研究センター部門長(研究当時:同研究員、大阪大学特任准教授)、辨野義己 腸内フローラ研究所理事長(研究当時:理化学研究所特別招聘研究員)らの研究チームは、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果を高める新たな腸内細菌としてルミノコッカス科に属するYB328株を同定し、その培養と作用メカニズムの解明に成功しました。 YB328株が腸内で免疫応答の司令塔である樹状細胞を活性化し、その樹状細胞ががん組織まで移動することで免疫効果を発揮するとともに、腸内細菌叢の多様化を通じた樹状細胞のさらなる活性化によ...
キーワード:がん研究/腸内フローラ/CD8/PD-1/がん免疫/がん免疫療法/臨床応用/腸内環境/免疫療法/T細胞/がん治療/樹状細胞/免疫チェックポイント/免疫チェックポイント阻害薬/免疫応答/免疫細胞/細菌/細菌叢/腸内細菌/腸内細菌叢
他の関係分野:複合領域総合生物農学
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発表日:2025年7月16日
374
次世代AIで磁性材料のエネルギー損失の原因を解明
~省エネルギーな次世代EV開発への応用に期待~
平岡裕章 高等研究院教授は、谷脇三千輝 東京理科大学修士課程学生(研究当時)、小嗣真人 同教授らの研究グループと、次世代の説明可能AI「拡張型自由エネルギーモデル」を用いて、実際の磁性材料のエネルギー損失の原因を明らかにしました。 電気自動車(EV)の心臓部であるモーターでは、磁性材料が発生する「エネルギー損失(鉄損)」が、大きな効率低下の原因となっています。この損失はモーター全体の約30%を占め、世界規模では年間約6億トンのCO2排出に相当する深刻な課題です。しかしこれまで、その損失のメカニズムは詳しく解明されておらず、材料設計のボトルネックとなっていました。...
キーワード:最適化/自由エネルギー/人工知能(AI)/トポロジー/エネルギー利用/半導体デバイス/省エネ/ボトルネック/熱力学/材料設計/磁性材料/電池/エネルギーモデル/モーター/自動車/省エネルギー/電気自動車/二酸化炭素/半導体/心臓
他の関係分野:情報学数物系科学工学
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発表日:2025年7月15日
375
iPS細胞から成人型に近い「成熟心外膜」を効率的に創出する新技術の開発
〜心臓再生医療の新たな可能性を拓く〜
ヒトiPS細胞から機能的な成熟心外膜を効率的に生成する新手法を確立し、心臓再生医療に新たな可能性をもたらしました。mTORシグナル伝達の抑制が心外膜の成熟と休止期状態を誘導する鍵であることを解明し、心臓の発達と修復における重要なメカニズムを明らかにしました。確立した成熟心外膜モデルを活用したスクリーニングにより、心臓再生を促す新たな薬剤候補を同定し、心臓病治療薬の開発を加速させます。1. 要旨 Yu Tian 研究員(CiRA...
キーワード:スループット/プロトコル/機械学習/人工知能(AI)/毒性評価/筋細胞/ハイスループットスクリーニング/CVD/モデル化/自動化/ハイスループット/WT1/心臓発生/iPS細胞/橋渡し研究/心筋/心筋細胞/組織構築/病理/免疫染色/薬剤スクリーニング/臨床応用/心筋梗塞/心臓/胎児/評価法/オルガノイド/上皮間葉転換(EMT)/in vitro/スクリーニング/トランスクリプトーム/ラット/遺伝子治療/化合物ライブラリー/再生医療/細胞増殖/上皮細胞/阻害剤/創薬/転写因子/内皮細胞/副作用/立体構造/タイトジャンクション/ヒトiPS細胞/遺伝子/抗がん剤/標準化
他の関係分野:情報学複合領域生物学工学総合生物
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発表日:2025年7月14日
376
マウスモデルで細胞老化のメカニズムに迫る老化細胞が周囲の細胞に与える影響
ドキシサイクリン(Dox)依存的に老化が誘導された一次老化細胞(mCherry陽性)と、その周囲で二次的に老化が誘導された二次老化細胞(GFP陽性)を、フローサイトメトリー(セルソーター)を用いてそれぞれ識別・分離することが可能なモデル。 2)細胞老化が肝臓の領域局在性を乱す 肝臓は肝細胞を中心とした肝小葉構造の集合体から構成されており、門脈側から中心静脈側にかけて異なる機能を担う「領域局在性(zonation)」を有していることが知られています。この領域は主に3つに分類され、per...
キーワード:分解能/インフォマティクス/セルソーター/遺伝子改変/一細胞/生体内/生体組織/iPS細胞/p21/インターロイキン/がん遺伝子/サイクリン依存性キナーゼ/マウスモデル/炎症反応/細胞老化/組織修復/発現解析/病理/病理学/老化細胞/可塑性/胎児/大腸/P38/フローサイトメトリー/モデルマウス/線維芽細胞/DNA損傷/MAPK/RNA/がん細胞/キナーゼ/ストレス応答/ファージ/マウス/マクロファージ/遺伝子改変マウス/遺伝子治療/炎症性サイトカイン/肝細胞/再生医療/細胞周期/受容体/生理活性/生理活性物質/阻害剤/転写因子/培養細胞/免疫応答/免疫細胞/ウイルス/サイトカイン/ストレス/遺伝子/遺伝子発現/加齢/細菌/生理学/創傷治癒/老化
他の関係分野:工学総合生物
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発表日:2025年7月11日
377
新規共有結合性アスパラギン合成酵素阻害剤スタキベンザール類の発見
―がん代謝特性を標的とする抗がん剤の開発に期待―
掛谷秀昭 薬学研究科教授、Lei Zhang 同博士課程学生、植草秀裕 東京科学大学教授、堂前直 理化学研究所ユニットリーダー、平野秀典 慶應義塾大学特任准教授らの研究グループは、新規共有結合性アスパラギン合成酵素(ASNS)阻害剤として、スタキボトリス属の糸状菌が生産する新規化合物スタキベンザールA~Cを見出し、非小細胞肺がんに対する抗がん剤シーズとしての有望性を明らかにしました。 アスパラギン合成酵素(ASNS)は、L-グルタミン(L-Gln)を窒素源として、L-アスパラギン酸(L-Asp)からL-アスパラギン(L-Asn)を生合成する酵素であり、L-Asnのde novo合成に...
キーワード:悪性化/メロテルペノイド/微生物代謝/糸状菌/酵素活性/生合成/微生物/酵素阻害/小細胞肺がん/がん代謝/代謝産物/大腸/アミノ酸/テルペノイド/抗がん剤耐性/酵素阻害剤/阻害剤/大腸がん/白血病/非小細胞肺がん/化学療法/抗がん剤/肺がん
他の関係分野:生物学総合生物農学
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発表日:2025年7月11日
378
高反応性部位が協調する、新たな低配位元素化学の開拓
―2つの二価ゲルマニウム部位を炭素で架橋した分子の動的挙動と反応性―
水畑吉行 化学研究所准教授、内田大地 同博士課程学生、行本万里子 同助教(研究当時)、時任宣博 名誉教授、山内光陽 同助教、山田容子 同教授らの研究グループは、水素や二酸化炭素といった小分子の活性化で注目されるゲルミレン(R2Ge:)の化学を拡張し、炭素原子(メチレン基)で2つのゲルミレン部位を直接つないだ新しい化合物「メチレン架橋1,3-ビスゲルミレン」の合成に世界で初めて成功しました。この分子は、固体では環状の構造(二量体)を形成し、溶液中では元の解離した構造へと可逆的に変化する“動的挙動”を示すという極めてユニークな性質を持ちます。 この化合物は、従来の安...
キーワード:典型元素/芳香族/二量体/芳香族分子/ベンゼン/動的挙動/ゲルマニウム/電子構造/二酸化炭素/分子設計
他の関係分野:化学工学
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発表日:2025年7月11日
379
成長期における脂肪酸とアミノ酸の過剰摂取が将来の寿命を短縮する
―幼若体内のヒストン修飾酵素の機能の低下を経て―
成長期の栄養環境(栄養履歴)は、成人した後の疾患の発症リスクや寿命にまで、成長期を越えて影響しうることが報告されています。しかし、そのメカニズムには不明な点が多く残されています。 水谷祥子 生命科学研究科博士課程学生(兼:同日本学術振興会特別研究員(DC2))(研究当時)、服部佑佳子 同助教(現:白眉センター/生命科学研究科特定准教授)、上村匡 同教授(現:名誉教授)らの研究グループは、モデル生物キイロショウジョウバエの幼虫に、特定の脂肪酸と分岐鎖アミノ酸を過剰に摂取させると、成虫になった後に標準的な餌で飼育しても寿命が短縮することを発見しました。そして、この栄養履歴の下で成長した幼...
キーワード:ヒストン/モデル生物/哺乳類/寿命/成長期/アミノ酸/ショウジョウバエ/ヒストン修飾/脂肪酸
他の関係分野:工学総合生物農学
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発表日:2025年7月11日
380
サンゴ共生藻類の進化の道筋
―自由生活から共生生活へ:デンプンから紐解く分子進化メカニズム―
熱帯・亜熱帯海域のサンゴ礁は海洋生物の多様性を支える重要な生態系ですが、この生態系はサンゴの細胞内に共生する藻類である褐虫藻の共生によって支えられています。 石井悠 農学研究科特定研究員(兼:同日本学術振興会特別研究員(RPD)、東京大学客員連携研究員)、神川龍馬 同准教授、丸山真一朗 東京大学准教授らの共同研究グループは、サンゴ礁の健全な維持に不可欠な共生藻類である褐虫藻(Symbiodiniaceae科藻類の総称)の遺伝子解析を通じて、共生生活への進化を駆動した遺伝的メカニズムの一端を解明しました。本研究では、特に「Symbiodinium(シンビオディニウム属...
キーワード:海洋/地球温暖化/比較ゲノム解析/自然選択/分子進化/デンプン/海洋生物/生態系/サンゴ礁/温暖化/褐虫藻/比較ゲノム/ゲノム情報/differentiation/遺伝子解析/ゲノム解析/分子機構/ゲノム/遺伝子
他の関係分野:環境学生物学農学
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発表日:2025年7月11日
381
内耳有毛細胞再生の新たなメカニズムの解明
―新しい感音難聴治療法の開発を目指して―
竹内万理恵 医学研究科博士課程学生、松永麻美 同助教、中川隆之 同研究員らの研究グループは、鳥類の有毛細胞再生過程における新たな分子メカニズムを明らかにしました。 我々哺乳類では、聴覚を司る有毛細胞は一度傷害を受けると再生しないため、感音難聴は改善しません。一方、鳥類では有毛細胞が傷害されると、支持細胞を起源に新たな有毛細胞が再生し、難聴が治ります。鳥類での支持細胞から有毛細胞への再生メカニズムの解明は、哺乳類における聴覚再生の手がかりになりますが、仕組みの多くは未だ明らかになっていません。これまでの研究成果から、鳥類の有毛細胞再生過程では、支持細胞がリプログラミングされたのち有毛細...
キーワード:プログラミング/哺乳類/細胞運命/支持細胞/聴覚/難聴/発現解析/有毛細胞/蝸牛/エンドセリン/前駆細胞/RNA/リプログラミング/受容体
他の関係分野:情報学農学
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発表日:2025年7月11日
382
極端現象と気候変動の関係を迅速に推定する新手法の開発
―統計的アプローチによる新しいイベント・アトリビューション―
田中智大 防災研究所准教授は、高橋千陽 東京大学特任助教、今田由紀子 同准教授、川瀬宏明 気象庁気象研究所室長と共同で、ある特定の極端現象の発生確率に対する自然変動と人間活動の影響を評価する「イベント・アトリビューション(EA)」の迅速化を目的とした、新たな統計的手法を開発しました。従来のEA手法では、現実的な気候条件と、温暖化がなかったと仮定した気候条件下で大量のシミュレーションを実施して発生確率を見積もるため、極端事例発生から結果の提示に1〜2か月を要していました。本研究では、既存の大規模シミュレーションデータをもとに、実際に観測された全球の海面水温変動やそれに関連する大気変動を入力値とし...
キーワード:統計モデル/人間活動/情報発信/海面水温/気候変動/シミュレーション/大規模シミュレーション/温暖化/統計的手法
他の関係分野:情報学環境学数物系科学工学農学
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発表日:2025年7月9日
383
葉の尾状先端の発生機構の解明
―葉先端と基部で異なる細胞分裂角度パターンが形態形成を制御―
井上康博 工学研究科教授、望月敦史 医生物学研究所教授、王子寧 東京大学博士課程学生、塚谷裕一 同教授らによる研究グループは、葉の鋭い尾状先端(sharply elongated apex)がどのように形成されるのかという未解明の課題に挑みました。中国原産の落葉高木ナンキンハゼ(Triadica sebifera)をモデル植物として用い、葉の発生過程を顕微鏡観察および数値シミュレーションを駆使して解析しました。 この研究により、葉の先端部分では細胞分裂の方向が主に縦方向に偏り、葉の基部では分裂方向がランダムになるという、「二領域性細胞分裂角度パターン」が葉の鋭い先端...
キーワード:数値シミュレーション/進化生物学/シミュレーション/葉形態形成/発生学/形態形成/細胞分裂
他の関係分野:数物系科学生物学工学総合生物
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発表日:2025年7月8日
384
ブラックホールの響きを数学的な技法を取り入れ精密に捉えることが可能に
ブラックホールは極めて強い重力を持ち、光さえも脱出できない天体です。ブラックホールが何らかの影響を受けて揺れ動くと、「準固有振動」と呼ばれる特有の振動パターンの重力波を発します。例えば、ブラックホール同士が衝突すると、地球でも観測できるほど大きな重力波が放射されることがあり、ブラックホールの質量や形を知る手掛かりになります。合体したブラックホールがゆらぎながら小さくなる際、重力波は振動が急速に減衰しますが、この性質を体系的に記述することは複雑なため、より厳密な手法が望まれていました。 大宮英俊 理学研究科特定助教、大下翔誉 白眉センター/基礎物理学研究所特定助教、宮地大河 大阪公立大...
キーワード:ブラックホール/重力波/周波数/ゆらぎ
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年7月8日
385
磁石で脳細胞を誘導し失われた神経回路を再構築する
Vittoria Raffa教授(ピサ大学 生物学部)とFabian Raudzus助教(CiRA臨床応用研究部門髙橋淳研究室/京都大学大学院医学研究科 附属医学教育・国際化推進センター 国際化推進部門)らの共同研究...
キーワード:最適化/磁場/神経系/磁性ナノ粒子/磁性体/物質輸送/ナノメートル/ナノ粒子/シナプス/シナプス小胞/線条体/大脳/実験動物/iPS細胞/神経前駆細胞/大脳基底核/中枢神経/臨床応用/ドーパミン/運動機能/筋肉/神経伝達物質/中枢神経系/微小管/画像診断/細胞移植/前駆細胞/パーキンソン病/マウス/幹細胞/共培養/再生医療/細胞骨格/細胞治療/神経回路/神経細胞/神経変性/神経変性疾患/臨床試験/ヒトiPS細胞/疾患モデル/神経疾患
他の関係分野:情報学数物系科学生物学総合理工工学総合生物
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発表日:2025年7月8日
386
単一のmRNAで発現制御の精度を改良した「ハイブリッドmRNAスイッチ」の開発
メッセンジャーRNA(mRNA)注1)から遺伝子発現を誘導するON型スイッチと、発現を抑制するOFF型スイッチを単一のmRNAに統合した「ハイブリッドmRNAスイッチ」を開発した。ハイブリッドmRNAスイッチは、2種類の異なるマイクロRNA(miRNA)注2)を認識して、遺伝子発現を制御する。ハイブリッドmRNAスイッチは、従来技術の課題となっていた非標的細胞でタンパク質が合成されてしまう「翻訳漏洩」を大きく抑えることができた。マウスの実験により、ハ...
キーワード:イオン化/EGFP/タンパク質合成/キャリア/選択性/単一分子/ナノスケール/ナノ粒子/ハイブリット/マイクロ/生体内/翻訳抑制/アミノ酸配列/マイクロRNA(miRNA)/iPS細胞/蛍光タンパク質/mRNA/フローサイトメトリー/Hela細胞/RNA/アミノ酸/タンパク質発現/マウス/リン脂質/遺伝子治療/遺伝子発現制御/細胞培養/生体分子/培養細胞/発現制御/脾臓/miRNA/ゲノム/コレステロール/ワクチン/遺伝子/遺伝子発現/脂質/標準化
他の関係分野:数物系科学生物学工学総合生物農学
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発表日:2025年7月4日
387
黒い煙に隠された鉄ナノ粒子
―大気汚染の実態を磁性から解明―
土屋望 エネルギー科学研究科助教、松木篤 金沢大学准教授、川﨑一雄 富山大学准教授らの共同研究グループは、大気エアロゾル試料の磁性とブラックカーボン(BC)の観測という独自の組み合わせによって、新たな大気汚染の判別法を確立し、燃焼由来マグネタイトの動態を明らかにしました。 PM2.5中に含まれる酸化鉄、特にマグネタイトは燃焼排出に由来し、酸化ストレス増大による健康リスクや太陽光吸収・海洋プランクトンへの施肥効果を通じた気候変動への関与が指摘されています。しかし観測手法の制約から、その燃焼排出源や季節変動については、知見が不足していました。 本研究ではマグネタイトの磁性に着目...
キーワード:PM2.5/バイオマス燃焼/ブラックカーボン/海洋/時間分解/温室効果/観測手法/気候変動/季節変動/太陽/超伝導/太陽光/時間分解能/光吸収/健康リスク/酸化鉄/カーボン/シミュレーション/ナノ粒子/マグネタイト/化学分析/分解能/バイオマス/プランクトン/大気汚染/ストレス/酸化ストレス
他の関係分野:環境学数物系科学総合理工工学農学
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発表日:2025年7月4日
388
ヒトiPS細胞からあごの骨を再現したオルガノイドを作製
ヒトiPS細胞から神経堤細胞を介して顎骨オルガノイドを作製した。マウスへ移植した顎骨オルガノイドには血管が侵入し、成熟した骨組織として機能した。骨形成不全症の患者さんのiPS細胞を用いて、生体外の疾患モデルを構築した。1. 要旨 本池総太特命助教、池谷真准教授(CiRA...
キーワード:マイクロCT/生体模倣/3次元構造/マイクロ/モデリング/摂食障害/iPS細胞/グリア細胞/色素細胞/内胚葉/末梢神経/免疫染色/臨床応用/外傷/骨折/3次元培養/CT画像/オルガノイド/間葉系細胞/骨再生/骨細胞/骨疾患/骨髄/歯周病/神経堤細胞/石灰化/組織幹細胞/軟骨/アクチン/グリア/コラーゲン/スクリーニング/マウス/遺伝子治療/幹細胞/凝集体/骨芽細胞/骨形成/再生医療/細菌感染/細胞培養/腎臓/創薬/多能性幹細胞/分化誘導/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/細菌/疾患モデル
他の関係分野:生物学工学
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発表日:2025年7月4日
389
新たなRNA技術「スプリットRNAスイッチ」の開発
―特定の細胞を標的とした遺伝子発現制御の正確性を大幅に向上―
RNAスイッチを複数利用して1つの遺伝子の発現制御を行う技術「スプリットRNAスイッチ」を開発した。メッセンジャーRNA(mRNA)の導入のみで、標的細胞を正確に識別し純化することや、細胞種特異的にゲノム編集を誘導することに成功した。2種類以上の生体分子(マイクロRNA、タンパク質)の同時検出をmRNAの導入のみで実現した。1. 要旨 ...
キーワード:プログラミング/ゲノムDNA/タンパク質合成/マイクロ/レーザー/接合部/人工遺伝子回路/ゲノム配列/ゲノム編集技術/マイクロRNA(miRNA)/CRISPR/iPS細胞/膵島/mRNA/ゲノム編集/フローサイトメトリー/Hela細胞/RNA/スプライシング/リプログラミング/遺伝子治療/遺伝子発現制御/共培養/抗生物質/再生医療/細胞核/生体分子/発現制御/分化誘導/miRNA/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現/糖尿病/薬剤耐性
他の関係分野:情報学化学生物学工学総合生物農学
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発表日:2025年7月4日
390
微小管の不安定化がiPS細胞由来巨核球からの血小板産生を促進
-最終分化段階における新たなメカニズムを解明-
血小板産生を促進する薬剤のスクリーニングにより、微小管阻害剤がプロプレートレット(血小板前駆体)の形成を促し、血小板の産生を促進することを見出した。乱流刺激と微小管阻害剤(ビンクリスチン)を組み合わせることで、iPS細胞由来血小板の産生数が最大で約3倍に増加した。今回の手法で産生された血小板の止血能は、無添加条件で製造された血小板と同等であることが確認された。1. 要旨 中村英美里大学院生および...
キーワード:プロトコル/二量体/前駆体/実証実験/遺伝子改変/巨核球/腎臓病/iPS細胞/マウスモデル/細胞株/薬剤スクリーニング/臨床応用/微小管/モデルマウス/前駆細胞/アルカロイド/スクリーニング/チューブリン/マウス/遺伝子治療/幹細胞/血小板/細胞骨格/細胞内輸送/細胞分裂/腎臓/阻害剤/遺伝子/抗がん剤/小児/糖尿病
他の関係分野:情報学化学工学総合生物
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発表日:2025年7月2日
391
Ca²⁺依存性K⁺チャネルKCNN4が血小板産生に寄与する仕組みを解明
巨核球の成熟過程におけるKCNN4(KCa3.1)によるカリウムイオン(K+)の流出は、細胞内K+濃度の低下を引き金とし、血小板産生を促進する。KCNN4の阻害またはノックダウンによるK+流出の抑制は、血小板前駆体(プロプレートレット)の形成不全を伴って血小板放出量の60〜80%の減少を引き起こす。K+流出の抑制は、微小管の正常な再構築を妨げ、ミトコンドリア機能の低下および活性酸素種(ROS)の...
キーワード:プロファイル/最適化/生細胞/ライブセルイメージング/前駆体/カリウム/マグネシウム/モデリング/核分裂/新エネルギー/カルシウムイオン/細胞モデル/トロンビン/Ca2+/ナトリウム/機能解析/巨核球/iPS細胞/ROS/細胞株/治療標的/増殖因子/臨床応用/生理機能/白血球/微小管/臍帯血/フローサイトメトリー/リモデリング/造血幹細胞/HLA/RNA/アミノ酸/カルシウム/チューブリン/ミトコンドリア/遺伝子治療/遺伝子導入/活性酸素/活性酸素種/幹細胞/血液/血小板/抗原/再生医療/細胞骨格/細胞分裂/阻害剤/不整脈/膜電位/免疫細胞/薬理学/遺伝学/遺伝子/脂質/造血
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発表日:2025年7月2日
392
卵母細胞の発生を規定因子で胎生期から成体まで再現
―マウス多能性幹細胞から卵巣を用いないで成体様の卵母細胞を誘導―
京都⼤学⾼等研究院 ヒト⽣物学⾼等研究拠点 (WPI-ASHBi)斎藤通紀 拠点⻑/主任研究者(兼:同⼤学院医 学研究科教授)、同⼤学⾼等研究院 野阪善昭ASHBi特定研究員らの研究グループは、マウス多能性幹細胞から、始原⽣殖細胞 (Primordial Germ Cells, PGCs)注1を経て、卵巣...
キーワード:プログラミング/最適化/塩基配列/減数分裂/生殖/卵母細胞/胚発生/ヒストン/核小体/生体内/哺乳類/始原生殖細胞/生殖細胞/iPS細胞/染色体/不妊症/卵子/卵巣/BMP/DNAメチル化/ES細胞/イミン/シグナル分子/ヒストン修飾/マウス/メチル化/リプログラミング/レチノイン酸/幹細胞/細胞分裂/精子/多能性幹細胞/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:情報学生物学工学総合生物農学
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発表日:2025年6月30日
393
継続は力:高齢期に始めた楽器練習の効果
―4年の追跡研究で見えた脳・認知機能維持―
積山薫 総合生存学館教授(現:野生動物研究センター特任教授)、 王雪妍 同博士課程学生(現:中国・電子科技大学研究員)らのグループは、高齢期(平均年齢73歳)に始めた楽器練習を継続することが、4年後の認知機能、脳構造、脳機能の加齢による低下を防ぐことを示しました。 本研究グループは、健常高齢者が初心者として4か月の楽器練習に取り組むことで認知・脳機能が向上する、という介入研究の結果を2020年に発表していました。今回の研究では、最初の介入研究終了から3年以上経過した時点でこれらの参加者を再招集し、楽器練習を継続していた「継続群」と他の趣味に移行した「中止群」を比較しました。その結果、...
キーワード:ワーキングメモリ/メモリ/小脳/心臓/脳機能/加齢/高齢者/認知機能
他の関係分野:情報学工学総合生物
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発表日:2025年6月26日
394
スーパー作物「キヌア」の塩排出機構の一端を解明
―塩害に強い作物の創出に向けた道を切り拓く―
安井康夫 農学研究科助教、小林安文 国際農林水産業研究センター研究員らの研究チームは、名古屋大学、理化学研究所と共同で、長年謎とされていた、高い耐塩性をもつスーパー作物「キヌア」の塩排出機構の一端を明らかにしました。 キヌアは優れた栄養バランスをもつ一方、過酷な環境でも栽培できることから、気候変動による劣悪な環境において貴重な食料源となることが期待されます。 国際連合食糧農業機関(FAO)は、2013年を「国際キヌア年」に定め、キヌアが世界の食料・栄養問題の解決に貢献し得る重要な作物であることを広く発信してきました。さらに、南米アンデス原産のキヌアは、栄養バランスに優れてい...
キーワード:気候変動/ボリビア/輸送体/食料安全保障/耐塩性/土壌/ナトリウム/ナトリウム輸送
他の関係分野:数物系科学総合生物農学
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発表日:2025年6月25日
395
植物に作らせた生理活性タンパク質が心臓再生医療を加速
―植物発現システムによるサイトカインの安全な生産技術を開発―
村田梢 医学部附属病院特定講師(兼:理化学研究所客員研究員)(研究当時:理化学研究所研究員)、升本英利 同特定教授(兼:理化学研究所客員主管研究員)(研究当時:理化学研究所上級研究員)らの研究チームは、iPS細胞を心臓や血管の細胞に分化させるために必要な生理活性タンパク質(サイトカイン)を、植物による一過性の遺伝子発現系を用いて生産する手法の開発に成功しました。 本研究成果は、低コストで安定的にサイトカインを供給する新たな可能性を示し、心血管再生医療の発展・普及に貢献することが期待されます。 サイトカインの一種である血管内皮細胞増殖因子(VEGF)やアクチビンA(Activ...
キーワード:タンパク質合成/筋細胞/生産技術/タンパク質合成系/哺乳類/アクチビン/タバコ/differentiation/iPS細胞/血管再生/血管内皮/心筋/心筋細胞/増殖因子/臨床応用/心臓/大腸/血管内皮細胞/再生医療/細胞増殖/細胞分化/生理活性/大腸菌/内皮細胞/ウイルス/サイトカイン/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:生物学工学総合生物農学
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発表日:2025年6月25日
396
宇宙インフレーション期に、私たちは本当に隣人から孤立していたのか?
初期宇宙、すなわちビッグバン直後の時代において、宇宙が指数関数的な膨張を遂げたインフレーション期を経たとする説が広く受け入れられています。このインフレーション期には、量子ゆらぎが増幅され、その後、重力的に崩壊して原始ブラックホール(PBH)を形成する可能性があります。 PBHの形成を予測するために、広く用いられている理論的枠組みの一つが「セパレートユニバース近似」と呼ばれるものです。この手法では、インフレーション宇宙を、一様宇宙のパッチワークとして記述します。計算を大幅に簡略化できる利点がありますが、ゆらぎを大きく増幅する超スローインフレーションモデルに適用すると大きなエラーが生じる...
キーワード:原始ブラックホール/量子ゆらぎ/インフレーション宇宙/ブラックホール/初期宇宙/ゆらぎ
他の関係分野:数物系科学
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発表日:2025年6月25日
397
世界初のATPプロドラッグによる健康寿命延伸の新しい可能性
―ミトコンドリア活性化によりエネルギー代謝不均衡を改善する生体エネルギー分子治療の提案―
体内のエネルギー需要と供給の不均衡は老化や加齢性疾患と関連しています。ミトコンドリアは生体のエネルギー通貨であるATPの供給を行いますが、老化によってミトコンドリア機能が低下し、様々な細胞や臓器でATPレベルの低下が起こります。しかし、ミトコンドリア呼吸を活性化し、低下した細胞内ATPレベルを回復させる薬剤は世界的にみてもほとんどなく、ミトコンドリア活性化薬開発は挑戦的な研究テーマのひとつです。 中臺枝里子 医生物学研究所教授は、穴田貴久 九州大学准教授、河原道治 同博士課程学生、田中賢 同教授らの研究グループと共同で、ミトコンドリアを活性化して細胞内ATPレベルを向上させ、抗老化作...
キーワード:新物質/コロナ禍/センサー/モデル生物/哺乳類/ストレス耐性/AMPK/寿命/線維芽細胞/ATP/エネルギー代謝/プロドラッグ/マウス/ミトコンドリア/活性酸素/脂肪酸/創薬/ストレス/加齢/健康寿命/酸化ストレス/老化
他の関係分野:工学総合生物農学
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発表日:2025年6月24日
398
様々な脂肪酸含有脂質を細胞内小器官ごとに標識することに成功
―脂肪酸代謝物の細胞内動態を解析可能に―
合成・生物化学専攻の濵地格 教授、田村朋則 講師、木村天海 修士課程学生(研究当時)、川本青汰 修士課程学生らの研究グループは、生体膜の構成成分である脂肪酸含有脂質を細胞内小器官(オルガネラ)ごとに標識し、組成や分子構造、動態解析を可能にする新しい手法を開発しました。細胞内に取り込まれた脂肪酸は、リン脂質や中性脂質など様々な脂質へと変換され、生体膜の構成要素やエネルギー源となります。また、脂肪酸は鎖長や二重結合の数・位置の違いによって様々な種類が存在し、これが脂質の多様性を生み出すと同時に、脂質解析を複雑で困難なものにしています。本研究グループは、「アジド脂肪酸の代謝導...
キーワード:分子構造/クリック反応/細胞内小器官/オルガネラ/動態解析/リン脂質/脂肪酸/生体膜/代謝物/脂質/脂質代謝
他の関係分野:化学生物学
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発表日:2025年6月23日
399
超高容量かつ低コストの鉄系全固体フッ化物イオン二次電池正極材料の開発
山本健太郎 人間・環境学研究科特定准教授(現:奈良女子大学准教授)、内本喜晴 同教授らの研究グループは、量子科学技術研究開発機構、東京大学、兵庫県立大学、東京科学大学、トヨタ自動車株式会社と共同で、リチウムイオン二次電池正極容量をはるかに超える全固体フッ化物イオン二次電池新規高容量インターカレーション正極材料の開発に成功しました。 本研究では、ありふれた鉄(地殻存在度4位)、カルシウム(地殻存在度5位)、酸素(地殻存在度1位)を主成分とするCa0.8Sr0.2FeO2Fxが既存のリチウムイオン二次...
キーワード:分析技術/X線吸収分光/X線回折/非弾性/正極材料/リチウムイオン二次電池/インターカレーション/分子状酸素/蓄電池/電池/リチウム/酸化物/自動車/電気自動車/二次電池/結晶構造/層構造/カルシウム
他の関係分野:環境学数物系科学総合理工工学農学
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発表日:2025年6月20日
400
海洋の窒素循環を解明する新たな研究
~アナモックスの酸素同位体分別測定に初めて成功~
大西雄二 生態学研究センター日本学術振興会特別研究員(PD)、木庭啓介 同教授は、岡部聡 北海道大学教授、小林香苗 海洋研究開発機構特任研究員らと共同で、嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)反応における酸素同位体分別(18ε)を求めることに世界で初めて成功しました。 海洋の窒素循環は、地球環境の維持に不可なサイクルであり、その仕組みを正確に理解することにより、気候変動対策や生態系の保全に大きく寄与することができます。しかし、その中で重要な役割を果たす嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)による窒素除去のプロセスについては、まだ...
キーワード:窒素循環/海洋/気候変動/酸素同位体/酸素同位体比/地球化学/同位体/同位体分別/同位体比/アンモニア/分子状酸素/地球環境/同位体効果/生態系/生態学/細菌
他の関係分野:環境学数物系科学化学工学農学
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発表日:2025年6月20日
401
新型コロナウイルスの翻訳阻害に耐性をもつ修飾mRNAの合成と排他的セレクタ遺伝子回路の構築
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染した細胞内でタンパク質合成(翻訳)を阻害するNsp1タンパク質に対して耐性をもつmRNAを合成した。mRNAにウイルスRNA由来の配列を取り入れ、ヌクレオシドに2つの化学修飾を付与することで、Nsp1タンパク質の翻訳抑制効果を回避することができた。Nsp1耐性のBarnase mRNAと過剰なNsp1感受性のBarstar mRNAを組み合わせることで、Nsp1タンパク質が存在するときにRNA分解による毒性を誘導する排他的セレクタ遺伝回路を構築した。...
キーワード:タンパク質合成/翻訳開始/転写後制御/生物工学/マイクロ/制御システム/人工遺伝子回路/生体内/メチルシトシン/翻訳抑制/抵抗性/アミノ酸配列/増殖抑制/SARS-CoV-2/マイクロRNA(miRNA)/iPS細胞/遺伝子制御/蛍光タンパク質/細胞株/細胞毒性/mRNA/パンデミック/新型コロナウイルス/RNA/RNA結合タンパク質/RNA分解/アミノ酸/ヌクレオシド/ラット/合成生物学/生体分子/立体構造/miRNA/ウイルス/ゲノム/ワクチン/遺伝子/遺伝子発現/感染症
他の関係分野:生物学工学総合生物農学
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発表日:2025年6月19日
402
潮汐破壊現象の最高精度の偏光観測
―超大質量ブラックホールの周囲環境を調査する新たな手がかり―
宇野孔起 理学研究科研究員、前田啓一 同教授を中心とした国際研究グループは、京都大学せいめい望遠鏡・国立天文台すばる望遠鏡をはじめとする国際的な望遠鏡網により潮汐破壊現象AT2023clxを詳細に観測し、潮汐破壊現象に伴うガスの噴出方向と銀河中心環境が空間的に直交するという、特異な幾何構造を明らかにしました。 銀河の中心に存在する超大質量ブラックホール(SMBH)に恒星が接近すると、その強力な重力によって恒星が引き裂かれ、明るく光り輝きます。潮汐破壊現象と呼ばれる本現象は極めて稀で、詳細な観測例は限られています。本研究グループは、突発的な天体現象として発見されたAT2023clxが潮...
キーワード:幾何構造/すばる望遠鏡/スペクトル/ブラックホール/観測装置/銀河/銀河中心/恒星/新星/超新星/望遠鏡/SPECT
他の関係分野:数物系科学
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発表日:2025年6月18日
403
冬に遺伝子発現を活性化させるゲノム領域を発見
工藤洋 生態学研究センター教授と清水華子 同研究員らの研究グループは、長期間にわたって気温が低い状態が続く冬に遺伝子発現を活性化させるゲノム領域を見出し、遺伝子組換え技術によって、長期の低温条件下でも成長を続ける植物を作出することに成功しました。 工藤洋教授はアブラナ科の多年生植物であるハクサンハタザオを使って、植物が季節に応答する仕組みについての研究をしてきました。これまでの研究で、季節に応答して発現量を変化させる遺伝子に特徴的な化学修飾状態を特定しています。この状態を手掛かりに、遺伝子発現を制御するゲノム領域であるプロモーターの中から季節に応答するプロモーターを見つけることで、ど...
キーワード:アブラナ科/モーター/ヒドロゲナーゼ/シロイヌナズナ/生態学/プロモーター/アルコール/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:生物学工学農学
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発表日:2025年6月17日
404
父親の年齢で子の発生運命が変わる
―シロアリのエピジェネティック遺伝を世界初証明―
松浦健二 農学研究科教授、高田守 同准教授、高橋迪彦 同特定研究員(現:産業総合研究所日本学術振興会特別研究員)、石橋朋樹 同特定研究員(現:理化学研究所研究員)、田﨑英祐 同特定研究員(現:新潟大学准教授)、エドワード・バーゴ 米国テキサスA&M大学(Texas A&M University)教授らの研究グループは、シロアリの王の年齢が子の将来の社会役割(カースト)に影響を与えることを発見し、その影響が精子のDNAメチル化という「エピジェネティック」な変化により引き起こされることを世界で初めて証明しました。シロアリの社会では、働きアリや羽アリ(将来の繁殖個体)など、異なる役割...
キーワード:シロアリ/遺伝情報/カースト/DNAメチル化/メチル化/精子/遺伝学/遺伝子/加齢
他の関係分野:生物学総合生物
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発表日:2025年6月14日
405
1型インターフェロノパチーの超早期診断
―ろ紙血プロテオミクスによる新規診断法開発―
1型インターフェロノパチーは、1型インターフェロン(IFN)の過剰産生が主な原因と考えられる遺伝性疾患群です。しばしば生後間もなくから発熱、皮疹等を呈し、持続的な炎症による合併症・後遺症を来します。1型インターフェロンの働きを抑制する分子標的薬の有効性が報告されていますが、早期診断は依然として困難です。また近年、様々な遺伝性免疫疾患で1型インターフェロンの過剰が生じている事が報告されており、その検出・解析は注目を集めています。 仁平寛士 医学研究科特定助教(現:久留米大学講師)、井澤和司 同講師、八角高裕 同特定教授、中島大輔 かずさDNA研究所研究員、川島祐介 同グループ長、小原收...
キーワード:遺伝性疾患/診断法/インターフェロン/オミクス/オミクス解析/合併症/早期診断/分子標的/スクリーニング/プロテオミクス/遺伝子/新生児/分子標的薬
他の関係分野:生物学総合生物
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発表日:2025年6月14日
406
生活保護世帯の子どもの入院実態とリスク因子が明らかに
―経済的な支援だけでは子どもの健康が保障されない可能性―
西岡大輔 医学研究科特定准教授らの研究グループは、日本国内の6自治体(市)における生活保護利用世帯の子どもの生活保護基本台帳データおよび医療扶助レセプトデータを活用し、生活保護利用世帯の子どものプロファイル(基本情報)を作成しました。さらに、子どもの入院の実態と健康を損なうリス因子に関する分析を行いました。 分析の結果、生活保護利用世帯の子どものうち4.6%が1年間に入院を経験し、中でも特に乳幼児(0歳児、1−4歳児)、ひとり親世帯、ひとり親世帯でなくとも親が就労している世帯、出生時点で生活保護を利用中の世帯の子どもに入院を経験しやすい傾向があることや、自治体間で入院発生率に差が見ら...
キーワード:プロファイル/保護基/健康リスク/医療費/リスク因子/レセプト/乳幼児
他の関係分野:情報学化学工学
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発表日:2025年6月14日
407
エネルギー構造を制御した有機高分子光触媒による高効率CO2変換の実証
―貴金属に頼らない人工光合成系の実現に向けて―
物質エネルギー化学専攻の中田 明伸 講師、石原 弘太郎 修士課程学生(当時)、阿部 竜 教授らのグループは、大阪大学 佐伯 昭紀 教授、岡山大学 山方 啓 教授と共同で「高効率二酸化炭素変換を進行する錯体触媒内蔵型の有機高分子光触媒」を開発しました。緑色植物の光合成反応を模倣し、光エネルギーにより二酸化炭素(CO2)を変換する優れた光触媒の開発が期待されています。光反応の効率を示す指標の一つである反応量子収率が30%を超える値が報告されている、比較的高効率なCO2変換用光触媒には、ルテニウムやレニウムなどの希少金属が光吸収部位として用いられ...
キーワード:最適化/光エネルギー/光反応/高分子/錯体触媒/光合成/共役高分子/有機分子/電荷分離/レニウム/貴金属/可視光/光吸収/人工光合成/光触媒/CO2還元/構造制御/高効率化/二酸化炭素/二酸化炭素/有機高分子/ルテニウム
他の関係分野:情報学環境学化学生物学総合理工工学
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発表日:2025年6月14日
408
幹細胞から作る“胚のようなもの”の研究について国内外で必要な指針と今後の取り組みを提案
京都大学 白眉センター/高等研究院ヒト生物学高等研究拠点の中村友紀 特定准教授、広島大学大学院人間社会科学研究科の澤井努 特定教授(上廣応用倫理学講座 寄付講座教授兼務、京都大学 高等研究院ヒト生物学高等研究拠点 連携研究者、シンガポール国立大学客員教授)らの...
キーワード:応用倫理/受精/受精卵/幹細胞
他の関係分野:複合領域
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発表日:2025年6月14日
409
頭皮脳波の超低域徐波が診断に有用
―もやもや病術後の一過性神経症状での検討―
もやもや病は内頚動脈が進行性に狭窄する病気です。この病気に対して脳血流を改善するための手術(バイパス手術)が行われますが、手術後2週間以内に一過性の神経症状(TNEs)が出現することが知られています。過去の研究から手術後の急な脳血流変化が原因と考えられていましたが、その根本原因は不明であり、簡便な診断法もありませんでした。 池田昭夫 医学研究科特定教授、宇佐美清英 同助教、菊池隆幸 同准教授、荒川芳輝 同教授、林梢 同博士課程学生(研究当時)らの研究グループは、過去の研究(画像検査では検出困難な血流変化を、頭蓋内脳波の超低域徐波 (< 0.1 Hzの遅い波)が検出できる可能性が...
キーワード:血流/診断法/片頭痛/外傷/脳血流/アストロサイト/てんかん/個別化医療/手術/脳卒中/脳波
他の関係分野:総合生物
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発表日:2025年6月11日
410
1型カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(CPVT)iPS細胞から作製した単一の心筋細胞の活動電位とカルシウムイオン濃度の変化を同時光学記録
2つの蛍光色素と2波長のLEDランプの強度を調整することにより、心筋細胞の活動電位注1)と細胞内のカルシウムイオン濃度の一過性の上昇(カルシウムトランジェント)を同時に測定できるシステムを構築した。1型カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(CPVT)の患者さん由来iPS細胞から作製した心筋細胞では、CPVTのある患者さんに特徴的なカルシウムトランジェント異常が心室筋型注2)の活動電位と共に確認された。1型CVPT患者さんiPS細胞由来心筋細胞に対して、既存のCPV...
キーワード:機械学習/人工知能(AI)/危機管理/毒性評価/CCD/CCDカメラ/筋細胞/ナトリウムチャネル/発光ダイオード(LED)/カリウム/膜構造/CaMKII/カルシウムイオン/一細胞/筋小胞体/カルシウムチャネル/Ca2+/プロテインキナーゼ/細胞内カルシウムイオン/カルモジュリン/ナトリウム/活動電位/細胞膜/心臓突然死/突然死/iPS細胞/心筋/心筋細胞/組織構築/病理/膵島/筋収縮/筋肉/心臓/評価法/オルガノイド/イミン/カルシウム/キナーゼ/マウス/遺伝子治療/蛍光色素/血液/再生医療/細胞内カルシウム/受容体/小胞体/電気生理学/不整脈/副作用/分化誘導/膜電位/ヒトiPS細胞/遺伝子/抗がん剤/生理学/標準化
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学生物学工学総合生物農学
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発表日:2025年6月11日
411
ハサミで音を奏でるカニ
―ナンヨウスナガニにおける発音行動の発見―
後藤龍太郎 フィールド科学教育研究センター助教、山守瑠奈 同助教、朝倉彰 同特任教授、下村通誉 同教授、田之頭凜 理学部学生、竹下文雄 北九州市立自然史・歴史博物館学芸員、平井厚志 すさみ町立エビとカニの水族館長、土橋彩加 信州大学修士課程学生らの研究グループは、温暖な地域の砂浜に生息するナンヨウスナガニOcypode sinensis が、大きな方のハサミを高速で震わせることで発音を行うことを報告しました。スナガニ属はハサミを使った発音行動が有名で、ハサミの内側にある顆粒列(発音器)を同じ鉗脚の座節に擦り合わせたり、ハサミで地面を叩いたりして発音する種が知られています。しか...
キーワード:音声コミュニケーション/博物館学/甲殻類/コミュニケーション
他の関係分野:情報学複合領域農学
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発表日:2025年6月10日
412
CAR-Tアフェレーシスの製剤間の相違を可視化
―白血球アフェレーシス手順の標準化を目指して―
再発・難治性造血器腫瘍に対する治療の切り札としてキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法が期待され、複数の製剤が市販されています。CAR-T細胞療法では、まず原料となるT細胞を患者さんから採取(白血球アフェレーシス)することは共通しますが、採取手順における規定に製剤間で相違点が多く存在するため、規定確認に多くの労力が必要で、また製剤毎の特徴に沿って白血球アフェレーシスを効率的に運用する必要があります。 城友泰 医学部附属病院助教、新井康之 同講師、長尾美紀 同教授、北脇年雄 同助教、山下浩平 同准教授、髙折晃史 同教授らの研究グループは、再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫に対するCD1...
キーワード:最適化/キメラ/リンパ腫/CD19/抗原受容体/CAR-T細胞療法/造血器腫瘍/白血球/B細胞/T細胞/血液/抗原/細胞療法/受容体/造血/標準化
他の関係分野:情報学農学
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発表日:2025年6月10日
413
臓器移植後の拒絶反応を引き起こす抗体の発生は、移植前に高精度な予測が可能
~より安全な移植治療に向けて~
平田真章 医学研究科博士課程学生(現:米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)博士研究員)、月田和人 同特定助教、波多野悦朗 同教授、進藤岳郎 広島大学准教授らの研究グループは、本学医学部附属病院で実施された肝臓・肺・腎臓移植、および秋田大学附属病院で実施された腎臓移植のデータベースに基づき機械学習による解析を行い、ドナー(臓器提供者)からレシピエント(患者)に臓器移植を行う際に拒絶反応の原因となる抗体(ドナー特異的抗体:DSA)が発生するリスクを予測できることを明らかにしました。 また、この解析結果に基づき「エプレットリスクスコア(ERS)」という新しい指標を開発しました。...
キーワード:機械学習/拒絶反応/腎臓/抗体/臓器移植
他の関係分野:情報学
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発表日:2025年6月10日
414
オオサンショウウオの化石から抽出したDNAの解読に成功
―日本固有種の地域絶滅が明らかに―
野田昌裕 人間・環境学研究科博士課程学生、西川完途 地球環境学堂教授、岸田拓士 日本大学教授、北川浩之 名古屋大学教授、福山伊吹 北海道大学日本学術振興会特別研究員(PD)からなる研究グループは、愛媛県大洲市で発見されたオオサンショウウオの化石から古代DNAを抽出し、得られたミトコンドリアDNAの部分配列が日本固有種と完全に一致することを確認しました。また、放射性炭素年代測定の結果から、これらの化石は約4,100~3,500年前のものであることが明らかとなりました。現在の四国には日本固有種の個体群がわずかに確認されていますが、遺伝的特徴から人為移入の可能性があり、化石の発見地点とは大きく離れた...
キーワード:放射性炭素年代測定/年代測定/放射性炭素/放射性炭素年代/個体群/ミトコンドリアDNA/古代DNA/地球環境/ミトコンドリア
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学工学
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発表日:2025年6月10日
415
海洋性の光合成細菌の窒素固定能力が炭素源の種類で変化
-持続可能な物質生産への貢献を期待-
材料化学専攻 沼田圭司 教授(理化学研究所(理研)環境資源科学研究センターバイオ高分子研究チームチームディレクター)、鈴木美紀 特定研究員、細胞生産研究チームの白井智量 上級研究員らの共同研究グループは、海洋性の紅色非硫黄光合成細菌の窒素固定化効率や固定化された窒素の代謝経路が、環境中の炭素源の種類に応じて変化し、細胞増殖速度に影響することを明らかにしました。本研究成果は、農業用肥料や漁業用飼料だけでなく、生分解性プラスチックの生産ツールとしても期待されている紅色非硫黄光合成細菌を用いた持続可能な物質生産に貢献すると期待されます。紅色非硫黄光合成細菌は、光合成と窒素固定...
キーワード:海洋/太陽/高分子/生分解性プラスチック/窒素固定/光合成/光合成細菌/太陽光/生分解/持続可能/プラスチック/二酸化炭素/物質生産/生分解性/漁業/アミノ酸/細胞増殖/細菌
他の関係分野:環境学数物系科学化学生物学総合理工工学総合生物農学
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発表日:2025年6月10日
416
ツインビーム光源による新たな非線形ラマン分光法の開発
―低コスト・小型な高分解能ラマン計測装置へ―
電子工学専攻 衞藤雄二郎 准教授(研究当時、現:京都大学大学院理学研究科)、慶應義塾大学医学部 塗谷睦生 准教授、慶應義塾大学理工学部生命情報学科 加納英明 教授らの研究グループは、従来は複数の高価なフェムト秒の超短パルス光源が必要だったスペクトルフォーカシングによる非線形ラマン分光を、ナノ秒励起のツインビーム光源1台で実現することに成功しました。本成果は、実用化が進む量子光源技術を用いた新たな計測手法を提示し、低コストでコンパクト、かつ高性能な次世代の分子構造解析装置への応用展開が期待されます。本研究成果は、2025年6月6日に国際学術誌「Physical Review ...
キーワード:情報学/コヒーレント/パルス/ラマン散乱/非線形/スペクトル/分子構造/生命情報/ラマン/超短パルス/光源技術/フェムト秒/分解能/SPECT/高分解能/ラマン分光/ラマン分光法
他の関係分野:情報学数物系科学化学生物学総合理工工学
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発表日:2025年6月10日
417
干潟の地中から美しい希少魚を「発掘」
~地中で子育てする奇妙な生態~
クダリボウズギスはテンジクダイ科の小型種で、半透明な体に赤い色素を持つ美しい魚です。世界的にも希少種とされ、どこにいるのかを含め生態や繁殖に関する詳細な情報はほとんどありませんでした。 邉見由美 フィールド科学教育センター助教は、宮城県南三陸町と一般社団法人サスティナビリティセンターらとの共同研究で、2022年に、宮城県志津川湾の水戸辺川河口の干潟で、地中の深さ約40 cmにある空洞から多数のクダリボウズギスを採集し、うち4個体は口の中で卵を守る口内保育を行っていることを発見しました。この発見により、クダリボウズギスは干潟の地中の空洞を生活と繁殖に利用する特殊な生態を持ち、また、最も...
キーワード:甲殻類/子育て
他の関係分野:農学
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発表日:2025年6月10日
418
抗血小板薬が骨を伸ばす
―ホスホジエステラーゼ3阻害薬が軟骨細胞内Ca2+シグナルを活性化し骨を伸ばすことを発見―
市村敦彦 薬学研究科連携准教授(兼:立命館大学准教授)、竹島浩 同教授、川邊隆彰 同博士課程学生らの研究チームは、さまざまな重要な生理機能調節に関与する軟骨細胞内カルシウムイオン(Ca2+)動態を独自の手法で解析し、その制御分子機構について調べました。その結果、心臓や血管の疾患治療薬として用いられているホスホジエステラーゼ3阻害薬は、軟骨細胞内Ca2+シグナルを活性化し、軟骨細胞からの細胞外基質分泌を増やすことで、骨を伸ばす作用を有することを明らかにしました。 本研究成果は、2025年6月2日に、国際学術誌「British Journal ...
キーワード:機能制御/カルシウムイオン/Ca2+/細胞内カルシウムイオン/cGMP/心臓/生理機能/分子機構/骨細胞/細胞外基質/軟骨/軟骨細胞/カルシウム/シグナル分子/血小板/細胞内カルシウム
他の関係分野:総合生物
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発表日:2025年6月9日
419
光ファイバケーブルを活用した海域・地下構造のイメージング手法を開発
─海域における地震波速度構造の詳細把握の実現─
近年、光ファイバをセンサーとして振動などを捉える分布型音響センシング(Distributed Acoustic Sensing:DAS)が地震観測などに用いられるようになってきました。この技術は、光ファイバ上を数m〜数十mという超高密度の観測点間隔で約100 kmほどの距離まで観測することが可能です。また、海底に設置されている海底光ケーブルでDAS観測を実施することで、海底における地震動の稠密観測を実現することが可能です。海底での地震動の稠密観測は、地震活動のモニタリングや地下構造のイメージングなど、多目的に応用されるようになってきています。 伊藤喜宏 防災研究所教授は、福島駿 東北...
キーワード:地球科学/地下構造/海底ケーブル/地震活動/地震波/地震波速度/地震波速度構造/不均質構造/ケーブル/制御震源/センサー/センシング/モニタリング/地震観測/地震動/二酸化炭素/分解能/空間分解能
他の関係分野:環境学数物系科学工学
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発表日:2025年6月6日
420
大腸腫瘍進展の新たな分子機序の解明
―Regnase-1はNFKBIZ mRNAの分解を介してIL-17 signalingを制御し、大腸腫瘍の発育を抑制する―
井口恵里子 医学研究科博士研究員(研究当時)、髙井淳 同講師、妹尾浩 同教授らの研究グループは、大腸腫瘍の進展に関わる新たな分子メカニズムを明らかにしました。 RNA分解酵素であるRegnase-1は、IL-17経路の重要な分子であるNFKBIZmRNAを分解し、IL-17経路の活性を抑える働きがあることが分かっています。IL-17経路は大腸腫瘍の発育を促進する働きがあること、大腸粘膜上皮細胞にはRegnase-1が生理的に発現していることに着目し、Regnase-1の大腸腫瘍における役割を解明する目的で研究を開始しました。大腸腫瘍モデルであるApc...
キーワード:リン酸/腸管上皮/遺伝子発現解析/発現解析/mRNA/大腸/RNA/RNA分解/マウス/抗腫瘍効果/上皮細胞/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:農学
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発表日:2025年6月6日
421
MXene を統合したコンタクトレンズの開発眼を電磁波から保護し、眼ヘルスケアを革新する新たなブレイクスルー
キーワード:遷移金属化合物/遷移金属/レンズ/生体適合性/ナノシート/コーティング/マイクロ/生産システム/電磁波/導電性/眼科学/ヘルスケア
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年6月6日
422
ヒト心臓への作用を評価する創薬のための培養系プラットフォーム
―人工心臓組織デバイスを低吸着素材に変えて精度向上―
薬剤を吸着しにくいポリスチレンフィルムを用いてiPS細胞由来人工心臓組織 (Engineered Heart Tissue: EHT)注1)デバイスを開発し、このデバイスを用いた心機能の解析プログラムを構築した。本研究で開発された低収着EHTデバイスを用いることで、低濃度のドキソルビシンによる心毒性を検出できる高精度な測定が可能になった。1. 要旨 ...
キーワード:画像データ/機械学習/最適化/人工知能(AI)/毒性評価/スチレン/フィルム/ポリスチレン/筋細胞/シロキサン/CVD/PDMS/ポリジメチルシロキサン/生体内/iPS細胞/心筋/心筋細胞/心筋症/人工心臓/組織構築/病理/心機能/心臓/評価法/オルガノイド/線維芽細胞/in vitro/カルシウム/ドキソルビシン/マウス/モデル動物/ラット/遺伝子治療/再生医療/阻害剤/創薬/低分子化合物/副作用/薬剤感受性/薬剤反応性/薬理学/臨床試験/スタチン/ヒトiPS細胞/遺伝子/抗がん剤/循環器疾患/標準化/薬物動態
他の関係分野:情報学複合領域化学生物学工学総合生物
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発表日:2025年6月6日
423
アジア在来コムギの黄さび病抵抗性の遺伝的基盤を解明
〜木原博士以来収集された在来品種の育種活用へ〜
那須田周平 農学研究科教授、清水健太郎 横浜市立大学客員教授(兼:スイス・チューリッヒ大学(University of Zurich)教授)、岸井正浩 国際農林水産業研究センター主任研究員らの研究グループは、高精度のゲノム情報と最新の解析手法を用いて在来品種を中心とするアジアのコムギ交配系統の黄さび病抵抗性を解析し、特にヒマラヤ山脈南側の地域の在来品種のゲノムに黄さび病抵抗性を司る領域があることを解明しました。この発見により、栽培品種にはない遺伝的多様性を持つアジアの在来品種の有用性が示されました。本研究で得られた知見を育種に応用することで、気候変動下においても病害に強いコムギの作出が可能とな...
キーワード:パートナーシップ/気候変動/ヒマラヤ/抵抗性/遺伝資源/遺伝的多様性/ゲノム情報/新規遺伝子/ゲノム/遺伝学/遺伝子
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学農学
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発表日:2025年6月5日
424
イネの成長調節ホルモンの新しい不活性化機構を解明
―イネはジベレリンを段階的に不活性化する―
日本では米の不足や価格高騰が続いており、米の生産性を高めることは農産業における重要な課題の一つです。植物は成長の調節や生育環境への適応のために、植物ホルモンと呼ばれる様々な分子を作ります。その一つであるジベレリンは、葉や茎の伸長や種子の発芽を促進するといった働きを持ち、「緑の革命」と呼ばれる農業革命に利用されるなど、農業においても非常に重要なホルモンです。 石田俊晃 化学研究所博士課程学生(研究当時)、増口潔 同助教、山口信次郎 同教授、Zuhua He 中国科学院教授、Shubiao Zhang 中国・福建農林大学教授らの国際共同研究グループは、イネから発見した「EUI2」という酵...
キーワード:生産性/植物ホルモン/変異体/イネ/ホルモン
他の関係分野:工学農学
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発表日:2025年6月4日
425
生きた動物脳内で蛍光センサーを組み立てる
―遺伝子操作不要。脳内有機合成化学の新戦略―
合成・生物化学専攻の濵地 格 教授、坂本 清志 特定准教授、白岩 和樹 同博士課程学生(研究当時)、材料化学専攻の野中 洋 准教授らの研究グループは、生きた動物脳内の特定受容体上で蛍光センサー分子を化学合成する新規手法を開発しました。生体内で天然のタンパク質を化学修飾・機能化することは、化学と生物学の境界領域における最先端研究において有用です。これまで、本研究グループでは、遺伝子操作を伴わずに動物脳内の天然に存在する受容体を化学修飾する「脳内リガンド指向性化学」の開発に成功していましたが、導入できる分子種に限りがありました。今回、「脳内リガンド指向性化学」と「クリック化学」を組み合わ...
キーワード:蛍光センサー/有機合成化学/センサー/センシング/光センサー/シナプス/生体内/遺伝子操作/可塑性/プロテアーゼ/リガンド/合成化学/受容体/脳機能/有機合成/遺伝子/神経疾患/脳神経疾患
他の関係分野:化学工学総合生物
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発表日:2025年6月3日
426
膵癌悪性化の分子機構解明
―PBRM1はVimentin発現制御を介して膵癌の分化度、転移能を制御する―
膵癌は早期発見が難しく、転移しやすい難治性癌です。河相宗矩 医学研究科医員、福田晃久 同准教授、妹尾浩 同教授らの研究グループは、膵癌悪性化の分子機構の一端を明らかにしました。 膵癌は、病理的分化度が高く化学療法がまだ比較的効きやすいタイプと、分化度が低く化学療法が非常に効きにくい悪性度の高いタイプに大きく分けられますが、これまでその分子機序については十分に分かっていませんでした。今回、クロマチンリモデリング因子の一つであるPBRM1の発現が低い膵癌は、病理学的に低分化癌・未分化癌、腺扁平上皮癌が多く、予後不良であり、悪性度の高いBasal/Squamousタイプの遺伝子発現プロファ...
キーワード:プロファイル/悪性化/モデリング/抵抗性/接着因子/クロマチンリモデリング/新規治療法/クロマチン/マウスモデル/悪性度/遺伝子発現プロファイル/細胞接着因子/病理/病理学/臨床応用/分子機構/リモデリング/マウス/細胞接着/阻害剤/発現制御/遺伝子/遺伝子発現/化学療法/早期発見
他の関係分野:情報学生物学工学農学
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発表日:2025年6月3日
427
光を使って高分子を高付加価値化する手法を開発
-機能性ホスホン酸エステルの導入に成功-
材料化学専攻の大宮寛久 教授と東京科学大学(Science Tokyo) 物質理工学院 応用化学系の稲木信介 教授、玉野智大 大学院生(当時)らの研究チームは、高分子に可視光を照射することにより高分子に機能性部位を導入し、高付加価値な高分子に変換する手法を開発しました。プラスチックに代表される高分子化合物は分子変換することで、その性質を大きく変えることができます。近年、可視光の照射という穏和な条件で駆動する光酸化還元触媒を用いて、酸化還元活性エステルを導入した高分子を分子変換する方法が注目されていますが、高分子主鎖上に生成する炭素ラジカル種を利用するため、扱える反応には制約があり、...
キーワード:エステル/機能性高分子/高分子/触媒反応/リチウムイオン電池/可視光/温度応答性/電池/プラスチック/リチウム/酸化還元/添加剤/機能性/リン酸/カチオン/ラジカル/官能基/分子変換
他の関係分野:化学工学農学
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発表日:2025年5月30日
428
プラスチックの毒性メカニズムの一端を解明
―プラスチックの原料「ビスフェノールA」はレチノイン酸と共に脳、神経形成の異常をもたらすことが明らかに―
平澤明 薬学研究科准教授、高田達之 立命館大学教授らの研究グループは、プラスチックの原料であり、内分泌かく乱作用が危惧されているビスフェノールA(BPA)をレチノイン酸(RA)とともに発生初期のゼブラフィッシュ胚に曝露すると、レチノイン酸シグナルを強め、脳、神経、頭蓋顔面形成の異常を引き起こすことを明らかにしました。 本研究成果は、2025年5月14日に、国際学術誌「Environmental Health Perspectives」にオンライン掲載されました。...
キーワード:プラスチック/細胞工学/フェノール/ビスフェノールA/レチノイン酸/内分泌/遺伝学
他の関係分野:工学農学
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発表日:2025年5月30日
429
地震後の超高層大気変動を3次元解析で高精度に可視化
―電波障害予測や宇宙天気予報の実現にも期待―
惣宇利卓弥 生存圏研究所⽇本学術振興会特定研究員は、Weizheng Fu 名古屋大学日本学術振興会外国人特別研究員、大塚雄一 同准教授、ノルウェー・オスロ大学(University of Oslo)、情報通信研究機構との共同研究で、日本国内に整備された超稠密なGNSS観測網を活用することで、令和6年能登半島地震発生直後の電離圏応答を高精度に解析し、時間的・空間的に展開する電離圏電子密度変動の3次元的な特徴を明らかにしました。 本研究では、本研究グループが開発した三次元電離圏トモグラフィー手法を用いて、従来の2次元観測では見えなかった地震後の電離圏電子密度変動の立体構造や成長過程を明...
キーワード:情報通信/非線形/GNSS/トモグラフィー/立体構造
他の関係分野:複合領域数物系科学
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発表日:2025年5月30日
430
急性白血病における適切な移植前処置強度の同定
―日米データベースを用いた国際共同研究―
急性白血病の治療において、同種移植(いわゆる骨髄移植)は、強力な移植前処置によって白血病細胞が駆逐され、根治が望める重要な治療法ですが、移植後の合併症や再発などの可能性があります。前処置の強度を高めることで、移植後再発を減少させることができるものの、合併症の危険性を増大させる可能性があるため、どの程度の前処置強度が望ましいのかは、依然として症例ごとに試行錯誤されており、国により考え方が異なる現状があります。 新井康之 医学部附属病院講師、熱田由子 日本造血細胞移植データセンターセンター長(兼:愛知医科大学教授)、Wael Saber 米国ウィスコンシン医科大学(Medical Col...
キーワード:データ解析/幹細胞移植/合併症/造血細胞/骨髄/細胞移植/幹細胞/急性骨髄性白血病/白血病/骨髄移植/造血
他の関係分野:数物系科学
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発表日:2025年5月29日
431
小胞体にATPを輸送するトランスポーターの構造と分子機構の解明
ヒト、植物、酵母など真核生物の細胞内には、様々な細胞内小器官があります。その一つである小胞体は、タンパク質のフォールディング(折り畳み)・翻訳後修飾・品質管理、脂質やステロイドの合成、カルシウム貯蔵、薬物の解毒など、様々な生化学反応を担い、細胞の活動を支える上で欠かせない存在です。小胞体が正常に機能するためには「細胞のエネルギー通貨」であるATPを大量に必要としますが、小胞体自体はATPを作ることができません。どのようにして小胞体にATPが供給されるのかという問題は、生物学における大きな謎の一つでした。 野村紀通 生命科学研究科准教授、岩田想 同教授、David Drew スウェーデ...
キーワード:品質管理/細胞内小器官/電子顕微鏡/クライオ電子顕微鏡/分子機構/ATP/カルシウム/ステロイド/小胞体/翻訳後修飾/膜タンパク質/立体構造/脂質
他の関係分野:複合領域生物学工学
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発表日:2025年5月29日
432
ネコがどれぐらい「ゴロゴロいう」かは遺伝子も関わる?
―ネコのアンドロゲン受容体遺伝子と行動特性の関連を研究―
ネコ(Felis catus)は祖先種のリビアヤマネコ(Felis lybica)から家畜化される過程で、さまざまな社会的行動を示すようになりました。行動特性には、育った環境だけでなく、生まれつきの遺伝的要因も関与しています。ネコと同じく伴侶動物のイヌでは、多くの研究から遺伝子と行動特性との関係が明らかになってきましたが、ネコの研究は少なく、まだ分かっていないことが多くあります。 そこで、村山美穂 野生動物研究センター教授、岡本優芽 理学研究科博士課程学生、服部円 京都市立芸術大学講師らは、家庭で飼育されているネコを対象に行動特性とアンドロゲン受容...
キーワード:家畜化/行動特性/動特性/動物福祉/アンドロゲン受容体/アンドロゲン/受容体/遺伝子
他の関係分野:複合領域生物学工学農学
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発表日:2025年5月28日
433
iPS細胞由来間葉系幹細胞によるACVR2B
-Fc送達とラパマイシンの併用による進行性骨化性線維異形成症に対する新規治療戦略の開発
研究チームはこれまでの研究で、FOP注1)の異所性骨形成に対してmTORシグナル阻害剤ラパマイシン注2)が進行抑制効果を持つこと、および骨形成タンパク質阻害物質ACVR2B-Fc注3)をiMSC注4)に搭載することで効率的に標的組織へ届ける方法を開発していました。今回、ACVR2B-Fc搭載iMSCとラパマイシンを併用することで、FOPの異所性骨化の進行抑制効果が高まることを動物モデルで確認しました。併用療法が外科的...
キーワード:結合組織/融合タンパク質/新規治療法/iPS細胞/炎症反応/動物モデル/免疫抑制/臨床応用/筋肉/脂肪細胞/BMP/モデルマウス/間葉系幹細胞/骨疾患/軟骨/マウス/遺伝子治療/幹細胞/間質細胞/血液/骨形成/再生医療/受容体/阻害剤/免疫抑制剤/遺伝子/抗体/手術/難病
他の関係分野:生物学総合生物
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発表日:2025年5月28日
434
脳は情報とエネルギーの最適バランスを実現
―脳の情報処理が予想以上に頑健なことを発見―
私たちの脳は約百億個もの神経細胞が複雑に結びついたネットワークによって、視覚や聴覚などの感覚情報を処理しています。しかし、ノイズ(雑音)に満ちた現実世界の中で、脳がどのように安定的かつ正確に情報を表現しているかは、神経科学における最大の謎のひとつでした。 これまで、情報表現をノイズに対して強くするために、脳は「フラクタル状態」と呼ばれる、入力に過敏な状態を避ける必要があると考えられてきました。しかし、寺前順之介 情報学研究科准教授と立川剛至 同博士課程学生の研究グループは、「Fisher情報量」と呼ばれる数理的手法を用いることで、神経ネットワークは従来の予想以上にノイズに対して頑健で...
キーワード:情報量/AI/情報学/ノイズ/フラクタル/エネルギー効率/エネルギー消費/神経ネットワーク/聴覚/神経科学/神経細胞
他の関係分野:情報学数物系科学工学
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発表日:2025年5月27日
435
COVID-19下での行動制御の日米文化差
―日本は「調整」、米国は「影響」方略が優位―
Raphael Uricher 人間・環境学研究科修士課程学生(現:米国スタンフォード大学(Stanford University)博士課程学生)、中山真孝 人と社会の未来研究院准教授、内田由紀子 同教授の研究グループは、COVID-19(新型コロナウィルス)パンデミックという集団的脅威下での行動制御における文化差を調査しました。これまで歴史的な集団的脅威が文化の違いを生むことは指摘されてきましたが、具体的な心理・行動傾向との関係は不明でした。また、日常場面では、東アジア人は状況に合わせる「調整」を、欧米人は状況を変える「影響」を好むとされる一方、パンデミックのような特殊状況下での検証は不足し...
キーワード:コロナ禍/地方政府/パンデミック/新型コロナウイルス感染症
他の関係分野:工学農学
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発表日:2025年5月24日
436
温度が変化しても安定した信号を計測できる高分子薄膜を開発
日々の健康状態をより正確に把握する次世代バイオセンサとして、生体親和性に優れ、水中でも安定して動作する有機電気化学トランジスタ(OECT)が近年注目を集めています。高分子化学専攻 山本俊介 准教授(東北大学大学院工学研究科応用化学専攻客員准教授)、東北大学大学院工学研究科の金田一修平 大学院生(研究当時)、三ツ石方也 教授らは、静岡大学工学部、米国ワシントン大学化学科と共同で、OECTの高機能化に取り組み、温度が変化しても安定して動作する素子の作製に成功しました。これは、従来用いられてきた導電性高分子に温度応答性高分子を混合し、さらに適切な架橋剤を用いることで、活性層の安定性を高めた...
キーワード:化学物質/高分子/高分子化学/高分子薄膜/導電性高分子/トランジスタ/温度応答性/電気化学/導電性/膜構造/有機電気化学/温度応答性高分子
他の関係分野:環境学化学工学総合生物
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発表日:2025年5月22日
437
ヒトiPS細胞を用いて神経細胞における脂質の役割を解明
-高度不飽和脂肪酸が神経機能と脳病態を制御する-
理化学研究所(理研)バイオリソース研究センターiPS創薬基盤開発チームの森田賢客員研究員(サントリーウエルネス株式会社生命科学研究所研究員)、近藤孝之客員研究員(京都大学iPS細胞研究所特定拠点講師)、井上治久チームディレクター(革新知能統合研究センターiPS細胞連携医学的リスク回避チーム客員主管研究員、京都大学iPS細胞研究所教授)らの共同研究チームは、ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)注1)...
キーワード:プロファイル/微小電極/マイクロ/モデル化/膜構造/電極アレイ/シナプス/神経活動/生体内/アミロイドβ/脂質膜/高度不飽和脂肪酸/表現型解析/ドコサヘキサエン酸/脳神経科学/iPS細胞/細胞株/神経機能/免疫染色/神経伝達物質/アミロイド/アラキドン酸/アルツハイマー病/イミン/プローブ/遺伝子治療/幹細胞/形態形成/血液/細胞核/脂肪酸/神経科学/神経細胞/創薬/多能性幹細胞/脳機能/不飽和脂肪酸/分化誘導/膜タンパク質/免疫応答/ヒトiPS細胞/遺伝子/脂質/認知症
他の関係分野:情報学工学総合生物農学
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発表日:2025年5月21日
438
森と川の季節的なつながりがアマゴの多様な生き方を育む
上田るい 生態学研究センター研究員、佐藤拓哉 同准教授、金岩稔 三重大学准教授、照井慧 米国ノース・カロライナ大学グリーンズボロー校(University of North Carolina at Greensboro)助教、瀧本岳 東京大学准教授からなる研究グループは、初夏に森林から河川に昆虫などの陸生無脊椎動物が流入することによって、それらを川で餌として利用しているアマゴの生き方が多様になることを明らかにしました。本研究は、森や川といった生態系の季節的なつながりが、生物多様性の一つである種内の多様性維持に貢献することを実証する成果であると同時に、気候変動や人間活動が野生生物に及ぼす影響につ...
キーワード:人間活動/環境変動/気候変動/データ解析/野外実験/脊椎動物/生態系/無脊椎動物/生態学/生物多様性/脊椎
他の関係分野:環境学数物系科学生物学農学
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発表日:2025年5月21日
439
インスリノーマの非侵襲診断に成功ー新開発のPET/CT検査が高精度検出を実現ー
村上隆亮 医学研究科助教、中本裕士 同教授、矢部大介 同教授、稲垣暢也 名誉教授らの研究グループは、重症低血糖を呈しうる稀なホルモン産生腫瘍であるインスリノーマを対象に、新しいPET/CT検査を用いた非侵襲的診断法の開発に成功しました。インスリノーマ細胞に多く発現するGLP-1受容体を標的とした新規PETプローブ([18F]FB(ePEG12)12-exendin-4)を用いることで高感度な画像診断を実現しました。実際に本プローブを用いたPET/CT検査を12名のインスリノーマが疑われる患者に施行したところ、同検査によって腫瘍の存在部位を100%の感度で特定でき、従来法を...
キーワード:診断法/ホルモン/画像診断/MRI/プローブ/受容体/手術/非侵襲
他の関係分野:総合生物
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発表日:2025年5月21日
440
原始紅藻Galdieria sulphuraria光化学系I集光性色素タンパク質超複合体の立体構造解析
熊沢穣 農学研究科博士課程学生、伊福健太郎 同教授、長尾遼 静岡大学准教授、加藤公児 岡山大学特任准教授、沈建仁 同教授、堂前直 理化学研究所ユニットリーダーらは、極限環境に適応した原始紅藻Galdieria sulphuraria NIES-3638由来PSI-LHCIの立体構造をクライオ電子顕微鏡による単粒子構造解析により2.19Åの分解能で明らかにしました。その結果、本種のPSI-LHCIはPSI単量体と7つのLHCIサブユニット(LHCI-1~7)で構成されており、進化的に保存された結合様式を持つことが明らかになりました。また、PSIのA1電子受容体として一般的に見ら...
キーワード:キノン/光化学/光化学系I/光合成/分子系統解析/適応進化/分子系統/分子進化/電子顕微鏡/分解能/極限環境/系統解析/クライオ電子顕微鏡/受容体/立体構造/立体構造解析
他の関係分野:化学生物学工学総合生物農学
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発表日:2025年5月20日
441
COVID-19 mRNAワクチン接種後の抗体価の予測因子を特定
~個人の免疫応答能を予測するバイオマーカー探索の試み~
本研究では、COVID-19 mRNAワクチン2回接種後の抗体価を予測する因子を探索しました。 年齢、アレルギー既往、自己免疫疾患の罹患が、ワクチン2回接種後の抗体価が低いことと関連することが示されました。平均赤血球容積(MCV)、ヘモグロビン値、リンパ球数、CD8+ T細胞におけるナイーブT細胞の割合が、抗体価と関連することが示されました。特に、CD8+ T細胞におけるナイーブT細胞の割合は、抗体価を予測するよいバイオマーカーとなる可能性が示唆さ...
キーワード:回帰分析/情報学/ボランティア/免疫機能/因果関係/モニタリング/細胞応答/花粉/トマト/CD8/スギ/IgE/SARS-CoV-2/ゲノム情報/好酸球/iPS細胞/ウイルス感染症/がんワクチン/がん免疫/血清/動物モデル/mRNA/パンデミック/リンパ球/健康診断/重回帰分析/新型コロナウイルス/臨床検査/T細胞/ヘモグロビン/血液/血小板/好中球/抗原/細胞治療/自己免疫/自己免疫疾患/赤血球/免疫応答/免疫学/免疫細胞/アレルギー/ウイルス/ゲノム/バイオマーカー/ワクチン/疫学/加齢/感染症/抗体/高齢者/新型コロナウイルス感染症/新型コロナウイルス感染症/肺がん
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学工学農学
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発表日:2025年5月16日
442
水素結合性有機薄膜トランジスタの開発
―真の超分子デバイスへの第一歩―
山内光陽 化学研究所助教、上野創 同博士課程学生、山本恵太郎 同助教、水畑吉行 同准教授、山田容子 同教授らの研究グループは、塩谷暢貴 同助教、松田大 同特定研究員、長谷川健 同教授との共同研究成果として、水素結合ネットワークを有する有機薄膜トランジスタを、溶液塗布プロセスを通じて開発することに成功しました。ファンデルワールス力と比較して、水素結合は結合方向が明確であり、精密な超分子構造制御を可能としますが、導入により溶媒への溶解性が著しく低下するためトランジスタへの応用例は限定されます。本研究では、高溶解性の熱前駆体を用いた 「熱前駆体法」を取り入れ、難溶性の水素結合性テトラベンゾポルフィリ...
キーワード:水素結合ネットワーク/X線解析/分子構造/超分子化学/電荷移動度/分子デバイス/分子配向/有機半導体/アモルファスシリコン/前駆体/トランジスタ/ファンデルワールス力/薄膜トランジスタ/有機薄膜/アモルファス/シリコン/移動度/構造制御/耐久性/電荷移動/半導体/超分子/ポルフィリン/分子集合
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学
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発表日:2025年5月16日
443
PTFEのマテリアル・リサイクル法の提案
―無機塩とのメカノケミカルで、強固な分子鎖集合をゆるませることに成功―
長谷川健 化学研究所教授、大貫友椰 同修士課程学生、火原彰秀 東京科学大学教授、西村祥吾 同修士課程学生、仙波祐太 同学部学生、加納純也 東北大学教授、Li Yao 同博士課程学生らは、従来困難であったポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の新しいマテリアル・リサイクル法を提案しました。 代表的なフッ素ポリマーであるPTFEは、撥水撥油材料として日常生活器具や、半導体加工現場で利用されています。PTFEは、有機フッ素鎖の特徴である強い分子鎖集合を持つため、化学的に安定で耐摩耗性や耐腐食性があり有用ですが、加工やリサイクルが難しい特徴も持っています。本研究では、安価な材料として塩化ナト...
キーワード:X線回折/赤外分光/赤外分光法/メカノケミカル/フッ素/ポリマー/リサイクル/熱分解/半導体/エチレン/炭化水素/SPECT/ナトリウム/日常生活
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学農学
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発表日:2025年5月12日
444
天候に応じて花が向きを変える意義とメカニズムを解明
工藤洋 生態学研究センター教授と柴田あかり 同研究員(現:福井市自然史博物館学芸員)らの研究グループは、晴れた日には花が上を向き、雨の日には下を向く植物について、その意義とメカニズムを解明しました。 本研究で用いた植物、アブラナ科のハクサンハタザオは白い小さな花をたくさん咲かせ、晴れた日には花が一斉に太陽の方向を向く一方で、雨の日には花が下を向きます。植物がどのように、また何のために花の向きを変えるのかを明らかにするために、野外調査と操作実験、発現遺伝子の解析を行いました。晴天時に花が上を向くのは、花柄(花の下の茎)が青色光の方向に伸長するためであり、上を向くことで送粉昆虫による花粉...
キーワード:博物館学/太陽/アブラナ科/青色光/花粉/生態学/遺伝子
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学農学
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発表日:2025年5月12日
445
骨髄移植における糖鎖の重要性
―2つのアミノ酸が移植効率を決める可能性―
PAN XUCHI 医学研究科博士課程学生(研究当時)、成瀬智恵 同准教授、浅野雅秀 同教授(研究当時)らの共同研究グループは、ケモカイン受容体CXCR4の潜在的なO型糖鎖付加部位が細胞の遊走と造血幹・前駆細胞(HSPC)のホーミングに重要な役割を果たすことを発見しました。 本研究グループはこれまでに、糖鎖がHSPC移植後の骨髄へのホーミングに重要であることを報告してきました。また、CXCR4はHSPCのホーミングに関わる重要な分子ですが、CXCR4を修飾する糖鎖の役割は不明でした。本研究で、培養細胞へのCXCR4変異遺伝子の導入やCrispr/Cas9法により作製...
キーワード:糖鎖修飾/CRISPR/骨髄/前駆細胞/造血幹細胞/アミノ酸/ケモカイン/マウス/リガンド/幹細胞/受容体/培養細胞/遺伝子/骨髄移植/造血
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発表日:2025年5月2日
446
双性イオン・開殻型ナノグラフェン
―電子輸送性や電荷分離・磁性などさまざまな機能が協奏したナノグラフェン―
分子工学専攻 関 修平教授らのグループは、マドリード・コンプルテンセ大学Juan Lión-Villar博士課程学生、 Jesús M. Fernández-García博士、Nazario Martín教授、マラガ大学Samara Medina Rivero博士、Daniel Aranda博士、Juan Casado教授、マドリード自治大学Josefina Perles准教授、シンガポール国立大学Shaofei Wu博士、Jishan Wu教授と共同で、2枚のグラフェンが立体的につながった構造を創り出し、2枚の電子状態をそれぞれ精密に制御することで双性イオン型・電荷分離状態、また開殻構造に由...
キーワード:分子性物質/ナノグラフェン/電子輸送/電荷分離/電子状態/グラフェン/立体構造
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発表日:2025年5月2日
447
DNA塩基が見せた一瞬のねじれをとらえた
―光損傷の仕組み解明の手掛かりに―
私たちの遺伝情報はDNAに含まれる4種類の核酸塩基のならび方によって記録されていますが、なぜ核酸塩基が遺伝情報の記録に用いられるようになったのかは全くの謎です。一つの説は、核酸塩基は紫外線を吸収してもエネルギーを高速に熱として外界に放出し、光化学反応による損傷を最大限に抑制するためというものです。このような性質は、特に原始地球において強力な紫外線が地表まで到達していた時代に必須とも考えられます。しかし、核酸塩基は本当に紫外線に対して安定なのでしょうか。 鈴木俊法 理学研究科教授らの研究グループは、超高速光電子分光法と赤外分光法によって水溶液中の核酸塩基を調べ、紫外線を吸収したチミンや...
キーワード:光電子分光/水溶液/生命の起源/光電子分光法/赤外分光/光化学/遺伝情報/赤外分光法/電子分光/紫外線/RNA/核酸塩基
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発表日:2025年5月2日
448
アカゲザル全身80組織の季節の遺伝子発現地図を作製
―生理機能や病気リスクが季節や性別によって変わる謎に迫る―
代謝、免疫、内分泌などの生理機能は季節によってダイナミックに変化します。また、心疾患、脳血管疾患、インフルエンザ、精神疾患など、多くの疾患は冬に重症化し、死亡率も冬季に上昇しますが、それらの季節変化を制御する分子基盤は謎に包まれていました。 今井啓雄 ヒト行動進化研究センター教授、大石高生 同准教授、宮部貴子 同助教、吉村崇 名古屋大学教授、陳君鳳(チェン・ジュンファン) 同特任助教、沖村光佑 同博士、任亮 同博士、永野惇 龍谷大学教授(現:名古屋大学教授)らの研究グループは、ヒトに近縁な霊長類のアカゲザルの全身80組織について、1年を通して網羅的な季節の遺伝子発現地図を作製し、さま...
キーワード:季節変化/季節変動/霊長類/死亡率/生理機能/脳血管疾患/インフルエンザ/内分泌/遺伝子/遺伝子発現/精神疾患
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発表日:2025年5月2日
449
頬粘膜における体細胞モザイクの解明と安全で正確な食道がん予測モデルの構築
―頬粘膜の体細胞モザイクは食道扁平上皮がんの生活習慣や遺伝子多型リスクを反映する―
がんの約40%は飲酒や喫煙などの予防可能な要因に起因しています。これらのリスク因子は自己申告に基づいて評価されてきましたが、より正確かつ客観的な評価手段の開発が求められています。 近年、がんに関連する遺伝子変異が、正常な細胞においても、加齢や環境因子の影響により蓄積することが明らかとなり、「体細胞モザイク」と呼ばれる現象として知られています。 この度、横山顕礼 医学部附属病院講師、垣内伸之 白眉センター/医学研究科特定准教授、金秀基 神戸朝日病院院長らによる研究チームは、頬粘膜から非侵襲的に採取した試料を用い、最新の遺伝子解析技術によって遺伝子変異を高精度に検出することに成...
キーワード:クローン/リスク評価/遺伝子解析/早期診断/死亡率/食道がん/予測モデル/発がん/扁平上皮がん/バイオマーカー/リスク因子/遺伝子/遺伝子変異/加齢/環境因子/早期発見/非侵襲
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発表日:2025年5月1日
450
深海の謎を解き明かす革新的な手法の開発
―深海頭足類の多様性評価に新たな扉―
中野智之 フィールド科学教育研究センター准教授は、Qianqian Wu(う・せいせい) 神戸大学学術研究員、源利文 同教授、海洋研究開発機構、千葉県立中央博物館、大阪市立自然史博物館、沖縄美ら島財団との共同研究で、 頭足類(主にイカやタコの仲間からなる生物群)のDNAを深海の水から検出する革新的な手法を開発しました。 本研究では「環境DNAメタバーコーディング分析法」を活用し、水中に放出された生物由来の微量なDNA「環境DNA」を解析することで、頭足類の存在を迅速かつ効率的に検出する技術を確立しました。この手法を用いることで、太平洋の西七島海嶺沖合海底自然環境保全地域において、水深...
キーワード:海洋/頭足類/脊椎動物/イオウ/環境保全/生態系/無脊椎動物/環境DNA/脊椎/PCR
他の関係分野:環境学数物系科学生物学農学
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発表日:2025年4月30日
451
ムコ多糖症ニホンザルの臨床徴候改善に成功
―組換えカイコと糖鎖改変技術による新型酵素―
ライソゾーム病はライソゾーム酵素の遺伝的欠損を原因とする疾患群です。一部のライソゾーム病に対しては、哺乳類細胞株で産生した組換えヒト酵素を静脈内投与する酵素補充療法が臨床応用されています。しかしながら、組換えライソゾーム酵素を大量に生産する必要があるため、より低コストかつ安全な生産系が求められています。 大石高生 ヒト行動進化研究センター准教授、篠田知果 徳島大学博士前期課程学生(研究当時)、伊藤孝司 同名誉教授、北風圭介 川崎医科大学助教らの研究グループは、農業・食品産業技術総合研究機構、国立医薬品食品衛生研究所、株式会社伏見製薬所、金沢大学、兵庫県立大学、自然科学研究機構、岐阜大...
キーワード:クラウド/遺伝性疾患/霊長類/哺乳類/カイコ/食品産業/新規治療法/細胞株/臨床応用/遺伝子治療/遺伝子/疾患モデル
他の関係分野:情報学生物学農学
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発表日:2025年4月25日
452
シンクロする微小なバブルたちの振動
―マイクロバブル同期振動の直接観測に成功―
マイクロエンジニアリング専攻の張 軒瑋(ちょう けんい、Xuanwei Zhang)博士課程学生、名村 今日子(なむら きょうこ)准教授、鈴木 基史(すずき もとふみ)教授、分子科学研究所メゾスコピック計測研究センターの西田 純(にしだ じゅん)助教らのグループは、水中に小さな気泡(マイクロバブル)を2個並べて生成し、それらがサブMHzオーダーで同期して振動する様子を捉えることに成功しました。少量の液体を超高速・高周波数で操る技術は、ハイスループットで特徴の違う細胞をソーティングするなど、医療や化学分野で大量のサンプルを処理してデータを取得するために必要な技術です。マイクロバブルの振...
キーワード:スループット/高周波/マイクロ/マイクロバブル/レーザー/周波数/ハイスループット/カップリング
他の関係分野:情報学数物系科学工学総合生物
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発表日:2025年4月25日
453
ヒトiPS細胞由来呼吸器オルガノイドを用いたRSウイルス感染症研究
ヒト呼吸器オルガノイド注1)にRSウイルスは効率よく感染しました。RSウイルスに感染したヒト呼吸器オルガノイドにおいて、呼吸器上皮層の破壊、自然免疫応答、炎症応答を観察できました。ヒト呼吸器オルガノイドを用いて、RSウイルスの治療薬および予防薬を評価できました。1. 要旨 橋本 里菜 研究員(...
キーワード:オントロジー/スレッド/電子顕微鏡/二酸化炭素/微細構造/融合タンパク質/微生物学/微生物/病原体/ウイルス学/iPS細胞/インターフェロン/インターロイキン/ウイルス感染症/炎症反応/気道上皮細胞/血管内皮/組織修復/mRNA/サーファクタント/オルガノイド/モノクローナル抗体/線維芽細胞/RNA/アセチル化/コラーゲン/タンパク質発現/チューブリン/ファージ/マクロファージ/炎症性サイトカイン/幹細胞/蛍光顕微鏡/血管内皮細胞/抗ウイルス薬/自然免疫/上皮細胞/創薬/内皮細胞/分化誘導/膜融合/免疫応答/免疫細胞/ウイルス/サイトカイン/ヒトiPS細胞/遺伝子/感染症/抗体/乳幼児/臨床研究
他の関係分野:情報学工学総合生物農学
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発表日:2025年4月25日
454
スマートフォンで学ぶ5つの認知行動スキルがうつ状態を改善
─世界最大の臨床試験で解明─
古川壽亮 成長戦略本部特定教授、田近亜蘭 医学研究科准教授、豊本莉恵 同特定助教、LUO Yan 同助教(研究当時)、中山健夫 同教授、近藤尚己 同教授、福間真悟 同特定教授らの国際共同研究グループは、人口の10%以上が経験し、労働生産性の低下などの原因となる閾値下うつ状態を有する成人を対象に、スマートフォンを用いて認知行動療法(CBT)スキルを自学自習できるアプリ「レジトレ!®」を開発し、5種類のCBTスキルの効果を検証する世界最大の無作為割り付け比較試験(RCT)を実施しました。 「レジトレ!®」は、CBTの5つの重要なスキル(行動活性化、認知再構成、問題解決、アサーション、睡眠...
キーワード:インターネット/生産性/スキル/労働生産性/副作用/臨床試験/CBT/RCT/うつ/うつ病/スマートフォン/睡眠/認知行動療法/薬物療法
他の関係分野:情報学工学
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発表日:2025年4月25日
455
配偶者の糖尿病発症と本人のうつ病の関係が明らかに
井上浩輔 白眉センター/医学研究科特定准教授、近藤尚己 同教授、矢部大介 同教授、古村俊昌 米国ハーバード大学(Harvard University)博士課程学生、津川友介 米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)准教授らの研究グループは、全国健康保険協会(協会けんぽ)の医療レセプトのデータ(約52万人)および生活習慣病予防健診のデータ(約20万人)を用いて、配偶者の糖尿病によって本人のうつ病リスクが上昇し、配偶者のその後の心血管疾患(CVD)がその一部を媒介することを明らかにしました。 これまでの研究により、糖尿病は本人のみならずパートナーへも心理的な負担を与えることが報告...
キーワード:CVD/モニタリング/合併症/心筋/心筋梗塞/うつ/うつ病/メンタルヘルス/レセプト/疫学/社会疫学/生活習慣病/糖尿病/脳卒中/慢性疾患
他の関係分野:工学
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発表日:2025年4月25日
456
"水に溶けない有機物"を"水により還元変換"する光触媒系の開発
―人工光合成の適用範囲拡張に向けて―
物質エネルギー化学専攻の中田 明伸 講師、板垣 廉 博士後期課程学生、阿部 竜 教授らのグループは、中央大学理工学部 応用化学科の張浩徹 教授と共同で「水に溶けない有機物を水により還元変換する光触媒系」を開発しました。緑色植物の光合成反応を模倣し、水を反応剤(電子・プロトン源)として用い、光エネルギーにより化合物を合成する「人工光合成」に関する研究は半世紀ほど前から行われてきました。人工光合成は、クリーンで豊富に存在する水を反応剤にすること、また投入した光エネルギー(理想的には太陽光エネルギー)を生成物中に蓄えることで、既存のエネルギー資源(化石資源や電力など)を必要とせず有価物を...
キーワード:光エネルギー/水素生成/水溶液/太陽/光触媒反応/金属錯体/触媒反応/反応場/光合成/太陽光/電子輸送/フェロセン/人工光合成/還元反応/電荷輸送/光触媒/二酸化炭素/半導体/有機物/光分解/プロトン/レドックス
他の関係分野:環境学数物系科学化学生物学総合理工工学総合生物
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発表日:2025年4月25日
457
細胞内タンパク質複合体の分子構成をナノスケールで可視化する革新的手法
―多種のタンパク質で構成される分子複合体の実体が明らかに―
木内泰 医学研究科准教授(現:同特定准教授)、渡邊直樹 生命科学研究科教授(兼:医学研究科教授)、Dimitrios Vavylonis 米国リーハイ大学(Lehigh University)教授らの研究グループは、細胞機能を担うタンパク質複合体を可視化するため、抗血清から作製した超解像顕微鏡法IRIS用プローブと画像解析PC-coloringを開発し、8つの内在性タンパク質の分子局在とそれらの分子複合体の分布を明らかにしました。 内在性タンパク質の抗体染色において、標的分子に結合した抗体は、その大きさ(12 nm)に起因して、その近傍の分子への抗体の接近を空間的に妨害します。この不...
キーワード:タンパク質複合体/ナノスケール/超解像/超解像顕微鏡/マッピング/EGFR/血清/成長因子/プローブ/受容体/抗体
他の関係分野:生物学工学総合生物農学
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発表日:2025年4月23日
458
植物の開花の始まりを抑える未知の遺伝子制御の仕組みを解明
―植物特異的Dof転写因子はDNA上の近接した結合配列のタンデムリピートに効率的に集積する―
被子植物の実験モデルであるシロイヌナズナにおいては、遺伝子の5%を超える1,500以上の遺伝子が転写因子をコードし、そのうちの45%は植物特異的なファミリーに属していると推計されています。DNA-binding with one-finger(Dof)転写因子は、Dofドメインと名付けられた独特なzinc finger(ZF)型DNA結合ドメインを分子内に1つだけもつ植物特異的な転写因子ファミリーであり、植物の多岐にわたる生理過程の遺伝子発現調節において重要な役割を担っています。しかし、Dofドメインの結合配列はAAAG(またはその逆相補配列CTTT)であり、限られた標的遺伝子のプロモーターを...
キーワード:DNA結合/遺伝子発現調節/生殖/モーター/植物ホルモン/シロイヌナズナ/土壌/転写抑制/プロモーター/遺伝子制御/実験モデル/ホルモン/分子機構/転写因子/転写制御/発現調節/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:複合領域生物学工学農学
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発表日:2025年4月23日
459
複雑な酵素反応を数理モデルで解析
―熱力学と速度論を駆使した新しい理論で酵素電極反応のメカニズムに迫る―
市川小夏 農学研究科修士課程学生、足立大宜 同特定研究員、北隅優希 同准教授、白井理 同教授、宋和慶盛 同助教らの研究グループは、Gluconobacter oxydansという酢酸菌由来のアルデヒド脱水素酵素(ALDH)およびその変異体の特性評価より、ALDHの膜結合サブユニットが触媒活性の向上に寄与することを明らかにしました。また、酵素の触媒反応を解析するための数理モデルを構築し、ALDHの膜結合サブユニット欠損変異体(ΔC_ALDH)の触媒反応に関する熱力学および速度論的パラメータを解明しました。 酸化還元酵素は、呼吸や光合成といった生体内電子移動において重要...
キーワード:自由エネルギー/速度論/キノン/触媒反応/電子移動/反応機構/酸化還元酵素/光合成/電子伝達/酵素電極/生体触媒/触媒機能/脱水素/熱力学/電極反応/モデル化/解析モデル/酸化還元/電気化学/組み換え/生体内/変異体/アルデヒド/アセトアルデヒド/酵素反応/酸化反応
他の関係分野:情報学数物系科学化学生物学総合理工工学総合生物農学
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発表日:2025年4月21日
460
細菌が環境中の鉄の存在を「知る」しくみを解明 膜タンパク質の多段階切断を介して、細胞外の情報が細胞内へ伝達される
秋山芳展 医生物学研究所教授、横山達彦 岐阜大学助教、久堀智子 同准教授、永井宏樹 同教授らの研究グループは、奈良先端科学技術大学院大学と理化学研究所との共同研究で、細菌が環境の鉄イオンを感知する分子メカニズムを解明しました。 生命は、生存に不可欠な元素である鉄を取り込むために、巧妙なシステムを進化させてきました。効率的に鉄を取り込むために、細菌は外界の鉄を感知することができますが、その分子メカニズムの全容はこれまで不明でした。細菌は鉄を取り込む際に、分子モーターが生み出す機械的な力を利用することが知られています。本研究ではこの力が、情報伝達を担う膜タンパク質「FecR」にも伝わり、...
キーワード:モーター/機能制御/分子モーター/膜タンパク質/遺伝子/細菌
他の関係分野:工学総合生物
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発表日:2025年4月18日
461
湖と海で環境DNAの拡散距離は異なる
―生物多様性調査に向けた環境DNAの"生態"の解明―
環境DNA技術は、生物の分布や組成を水中に漂うDNA情報から推測できるため、非侵襲的かつ省コストな生物多様性の調査手法として近年世界中で有望視されています。環境DNAは水の流れや重力に沿って移動するため、その拡散範囲や沈降速度の理解が重要です。しかしながら、湖沼や海洋ではこうした移動特性の知見が乏しく、生物分布をどの程度の空間解像度で反映できるかは分かっていませんでした。 そこで、相馬寿明 情報学研究科特定研究員(兼:同日本学術振興会特別研究員(PD))、村上弘章 東北大学助教、中臺亮介 横浜国立大学講師の研究グループは、湖沼と海洋での環境DNAの移動拡散に関するこれまでの文献を収集...
キーワード:情報学/海洋/湖沼/モニタリング/動特性/環境DNA/生物多様性/非侵襲/標準化
他の関係分野:情報学環境学工学農学
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発表日:2025年4月18日
462
「オートファジー」が植物の接木に関与
野田口理孝 理学研究科教授(兼:名古屋大学特任教授)、黒谷賢一 同准教授(研究当時:名古屋大学特任准教授)、岡田健太郎 名古屋大学特任助教、吉本光希 明治大学教授、豊岡公徳 理化学研究所上級技師らの研究グループは、植物に接木を実施したときに生じる傷の修復過程にオートファジーが関与していることを発見しました。 接木は二つ以上の植物個体を人為的操作によってつなぎあわせて育成する、有史以前より利用されてきた農業技術です。その成立には個体間の自他認識、傷口からの病原体等の侵入抑制、組織の脱分化、カルス形成、細胞間の癒合、通道組織の再構成など、多数の生理応答が関わっていると考えられますが、まだ...
キーワード:生存戦略/電子顕微鏡/オートファゴソーム/カルス/病原体/オートファジー
他の関係分野:生物学工学農学
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発表日:2025年4月18日
463
生活保護世帯の子どもにテーラーメイド型支援を 効果的な支援システム開発に向けた新手法を確立
貧困は、子どもの健康や社会生活に悪影響を及ぼします。生活保護世帯の子どもたちは、健康や生活に関して多様なニーズを抱えており、個々の生活背景に応じた支援が求められています。また、効果的な支援方法も個々の生活背景によって異なります。 そこで、上野恵子 医学研究科特定助教らの研究グループは、生活保護世帯の子どもたちを生活背景に応じて類型化するために、1,275名が回答した質問紙調査から得た情報を用いて、機械学習の手法(ソフトクラスタリング)で生活背景の異なる小集団(セグメント)に類型化しました。次に、この分析で得られた結果をもとに、複雑な支援ニーズを持つ子どもたちを支援する専門家(NPO職...
キーワード:クラスタリング/機械学習/システム開発/支援システム/インタビュー調査/精神的健康/保健師
他の関係分野:情報学複合領域工学
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発表日:2025年4月18日
464
2次元共役高分子を巻き上げる
―世界最高レベルのプロトン伝導性を示すチューブ状COFの合成に成功―
分子工学専攻 Li Zhuowei氏(博士課程3年)・Paitandi Rajendra氏(日本学術振興会研究員)・筒井 祐介助教・松田 若菜氏(博士研究員)・信岡 正樹氏(博士課程3年)・Chen Bin氏(博士課程3年)・鈴木 克明助教・梶 弘典教授・Samrat Ghosh氏(日本学術振興会研究員)・田中 隆行准教授・須田 理行准教授・関 修平教授は、物質エネルギー化学専攻 Zhu Tong准教授・陰山 洋教授、名古屋大学大学院工学研究科有機・高分子化学専攻 三宅 由寛准教授(現兵庫県立大学教授)・忍久保 洋教授、横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科 高木 牧人特任助教・島崎 智...
キーワード:スペクトル/ピレン/プロトン伝導/高分子/高分子化学/共役高分子/インピーダンス/超音波/電気化学/ナノチューブ/プロトン
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学総合生物
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発表日:2025年4月17日
465
「音」に対する細胞応答の解明
―生命と可聴域音波の関係性を問い直す成果―
粂田昌宏 生命科学研究科助教、吉村成弘 同准教授らの研究グループは、可聴域の音波刺激に対する細胞応答を解明しました。 音波は我々動物個体にとっては五感の一つとして重要な環境情報ですが、細胞に対する作用については、科学的追究が進んでいませんでした。そこで本研究グループは、培養細胞に直接音波刺激を伝達する実験系を構築し、様々な細胞種や音波パターンに対する応答を探索したところ、細胞接着部を起点としたシグナル伝達のはたらきで細胞接着が活性化するとともに約190の音波応答性遺伝子が応答することや、脂質代謝が活性化することを明らかにしました。また、特に顕著な音波応答性を示した脂肪細胞系に着目し、...
キーワード:環境情報/組織制御/非接触/細胞応答/differentiation/脂肪細胞/バイオテクノロジー/細胞接着/培養細胞/遺伝子/脂質/脂質代謝
他の関係分野:工学農学
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発表日:2025年4月16日
466
室温下でSiC中の単一スピン情報の電気的読み出しを実現
~高効率な電気的読み出しを実証し、量子デバイスの集積化に道拓く~
西川哲理 化学研究所助教、森岡直也 同准教授、水落憲和 同教授、大島武 量子科学技術研究開発機構センター長(兼:東北大学特任教授)、土田秀一 電力中央研究所研究参事らの共同研究グループは、4H型炭化ケイ素(SiC)結晶中の原子の抜け穴に存在する一つの電子スピンの情報を、光照射により発生する光電流の計測(PDMR法)によって、室温下で電気的に読み出すことに成功しました。 私たちの生活をより快適・安全・安心にするための様々な次世代技術、例えば、半導体微細化技術の限界や電力消費の増大から従来のスーパーコンピュータに代わるコンピュータ、情報セキュリティー強化から盗聴不可能な暗号通信技術が、生...
キーワード:スーパーコンピュータ/情報セキュリティ/量子情報/ケイ素/光電流/半導体材料/微細化/量子デバイス/安全・安心/光照射/SiC/シリコン/スピン/センシング/レーザー/集積回路/半導体/分解能/空間分解能
他の関係分野:情報学数物系科学化学総合理工工学
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発表日:2025年4月16日
467
多孔質粒子の構造変形機構を実証
―ミクロな針での押し付けが特性評価の鍵―
化学工学専攻 有馬誉 助教(研究当時:博士後期課程学生)、平出 翔太郎 助教、渡邉哲 准教授らのグループは、ドイツの研究グループと共同で、多孔質粒子が内包する分子を「押し出す」ことで、単一の粒子が示す、分子脱着に伴う構造変形のメカニズムを実証することに世界で初めて成功しました。構造に柔らかさを持つ多孔質粒子は、その種類や粒子サイズによって、分子の吸脱着に伴う構造変形の様式が異なると考えられてきましたが、その実測は困難でした。本研究グループは、ミクロな針で多孔質粒子を押し付けるという手法を提案し、その応答を熱力学的に解析することで、粒子一粒一粒の構造変形挙動の違いを明らかとしました。従...
キーワード:構造転移/熱力学/ガス分離/化学工学/原子間力顕微鏡/多孔質/構造変化
他の関係分野:工学
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発表日:2025年4月15日
468
インシリコスクリーニングから見出した抗精神病薬が黄色ブドウ球菌の病原因子を阻害するメカニズムを解明
奥野友紀子 医学研究科特定准教授、北所健悟 京都工芸繊維大学准教授、神谷重樹 大阪公立大学教授、広川貴次 筑波大学教授、伊中浩治 株式会社丸和栄養食品代表取締役社長、古林直樹 同研究員、加茂昌之 同研究員、引間孝明 理化学研究所研究員(研究当時)、山本雅貴 同部門長、前仲勝実 北海道大学教授らの共同研究グループは、黄色ブドウ球菌が産生する病原因子の1つである「リパーゼ(SAL)」と抗精神病薬のペンフルリドール(PEN)との複合体の立体構造をX線構造解析の方法を用いて、世界で初めて解明しました。 インシリコスクリーニングを用いた手法で、約5万種類の既存薬の中から、PENが既存のSAL阻...
キーワード:SPring-8/放射光/共結晶/結晶化/X線構造解析/黄色ブドウ球菌/リパーゼ/MRSA/アトピー性皮膚炎/スクリーニング/抗菌薬/抗精神病薬/阻害剤/副作用/立体構造/感染症
他の関係分野:数物系科学工学総合生物農学
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発表日:2025年4月14日
469
木材塗装の“見えない劣化”を予測
―赤外分光と機械学習で木材を守る新技術―
寺本好邦 農学研究科准教授、山本千尋 同修士課程学生(研究当時)、西村香穂 同修士課程学生らの研究グループは、木材塗装の劣化を非破壊・早期に予測する新たな技術を開発しました。中赤外分光法と機械学習(PLS回帰)を組み合わせることで、塗膜の外観には表れない分子レベルの変化をとらえ、劣化の度合いを高精度に予測することに成功しました。これにより、従来のような目視点検に頼らず、塗膜の劣化進行を早期に察知し、木材の腐朽や建築物の劣化リスクを未然に防ぐことが可能になります。木造建築の利用が広がるなか、建物の長寿命化や点検作業の省力化、メンテナンスの効率化に大きく貢献すると期待されます。 本研究は...
キーワード:機械学習/産学連携/スペクトル/赤外スペクトル/赤外分光/中赤外/赤外分光法/持続可能/メンテナンス/長寿命化/SPECT/寿命
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学化学総合理工工学
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発表日:2025年4月12日
470
ガラスの「見えない秩序」がテラヘルツ帯の揺らぎを決める
ガラス基礎科学講座 増野 敦信 特定教授のグループは、原子が無秩序に結びついた構造を持つガラスが、X線や中性子線を用いると、わずかな周期構造が観測される、隠れた周期性(見えない秩序)が、ガラスの物性に影響を及ぼすテラヘルツ帯の揺らぎ(振動特性)を決定する重要な要因であることを明らかにしました。本研究では、代表的なガラスであるシリカガラス(二酸化ケイ素、SiO₂)とグリセロール(Glycerol、C₃H₈O₃)について、BPを定量的に解析しました。その結果、両ガラスに共通して、BPの発生には、「弾性不均一性の空間相関長」と「弾性率の変動の大きさ」という2つの因子が重要であることが分かり...
キーワード:揺らぎ/周期性/中性子/テラヘルツ/ケイ素/弾性率/シリカ/ナノメートル/周波数/振動特性/動特性/不均一性
他の関係分野:数物系科学化学工学
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発表日:2025年4月12日
471
翻訳開始因子EIF3Dはシグナル伝達経路のバランスを調整することで多能性幹細胞の自己複製を支える
機能スクリーニングにより、分化多能性維持に必須な翻訳制御因子が特定された。EIF3Dはヒト多能性幹細胞の未分化維持と高い増殖能に不可欠である。EIF3Dは、翻訳制御を介して分化多能性維持に必要な複数の経路を制御する。EIF3Dは、複数のp53制御因子の翻訳を調節することで、未分化状態における低p53活性を維持し、強力な細胞増殖を促進する。 大久保 周子 助教(CiRA...
キーワード:翻訳開始/ACT/CRISPR-Cas/ゲノム編集技術/翻訳制御/CRISPR/iPS細胞/p53/自己複製/自己複製能/mRNA/SMAD/Wntシグナル/β-catenin/ゲノム編集/細胞系譜/AKT/CRISPR-Cas9/MAPK/RNA/スクリーニング/遺伝子治療/幹細胞/細胞増殖/多能性幹細胞/転写因子/分化誘導/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
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発表日:2025年4月12日
472
東アジア一帯の心ファブリー病に新たな光
―経口でRNA異常を修復する新規化合物を開発―
萩原正敏 医学研究科特任教授、粟屋智就 同准教授らの研究グループは、第一三共株式会社との共同研究により、RNAの異常を低分子化合物の経口投与で是正し、遺伝病の治療につなげる新たなアプローチを開発しました。 今回対象としたのは、日本を含む東アジアに多く見られる「GLA遺伝子のc.639+919G>A変異」により発症する心ファブリー病で、中年期以降に心臓の障害を引き起こす疾患です。研究チームは、患者由来のiPS細胞から作製した心筋細胞を用い、異常なRNAスプライシングを修正する化合物「RECTAS-2.0」を開発し、酵素活性の回復に成功しました。また、この化合物を...
キーワード:筋細胞/遺伝子改変/RNAスプライシング/酵素活性/iPS細胞/心筋/心筋細胞/心臓/RNA/スプライシング/マウス/遺伝子改変マウス/遺伝病/低分子化合物/遺伝子/難病
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発表日:2025年4月12日
473
がん免疫療法の副反応として発生する肺傷害に関わる免疫応答を解明
―PD-(L)1阻害による有害事象発生のマーカー発見―
塚本博丈 医学研究科特定准教授は、医学部附属病院、熊本大学との共同研究により、免疫チェックポイント阻害療法に伴い副反応として発生する肺傷害の要因となる免疫応答を明らかにしました。 PD-(L)1阻害療法に代表されるがん免疫療法は、がんの代表的な治療法です。この治療で活性化された免疫応答により、がんのみならず、正常自己臓器が傷害されてしまう免疫関連有害事象(irAE)が発生する場合があります。しかし、その原因となる免疫応答は未だ明らかではありません。これまで同グループでは、老齢担がんマウスにPD-(L)1阻害療法を施行すると若い担がんマウスでは観察されなかった肺傷害が発生し、その肺では...
キーワード:構造形成/生細胞/PD-1/がん免疫/がん免疫療法/免疫療法/B細胞/T細胞/マウス/免疫チェックポイント/免疫応答/免疫学/がん患者/疫学/抗体/老化
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発表日:2025年4月9日
474
複数分子からなる人工的な環状積層構造において電荷やエネルギーが周回する特異な現象を証明
自然界では、光合成を行う植物中において色素分子が環状に並んだ集合体をアンテナとして、光エネルギーを効率的に集めて利用しています。このような環状に並んだユニットの間を電荷やエネルギーが周回する現象はトロイダル共役と呼ばれ、これまで人工的な物質では1つの分子内の現象としてのみ知られていました。大阪公立大学大学院理学研究科の酒巻 大輔准教授、藤原 秀紀教授、工学研究科の松井 康哲准教授、池田 浩教授、新潟大学共用設備基盤センターの古川 貢准教授、合成・生物化学専攻の清水 大貴助教らの研究グループは、平面構造を持つ人工色素分子であるフタロシアニンの周りに、電子を受け渡しやすいユニット(電子ド...
キーワード:アンテナ/情報学/産学連携/光エネルギー/ポリビニルアルコール/X線結晶構造解析/結晶構造解析/光合成/フタロシアニン/構造制御/積層構造/X線結晶構造/ホウ素/結晶構造/層構造/アルコール/分子設計
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発表日:2025年4月9日
475
ポリビニルアルコールの多重構造制御
―ホウ素を持つモノマーの分子設計により実現―
高分子化学専攻の西川剛 助教、鈴木宏史 博士後期課程学生、大内誠 教授のグループは、一次構造が多重制御されたポリビニルアルコールの合成手法を開発しました。ポリビニルアルコール(PVA)は医療材料や偏光フィルムといった先端機能材料から身近な接着剤・洗濯のりまで様々な用途に用いられる重要な高分子であり、近年ではその分解性にも注目が集まっています。PVAは炭化水素主鎖に水酸基側鎖が直結した構造を持ち、水酸基の親水性、水素結合性などが物性や機能において重要な役割を果たします。分子量・分岐構造・立体規則性などの一次構造を多重に制御できれば、水酸基の周辺環境の違いに依存したPVA特性の変化が期待...
キーワード:産学連携/ブロックコポリマー/フィルム/ポリビニルアルコール/ボロン酸/ラジカル重合/高分子/高分子化学/立体規則性/力学物性/ポリマー/化学工学/構造制御/親水性/機能材料/ホウ素/結晶性/炭化水素/アルコール/ラジカル/分子設計
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発表日:2025年4月9日
476
薄膜生成時の枝分かれ現象を、トポロジー・物理・AIの融合で解明
〜Beyond 5Gを支える基盤技術への応用に期待〜
平岡裕章 高等研究院教授、小嗣真人 東京理科大学教授、大林一平 岡山大学教授、三俣千春 筑波大学教授らの研究グループは、トポロジーと自由エネルギーを活用した機械学習(AI)解析を実施し、薄膜結晶の電気的特性に大きな影響を与える樹枝状構造の枝分かれメカニズムを明らかにしました。これは、高品質な薄膜結晶の作製プロセスにつながる成果であり、次世代の電子デバイスへの応用が期待されます。 Beyond 5G の実現に向けて、現世代の 5Gよりも一桁以上高いテラヘルツ(THz)周波数帯で動作する電荷移動度の高いデバイスが求められています。そこで現在、次世代電子デバイスに使用する極微細なトランジス...
キーワード:AI/ワークフロー/機械学習/最適化/自由エネルギー/情報学/人工知能(AI)/産学連携/ホモロジー/トポロジー/六方晶窒化ホウ素/テラヘルツ/電荷移動度/h-BN/トランジスタ/電子デバイス/半導体デバイス/エネルギーモデル/グラフェン/センサー/移動度/化学工学/周波数/多層膜/電荷移動/半導体/膜構造/ホウ素/ステント
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学化学工学農学
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発表日:2025年4月8日
477
記憶の正体を解き明かす
―記憶関連タンパク質が“集合する”シミュレーションに成功―
キーワード:産学連携/相分離/シミュレーション/CaMKII/シナプス/スパイン/統合失調症/神経疾患
他の関係分野:複合領域数物系科学工学総合生物
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発表日:2025年4月8日
478
若年性認知症を来す前頭側頭葉変性症に対する治療薬候補と治療標的分子のiPS創薬による同定
若年性認知症を来す前頭側頭葉変性症患者さんのiPS細胞を用いて既存薬スクリーニングを行い、治療薬候補を見出しました。メカニズムとして、CACNA2D2を前頭側頭葉変性症の治療標的として同定しました。本研究結果により、前頭側頭葉変性症患者さんを対象とした臨床試験を計画しています。1. 要旨 今村恵子特定拠点講師および...
キーワード:産学連携/情報収集/カルシウムチャネル/TDP-43/タウタンパク質/神経内科学/脳神経科学/iPS細胞/グリア細胞/治療標的/薬剤スクリーニング/筋肉/オルガノイド/オリゴマー/カルシウム/グリア/スクリーニング/細胞死/神経科学/神経細胞/神経細胞死/神経変性/創薬/臨床試験/遺伝子/遺伝子発現/抗体/生活の質/難病/認知症
他の関係分野:複合領域工学農学
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発表日:2025年4月8日
479
雌雄異株から雌雄同株への進化に伴う性染色体の運命とは
―コケ植物の有性生殖システム転換における染色体再編成の解明―
キーワード:産学連携/コケ植物/ゼニゴケ/生殖/比較ゲノム解析/性染色体/性決定/性決定遺伝子/比較ゲノム/有性生殖/染色体/ゲノム解析/ゲノム/遺伝子
他の関係分野:複合領域生物学農学
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発表日:2025年4月4日
480
慢性腎臓病(CKD)に対する細胞治療の効果をマウスで確認
―数年以内の臨床試験開始を目指す―
ヒトiPS細胞から作製した腎前駆細胞(ネフロン前駆細胞)注1)を効率よく増やす培養方法を開発した。移植に適した腎前駆細胞の純化に有用な細胞膜タンパク質を同定した。慢性腎臓病(chronic kidney disease; CKD)注2)のモデルマウスにiPS細胞由来腎前駆細胞を移植すると、腎機能の低下や線維化注3)および老化の進行が抑制された。移植したiPS細胞由来腎前駆細胞は、血管内皮増殖因子A(vascular endoth...
キーワード:産学連携/遺伝子改変/実験動物/Cre/細胞膜/腎臓病/尿細管/iPS細胞/ニッチ/急性腎障害/血管内皮/血清/細胞株/糸球体/腎移植/腎不全/増殖因子/動物モデル/臨床応用/老化細胞/胎児/オルガノイド/モデルマウス/医療費/細胞移植/線維芽細胞/前駆細胞/発生学/コラーゲン/シスプラチン/マウス/遺伝子治療/幹細胞/凝集体/血液/血管新生/血管内皮細胞/再生医療/細胞治療/細胞増殖/細胞培養/細胞療法/腎機能/腎障害/腎臓/多能性幹細胞/内皮細胞/分化誘導/膜タンパク質/臨床試験/ヒトiPS細胞/遺伝子/加齢/生活の質/線維化/慢性腎臓病/老化
他の関係分野:複合領域総合生物
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発表日:2025年4月4日
481
制御性T細胞のIL-7受容体は2型糖尿病抑制に必要である
―内臓脂肪における制御性T細胞の維持機構を解明―
生田宏一 医学研究科特任教授(兼:医生物学研究所連携教授)と谷一靖江 同特定講師(研究当時)らの研究グループは、内臓脂肪に存在する制御性T細胞(Treg)の生存維持にサイトカイン1IL-7の受容体(IL-7 receptor : IL-7R)が必要であり、内臓脂肪で産生されるIL-7が2型糖尿病を抑制するために重要であることを発見しました。 Tregは過剰な免疫反応を抑制することで自己免疫疾患などを抑制するT細胞の一種です。Treg以外のT細胞はIL-7Rを高レベルに発現しており、末梢組織で生存するためにはIL-7を受け取ることが必要です。一方、リンパ組織のTregはIL-7Rの発現...
キーワード:産学連携/好酸球/脂肪組織/免疫抑制/内臓脂肪/脂肪由来幹細胞/T細胞/ファージ/マウス/マクロファージ/遺伝子欠損マウス/幹細胞/自己免疫/自己免疫疾患/受容体/制御性T細胞/2型糖尿病/サイトカイン/遺伝子/遺伝子発現/糖尿病
他の関係分野:複合領域
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発表日:2025年4月4日
482
国内飼育コツメカワウソのDNAから地理的由来を推定
―コツメカワウソの違法取引の手がかりを探る―
密猟と野生生物の違法取引は、野生動物の絶滅の危機の主要な要因のひとつです。アジアでは、ペットのカワウソの違法な取引が種の存続を脅かしています。商業目的のコツメカワウソ(Aonyx cinereus)の国際取引は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約:CITES)の付属書Iで禁止されています。しかし、カワウソの密輸は依然として横行しており、近年テレビやSNSの影響によるペット需要の高まりから、日本は出所があいまいな飼育カワウソの主要な輸出先のひとつとされています。 そこで、藤原摩耶子 野生動物研究センター特定准教授、村山美穂 同教授、...
キーワード:SNS/ソーシャルネットワークサービス(SNS)/情報学/産学連携/ワシントン条約/ミトコンドリアDNA/遺伝的多様性/ミトコンドリア/遺伝子
他の関係分野:情報学複合領域環境学生物学農学
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発表日:2025年4月1日
483
手で粉砕するだけで相転移する超セラミックスを開発
~新規圧力・応力センサーの開発に期待~
北海道大学大学院工学研究院の鱒渕友治准教授、樋口幹雄准教授(研究当時)、同大学大学院総合化学院修士課程の山本侑瑞樹氏、久米和樹氏、宮崎涼花氏(研究当時)、同大学大学院理学研究院の篠崎彩子助教、北陸先端科学技術大学院大学サスティナブルイノベーション研究領域の宋 鵬氏(現東北大学助教)、本郷研太准教授、前園涼教授、同大学先端科学技術研究科博士前期課程のサイード・サリア・ハサン氏、京都大学の生方宏樹氏、物質エネルギー化学専攻の陰山洋教授らの研究グループは、カルボジイミドイオンで構成される超セラミックスについて、乳鉢と乳棒を用いた手粉砕で相転移が起きることを世界で初めて実証しました。本研究で...
キーワード:産学連携/静水圧/物質科学/ダイヤモンドアンビル/相転移/蛍光体/せん断/構造相転移/磁気特性/光学特性/センサー/せん断応力/力センサー/結晶構造/構造変化
他の関係分野:複合領域数物系科学工学農学
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発表日:2025年4月1日
484
ひとが投資をするとはどういうことか
―「自己形成としての投資」に関する概念分析と価値提案―
人生を豊かに安心して過ごすための資産形成をしようと思うならば、「長期・分散」型の運用方針が有効であることには、理論的にも経験的にも相応の裏付けが存在します。しかし頭ではそうわかっていても、不安定な経済や市場の動きを目の当たりにすると、多くの人は投資に尻込みをしたり、途中で止めてしまったりするものです。このことは金融機関にとってビジネス上の悩みとなります。しかしその背後には、「お金」や「経済的利得」の話に留まらない、人間の意思決定や実践にかかわる哲学的に興味深い問題が横たわっています。 出口康夫 文学研究科教授、渡邊一弘 成長戦略本部特定助教は、廣瀬朋由 株式会社お金のデザイン取締役副...
キーワード:産学連携/自己形成/概念分析/スキル
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発表日:2025年3月31日
485
事実は各研究分野でどのようにできるのか
―科学的対話が生まれる文脈が本となり刊行―
異なる事実のとらえ方があるために、人はすれ違います。それは日常生活にとどまらず、異分野の研究者との交流でも起こります。こうした交流から、分断ではなく繋がるための連鎖を産むにはどうすればいいのでしょうか。 小俣ラポー日登美 白眉センター/人文科学研究所特定准教授、松本透 同/理学研究科特定助教、包含 同/情報学研究科特定助教、佐藤駿 同/理学研究科特定助教らは、歴史学、動物行動学、生物進化学、惑星物質科学、情報科学(人工知能)などのさまざまな分野を越えて、本来、比較が困難な諸研究を互いに比較しました。その結果、各分野の中だけでは見えなかった数々の「問い」が生まれました。本研究による領域...
キーワード:AI/情報学/人工知能(AI)/産学連携/物質科学/惑星/進化学/日常生活
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学生物学
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発表日:2025年3月31日
486
コロナウイルス感染症の経口治療薬シーズの開発と作用機序の解明
新型コロナウイルスSARS-CoV-2のパンデミックは長期間にわたって世界中の人々の健康に大きな脅威を与え、緊急事態を脱した現在でも社会生活全体にさまざまな影響を及ぼし続けています。これまでワクチンに加えて、2種類の異なる新型コロナウイルス感染症治療薬が開発されました。これらは主に重症化リスクの高い患者に処方されますが、「薬の飲み合わせ」の問題、静脈内投与の必要性、有効性が最適でない等の理由で、使用は比較的限られています。併用禁忌の問題がなく、錠剤として簡単に服用できるコロナウイルス治療薬が必要とされています。また、将来新たな高病原性コロナウイルスが出現するリスクに備えるという観点からも新薬の...
キーワード:産学連携/ベルギー/病原性/SARS-CoV-2/ウイルス感染症/パンデミック/新型コロナウイルス/膜タンパク質/立体構造/ウイルス/ワクチン/感染症/新型コロナウイルス感染症
他の関係分野:複合領域工学農学
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発表日:2025年3月31日
487
狂犬病ウイルスが標的とする、四量体pY-STAT1の構造を初めて解明
~STATファミリーに関する新知見の提供および狂犬病に対するワクチン開発の貢献に期待~
杉田征彦 医生物学研究所准教授、尾瀬農之 北海道大学教授、杉山葵 同博士後期課程学生、南未来 同博士後期課程学生、喜多俊介 同准教授、前仲勝実 同教授、廣瀬未果 大阪大学特任研究員らの研究グループは、転写因子STAT1の機能体である、四量体pY-STAT1のクライオ電子顕微鏡構造を世界で初めて解明し、STATが多量体で機能し、DNAを認識する分子機構を初めて提唱しました。 シグナル伝達及び転写活性化因子(STAT)は、Janus kinase(JAK)- STATシグナル伝達経路におけるシグナル伝達の中心的な役割を果たします。STATが細胞内で活性化される際、リン酸化チロシンとSrc...
キーワード:DNA結合/産学連携/ホモロジー/二量体/化学工学/電子顕微鏡/リン酸/病原性/クライオ電子顕微鏡/免疫系/JAK/STAT/Src/分子機構/オリゴマー/抗ウイルス薬/転写因子/ウイルス/ワクチン/遺伝子/生理学
他の関係分野:複合領域数物系科学化学工学農学
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発表日:2025年3月31日
488
全身で蛍光タンパク質を発現する非ヒト霊長類を非ウイルス性の遺伝子導入手法を用いて作出することに世界で初めて成功
COVID-19のような感染症では、マウスなど小動物ではヒトの病態を再現できない問題があり、非ヒト霊長類における基礎研究の重要性が再認識されています。しかしながら、非ヒト霊長類はマウスなどと比べ、遺伝子改変技術など研究を行うにあたり必要な技術の開発は十分に進んでいません。国立大学法人滋賀医科大学の築山智之特任准教授(京都大学ヒト生物学高等研究拠点(WPI-ASHBi)霊長類ゲノム工学開発コア長)らの研究グループは、全身で蛍光タンパク質を発現する遺伝子導入トランスジェニック(Tg)動物...
キーワード:産学連携/ゲノムDNA/トランスジェニック/霊長類/遺伝子改変/トランスポゾン/遺伝子操作/ウイルス感染症/蛍光タンパク質/新型コロナウイルス/マウス/遺伝子導入/発現制御/ウイルス/ゲノム/遺伝子/感染症/新型コロナウイルス感染症
他の関係分野:複合領域化学生物学総合生物
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発表日:2025年3月31日
489
iPS心組織で電気信号の流れを改善
―ブタ心筋傷害モデルを用いた検討―
心臓病における新たな治療法として、iPS細胞などの多能性幹細胞を用いた心臓再生医療が期待されています。升本英利 医学部附属病院特定准教授(兼:理化学研究所上級研究員)、黒田悠規 同博士課程学生らの研究グループは、心筋障害を引き起こしたミニブタの心臓にヒトiPS細胞から作製した心臓組織を移植し、心筋障害に起因する電気信号の伝わりにくさ(伝導障害)が改善されることを確認しました。 本研究グループは、ヒトiPS細胞から誘導した心筋細胞や血管細胞から細胞シートを作製し、動的トレーニング培養を加えることによって、血管構造を持つ「血管化心臓組織」を作製しました。この人工的な心臓組織をブタの心筋傷...
キーワード:産学連携/筋細胞/マッピング/iPS細胞/心筋/心筋細胞/トレーニング/心機能/心筋梗塞/心臓/細胞シート/組織工学/幹細胞/再生医療/多能性幹細胞/電気生理学/ヒトiPS細胞/生理学
他の関係分野:複合領域生物学農学
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発表日:2025年3月25日
490
層厚を制御した人工強磁性細線の作製に成功
―人工強磁性細線を利用した大容量メモリや磁気センサ開発へ道筋―
小野輝男 化学研究所教授、川名梨央 岐阜大学修士課程学生、大口奈都子 同修士課程学生(研究当時)、山田啓介 同准教授、吉田道之 同助教、杉浦隆 同教授、嶋睦宏 同教授、大島大輝 名古屋大学助教、加藤剛志 同教授、齋藤美紀子 早稲田大学招聘研究員、本間敬之 同教授の研究グループは、層厚を制御した多層構造をもつ人工強磁性細線の作製に、二浴電析(電気めっき)法と細孔ナノテンプレートを用いて成功しました。層厚は数100 nmから最小で約3.5 nmの多層構造を有する人工強磁性細線が作製できました。さらに本グループでは、1本の人工強磁性細線の磁気抵抗を測定し、人工強磁性細線の層厚が薄くなるほど、磁気抵抗...
キーワード:産学連携/磁気抵抗/電子線回折/電子線/電気めっき/テンプレート/めっき/メモリ/強磁性/層構造
他の関係分野:複合領域数物系科学総合理工工学
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発表日:2025年3月24日
491
ヘテロクロマチンタンパク質による液-液相分離機構を解明
古川亜矢子 農学研究科准教授(研究当時:横浜市立大学客員研究員)、西村善文 横浜市立大学名誉教授(同特任教授)、清水伸隆 理化学研究所グループディレクター(研究当時:高エネルギー加速器研究機構教授)、寺田透 東京大学教授、千田俊哉 高エネルギー加速器研究機構教授、中山潤一 基礎生物学研究所教授らの研究グループは、ヘテロクロマチンタンパク質HP1αによる液-液相分離の分子機構を解明しました。 液-液相分離とは自発的に液滴を形成する現象で、細胞内のさまざまな顆粒形成に関与するとされ、核内では濃縮し遺伝子の発現が抑えられた状態のヘテロクロマチン形成にも関与すると考えられています。HP1αの...
キーワード:産学連携/高エネルギー/加速器/相分離/リン酸/ヘテロクロマチン/クロマチン/分子機構/遺伝子
他の関係分野:複合領域数物系科学農学
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発表日:2025年3月21日
492
感染症治療に向けた革新的バイオテクノロジーを開発
―血液中のバクテリアを物理的に除去―
植田充美 名誉教授(成長戦略本部研究員)、青木航 農学研究科助教(現:大阪大学教授)が率いる研究プロジェクトチームは、株式会社五眼テクノロジーズとの共同研究を通じて、血液中のバクテリアを体外の循環装置で除去する技術を開発しました。 全世界では年間1,100万人が血中バクテリアに起因する敗血症で命を落としており、新たなパンデミックも懸念されます。今回開発した「Collectron」はナノサイズのリポソームを核とし、血液中のバクテリアを選択的に吸着する一方で、赤血球や白血球の吸着を抑制し、静電吸着器によって回収されます。生理食塩水内では1回のフィルタリングで血中バクテリアのほぼ100%、...
キーワード:フィルタリング/情報学/産学連携/バクテリア/有害物質/ナノサイズ/ウシ/パンデミック/白血球/バイオテクノロジー/血液/赤血球/敗血症/感染症/薬物療法
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学工学農学
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発表日:2025年3月18日
493
抗がん剤はどうやってテロメアに傷をつけるのか?
―抗がん剤の薬理効果の一端が分子のレベルで明らかに―
染色体の端にはテロメアという構造があり、遺伝情報を守るバリアのような役割を果たしています。タキソールやビンクリスチンといった殺細胞性の抗がん剤を使って細胞の細胞周期を有糸分裂(M)期に停止させると、テロメアの保護が解けて細胞死のシグナルとなる現象「M期テロメア脱保護」が知られていましたが、その分子メカニズムはよくわかっていませんでした。 林眞理 医学研究科客員准教授(兼:イタリア分子癌研究所(AIRC Institute of Molecular Oncology:IFOM ETS)グループリーダー)、Diana Romero-Zamora 同研究員(現:沖縄科学技術大学院大学博士研...
キーワード:産学連携/オーロラ/遺伝情報/リン酸/染色体/テロメア/キナーゼ/タキソール/高次構造/細胞死/細胞周期/抗がん剤/小児
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学農学
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発表日:2025年3月18日
494
アセチルコリン受容体活性化の鍵を発見
~次世代薬剤設計の可能性を拡げるGPCRメカニズム解明の新たな一歩~
岩田想 医学研究科教授、杉浦勇也 名古屋工業大学修士課程学生(研究当時)、片山耕大 同准教授、神取秀樹 同特別教授、柴田哲男 同教授、住井裕司 同准教授、清水(小林)拓也 関西医科大学教授、寿野良二 同准教授、井上飛鳥 東北大学教授、生田達也 同助教らの研究グループは、振動分光法を用いて、心拍数の調節に関与するムスカリン性アセチルコリン受容体(M2R)が内因性アゴニストであるアセチルコリンによって活性化される仕組みを解明しました。 本研究では、M2Rのリガンド結合部位を構成するアミノ酸の1つであるアスパラギン残基(Asn404)とアセチルコ...
キーワード:心拍数/産学連携/水素結合ネットワーク/水分子/振動分光/赤外分光/赤外分光法/アゴニスト/変異体/GPCR/Gタンパク質/Gタンパク質共役型受容体/アセチルコリン/アミノ酸/ヘリックス/リガンド/構造変化/受容体
他の関係分野:複合領域数物系科学化学総合理工農学
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発表日:2025年3月17日
495
妊娠中の女性ホルモンは胎児の栄養環境とその後の成長に影響する
―mPRε受容体を標的とした妊娠糖尿病治療薬開発の可能性―
木村郁夫 生命科学研究科教授、渡辺啓太 同特定助教、山野真由 薬学研究科博士課程学生、宮本潤基 東京農工大学准教授らの研究グループは、母親の脂肪組織にあるmPRεという細胞膜上の受容体が、妊娠に伴って上昇する女性ホルモン、プロゲステロンを感知することで、胎児の栄養環境を調節することを発見しました。これにより、母親の妊娠中に摂取した栄養(ブドウ糖:グルコース)が自身ではなく胎児に優先的に供給されることによって、子の正常な発達を促す結果、出生後の代謝異常を抑えることをマウス実験で確認しました。このmPRεが活性化することで母体の脂肪組織でのインスリン感受性が低下し、グルコースの取り込みが抑制される...
キーワード:産学連携/グルコース/センシング/細胞膜/脂肪組織/インスリン感受性/ホルモン/性ホルモン/胎児/インスリン/プロゲステロン/マウス/受容体/副作用/周産期/低出生体重児/糖代謝/糖尿病/妊娠
他の関係分野:複合領域生物学工学
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発表日:2025年3月14日
496
AIによる外来カエル類の自動検出法の開発
―世界自然遺産・西表島への定着を防ぐために―
人間によって本来の分布域外に運ばれ定着した外来種は、定着先の生物多様性に大きなダメージを与えることがあり、外来種問題の対策が世界的に課題となっています。外来種はいったん数が増えると根絶が難しく、侵入初期に発見し、増殖を防ぐことが重要です。侵入をモニタリングするための人員や予算はしばしば極めて限られていますが、近年急速に発展したAI技術を活用し、野外に設置したカメラや音声レコーダーで記録された外来種を自動検出することができれば、侵入の早期検出に大いに役立つと考えられます。 そこで木村楓 理学研究科博士後期課程学生、福山伊吹 人間環境学研究科博士後期課程学生(現:北海道大学日本学術振興会...
キーワード:情報学/人工知能(AI)/産学連携/外来種/両生類/モニタリング/カエル/水田/生物多様性/早期発見
他の関係分野:情報学複合領域環境学生物学工学農学
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発表日:2025年3月14日
497
幼児が大人と同じような色の感じ方をすることを発見
―子どもの意識経験を評価する新しい手法の開発―
赤色を見たときに赤らしさ(「色クオリア」)を感じるように、私たちは様々な色を見て、その質感を感じています。しかし、他の人が同じように色を感じているのかどうかを知ることは簡単ではありません。特に、子どもは大人と同じように色を感じているのでしょうか。この問いは、発達心理学において重要な課題でしたが、子どものクオリアを科学的に調べることが難しく、長らく研究が進んでいませんでした。 森口佑介 文学研究科准教授、渡部綾一 同研究員、王珏 同博士課程学生、土谷尚嗣 オーストラリア・モナシュ大学(Monash University)教授、Ariel Zeleznikow-Johnston 同研究員...
キーワード:発達心理学/情報学/産学連携/オーストリア/スマートフォン/子育て
他の関係分野:情報学複合領域環境学
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発表日:2025年3月14日
498
霊長類脳でのドーパミン蛍光計測に成功
―ドーパミンの機能解明へ大きく前進―
高田昌彦 ヒト行動進化研究センター特任教授(研究当時)、網田英敏 同特定准教授、井上謙一 同助教、ヤン・ガオゲ 同博士課程学生らの研究グループは、蛍光センサーを用いた霊長類脳でのドーパミン計測に世界で初めて成功しました。中脳にあるドーパミン神経細胞は、大脳基底核の線条体にドーパミンを放出して線条体への入力を調節することで、適切な行動の獲得に貢献しています。しかし、従来の手法では、霊長類の脳内におけるドーパミン神経伝達を高精度で計測することが困難でした。そのため、線条体にどのようなドーパミン信号が入力しているかについては、十分に解明されていませんでした。本研究では、ドーパミンを高感度かつ迅速に検...
キーワード:予測誤差/情報学/産学連携/蛍光センサー/霊長類/センサー/光センサー/光計測/線条体/大脳/大脳基底核/ドーパミン/病態解明/神経細胞/神経変性/神経変性疾患
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発表日:2025年3月14日
499
神経障害性疼痛の病態に関わる新たな分子機構の発見
―脊髄後角ニューロンのTRPC3チャネルが、発痛物質によるGq共役型受容体-PLC経路を介した異常な痛みの伝達に関わる―
神経障害性疼痛は、急性疼痛とは異なり、原因となる神経系の損傷が治癒した後でも消失せずに慢性的に続く耐え難い疼痛です。代表的な疾患としては、外傷後後遺症・帯状疱疹後神経痛・坐骨神経痛・手根管症候群などが挙げられます。その病態形成には末梢・中枢での体性感覚神経系の病変が重要ですが、その根底にある細胞・分子メカニズムには未解明な部分が多く残されており、根治可能な治療薬は乏しいのが現状です。 白川久志 薬学研究科准教授および戸堀翔太 同博士課程学生らの研究グループは、この神経障害性疼痛の病態に関わる可能性のある分子として、transient receptor potential(TRP)スー...
キーワード:産学連携/神経系/センサー/感覚ニューロン/神経活動/Ca2+/ホスホリパーゼC/感覚神経/リパーゼ/ニューロン/マウスモデル/神経障害性疼痛/末梢神経/外傷/体性感覚/分子機構/病態モデル/TRPチャネル/ホスホリパーゼ/マウス/遺伝子欠損マウス/受容体/創薬/miRNA/遺伝子/生理学/慢性疼痛/疼痛
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発表日:2025年3月14日
500
ジアリールエテン縮環二量体の二閉環体の合成に成功
―光と電気化学刺激による紫外・可視・近赤外光吸収の段階的スイッチングを実現―
合成・生物化学専攻の松田 建児教授、東口 顕士講師、佐竹 来実修士課程学生、大月 直人修士課程学生(研究当時)の研究チームは、光と電気化学刺激によりジアリールエテン2個をつないだ縮環二量体の2つのユニットが共に閉環した二閉環体の合成に成功し、この化合物が紫外・可視・近赤外光を吸収する3つの状態間で段階的にスイッチングすることを示しました。本研究は米国現地時間2025年3月7日に、米国化学会が発行する学術誌『Journal of the American Chemical Society』オンライン版に掲載されました。研究詳細...
キーワード:産学連携/近赤外/二量体/光吸収/赤外光/化学工学/酸化還元/電気化学/近赤外光
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発表日:2025年3月14日
501
日本農地における安定な土壌微生物群集を推定
―細菌・真菌群集の安定状態とその機能―
藤田博昭 生命科学研究科助教と東樹宏和 同教授は、日本全国の農地を対象として、土壌中の細菌および真菌群集の構造(組成)が安定した状態にあるかどうかを俯瞰的に評価しました。 生態系内では、様々な生物種がお互いに関わり合っています。この関わり合いにおける「相性」によって、落ち着きどころよい種組成(「安定状態」)へと生物群集の構造が向かっていくと考えられます。ただ、生物群集の組成が落ち着く先は、1つとは限りません。ボールが凸凹した地形を転がって、別の凹地へと向かっていくように、複数の安定な状態があるかもしれません。こうした複数の安定な状態を、生態学では「代替安定状態」と呼びます。...
キーワード:産学連携/微生物群集/統計力学/生物群集/農地/生態系/群集構造/生態系機能/土壌/土壌微生物/生態学/微生物/微生物叢/細菌/真菌
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発表日:2025年3月14日
502
「放射化イメージング」でマウス体内の金ナノ粒子を可視化
~がん治療薬の長期的な動態イメージングに向けて~
高宮幸一 複合原子力科学研究所教授、越川七星 早稲田大学博士後期課程学生、片岡淳 同教授、豊嶋厚史 大阪大学教授、角永悠一郎 同特任助教、加藤弘樹 同特任教授らの研究チームは、薬剤キャリアである金ナノ粒子を直接可視化する「放射化イメージング」を提案し、実際に金ナノ粒子をマウスに投与して体内分布を可視化しました。 また、腫瘍をピンポイントで攻撃するアルファ線治療薬アスタチンAt-211を、放射化金ナノ粒子に標識することにも成功しました。これにより、これまで困難であったAt-211の長期的な動態追跡を実現しました。今後は様々な治療薬で、動態可視化への応用が期待されます。 本研究...
キーワード:産学連携/中性子/ナノマテリアル/金ナノ粒子/キャリア/ナノ粒子/化学工学/原子力/がん治療/マウス/スタチン/薬物動態
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発表日:2025年3月12日
503
神経細胞が脳組織内の環境に応じて移動方法を使い分けることを発見
近畿大学理工学部(大阪府東大阪市)エネルギー物質学科講師 中澤直高、京都大学アイセムス(高等研究院 物質-細胞統合システム拠点)(京都府京都市)教授 見学美根子、同所属研究員 栗栖純子、京都大学医生物学研究所(京都府京都市)教授 野々村恵子、同所属教授 安達泰治らの研究グループは、シンガポール国立大学、芝浦工業大学と共同で、脳発生期に脳組織内を移動する神経細胞が、経路の大きさに応じて駆動力を変え、複数の方法によって移動することを発見しました。 本研究成果により、脳構造が形成される仕組みの理解が深まり、今後、神経細胞の移動促進による疾患の治療や、神経活動を助ける技術等の確立が期待さ...
キーワード:産学連携/統合システム/神経活動/脳発生/ニューロン/神経細胞
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発表日:2025年3月11日
504
エボラウイルス粒子の「中核」構造を解明
―VP24タンパク質の異なる結合様式がウイルス増殖制御のカギに―
野田岳志 医生物学研究所教授(兼:生命科学研究科教授、物質―細胞統合システム拠点連携教授)、藤春(藤田)陽子 同日本学術振興会特別研究員(現:ドイツ・マックスプランク生化学研究所(Max Planck Institute of Biochemistry)博士研究員)、胡上帆 同博士課程学生(現:長崎大学助教)、杉田征彦 白眉センター/医生物学研究所准教授らの研究グループは、髙松由基 長崎大学准教授らと共同で、ウイルスの内部構造を高精度で観察できる最新の電子顕微鏡技術を使用して、エボラウイルスの「中核」をなす生体分子複合体 ヌクレオカプシドの構造を明らかにしました。さらに、ヌクレオカプシド構成タ...
キーワード:産学連携/陽子/内部構造/タンパク質複合体/電子顕微鏡/電子顕微鏡法/統合システム/クライオ電子顕微鏡/機能解析/細胞内輸送/生体分子/ウイルス/ゲノム
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発表日:2025年3月11日
505
量子の世界で「ゆらぎ」の限界に迫る
―量子システムの精度と応答に関する新しい法則を発見―
Vu Tan Van 基礎物理学研究所准教授らの研究グループは、量子システムにおける精度・応答・エネルギーコストの関係について、新たな限界を理論的に導きました。これまで古典的なシステムでは、精度を高めるにはそれに見合うエネルギーコストが必要になる「熱力学的不確定性関係」が知られていましたが、本研究では、量子コヒーレンスなどの量子特有の性質を考慮することで、量子系ではこの関係が修正されることを明らかにしました。さらに、観測量のゆらぎに対する上限(逆不確定性関係)や、外部からの摂動に対する応答感度の上限(応答の不確定性関係)を新たに導き、量子システムに共通する基本的な制約を示しました。本研究は、量...
キーワード:情報学/量子計算/産学連携/コヒーレンス/開放量子系/熱機関/非平衡/不確定性関係/量子コヒーレンス/エネルギー消費/熱力学/性能評価/不確定性/ゆらぎ
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発表日:2025年3月10日
506
放射線による発がんリスクの“出発点”に迫る!
―DNA周囲の水の分解が生命の遺伝情報を狂わせる―
本研究では、DNA周囲の水分子の放射線分解生成物が生命の遺伝情報を狂わせる可能性を示しました。この結果は、放射線被ばくによる発がんの出発点に新たな基礎概念を与える研究成果です。放射線による発がんリスクは、低線量域では疫学データが少ないため、モデルに基づいて推定します。モデルの中には、低線量でも発がんリスクがあると考える“しきい値が無いモデル”(図1(d);黒破線)や、その逆の“しきい値が有るモデル”(図1(d);緑破線)が存在します。現在では、どんなに低線量でも発がんリスクが存在すると見なす“しきい値が無いモデル”を採用し、安全性に余裕を持った放射線管理が行われています。放射線によ...
キーワード:放射線防護/産学連携/水分子/計算機シミュレーション/遺伝情報/OHラジカル/シミュレーション/原子力/DNA修復/染色体/放射線治療/発がん/DNA損傷/ラジカル/疫学/染色体異常/放射線
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発表日:2025年3月10日
507
効果の異質性を解釈するフレームワーク
―機械学習を用いた解釈可能性のための実践的枠組みを提唱―
井上浩輔 白眉センター/医学研究科准教授と古村俊昌 米国ハーバード大学(HarvardUniversity)博士課程学生らの研究グループは、機械学習を用いた効果の異質性分析における、科学コミュニケーションのための実践的枠組みを提案しました。 因果関係を探る機械学習アルゴリズムを用いた効果の異質性分析が近年注目を集めています。しかし、これらの手法から得られるデータドリブンな知見は、人間が解釈し意思決定を行う上でのニーズと齟齬が生まれる可能性があることから、応用には注意が必要です。今回の研究では機械学習が提示するデータドリブンな知見と現実的な意思決定と統合する実践的なフレームワークが提案...
キーワード:学習アルゴリズム/情報量/アルゴリズム/フレームワーク/機械学習/情報学/科学コミュニケーション/産学連携/因果関係/決定木/異質性/コミュニケーション/疫学/疫学研究
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発表日:2025年3月5日
508
妊娠期の感染症と社会的ストレスがもたらす精神疾患の仕組みを解明
―小脳ミクログリア抑制で精神疾患様行動異常回復に成功―
統合失調症や自閉スペクトラム症などの神経発達障害において、小脳の機能的な欠損が関与していることが指摘されています。また、中枢神経系における主要な免疫細胞であるミクログリアと慢性炎症は精神疾患発症の重要な要因です。 彦坂桃花 医学研究科博士課程学生、Md Sorwer Alam Parvez 同研究生(現:米国アラバマ大学(The University of Alabama)博士課程学生)、山脇優輝 同博士課程学生(研究当時)および大槻元 同特定教授らの研究グループは、妊娠期のウイルス感染症と、出生後の社会的敗北ストレスによる相乗作用でミクログリアの反応性が変化して、小脳機能を低下させ...
キーワード:レジリエンス/産学連携/磁気共鳴/データ解析/神経系/小脳/神経発達/前頭皮質/ストレス耐性/磁気共鳴画像/統合失調症/免疫異常/ウイルス感染症/機能的結合/中枢神経/動物モデル/中枢神経系/機能的MRI/MRI/グリア/ストレス応答/ファージ/マウス/マクロファージ/ミクログリア/神経変性/神経変性疾患/脳機能/慢性炎症/免疫細胞/ウイルス/ストレス/加齢/感染症/個別化医療/自閉スペクトラム症/精神疾患/妊娠/発達障害
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発表日:2025年3月4日
509
RNAスプライシング制御によるCOVID-19重症化リスク低減
―遺伝的脆弱性を緩和する薬剤候補の同定―
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は2019年に発生し、世界中で多くの人々に感染し、数百万人以上の命を奪いました。COVID-19の重症化に関連する遺伝的な要因として複数のSNPs(一塩基多型)が特定されましたが、これらのSNPsがどのようにしてCOVID-19の重症化に関与するのかはまだ十分に解明されていませんでした。 飯田慶 医学研究科特定助教(研究当時)、網代将彦 同特定講師(研究当時)、野田岳志 同教授、萩原正敏 同教授(研究当時)らの研究グループは、COVID-19の重症化にかかわるSNPsのうち、2'-5'-オリゴアデニル酸合成酵素1(oligoadenylat...
キーワード:産学連携/脆弱性/RNAスプライシング/ゲノム情報/ウイルス感染症/臨床応用/SNP/新型コロナウイルス/RNA/スプライシング/ウイルス/ゲノム/遺伝子/一塩基多型/感染症/新型コロナウイルス感染症
他の関係分野:複合領域環境学農学
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発表日:2025年2月28日
510
ヒトiPS細胞分化モデルにおける単一細胞トランスクリプトーム解析を用いた膵腺房細胞発生メカニズムの解明
ヒトiPS細胞由来の膵内胚葉細胞を用いて膵外分泌および内分泌系譜を含む膵組織を形成する分化システムを構築した。膵外分泌系譜の分化過程における膵腺房前駆細胞のマーカー候補遺伝子としてREG4を同定した。cAMPシグナル経路の活性化因子であるフォルスコリンが、in vitroでのヒトiPS細胞由来膵内胚葉細胞から膵腺房系譜への誘導促進因子であることを示した。...
キーワード:視覚化/情報学/産学連携/初期胚/胚発生/候補遺伝子/一細胞/実験動物/炭水化物/リパーゼ/免疫不全/differentiation/iPS細胞/内胚葉/免疫染色/免疫不全マウス/膵臓/間葉系細胞/次世代シーケンサー/前駆細胞/in vitro/RNA/トランスクリプトーム/マウス/幹細胞/再生医療/細胞極性/細胞死/細胞分化/多能性幹細胞/転写因子/内分泌/分化誘導/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/疾患モデル
他の関係分野:情報学複合領域生物学総合生物農学
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発表日:2025年2月28日
511
コロナ禍での糖尿病コントロールの実態が明らかに
井上浩輔 白眉センター/医学研究科准教授と米国ハーバード大学(Harvard University)の研究グループは、米国の国民健康栄養調査データを用いて、2021年から2023年の間に糖尿病患者の良好な血糖コントロール率が低下しており、その傾向は特に若者で顕著であることを明らかにしました。 今までの研究により、COVID-19パンデミックにおける医療アクセスの制限や生活習慣の変化が疾患の診断やコントロールに影響を与えることは示されてきましたが、糖尿病の頻度やコントロールが実際どの程度変化したかについては明らかでありませんでした。本研究では、2013年から2023年にかけての米国成人...
キーワード:産学連携/コロナ禍/パンデミック/ストレス/公衆衛生/心理的ストレス/新型コロナウイルス感染症/糖尿病/有病率
他の関係分野:複合領域工学
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発表日:2025年2月27日
512
分解酵素は細胞膜の中でタンパク質をヘッドロックして切断する
〜基質と結合した膜内タンパク質分解酵素の立体構造を解明〜
秋⼭芳展 医⽣物学研究所教授、檜作洋平 同助教、清⽔洋祐 同博⼠前期課程学生、禾晃和 横浜市立大学准教授らの研究チームは、大阪大学蛋白質研究所、東北大学大学院医学系研究科と共同で、細胞膜の中で働く特殊なタンパク質分解酵素RsePが基質となるタンパク質を結合した状態の立体構造を明らかにしました。本研究により、RsePの内部に取り込まれた基質タンパク質は、しっかりと固定(ヘッドロック)され、引き伸ばされた状態で切断されることが明らかになりました。切断の仕組みを詳しく調べていくことで、将来的には、細菌の感染や増殖を抑える薬剤の開発につながることが期待されます。 本研究成果は、2025年2月...
キーワード:産学連携/電子顕微鏡/クライオ電子顕微鏡/細胞膜/タンパク質分解/ヘリックス/立体構造/細菌
他の関係分野:複合領域工学
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発表日:2025年2月27日
513
ヒトとチンパンジーにおける多能性維持機構の共通性を解明
―世界初のチンパンジーナイーブ型iPS細胞樹立と胚盤胞モデル作製に成功―
今井啓雄 ヒト行動進化研究センター教授、中内啓光 東京科学大学特別栄誉教授、正木英樹 同特任准教授、柳田絢加 東京大学助教および英国エクセター大学(University of Exeter)を含む国際共同研究チームは、チンパンジーの体細胞からナイーブ型多能性幹細胞を樹立し、さらにチンパンジーの胚盤胞モデルを作製することに、世界で初めて成功しました。 従来型(プライム型)のヒト多能性幹細胞(ES/iPS細胞)は、全身の体細胞を形成できる分化能を持つのに対し、ヒトナイーブ型多能性幹細胞は、全身の体細胞のみならず、胎盤や卵黄嚢といった胚体外組織にも分化できることが知られています。この特性に...
キーワード:プロファイル/情報学/産学連携/初期胚/胚発生/霊長類/初期胚発生/iPS細胞/遺伝子発現プロファイル/着床/胚盤胞/マウス/幹細胞/再生医療/阻害剤/多能性幹細胞/胎盤/分化誘導/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:情報学複合領域生物学
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発表日:2025年2月25日
514
頭蓋内動脈解離関連の脳梗塞はrt-PA使用後に頭蓋内出血を起こしやすい
頭蓋内動脈解離は、脳の血管が裂けることで発生する病気です。裂けた血管が詰まったり、壁にできた血栓が飛んだりして、脳梗塞を引き起こすことがあります。静注血栓溶解療法は、rt-PAと呼ばれる薬を使って血栓を溶かし、詰まった血管を再び通す治療法です。この治療は脳梗塞患者の転帰を改善する効果が証明されており、標準治療として広く用いられています。しかし、血管が裂けて脆い頭蓋内動脈解離の患者では、この治療によって頭蓋内出血のリスクが高まる可能性が懸念され、ガイドライン上でも専門家による理論的な懸念が示されていました。ただし、頭蓋内動脈解離は東アジアに偏在する稀な病態であるため、このリスクに関する信頼性の高...
キーワード:マッチング/情報学/産学連携/血栓/脳梗塞
他の関係分野:情報学複合領域
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発表日:2025年2月25日
515
植物の主成分"リグニン"に結合する合成ポリマーを開発
―植物バイオマスの分解や分離への応用で、サステイナブルな社会に貢献―
渡辺隆司 成長戦略本部特定教授(兼:生存圏研究所特任教授)、田中知成 京都工芸繊維大学教授、日野原利香 同博士前期課程学生(研究当時)らのグループは、木材から分離した天然のリグニンに結合する合成ポリマーを開発しました。リグニンに結合する合成ポリマーを探索するにあたり、短時間(96サンプルを6秒)で簡単に試験が可能なスクリーニング方法を開発しました。本法によって選別されたリグニンに結合するポリマーを詳細に解析した結果、リグニンに対する高い結合性能を有することを確認しました。 本研究成果に基づく二編の学術論文は、国際学術誌「RSC Sustainability」(2024年11月1日)お...
キーワード:産学連携/ポリマー/バイオマス/リグニン/スクリーニング
他の関係分野:複合領域工学農学
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発表日:2025年2月25日
516
がんは「逃げる」ことで生き延びる
―がん転移の起点は活性酸素種からの逃避だった―
日本人の死因の第一位はがんであり、その多くは原発巣ではなく「転移」による影響で亡くなります。しかし、がんはなぜ転移するのでしょうか?がんにとって転移はどのようなメリットがあるのでしょうか?これほど重要な問いに対する明確な答えは、これまで実はよく分かっていませんでした。合成・生物化学専攻の髙橋重成 准教授、植田誉志史 同研究員、森泰生 同教授、清中茂樹 名古屋大学教授らを中心とした研究グループは、がん組織内に活性酸素種の一種である過酸化水素(H2O2)が高濃度に蓄積する領域(ホットスポット)が存在することを発見しました。この発見は、がん細胞周...
キーワード:産学連携/ホットスポット/一細胞/がん細胞/がん転移/プローブ/活性酸素/活性酸素種
他の関係分野:複合領域数物系科学総合生物
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発表日:2025年2月25日
517
アブラナ目の生体防御を担う細胞の形成に気孔形成因子が転用されていた
~植物の特殊な機能を持つ細胞への進化の謎解明へ~野菜の味の改変や二酸化炭素吸収能を高めた作物の開発に期待
山岡尚平 生命科学研究科准教授、河内孝之 同教授、白川一 奈良先端科学技術大学院大学助教、山口暢俊 同准教授、伊藤寿朗 同教授らは、植物の葉の気孔を開閉する孔辺細胞と生体防御を担うミロシン細胞という2つの異なる機能に特殊化した細胞分化について、それぞれの細胞の遺伝子の発現に共通して関与する新規の転写因子であるWASABI MAKER(WSB)を同定することに成功しました。さらに、植物が進化の過程で形成してきた転写ネットワークの一部を転用することにより、同じWSBを使いながら、2種の特殊化した細胞を獲得するというネットワークの仕組みを明らかにしました。 植物が進化の過程で、動物細胞が持...
キーワード:産学連携/二酸化炭素/生体防御/細胞分化/転写因子/遺伝子/遺伝子発現/細菌
他の関係分野:複合領域工学
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発表日:2025年2月21日
518
シマウツボは宿主植物を柔軟に変化させて生き延びた
―海洋島における全寄生植物の適応進化―
西村明洋 理学研究科博士課程学生(現:神戸大学博士研究員)と高山浩司 同准教授の研究グループは、小笠原諸島固有寄生植物のシマウツボが、宿主植物を柔軟に変化させながら海洋島で生き延びてきたことを明らかにしました。 陸上植物の中には、他の植物から養分や水分を吸収して生きる「寄生植物」と呼ばれるものが存在します。寄生植物は種ごとに様々な宿主植物に寄生することが知られていますが、長い進化の歴史の中でどのような過程を経て宿主種を変化させてきたのかは謎に包まれていました。 本研究では、小笠原諸島固有寄生植物シマウツボ(ハマウツボ科)の宿主植物を網羅的に同定し、系統ゲノミクスおよび集団遺...
キーワード:産学連携/海洋/ゲノミクス/適応進化/現地調査/集団遺伝学/遺伝学
他の関係分野:複合領域環境学生物学工学農学
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発表日:2025年2月21日
519
核ゲノムがもつドメイン型高次構造の起源
―第三の生物群「アーキア」が鍵?―
真核生物のゲノムDNAは、トポロジカルドメイン(TAD)と呼ばれる塊状の構造ユニットを形成します。TADは、DNAを折り畳みながら移動するSMCタンパク質と、この移動をせき止めてTAD同士の境界を規定する「バリケードタンパク質」の働きによって形成され、様々なゲノム機能を制御しています。このようなTAD形成機構はこれまで原核生物には見いだされておらず、その起源は謎に包まれていました。京都大学大学院工学研究科(合成・生物化学専攻 跡見晴幸 教授、竹俣直道 助教、山浦昂大 博士課程学生ら)と同大学院理学研究科(高田彰二 教授ら)を中心とする研究グループは、SMCタンパク質とバリケードタンパ...
キーワード:産学連携/ゲノムDNA/アーキア/核ゲノム/トポロジカル/ドメイン構造/ゲノム機能/染色体/分子機構/高次構造/ゲノム
他の関係分野:複合領域化学生物学総合理工工学総合生物
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発表日:2025年2月17日
520
水を含み湿度に応答するラメラ構造ポリマー材料
―高吸水性高分子の特性を活かした自己組織化―
高分子化学専攻の寺島崇矢 准教授、堀池優貴 修士課程学生、大内誠 教授らのグループは、アクリル酸ナトリウムをベースとする汎用的な共重合体を用いて、水を含み湿度に応答するラメラ構造をもつポリマー(高分子)材料の創出に成功しました。寺島 准教授らのグループでは、親水性と疎水性の側鎖をもつランダム共重合体が側鎖の集合により10 nm以下のミクロ相分離構造を形成することを見いだしてきました。アクリル酸ナトリウムは、紙おむつなどに使われる高吸水性高分子の原料であり、水をよく吸う親水性基としての機能が期待されます。そこで、この特徴に着目して、アクリル酸ナトリウムと疎水性アルキルアクリレートのランダム共重合体を合成し、ミクロ相分離挙動を調べたところ、この共重合体は、外部環境から効率的に水を吸収し、水を含む親水性層と油の性質をもつ疎水性層が交互に配列したラメラ構造を形成することを見いだしました...
キーワード:産学連携/高エネルギー/J-PARC/加速器/相分離/共重合体/自己組織/フィルム/ミクロ相分離/ミクロ相分離構造/共重合/高分子/高分子化学/ポリマー/化学工学/原子力/親水性/機能材料/ナトリウム/組織化
他の関係分野:複合領域数物系科学化学工学総合生物農学
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発表日:2025年2月17日
521
突然死の原因となるブルガダ症候群、女児で思春期以降に症状改善
―リスク評価や性差医療に関わる新たな知見―
牧山武 医学研究科特定講師、今村知彦 同博士課程学生(研究当時)、鈴木博 新潟大学特任教授、小澤淳一 同客員研究員、住友直方 埼玉医科大学客員教授、小島拓朗 同准教授、堀江稔 滋賀医科大学名誉教授、加藤浩一 同助教、大野聖子 国立循環器病研究センター部長、青木寿明 大阪母子医療センター部長らの研究グループは、致死的な遺伝性不整脈であるブルガダ症候群の小児例を解析し、性差に関する新たな知見を明らかにしました。ブルガダ症候群は、中年男性における夜間の突然死(ポックリ病)として知られており、男性ホルモンが致死性不整脈のリスクを高めると考えられてきました。...
キーワード:産学連携/埋め込み/リスク評価/突然死/ホルモン/思春期/性ホルモン/心電図/不整脈/小児
他の関係分野:複合領域数物系科学工学
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発表日:2025年2月17日
522
加齢変化に適応して小腸上皮幹細胞が維持される仕組みを解明
マウスの小腸上皮組織の詳細な解析により、加齢に伴って小腸上皮の分化細胞の数や機能が変化することを見出した。一方で、活発に新陳代謝する小腸上皮の細胞を供給する小腸上皮幹細胞の集団(幹細胞プール)が維持されていた。次世代シーケンサーやオルガノイド技術を活用し、IFN-γ経路の活性化とERK/MAPK経路の活性低下が、加齢に伴うマウスの小腸上皮幹細胞の遺伝子発現変化を誘導することを見出した。小腸上皮幹細胞において、これら2つのシグナル伝達経路の活性変化は加齢に伴って同調して起き、この2つの経路の変化が相互に作用を補償しあうことで、幹細胞プールが維持されることを解明した。...
キーワード:プロファイル/情報学/産学連携/制御システム/一細胞/リン酸/Lgr5/免疫系/細胞膜/脂質代謝異常/iPS細胞/インターフェロン/遺伝子発現プロファイル/遺伝子発現解析/炎症反応/加齢変化/増殖因子/発現解析/免疫染色/mRNA/ホルモン/筋肉/寿命/腸内環境/オルガノイド/間葉系細胞/次世代シーケンサー/組織幹細胞/MAPK/RNA/アポトーシス/マウス/幹細胞/血液/再生医療/細胞核/細胞死/細胞増殖/細胞分裂/受容体/小腸/上皮細胞/内分泌/免疫応答/免疫細胞/ウイルス/コミュニケーション/サイトカイン/バイオマーカー/遺伝子/遺伝子発現/加齢/健康寿命/高齢化/細菌/細菌叢/脂質/脂質代謝/腸内細菌/腸内細菌叢/糖代謝/糖尿病/認知症/老化
他の関係分野:情報学複合領域工学総合生物農学
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発表日:2025年2月14日
523
ご遺体に学ぶ医療・医学研究を⽀えるもの
―解剖・死後の⾝体提供を表明した⼈々52名の証⾔の検討―
近年、死後脳研究は神経疾患や精神疾患の解明に重要な役割を果たしています。こうした研究活動には、研究参加に協力する人の存在が欠かせません。一方、日本では、解剖写真のSNS投稿が大きな話題になったように、身体の取り扱いや流通のあり方について、多くの人々が関心を持っています。...
キーワード:ソーシャルネットワークサービス(SNS)/情報学/産学連携/ブレイン/インタビュー調査/コミュニケーション/健康長寿/研究倫理/神経疾患/精神疾患
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学
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発表日:2025年2月14日
524
飲酒により食道がんが多発する機序の解明
―食道発がんに重要な3因子の同定―
近藤雄紀 医学研究科特別研究学生、大橋真也 医学部附属病院特定准教授、武藤学 医学研究科教授らの研究グループは、食道がんの発生機序を解明する重要な研究成果を発表しました。...
キーワード:がん研究/産学連携/脱水素/エタノール/アルデヒド/アセトアルデヒド/TP53/実験モデル/動物モデル/アルコール/医療政策/食道がん/代謝産物/がん化/発がん/扁平上皮がん/がん抑制遺伝子/遺伝子/疫学/早期発見/動物実験
他の関係分野:複合領域工学農学
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発表日:2025年2月14日
525
指先からのわずかな血液で月経痛のつらさがわかる!
―新たなバイオマーカー発見で、無理な我慢をせず“次の生理痛”も予測可能に―
杉浦悠毅 医学研究科特定准教授は、佐藤惇志 ライオン株式会社マネージャーらとの共同研究で、健康な女性の血漿(血液の液体成分)を分析し、月経痛(生理痛)の重症度を客観的に示す「バイオマーカー」を特定しました。とくに、分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれるアミノ酸群と、特定のフォスファチジルイノシトール(PI)という脂質の量比が、痛みの強さと関わっていることを発見しました。また、注目すべきは、指先からのわずかな血液の採取でも、これらのバイオマーカーを測定することができることです。...
キーワード:産学連携/健康管理/日常生活/アミノ酸/血液/バイオマーカー/脂質
他の関係分野:複合領域
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発表日:2025年2月14日
526
急性肝障害はどのような人が急性肝不全に進展しやすいのか?
~AI技術を駆使した新たな分類と予測~
急性肝障害の原因はウイルス性肝炎や薬物性肝障害など様々ですが、急性肝障害の一部は肝機能が急激に低下し急性肝不全へと進展し、その一部は内科治療に反応せず意識障害を伴う昏睡型に重症化します。急性肝不全昏睡型の救命率は約30%に留まるため肝移植が必要となりますが、急性肝障害から急性肝不全昏睡型へ数日で急速に進展することもあり、緊急性が非常に高い疾患です。しかし、内科治療への反応性は予測不能であり、高次医療機関や移植施設への搬送基準は明確ではありませんでした。...
キーワード:情報数理/AI/情報学/人工知能(AI)/産学連携/数理科学/キャリア/一細胞/ゲノム情報/肝炎/肝不全/脳死/膵臓/肝障害/血液/生体肝移植/脳機能/ウイルス/ゲノム/異分野融合/肝移植/個別化医療/臓器移植/臨床研究
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学工学総合生物
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発表日:2025年2月13日
527
光が流れるナノチェーンを開発し機構も解明
─究極の微小・超高速・省エネルギーデバイスの実現に期待─
デバイスの超小型化が進む現在、効率的な光輸送を実現するナノスケールの分子光導波路(光がほぼ漏れることなく伝わる通路)の開発と、その光伝達ダイナミクスの解明が求められています。分子材料内での詳細な励起子挙動を分析するためには、励起子が停留する各色素サイトの配向・配列・距離が規定される分子設計が求められます。しかしながら従来の研究では、これらの条件を満たす分子鎖の開発は達成されていませんでした。東北大学大学院理学研究科の豊田良順助教、谷口晴大学院生、千葉湧太大学院生、坂本良太教授の研究グループは、東京理科大学の福居直哉助教、西原寛教授ら、京都大学の浦谷浩輝特定助教(科学技術振興機構さき...
キーワード:産学連携/内部構造/検出器/金属錯体/光化学/光導波路/導波路/省エネ/シミュレーション/ダイナミクス/ナノスケール/ナノ材料/モデル化/レーザー/化学工学/機構総合/省エネルギー/励起子/分子設計
他の関係分野:複合領域数物系科学化学工学
京都大学 研究シーズ