[Top page] [日刊 研究最前線 知尋] [Discovery Saga総合案内] [大学別アーカイブス] [Discovery Saga会員のご案内] [産学連携のご案内] [会社概要] [お問い合わせ]

京都大学 研究Discovery Saga
2026年1月27日

CAR-T細胞療法のバイオマーカーを発見

―急性リンパ性白血病の治癒率向上に期待―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
CAR-T細胞は免疫を抑えるアデノシンという代謝産物の産生が少なく、長期間生存するメモリーT細胞の性質を持っており、がん細胞を効果的に排除できると考えられる
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
工学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
メモリ/キメラ/CD19/遺伝子操作/抗原受容体/CAR-T細胞療法/オミックス/メモリーT細胞/アデノシン/オミックス解析/がん免疫/がん免疫療法/代謝産物/マルチオミックス/免疫療法/B細胞/HLA/T細胞/がん細胞/抗原/細胞療法/受容体/白血病/免疫細胞/バイオマーカー/遺伝子/小児
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

キメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T細胞療法)は、患者さんから免疫細胞であるT細胞を取り出し、遺伝子操作でがん細胞を認識する受容体を導入して体内に戻すがん免疫療法です。日本では2019年に小児・若年成人の急性リンパ性白血病の治療として承認され、病気の治癒を目指す治療法として注目されています。
 滝田順子 医学研究科教授、平松英文 同講師(現:近畿大学講師)、加藤格 同講師、三上貴司 同特定研究員(現:同特定助教)、高折晃史 同教授、James Badger Wing 大阪大学教授らの研究グループは、再発難治性の前駆B細胞性急性リンパ性白血病(BCP-ALL)に対するCD19 CAR-T細胞療法(tisagenlecleucel)において、CAR-T細胞の性質を詳細に解析し、治療が良く効く患者さんのCAR-T細胞製剤にはCD38-CD73-Tim-3-HLA-DR+という特徴を持ったCAR-T細胞が多く含まれることを発見しました。このCAR-T細胞は免疫を抑えるアデノシンという代謝産物の産生が少なく、長期間生存するメモリーT細胞の性質を持っており、がん細胞を効果的に排除できると考えられます。
 本研究成果は、2026年1月23日に、国際学術誌「Cell Reports Medicine」にオンライン掲載されました。
画像

CD19 CAR-T細胞(tisagenlecleucel)を投与されたBCP-ALL患者のマルチオミックス解析の概要(BioRenderで作成。作者:三上貴司(https://BioRender.com/5zpwet9)、ライセンス: CC BY 4.0。)

研究者のコメント
「CAR-T細胞療法が一人でも多くの患者さんの希望となるように、引き続きがん免疫の観点から新たな治療の革新を目指して努力していきたいと思います。」(三上貴司)

詳しい研究内容について

CAR-T細胞療法のバイオマーカーを発見―急性リンパ性白血病の治癒率向上に期待―

研究者情報

研究者名 滝田 順子
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 Hidefumi Hiramatsu ORCID 研究者名 加藤 格
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 三上 貴司
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 高折 晃史
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1016/j.xcrm.2025.102576

【書誌情報】
Takashi Mikami, Itaru Kato, Mara Anais Llamas-Covarrubias, Hidefumi Hiramatsu, Yoshinori Uchihara, Takaya Mitsuyoshi, Toshio Kitawaki, Satoshi Saida, Katsutsugu Umeda, Seishi Ogawa, Akifumi Takaori-Kondo, James Badger Wing, Junko Takita (2026). CAR-T cells with the CD38⁻CD73⁻Tim-3⁻HLA-DR⁺ phenotype predict the efficacy of tisagenlecleucel as a treatment for B cell precursor ALL.Cell Reports Medicine, 102576.

関連部局

医学部・医学研究科