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京都大学 研究Discovery Saga
2025年6月9日

光ファイバケーブルを活用した海域・地下構造のイメージング手法を開発

─海域における地震波速度構造の詳細把握の実現─

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
環境学数物系科学工学医歯薬学
【Sagaキーワード】
地球科学/地下構造/海底ケーブル/地震活動/地震波/地震波速度/地震波速度構造/不均質構造/ケーブル/制御震源/センサー/センシング/モニタリング/地震観測/地震動/二酸化炭素/分解能/空間分解能
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

近年、光ファイバをセンサーとして振動などを捉える分布型音響センシング(Distributed Acoustic Sensing:DAS)が地震観測などに用いられるようになってきました。この技術は、光ファイバ上を数m〜数十mという超高密度の観測点間隔で約100 kmほどの距離まで観測することが可能です。また、海底に設置されている海底光ケーブルでDAS観測を実施することで、海底における地震動の稠密観測を実現することが可能です。海底での地震動の稠密観測は、地震活動のモニタリングや地下構造のイメージングなど、多目的に応用されるようになってきています。
 伊藤喜宏 防災研究所教授は、福島駿 東北大学特任研究員、篠原雅尚 東京大学教授らと共同で、海底に敷設された光ファイバケーブルを活用した新しい地下構造のイメージング手法を確立しました。広範囲(50–100 km)かつ稠密(約5 m間隔)なデータが取得できることが特長で、得られるDASデータを解析することで、これまでの技術と比べて格段に高い空間分解能で海底下構造を推定できると期待されます。
 本研究では、三陸沖に敷設された海底ケーブルを活用したDAS観測により得られた制御震源を用いた地下構造探査のデータを解析しました。その結果、DASで得られるデータが、海域における地下の構造を詳細に解明する上で有効であることを示すことでき、三陸沖の海域の浅部堆積層内に強い空間的な不均質構造がみられることを明らかにできました。このように地下の地質構造を詳細に把握することができる手法が開発されたことは、地震波の伝播の仕方や地形の成り立ちの理解をはじめとする地球科学的研究のみならず、二酸化炭素回収・貯留(Carbon Capture and Storage:CCS)などの工学的分野での研究開発にも大きく貢献すると期待されます。
 本研究成果は、2025年5月25日に、国際学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。


(A)本研究で行った制御地震探査の位置、(B)海岸から26.0kmの地点でDAS観測点によって記録された地震波形を、エアガンとDAS観測点間の距離ごとに並べた図

詳しい研究内容について

光ファイバケーブルを活用した海域・地下構造のイメージング手法を開発─海域における地震波速度構造の詳細把握の実現─

研究者情報

研究者名 伊藤 喜宏
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1038/s41598-025-01190-0

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/294588

【書誌情報】
Shun Fukushima, Masanao Shinohara, Tomoaki Yamada, Ryota Hino, Ryosuke Azuma, Yoshihiro Ito, Yusuke Yamashita, Hiroki Takano (2025). Enhanced P-wave velocity imaging by marine airgun-source seismic surveys with distributed acoustic sensing.Scientific Reports, 15, 18111.

関連部局

防災研究所