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京都大学 研究Discovery Saga
2025年11月15日

炎症の鍵となるIL-1βの放出メカニズムを単一細胞レベルで「見る」ことで解明

―炎症性サイトカインIL-1βは細胞死に伴って放出されていた―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
工学総合生物医歯薬学
【Sagaキーワード】
ベルギー/一細胞/炎症性疾患/一細胞解析/炎症性サイトカイン/細胞死/サイトカイン
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

滝田順子 医学研究科教授、井澤和司 同講師、加藤健太郎 同医員(研究当時)と、東京大学、東京科学大学、ベルギー・ゲント大学(Ghent University)等による国際共同研究グループは、細胞の分泌過程を可視化できる顕微鏡技術「LCI-S」を中心とした単一細胞解析技術を用い、ヒト単球における炎症性サイトカインIL-1βの分泌メカニズムを単一細胞レベルで解明しました。その結果、IL-1βは「生きた単球」からではなく、ごく一部の単球(約5〜10%)が炎症性細胞死(パイロトーシス)を起こす過程で放出されることを世界で初めて実証しました。
 この発見により、従来「炎症性サイトカイン」として知られていたIL-1βが、細胞死に伴ってDAMPとして放出される分子であることが明らかになりました。さらに、自己炎症性疾患であるクリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)患者の単球では、この経路が自発的に作動していることを確認し、ヒト炎症疾患の発症機構を直接的に示すとともに、炎症制御の新たなパラダイムを提示しました。
 本研究成果は、2025年11月11日に、国際学術誌「Nature Immunology」に掲載されました。


IL-1β(青)が細胞死染色(紫)に伴って放出される瞬間のイメージ

詳しい研究内容について

炎症の鍵となるIL-1βの放出メカニズムを単一細胞レベルで「見る」ことで解明―炎症性サイトカインIL-1βは細胞死に伴って放出されていた―

研究者情報

研究者名 滝田 順子
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 井澤 和司
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 加藤 健太郎 Researchmap

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1038/s41590-025-02319-z

【書誌情報】
Lieselotte Vande Walle, Kentaro Kato, Mai Yamagishi, Takashi Kamatani, Alex Vervaeke, Rosa Martín-Pérez, Masaki Shimizu, Takumi Takizawa, Junko Takita, Ryuta Nishikomori, Osamu Ohara, Kazushi Izawa, Yoshitaka Shirasaki, Mohamed Lamkanfi (2025). Single-cell analysis reveals cell death as driver of NLRP3-mediated secretion of IL-1β in human monocytes.Nature Immunology.

関連部局

医学部・医学研究科