炎症の鍵となるIL-1βの放出メカニズムを単一細胞レベルで「見る」ことで解明
―炎症性サイトカインIL-1βは細胞死に伴って放出されていた―
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
この研究の主な対象者企業・研究者の方
公開日
概要
滝田順子 医学研究科教授、井澤和司 同講師、加藤健太郎 同医員(研究当時)と、東京大学、東京科学大学、ベルギー・ゲント大学(Ghent University)等による国際共同研究グループは、細胞の分泌過程を可視化できる顕微鏡技術「LCI-S」を中心とした単一細胞解析技術を用い、ヒト単球における炎症性サイトカインIL-1βの分泌メカニズムを単一細胞レベルで解明しました。その結果、IL-1βは「生きた単球」からではなく、ごく一部の単球(約5〜10%)が炎症性細胞死(パイロトーシス)を起こす過程で放出されることを世界で初めて実証しました。この発見により、従来「炎症性サイトカイン」として知られていたIL-1βが、細胞死に伴ってDAMPとして放出される分子であることが明らかになりました。さらに、自己炎症性疾患であるクリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)患者の単球では、この経路が自発的に作動していることを確認し、ヒト炎症疾患の発症機構を直接的に示すとともに、炎症制御の新たなパラダイムを提示しました。
本研究成果は、2025年11月11日に、国際学術誌「Nature Immunology」に掲載されました。

詳しい研究内容について
炎症の鍵となるIL-1βの放出メカニズムを単一細胞レベルで「見る」ことで解明―炎症性サイトカインIL-1βは細胞死に伴って放出されていた―研究者情報
研究者名 滝田 順子京都大学 教育研究活動データベース 研究者名 井澤 和司
京都大学 教育研究活動データベース 研究者名 加藤 健太郎 Researchmap
書誌情報
【DOI】https://doi.org/10.1038/s41590-025-02319-z
【書誌情報】
Lieselotte Vande Walle, Kentaro Kato, Mai Yamagishi, Takashi Kamatani, Alex Vervaeke, Rosa Martín-Pérez, Masaki Shimizu, Takumi Takizawa, Junko Takita, Ryuta Nishikomori, Osamu Ohara, Kazushi Izawa, Yoshitaka Shirasaki, Mohamed Lamkanfi (2025). Single-cell analysis reveals cell death as driver of NLRP3-mediated secretion of IL-1β in human monocytes.Nature Immunology.
京都大学 研究