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京都大学 研究Discovery Saga
2025年3月18日

アセチルコリン受容体活性化の鍵を発見

~次世代薬剤設計の可能性を拡げるGPCRメカニズム解明の新たな一歩~

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
複合領域数物系科学化学総合理工農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
心拍数/水素結合ネットワーク/水分子/振動分光/赤外分光/赤外分光法/アゴニスト/変異体/GPCR/Gタンパク質/Gタンパク質共役型受容体/アセチルコリン/アミノ酸/ヘリックス/リガンド/構造変化/受容体
この研究の主な対象者 企業・研究者の方 公開日

概要

岩田想 医学研究科教授、杉浦勇也 名古屋工業大学修士課程学生(研究当時)、片山耕大 同准教授、神取秀樹 同特別教授、柴田哲男 同教授、住井裕司 同准教授、清水(小林)拓也 関西医科大学教授、寿野良二 同准教授、井上飛鳥 東北大学教授、生田達也 同助教らの研究グループは、振動分光法を用いて、心拍数の調節に関与するムスカリン性アセチルコリン受容体(M2R)が内因性アゴニストであるアセチルコリンによって活性化される仕組みを解明しました。
 本研究では、M2Rのリガンド結合部位を構成するアミノ酸の1つであるアスパラギン残基(Asn404)とアセチルコリンの間の精密な相互作用が、M2Rの活性化に極めて重要であることを突き止めました。また、N404Q変異体が部分的に活性型様の構造変化を示すことを明らかにし、この相互作用を支える水分子が、柔軟かつ精密な水素結合ネットワークを形成し、膜貫通ヘリックス6(TM6)の構造変化を引き起こすことを発見しました。
 さらに、アセチルコリン分子の特定部位を化学修飾してこの水素結合ネットワークを破壊すると、M2Rを正常に活性化できないことを確認しました。これらの結果から、Asn404はアセチルコリンの結合を感知し、M2Rの活性化を誘導する鍵となる重要な残基であることが示されました。
 この研究成果は、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の活性化メカニズムの全貌解明に向けた新たな道を拓くだけでなく、次世代の薬剤設計における革新的な指針となる可能性があります。
 本研究成果は、2025年3月14日に、国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」に掲載されました。
ムスカリン受容体にアセチルコリンが結合する過程の赤外分光法による観測イメージ

詳しい研究内容について

アセチルコリン受容体活性化の鍵を発見~次世代薬剤設計の可能性を拡げるGPCRメカニズム解明の新たな一歩~

研究者情報

研究者名 岩田 想
京都大学 教育研究活動データベース

関連部局

医学部・医学研究科