ヒト胚モデル研究のガバナンスを考える
―日本の新指針と国際ガイドラインの比較から―
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | ヒト胚モデルは、ヒトES細胞やiPS細胞を用いてヒト胚の発生過程を再現する研究モデルであり、発生メカニズムの解明や不妊症研究等への応用が期待 |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】

Research July 06, 2026
概要
京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点(WPI-ASHBi)およびiPS細胞研究所(CiRA)の藤田みさお教授、赤塚京子助教、東新川藤佳研究員は、ヒト胚モデル(Stem cell-based embryo models: SCBEMs)研究に関する国内外のルールを分析しました。具体的には、2026年4月に施行された日本の新指針と、2025年に改訂された国際幹細胞学会(ISSCR)のガイドラインを比較し、今後のガバナンスにおける課題を明らかにしました。ヒト胚モデルは、ヒトES細胞やiPS細胞を用いてヒト胚の発生過程を再現する研究モデルであり、発生メカニズムの解明や不妊症研究等への応用が期待されています。一方で、研究の急速な進展に伴い、その倫理的・法的な取扱いについて各国で新たなルール作りが進められています。
日本では2026年4月から既存の指針が改定され、全てのヒト胚モデル研究に倫理審査や国への届出が求められるようになりました。本研究では、この指針改定の背景と特徴を整理するとともに、ISSCRガイドラインとの関係を検討しました。その結果、両者は概ね整合しているものの、規制対象の範囲には違いが認められました。本研究は、こうした違いを踏まえ、研究者、倫理審査委員会、行政機関、学術誌などが相互に連携しながら制度を運用していく必要性を示しています。
本成果は、2026年7月2日11時(米国東部時間、日本時間7月3日午前0時)に学術誌「Cell Stem Cell」に掲載されました。
京都大学 研究