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京都大学 研究Discovery Saga
2026年2月27日

血液中のがん反応性T細胞で治療効果を予測

―免疫療法に反応する希少な血中のがん反応性T細胞の発見―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
血液検査でがん免疫療法の効果を予測できる可能性が示され、患者さん一人ひとりに適した治療選択につながると期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
医歯薬学
【Sagaキーワード】
がん免疫/がん免疫療法/免疫チェックポイント阻害剤/免疫療法/HLA/T細胞/がん治療/血液/阻害剤/免疫チェックポイント/がん患者/肺がん
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

体内には、様々な異物を見分けるためのT細胞がたくさん存在します。その中で、がんを攻撃できるT細胞(がん反応性T細胞)は、がん免疫療法の効果を左右する重要な細胞です。しかし、この細胞は血液中にごくわずかしか存在せず、詳しい性質は分かっていませんでした。
 谷口智憲 医学研究科特定准教授、茶本健司 同教授、伊藤克弘 同博士課程学生(現:米国イェール大学(Yale University)ポスドク研究員)らと、猪爪隆史 千葉大学教授らによる共同研究グループは、血液中にわずかに存在するがん反応性T細胞を、血中で見分けるマーカーを発見しました。このマーカーをもつT細胞は、がん組織内で働くT細胞のもとになる細胞である可能性が示されました。さらに、免疫チェックポイント阻害剤によるがん免疫療法で治療効果が見られた肺がん患者さんでは、この血中のがん反応性T細胞の性質が、治療で変化することが分かりました。
 本研究により、血液検査でがん免疫療法の効果を予測できる可能性が示され、患者さん一人ひとりに適した治療選択につながると期待されます。さらに、血液中からがん反応性T細胞を取り出して利用できる可能性があり、新しいがん治療法の開発につながることも期待されます。
 本研究成果は、2026年2月17日に、国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されました。
画像

(上図)血液中にわずかに存在するがん反応性T細胞は特徴的な表面分子(CD49a、CD49b、HLA-DR)を発現し、がん組織内T細胞に比べ、疲弊が少なく未分化である。これらの特徴から供給源である可能性が示唆される。(下図)血中のがん反応性T細胞は、免疫チェックポイント阻害剤の治療効果の有無によって性質が異なり、効果予測マーカーとして応用可能である。(BioRenderで作成。作者:谷口智憲、伊藤克弘。)

研究者のコメント
「がんの中のT細胞はどこからきて、どこへ行くのか?という疑問に、少しだけ答えることができました。血液中のがん反応性T細胞は干し草の中の針のようなものですが、塵も積もれば山となるように、たくさん集めて増やすことができれば、新しい治療につながる可能性があります。今回の発見を臨床に役立てることができるよう、今後さらに研究を進めていきたいと考えています。」(伊藤克弘)

詳しい研究内容について

血液中のがん反応性T細胞で治療効果を予測―免疫療法に反応する希少な血中のがん反応性T細胞の発見―

研究者情報

研究者名 谷口 智憲
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 茶本 健司
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 Katsuhiro Ito ORCID

関連部局

医学部・医学研究科