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京都大学 研究Discovery Saga
2026年4月30日

フラットバンドが生む世界最大の横磁気熱電伝導率

―磁気秩序下での遍歴フラットバンドを初めて実証―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
本成果で見いだされた巨大な磁気熱電効果を利用することで、熱電デバイスやスピントロニクスデバイスへの応用が期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学化学総合理工工学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
カゴメ格子/角度分解光電子分光/光電子分光/磁気秩序/熱電効果/波動関数/磁性体/材料科学/電子分光/フェリ磁性体/スピン/スピントロニクス/第一原理/第一原理計算/干渉効果/結晶構造/ラット


(左)積層ハニカム-カゴメ格子上に配置されたCo原子による波動関数の干渉効果の模式図。 (右)遍歴フラットバンドの角度分解光電子分光(ARPES)による観測結果と理論計算。赤色の面が理論計算による遍歴フラットバンド、赤丸とカラーマップがARPESにより得られた遍歴フラットバンドを表す。

概要

機械理工学専攻の見波将 助教(研究当時:東京大学大学院理学系研究科 特任助教)、東京大学大学院理学系研究科のYangming Wang博士課程学生(研究当時)、中村紘人博士課程学生(研究当時)、酒井明人講師と中辻知教授らの研究グループは、同大学大学院有田亮太郎教授(兼:理化学研究所創発物性科学研究センターチームディレクター)、理化学研究所創発物性科学研究センターの大岩陸人基礎科学特別研究員(研究当時、現:北海道大学講師)、東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)の相馬清吾准教授、佐藤宇史教授らと共同で、フェリ磁性体GdCo5において、室温で過去最大の横磁気熱電伝導率を観測しました。また、巨大な磁気熱電効果の起源が波動関数の干渉効果により生じた遍歴フラットバンドであることを、実験と理論の両面から明らかにしました。
GdCo5はハニカム格子とカゴメ格子が交互に積み重なった結晶構造を持ちます。本研究では、角度分解光電子分光(ARPES)と第一原理計算を組み合わせ、この積層格子上の波動関数の干渉効果により、遍歴フラットバンドが広い運動量空間にわたって存在することを明らかにしました。磁気秩序が生じている物質で遍歴フラットバンドが観測されたのは世界で初めての事例です。さらに、このフラットバンドに由来する巨大な磁気熱電効果を発見し、室温における横磁気熱電伝導率として過去最大の値を達成しました。本成果で見いだされた巨大な磁気熱電効果を利用することで、熱電デバイスやスピントロニクスデバイスの開発につながることが期待されます。
研究詳細
フラットバンドが生む世界最大の横磁気熱電伝導率 ―磁気秩序下での遍歴フラットバンドを初めて実証―

研究者情報

見波 将京都大学教育研究活動データベース

論文情報

タイトル
Evidence for itinerant ferromagnetic flat bands producing large transverse responses
著者
Susumu Minami, Yangming Wang, Seigo Souma, Hiroto Nakamura, Akito Sakai, Takumi Osumi, Hang Su, Hikaru Watanabe, Shun’ichiro Kurosawa, Rikuto Oiwa, Daisuke Nishio-Hamane, Kosuke Nakayama, Takuya Nomoto, Ryotaro Arita, Takafumi Sato, Satoru Nakatsuji
掲載誌
Advanced Materials
DOI
10.1002/adma.202517521
KURENAI

関連リンク

機械理工学専攻 2026年04月30日