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京都大学 研究Discovery Saga
2026年3月2日

フリーNH 部位を有するキラルナノグラフェンの合成とスピン輸送特性

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
電子材料、光学材料、さらにはスピン材料としても高い性能を有することが期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学化学総合理工工学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
スピン偏極/輸送特性/円二色性/π共役系/円偏光発光/キラル/光学材料/ナノグラフェン/円偏光/選択性/電子状態/光学特性/グラフェン/スピン/ナノメートル/ヘテロ元素/機能性/分子設計


研究概要図

概要

ナノグラフェンとは、炭素と水素から構成されるナノメートルサイズのπ共役系分子を指します。その電子状態はグラフェンに類似したものにとどまらず、ナノグラフェン特有の構造的性質を反映した興味深い性質が多数報告されています。ナノグラフェンの多様性をさらに拡張する戦略として、i)ヘテロ元素の導入、ii)曲面構造の誘起、が重要な分子設計指針として挙げられ、それぞれヘテロナノグラフェン、非平面ナノグラフェンとして分類されています。特に、ねじれた曲面構造を形成することでキラリティが生じ、円二色性(CD)や円偏光発光(CPL)といったキラル光学特性が発現します。近年では、キラリティ誘起スピン選択性(CISS)と呼ばれる現象が注目を集めており、高いスピン偏極率を示す材料の開発が強く求められていました。
分子工学専攻のJorge Labella博士研究員、Osterloh William Ryan同博士研究員、郭 恪安 同修士課程2年生、筒井 祐介 同助教、田中 隆行 同准教授、関 修平 同教授の研究グループは、窒素を含むπ共役系分子であるカルバゾールの構造を大きく拡張し、らせん状にねじれた含窒素キラルナノグラフェン分子を合成し、その電子状態の解析およびキラル光学特性の解明を行いました。本分子は、周辺部を適切に拡張することにより、未修飾のNH部位を保持しているにもかかわらず高い安定性を示すことが各種測定結果から明らかとなりました。このことから、本分子は電子材料、光学材料、さらにはスピン材料としても高い性能を有することが期待されます。
本研究成果は、2026年2月26日に米国の国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載されました。
研究詳細
フリーNH 部位を有するキラルナノグラフェンの合成とスピン輸送特性

研究者情報

筒井 祐介京都大学教育研究活動データベース
田中 隆行京都大学教育研究活動データベース
関修平京都大学教育研究活動データベース

書誌情報

タイトル
"A Stable, NH-Containing Chiral Nanographene: An Electroactive N-Doped π-System for Chiroptics and Spin-Selective Transport(安定なNH含有キラルナノグラフェン:キラル光学およびスピン選択的輸送に向けた電子機能性窒素ドープπ共役系)
著者
Jorge Labella, W. Ryan Osterloh, Kean Kuo, Yusuke Tsutsui, Takayuki Tanaka, Shu Seki
掲載誌
Journal of the American Chemical Society
DOI 10.1021/jacs.5c20735
KURENAI

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