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京都大学 研究Discovery Saga
2026年7月23日

量子光干渉断層撮影で、世界最高体積分解能4フェムトリットルを達成

―グラフ理論を応用し、量子イメージング特有の「偽信号」も克服―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
三次元的な微細構造の観測を、高分解能かつ非侵襲で行えるようになり、将来的に、材料科学や生命科学など、幅広い分野での活用が期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学数物系科学工学医歯薬学
【Sagaキーワード】
アルゴリズム/グラフ理論/コヒーレンス/量子もつれ/材料科学/計測技術/センシング/微細構造/分解能/高分解能/非侵襲


図1 高分解能QOCTのイメージ図 ©️京都大学工学研究科竹内研究室

概要

電⼦や光⼦などの量⼦は、通常の物体とは異なった振るまいをします。その量⼦の個々の振るまいや相関(量⼦もつれ)を制御することで、従来の計測技術の限界を超える光量⼦センシングの研究が精⼒的に進められています。特に、量子もつれ光を用いた「量子光干渉断層撮影(QOCT)」は、サンプル内の分散の影響を受けないため、従来の光干渉断層撮影(OCT)を超える高い分解能を実現できる可能性があり、注目されています。しかし、技術的な困難さから、これまでのQOCTの体積分解能は176μm³(176フェムトリットル)に留まり、さらにQOCTには「画像に現れる特有の偽信号」の存在という課題もありました。
今回、京都大学大学院工学研究科の阿部尚文 特定研究員(研究当時)、堀野智康 同修士課程学生(研究当時)、川口蓉子 同修士課程学生(研究当時)、岡本亮 同准教授、竹内繁樹 同教授らの研究グループは、4.04μm³(4.04フェムトリットル)という、世界最高の体積分解能を持つQOCTイメージングに成功しました。これは従来のQOCTの体積分解能を43倍と大幅に向上した分解能です。さらに、グラフ理論における「最大クリーク探索」を用いた新しいアルゴリズムを開発し、QOCTの大きな障壁であった偽信号の高速な除去も実現しました。
本成果により、三次元的な微細構造の観測を、高分解能かつ非侵襲で行えるようになり、将来的に、材料科学や生命科学など、幅広い分野での活用が期待されます。
本成果は、2026年7月8日以降に米国の国際学術誌「Optics Express」にオンライン掲載される予定です。
研究詳細
量子光干渉断層撮影で、世界最高体積分解能4フェムトリットルを達成 ―グラフ理論を応用し、量子イメージング特有の「偽信号」も克服―

研究者情報

岡本 亮京都大学教育研究活動データベース
竹内 繁樹京都大学教育研究活動データベース

論文情報

タイトル
High-volume-resolution quantum optical coherence tomography imaging with efficient artifact removal (効率的なアーティファクト除去機能を備えた高体積分解能量子光コヒーレンス断層撮影)
著者
阿部尚文(第一著者)、堀野智康、川口蓉子、岡本亮、竹内繁樹(責任著者)
掲載誌
Optics Express
DOI
10.1364/OE.574265
KURENAI

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