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京都大学 研究Discovery Saga
2025年5月29日

小胞体にATPを輸送するトランスポーターの構造と分子機構の解明

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
複合領域生物学工学医歯薬学
【Sagaキーワード】
品質管理/細胞内小器官/電子顕微鏡/クライオ電子顕微鏡/分子機構/ATP/カルシウム/ステロイド/小胞体/翻訳後修飾/膜タンパク質/立体構造/脂質
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

ヒト、植物、酵母など真核生物の細胞内には、様々な細胞内小器官があります。その一つである小胞体は、タンパク質のフォールディング(折り畳み)・翻訳後修飾・品質管理、脂質やステロイドの合成、カルシウム貯蔵、薬物の解毒など、様々な生化学反応を担い、細胞の活動を支える上で欠かせない存在です。小胞体が正常に機能するためには「細胞のエネルギー通貨」であるATPを大量に必要としますが、小胞体自体はATPを作ることができません。どのようにして小胞体にATPが供給されるのかという問題は、生物学における大きな謎の一つでした。
 野村紀通 生命科学研究科准教授、岩田想 同教授、David Drew スウェーデン・ストックホルム大学(Stockholm University)教授らは、ヒト膜タンパク質SLC35B1がATPを細胞質から小胞体内部に輸送するトランスポーターであることを明らかにし、その立体構造と分子機構を、クライオ電子顕微鏡を用いて解明しました。
 本研究成果は、2025年5月21日に、国際学術誌「Nature」に掲載されました。


小胞体にATPを輸送する膜タンパク質SLC35B1の立体構造(ER:小胞体、cytosol:細胞質)

詳しい研究内容について

小胞体にATPを輸送するトランスポーターの構造と分子機構の解明

研究者情報

研究者名 野村 紀通
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 岩田 想
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1038/s41586-025-09069-w
  【書誌情報】
Ashutosh Gulati, Do-Hwan Ahn, Albert Suades, Yurie Hult, Gernot Wolf, So Iwata, Giulio Superti-Furga, Norimichi Nomura, David Drew (2025). Stepwise ATP translocation into the endoplasmic reticulum by human SLC35B1.Nature.

関連部局

生命科学研究科