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京都大学 研究Discovery Saga
2025年8月2日

⽝は⼈を評価する?

―飼い犬は「気前のよい人」を選ぶのか―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学環境学医歯薬学
【Sagaキーワード】
社会的認知/オーストリア/認知能力
In other languages English この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

「犬には人を見る目がある」とよく言われますが、犬が人間の行動を観察し評価しているかは、まだ明らかではありません。以前にオーストリア・ウルフ・サイエンス・センター(Wolf Science Center)で行われた研究では、群れ飼育の犬やオオカミは人間についての評価を形成しないことが示されていました。
 この度、ジム・ホイラム 人と社会の未来研究院特定研究員(研究当時:オーストリア・ウィーン獣医大学(University of Veterinary Medicine, Vienna)博士課程学生)らは、同獣医大学クレバー・ドッグ・ラボ(Clever Dog Lab)でペット犬40頭を対象に実験を行い、他の犬のやりとりを観察する(いわゆる「傍観的観察」)と自ら体験する「直接的経験」をもとに、気前のよい人(餌を与える)と利己的な人(与えない)を区別できるか検証しました。具体的には、誰に先に近づくか、親和的行動にどれだけの時間を費やしたかなどを分析しました。
 その結果、年齢にかかわらず、犬は特に気前のよい人を選ぶ傾向はなく、どちらの人を選ぶかは偶然の範囲内でした。飼い犬にとって、人を評価するのは予想以上に難しい可能性があります。
 本研究成果は、2025年6月28日に、国際学術誌「Animal Cognition」にオンライン掲載されました。


研究者の愛犬ジャスパー(左)と親友サヒブ(右)(撮影:ジム・ホイラム)
研究者のコメント
「今回の結果は、社会的評価が動物にとって難しい課題であることを示す研究に新たな知見を加えるものです。発達(年齢)が犬の社会的認知能力にどのように影響するかを明らかにするためには、野良犬、警察犬、介助犬など、異なる集団や経験を持つ犬を体系的に比較することが重要です。また、本研究は、現行の実験デザインには、犬の能力を十分に示すことを妨げる方法論的な限界がある可能性も示唆しています。人間と密接に協力する犬においても、人についての評価の形成はこれまで考えられていたよりも複雑であることが明らかになりました。」(ジム・ホイラム)

詳しい研究内容について

⽝は⼈を評価する?―飼い犬は「気前のよい人」を選ぶのか―

研究者情報

研究者名 JIM Hoi Lam
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1007/s10071-025-01967-w

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/295215
【書誌情報】
Hoi-Lam Jim, Kadisha Belfiore, Eva B. Martinelli, Mayte Martínez, Friederike Range, Sarah Marshall-Pescini (2025). Do dogs form reputations of humans? No effect of age after indirect and direct experience in a food-giving situation.Animal Cognition, 28, 51.

関連部局

人と社会の未来研究院