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京都大学 研究Discovery Saga
2025年10月29日

腸内環境モニタリング機能付きデジタル錠剤に向けた胃酸充電半導体集積回路の開発に成功

―65nm CMOSで実証、消化器官内の温度・pHモニタリングに目途―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
胃酸発電で得られた電力を半導体集積回路内のコンデンサに充電・蓄電し、その電力を効率的に腸内環境モニタリングへと適用する基盤技術の開発に成功
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学環境学工学総合生物医歯薬学
【Sagaキーワード】
情報学/環境モニタリング/CMOS/センシング/ナノメートル/モニタリング/集積回路/半導体/生体内/腸内環境
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

新津葵一 情報学研究科教授、ウ・ヨウ(Wu You) 同修士課程学生、大西弘二 大塚製薬株式会社プリンシパル、山根育郎 同課長らの研究グループは、腸内環境モニタリング機能付きデジタル錠剤に向けた胃酸充電機能を有する半導体集積回路の開発に成功し、65nm(ナノメートル:10億分の1メートル)のCMOSプロセスで製造した半導体集積回路を用いて実証しました。
 生体内センシングは、健康状態を把握するうえで有効なアプローチの一つです。特に、腸内環境の継続的なモニタリングは、近年の研究によりその有用性が明らかになり、注目を集めています。しかしながら、腸内環境の継続的なモニタリングを日常的に行うことは困難を伴います。そこで本研究グループは、腸内環境モニタリング機能付きデジタル錠剤の開発に取り組みました。今回開発したデジタル錠剤は、胃酸発電用電極を搭載した1mm角程度の微小な半導体集積回路と薬剤で構成されています。米国において、服薬状況を客観的に把握できる服薬管理機能付きデジタル錠剤は既に実用化されていますが、胃酸発電で得られた電力は充電に活用できず胃内のみで用いられていました。デジタル錠剤を腸内環境モニタリング、例えば温度・酸度(pH)モニタリングへと活用させるためには、電力の確保が必要になります。そこで本研究開発では、胃酸発電で得られた電力を半導体集積回路内のコンデンサに充電・蓄電し、その電力を効率的に腸内環境モニタリングへと適用する基盤技術の開発に成功しました。また、65nmの低電力CMOSプロセスにおいて提案回路の有効性を実証しました。
 本研究成果は、2025年10月28日に開催された「IEEE Nordic Circuits and Systems Conference」において発表されました。


本研究開発のイメージ図
研究者のコメント 「研究を支えてくださる関係者の皆様に御礼申し上げます。半導体集積回路は、社会の基盤として多くの応用へと展開されています。今後とも、半導体集積回路設計において基盤技術開発と応用開拓を並行して研究開発を進めてまいります。」

詳しい研究内容について

腸内環境モニタリング機能付きデジタル錠剤に向けた胃酸充電半導体集積回路の開発に成功―65nm CMOSで実証、消化器官内の温度・pHモニタリングに目途―

研究者情報

研究者名 新津 葵一
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 YOU WU ORCID

関連部局

情報学研究科