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京都大学 研究Discovery Saga
2026年4月7日

細胞内カルシウム濃度の変化を検出する新たなバイオセンサーを開発

―血中生理活性物質の測定や創薬開発の迅速化に貢献―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
工学総合生物医歯薬学
【Sagaキーワード】
センサー/バイオセンサー/カルシウムイオン/Ca2+/細胞内カルシウムイオン/ホルモン/筋肉/神経伝達物質/GPCR/Gタンパク質/Gタンパク質共役型受容体/カルシウム/サイクリックAMP/ルシフェラーゼ/血液/細胞内カルシウム/自己免疫/自己免疫疾患/受容体/生理活性/生理活性物質/創薬/膜タンパク質
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、ホルモンや神経伝達物質などの刺激を受け取り、細胞内へ情報を伝える膜タンパク質です。GPCRの情報伝達の主要な経路として、三量体Gタンパク質を介した細胞内カルシウムイオン(Ca2+)の濃度上昇があり、神経伝達物質の分泌や筋肉の収縮など多様な生命現象を制御します。しかし、この細胞内Ca2+濃度の変化は数秒から数十秒の短時間で起こるため、細胞内Ca2+応答の計測には特殊な測定機器が必要でした。
 井上飛鳥 薬学研究科教授(兼:東北大学教授)と土居耕介 東北大学大学院生(研究当時、兼:ヤマサ醤油株式会社研究員)らの研究グループは、ホタル由来の発光タンパク質ルシフェラーゼを改変した新しいバイオセンサー(CalLuc-2.1と命名)を開発しました。このバイオセンサーは、短時間で起こる細胞内Ca2+濃度の変化を数十分間持続する発光シグナルへと変換する性質を有しており、汎用の測定機器に適用可能な有用なツールであることがわかりました。
 本研究成果は、2026年3月29日に、国際学術誌「Communications Biology」に掲載されました。
画像

CalLuc-2.1の模式図

研究者のコメント
「Ca2+に応答して、CalLuc-2.1の発光が持続的に減るという挙動は予想外でした。この予想外の発見が、まず実験してみることの大切さを改めて教えてくれました。今後は、サイクリックAMPバイオセンサーを用いたバセドウ病診断の応用研究で培った知見をもとに、Ca2+バイオセンサーとGPCRを組み合わせて、自己免疫疾患をはじめとする様々な疾患の血液検査への応用を目指します。」(井上飛鳥)

詳しい研究内容について

細胞内カルシウム濃度の変化を検出する新たなバイオセンサーを開発―血中生理活性物質の測定や創薬開発の迅速化に貢献―

研究者情報

研究者名 井上 飛鳥
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1038/s42003-026-09920-4

【書誌情報】
Kosuke Doi, Ryoji Kise, Kota Shimizume, Masataka Yanagawa, Asuka Inoue (2026). A luminescent calcium biosensor enabling endpoint measurement of GPCR-mediated calcium signaling.Communications Biology.

関連部局

薬学部・薬学研究科