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京都大学 研究Discovery Saga
2026年4月22日

膵β細胞が増えるための新しいしくみを解明

―ストレスへの適応が生存と増殖をうまく調整―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
膵β細胞量を保護・回復する新しい糖尿病治療法への応用につながることが期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
医歯薬学
【Sagaキーワード】
β細胞/ホルモン/高脂肪食/RNA/インスリン/ストレス応答/マウス/小胞体/小胞体ストレス/小胞体ストレス応答/ストレス/糖尿病/妊娠
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

村上隆亮 医学研究科助教、大谷大輔 同医員、矢部大介 同教授、稲垣暢也 名誉教授らの研究グループは、インスリン(血糖値を下げるホルモン)をつくる膵β細胞が増えるための新しいしくみを解明しました。糖尿病ではこの細胞が減ってしまい、どうすれば膵β細胞量を回復できるのかが大切な課題です。本研究では、細胞の中でタンパク質の異常に対応する「小胞体ストレス応答」に関与するATF6αという分子に注目しました。マウスを用いた解析により、ATF6αは膵β細胞にストレスがかかる状況(高脂肪食や妊娠)で細胞が生き延びて増えるのに必要であることが明らかになりました。さらに、シングルセルRNA解析の結果、ATF6αがない膵β細胞は高脂肪食のストレスによって「増えにくい細胞状態」になりやすい可能性が示されました。
 この成果は膵β細胞量が変化するしくみを理解する上で重要な発見であり、将来、膵β細胞量を保護・回復する新しい糖尿病治療法への応用につながることが期待されます。
 本研究成果は、2026年4月17日に、国際学術誌「Diabetes」にオンライン掲載されました。
画像


研究者のコメント
「慢性ストレス下の膵β細胞において小胞体ストレス応答関連分子が『生存』『増殖』の両立をもたらすという新たなしくみの一端を解明し、膵β細胞量の回復をもたらす新しい糖尿病治療への可能性を示せたことは大きな一歩です。今後、このしくみの詳細をさらに解明し、糖尿病の根治を視野に入れた革新的な治療法開発への取り組みを進めます。」(村上隆亮)

詳しい研究内容について

膵β細胞が増えるための新しいしくみを解明―ストレスへの適応が生存と増殖をうまく調整―

研究者情報

研究者名 村上 隆亮
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 Daisuke Otani ORCID 研究者名 矢部 大介
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 Nobuya Inagaki ORCID

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.2337/db26-0048
【書誌情報】
Daisuke Otani, Takaaki Murakami, Muhammad Fauzi, Ainur Botagarova, Sho Sekito, Hisato Tatsuoka, Shinsuke Tokumoto, Ryota Usui, Masahito Ogura, Taro Toyoda, Yasuhiro Murakawa, Daisuke Yabe, Nobuya Inagaki (2026). Activating Transcription Factor 6α Governs Stress-Adaptive Pancreatic β-Cell Mass Expansion by Coordinating Proliferation and Survival.Diabetes, db260048.

関連部局

医学部・医学研究科