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京都大学 研究Discovery Saga
2025年8月24日

幼生は知っている

―動物体表性カサガイの浮遊幼生に見られた着底基質選好性―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
環境学生物学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
海洋/個体群/脊椎動物/生態系/無脊椎動物/海洋生態/海洋生態系/脊椎
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

中山凌 理学研究科博士課程学生(現:青森県産業技術センター研究員)および中野智之 フィールド科学教育研究センター准教授らは、動物体表性カサガイ類の1種であるコモレビコガモガイについて、浮遊幼生の着底が主要な宿主である巻貝ヒメクボガイの粘液に誘引されることを解明しました。この発見は、本種が浮遊幼生の段階で適した宿主を認識している事を示唆しており、海産無脊椎動物における浮遊幼生の着底メカニズムおよび動物体表性という特殊な生態がもつ適応的意義の理解だけでなく、海洋生態系における共生関係の進化についての重要な知見であるといえます。
 本研究成果は、2025年7月29日に、国際学術誌「Venus (Journal of the Malacological Society of Japan)」に掲載されました。


ホストを探すコモレビコガモガイの幼生のイメージ(イラスト:中野真里)
研究者のコメント
「この研究を実施するにあたって、これまでに挑戦したことのなかった本種の人工授精法の確立からスタートしました。初めて幼生が着底・変態して稚貝の成長が確認できたときの喜びはひとしおでした。」(中山凌)
「共生系の進化は、完全な1対1の共生関係が構築される前は、おそらくコモレビコガモガイのように好みのホストがあったり、ホストを見つけられなければ岩場で生活する等、ゆるい共生関係から始まるように思います。その後、ホスト以外の場所で生活している個体群の生存率が捕食圧等でぐんと下がれば、一気に強固な共生関係に移行するのではと、いろいろ妄想できる研究結果でした!」(中野智之)

詳しい研究内容について

幼生は知っている―動物体表性カサガイの浮遊幼生に見られた着底基質選好性―

研究者情報

研究者名 中野 智之
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.18941/venus.83.1-4_111
【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/296202
【書誌情報】
Ryo Nakayama, Tomoyuki Nakano (2025). Selective Settlement of the Planktonic Larvae of the Epizoic LimpetLottia tenuisculpta (Patellogastropoda: Lottiidae).Venus (Journal of the Malacological Society of Japan), 83, 1-4, 111-120.

関連部局

理学部・理学研究科 フィールド科学教育研究センター