
アリによる種子散布共生を、イネ科植物で初めて確認
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | 植物と動物の種子散布共生系を遺伝子レベルで解明するための新たな切り口になると期待 |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
この研究の主な対象者企業・研究者の方
公開日
概要
山尾僚 生態学研究センター教授、木村文香 弘前大学学部生(研究当時)、大崎晴菜 名城大学助教、金子拓斗 鹿児島大学修士課程学生(研究当時)らの共同研究チームは、イネ科の一年生草本であるエノコログサとアキノエノコログサの種子に、エライオソームと呼ばれるアリによる種子散布に特化した器官が存在することを発見しました。さらに、エノコログサとアキノエノコログサの複数集団を対象とした野外調査と、アリの飼育個体を用いた室内実験から、このエライオソームが実際に種子散布に貢献していることが確かめられました。本研究により、イネ科植物において初めて、アリによる種子散布共生が存在することが明らかになりました。ゲノム情報と豊富な変異体が整備されているエノコログサにおいてアリによる種子散布共生が発見されたことで、植物と動物の種子散布共生系を遺伝子レベルで解明するための新たな切り口になると期待されます。本研究成果は、2025年12月16日に、国際学術誌「Plant Species Biology」にオンライン掲載されました。

研究者のコメント
「当時はアリが何を目印に餌を探索しているのかに興味を持ち研究をしていました。室内飼育や野外観察から、アリが植物の種子を運んでいることや、巣の近くにエノコログサが生育していることに関係があるのか?という疑問がこの研究の始まりだったと思います。当時の研究が、エノコログサとアリの種子散布共生の発見に繋がったことは嬉しいかぎりです。今後の研究で解明されていくことを楽しみにしています。」(木村文香)
「『ねこじゃらし』という呼び名で親しまれている身近な草であるエノコログサにおいて、新たにアリによる種子散布共生が見つかったことは、私たちにとっても大きな驚きでした。アリとの種子散布共生が、植物の多様性をどのように形作ってきたのか、今後の研究の進展が楽しみです。」(山尾僚)
詳しい研究内容について
アリによる種子散布共生を、イネ科植物で初めて確認研究者情報
研究者名 山尾 僚京都大学 教育研究活動データベース
京都大学 研究