[Top page] [日刊 研究最前線 知尋] [Discovery Saga総合案内] [大学別アーカイブス] [Discovery Saga会員のご案内] [産学連携のご案内] [会社概要] [お問い合わせ]

京都大学 研究Discovery Saga
2026年2月2日

ダイアベティス(糖尿病)に伴う筋肉の衰えを防ぐ仕組みを解明

―筋肉を守る「糖を感知する仕組み」に着目した新たなモデルマウス―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
医歯薬学
【Sagaキーワード】
筋肉/寿命/身体機能/要介護/モデルマウス/病態解明/インスリン/マウス/転写因子/遺伝子/高齢者/糖尿病
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

矢部大介 医学研究科教授、村上隆亮 同助教、今泉俊則 岐阜大学大学院生、恒川新 同教授、飯塚勝美 藤田医科大学教授らの研究グループは、ダイアベティス(糖尿病)をもつ人で起こりやすい「サルコペニア(筋肉量の減少、筋力や身体機能の低下する疾患)」に着目し、その病態解明を目的とした研究を実施しました。
 サルコペニアは、転倒や寝たきり、要介護状態につながりやすく、特にダイアベティスをもつ高齢者では大きな健康課題です。これまで、ダイアベティスによるサルコペニアは、主に「インスリン不足」や「高血糖」が原因と考えられてきました。しかし、筋肉が糖をどのように認識し反応するかについては十分な研究がありませんでした。
 本研究では、インスリン不足によって生じるダイアベティスのモデルマウス(Akitaマウス)と、糖を感知する仕組みに重要な役割をもつ転写因子ChREBPを欠いたマウスを組み合わせて解析しました。その結果、血糖値が同程度に高くても、ChREBPが欠損すると、筋肉量と筋力が著しく低下し、寿命も短くなることが明らかになりました。さらに筋肉の組織を詳しく調べたところ、筋肉を分解する方向に働く遺伝子の発現が高まり、とくに瞬発力を担う筋繊維が細くなっていることが確認されました。これらの結果から、ChREBPを介した「糖を感知する仕組み」が、ダイアベティスの状態において筋肉を守る重要な役割を担っている可能性が示唆されました。
 本研究成果は、2026年1月22日に、国際学術誌「Journal of Endocrinology」に掲載されました。
画像

詳しい研究内容について

ダイアベティス(糖尿病)に伴う筋肉の衰えを防ぐ仕組みを解明―筋肉を守る「糖を感知する仕組み」に着目した新たなモデルマウス―

研究者情報

研究者名 矢部 大介
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 村上 隆亮
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1530/JOE-25-0257

【書誌情報】
Toshinori Imaizumi, Katsumi Iizuka, Hiromi Tsuchida, Mayu Sakai, Sodai Kubota, Saki Kubota-Okamoto, Yoshihiro Takahashi, Ken Takao, Takehiro Kato, Masami Mizuno, Takuo Hirota, Yukio Horikawa, Shin Tsunekawa, Takaaki Murakami, Daisuke Yabe (2026). ChREBP deficiency aggravates diabetic sarcopenia by disrupting glucose signaling: a novel mouse model of muscle atrophy.Journal of Endocrinology, 268, 1, e250257.

関連部局

医学部・医学研究科