[Top page] [日刊 研究最前線 知尋] [Discovery Saga総合案内] [大学別アーカイブス] [Discovery Saga会員のご案内] [産学連携のご案内] [会社概要] [お問い合わせ]

京都大学 研究Discovery Saga
2026年2月21日

ボノボ(大型類人猿)とテナガザル(小型類人猿)のiPS細胞と脚腕の元になる細胞の作製に成功

―霊長類発生進化学・生物多様性保全・動物園獣医学の統合推進に貢献―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
(1)進化発生学(エボデボ研究)、(2)生物多様性保全、(3)動物園獣医学の発展、に資する研究応用を推進する今回の成果は、本プロジェクトが目指す“細胞資源の保存と利活用”を示す実例
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学環境学生物学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
情報ネットワーク/生物多様性保全/進化学/進化発生/進化発生学/大型類人猿/類人猿/霊長類/獣医学/生物多様性/iPS細胞/発生学/幹細胞/血液/多能性幹細胞/分化誘導/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

今村公紀 ヒト行動進化研究センター助教(現:金沢大学准教授)、濱嵜裕介 同博士課程学生、今村拓也 広島大学教授、飽田寛人 同博士課程学生らの研究グループは、野生動物研究センター熊本サンクチュアリ(熊本県宇城市)、一柳健司 名古屋大学教授、田辺秀之 総合研究大学院大学准教授らと共同で、大型類人猿のボノボの血液から、ゲノムに外来遺伝子が挿入されない方法で人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製することに成功しました。また、同研究グループはボノボiPS細胞の作製に先行して、日本モンキーセンター(愛知県犬山市)、豊橋総合動植物公園(愛知県豊橋市)、東山動植物園(愛知県名古屋市)、大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)と連携し、小型類人猿であるテナガザルからもiPS細胞を作製することに成功しています。
 これまでに作製されたさまざまな霊長類(サル、小型類人猿、大型類人猿、ヒト)のiPS細胞の遺伝子発現パターンを比較したところ、iPS細胞の遺伝子発現が霊長類進化の系統関係を反映することや、各霊長類種に特異的な遺伝子発現の特徴を見出しました。さらに、作製した類人猿(ボノボ、チンパンジー、テナガザル)のiPS細胞から、四肢骨格の起源である細胞(肢芽中胚葉細胞)を分化誘導することにも成功しました。
 本研究は、動物園と研究機関が連携して希少動物の細胞をバンク化し、iPS細胞として利活用できる基盤を整える「動物園まるごとiPS細胞化プロジェクト」の一環として実施しました。本プロジェクトは、動物園で得られる試料をもとに細胞資源を保存し、iPS細胞へ展開することで、(1)進化発生学(エボデボ研究)、(2)生物多様性保全、(3)動物園獣医学の発展、に資する研究応用を推進する取り組みです。今回の成果は、本プロジェクトが目指す“細胞資源の保存と利活用”を示す実例であり、これら三分野の応用を支える基盤になると期待されます。
 本研究成果は、2025年12月5日に、国際学術誌「BMC Genomics」に掲載されました。
画像

詳しい研究内容について

ボノボ(大型類人猿)とテナガザル(小型類人猿)のiPS細胞と脚腕の元になる細胞の作製に成功―霊長類発生進化学・生物多様性保全・動物園獣医学の統合推進に貢献―

研究者情報

研究者名 今村 公紀 Researchmap 研究者名 濱嵜 裕介 Researchmap

関連部局

ヒト行動進化研究センター