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京都大学 研究Discovery Saga
2026年2月14日

ベネトクラクスの血中濃度と副作用の関係を解明

―白血病治療における最適な投与設計への道―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
工学医歯薬学
【Sagaキーワード】
モニタリング/骨髄/TDM/急性骨髄性白血病/血液/好中球/白血病/副作用/化学療法/個別化医療/高齢者
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

林裕美 医学研究科客員研究員、諫田淳也 同講師、髙折晃史 同教授、山際岳朗 医学部附属病院薬剤主任、中川俊作 同准教授、寺田智祐 同教授、米澤淳 慶應義塾大学教授らの研究グループは、急性骨髄性白血病(AML)の治療薬であるベネトクラクス(VEN)の血中濃度が、治療の安全性に与える影響を明らかにしました。近年、高齢者や強力な化学療法が困難なAML患者に対し、VENとアザシチジンの併用療法が標準的に広く用いられる治療となっています。しかし、VENの血中濃度には大きな個体差があり、副作用である血球減少症の管理が課題となっていました。本研究グループが152名の患者データを解析した結果、VENの血中トラフ濃度(Ctrough)が高いほど、重篤な好中球減少症などの血液毒性の発症率が有意に高く、血液毒性の発症頻度が高い傾向が認められました。一方で、血中濃度と治療効果(生存率や寛解率)には全体集団では明らかな相関は見られませんでしたが、治療未治療患者では寛解率との関連を認めました。本研究成果は、治療薬物モニタリング(TDM)を用いることで、治療効果を維持しつつ、副作用を最小限に抑える個別化医療の実現に寄与するものです。
 本研究成果は、2026年2月7日に、国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。
画像


研究者のコメント
「白血病の新しい標準治療であるベネトクラクスですが、副作用のために治療を継続できないケースも少なくありません。『多ければ良い』わけではない薬物濃度の特性を理解し、個々の患者さんに最適な量を届けることが、これからの医療に求められています。本研究がその一助となることを願っています。」(林裕美、諫田淳也)

詳しい研究内容について

ベネトクラクスの血中濃度と副作用の関係を解明―白血病治療における最適な投与設計への道―

研究者情報

研究者名 Hiromi Hayashi ORCID 研究者名 諫田 淳也
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 髙折 晃史
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 中川 俊作
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 寺田 智祐
京都大学 教育研究活動データベース

関連部局

医学部・医学研究科 医学部附属病院