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京都大学 研究Discovery Saga
2026年2月21日

地球温暖化が湖沼藻類ブルームを加速

―長期データが示す温度主導型富栄養化―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学環境学数物系科学生物学工学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
機械学習/情報学/湖沼/地球温暖化/富栄養化/ブルーム/気候変動/クロロフィル/シナリオ/栄養塩/環境問題/水資源/アオコ/温暖化/生物多様性/将来予測
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

湖の水面が緑色に覆われる「アオコ(有害藻類ブルーム)」は、世界的に深刻な環境問題であり、水質悪化や生物多様性の低下を引き起こすだけでなく、人の健康や水資源の安全にも影響を及ぼしています。これまで、アオコをはじめとする湖沼の藻類ブルーム対策は、主に窒素やリンなどの栄養塩の削減に重点が置かれてきました。しかし、地球温暖化が進行する現在、その効果には限界が生じつつあります。
 周川喬 情報学研究科特定研究員らの研究グループは、土居秀幸 同教授、許晓光 中国・南京師範大学教授、木内豪 東京科学大学教授らと共同で、世界中の156湖沼を対象とした約40年に及ぶ長期観測データを統合し、気候変動下における水温と栄養塩が湖沼藻類ブルーム形成に果たす役割を体系的に解析しました。解析には、変動要因の分解と機械学習モデルを組み合わせることで、水温、全窒素、全リンおよび窒素・リン比が各湖沼の藻類量に与える相対的な重要性を定量的に評価しました。その結果、水温の上昇に伴い、藻類ブルームに対する水温の影響力が栄養塩の影響を大きく上回ることが明らかになりました。このモデルを元にした将来予測では、今世紀末に向けて世界の湖沼における藻類ブルームがさらに激化する可能性が示されました。これらの成果は、湖沼管理において温暖化の影響を明示的に考慮する必要性を示すものです。
 本研究成果は、2026年1月26日に、国際学術誌「Global Change Biology」にオンライン掲載されました。
画像

気候変動シナリオ下における世界湖沼クロロフィルaの将来変化予測。解析の結果、気候温暖化の進行に伴い、世界の湖沼では将来的にクロロフィルa濃度が上昇し、有害藻類ブルームがさらに深刻化する可能性が示された。

研究者のコメント
「地球温暖化の進行により、水温は湖沼の有害藻類アオコの形成機構を大きく変えつつあります。今後は、栄養塩管理と水温変化を統合的に考慮した湖沼管理が不可欠です。」

詳しい研究内容について

地球温暖化が湖沼藻類ブルームを加速―長期データが示す温度主導型富栄養化―

研究者情報

研究者名 Chuanqiao Zhou ORCID 研究者名 土居 秀幸
京都大学 教育研究活動データベース

関連部局

情報学研究科