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京都大学 研究Discovery Saga
2025年5月12日

骨髄移植における糖鎖の重要性

―2つのアミノ酸が移植効率を決める可能性―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
医歯薬学
【Sagaキーワード】
糖鎖修飾/CRISPR/骨髄/前駆細胞/造血幹細胞/アミノ酸/ケモカイン/マウス/リガンド/幹細胞/受容体/培養細胞/遺伝子/骨髄移植/造血
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

PAN XUCHI 医学研究科博士課程学生(研究当時)、成瀬智恵 同准教授、浅野雅秀 同教授(研究当時)らの共同研究グループは、ケモカイン受容体CXCR4の潜在的なO型糖鎖付加部位が細胞の遊走と造血幹・前駆細胞(HSPC)のホーミングに重要な役割を果たすことを発見しました。
 本研究グループはこれまでに、糖鎖がHSPC移植後の骨髄へのホーミングに重要であることを報告してきました。また、CXCR4はHSPCのホーミングに関わる重要な分子ですが、CXCR4を修飾する糖鎖の役割は不明でした。本研究で、培養細胞へのCXCR4変異遺伝子の導入やCrispr/Cas9法により作製したCXCR4のO型糖鎖付加可能部位の2つのアミノ酸であるSer-5とSer-9の変異(S5AS9A)マウスを用いて実験を行った結果、S5AS9A変異CXCR4による培養細胞やHSPCの遊走能力と骨髄へのホーミング能力が有意に低下することがわかりました。この研究結果は、骨髄移植用造血幹細胞の移植後の生着効率向上の研究への展開が期待されます。
 本研究成果は、2025年5月4日に、国際学術誌「Stem Cells」にオンライン掲載されました。
CXCR4-CXCL12結合メカニズム:(左)野生型CXCR4のN末端にリガンドCXCL12が結合して、下流の遊走シグナルが活性化され、細胞の遊走が促進される。(右)CXCR4のN末端のO型糖鎖付加部位を欠損させた場合、リガンドCXCL12と結合が弱くなり、下流の遊走シグナルが活性化されない。そのため、細胞の遊走が促進されなかった。
研究者のコメント 「この研究を通じて、糖鎖は造血幹細胞の骨髄へのホーミングに重要であることがわかりました。移植用造血幹細胞表面の糖鎖付加状態の解析やタンパク質の糖鎖修飾を操作することにより、骨髄移植の新たな技術開発ができることが期待されます。」(PAN XUCHI)

詳しい研究内容について

骨髄移植における糖鎖の重要性―2つのアミノ酸が移植効率を決める可能性―

研究者情報

研究者名 成瀬 智恵
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 浅野 雅秀
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1093/stmcls/sxaf025

【書誌情報】
Xuchi Pan, Chie Naruse, Tomoko Matsuzaki, Ojiro Ishibashi, Kazushi Sugihara, Hidetsugu Asada, Masahide Asano (2025). Critical role of the potential 𝘖-linked glycosylation sites of CXCR4 in cell migration and bone marrow homing of hematopoietic stem progenitor cells.Stem Cells, sxaf025.

関連部局

医学部・医学研究科