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京都大学 研究Discovery Saga
2025年2月13日

光が流れるナノチェーンを開発し機構も解明

─究極の微小・超高速・省エネルギーデバイスの実現に期待─

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学化学工学医歯薬学
【Sagaキーワード】
内部構造/検出器/金属錯体/光化学/光導波路/導波路/省エネ/シミュレーション/ダイナミクス/ナノスケール/ナノ材料/モデル化/レーザー/機構総合/省エネルギー/励起子/分子設計
ナノチェーンC1Nの合成。図左上の原料分子から、亜鉛イオンが1~16個連なったナノチェーンが合成・単離された。図下は、亜鉛イオンが16個連なった、単離された中で最長のナノチェーンの構造を示す。 ※原論文の図を引用・改変したものを使用しています。クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)

発表のポイント

  • 長さと色素サイトの配向・配列・距離が正確に規定された一次元分子鎖(ナノチェーン)を創製しました。
  • ナノチェーン内の励起子の移動を既存例よりも精密にモデル化し、発光データをシミュレーションすることで、これまで定量が困難であった励起子移動プロセスの速度を明らかにしました。
  • 本研究で用いた手法とモデルは、レーザーや検出器の性能に制限されない、新たな手法による超高速光現象の解析に相当し、分子性ナノ材料における光化学・光物理現象を理解するための標準的方法論に資することが期待されます。
  • 発表概要

    デバイスの超小型化が進む現在、効率的な光輸送を実現するナノスケールの分子光導波路(光がほぼ漏れることなく伝わる通路)の開発と、その光伝達ダイナミクスの解明が求められています。分子材料内での詳細な励起子挙動を分析するためには、励起子が停留する各色素サイトの配向・配列・距離が規定される分子設計が求められます。しかしながら従来の研究では、これらの条件を満たす分子鎖の開発は達成されていませんでした。
    東北大学大学院理学研究科の豊田良順助教、谷口晴大学院生、千葉湧太大学院生、坂本良太教授の研究グループは、東京理科大学の福居直哉助教、西原寛教授ら、京都大学の浦谷浩輝特定助教(科学技術振興機構さきがけ専任研究者を兼任)、帝京科学大学・分子科学研究所の高谷光教授との共同研究により、鎖長や内部構造が一義に規定された金属錯体分子鎖(ナノチェーン)を系統的に合成・単離することに成功しました。その構造的特色を活かし、ナノチェーンからの発光現象を理論的に再現するという独自の戦略を取ることで、これまで定量が困難であった最近接サイト間での励起子の移動速度を見積もることに初めて成功しました。本研究は超短波レーザーを用いずに超高速光現象を理解するための新たな解析手法として期待されます。
    本研究成果は、2025年2月4日付け(現地時間)で科学誌Nature Communications誌 にオンライン掲載されました。
    研究詳細
    光が流れるナノチェーンを開発し機構も解明─究極の微小・超高速・省エネルギーデバイスの実現に期待─

    研究者情報

  • 浦谷 浩輝京都大学教育研究活動データベース
  • 書誌情報

    タイトル
    Discrete coordination nanochains based on photoluminescent dyes reveal intrachain exciton migration dynamics
    著者
    Ryojun Toyoda*, Naoya Fukui*, Haru Taniguchi, Hiroki Uratani, Joe Komeda, Yuta Chiba, Hikaru Takaya, Hiroshi Nishihara, Ryota Sakamoto*
    *責任著者:東北大学大学院理学研究科 助教 豊田良順、東京理科大学研究推進機構総合研究院 助教 福居直哉、東北大学大学院理学研究科 教授 坂本良太
    掲載誌
    Nature Communications
    DOI 10.1038/s41467-025-56381-0
    KURENAI

    関連リンク

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