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京都大学 研究Discovery Saga
2026年8月25日

生物に倣うスクラップ&ビルドの超分子建築

―進行波による人工ソフト材料の空間制御―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
複雑で高度な機能を持つ次世代ソフトマテリアル創製に向けた新たな設計指針となることが期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学化学工学医歯薬学
【Sagaキーワード】
進行波/非平衡/自己組織/ソフトマテリアル/ファイバー/ヒドロゲル/空間構造/熱力学/界面活性剤/組織化/超分子/形態形成


ファイバー構造の破壊と再構築からなる「スクラップ&ビルド」によるマクロスケールでの構造体形成 作成者:窪田亮(ハンマーとドライバーの絵はGoogle Gemini 3.5 Flash)。 背景の葛飾北斎の浮世絵:public domain, https://www.metmuseum.org/art/collection/search/39799から引用

概要

工学研究科 浜地格 教授(研究当時、現:エネルギー理工学研究所 特任教授)、窪田亮 講師(研究当時、現:九州大学大学院工学研究院 教授)、生田優力 修士課程学生(研究当時)鳥越祥吾 博士課程学生(研究当時)らの研究グループは、生物の細胞が自ら組織や器官を作り出す形態形成の仕組みに倣い、人工分子が「スクラップ&ビルド(分解と再構築)」を繰り返しながら、自律的に複数種類のマクロ(ミリ~センチメートル)スケールの複雑な空間構造を組み上げる超分子建築の新手法を開発しました。従来の分子自己組織化は、熱力学的に、安定な均一で静的な構造を作るのが限界でした。本研究では、ペプチドファイバーからなるヒドロゲル内に界面活性剤を拡散させることで、濃度勾配に応じた非平衡な分解・再構築サイクルを誘発しました。このサイクルが「進行波」としてゲル内を繰り返し伝播することで、性質の異なる複数種のファイバーが年輪状に分化配置された、マクロな空間パターンを自律的に制御構築することに成功しました。本成果は、複雑で高度な機能を持つ次世代ソフトマテリアル創製に向けた新たな設計指針となることが期待されます。
本研究成果は、2026年8月24日午前10時(英国夏時間)に英国の国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されました。
研究詳細
生物に倣うスクラップ&ビルドの超分子建築 ―進行波による人工ソフト材料の空間制御―

研究者情報

浜地 格京都大学教育研究活動データベース
窪田 亮research map

論文情報

タイトル
Supramolecular Morphological Transition Driven by Nonequilibrium Break-and-Build Self-Organisation (「壊して作る」非平衡自己組織化によって駆動される超分子形態転移)
著者
Ryou Kubota (窪田亮), Yuriki Ikuta (生田優力), Shogo Torigoe (鳥越祥吾), Naoki Kanazawa (金澤直輝), Itaru Hamachi (浜地格)
掲載誌
Nature Communications
DOI
10.1038/s41467-026-76336-3
KURENAI

関連リンク

化学理工学専攻 2026年08月25日