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京都大学 研究Discovery Saga
2026年6月5日

社会経済的に不利な地域で自殺率が11%増加

―全国約3900万人の大規模コホート研究―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
医歯薬学
【Sagaキーワード】
自殺予防/コホート
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

小村慶和 医学研究科博士課程学生(現:関西医科大学助教)、井上浩輔 同教授、近藤尚己 同教授およびRory C. O'Connor 英国グラスゴー大学(University of Glasgow)教授らの研究グループは、居住地域の社会経済的な不利が個人の所得水準にかかわらず自殺リスクの上昇と関連することを明らかにしました。これまでの研究で、自殺リスクは社会経済的に不利な地域に集中していることが分かっていました。その影響は個人の所得によっても異なる可能性があると考えられますが、その影響を調べた研究は見当たりませんでした。そこで、全国健康保険協会の被保険者約3900万人を対象とした分析を行いました。その結果、個人の所得水準の影響を統計的な手法を用いて除いても、社会経済的に不利な地域に居住する人は、そうでない地域に居住する人に比べて、自殺リスクが約11%高いことが明らかになりました。本研究は、居住地域の社会経済的な環境を整えることが、自殺予防の観点でも重要であることを示唆するものです。
 本研究成果は、2026年5月26日に、国際学術誌「International Journal of Epidemiology」にオンライン掲載されました。
画像

地域の社会経済的な不利と自殺の関連および個人の収入水準による違い。個人の所得水準にかかわらず、居住地域の社会経済的な不利が約11%高い自殺リスクの上昇と関係。作成:小村慶和。 

研究者のコメント
「本研究は、個人の所得水準に関わらず、居住地域の社会経済的な不利が自殺リスクの上昇に関連していることを初めて明らかにしました 。この結果は、自殺の予防および格差の是正において、社会環境へアプローチすることの重要性を強調するものです。本知見が、効果的で公平な自殺予防策を構築する一助となることを願っています。」(小村慶和)

詳しい研究内容について

社会経済的に不利な地域で自殺率が11%増加―全国約3900万人の大規模コホート研究―

研究者情報

研究者名 小村 慶和 Researchmap 研究者名 井上 浩輔
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 近藤 尚己
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1093/ije/dyag070

【書誌情報】
Yoshikazu Komura, Kosuke Inoue, Rory C O'Connor, Naoki Kondo (2026). Area-level socioeconomic deprivation and suicide by household income: a nationwide cohort study 2015–23.International Journal of Epidemiology, 55, 3, dyag070.

関連部局

医学部・医学研究科