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京都大学 研究Discovery Saga
2026年5月20日

ニホンザルの休息場所での暑さ対策

―「カラ暑」は半日陰、「ムシ暑」は日陰―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
複合領域医歯薬学
【Sagaキーワード】
フィールドワーク/体温調節
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

田伏良幸 理学研究科博士後期課程学生(現:中央大学共同研究員)は、屋久島に生息する野生ニホンザルを対象に、気温と湿度に応じた休息場所選択による体温調節のしくみを解明しました。
 動物にとって体温調節は、生存に欠かせない重要な機能です。動物は外部環境の変化に対して柔軟に行動を変えることで深部体温の変化を予防したり、和らげたりしています。これまで、寒い環境下での体温調節行動については多くの研究が行われてきましたが、暑い環境下での体温調節行動に関する報告は限られていました。さらに、木漏れ日が差し込む半日陰を休息場所の選択肢として扱った内温動物の体温調節研究は、これまでありませんでした。
 本研究では、休息場所を日向・日陰・半日陰の3つに分け、それぞれの利用に気温と湿度がどのように影響しているのかを調べました。その結果、高温条件下では、湿度が休息場所の選択に影響し、ニホンザルは高温で乾燥した状況では半日陰を、高温で湿った状況では日陰を選択していました。この結果は、半日陰が単なる中間的な場所ではなく、体温調節において重要な役割を果たす休息場所であることを示しています。
 本研究成果は、2026年5月19日に、国際学術誌「Primates」にオンライン掲載されました。
画像

半日陰で休息するニホンザル(撮影:田伏良幸)

研究者のコメント
「『半日陰』という言葉に馴染みがなくても、木漏れ日の差す場所で休んだ経験がある方は多いのではないでしょうか。半日陰は身近な休息場所ですが、動物の体温調節研究ではこれまでほとんど注目されてきませんでした。今回の発見は、調査中に『日向でも日陰でもないが、無視できない休息場所がありそう』と感じたことが出発点であり、内温動物における半日陰の体温調節的意義が『日の目を見る』ことになりました。調査中に感じた疑問を研究として形にし、論文にまとめることは、フィールドワークの醍醐味の一つだと思います。本研究には多くの困難も伴いましたが、今後も調査地で得た着想を大切にしながら、研究を続けていきたいと思います。」(田伏良幸)

詳しい研究内容について

ニホンザルの休息場所での暑さ対策―「カラ暑」は半日陰、「ムシ暑」は日陰―

研究者情報

研究者名 田伏 良幸 Researchmap

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1007/s10329-026-01261-4
【書誌情報】
Yoshiyuki Tabuse (2026). Behavioral thermoregulation in relation to humidity in wild Japanese macaques (Macaca fuscata yakui): the significance of semi-shade.Primates.

関連部局

理学部・理学研究科