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京都大学 研究Discovery Saga
2025年6月18日

冬に遺伝子発現を活性化させるゲノム領域を発見

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
生物学工学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
アブラナ科/モーター/ヒドロゲナーゼ/シロイヌナズナ/生態学/プロモーター/アルコール/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

工藤洋 生態学研究センター教授と清水華子 同研究員らの研究グループは、長期間にわたって気温が低い状態が続く冬に遺伝子発現を活性化させるゲノム領域を見出し、遺伝子組換え技術によって、長期の低温条件下でも成長を続ける植物を作出することに成功しました。
 工藤洋教授はアブラナ科の多年生植物であるハクサンハタザオを使って、植物が季節に応答する仕組みについての研究をしてきました。これまでの研究で、季節に応答して発現量を変化させる遺伝子に特徴的な化学修飾状態を特定しています。この状態を手掛かりに、遺伝子発現を制御するゲノム領域であるプロモーターの中から季節に応答するプロモーターを見つけることで、どんな遺伝子にも季節に応答する能力を付加できるのではないかと考えました。ハクサンハタザオゲノムでの探索の結果、冬に遺伝子発現を活性化させるプロモーターとしてアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(ADH1)のプロモーター領域(ADH1プロモーター)を見出しました。シロイヌナズナを使った検証実験の結果、ADH1プロモーターに制御される遺伝子は週単位の長期の低温に応答して機能することが確かめられました。さらに、高温条件下で成長を促進する機能を持つ遺伝子をADH1プロモーター制御下で発現させた結果、長期の低温条件下にも関わらず本来は高温条件下で起こる成長が観察されました。
 本研究成果は、2025年6月9日に、国際学術誌「The Plant Journal」にオンライン掲載されました。


本研究の概要
研究者のコメント 「野外環境での植物の温度応答には分かっていないことが多く、今回焦点を当てたADH1だけではなくその他多くの遺伝子が長期的な温度変動傾向の感知に関与していることが予想されます。野外環境下での温度応答をさらに調査し、長期的な温度変動傾向感知のメカニズムを解明したいです。」(清水華子)

詳しい研究内容について

冬に遺伝子発現を活性化させるゲノム領域を発見

研究者情報

研究者名 工藤 洋
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 清水 華子 Researchmap

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1111/tpj.70248
  【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/294710

【書誌情報】
Hanako Shimizu, Haruki Nishio, Hiroshi Kudoh (2025). PlantADH1promoter acts as an H3K27me3-associated hyper-long cold-responsive promoter.The Plant Journal, 122, 5, e70248.

関連部局

生態学研究センター