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京都大学 研究Discovery Saga
2025年6月14日

頭皮脳波の超低域徐波が診断に有用

―もやもや病術後の一過性神経症状での検討―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
総合生物医歯薬学
【Sagaキーワード】
血流/診断法/片頭痛/外傷/脳血流/アストロサイト/てんかん/個別化医療/手術/脳卒中/脳波
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

もやもや病は内頚動脈が進行性に狭窄する病気です。この病気に対して脳血流を改善するための手術(バイパス手術)が行われますが、手術後2週間以内に一過性の神経症状(TNEs)が出現することが知られています。過去の研究から手術後の急な脳血流変化が原因と考えられていましたが、その根本原因は不明であり、簡便な診断法もありませんでした。
 池田昭夫 医学研究科特定教授、宇佐美清英 同助教、菊池隆幸 同准教授、荒川芳輝 同教授、林梢 同博士課程学生(研究当時)らの研究グループは、過去の研究(画像検査では検出困難な血流変化を、頭蓋内脳波の超低域徐波 (< 0.1 Hzの遅い波)が検出できる可能性がある)に基づき、簡便かつ安全な頭皮脳波を使って、TNEsと超低域徐波(ISA;< 0.3 Hz)を含む脳波変化の関連性を検討しました。TNEsが出現した患者さんではδ波(1-3Hz)が増加して出現し、また、ISAは症状出現日にのみ認め、病態との関係が示唆されました。今後は他疾患が原因となるものも含めて、TNEsにおける頭皮脳波の変化について検討を進めていく方針です。
 本研究成果は、2025年5月19日に、国際学術誌「Clinical Neurophysiology」にオンライン掲載されました。
 


本研究の概要
研究者のコメント 「TNEsはてんかん発作、脳卒中の不全型など原因が不明でした。デジタル脳波の記録解析技術が進み、今までは注目されていなかった、脳波の超低域徐波をしかも頭皮脳波で明らかに記録できるようになりました。脳内のアストロサイトを主体とした急性期の病態が原因と考えられている類似した現象が、頭部外傷急性期、片頭痛、てんかん発作でも認められています。今後より精密な診断と個別化医療を促進することが期待されます。」(池田昭夫)

詳しい研究内容について

頭皮脳波の超低域徐波が診断に有用―もやもや病術後の一過性神経症状での検討―

研究者情報

研究者名 池田 昭夫
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 宇佐美 清英
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 菊池 隆幸
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 荒川 芳輝
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1016/j.clinph.2025.2110748

【書誌情報】
Kozue Hayashi, Kiyohide Usami, Masaya Togo, Yukihiro Yamao, Takeshi Funaki, Takefumi Hitomi, Takayuki Kikuchi, Masao Matsuhashi, Kazumichi Yoshida, Yoshiki Arakawa, Ryosuke Takahashi, Susumu Miyamoto, Akio Ikeda (2025). Infraslow scalp electroencephalogram is closely linked to transient neurological events in Moyamoya disease.Clinical Neurophysiology, 176, 2110748.

関連部局

医学部・医学研究科