[Top page] [日刊 研究最前線 知尋] [Discovery Saga総合案内] [大学別アーカイブス] [Discovery Saga会員のご案内] [産学連携のご案内] [会社概要] [お問い合わせ]

京都大学 研究Discovery Saga
2026年5月11日

ケロイドの再発兆候を光音響で三次元可視化

―光超音波イメージングの臨床応用―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
光超音波イメージングは、ケロイドの再発可能性を可視化するツールとして役立つと期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
工学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
超音波/技術革新/光音響/ケロイド/微小循環/臨床応用/画像診断/ステロイド/プローブ/低酸素/皮膚疾患/医師/早期発見/非侵襲
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

齊藤晋 医学部附属病院非常勤医師(研究当時:同准教授)、牧野愛子 医学研究科研究員らの研究グループは、光超音波イメージングを用いて、ケロイドの再発に微小循環の高酸素化が生じることを明らかにしました。
 ケロイドは難治性皮膚疾患の一つであり、強いかゆみや痛みを生じます。ステロイド局所注射が標準的治療ですが、再発率は高く、発見が遅くなればケロイドの拡大につながり、患者さんはさらなる注射の苦痛を余儀なくされます。そのため、早期発見が重要ですが、ケロイドがいつ、どこに再発するかは予測が困難でした。本研究グループは、ケロイドと血管異常の関係に着目し、光超音波イメージングを導入しました。光超音波イメージングは光音響効果で血管を描出する体に優しい画像診断技術であり、切除生検のようにケロイドを増悪させるリスクはありません。本研究ではケロイドの血管構造や酸素化の状態を6か月間追跡しました。退縮したケロイドでは表在性微小血管の低酸素化が持続していましたが、再発したケロイドでは再発に先行して高酸素化した微小血管が出現しました。光超音波イメージングは、ケロイドの再発可能性を可視化するツールとして役立つと期待されます。
 本研究成果は、2026年4月23日に、国際学術誌「Photoacoustics」にオンライン掲載されました。
画像

作成:齊藤晋・牧野愛子

研究者のコメント
「光超音波イメージングは世界中の科学者が研究・開発を続けており、小型プローブでリアルタイムに2次元観察する装置もありますが、本研究で用いた装置はメイドインジャパンで、3次元観察が可能です。動画をご覧頂ければ、素晴らしい技術革新であることがわかります。問題はこの技術をどう生かすかなのです。非侵襲さは経過観察に有利です。3次元は不均一な病変の異常探知に有利です。この技術がケロイドだけでなく、がんなどの病気に利用できることを祈念しております。」(齊藤晋)

詳しい研究内容について

ケロイドの再発兆候を光音響で三次元可視化―光超音波イメージングの臨床応用―

研究者情報

研究者名 Susumu Saito ORCID 研究者名 Aiko Makino ORCID

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1016/j.pacs.2026.100831

【書誌情報】
Aiko Makino, Susumu Saito, Ayako Takaya, Tomoko Kosaka, Eiichi Sawaragi, Maria Chiara Munisso, Aya Yoshikawa, Yasufumi Asao, Hiroyuki Sekiguchi, Takayuki Yagi, Naoki Morimoto (2026). Longitudinal three-dimensional photoacoustic imaging reveals hyperoxic perilesional microvasculature associated with keloid recurrence.Photoacoustics, 49, 100831.

関連部局

医学部附属病院 医学部・医学研究科