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京都大学 研究シーズDiscovery Saga
研究分野:環境学 に関係する研究一覧:106
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情報学 情報学複合領域 複合領域数物系科学 数物系科学化学 化学生物学 生物学総合理工 総合理工工学 工学総合生物 総合生物農学 農学医歯薬学 医歯薬学
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発表日:2026年5月25日 この記事は2026年6月8日号以降に掲載されます。
1
オオサンショウウオ交雑個体の遺伝子鑑定精度を再評価
この記事は2026年6月8日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年5月25日 この記事は2026年6月8日号以降に掲載されます。
2
分⼦を識別し、⾊・⼤きさ・硬さが変わる多孔性ゲル
この記事は2026年6月8日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年5月21日 この記事は2026年6月4日号以降に掲載されます。
3
小笠原諸島で樹上性外来トカゲの痕跡を探る
―葉面環境DNAのふき取りで高感度に侵入検知―
この記事は2026年6月4日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年5月21日 この記事は2026年6月4日号以降に掲載されます。
4
クラゲに寄生するフジツボのなかま
―クラゲエボシの生態と進化の道すじ―
この記事は2026年6月4日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年5月20日 この記事は2026年6月3日号以降に掲載されます。
5
化石燃料ゼロへのエネルギーシステム転換
―脱炭素化と脱化石燃料化の違いを定量評価―
この記事は2026年6月3日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年5月20日 この記事は2026年6月3日号以降に掲載されます。
6
RNAとDNAの組み合わせにより核酸アプタマーの分子認識を調節できることを発見
―分子標的薬やバイオセンサ開発に向けた核酸材料設計の分子基盤を確立―
この記事は2026年6月3日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年5月18日 この記事は2026年6月1日号以降に掲載されます。
7
スクミリンゴガイの壁面歩行を抑制する表面形状
―産卵場所への到達を阻害する物理的防除―
この記事は2026年6月1日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年5月8日
8
「ゆらぎ」の操作による微生物叢制御
―微生物叢遷移の再現性を制御する―
林息吹 生命科学研究科博士後期課程学生と東樹宏和 同教授らの研究グループは、多様な微生物種で構成される群集において、遷移初期の「ゆらぎ」を操作することで、遷移後の群集に現れる様々なばらつきが制御可能であることを実証しました。 近年、医療や農業、環境分野において機能的な微生物群集(マイクロバイオーム)の重要性が認識され、その制御への関心が高まっています。しかし、同じ条件で培養しても全く異なる群集構成に変化することがあり、その予測や制御は困難とされてきました。 本研究では、こうした違いが培養初期のわずかな細胞数の差、すなわち「初期ゆらぎ」によって生じると考え、さまざまなゆらぎ条件を...
キーワード:微生物群集/生物群集/マイクロ/生態系/細菌群集/微生物/微生物叢/ゆらぎ/マイクロバイオーム/細菌
他の関係分野:生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年5月3日
9
火山噴火を駆動する巨大マグマ貯留域の「縁」のマグマ
―桜島火山・霧島火山の地下構造から提案するマグマ供給系の新しい描像―
火山の地下にマグマがどのように蓄えられ、どこを上昇して噴火に至るのかは、火山の理解や、噴火予測の根幹に関わる重要課題です。 宇津木充 理学研究科准教授、相澤広記 九州大学准教授および小山崇夫 東京大学准教授、上嶋誠 同教授、神田径 東京科学大学准教授、角野浩史 東京大学教授らの研究グループは、活発な活動を続ける桜島火山、霧島火山においてMT法電磁探査を実施し、両火山の地下には共通して、巨大で長寿命な珪長質マグマ貯留領域に対応すると考えられる電気を流しやすい領域(低比抵抗領域)が存在することを明らかにしました。その一方で、GNSS観測等で検出される地下の膨張・収縮源は、こうした巨大な貯留...
キーワード:火山噴火/地下構造/GNSS/MT法/マグマ/マグマ供給系/比抵抗/寿命
他の関係分野:数物系科学医歯薬学
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発表日:2026年4月30日
10
仔稚魚の動きを可視化する「階段チャート」
―東シナ海のマアジの分散過程を解明―
坂本達也 白眉センター/人間・環境学研究科特定助教、武藤大知 人間・環境学研究科修士課程学生(研究当時)、石村豊穂 同教授、水産研究・教育機構からなる研究グループは、生まれて間もない海水魚の大陸棚上での移動経路を、個体ごとに復元する手法を開発しました。小さな仔稚魚の分散は個体群の維持やつながりを左右する重要な過程ですが、その動きを野外で直接追跡することは困難です。本研究では、魚の内耳にある耳石の高度な化学分析、海洋環境モデルおよび確率的な解析手法を組み合わせ、大陸棚環境を圧縮して断面として表現し、その中での移動を推定する、「階段チャート解析」を構築しました。この手法を東シナ海のマアジに適用した...
キーワード:プログラミング/海洋/同位体/個体群/化学分析/海洋環境/同位体分析/東シナ海
他の関係分野:情報学数物系科学生物学工学農学
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発表日:2026年4月23日
11
台風特性の将来変化
―海面水温の上昇による台風強度のばらつき―
日本の風水害の中で、台風は最も影響のある極端な気象イベントであり、台風に対する防災・減災には、台風の強度と確率の定量的な予測が必要です。近年、重要インフラ整備に対して、気候変動による極端に強い台風の影響を考慮した適応策が検討されつつあります。一方で、台風の発生頻度および強度の評価には、その時々の領域が持つ気象場の特性と地球システムが持つ自然変動が寄与するため、全球気候モデルを用いたシミュレーションが多く用いられています。しかしながら、海面水温(SST)の自然変動を考慮した台風特性の将来変化に関する確率的評価の実施は十分に行われていません。 森信人 防災研究所教授および志村智也 同准教授...
キーワード:地球温暖化/適応策/海面水温/気候モデル/気候変動/全球気候モデル/地球システム/強度特性/社会基盤/シミュレーション/防災・減災/温暖化
他の関係分野:数物系科学工学農学
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発表日:2026年4月15日
12
生態系の動態を予測・制御するデータ分析の体系化
―微生物叢の「崩壊」はなぜ起こるのか―
東樹宏和 生命科学研究科教授らの研究グループは、多様な微生物種で構成される生態系が急激にその構造と機能を変化させる現象について、その仕組みを統一的に理解するためのデータ分析手法を体系化しました。 近年、腸内細菌叢や農地土壌の微生物叢などが、人の健康や作物生産、環境浄化に深く関わることが明らかになってきています。その一方で、こうした微生物叢は、一見安定に見えても環境条件の変化に伴って急激に崩壊し、元の状態に戻らない場合があることが知られています。そのため、微生物叢の予測や制御は大きな課題となってきました。 本研究では、理論生態学や統計物理学、非線形力学を用いた分析を比較しつつ、微...
キーワード:環境浄化/微生物群集/統計物理/統計物理学/非線形/非線形力学/データ解析/生物群集/ヒステリシス/体系化/微生物学/ランドスケープ/農地/生態系/土壌/土壌微生物/微生物生態/生態学/微生物/微生物叢/細菌/細菌叢/腸内細菌/腸内細菌叢
他の関係分野:数物系科学生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年4月14日
13
沈み込み帯誕生時の地殻形成プロセスを示す岩石・地球物理学的証拠を発見
―海底下の「2つの地殻」を可視化―
都市社会工学専攻の神谷奈々 助教は、国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 河村知彦、以下「JAMSTEC」という。)地震火山研究部門の赤松祐哉 研究員、道林克禎 客員研究員、国立極地研究所/総合研究大学院大学の藤井昌和 助教、国立研究開発法人産業技術総合研究所、大阪公立大学、名古屋大学、神戸大学と共同で、沈み込み帯誕生直後の前弧地殻が、複数の異なる火山活動によって形成されたことを示す岩石物理・地球物理学的証拠を初めて示しました。沈み込み帯の誕生は、地球のプレートテクトニクスの始まりに関わる重要な転換点です。大陸や日本列島の成り立ちを理解するためには、沈み込み帯誕生直後に地殻がどの...
キーワード:社会工学/極地/海洋/地下構造/IODP/テクトニクス/プレートテクトニクス/火山活動/地震波/地震波速度/地震波速度構造/沈み込み/沈み込み帯/日本列島
他の関係分野:複合領域数物系科学
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発表日:2026年4月14日
14
過去の代謝ストレスが免疫系に及ぼす持続的影響の解明
―プリン代謝系がT細胞の細胞死を制御する―
近年の免疫疾患の発症率上昇は、食生活の変化など生活様式の多様化による代謝状態の撹乱(代謝ストレス)が長期間にわたり影響を与えていることが一因と考えられています。しかしながら、代謝ストレスが、いつ、どこで、どのように免疫系に異常を及ぼすのか、その実体は分かっていませんでした。 但馬正樹 医学研究科講師とシドニア・ファガラサン 同特定教授(兼:理化学研究所チームディレクター)らの研究グループは、高脂肪食を給餌したマウスにおいてがんを攻撃するCD8+ T細胞が脆弱化しており、通常食に戻した後も長期間にわたり脆弱性が持続することを見出しました。この脆弱化の原因は、高脂肪食...
キーワード:脆弱性/生活様式/CD8/抵抗性/免疫系/高脂肪食/T細胞/がん治療/マウス/抗酸化/抗酸化作用/細胞死/脂肪酸/代謝物/不飽和脂肪酸/免疫応答/ストレス/脂質/食生活
他の関係分野:工学農学医歯薬学
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発表日:2026年4月8日
15
ヤドカリの体内に寄生するカニヤドリムシの日本初記録および新属新種記載
―日本初のヤドカリ寄生カニヤドリムシ―
篠田晏希 理学研究科博士後期課程学生、中野智之 フィールド科学教育研究センター准教授、下村通誉 同教授、滝山直人 東京海洋大学大学院生、藤田大樹 日本学術振興会特別研究員らの研究グループは、高知県土佐市の潮下帯にて得られたイザナミツノヤドカリDiogenes izanamiaeの体腔内からオカダンゴムシやダイオウグソクムシの仲間である等脚類カニヤドリムシ科(Entoniscidae)の1種を発見しました。解剖学的な形質の精査の結果、雌胸部に7対の脚、腹部に4対の腹肢を持つ形質は既存のどの属にも当てはまらないため、新属新種と判断し「ヤドカリノカニヤドリParadioge...
キーワード:海洋/イオウ/解剖学
他の関係分野:農学医歯薬学
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発表日:2026年4月7日
16
北極域の氷河前縁は “ご馳走スポット”
—アザラシの胃内容物が示す初の直接証拠—
櫻木雄太 野生動物研究センター特定助教、三谷曜子 同教授、小川萌日香 国立極地研究所特任助教らの研究チームは、北極域で狩猟生活を営むイヌイットとの協働により、狩猟で得られたワモンアザラシの胃内容物を調べ、捕獲場所と食性の関係を解析しました。その結果、氷河前縁付近で捕獲されたアザラシは、沖合で捕獲された個体よりも多くの餌を食べていたことが明らかになりました。これは、アザラシたちが氷河前縁で集中的に採餌していることを示す初めての直接証拠です。さらに、氷河前縁では主にホッキョクダラ、沖合では動物プランクトンを食べていることも明らかとなり、場所による採餌対象種の違いが初めて示されました。本研究は、気候...
キーワード:極域/極地/海洋/気候変動/哺乳類/アザラシ/生態系/プランクトン/海洋生態/海洋生態系/動物プランクトン
他の関係分野:数物系科学農学
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発表日:2026年3月30日
17
ゲノムでみえた希少魚ネコギギの集団形成史
―ゲノムに残る最終氷期の河川の痕跡―
近年のゲノムシーケンシング技術の向上は、生物多様性の理解にも革命をもたらし続けています。身近な生物に対してゲノム分析を適用することで、その自然史を解像度高く理解し、保全や利用に応用することが現実的になっています。 大貫渓介 理学研究科博士課程学生(現:国立遺伝学研究所日本学術振興会特別研究員(PD))、渡辺勝敏 同教授、田畑諒一 琵琶湖博物館学芸員、三品達平 九州大学助教、西田睦 東京大学名誉教授の研究グループは、伊勢湾・三河湾周辺にのみ生息する日本固有種の淡水魚で絶滅危惧種でもあるネコギギ(ナマズ目ギギ科)についてゲノム分析を行い、従来の遺伝分析では見いだせなかった本種の地域集団分化...
キーワード:博物館学/最終氷期/絶滅危惧種/遺伝的多様性/生物多様性/ゲノム/遺伝学
他の関係分野:複合領域農学医歯薬学
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発表日:2026年3月25日
18
異なるカルコゲンどうしの「見えない」結合の観測に成功
―超カルコゲナイドの新しいレドックス活性―
村上一馬 農学研究科准教授、赤池孝章 東北大学国際卓越教授らの研究グループは、異なるカルコゲンどうしの不安定な結合を観測する新たな手法を開発しました。私たちの体では、酸化と還元のバランス(レドックス制御)が生命活動の維持に重要な役割を果たしています。レドックス制御には、システインの硫黄原子などが中心的な役割を担っています。近年、硫黄に加えてセレンやテルルなどのカルコゲン(Ch)が連なった分子群である「超カルコゲナイド」が注目されていますが、その構造を解析する手段は限られていました。本研究グループは、核磁気共鳴(NMR)装置を用いて、グルタチオンのトリカルコゲナイド(3つのカルコゲンを含む超カル...
キーワード:セレン/磁気共鳴/分子構造/レドックス制御/カルコゲナイド/酸化還元/システイン/レドックス/グルタチオン/核磁気共鳴/創薬
他の関係分野:数物系科学化学生物学総合理工工学農学医歯薬学
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発表日:2026年3月24日
19
遺伝子変異に合わせたRNA標的創薬へ RNA構造と低分子化合物の相互作用を大規模に検出する新技術 『BIVID-MaP』を開発
RNA-低分子化合物相互作用の検出手法「BIVID-MaP」を開発しました。1塩基変異がRNA構造と結合能を変化させることを大規模に解明しました。個々の変異に最適化したRNA標的創薬と精密医療の実現への貢献が期待できます。1. 要旨  宮下映見 大学院生(京都大学iPS細胞研究所(CiRA)...
キーワード:最適化/突然変異/物質科学/遺伝情報/結合状態/cDNA/iPS細胞/がん関連遺伝子/体細胞変異/CD44/次世代シーケンサー/RNA/がん細胞/ラット/高次構造/創薬/低分子化合物/薬剤感受性/立体構造/がん患者/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現/遺伝子変異/個別化医療/難病
他の関係分野:情報学数物系科学生物学工学医歯薬学
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発表日:2026年3月23日
20
マングローブによる津波・波浪の軽減効果を定量化
―自然を活かした沿岸防災対策―
マングローブ林は波のエネルギーを弱めることで効果的な沿岸防災機能を持ち、沿岸域における津波や高波に対する減災効果や気候変動に対応する適応策の有力なツールとして注目されています。マングローブは支柱根と呼ばれる複雑な根の構造を持つ特徴がありますが、その複雑な形状を考慮した波の減衰の効果の定量化が困難な課題とされていました。 森信人 防災研究所教授、Yu-Lin Tsai 同特任助教(現:台湾国立陽明交通大学(National Yang Ming Chiao Tung University)助教)、Che-Wei Chang 同特定助教(現:米国ロードアイランド大学(University o...
キーワード:防災対策/適応策/揺らぎ/気候変動/マングローブ/沿岸域/水槽実験/数値モデル/津波
他の関係分野:複合領域数物系科学工学
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発表日:2026年3月23日
21
エネルギー・金融転換によるネットゼロ移行
―ケンブリッジ大学出版局より英文書籍刊行―
森晶寿 地球環境学堂准教授は、Nur Firdaus インドネシア国立研究イノベーション庁(National Research and Innovation Agency)研究員、小倉康弘 国立科学技術・学術政策研究所上級研究員らとの国際共同研究により、東南アジアにおける温室効果ガス排出ネットゼロへの移行の課題を克服する方策を持続性移行の観点から提示しました。 本国際共同研究チームは、電力システムの排出ネットゼロへの移行を分析する枠組みを新たに構築しました。そして、ネットゼロへ移行するためには、電力・エネルギーシステムの構成要素だけでなく、金融システムの構成要素も同じ方向に向かって同時...
キーワード:持続性/温室効果ガス/温室効果/共進化/エネルギーシステム/電力システム/地球環境/モビリティ/政策研究
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学総合理工工学
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発表日:2026年3月18日
22
先んずれば花色を制す
―「先客」を確保した地味な花は派手な花にも負けずハチを惹きつける―
材料工学専攻 川口利奈 講師、筑波大学 大橋一晴 講師、徳永幸彦 同准教授、小沼明弘 農業環境技術研究所 主任研究員(研究当時)らの共同研究チームは、ハチを誘引しやすい派手な見た目を持たない花でも、ライバルの派手な花に先んじて訪問者を確保することで、後からその「先客」につられて花を訪れるハチを増やし、見た目の不利さを覆してより多くの訪問者を得るチャンスがあることを実証しました。慣れない土地で良い食堂を探す人間のように、ハチは店構え(見た目)だけを頼りに新しい花を探すのではなく、他の個体がどこでどのような花を訪れているかを手がかりにしていることが知られています。本研究では、網室内で蜜を...
キーワード:環境技術/イミン
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2026年2月21日
23
地球温暖化が湖沼藻類ブルームを加速
―長期データが示す温度主導型富栄養化―
湖の水面が緑色に覆われる「アオコ(有害藻類ブルーム)」は、世界的に深刻な環境問題であり、水質悪化や生物多様性の低下を引き起こすだけでなく、人の健康や水資源の安全にも影響を及ぼしています。これまで、アオコをはじめとする湖沼の藻類ブルーム対策は、主に窒素やリンなどの栄養塩の削減に重点が置かれてきました。しかし、地球温暖化が進行する現在、その効果には限界が生じつつあります。 周川喬 情報学研究科特定研究員らの研究グループは、土居秀幸 同教授、許晓光 中国・南京師範大学教授、木内豪 東京科学大学教授らと共同で、世界中の156湖沼を対象とした約40年に及ぶ長期観測データを統合し、気候変動下におけ...
キーワード:機械学習/情報学/湖沼/地球温暖化/富栄養化/ブルーム/気候変動/クロロフィル/シナリオ/栄養塩/環境問題/水資源/アオコ/温暖化/生物多様性/将来予測
他の関係分野:情報学数物系科学生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年2月21日
24
ボノボ(大型類人猿)とテナガザル(小型類人猿)のiPS細胞と脚腕の元になる細胞の作製に成功
―霊長類発生進化学・生物多様性保全・動物園獣医学の統合推進に貢献―
今村公紀 ヒト行動進化研究センター助教(現:金沢大学准教授)、濱嵜裕介 同博士課程学生、今村拓也 広島大学教授、飽田寛人 同博士課程学生らの研究グループは、野生動物研究センター熊本サンクチュアリ(熊本県宇城市)、一柳健司 名古屋大学教授、田辺秀之 総合研究大学院大学准教授らと共同で、大型類人猿のボノボの血液から、ゲノムに外来遺伝子が挿入されない方法で人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製することに成功しました。また、同研究グループはボノボiPS細胞の作製に先行して、日本モンキーセンター(愛知県犬山市)、豊橋総合動植物公園(愛知県豊橋市)、東山動植物園(愛知県名古屋市)、大型類人猿情報ネットワーク...
キーワード:情報ネットワーク/生物多様性保全/進化学/進化発生/進化発生学/大型類人猿/類人猿/霊長類/獣医学/生物多様性/iPS細胞/発生学/幹細胞/血液/多能性幹細胞/分化誘導/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:情報学生物学農学医歯薬学
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発表日:2026年2月21日
25
カツオの眼球の分析から回遊履歴を推定する手法の開発に成功
海洋生物の生涯にわたる移動を追跡することは、生態学および水産科学における大きな課題です。特にかつお・まぐろ類のような外洋を回遊する魚類は、ときには数千kmに及ぶ長距離移動をするため、その回遊生態の把握は困難を極めていました。 これまで海洋生物の移動を追跡するために用いられてきた電子標識を用いたバイオロギング手法は、高コストであり、小型個体への適用が難しく、バッテリーの寿命による追跡期間の制限があることから、個体の生涯にわたる移動を捉えるには至りませんでした。 千田哲朗 フィールド科学教育研究センター博士課程学生(元・水産研究・教育機構水産資源研究所研究等支援職員)、松林順 福井...
キーワード:海洋/同位体/同位体比/個体群/海洋生物/バイオロギング/生態学/寿命/水晶体
他の関係分野:数物系科学生物学農学医歯薬学
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発表日:2026年2月18日
26
大規模環境DNA調査から沿岸魚分布を決める要因を探る
―魚類相を形成する複雑な海流の働きが明らかに―
近年、人間活動や気候変動による魚類の分布の変化が報告されており、その現状把握や予測には分布に影響する要因を解明することが不可欠です。 土居秀幸 情報学研究科教授、益田玲爾 フィールド科学教育研究センター教授、長田穣 東北大学准教授、千葉県立中央博物館、北海道大学、神戸大学、九州大学、島根大学、龍谷大学、鹿児島大学、かずさDNA研究所らからなる共同研究グループは、日本全国528地点に及ぶ大規模な環境DNA調査を実施し、沿岸魚1,220種(現在論文で報告されている種の約44%)を検出しました。さらに、これらの魚類の分布を解析したところ、魚類の輸送・移動の制限・生息環境の提供といった様々な海...
キーワード:情報学/人間活動/気候変動/環境DNA/生物多様性
他の関係分野:情報学数物系科学農学
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発表日:2026年2月14日
27
ネットゼロ排出目標は途上国にどれほどの経済的影響を与えるのか?
— 京都大学などの研究チームが国際的な負担分担のあり方を定量的に分析—
パリ協定では、世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて 2℃を十分に下回り、1.5℃に抑える努力を追求するという長期目標が掲げられています。これを受け、先進国のみならず、途上国を含めた多くの国が今世紀半ばまでに 「ネットゼロ排出(カーボンニュートラル)」を達成する目標を表明しています。しかし、こうしたネットゼロ排出目標が途上国にもたらす経済的影響、またその負担の軽減策はこれまで十分に明らかにされていませんでした。この度、都市環境工学専攻の藤森真一郎教授が率いる京都大学、立命館大学、国立環境研究所、名古屋大学の研究チームは、世界各国のネットゼロ排出目標を対象に分析を行い、ネットゼロ排出目標が途...
キーワード:家計消費/カーボンニュートラル/都市環境/カーボン/シナリオ/二酸化炭素/二酸化炭素
他の関係分野:工学
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発表日:2026年2月3日
28
ネットワーク科学の視点から、燃焼振動の挙動解明と抑制
機械理工学専攻 黒瀬 良一 教授、河合 真穂 氏(博士課程1年)は、東京理科大学工学部機械工学科 後藤田 浩 教授、難波江 佑介 助教、東京理科大学大学院機械工学専攻 加藤 健太氏(2024年度修了)との共同研究により、バックステップ型燃焼器で発生する噴霧燃焼振動の挙動解明と抑制を行いました。(I) 噴霧燃焼振動の乱流ネットワークにスケールフリー性が現れる(II) 乱流ネットワーク内に主要なハブが形成される(III) 乱流ネットワークのコミュニティを抽出し、コネクターコミュニティが形成される領域に障害物を設置することで、噴霧燃焼振動が抑制される本研...
キーワード:ネットワーク科学/空間分布/コミュニティ
他の関係分野:複合領域医歯薬学
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発表日:2026年1月23日
29
北海道の海には2タイプのシャチがいる
―北海道の海に現れるシャチのエコタイプ解明―
鈴木百夏 野生動物研究センター博士後期課程学生、三谷曜子 同教授、佐藤悠 同助教、村山美穂 同教授、河合真美 北海道大学修士課程修了生、早川卓志 同助教、松田純佳 同研究員、松石隆 同教授、北夕紀 東海大学教授、大泉宏 同教授、塩崎彬 国立科学博物館研究員、田島木綿子 同研究主幹、故・山田格 同名誉研究員、西田伸 宮崎大学教授、蛭田眞平 昭和医科大学准教授、中原史生 常磐大学教授、独立研究者の斎野重夫氏、宇仁義和 東京農業大学教授、天野雅男 長崎大学教授、吉岡基 三重大学名誉教授らの研究グループは、北海道に来遊するシャチが、北太平洋で広く見つかっているresident(レジデント)とtrans...
キーワード:食行動/行動観察/海洋/北太平洋/ミトコンドリアDNA/ミトコンドリアゲノム/哺乳類/ゲノム配列/生態系/サケ/海洋生態/海洋生態系/ミトコンドリア/ゲノム
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学農学医歯薬学
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発表日:2026年1月15日
30
海洋下のマントルに由来する岩石中に有機物を発見
―上部マントル中での生物が関与しない有機物合成の証拠―
三津川到 理学研究科博士課程学生、三宅亮 同教授、伊神洋平 同准教授を中心とし、京都大学、広島大学、立命館大学、東北大学、高輝度光科学研究センター(JASRI)、早稲田大学、東京大学、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所のメンバーで構成される共同研究チームは、南太平洋タヒチ島で採取されたマントル捕獲岩中の包有物から、多環芳香族炭化水素を主体とする有機物を発見しました。地球のマントル内部で生物とは無関係に有機物が合成されている可能性は古くから指摘されてきましたが、海洋下のマントルに由来する天然のマントル物質からそのような有機物を検出した例は極めて限られていました。本研究では、放...
キーワード:多環芳香族炭化水素/海洋/高エネルギー/マグマ/マントル/マントル捕獲岩/加速器/上部マントル/放射光/放射光X線/硫化鉱物/芳香族/芳香族炭化水素/ラマン/X線CT/二酸化炭素/二酸化炭素/有機物/極限環境/炭化水素/ラマン分光/ラマン分光法/CT画像
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2026年1月15日
31
イルカが選んだのは都市に最も近い海だった
―大阪湾でイルカと人の共存の可能性を発見―
木村里子 東南アジア地域研究研究所准教授、小川真由 農学研究科学生(現:海洋研究開発機構特任研究員)、岩田高志 神戸大学助教、松本大一 同大学院生(研究当時)、荒木陸秀 同大学院生、赤松友成 早稲田大学上級研究員らの研究グループは、大阪湾の明石海峡周辺海域において、イルカが冬から春にかけて時々出現していることを、1年間以上にわたる受動的音響モニタリングで明らかにしました。 イルカの出現は、海苔(ノリ)養殖が行われる季節と一致しており、イルカが人間活動によって一時的に生態系が豊かになった海域を利用している可能性が高いことが分かりました。日本有数の海上交通量を誇る明石海峡において、夜間を中...
キーワード:人間活動/海洋/モニタリング/哺乳類/海洋生物/生態系/海洋生態/海洋生態系
他の関係分野:工学農学
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発表日:2026年1月14日
32
巨大ウイルスのmRNA翻訳戦略
―局所環境構築を構築し宿主との競合を回避か?―
ウイルスは、mRNAからタンパク質を合成するための翻訳システムを保持せず、宿主の翻訳システムに依存しています。張瑞軒 京都大学化学研究所 特定研究員、緒方博之 同教授、疋田弘之 同助教(現国立健康危機管理研究機構 主任研究員)、岩崎信太郎 理化学研究所開拓研究所 主任研究員、七野悠一 同上級研究員(研究当時、現同客員研究員、現筑波大学医学医療系 教授)、ウィーン大学Anouk Willemsen博士らの研究チームは、ウイルスが宿主の翻訳システムを細胞内の一部の区画に集積させ、その局所翻訳環境を利用することで、ウイルス遺伝子を効率的に翻訳している可能性を見出しました。 mRNAがタ...
キーワード:危機管理/突然変異/ポリペプチド/タンパク質合成/tRNA/コドン/オミクス/オミクス解析/マルチオミクス/マルチオミクス解析/mRNA/不均一性/アミノ酸/蛍光顕微鏡/ウイルス/ゲノム/遺伝子
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発表日:2026年1月9日
33
結晶中トリウム229原子核アイソマーのクエンチ機構の解明に前進
~固体原子核時計のリセットは電子が担う?~
現在、1秒の定義や衛星測位システムに用いられている原子時計をさらに超える高精度を目指し、「原子核時計」の実現に向けた研究が世界的に進展しています。トリウム229原子核は、レーザー光で直接励起できる特別な準安定な励起状態(アイソマー)を持ち、これを利用すれば、これまでにない安定な時間標準の構築が可能になると期待されています。 瀬戸誠 複合原子力科学研究所教授、北尾真司 同准教授、Ming Guan 岡山大学大学院生(研究当時)、吉村浩司 同教授、吉見彰洋 同准教授、依田芳卓 高輝度光科学研究センター(JASRI)特任研究員、永澤延元 同研究員、山口敦史 理化学研究所専任研究員、重河優大 ...
キーワード:オーストリア/暗黒物質探索/原子核/準安定/SPring-8/放射光/暗黒物質/衛星/励起状態/温度依存性/レーザー/原子力
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発表日:2026年1月9日
34
賀茂川のオオサンショウウオ、交雑化進む
―在来種は絶滅寸前、統計モデルで判明―
西川完途 地球環境学堂教授(兼:人間・環境学研究科教授)、土田華鈴 同特定助教、高倉耕一 滋賀県立大学教授らの研究グループは、京都市の賀茂川において、外来種との交雑が問題となっているオオサンショウウオ類の個体群動態を推定しました。 国の特別天然記念物である在来種オオサンショウウオは、外来種チュウゴクオオサンショウウオとの交雑により、遺伝的独自性を失う危機に瀕しています。賀茂川流域は交雑が初めて報告された地域であり、京都市などによる調査が行われてきました。  本研究グループは、2005年から2021年にかけての134回の長期調査データを基に、状態空間モデルという統計モデ...
キーワード:状態空間モデル/統計モデル/外来種/個体群/地球環境/絶滅危惧種/個体群動態/生態学
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発表日:2025年12月26日
35
熱帯泥炭地は温室効果気体の巨大排出源である
~排出量推定法の開発と排出削減への貢献~
伊藤雅之 生存圏研究所准教授、坂部綾香 農学研究科助教、平野高司 北海道大学教授らの研究グループは、東南アジアの低平地に広がる熱帯泥炭地(18万km2)からの温室効果気体(GHG =二酸化炭素(CO2)+メタン(CH4))の排出量を推定し、詳細な分布図(空間分解能463 m)を月単位で作成することに世界で初めて成功しました。 東南アジアに広がる泥炭地は湿地林と共生してきました。地下水位が高いため枯死木の分解が遅く、膨大な量の有機炭素を泥炭として地中に蓄えてきましたが、近年の大規模農地開発で地下水位が低下して泥炭分解が進み...
キーワード:温室効果ガス/エルニーニョ/温室効果/光合成/CO2排出量/メタン/二酸化炭素/二酸化炭素/分解能/農地/生態系/土地利用/土地利用変化/熱帯林/空間分解能
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発表日:2025年12月26日
36
湖底に眠る宿場町を地球科学的手法で3D復元
―1888年磐梯山噴火で沈んだ「桧原宿」を科学が甦らせる―
山﨑新太郎 防災研究所准教授、谷川亘 海洋研究開発機構(JAMSTEC)研究員らの研究チームは、福島県耶麻郡北塩原村の桧原湖に沈む自然災害遺跡である旧桧原宿跡(会津・米沢街道の宿場町)の湖底地形を、高分解能マルチビーム音響測深機を用いて詳細に計測し、水没した町並みを3次元的に復元することに成功しました。本研究は、明治21年(1888年)の磐梯山噴火で形成された桧原湖の湖底に残る町の構造を、非破壊的な地球科学的手法で明らかにした初の事例です。 本研究成果は、2025年12月22日に、国際学術誌「Journal of Cultural Heritage」に掲載されました。...
キーワード:地球科学/海洋/自然災害/分解能/高分解能
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発表日:2025年12月24日
37
脂質ナノ粒子で「筋肉のもと」である筋幹細胞のゲノム編集に成功
―筋損傷を繰り返しても治療効果が持続する、DMDに対する新しい治療戦略―
脂質ナノ粒子を用いて、筋肉の幹細胞(筋幹細胞)に対して効率的なゲノム編集に成功した。筋損傷を繰り返してもゲノム編集の効果が持続することを証明した。デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する長期的かつ持続可能な治療法への道を拓いた。1. 要旨  持田泰佑主任研究員(武田薬品工業株式会社ターゲットバリデーションサイエンシズ/タケダ-CiRA共同プログラム(T-CiRA))、...
キーワード:持続性/突然変異/衛星/ゲノムDNA/遺伝性疾患/筋細胞/遺伝情報/持続可能/ナノメートル/ナノ粒子/CRISPR-Cas/筋ジストロフィー/ゲノム編集技術/病原性/細胞膜/AAV/CRISPR/iPS細胞/アデノ随伴ウイルス/ウイルス感染症/ベクター/臨床応用/mRNA/トレーニング/外傷/筋線維/筋損傷/筋肉/骨格筋/新型コロナウイルス/AAVベクター/ゲノム編集/モデルマウス/筋衛星細胞/筋再生/CRISPR-Cas9/RNA/アミノ酸/ウイルスベクター/ドラッグ・デリバリー・システム/マウス/遺伝子治療/遺伝子導入/核酸医薬/幹細胞/細胞分裂/ウイルス/ゲノム/ワクチン/遺伝子/感染症/抗体/脂質/小児/新型コロナウイルス感染症/新生児/難病
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発表日:2025年12月20日
38
宿主変われば色変わる
―ナマコ寄生性ゴカイ類のカモフラージュ―
保護色によるカモフラージュは、捕食を免れるための手段として幅広い生物で知られています。ナマコウロコムシは、ナマコ類の体表に寄生するゴカイ類ですが、複数の種を宿主として利用し、驚くべきことに各個体が利用する宿主種と同じ体色(黒、白、茶など)を持ちます。この宿主特異的な保護色が、種内の可塑性によるものなのか、宿主ごとへの遺伝的分化に起因するものなのか不明でした。 杉山高大 理学研究科博士課程学生(研究当時)、後藤龍太郎 フィールド科学教育研究センター助教、朝倉彰 同特任教授、下村通誉 同教授、小林元樹 大阪教育大学特任講師、Chloé Julie Loïs Fourreau 琉球大学博士...
キーワード:海洋/生殖/脊椎動物/海洋生物/無脊椎動物/ゲノム情報/SNP/可塑性/脊椎/ミトコンドリア/ゲノム/遺伝子
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発表日:2025年12月9日
39
種子が植食者の糞を感知して食害を回避
―糞中成分が安全なタイミングでの発芽を可能にする―
山尾僚 生態学研究センター教授、澤進一郎 熊本大学教授、石川勇人 千葉大学教授、および名城大学農学部、森林総合研究所、理化学研究所環境資源科学研究センター、琉球大学熱帯生物圏研究センター、静岡大学農学部からなる研究チームは、多年生植物のオオバコの種子がダンゴムシの糞に含まれる化学物質を感知して発芽を一時的に止め、ダンゴムシによる食害を回避する仕組みを発見しました。ダンゴムシの糞中に含まれる「トレハロース」と「アブシジン酸(ABA)」が発芽を一時的に抑制すること、そしてそれらの成分が水で洗い流されると発芽が再開することが明らかになりました。さらに野外調査では、ダンゴムシの糞が存在する環境では、雨...
キーワード:化学物質/トレハロース/生態系/環境応答/生態学/イミン/コミュニケーション
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発表日:2025年11月23日
40
巨大磁気嵐がもたらす宇宙空間の変動観測に成功
~宇宙空間に電離大気の供給が抑制されていたことを発見~
松岡彩子 理学研究科教授、惣宇利卓弥 生存圏研究所特定研究員、新堀淳樹 名古屋大学特任助教らの研究グループは、全球測位衛星システム(GNSS) と「あらせ」衛星などの観測データを解析し、2024年5月10日に発生した巨大磁気嵐時のプラズマ圏と電離圏の電子密度の時間変化と空間構造の観測に成功しました。 観測データにおいて、通常、地球半径(6,378 km:赤道半径)の4~6倍の高度域までの宇宙空間に広がっているプラズマ圏が地球半径の1.5倍の高度域にまで急速に縮小し、元の状態にまで回復するまでに4日以上要していたことが分かりました。この回復時間は、通常の磁気嵐時に比べて約2倍長いことが...
キーワード:環境変動/高エネルギー/高エネルギー粒子/磁気嵐/GNSS/地磁気/データ解析/衛星/空間構造/統計解析/構造変化
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発表日:2025年11月12日
41
圧力応答性高分子によるプラスチックの低温成形とリサイクル性向上
キーワード:環境汚染/相転移/高分子/高分子化学/生分解性プラスチック/成形加工/生分解/省エネ/プラスチック/リサイクル/省エネルギー/二酸化炭素/生分解性
他の関係分野:数物系科学化学工学農学
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発表日:2025年11月8日
42
地球の限界を超えないために世界の食料システムの大転換が必要
―国際プロジェクトが持続可能で健康な食生活のガイドラインを提案―
現代の食料システムは、世界の温室効果ガス排出量の要因の25%以上を占めるなど、地球環境に大きな負荷を与えています。都市環境工学専攻 藤森真一郎 教授、国立環境研究所 社会システム領域 地球持続性統合評価研究室 土屋一彬 主任研究員、高橋潔 領域長、立命館大学 総合科学技術研究機構 長谷川知子 教授らが参画する国際研究グループは、複数のシミュレーションモデルを用いた研究により、持続可能で健康な食生活、食品廃棄物の削減、生産性の向上を組み合わせた「食料システムの大転換」を2050年にかけて進めた場合の地球環境と経済に与える影響を評価しました。その結果、食料システムの大転換を進めた場合、何もしない場...
キーワード:社会システム/身体活動/持続性/温室効果ガス/温室効果/気候変動/フレキシブル/持続可能/地球環境/都市環境/シミュレーション/シミュレーションモデル/生産性/廃棄物/土地利用/食生活
他の関係分野:複合領域数物系科学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年11月6日
43
世界初、ハイパースペクトルカメラで青いオーロラの高度分布を精密観測
〜高高度200kmにおける明るいオーロラの発生メカニズム解明へ〜
自然科学研究機構核融合科学研究所は2023年5月にスウェーデン・キルナ「オーロラ観測用ハイパースペクトルカメラ(HySCAI: Hyperspectral Camera for Auroral Imaging)」を設置し、同年9月より本格的な観測を開始しました。 この度、海老原祐輔 生存圏研究所教授、居田克巳 核融合科学研究所特任教授、吉沼幹朗 同助教、塩川和夫 名古屋大学教授の研究グループは、HySCAIを用いて天文薄明時に青い光を放つ窒素イオン(N2+)オーロラの高度分布を観測することに成功しました。本研究では、太陽光がオーロラを照らす...
キーワード:ハイパースペクトル/環境変動/核融合/オーロラ/スペクトル/観測装置/太陽/太陽光
他の関係分野:情報学数物系科学総合理工
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発表日:2025年11月1日
44
電子が描くナノスケールの“右巻き・左巻きの波紋”
― カゴメ金属で見えた“カイラリティ”の起源―
田財里奈 基礎物理学研究所助教は、中沢正剛 名古屋大学博士課程学生、山川洋一 同講師、大成誠一郎 同准教授、紺谷浩 同教授と共に、カゴメ(籠目)格子構造の金属化合物で広く観測された、鏡映対称性を破った電子のナノスケールの定在波「カイラル電子干渉」を解き明かす新原理を発見しました。カイラル電子干渉の起源が、ミクロな回転電流を伴うループ電流相という新規量子相であることを理論的に解明し、カゴメ格子金属の電子状態の本質を明らかにしました。 カゴメ格子金属AV3Sb5(A=Cs, Rb, K)では、幾何学的フラストレーションに由来する多彩な新奇量子相や非従来型超伝導が発見されたことから、現在世...
キーワード:空間分布/カイラリティ/カゴメ格子/フラストレーション/幾何学/時間反転対称性/対称性/非従来型超伝導/磁場/超伝導/幾何学的フラストレーション/走査型トンネル顕微鏡/状態密度/理論解析/電子状態/トンネル/ナノスケール/定在波
他の関係分野:数物系科学総合理工工学
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発表日:2025年11月1日
45
低酸素が呼び起こす脳内前駆細胞の新たな一面
―脳血流を取り戻す新たな仕組み―
脳卒中は、世界で4人に1人が一生のうちに経験する主要な死因・後遺症の原因であり、その多くは脳の血管が詰まることで起こる脳梗塞です。脳の血管が詰まったままでは、酸素や栄養が神経細胞に届かず、細胞死が急速に進行します。そのため、できるだけ早く血流を再開させて脳への酸素供給を回復させることが極めて重要です。 この度、眞木崇州 医学研究科講師、安田謙 同特定助教、月田和人 同特定助教(兼:帝京大学特任研究員)、桑田康弘 くわた脳神経内科・在宅クリニック院長らの研究グループは、マウス脳梗塞モデルとして一般的な一過性中大脳動脈閉塞(tMCAO)モデルの単一細胞RNAシーケンス公開データを統合解析...
キーワード:酸素濃度/オリゴデンドロサイト前駆細胞/一細胞/血流/大脳/髄鞘/hypoxia/臨床応用/運動機能/脳血流/前駆細胞/RNA/マウス/幹細胞/血管新生/再生医療/細胞死/細胞治療/神経細胞/低酸素/脳梗塞/脳卒中
他の関係分野:総合生物医歯薬学
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発表日:2025年10月30日
46
多様な樹種のバイオマス量を評価する
―ドローンによる多樹種のバイオマス推定式の開発―
HTOO Kyaw Kyaw 農学研究科博士研究員(研究当時)、小野田雄介 同教授らのグループは、ドローンを用いた大規模な森林調査を行い、日本全国の多様な樹種(149種)のバイオマス量を推定する式を開発しました。 森林のバイオマスを正確に把握することは、温室効果ガスの収支評価や持続可能な森林経営の基盤となるなど、大きな意義があります。しかし、従来の評価方法は、多様な樹種の違いを十分に考慮しておらず、また現地調査には、労力やアクセス面で大きな制約があります。近年、レーザー(LiDAR)を搭載したドローンが普及しつつあり、本研究グループは、この技術を用いて全国23か所で149樹種・4,3...
キーワード:先端技術/温室効果ガス/温室効果/種多様性/持続可能/森林資源/LiDAR/現地調査/モニタリング/レーザー/生態系/ドローン/バイオマス/人工林/天然林/生物多様性/立体構造
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年10月29日
47
腸内環境モニタリング機能付きデジタル錠剤に向けた胃酸充電半導体集積回路の開発に成功
―65nm CMOSで実証、消化器官内の温度・pHモニタリングに目途―
新津葵一 情報学研究科教授、ウ・ヨウ(Wu You) 同修士課程学生、大西弘二 大塚製薬株式会社プリンシパル、山根育郎 同課長らの研究グループは、腸内環境モニタリング機能付きデジタル錠剤に向けた胃酸充電機能を有する半導体集積回路の開発に成功し、65nm(ナノメートル:10億分の1メートル)のCMOSプロセスで製造した半導体集積回路を用いて実証しました。 生体内センシングは、健康状態を把握するうえで有効なアプローチの一つです。特に、腸内環境の継続的なモニタリングは、近年の研究によりその有用性が明らかになり、注目を集めています。しかしながら、腸内環境の継続的なモニタリングを日常的に行うこ...
キーワード:情報学/環境モニタリング/CMOS/センシング/ナノメートル/モニタリング/集積回路/半導体/生体内/腸内環境
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発表日:2025年10月21日
48
森林・泥炭地火災から発生する煙霧による健康リスク:火災の近隣地域では?
―森林・泥炭火災煙霧の発生地域と風下地域における影響の違い―
内藤大輔 農学研究科助教、PHUNG Vera Ling Hui(プン・ヴェラリンフイ)東京大学助教、上田佳代 北海道大学教授、川崎昌博 同研究員、大橋勝文 鹿児島大学教授らによる研究グループは、インドネシア・中央カリマンタン州のパランカラヤ大学(University of Palangka Raya)との共同研究から、同地域で森林・泥炭地火災から発生する煙霧が呼吸器疾患を増やすことを示しました。また、発生源に近い地域では、煙霧による健康リスクが大きくなる可能性を示しました。 東南アジアで発生する煙霧は、地域の大気汚染物質だけでなく、周辺地域で発生する火災由来の煙が原因となります。本...
キーワード:粒子状物質/ホットスポット/気候変動/衛星/健康リスク/森林火災/衛星画像/健康影響/大気汚染/公衆衛生
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発表日:2025年10月18日
49
気候変動・統合評価モデル分野の未来を開く新提案
―オープンで透明な国際比較研究の構築へ
パリ協定に基づく世界の気候対策は進んでいますが、その科学的な根拠となる将来予測やシナリオは、限られた地域や研究機関に偏っているのではないか、という懸念がIPCCの第6次評価報告書の公表後指摘されてきました。今回、都市環境工学専攻の藤森真一郎教授、オーストリアに本部を置く国際研究機関である国際応用システム分析研究所(IIASA :International Institute for Applied Systems Analysis)のVolker Krey 研究主幹(Research Group Leader)、 Keywan Riahi研究部門長(Research Director)、東京...
キーワード:プロトコル/オーストリア/気候変動/都市環境/透明性/シナリオ/比較研究/将来予測/ラット
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発表日:2025年10月16日
50
湿度が決める温暖化時の極端な雨の強まり方
―湿度が高い場合に豪雨は1℃当たり7%強まる―
将来、地球温暖化が進行した時に、豪雨・台風・猛暑・干ばつといった極端な気象現象がどのように変化するのか、ということを理解することは、科学的にも社会的にも重要な課題です。 竹見哲也 防災研究所教授とSridhara Nayak 日本気象株式会社主任研究員(元:防災研究所特任准教授)の研究グループは、集中豪雨を念頭に置き、日本における極端な降水の温暖化時の変化の仕方について、気候予測データを用いて明らかにしました。使ったデータは、数値気候モデルを用いた現在の気候を再現した実験と、4℃上昇した温暖化気候を予測した実験結果で、20 kmの分解能を持つものです。日本を7つの地域に区分して、地域...
キーワード:地球温暖化/気候モデル/気候変動/水蒸気/集中豪雨/分解能/温暖化/高分解能
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発表日:2025年10月7日
51
コミュニティごとの多様な価値観をリアルタイムに反映できる仮想発電所制御技術を開発
―CO2削減やコスト低減など、地域のニーズに応じた柔軟なエネルギー運用の実現をめざす―
大塚敏之 情報学研究科教授は、株式会社日立製作所と共同で、都市や地域などのコミュニティごとの多様な価値観をリアルタイムに反映しながら、仮想発電所(VPP)を安定的に運用できる新たなシステム制御技術を開発しました。本技術は、従来の「経済性最大化」などの固定的な指標だけでなく、CO2削減や利便性など、状況に応じて変化する価値観をシステム制御に柔軟に組み込むことができます。この実現に向け、モデル予測制御(MPC)による動的なエネルギー資源配分と、Preference Learning(選好学習)による価値観の自動反映、さらに安定稼働を実現するロバスト制御技術を開発しました。シミュレーションによる検証...
キーワード:ロバスト/最適化/情報学/オーストリア/持続可能/CO2排出量/システム制御/シミュレーション/モデル予測制御/ロバスト制御/二酸化炭素/資源配分/コミュニティ
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発表日:2025年9月27日
52
発芽時の幼植物を光による害から守る新しい遺伝子を発見
土の奥深くは光の届かない暗闇です。この深く暗い場所で発芽してしまった植物は、発芽後最初に現れる茎である胚軸をもやし状の形で伸ばし、その胚軸の先に付く最初の葉である子葉は葉緑体を持たない状態に保ちつつ、早く地表に出ようとします。そして、子葉が地表に出ると、子葉は緑化して光合成を始めます。光合成は、クロロフィル(葉緑素)が光エネルギーによって活性化することによって始まりますが、このようなクロロフィルの活性化が過剰になると、細胞に害を与える場合があり、クロロフィルは「諸刃の剣」のような物質であると考えられてきました。さらに、このような光による害(光ストレス)は暗い場所で発芽した植物が初めて光に出会う...
キーワード:光エネルギー/地球温暖化/細胞内小器官/クロロフィル/光合成/葉緑体/光環境/前駆体/地球環境/二酸化炭素/ストレス耐性/温暖化/生合成/ホメオスタシス/活性酸素/細胞死/転写因子/ストレス/遺伝子
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発表日:2025年9月23日
53
息から病気を検知する
―鉄の匂いが教える肝臓の異変―
私たちの体の中では、鉄の働きによって細胞が壊れる「脂質の酸化」が起こることがあります。これが進むとフェロトーシスと呼ばれる細胞死が起き、肝臓などさまざまな病気の原因になることが知られています。ところが、これまでフェロトーシスを体の中で直接調べるには、肝臓の一部を取り出すような体に負担の大きい検査が必要でした。 松岡悠太 医学研究科特定助教、杉浦悠毅 同特定准教授らの研究グループは、勝俣良紀 慶應義塾大学専任講師、中本伸宏 同准教授、井口公太 田附興風会医学研究所北野病院副部長らとの共同研究により、フェロトーシスが進むと「鉄の匂い分子」として知られる特殊な物質がガスとして細胞から放出さ...
キーワード:分析技術/診断法/カルス/肝疾患/マウス/細胞死/代謝物/脂質
他の関係分野:総合生物農学医歯薬学
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発表日:2025年9月21日
54
非相溶元素間の原子拡散障壁が未踏結晶相形成に及ぼす影響を解明
―未踏結晶構造の探索に向けた新たな知見―
京都大学化学研究所 精密無機合成化学研究領域 松本憲志 特定助教、佐藤良太 特定助教、髙畑遼 助教、寺西利治 教授、九州大学 工藤昌輝 学術研究員(現北海道大学特任助教)、名桜大学 立津慶幸 上級准教授の研究グループは、元素間に固有の相溶性(元素間相溶性)により安定化されるZ3型合金構造の形成過程において、非相溶な元素ペアの隣接が原子拡散の活性化障壁を大きくすることを明らかにしました。 複数の金属元素で構成される合金の化学的・物理的な特性は、その結晶構造に大きく依存することが知られています。その...
キーワード:金属元素/拡散過程/準安定/数値計算/金ナノ粒子/準安定相/熱力学/状態図/相互拡散/ナノ粒子/第一原理/第一原理計算/熱処理/量子力学/結晶構造/合成化学
他の関係分野:数物系科学化学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年9月17日
55
鳥取県沖・隠岐海嶺から塊状メタンハイドレートを採取
桑野太輔 人間・環境学研究科助教、戸丸仁 千葉大学准教授らの研究チームは、2025年7月31日から8月6日に実施した東北海洋生態系調査研究船「新青丸」航海(KS-25-8次研究航海)において、鳥取県沖・隠岐海嶺の海底から、初めて塊状のメタンハイドレートを採取しました。 鳥取県沖海底には海底深部メタンの移動経路であるガスチムニーが密集しており、メタンハイドレートの存在が予想されていましたが、今回の成果により、塊状メタンハイドレートが広く分布することが確実となりました。メタンハイドレートは、天然ガス資源としてだけでなく地球環境の劇的変動要因としても注目されています。 今後、日本...
キーワード:海洋/地球環境/ハイドレート/メタン/メタンハイドレート/資源探査/天然ガス/生態系/海洋生態/海洋生態系/調査研究
他の関係分野:工学農学医歯薬学
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発表日:2025年9月16日
56
社会の脱炭素化に伴う貧困・格差への悪影響とそれに対する炭素税収の有効性が明らかに
異常気象が常態化し、温暖化影響がますます顕著になってきており、各国は脱炭素化社会へ向けてより一層の対策強化が求められます。しかし、脱炭素化は一定程度の経済負担とエネルギーや食料価格の上昇を招き、貧困や所得格差へ悪影響を及ぼすことが懸念されます。そこで、都市環境工学専攻のShiya Zhao(趙 詩雅)特定助教、藤森真一郎教授ら、立命館大学総合科学技術研究機構の長谷川知子教授、国際応用システム分析研究所(オーストリア)の国際共同研究チームは複数のシミュレーションモデルを用いて、長期的な将来の脱炭素化による世界180か国の貧困や格差への悪影響を定量化し、それに対する対応策として期待される炭素税収の...
キーワード:オーストリア/家計消費/異常気象/エネルギーシステム/都市環境/シナリオ/シミュレーション/シミュレーションモデル/温暖化
他の関係分野:数物系科学総合理工工学農学
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発表日:2025年9月16日
57
福島第一原子力発電所事故後の安定ヨウ素剤内服と甲状腺検査結果
西川佳孝 医学研究科准教授、中山健夫 同教授、鈴木千晶 医学部附属病院特定助教、後藤あや 米国ハーバード大学(Harvard University)教授、坪倉正治 福島県立医科大学教授らの研究グループは、ひらた中央病院(主たる研究機関)と共同で、2011年の福島第一原発事故で安定ヨウ素剤の配布と内服指示が実施された三春町の子どもたちを対象に調査を実施しました。 本調査では、災害時の安定ヨウ素剤の服用歴などを含む住民アンケートと甲状腺超音波検診結果をふまえ、安定ヨウ素剤の内服有無が甲状腺の状態と関係するかを分析しました。その結果、安定ヨウ素剤の服用と甲状腺の要精密検査には差は認められま...
キーワード:原子力発電所/原子力災害/情報提供/原子力/原子力発電/超音波/福島第一原発事故/原発事故/甲状腺/ヨウ素/副作用/食生活/超音波検査/妊婦/放射線
他の関係分野:複合領域工学農学医歯薬学
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発表日:2025年9月14日
58
キタオットセイの北上回遊行動を衛星追跡で解明
―海洋環境要因と北上回遊行動の関係―
李何萍 野生動物研究センター博士課程学生、三谷曜子 同教授、土橋稜 米国ハワイ大学マノア校(University of Hawaiʻi at Mānoa)博士課程学生、三寺史夫 北海道大学名誉教授(研究当時:同教授)からなる研究グループは、衛星発信器を用いてキタオットセイの北上回遊と海洋環境との関係を明らかにしました。キタオットセイは、繁殖地と越冬地のあいだを季節的に長距離回遊する鰭脚類であり、日本近海は非繁殖期に豊富な餌資源を提供する主要な越冬海域のひとつです。これまで、繁殖地からの南下回遊についてはよく知られていましたが、春に越冬海域から繁殖地へと戻る北上回遊については、タグの脱落や電池寿...
キーワード:人間活動/海洋/環境変動/気候変動/衛星/エネルギー消費/電池/モニタリング/沿岸域/海洋環境/哺乳類/生態系/海洋生態/海洋生態系/漁業/環境要因/寿命
他の関係分野:数物系科学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年9月4日
59
不要な細胞を“食べさせる”タンパク質を開発 がんや自己免疫疾患モデルで効果
京都大学アイセムス(高等研究院 物質―細胞統合システム拠点:WPI-iCeMS)の鈴木淳教授、大和勇輝元研究員らの研究グループは、がんや自己免疫疾患を起こす細胞など、体内における不要細胞を標的として貪食により除去する新しいタンパク質「クランチ」(Crunch, Connector for Removal of Unwanted Cell Habitat)を開発しました。この成果は、2025年9月3日午後6時(日本時間)にNature Biomedical Engineering誌に発表されました。 体内では毎日100億個をこえる不要細胞が細胞死を起こし、その過程で”...
キーワード:化学物質/統合システム/がん細胞/マウス/ラット/細胞死/自己免疫/自己免疫疾患/免疫細胞/臨床試験/加齢/抗体/疾患モデル
他の関係分野:工学医歯薬学
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発表日:2025年9月4日
60
磁束量子を半整数へ切替えるトポロジカル超伝導体
―新たな量子コンピュータデバイスへの道―
本研究成果は、米国科学誌「Science Advances」に2025年9月4日(木)午前3時(日本時間)に公開されました。  京都大学化学研究所 小野輝男 教授は、大阪大学大学院理学研究科物理学専攻 新見康洋 教授らの研究グループ、同研究科宇宙地球科学専攻 青山和司 助教、同大学大学院基礎工学研究科物質創成専攻 水島健 准教授、東邦大学理学部物理学科 大江純一郎 教授、中国復旦大学 Xiaofeng Ji...
キーワード:量子計算/地球科学/スピン軌道相互作用/トポロジカル超伝導/ビスマス/磁束量子/準粒子/超伝導ギャップ/超伝導体/量子コンピュータ/量子情報/ノイズ/異方性/磁場/超伝導/酸化マグネシウム/量子ビット/トポロジカル/強磁性金属/磁性体/強磁性/半金属/強磁性体/スピン/スピントロニクス/マグネシウム
他の関係分野:情報学数物系科学総合理工工学
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発表日:2025年8月27日
61
ヒトiPS細胞から胸腺上皮細胞を作製
―ヒトナイーブT細胞の再生に向けた技術基盤を開発―
ヒトiPS細胞から成熟した胸腺上皮細胞(iTEC)を作製することに成功した。iTECは、T細胞に抗原提示を受ける能力を賦与する皮質上皮細胞と、自己寛容を担う髄質上皮細胞を含む、多様な上皮細胞集団から構成されていた。iTECは、ヒトT前駆細胞と共培養したオルガノイドを作製すると、多様な反応性をもつナイーブT細胞注1)への分化を支持することができた。今後、ヒト胸腺の発生や小児先天性無胸腺症や胸腺低形成症候群を試験管内で再現するモデルとして、またヒトT細胞再生のための新たな医療...
キーワード:免疫機能/システム構築/突然変異/メモリ/一細胞/CD8/胸腺上皮細胞/抗原受容体/自己寛容/自己免疫寛容/病原体/ビタミン/CAR-T細胞療法/TCR/獲得免疫/抗原提示/抗原特異性/免疫不全/FoxP3/iPS細胞/がん抗原/遺伝子発現解析/胸腺/細胞株/内胚葉/発現解析/免疫染色/免疫逃避/筋肉/思春期/心臓/代謝産物/T細胞受容体/オルガノイド/ヘルパーT細胞/間葉系細胞/自己抗原/前駆細胞/ES細胞/HLA/in vitro/T細胞/がん細胞/がん治療/ビタミンA/マウス/レチノイン酸/遺伝子治療/共培養/抗原/抗原提示細胞/再生医療/細胞療法/自己免疫/自己免疫疾患/受容体/上皮細胞/制御性T細胞/転写因子/分化誘導/免疫応答/免疫寛容/免疫細胞/ウイルス/ヒトiPS細胞/遺伝子/遺伝子発現/加齢/小児/老化
他の関係分野:複合領域工学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2025年8月24日
62
清浄な南極地域でもヘイズ現象が出現
―大気化学過程・雲過程を介して気候変動に与える影響も―
矢吹正教 生存圏研究所特定研究員、原圭一郎 福岡大学助教らの研究チームは、1997から2022年の間に南極昭和基地に出現した南極ヘイズの特徴、その発生要因、南極ヘイズの大気化学過程へのインパクトを明らかにしました。 本研究チームによる解析の結果、南極ヘイズ現象は、荒天・強風時に寿命が1年以内の海氷域から大気へ大量の海塩エアロゾル(以下、「海氷起源海塩エアロゾル」)が放出された結果出現することが明らかとなりました。昭和基地の地上付近では、南極ヘイズ現象は主に5-10月に出現し、昭和基地上空の4km付近まで分布していたことが分かりました。さらに南極ヘイズ現象時には、日射環境下では海塩エア...
キーワード:海氷/極域/極地/気候変動/大気化学/オゾン/モニタリング/寿命
他の関係分野:数物系科学工学医歯薬学
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発表日:2025年8月24日
63
幼生は知っている
―動物体表性カサガイの浮遊幼生に見られた着底基質選好性―
中山凌 理学研究科博士課程学生(現:青森県産業技術センター研究員)および中野智之 フィールド科学教育研究センター准教授らは、動物体表性カサガイ類の1種であるコモレビコガモガイについて、浮遊幼生の着底が主要な宿主である巻貝ヒメクボガイの粘液に誘引されることを解明しました。この発見は、本種が浮遊幼生の段階で適した宿主を認識している事を示唆しており、海産無脊椎動物における浮遊幼生の着底メカニズムおよび動物体表性という特殊な生態がもつ適応的意義の理解だけでなく、海洋生態系における共生関係の進化についての重要な知見であるといえます。 本研究成果は、2025年7月29日に、国際学術誌「Venus...
キーワード:海洋/個体群/脊椎動物/生態系/無脊椎動物/海洋生態/海洋生態系/脊椎
他の関係分野:生物学農学医歯薬学
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発表日:2025年8月21日
64
マルチモーダル解析で酸素発生反応(OER)の鍵を握る“活性点”を特定:酸化イリジウム触媒の構造が高性能の秘密を握る
〜水電解によるグリーン水素社会実現へ新たな一歩〜
Neha Thakur 人間・環境学研究科特定研究員、内本喜晴 同教授らの研究グループは、田中貴金属工業株式会社、技術研究組合FC-Cubic、横浜国立大学、九州大学、奈良女子大学、島根大学、立命館大学と共同で、水を電気分解して水素を製造する水電解の鍵となる酸素発生反応(OER)において、酸化イリジウム触媒の高い活性の起源を解明しました。 再生可能エネルギー由来の電力を利用した水電解によるグリーン水素の製造は、カーボンニュートラルへ向けたエネルギーシステムの中で重要な役割を果たします。固体高分子水電解は高効率で高純度な水素製造法であり、酸素発生反応(OER)の触媒の特性がさらなる効率...
キーワード:マルチモーダル/再生可能エネルギー/関数解析/X線吸収分光/光電子分光/相関関数/X線回折/軟X線/赤外分光/高分子/エネルギーシステム/電気分解/電子分光/イリジウム/貴金属/酸素発生反応/カーボンニュートラル/分光測定/カーボン/階層構造/酸化物/水素製造/電子顕微鏡/透過電子顕微鏡/分解能/層構造/高分解能
他の関係分野:情報学数物系科学化学総合理工工学医歯薬学
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発表日:2025年8月19日
65
小笠原諸島の絶滅危惧のハト 個体数増加の背景に遺伝的浄化
辻本大地 農学研究科博士課程学生(現:同研究員)、井鷺裕司 同教授、高柳真世 東京動物園協会職員、石井淳子 同職員、坂下涼子 上野動物園職員、堀越和夫 小笠原自然文化研究所理事長、鈴木創 同副理事長らの研究グループは、世界自然遺産・小笠原諸島にのみ生息する絶滅危惧種アカガシラカラスバトが、隔絶された小さな島で長年にわたって生き延びてきた過程において、有害な突然変異がゲノムから除去される、いわゆる「遺伝的浄化」が起きていたことを明らかにしました。 一般的に生物が絶滅寸前まで減少すると、近親交配によって劣性の有害変異が発現し、個体数の回復力が著しく低下します。アカガシラカラスバトは200...
キーワード:突然変異/カラス/ゲノム構造/絶滅危惧種/生物多様性/ゲノム情報/ゲノム
他の関係分野:工学農学医歯薬学
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発表日:2025年8月9日
66
地熱システムをモデリングする新手法の開発
―自然法則×機械学習による地下の特徴の理解―
附属工学基盤教育研究センターの石塚師也 講師は、九州大学大学院工学研究院地球資源システム工学部門の石須慶一助教、産業技術総合研究所再生可能エネルギー研究センター地熱研究チームの渡邉教弘主任研究員、山谷祐介研究チーム長、東北大学流体科学研究所の鈴木杏奈准教授、ローレンス・バークレー国立研究所の万代俊之博士研究員(研究当時)らと共同で、地熱地域で得られた観測データを基に、地熱システムをモデル化し、地下の高温域および高透水領域の分布、地熱流体の流動経路と移動量等を予測する新たな機械学習手法を開発しました。地熱資源開発においては、観測データを基に直接は見ることのできない地下の状態や資源の分...
キーワード:ニューラルネットワーク/機械学習/再生可能エネルギー/システム工学/ニューラルネット/モデリング/モデル化/資源開発/数値モデル/妥当性
他の関係分野:情報学工学医歯薬学
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発表日:2025年8月9日
67
リュウグウに残された“衝撃の痕跡”を再現
―実験で迫る原始太陽系小天体の衝突の記憶―
野口高明 理学研究科教授、松本徹 白眉センター/理学研究科特定助教、三宅亮 理学研究科准教授、伊神洋平 同助教は、広島大学、国立極地研究所、物質・材料研究機構、海洋研究開発機構、大阪公立大学と共同で、小惑星リュウグウに似た「CIコンドライト」という種類の隕石に小惑星同士の衝突を模擬した人工的な衝撃を加える実験を行いました。この隕石は、小惑星リュウグウと似た物質や化学組成を持っています。今回の実験により、リュウグウの粒子で確認された衝突による特徴を再現することに成功しました。 小惑星リュウグウに代表されるC型小惑星は、水を含んだ鉱物と炭素を含む岩石でできており、その構成は「CIコンドラ...
キーワード:極地/海洋/リュウグウ/化学組成/小惑星/太陽/太陽系/惑星/隕石/ひび割れ/電子顕微鏡/二酸化炭素
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年8月7日
68
細胞の情報伝達を制御する足場脂質
―アレスチンと膜脂質の協調作用による受容体の細胞内取り込み機構―
細胞はGタンパク質共役型受容体(GPCR)と呼ばれる細胞表面のセンサータンパク質を用いて、外界からの情報分子を細胞内に伝えます。この情報伝達の効率を調節する重要な仕組みの一つに、GPCRの細胞内への取り込み(内在化)による情報伝達の収束があり、アレスチンというタンパク質がその役割を担います。アレスチンがGPCRと結合する際に、機能性膜脂質であるPIP2が関わることが報告されていますが、その詳細な分子機構は不明な点が多く残されていました。 井上飛鳥 薬学研究科教授(兼:東北大学教授)、倉本律輝 東北大学博士課程学生らの研究グループは、アレスチンがPIP2...
キーワード:センサータンパク質/センサー/機能性/膜脂質/細胞膜/分子機構/GPCR/Gタンパク質/Gタンパク質共役型受容体/受容体/創薬/脂質
他の関係分野:工学農学医歯薬学
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発表日:2025年8月2日
69
宇宙空間の電気の偏りはやはり“逆”だった?
―地球周辺の宇宙空間における帯電をめぐる謎に迫る―
海老原祐輔 生存圏研究所教授、平原聖文 名古屋大学教授、田中高史 九州大学名誉教授の研究グループは、シミュレーションを用いた研究を行い、地球周囲の宇宙空間における電気の偏り(帯電)の極性は従来の考えとは逆であるという最近の人工衛星観測結果を、プラズマの運動によって説明できることを示しました。この成果は、宇宙環境変動に重要な役割を果たす大規模なプラズマ流の本質的な理解に繋がるものです。 本研究成果は、2025年7月10日に、国際学術誌「Journal of Geophysical Research: Space Physics」に掲載されました。...
キーワード:環境変動/衛星/衛星観測/シミュレーション/人工衛星
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年8月2日
70
⽝は⼈を評価する?
―飼い犬は「気前のよい人」を選ぶのか―
「犬には人を見る目がある」とよく言われますが、犬が人間の行動を観察し評価しているかは、まだ明らかではありません。以前にオーストリア・ウルフ・サイエンス・センター(Wolf Science Center)で行われた研究では、群れ飼育の犬やオオカミは人間についての評価を形成しないことが示されていました。 この度、ジム・ホイラム 人と社会の未来研究院特定研究員(研究当時:オーストリア・ウィーン獣医大学(University of Veterinary Medicine, Vienna)博士課程学生)らは、同獣医大学クレバー・ドッグ・ラボ(Clever Dog Lab)でペット犬40頭を対象...
キーワード:社会的認知/オーストリア/認知能力
他の関係分野:情報学医歯薬学
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発表日:2025年7月30日
71
西之島の大規模噴火により絶滅した植物個体群の起源を解明
中野智之 フィールド科学教育研究センター准教授、野田博士 理学研究科特定助教、髙山浩司 東京都立大学教授らの研究チームは、小笠原諸島の西之島にかつて生育していたスベリヒユ(Portulaca oleracea)の遺伝的特徴を解析し、同島の個体群が小笠原諸島の他の島から由来していたことを明らかにしました。さらに、西之島の個体群は独自の遺伝的組成を持つことから、定着過程における創始者効果や遺伝的浮動の影響を強く受けた可能性が示唆されました。本研究は、激しい火山活動により植生が完全に消失した西之島にかつて生育していた植物群落の成立過程を遺伝子情報に基づき解明したもので、海洋島におけ...
キーワード:海洋/火山活動/個体群/植物群落/海洋生物/生態系/遺伝子
他の関係分野:数物系科学生物学農学医歯薬学
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発表日:2025年7月28日
72
「色の変化」で目に見えない有害物質の存在を知らせる金属材料を開発
–3d遷移金属錯体で検出できる物質の拡大に期待–
ガラス基礎科学講座の増野敦信 特定教授ら弘前大学大学院理工学研究科の村上辰成 大学院生(博士後期課程2年生)、太田俊 准教授、岡﨑雅明 教授の共同研究グループは、揮発性有機化合物(VOC)を検出する新たなメカニズムを発見しました。VOCは、常温常圧で揮発性を有し、大気中へと放出されやすい有機化合物の総称です。VOCの多くは、健康被害や大気汚染を引き起こすため、高価な分析機器を用いずにVOCを検出できる材料が求められています。そのような材料として、化合物の蒸気に応答して可逆的に色が変化する性質(ベイポクロミズム)を示す3d遷移金属錯体が注目されています。しかし、従来の3d遷移金属錯体の...
キーワード:揮発性有機化合物/カゴメ格子/アニオン/カルベン/ヘテロ環/金属錯体/遷移金属錯体/遷移金属/有害物質/メタン/金属材料/大気汚染/カチオン
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学医歯薬学
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発表日:2025年7月22日
73
カンムリワシはなぜ有毒外来種を捕食できるのか
―毒耐性遺伝子の進化的背景―
日本では沖縄県の西表島と石垣島のみに生息するカンムリワシは、絶滅危惧IA類に指定される希少な猛禽類です。カンムリワシの特徴的な生態のひとつに、「外来種である毒を持つオオヒキガエルを食べる」という行動が挙げられます。 強い毒を分泌することで知られるオオヒキガエルは、1978年に石垣島に持ち込まれました。同様に、オオヒキガエルが人為的に持ち込まれたオーストラリアでは、その毒によって捕食者が中毒死した例が報告されています。しかし、石垣島のカンムリワシはこのカエルを食べている姿が頻繁に観察されているにもかかわらず、中毒症状を起こしたという報告例はありません。なぜカンムリワシはオオヒキガエルを...
キーワード:外来種/生態系保全/カエル/生態系/遺伝子
他の関係分野:農学医歯薬学
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発表日:2025年7月11日
74
サンゴ共生藻類の進化の道筋
―自由生活から共生生活へ:デンプンから紐解く分子進化メカニズム―
熱帯・亜熱帯海域のサンゴ礁は海洋生物の多様性を支える重要な生態系ですが、この生態系はサンゴの細胞内に共生する藻類である褐虫藻の共生によって支えられています。 石井悠 農学研究科特定研究員(兼:同日本学術振興会特別研究員(RPD)、東京大学客員連携研究員)、神川龍馬 同准教授、丸山真一朗 東京大学准教授らの共同研究グループは、サンゴ礁の健全な維持に不可欠な共生藻類である褐虫藻(Symbiodiniaceae科藻類の総称)の遺伝子解析を通じて、共生生活への進化を駆動した遺伝的メカニズムの一端を解明しました。本研究では、特に「Symbiodinium(シンビオディニウム属...
キーワード:海洋/地球温暖化/比較ゲノム解析/自然選択/分子進化/デンプン/海洋生物/生態系/サンゴ礁/温暖化/褐虫藻/比較ゲノム/ゲノム情報/differentiation/遺伝子解析/ゲノム解析/分子機構/ゲノム/遺伝子
他の関係分野:生物学農学医歯薬学
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発表日:2025年7月11日
75
極端現象と気候変動の関係を迅速に推定する新手法の開発
―統計的アプローチによる新しいイベント・アトリビューション―
田中智大 防災研究所准教授は、高橋千陽 東京大学特任助教、今田由紀子 同准教授、川瀬宏明 気象庁気象研究所室長と共同で、ある特定の極端現象の発生確率に対する自然変動と人間活動の影響を評価する「イベント・アトリビューション(EA)」の迅速化を目的とした、新たな統計的手法を開発しました。従来のEA手法では、現実的な気候条件と、温暖化がなかったと仮定した気候条件下で大量のシミュレーションを実施して発生確率を見積もるため、極端事例発生から結果の提示に1〜2か月を要していました。本研究では、既存の大規模シミュレーションデータをもとに、実際に観測された全球の海面水温変動やそれに関連する大気変動を入力値とし...
キーワード:統計モデル/人間活動/情報発信/海面水温/気候変動/シミュレーション/大規模シミュレーション/温暖化/統計的手法
他の関係分野:情報学数物系科学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年7月4日
76
黒い煙に隠された鉄ナノ粒子
―大気汚染の実態を磁性から解明―
土屋望 エネルギー科学研究科助教、松木篤 金沢大学准教授、川﨑一雄 富山大学准教授らの共同研究グループは、大気エアロゾル試料の磁性とブラックカーボン(BC)の観測という独自の組み合わせによって、新たな大気汚染の判別法を確立し、燃焼由来マグネタイトの動態を明らかにしました。 PM2.5中に含まれる酸化鉄、特にマグネタイトは燃焼排出に由来し、酸化ストレス増大による健康リスクや太陽光吸収・海洋プランクトンへの施肥効果を通じた気候変動への関与が指摘されています。しかし観測手法の制約から、その燃焼排出源や季節変動については、知見が不足していました。 本研究ではマグネタイトの磁性に着目...
キーワード:PM2.5/バイオマス燃焼/ブラックカーボン/海洋/時間分解/温室効果/観測手法/気候変動/季節変動/太陽/超伝導/太陽光/時間分解能/光吸収/健康リスク/酸化鉄/カーボン/シミュレーション/ナノ粒子/マグネタイト/化学分析/分解能/バイオマス/プランクトン/大気汚染/ストレス/酸化ストレス
他の関係分野:数物系科学総合理工工学農学医歯薬学
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発表日:2025年6月23日
77
超高容量かつ低コストの鉄系全固体フッ化物イオン二次電池正極材料の開発
山本健太郎 人間・環境学研究科特定准教授(現:奈良女子大学准教授)、内本喜晴 同教授らの研究グループは、量子科学技術研究開発機構、東京大学、兵庫県立大学、東京科学大学、トヨタ自動車株式会社と共同で、リチウムイオン二次電池正極容量をはるかに超える全固体フッ化物イオン二次電池新規高容量インターカレーション正極材料の開発に成功しました。 本研究では、ありふれた鉄(地殻存在度4位)、カルシウム(地殻存在度5位)、酸素(地殻存在度1位)を主成分とするCa0.8Sr0.2FeO2Fxが既存のリチウムイオン二次...
キーワード:分析技術/X線吸収分光/X線回折/非弾性/正極材料/リチウムイオン二次電池/インターカレーション/分子状酸素/蓄電池/電池/リチウム/酸化物/自動車/電気自動車/二次電池/結晶構造/層構造/カルシウム
他の関係分野:数物系科学総合理工工学農学医歯薬学
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発表日:2025年6月20日
78
海洋の窒素循環を解明する新たな研究
~アナモックスの酸素同位体分別測定に初めて成功~
大西雄二 生態学研究センター日本学術振興会特別研究員(PD)、木庭啓介 同教授は、岡部聡 北海道大学教授、小林香苗 海洋研究開発機構特任研究員らと共同で、嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)反応における酸素同位体分別(18ε)を求めることに世界で初めて成功しました。 海洋の窒素循環は、地球環境の維持に不可なサイクルであり、その仕組みを正確に理解することにより、気候変動対策や生態系の保全に大きく寄与することができます。しかし、その中で重要な役割を果たす嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)による窒素除去のプロセスについては、まだ...
キーワード:窒素循環/海洋/気候変動/酸素同位体/酸素同位体比/地球化学/同位体/同位体分別/同位体比/アンモニア/分子状酸素/地球環境/同位体効果/生態系/生態学/細菌
他の関係分野:数物系科学化学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年6月14日
79
超伝導ダイオード効果の新しい背景学理を発見
〜超省電力な情報回路の実現に大きく前進〜
電子工学専攻の永田歌寧 修士課程学生、白石誠司 教授らのグループは理学研究科の栁瀬陽一 教授、松田祐司 教授らと共同で、超低消費な情報回路の構築のために強力な武器となる超伝導体が示すダイオード(整流)効果に関する新しい背景学理を発見しました。超伝導ダイオード効果は2020年に京都大学の研究グループによって発見された新しい効果であり、超伝導体に電流を流す際に、電流を流す方向によって抵抗がゼロの超伝導状態になったり抵抗が有限の常伝導状態になったりする効果を言います。つまり、onとoffの2値状態をゼロ抵抗である超伝導体1つで実現できるため、将来的にこの効果を活かした超省電力な情報回路の実...
キーワード:セレン/空間反転対称性の破れ/対称性/超伝導体/熱電効果/磁場/超伝導/空間反転対称性/温度分布/対称性の破れ/結晶構造
他の関係分野:数物系科学総合理工工学農学
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発表日:2025年6月14日
80
次世代半導体中の欠陥からの磁場による発光の増強と単一光子発生
―量子情報通信のためのデバイスの高性能化への新たなアプローチ―
インターネットに代表される古典的な光通信は、セキュリティの面において限界がある事が指摘されています。これに対して、量子力学の原理に基づく光の粒子性(単一の光子)を利用した量子情報通信では、こうした根本的な限界を克服する可能性があり、より安全な次世代の通信技術として注目を集めています。 Yubei Xiang エネルギー科学研究科博士課程学生、篠北啓介 エネルギー理工学研究所助教(現:分子科学研究所准教授)、松田一成 同教授、渡邊賢司 物質・材料研究機構特命研究員、谷口尚 同理事らの研究グループは、次世代半導体である二セレン化タングステン(WSe2)にわずかな欠陥...
キーワード:コンピューティング/インターネット/情報通信/セレン/量子情報/量子通信/磁場/タングステン/光通信/単一光子/単一光子源/量子コンピューティング/光学測定/半導体/量子力学
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学工学
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発表日:2025年6月14日
81
エネルギー構造を制御した有機高分子光触媒による高効率CO2変換の実証
―貴金属に頼らない人工光合成系の実現に向けて―
物質エネルギー化学専攻の中田 明伸 講師、石原 弘太郎 修士課程学生(当時)、阿部 竜 教授らのグループは、大阪大学 佐伯 昭紀 教授、岡山大学 山方 啓 教授と共同で「高効率二酸化炭素変換を進行する錯体触媒内蔵型の有機高分子光触媒」を開発しました。緑色植物の光合成反応を模倣し、光エネルギーにより二酸化炭素(CO2)を変換する優れた光触媒の開発が期待されています。光反応の効率を示す指標の一つである反応量子収率が30%を超える値が報告されている、比較的高効率なCO2変換用光触媒には、ルテニウムやレニウムなどの希少金属が光吸収部位として用いられ...
キーワード:最適化/光エネルギー/光反応/高分子/錯体触媒/光合成/共役高分子/有機分子/電荷分離/レニウム/貴金属/可視光/光吸収/人工光合成/光触媒/CO2還元/構造制御/高効率化/二酸化炭素/二酸化炭素/有機高分子/ルテニウム
他の関係分野:情報学化学生物学総合理工工学医歯薬学
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発表日:2025年6月11日
82
空間的な生物多様性を推論するための理論を構築
―生物多様性の地域間の違いや増減を定量評価―
辰巳晋一 農学研究科准教授、入谷亮介 理化学研究所上級研究員らの国際共同研究グループは、空間的な生物多様性の確率分布を推定するための理論を構築しました。本理論は、生物種の在・不在をファジー集合理論の枠組みを用いて表現し、理論物理学で用いられる手法や数学的概念を駆使して解析を行った学際的研究成果です。 本成果は、生息する生物種数の地域間の違いやその増減を定量評価し、生物圏における環境変動が生物多様性に及ぼす影響を予測することに貢献すると期待されます。 生物種数に関する空間的な多様性(ベータ多様性)指数は、その地域差を表す量です。ベータ多様性指数が高いということは、「異なる地域...
キーワード:環境変動/定量評価/生物多様性
他の関係分野:工学農学
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発表日:2025年6月10日
83
海洋性の光合成細菌の窒素固定能力が炭素源の種類で変化
-持続可能な物質生産への貢献を期待-
材料化学専攻 沼田圭司 教授(理化学研究所(理研)環境資源科学研究センターバイオ高分子研究チームチームディレクター)、鈴木美紀 特定研究員、細胞生産研究チームの白井智量 上級研究員らの共同研究グループは、海洋性の紅色非硫黄光合成細菌の窒素固定化効率や固定化された窒素の代謝経路が、環境中の炭素源の種類に応じて変化し、細胞増殖速度に影響することを明らかにしました。本研究成果は、農業用肥料や漁業用飼料だけでなく、生分解性プラスチックの生産ツールとしても期待されている紅色非硫黄光合成細菌を用いた持続可能な物質生産に貢献すると期待されます。紅色非硫黄光合成細菌は、光合成と窒素固定...
キーワード:海洋/太陽/高分子/生分解性プラスチック/窒素固定/光合成/光合成細菌/太陽光/生分解/持続可能/プラスチック/二酸化炭素/物質生産/生分解性/漁業/アミノ酸/細胞増殖/細菌
他の関係分野:数物系科学化学生物学総合理工工学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2025年6月9日
84
光ファイバケーブルを活用した海域・地下構造のイメージング手法を開発
─海域における地震波速度構造の詳細把握の実現─
近年、光ファイバをセンサーとして振動などを捉える分布型音響センシング(Distributed Acoustic Sensing:DAS)が地震観測などに用いられるようになってきました。この技術は、光ファイバ上を数m〜数十mという超高密度の観測点間隔で約100 kmほどの距離まで観測することが可能です。また、海底に設置されている海底光ケーブルでDAS観測を実施することで、海底における地震動の稠密観測を実現することが可能です。海底での地震動の稠密観測は、地震活動のモニタリングや地下構造のイメージングなど、多目的に応用されるようになってきています。 伊藤喜宏 防災研究所教授は、福島駿 東北...
キーワード:地球科学/地下構造/海底ケーブル/地震活動/地震波/地震波速度/地震波速度構造/不均質構造/ケーブル/制御震源/センサー/センシング/モニタリング/地震観測/地震動/二酸化炭素/分解能/空間分解能
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発表日:2025年5月29日
85
南大西洋・サウスサンドウィッチ諸島で2021年に発生した謎の津波地震の震源過程を解明
津波地震は、地上で観測される揺れから予想されるよりも大きな津波を発生させる現象で、発生直後の避難行動が難しくなります。このため、その発生メカニズムや発生リスクを把握しておくことが重要です。例えば、地震の発生場に存在する柔らかい堆積物層の影響で生じる、ゆっくりと一様に進行する断層すべりが津波地震の要因の一つであると解釈されていますが、完全には理解されていません。また、津波地震で観測される地震波形は一様な断層すべりでは説明できないほど複雑な形をしていることがあり、その震源過程の実態は明らかになっていませんでした。 ボグダン・エネスク 理学研究科准教授、八木勇治 筑波大学教授らの研究チーム...
キーワード:海洋/震源過程/堆積物/地震波/沈み込み/沈み込み帯/津波地震/津波/避難行動
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発表日:2025年5月24日
86
温度が変化しても安定した信号を計測できる高分子薄膜を開発
日々の健康状態をより正確に把握する次世代バイオセンサとして、生体親和性に優れ、水中でも安定して動作する有機電気化学トランジスタ(OECT)が近年注目を集めています。高分子化学専攻 山本俊介 准教授(東北大学大学院工学研究科応用化学専攻客員准教授)、東北大学大学院工学研究科の金田一修平 大学院生(研究当時)、三ツ石方也 教授らは、静岡大学工学部、米国ワシントン大学化学科と共同で、OECTの高機能化に取り組み、温度が変化しても安定して動作する素子の作製に成功しました。これは、従来用いられてきた導電性高分子に温度応答性高分子を混合し、さらに適切な架橋剤を用いることで、活性層の安定性を高めた...
キーワード:化学物質/高分子/高分子化学/高分子薄膜/導電性高分子/トランジスタ/温度応答性/電気化学/導電性/膜構造/有機電気化学/温度応答性高分子
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発表日:2025年5月21日
87
森と川の季節的なつながりがアマゴの多様な生き方を育む
上田るい 生態学研究センター研究員、佐藤拓哉 同准教授、金岩稔 三重大学准教授、照井慧 米国ノース・カロライナ大学グリーンズボロー校(University of North Carolina at Greensboro)助教、瀧本岳 東京大学准教授からなる研究グループは、初夏に森林から河川に昆虫などの陸生無脊椎動物が流入することによって、それらを川で餌として利用しているアマゴの生き方が多様になることを明らかにしました。本研究は、森や川といった生態系の季節的なつながりが、生物多様性の一つである種内の多様性維持に貢献することを実証する成果であると同時に、気候変動や人間活動が野生生物に及ぼす影響につ...
キーワード:人間活動/環境変動/気候変動/データ解析/野外実験/脊椎動物/生態系/無脊椎動物/生態学/生物多様性/脊椎
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発表日:2025年5月19日
88
太陽活動とシンクロする海面高度変動
―11年周期の太陽サイクルに合わせて、海と陸の間で水が動いていた―
太陽活動が活発な時期(太陽表面の黒点数が多くなるフェーズ)に、全球平均でみた海面高度は上昇する傾向があります。これは太陽放射の全波長のエネルギー(全放射フラックス)変動の変化による海水の熱膨張では量的に説明できないことが知られており、そのメカニズムは不明でした。 山敷庸亮 総合生存学館教授、John Philip Matthews 名誉教授(Environmental Satellite Applications博士)、増田周平 海洋研究開発機構上席研究員は、利用可能な長期の地球観測データを調べ、パーマー干ばつ深刻度指数(PDSI)と呼ばれる陸水の多寡に関する指数が11年の周期の太陽...
キーワード:海面上昇/フラックス/海洋/エルニーニョ/気候変動/水蒸気/地球観測/衛星/衛星観測/太陽/太陽活動/動特性/熱膨張/水資源/水循環/資源管理
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発表日:2025年5月19日
89
スピン偏極したトポロジカル超伝導状態を発見 ー誤り耐性のある量子計算実現への新たな研究手法を開拓ー
電子工学専攻の大西康介 修士課程学生(研究当時)、大島諒 助教、白石誠司 教授らのグループは京都大学大学院理学研究科の松田裕司 教授、栁瀬陽一 教授と共同で、21世紀の新しい物質「トポロジカル量子物質」(その電子状態がトポロジカルに「捻れた」物質であり、20世紀までに発見されてきた半導体・金属・磁性体などとは根本的に異なる性質を持つ物質)の一種である「トポロジカル超伝導体」の候補物質を用いて、トポロジカル超伝導状態の証拠となり、かつ誤り耐性のある量子計算実現のキーとなる情報担体と期待されているマヨラナ準粒子の存在の間接的証拠でもあるスピン偏極状態を観測することに成功しました。超伝導は...
キーワード:量子計算/セレン/スピン偏極/トポロジカル超伝導/準粒子/超伝導体/固体物性/超伝導/トポロジカル/磁性体/電子状態/ヒステリシス/スピン/電気化学/半導体/光学顕微鏡/結晶構造
他の関係分野:情報学数物系科学総合理工工学総合生物農学
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発表日:2025年5月13日
90
排熱の削減により都市型の局地降水を制御
―都市型豪雨による災害の軽減のために―
都市化や地球温暖化の影響によって、都市型の気象災害の激甚化が懸念されています。中でも、豪雨災害は毎年のように繰り返し発生することから、その対策は社会的に重要な課題です。 入江健太 防災研究所研究員(現:日本原子力研究開発機構研究員)と竹見哲也 同教授の研究グループは、都市型豪雨災害の軽減を目標として、夏季の午後に急速に発達する積乱雲とそれによる局地的な降水を制御するには、ビルや地面からの熱の放出量を都市部において削減することが有効であることを、スーパーコンピュータを使った計算機シミュレーションによって明らかにしました。 シミュレーションでは、ビルからの熱排出や道路からの熱放...
キーワード:スーパーコンピュータ/地球温暖化/気候変動/計算機シミュレーション/都市環境/シミュレーション/原子力/温暖化
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発表日:2025年5月2日
91
なぜ大地震発生直前に電離層が降下するのか?
―鍵となるのは電離層降下の時定数の見積もり―
梅野健 情報学研究科教授、水野彰 同研究員、高明慧 同技術補佐員らの研究グループは、大地震発生直前に起こる電離層降下のメカニズムを解明しました。今まで、大地震発生直前に電離層の降下が観測されましたが、その電離層降下の物理メカニズムは不明でした。 本研究グループは、高温高圧下の地殻の破砕層にある超臨界水中で発生する超微粒子により地表が正極性に帯電し、この破砕層の帯電により地表と電離層間に電界が発生し、その電界により電離層下部の電子が降下することによって電離層を引き下げ、さらに生成された電場を緩和するため電離層の低下速度が減速する物理モデルを構築しました。その物理モデルから予測される時定...
キーワード:情報学/南海トラフ巨大地震/巨大地震/高温高圧/電離層/東北沖地震/南海トラフ/大地震/超微粒子/超臨界/超臨界水/微粒子/物理モデル
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発表日:2025年5月1日
92
深海の謎を解き明かす革新的な手法の開発
―深海頭足類の多様性評価に新たな扉―
中野智之 フィールド科学教育研究センター准教授は、Qianqian Wu(う・せいせい) 神戸大学学術研究員、源利文 同教授、海洋研究開発機構、千葉県立中央博物館、大阪市立自然史博物館、沖縄美ら島財団との共同研究で、 頭足類(主にイカやタコの仲間からなる生物群)のDNAを深海の水から検出する革新的な手法を開発しました。 本研究では「環境DNAメタバーコーディング分析法」を活用し、水中に放出された生物由来の微量なDNA「環境DNA」を解析することで、頭足類の存在を迅速かつ効率的に検出する技術を確立しました。この手法を用いることで、太平洋の西七島海嶺沖合海底自然環境保全地域において、水深...
キーワード:海洋/頭足類/脊椎動物/イオウ/環境保全/生態系/無脊椎動物/環境DNA/脊椎/PCR
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発表日:2025年4月25日
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"水に溶けない有機物"を"水により還元変換"する光触媒系の開発
―人工光合成の適用範囲拡張に向けて―
物質エネルギー化学専攻の中田 明伸 講師、板垣 廉 博士後期課程学生、阿部 竜 教授らのグループは、中央大学理工学部 応用化学科の張浩徹 教授と共同で「水に溶けない有機物を水により還元変換する光触媒系」を開発しました。緑色植物の光合成反応を模倣し、水を反応剤(電子・プロトン源)として用い、光エネルギーにより化合物を合成する「人工光合成」に関する研究は半世紀ほど前から行われてきました。人工光合成は、クリーンで豊富に存在する水を反応剤にすること、また投入した光エネルギー(理想的には太陽光エネルギー)を生成物中に蓄えることで、既存のエネルギー資源(化石資源や電力など)を必要とせず有価物を...
キーワード:光エネルギー/水素生成/水溶液/太陽/光触媒反応/金属錯体/触媒反応/反応場/光合成/太陽光/電子輸送/フェロセン/人工光合成/還元反応/電荷輸送/光触媒/二酸化炭素/半導体/有機物/光分解/プロトン/レドックス
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発表日:2025年4月24日
94
きょうだいと育つと花が大きくなる?その条件を理論的に解明
山尾僚 生態学研究センター教授、冨塚暖史 東京都立大学修士課程学生、立木佑弥 同助教らの共同研究グループは、進化シミュレーションを用いて、数万年にわたる植物の花の進化を再現し、植物が血縁個体(親や兄弟など遺伝的に近い個体)と生育する際に、花を大きくする行動が進化する理由(究極要因)を特定し、また、その進化条件を明らかにしました。 これまでの研究では、植物は血縁個体と一緒に育つと、非血縁個体と育つ場合に比べて花弁が大きくなることが栽培実験を通じて明らかにされています。この現象を報告した研究者たちは、隣接個体が血縁者であるときに花弁サイズを大きくし、自らコストを支払う一方で、血縁者の受粉...
キーワード:フリーライダー/ライダー/協力行動/シミュレーション/生態学
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発表日:2025年4月21日
95
フッ化物イオン電池向けイオン液体電解液の開発
若宮淳志 化学研究所教授、タン・テンセイ 同博士課程学生らの研究グループは、安部武志 工学研究科教授の研究グループとの共同研究成果として、フッ化物イオン電池(FIB)が室温で安定に充放電可能なイオン液体電解液を開発しました。新たに開発したイオン液体([MNPA][TFSI]および[NPPA][TFSI])は、四級アンモニウムフッ化物塩(Np2F)をよく溶かし(>0.7 M)、得られたイオン液体電解液は、従来の電解液よりも化学安定性が高く、室温で長時間(>100 h)安定にフッ素アニオンを電極間でシャトル輸送できることも確認しました。開発したイオン液体は、電解液...
キーワード:再生可能エネルギー/太陽/アニオン/イオン液体/蓄電池/電解液/有機材料/太陽電池/電池/フッ素/自動車/新エネルギー/電解質/電気自動車
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発表日:2025年4月18日
96
湖と海で環境DNAの拡散距離は異なる
―生物多様性調査に向けた環境DNAの"生態"の解明―
環境DNA技術は、生物の分布や組成を水中に漂うDNA情報から推測できるため、非侵襲的かつ省コストな生物多様性の調査手法として近年世界中で有望視されています。環境DNAは水の流れや重力に沿って移動するため、その拡散範囲や沈降速度の理解が重要です。しかしながら、湖沼や海洋ではこうした移動特性の知見が乏しく、生物分布をどの程度の空間解像度で反映できるかは分かっていませんでした。 そこで、相馬寿明 情報学研究科特定研究員(兼:同日本学術振興会特別研究員(PD))、村上弘章 東北大学助教、中臺亮介 横浜国立大学講師の研究グループは、湖沼と海洋での環境DNAの移動拡散に関するこれまでの文献を収集...
キーワード:情報学/海洋/湖沼/モニタリング/動特性/環境DNA/生物多様性/非侵襲/標準化
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発表日:2025年4月17日
97
「南岸低気圧」の活動が春に活発になるメカニズムを解明
本州南岸を東進する「南岸低気圧」は、太平洋側の人口・産業集積地帯に大雨や大雪をもたらし、農業、交通、物流、再生可能エネルギーによる発電など、私たちの社会や経済に大きな影響を及ぼします。この南岸低気圧が春に多く発生することは知られていますが、その理由は解明されていませんでした。 吉田聡 防災研究所准教授、岡島悟 筑波大学准教授、中村尚 東京大学シニアリサーチフェロー(特任研究員)らの研究グループは、全球の大気データから移動性高低気圧を客観的に抽出する手法を開発し、北太平洋の高気圧・低気圧活動の季節性や近年の変化のメカニズムを明らかにしています。同グループは今回、この手法を数十年間にわた...
キーワード:再生可能エネルギー/地球温暖化/ジェット気流/気候変動/北太平洋/ユーラシア/温暖化/東シナ海
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発表日:2025年4月9日
98
複数分子からなる人工的な環状積層構造において電荷やエネルギーが周回する特異な現象を証明
自然界では、光合成を行う植物中において色素分子が環状に並んだ集合体をアンテナとして、光エネルギーを効率的に集めて利用しています。このような環状に並んだユニットの間を電荷やエネルギーが周回する現象はトロイダル共役と呼ばれ、これまで人工的な物質では1つの分子内の現象としてのみ知られていました。大阪公立大学大学院理学研究科の酒巻 大輔准教授、藤原 秀紀教授、工学研究科の松井 康哲准教授、池田 浩教授、新潟大学共用設備基盤センターの古川 貢准教授、合成・生物化学専攻の清水 大貴助教らの研究グループは、平面構造を持つ人工色素分子であるフタロシアニンの周りに、電子を受け渡しやすいユニット(電子ド...
キーワード:アンテナ/情報学/産学連携/光エネルギー/ポリビニルアルコール/X線結晶構造解析/結晶構造解析/光合成/フタロシアニン/構造制御/積層構造/X線結晶構造/ホウ素/結晶構造/層構造/アルコール/分子設計
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発表日:2025年4月4日
99
国内飼育コツメカワウソのDNAから地理的由来を推定
―コツメカワウソの違法取引の手がかりを探る―
密猟と野生生物の違法取引は、野生動物の絶滅の危機の主要な要因のひとつです。アジアでは、ペットのカワウソの違法な取引が種の存続を脅かしています。商業目的のコツメカワウソ(Aonyx cinereus)の国際取引は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約:CITES)の付属書Iで禁止されています。しかし、カワウソの密輸は依然として横行しており、近年テレビやSNSの影響によるペット需要の高まりから、日本は出所があいまいな飼育カワウソの主要な輸出先のひとつとされています。 そこで、藤原摩耶子 野生動物研究センター特定准教授、村山美穂 同教授、...
キーワード:SNS/ソーシャルネットワークサービス(SNS)/情報学/産学連携/ワシントン条約/ミトコンドリアDNA/遺伝的多様性/ミトコンドリア/遺伝子
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発表日:2025年3月24日
100
「ひねり」のきいた超伝導
―超伝導状態を制御する新手法―
淺野舜 理学研究科修士課程学生、栁瀬陽一 同教授、成塚政裕 理化学研究所研究員、町田理 同上級研究員、花栗哲郎 同チームリーダーの共同研究チームは、原子レベルの薄さの超伝導体のシートを他の原子シートと積み重ね、さらに結晶軸にひねりを加えることで、超伝導の性質を制御できることを発見しました。 近年、原子数個分の厚さしかないシート状物質の作製が可能になり、関心を集めています。このような原子シートには、金属、磁性体、超伝導体など、さまざまな物性を示す数多くの種類がありますが、複数のシートを積層すると、さらに新しい物性が現れます。積層する際にシートを互いにひねると物性に劇的な変化が現れること...
キーワード:産学連携/セレン/超伝導体/超伝導/原子層/磁性体/走査型トンネル顕微鏡/ニオブ/電子状態/グラフェン/トンネル
他の関係分野:複合領域数物系科学総合理工工学
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発表日:2025年3月17日
101
従来比約30倍の変換効率を示す二酸化炭素還元光触媒を共同開発
国立大学法人京都大学と住友金属鉱山株式会社は、両者が2022年6月1日付で京都大学大学院工学研究科に開設した住友金属鉱山二酸化炭素有効利用産学共同講座において、二酸化炭素(CO2)を従来比約30倍の変換効率で一酸化炭素(CO)へ還元する紫外光応答型光触媒を開発しました。両者が研究開発を進めているCO2還元光触媒を用いると、光エネルギーを利用して、CO2をプラスチックの原料となるCO等へ変換することができます。本技術確立により、温室効果ガスであるCO2を再資源化するとともに、より少ない石油資源でプラ...
キーワード:最適化/情報学/産学連携/光エネルギー/温室効果ガス/再資源化/温室効果/タンタル/光応答/二酸化炭素還元/半導体光触媒/カーボンニュートラル/光照射/光触媒/カーボン/CO2還元/ナノ粒子/プラスチック/二酸化炭素/半導体/表面処理
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学化学生物学総合理工工学
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発表日:2025年3月14日
102
AIによる外来カエル類の自動検出法の開発
―世界自然遺産・西表島への定着を防ぐために―
人間によって本来の分布域外に運ばれ定着した外来種は、定着先の生物多様性に大きなダメージを与えることがあり、外来種問題の対策が世界的に課題となっています。外来種はいったん数が増えると根絶が難しく、侵入初期に発見し、増殖を防ぐことが重要です。侵入をモニタリングするための人員や予算はしばしば極めて限られていますが、近年急速に発展したAI技術を活用し、野外に設置したカメラや音声レコーダーで記録された外来種を自動検出することができれば、侵入の早期検出に大いに役立つと考えられます。 そこで木村楓 理学研究科博士後期課程学生、福山伊吹 人間環境学研究科博士後期課程学生(現:北海道大学日本学術振興会...
キーワード:情報学/人工知能(AI)/産学連携/外来種/両生類/モニタリング/カエル/水田/生物多様性/早期発見
他の関係分野:情報学複合領域生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年3月14日
103
幼児が大人と同じような色の感じ方をすることを発見
―子どもの意識経験を評価する新しい手法の開発―
赤色を見たときに赤らしさ(「色クオリア」)を感じるように、私たちは様々な色を見て、その質感を感じています。しかし、他の人が同じように色を感じているのかどうかを知ることは簡単ではありません。特に、子どもは大人と同じように色を感じているのでしょうか。この問いは、発達心理学において重要な課題でしたが、子どものクオリアを科学的に調べることが難しく、長らく研究が進んでいませんでした。 森口佑介 文学研究科准教授、渡部綾一 同研究員、王珏 同博士課程学生、土谷尚嗣 オーストラリア・モナシュ大学(Monash University)教授、Ariel Zeleznikow-Johnston 同研究員...
キーワード:発達心理学/情報学/産学連携/オーストリア/スマートフォン/子育て
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発表日:2025年3月14日
104
日本農地における安定な土壌微生物群集を推定
―細菌・真菌群集の安定状態とその機能―
藤田博昭 生命科学研究科助教と東樹宏和 同教授は、日本全国の農地を対象として、土壌中の細菌および真菌群集の構造(組成)が安定した状態にあるかどうかを俯瞰的に評価しました。 生態系内では、様々な生物種がお互いに関わり合っています。この関わり合いにおける「相性」によって、落ち着きどころよい種組成(「安定状態」)へと生物群集の構造が向かっていくと考えられます。ただ、生物群集の組成が落ち着く先は、1つとは限りません。ボールが凸凹した地形を転がって、別の凹地へと向かっていくように、複数の安定な状態があるかもしれません。こうした複数の安定な状態を、生態学では「代替安定状態」と呼びます。...
キーワード:産学連携/微生物群集/統計力学/生物群集/農地/生態系/群集構造/生態系機能/土壌/土壌微生物/生態学/微生物/微生物叢/細菌/真菌
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学農学医歯薬学
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発表日:2025年3月4日
105
RNAスプライシング制御によるCOVID-19重症化リスク低減
―遺伝的脆弱性を緩和する薬剤候補の同定―
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は2019年に発生し、世界中で多くの人々に感染し、数百万人以上の命を奪いました。COVID-19の重症化に関連する遺伝的な要因として複数のSNPs(一塩基多型)が特定されましたが、これらのSNPsがどのようにしてCOVID-19の重症化に関与するのかはまだ十分に解明されていませんでした。 飯田慶 医学研究科特定助教(研究当時)、網代将彦 同特定講師(研究当時)、野田岳志 同教授、萩原正敏 同教授(研究当時)らの研究グループは、COVID-19の重症化にかかわるSNPsのうち、2'-5'-オリゴアデニル酸合成酵素1(oligoadenylat...
キーワード:産学連携/脆弱性/RNAスプライシング/ゲノム情報/ウイルス感染症/臨床応用/SNP/新型コロナウイルス/RNA/スプライシング/ウイルス/ゲノム/遺伝子/一塩基多型/感染症/新型コロナウイルス感染症
他の関係分野:複合領域農学医歯薬学
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発表日:2025年2月21日
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シマウツボは宿主植物を柔軟に変化させて生き延びた
―海洋島における全寄生植物の適応進化―
西村明洋 理学研究科博士課程学生(現:神戸大学博士研究員)と高山浩司 同准教授の研究グループは、小笠原諸島固有寄生植物のシマウツボが、宿主植物を柔軟に変化させながら海洋島で生き延びてきたことを明らかにしました。 陸上植物の中には、他の植物から養分や水分を吸収して生きる「寄生植物」と呼ばれるものが存在します。寄生植物は種ごとに様々な宿主植物に寄生することが知られていますが、長い進化の歴史の中でどのような過程を経て宿主種を変化させてきたのかは謎に包まれていました。 本研究では、小笠原諸島固有寄生植物シマウツボ(ハマウツボ科)の宿主植物を網羅的に同定し、系統ゲノミクスおよび集団遺...
キーワード:産学連携/海洋/ゲノミクス/適応進化/現地調査/集団遺伝学/遺伝学
他の関係分野:複合領域生物学工学農学医歯薬学