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京都大学 研究Discovery Saga
2025年4月17日

「南岸低気圧」の活動が春に活発になるメカニズムを解明

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
環境学数物系科学農学
【Sagaキーワード】
再生可能エネルギー/地球温暖化/ジェット気流/気候変動/北太平洋/ユーラシア/温暖化/東シナ海
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

本州南岸を東進する「南岸低気圧」は、太平洋側の人口・産業集積地帯に大雨や大雪をもたらし、農業、交通、物流、再生可能エネルギーによる発電など、私たちの社会や経済に大きな影響を及ぼします。この南岸低気圧が春に多く発生することは知られていますが、その理由は解明されていませんでした。
 吉田聡 防災研究所准教授、岡島悟 筑波大学准教授、中村尚 東京大学シニアリサーチフェロー(特任研究員)らの研究グループは、全球の大気データから移動性高低気圧を客観的に抽出する手法を開発し、北太平洋の高気圧・低気圧活動の季節性や近年の変化のメカニズムを明らかにしています。同グループは今回、この手法を数十年間にわたる大気の四次元データに適用しました。その結果、冬から春にかけて、日本の西にあるユーラシア大陸上で大気が暖められるのに伴って、東シナ海周辺で下層の西風ジェット気流が強まり、低気圧が発生しやすくなるために、南岸低気圧の活動が春にピークとなることが明らかになりました。
 南岸低気圧の季節性を引き起こすメカニズムを知ることは、温暖化時の変化の理解を深め、日本域の季節予報の精度向上につながると期待されます。
 本研究成果は、2025年4月16日に、国際学術誌「Journal of Climate」にオンライン掲載されました。
本研究で明らかになった南岸低気圧活動の春のピークのメカニズム
研究者のコメント 「新進気鋭の岡島悟さんが主導した研究です。春に南岸低気圧が多いのは経験的に知られていましたが、どうして多いのかは意外にもわかっていませんでした。冬から春へ季節が進む中、ユーラシア大陸が暖まっていくと起こる現象であることがわかりました。今、地球温暖化や気候変動で季節進行が変化しており、これらが春の南岸低気圧の活動にも影響していくのか注目しています。」(吉田聡)

詳しい研究内容について

「南岸低気圧」の活動が春に活発になるメカニズムを解明

研究者情報

研究者名 吉田 聡
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1175/JCLI-D-24-0203.1

【書誌情報】
Satoru Okajima, Hisashi Nakamura, Akira Kuwano-Yoshida, Rhys Parfitt (2025). Mechanisms for an Early Spring Peak of Extratropical Cyclone Activity in East Asia.Journal of Climate, 38, 9, 1981-1997.

関連部局

防災研究所