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研究分野別サイレントキーワード
「強相関電子系」サイレントキーワードを含む研究
【情報学】計算基盤:並列計算機強相関電子系を含む研究件
❏多項式展開法を用いた熱力学量の数値計算における超並列化アルゴリズムの開発(14654068)
【研究テーマ】物性一般(含基礎論)
【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2002 - 2004
【研究代表者】古川 信夫 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (00238669)
【キーワード】多項式展開 / チェビシェフ多項式 / 並列計算機 / 並列化アルゴリズム / モンテカルロ計算 (他8件)
【概要】多項式展開法(Polynomial Expansion Method)による諸物理量の計算アルゴリズムの改良を行った。量子系の諸物理量の計算では従来はハミルトニアン行列の対角化によって固有エネルギーと波動関数を求める必要があった。このため、計算時間は系の自由度Nの3乗に比例し、系の大きさを増大させることが困難であった。多項式展開法を用いることによって行列対角化ではなく単純な行列の積・和の計算のみで...
❏並列計算機による強相関電子系の数値的研究(11640333)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1999 - 2000
【研究代表者】常次 宏一 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / 数値的対角化 / 量子モンテカルロ / 密度行列繰り込み群 / 近藤格子 (他13件)
【概要】本研究計画において強相関電子系の基底状態および有限温度の熱力学を大規模な数値計算を用いて研究した。数百台規模の並列計算機、ベクトル化機能に優れたスーパーコンピュータ、およびそれらの中間にあるワークステーションクラスターの3つのタイプの計算機資源を用いて様々な種類の数値計算を実行し、以下のような成果が得られた。 1次元近藤格子の有限温度における局所物理量の動的相関関数を有限温度密度行列繰り込み群によ...
【情報学】人間情報学:データ・サイエンス強相関電子系を含む研究件
❏物質設計を見据えた強相関理論の構築(21H01041)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【研究代表者】大槻 純也 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60513877)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 超伝導 / 第一原理計算 / 多極子秩序 (他7件)
【概要】本研究では、磁性や超伝導などの機能物性を第一原理的に記述する実用的な理論の構築を目指して、動的平均場法(DMFT法)によって強相関効果を考慮した第一原理計算法(DFT+DMFT法)の発展とその応用に取り組む。全研究期間を通した研究計画は、DFT+DMFT法に関連した理論構築とその適用範囲を検証する“基礎”と適用限界の範囲で強相関化合物の物質設計に応用する“応用”に分かれる。本年度は基礎に関する以下...
❏高次元データの次元圧縮によって実現する磁性と超伝導の第一原理計算(18H01158)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】大槻 純也 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60513877)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 超伝導 / 第一原理計算 / スパースモデリング (他12件)
【概要】強相関電子系化合物では、多数の電子がクーロン斥力によって強く相互作用しあうことで、磁性や超伝導などの実用的に有用な様々な機能物性が発現する。それらの物性を理解する上で、外場への応答を表す感受率が重要な役割を果たす。しかし、現実の強相関化合物に対する感受率の計算は、数値計算の難しさのために実現していない。本研究では、データ科学的な方法論を応用することで、強相関化合物の感受率計算の実現に向けた多くの進...
【情報学】情報学フロンティア:密度行列繰り込み群強相関電子系を含む研究件
❏2次元量子モデルに対するメニーコア並列計算機向き並列化・高速化手法の研究開発(23500056)
【研究テーマ】ソフトウエア
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2011 - 2013
【研究代表者】山田 進 独立行政法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究主幹 (80360436)
【キーワード】並列処理・分散処理 / ハイパフォーマンスコンピューティング / アルゴリズム / 量子計算 / メニーコア (他11件)
【概要】本研究ではメニーコア計算機用を対象に、量子多体モデルのシミュレーション手法である密度行列繰り込み群法と厳密対角化法の並列化・高速化を実施した。特に、モデルの物理的性質と計算機のネットワークアーキテクチャを考慮して、高速な通信手法を提案しその有効性を確認した。また、開発したコードを実際の物理問題に適用し、それらの物理的性質についての議論を行った。 ...
❏並列計算機による強相関電子系の数値的研究(11640333)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1999 - 2000
【研究代表者】常次 宏一 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / 数値的対角化 / 量子モンテカルロ / 密度行列繰り込み群 / 近藤格子 (他13件)
【概要】本研究計画において強相関電子系の基底状態および有限温度の熱力学を大規模な数値計算を用いて研究した。数百台規模の並列計算機、ベクトル化機能に優れたスーパーコンピュータ、およびそれらの中間にあるワークステーションクラスターの3つのタイプの計算機資源を用いて様々な種類の数値計算を実行し、以下のような成果が得られた。 1次元近藤格子の有限温度における局所物理量の動的相関関数を有限温度密度行列繰り込み群によ...
❏スピン液体から磁気秩序相への量子相転移の理論的研究(09640417)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1997 - 1998
【研究代表者】常次 宏一 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (80197748)
【キーワード】スピン液体 / スピンギャップ / 反強磁性相関 / 近藤格子 / 量子相転移 (他11件)
【概要】スピン液体状態と反強磁性秩序相の間の磁気的量子相転移点の近傍で、磁気的な異常と同時に電荷のダイナミックスがどのような影響を受けるかという問題を調べた。このために、この磁気的量子相転移に関係した3つの微視的モデルについて数値計算を行った。2本脚梯子系、1次元近藤格子系、電子対ホッピングを含む2次元のt-J模型である。 まず、スピンギャップをもつ金属状態に対しては、梯子系の有限温度における光学伝導度を...
【情報学】情報学フロンティア:機械学習強相関電子系を含む研究件
❏機械学習と物性理論の分野融合的アプローチによる強相関第一原理計算(20K14423)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】野村 悠祐 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (20793756)
【キーワード】機械学習 / 人工ニューラルネットワーク / 強相関電子系 / 手法開発 / 量子多体系 (他11件)
【概要】本研究の目的の一つは、人工ニューラルネットワーク/機械学習と量子多体論を融合した強力かつ汎用的な強相関数値計算手法を開発することである。その新たな手法と密度汎関数理論などの第一原理計算を組みあわせて、実存する強相関電子系へ適用を行い、高精度な定量計算の実現を目指す。そのため、研究の柱は新たな手法開発である。同時に新手法の精度検証も重要な課題になってくる。 今年度は有限温度計算を可能にする新たな人...
❏計算・実験科学の融合による有効ハミルトニアン構築と強相関トポロジカル物質への応用(20H01850)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】山地 洋平 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点, 主任研究員 (00649428)
【キーワード】強相関電子系 / 機械学習 / 量子スピン液体 / ベイズ最適化 / トポロジカル物質 (他6件)
【概要】本研究計画では、量子物質、特にトポロジカルな量子スピン液体と呼ばれる電子状態を実現するため、強相関電子系と呼ばれる、電子間のクーロン相互作用と原子間の電子のトンネリングの効果が拮抗する物質群を解析するための手法開発を行う。研究代表者らが開発を主導してきたオープンソース・アプリケーションHΦを量子多体シミュレータに用い、実験データを入力とし、理論あるいは第一原理電子状態計算に基づく有効ハミルトニアン...
❏強相関物質における格子自由度の役割解明とフォノンがもたらす機能物性の探索(17K14336)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】野村 悠祐 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (20793756)
【キーワード】電子格子相互作用 / 機械学習 / ニッケル酸化物 / 物質デザイン / 超伝導 (他12件)
【概要】磁性や超伝導などの様々な機能物性を示す強相関物質においては、電子自由度がフォノン(格子振動)自由度と密接に絡み合って物性を発現する。これまで電子自由度が作り出す非自明な物性は盛んに研究されているが、強相関物質におけるフォノンの役割に関しては未解明な部分が多い。本研究の目的は、強相関系における電子とフォノン自由度の絡み合いの理解を進展させることであった。本研究では、機械学習を用いた強力な電子格子結合...
【数物系科学】物理学:パルス強磁場強相関電子系を含む研究件
❏ケルビンダブルブリッジを用いたパルス磁場中微小抵抗変化測定法の開発とその応用(18540339)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2006 - 2008
【研究代表者】三田村 裕幸 東京大学, 物性研究所, 助教 (60282604)
【キーワード】強相関電子系 / 金属物性 / 磁性 / 低温物性 / 物性実験 (他8件)
【概要】磁気抵抗効果からはその物質の電子状態の重要な知見が得られるが、一般に金属磁性体では抵抗とその変化が小さい事からパルス強磁場中での計測は技術的に困難とされ、是迄測定実績は殆ど無かった。本研究ではケルビンダブルブリッジ法という特殊な方法を用いた測定システムの開発を行なった。是に由り非常に高い磁場領域で金属磁性体の抵抗が簡便に精度良く測定出来る様になり、今後この分野の進展に大きく寄与すると期待される。...
❏50テスラ強磁場X線内殻分光による伝導電子-局在電子相関系の研究(17340111)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】松田 康弘 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10292757)
【キーワード】放射光X線 / 強磁場 / 強相関電子系 / 価数揺動 / X線磁気円二色性 (他13件)
【概要】放射光X線による内殻分光は、元素・軌道選択性をもつ微視的プローブとして物質科学研究に不可欠となっている。一方、磁場は、電子のスピンや軌道運動に直接作用し、電子状態を精密に変化させることができ、特に低温で量子効果が強く効いた現象を調べる上で、極めて有用な場である。従来、強磁場環境では、技術的な制約から電子状態を調べる手段はあまりなかったが、本研究では、パルス強磁場と放射光X線の組み合わせ技術を開発し...
【数物系科学】物理学:動的相関関数強相関電子系を含む研究件
❏強相関電子系の伝導現象における臨界性の理論(25400359)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】常次 宏一 東京大学, 物性研究所, 教授 (80197748)
【キーワード】動的相関関数 / モット転移 / 光学伝導度 / 強相関電子系 / 反強磁性秩序 (他8件)
【概要】反強磁性秩序発現に伴う金属絶縁体転移近傍の光学電気伝導度をクラスター動的平均場法に基づく大規模数値計算で求め、相互作用による電流が繰り込みを与える頂点補正が光学伝導度の周波数依存性、温度依存性に大きな影響を与えることを発見した。また、フラストレートした強相関電子系のモット金属絶縁体転移の特徴の解明を目指して、最近接サイト間の電荷揺らぎの量子ダイナミクスを同手法を用いて計算し、特にdoublonとh...
❏並列計算機による強相関電子系の数値的研究(11640333)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1999 - 2000
【研究代表者】常次 宏一 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / 数値的対角化 / 量子モンテカルロ / 密度行列繰り込み群 / 近藤格子 (他13件)
【概要】本研究計画において強相関電子系の基底状態および有限温度の熱力学を大規模な数値計算を用いて研究した。数百台規模の並列計算機、ベクトル化機能に優れたスーパーコンピュータ、およびそれらの中間にあるワークステーションクラスターの3つのタイプの計算機資源を用いて様々な種類の数値計算を実行し、以下のような成果が得られた。 1次元近藤格子の有限温度における局所物理量の動的相関関数を有限温度密度行列繰り込み群によ...
【数物系科学】物理学:近藤半導体強相関電子系を含む研究件
❏Ce-T-Al(T=遷移金属)系の純良単結晶育成と冷凍機による物性測定(21540367)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2009 - 2011
【研究代表者】西岡 孝 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (10218117)
【キーワード】重い電子系 / 近藤半導体 / 価数搖動 / 希土類化合物 / フラックス法 (他11件)
【概要】Ce化合物の磁性は,近藤効果とRKKY相互作用の競合を記述するドニアック・モデルで理解できると考えられてきた。CeRu_2Al_<10>は近藤効果が支配的な非磁性基底状態に位置するにも関わらず, 27Kという高い温度で相転移を起こす。我々は純良単結晶および関連物質の多重極限環境下の微視的および巨視的測定から,この相転移はドニアック・モデルでは記述できない新しい相転移であることを提案した...
❏50テスラ強磁場X線内殻分光による伝導電子-局在電子相関系の研究(17340111)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】松田 康弘 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10292757)
【キーワード】放射光X線 / 強磁場 / 強相関電子系 / 価数揺動 / X線磁気円二色性 (他13件)
【概要】放射光X線による内殻分光は、元素・軌道選択性をもつ微視的プローブとして物質科学研究に不可欠となっている。一方、磁場は、電子のスピンや軌道運動に直接作用し、電子状態を精密に変化させることができ、特に低温で量子効果が強く効いた現象を調べる上で、極めて有用な場である。従来、強磁場環境では、技術的な制約から電子状態を調べる手段はあまりなかったが、本研究では、パルス強磁場と放射光X線の組み合わせ技術を開発し...
【数物系科学】物理学:量子スピンホール効果強相関電子系を含む研究件
❏相関電子系におけるトポロジーと量子ダイナミクスの理論的研究(21244053)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2009 - 2011
【研究代表者】永長 直人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60164406)
【キーワード】強相関電子系 / 量子スピンホール系 / 量子ダイナミクス / 強相関電子係 / トポロジカル絶縁体 (他11件)
【概要】固体電子の相対論的効果と電子間相互作用の相乗効果を、トポロジカル絶縁体、半導体、超伝導体など広い範囲の系に対して理論的に研究し、伝導現象、光学現象、磁性、などの物性にどのような形で現れるかを明らかにした。また、強く相互作用する多数の電子に光を当てたときに生じる動的現象を量子力学的シミュレーションで調べて、強相関太陽電池の動作基本原理を明らかにした。 ...
❏スピン・電荷・光-結合系の新機能開拓(15104006)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2003 - 2007
【研究代表者】五神 真 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70161809)
【キーワード】スピン・電荷・光-結合系 / 強相関電子系 / 酸化物エレクトロニクス / 光誘起相転移 / 非線形光学効果 (他12件)
【概要】固体において電子間の相関によって発現する磁性と光学応答の結合などによる特異機能の探索とその応用について、メンバーの連携の下で以下のような研究を進めた。 (宮野)光誘起相転移などの特異物性の応用を念頭に、薄膜試料作製技術の開拓を進め、薄膜中で構造相転移を許容できる事を実証し、永続的光誘起絶縁体・金属転移や新しいタイプの超巨大磁気抵抗効果を見いだした。(十倉)スピンの幾何学配置が誘電応答に与える効果に...
【数物系科学】物理学:量子磁性強相関電子系を含む研究件
❏ハニカム格子イリジウム酸化物の新奇量子スピン液体状態(17H01140)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【研究代表者】高木 英典 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40187935)
【キーワード】量子スピン液体 / Kitaev模型 / 量子磁性 / Ir酸化物 / 強相関電子系 (他12件)
【概要】新奇量子スピン液体の実現は凝縮系物理の最も挑戦的な課題の一つである。特にKitaevが理論的に見出したハニカム格子上の量子スピン液体は、遍歴・局在二種類のマヨラナ粒子からなる厳密解として得られたために、多くの研究者の興味を惹き、現実物質での発現が強く望まれてきた。Kitaev量子スピン液体が期待されるハニカム格子酸化物H3LiIr2O6において相互作用するスピン軌道複合Jeff=1/2モーメントが...
❏フラストレーションの強い新規量子スピン系における量子多体効果の解明(23244072)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2011-04-01 - 2014-03-31
【研究代表者】田中 秀数 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (80188325)
【キーワード】磁性 / 量子スピン系 / フラストレーション / 強磁場 / 量子多体効果 (他14件)
【概要】我々はフラストレーションの強いスピン系での顕著な量子効果を調べた。まず,我々はBa3CoSb2O9の磁化過程を測定し,全磁場領域で磁化曲線が理論と一致することより,この物質が理想に近いスピン1/2三角格子反強磁性体であることを示した。続いて,スピン1/2籠目格子反強磁性体Cs2Cu3SnF12の磁気励起を中性子非弾性散乱で測定し,励起エネルギーが通常とは逆に,スピン波理論で求めた値よりも大きく減少...
【数物系科学】物理学:量子輸送強相関電子系を含む研究件
❏非平衡電子相関による電流揺らぎの解明とその解析手法の開発(16K17723)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】阪野 塁 東京大学, 物性研究所, 助教 (00625022)
【キーワード】近藤効果 / 量子ドット / 非局所相関 / 量子輸送 / 量子相関 (他14件)
【概要】半導体ナノスケール素子によって組み上げられた人工量子系中で観測される、量子多体効果の性質を電流ゆらぎを用いて明らかにした。特に制御された素子の持つ対称性の効果と、多体効果によって形成された量子もつれ状態の特性を明らかにした。具体的にはカーボンナノチューブ量子ドットの近藤効果を磁場やゲート電圧、電極の接合を変化させることにより非線形電流や電流ゆらぎに現れる、フェルミ流体特性を超えた補正項の性質を実験...
❏磁性体における創発電磁気学の創成(24224009)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2012-05-31 - 2017-03-31
【研究代表者】永長 直人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60164406)
【キーワード】ベリー位相 / 創発的電磁気現象 / スキルミオン / モノポール / トポロジカル絶縁体 (他27件)
【概要】実空間および運動量空間の双方における量子力学的ベリー位相に由来する「創発電磁場」の学理を、磁性体を舞台に建設した。実空間ではカイラル磁性体における渦巻状のスピン構造スキルミオンの生成、消去、駆動、読み取り、に対応した動的性質の研究が、理論・実験双方から進展し、エレクトロニクスへの展望が開けた。 運動量空間では、新しい物質群である磁性トポロジカル絶縁体における量子化異常ホール効果の実現と、関連した諸...
【数物系科学】物理学:フェルミ流体強相関電子系を含む研究件
❏非平衡電子相関による電流揺らぎの解明とその解析手法の開発(16K17723)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】阪野 塁 東京大学, 物性研究所, 助教 (00625022)
【キーワード】近藤効果 / 量子ドット / 非局所相関 / 量子輸送 / 量子相関 (他14件)
【概要】半導体ナノスケール素子によって組み上げられた人工量子系中で観測される、量子多体効果の性質を電流ゆらぎを用いて明らかにした。特に制御された素子の持つ対称性の効果と、多体効果によって形成された量子もつれ状態の特性を明らかにした。具体的にはカーボンナノチューブ量子ドットの近藤効果を磁場やゲート電圧、電極の接合を変化させることにより非線形電流や電流ゆらぎに現れる、フェルミ流体特性を超えた補正項の性質を実験...
❏異方的超伝導体の異常超伝導相の解明(17204031)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】松田 祐司 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50199816)
【キーワード】超伝導 / 対称性 / 重い電子系化合物 / 隠れた秩序 / 渦糸格子 (他19件)
【概要】本年度はまず熱伝導による超伝導対称性の実験を行った。特に重い電子系化合物URu2Si2の超伝導対称性を希釈冷凍機温度までの低温で磁場中熱伝導度の測定により決定した。この系はいわゆる隠れた秩序相で超伝導が起こるが超伝導相はあまり研究されていなかった。我々はこの超伝導相が極めて特異なものでありカイラルd波の対称性を持つことを示した。さらに微小ホールプローブを用いた局所磁場測定や電気抵抗の精密測定により...
【数物系科学】物理学:イリジウム酸化物強相関電子系を含む研究件
❏フラストレーション格子磁性体における新奇トポロジカル電子物性の開拓(21K13871)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2021-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】上田 健太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (40835336)
【キーワード】磁性 / 磁気転移 / 強相関電子系 / イリジウム酸化物 / トポロジカル電子状態 (他6件)
【概要】本課題の目的は、フラストレーション格子磁性体において、電子間相互作用と相対論的スピン軌道相互作用の協奏が生み出す新しいトポロジカル電子相を開拓することにある。令和3年度では、(a)パイロクロア型ルテニウム酸化物(Pr1-xCax)2Ru2O7において、電子占有率を制御した試料を合成することに成功し、巨大な異常ホール効果を示す強磁性金属相を発見した。(b)パイロクロア型イリジウム酸化物Pr2Ir2O...
❏ハニカム格子イリジウム酸化物の新奇量子スピン液体状態(17H01140)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【研究代表者】高木 英典 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40187935)
【キーワード】量子スピン液体 / Kitaev模型 / 量子磁性 / Ir酸化物 / 強相関電子系 (他12件)
【概要】新奇量子スピン液体の実現は凝縮系物理の最も挑戦的な課題の一つである。特にKitaevが理論的に見出したハニカム格子上の量子スピン液体は、遍歴・局在二種類のマヨラナ粒子からなる厳密解として得られたために、多くの研究者の興味を惹き、現実物質での発現が強く望まれてきた。Kitaev量子スピン液体が期待されるハニカム格子酸化物H3LiIr2O6において相互作用するスピン軌道複合Jeff=1/2モーメントが...
【数物系科学】物理学:励起子凝縮強相関電子系を含む研究件
❏強結合励起子凝縮系物質のプリフォームドペア状態と非平衡ダイナミクスの理論(20H01849)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【研究代表者】太田 幸則 千葉大学, 大学院理学研究院, 名誉教授 (70168954)
【キーワード】励起子絶縁体 / 励起子凝縮 / 非平衡ダイナミクス / 強相関電子系 / プリフォームドペア (他8件)
【概要】本申請代表者グループの励起子凝縮に関するこれまでの理論研究を背景に、本研究の目的は次の3点を明らかにすることである。すなわち、① 熱的純粋量子状態に基づく変分クラスター近似を用いた強結合励起子凝縮機構の解明 ② 時間発展ランチョス法・時間依存密度行列繰込み群法による励起子相の非平衡ダイナミクスの解明 ③第一原理計算とその解析に基づく低エネルギー有効電子模型の導出。これらにより、超伝導と並ぶフェルミ...
❏強相関系の励起子ボーズ凝縮と超伝導に関する微視理論の展開(26400349)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2014-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】太田 幸則 千葉大学, 大学院理学研究科, 教授 (70168954)
【キーワード】物性理論 / 強相関電子系 / 励起子凝縮 / 励起子絶縁体 / 遷移金属カルコゲナイド (他10件)
【概要】電子正孔対(励起子)の凝縮が熱平衡状態で実現する励起子絶縁体と呼ばれる状態に最近新たな注目が集まっている。本研究では、候補物質Ta2NiSe5を中心に、変分クラスター近似等を用いて理論研究を展開し、次項を明らかにした。(1) 電子格子相互作用やフント結合による励起子凝縮相の相対的安定性、(2) Ta2NiSe5の角度分解光電子分光実験で観測されるフラットバンドの起源、(3) Ta2NiSe5の超音...
【数物系科学】物理学:励起子絶縁体強相関電子系を含む研究件
❏強結合励起子凝縮系物質のプリフォームドペア状態と非平衡ダイナミクスの理論(20H01849)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【研究代表者】太田 幸則 千葉大学, 大学院理学研究院, 名誉教授 (70168954)
【キーワード】励起子絶縁体 / 励起子凝縮 / 非平衡ダイナミクス / 強相関電子系 / プリフォームドペア (他8件)
【概要】本申請代表者グループの励起子凝縮に関するこれまでの理論研究を背景に、本研究の目的は次の3点を明らかにすることである。すなわち、① 熱的純粋量子状態に基づく変分クラスター近似を用いた強結合励起子凝縮機構の解明 ② 時間発展ランチョス法・時間依存密度行列繰込み群法による励起子相の非平衡ダイナミクスの解明 ③第一原理計算とその解析に基づく低エネルギー有効電子模型の導出。これらにより、超伝導と並ぶフェルミ...
❏励起子量子凝縮相の励起状態ダイナミクス(19K14644)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】杉本 高大 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (70756072)
【キーワード】励起子絶縁体 / 遷移金属化合物 / 時間依存ランチョス法 / 行列積状態 / ハバード模型 (他14件)
【概要】物質中において電子と正孔間に相互作用が働いて対(励起子)が自発的に生成され、それらが量子凝縮を起こした系を励起子絶縁体と呼ぶ。近年、その物性の理解が大きく進展している。本年度は励起子絶縁体そのものに関係する成果は得られなかったが、同じく強い電子相関を有する系について派生的に以下の成果を得た。 (1)二次元異方的三角格子上のハバード模型における光誘起スピン秩序転移の研究を行った。この系では基底状態で...
❏軌道物理としての励起子絶縁体の電子状態の解明(17H02916)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017 - 2019
【研究代表者】石原 純夫 東北大学, 理学研究科, 教授 (30292262)
【キーワード】励起子絶縁体 / BiCo03 / スピンダイマー模型 / 四重極相 / マルチフェロイクス (他12件)
【概要】[1]強相関拡張された二軌道ハバード模型では、高スピン(HS)相と低スピン(LS)相の間に励起子絶縁体が現れる。この相境界付近で、弱いスピン軌道相互作用を採り入れると、HS相に内在する四重極自由度の揺らぎにより帯磁率が著しく増強されることを明らかにした。 [2][1]の励起子絶縁体の模型において、変分クラスタ法を用いてvertex補正まで取りいれ、光学電導度を計算したところ、励起子絶縁相においては...
【数物系科学】物理学:異方的超伝導強相関電子系を含む研究件
❏空間反転対称性の人工制御による新奇超伝導状態の探索(20654031)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2008 - 2009
【研究代表者】芝内 孝禎 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00251356)
【キーワード】超格子構造 / 空間反転対称性 / f電子系 / 強相関電子系 / FFLO状態 (他8件)
【概要】本研究の目的は、空間反転対称性が破れている結晶構造を持つ重い電子系超伝導体において期待されている新奇超伝導状態に対する新しい切り口として、重い電子系の薄膜作製技術を用いて、前例のない手法により人工的に重い電子超伝導体の空間反転対称性を制御し、新奇超伝導状態が起こるかどうかの検証をおこなうことである。 本年度の成果としては、昨年度に確立した薄膜成長装置であるMBEシステムのさらなる改良をおこない、1...
❏重い電子の二次元閉じ込め(18654062)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2006 - 2007
【研究代表者】芝内 孝禎 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00251356)
【キーワード】強相関電子系 / 積層構造 / 希土類化合物 / 異方的超伝導 / 反強磁性 (他11件)
【概要】本研究め目的は、分子線エピタキシー法(MBE)による重い電子系Ce化合物の薄膜化技術を完成させ、用いた同じ結晶構造を持ちながら重い電子を持たない通常金属であるLa系化合物との積層構造を作製し、重い電子を擬2次元的に閉じ込めた系を人工的に作り出すこと、およびこのような系での物性測定により、低次元強相関電子系の理解へとつなげていくことである。 本研究の成果としては、まず、薄膜成長装置であるMBEシステ...
❏異方的超伝導体の異常超伝導相の解明(17204031)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】松田 祐司 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50199816)
【キーワード】超伝導 / 対称性 / 重い電子系化合物 / 隠れた秩序 / 渦糸格子 (他19件)
【概要】本年度はまず熱伝導による超伝導対称性の実験を行った。特に重い電子系化合物URu2Si2の超伝導対称性を希釈冷凍機温度までの低温で磁場中熱伝導度の測定により決定した。この系はいわゆる隠れた秩序相で超伝導が起こるが超伝導相はあまり研究されていなかった。我々はこの超伝導相が極めて特異なものでありカイラルd波の対称性を持つことを示した。さらに微小ホールプローブを用いた局所磁場測定や電気抵抗の精密測定により...
【数物系科学】物理学:遷移金属化合物強相関電子系を含む研究件
❏励起子量子凝縮相の励起状態ダイナミクス(19K14644)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】杉本 高大 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (70756072)
【キーワード】励起子絶縁体 / 遷移金属化合物 / 時間依存ランチョス法 / 行列積状態 / ハバード模型 (他14件)
【概要】物質中において電子と正孔間に相互作用が働いて対(励起子)が自発的に生成され、それらが量子凝縮を起こした系を励起子絶縁体と呼ぶ。近年、その物性の理解が大きく進展している。本年度は励起子絶縁体そのものに関係する成果は得られなかったが、同じく強い電子相関を有する系について派生的に以下の成果を得た。 (1)二次元異方的三角格子上のハバード模型における光誘起スピン秩序転移の研究を行った。この系では基底状態で...
❏時間分解共鳴X線散乱による遷移金属カルコゲナイドの光誘起相転移ダイナミクスの解明(16K20997)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (30738365)
【キーワード】共鳴軟X線散乱 / 電子構造 / 光誘起相転移 / 強相関電子系 / 遷移金属化合物の電子構造 (他14件)
【概要】共鳴軟X線散乱を用いて遷移金属カルコゲナイドの示す相転移と超伝導に関する電子構造研究を行った。Ir1-xPtxTe2の研究では低温での電荷秩序の周期が5倍、8倍及び6倍と様々に変化することを見出した。またAFe2Se3の研究では、CsFe2Se3においては磁気秩序による散乱のみが観察されるが、超伝導に近いBaFe2S3においては、磁気秩序と軌道秩序が共存するが、散乱信号はエネルギーと偏光の両面で分...
❏強相関物質表面での光誘起相転移の光電子分光(19340092)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2007 - 2009
【研究代表者】溝川 貴司 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (90251397)
【キーワード】強相関電子系 / 光誘起相転移 / 光電子分光 / 光メモリー / 光スイッチ (他10件)
【概要】遷移金属化合物の磁性体や誘電体の表面において、可視光や紫外線によって誘起される電子状態の変化を光電子分光法によって研究した。特に、電子相関効果によって電子が複雑なスピン・電荷・軌道状態を持つマンガン酸化物において、可視光によって電子のスピン・軌道が大きく変化することを観測した。また、チタン酸化物の表面において紫外線で励起された電子の振る舞いを解明し、電子のスピンの光制御の可能性を示した。 ...
【数物系科学】物理学:超高速現象強相関電子系を含む研究件
❏強相関系絶縁体におけるテラヘルツパルス誘起相転移(20K03801)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】宮本 辰也 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (40755724)
【キーワード】光誘起相転移 / 高強度テラヘルツパルス / 強相関電子系 / 量子トンネル効果 / ポンプープローブ分光 (他9件)
【概要】強相関系物質の光誘起相転移現象は、光物性や非平衡物理の新しいトピックスとして、盛んに研究されている。また、この現象は、高効率・超高速に生じるものもあるため、将来の光スイッチングデバイスへの応用が期待されている。しかし、光子エネルギーの大きい可視光や近赤外光による励起を引き金として生じるため、必然的に系の温度上昇が生じる。その結果、基底状態への回復に数十ピコ秒の時間を要するため、光スイッチとしての高...
❏超高速非平衡現象の電子論(18H01148)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】石田 行章 東京大学, 物性研究所, リサーチフェロー (30442924)
【キーワード】超高速現象 / 電子状態 / 時間分解光電子分光 / 仕事関数 / 光電子分光 (他9件)
【概要】前年度に、従来を1-2桁上回る<1meVの精度で仕事関数を測定できることを発表した(YI et al., Commun. Phys. 2020)。本年度はこの手法を時間分解光電子分光法(TARPES)に応用し、仕事関数を介してフェムト秒域パルスで瞬間的に励起された結晶表面の様子を調べた。 仕事関数を高精度で測定するためには、試料から放出される低速な光電子をきちんと分析できるようにTARPES...
❏強相関電子系における光誘起相転移の電子ダイナミクスの解明(16K17721)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】宮本 辰也 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (40755724)
【キーワード】光誘起相転移 / 超高速現象 / ポンプ―プローブ測定 / 強相関電子系 / ポンプープローブ測定 (他7件)
【概要】本研究では、自作した非同軸オプティカルパラメトリックアンプから発生させた超短パルス光を利用した高時間分解能のポンプ―プローブ分光測定を行うことで、強相関電子系であるモット絶縁体や有機電荷移動錯体における光励起後の電子ダイナミクスを解明した。特に、二次元モット絶縁体であるNd2CuO4において、磁気ポーラロンの生成や2マグノン励起に関わるコヒーレント振動といった電荷・スピンダイナミクスを実時間観測す...
【数物系科学】物理学:超伝導材料・素子強相関電子系を含む研究件
❏軌道純化に基づく高温超伝導体の圧力・非平衡制御と転移温度増強の理論・実験的研究(26247057)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2014-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】青木 秀夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 招聘研究員 (50114351)
【キーワード】超伝導材料・素子 / 強相関電子系
【概要】高温超伝導を再攻略し、(1)軌道純化理論を二層系等に拡張し、(2)銅酸化物のTcのドーム構造を理論的に再現し、(3)隠れた梯子をもつMo系等を提案し、永崎グループで合成を開始、広いバンドと狭いバンドの共存が超伝導に有利なことも理論的に示し、(4)銅酸化物と同構造のイリジウム化合物の探索領域を拡大した。非平衡に対しては、(5)強いレーザー光で超伝導体を励起したときの物理を実験と理論の緊密な連携により...
❏新規有機超伝導体における「電荷秩序相」と「超伝導相」の競合と共存状態の解明(17540315)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】森 初果 東京大学, 物性研究所, 准教授 (00334342)
【キーワード】強相関電子系 / 有機導体 / 超伝導材料・素子 / 分子性固体 / 磁性 (他10件)
【概要】新規有機超伝導体β-(meso-DMBEDT-TTF)_2PF_6の常圧および圧力下における詳細な抵抗および磁気抵抗測定を行い、電荷秩序と超伝導の関係を調べた。 具体的な成果は以下に示す。 (1)詳細な圧力下電気抵抗および磁気抵抗測定による超伝導相の決定 詳細な圧力下の電気抵抗測定を行ったところ、0.6kbar下、4.6Kで抵抗ドロップを確認し、磁場で転移が抑えられることから超伝導であることを確認...
【数物系科学】物理学:カゴメ格子強相関電子系を含む研究件
❏強相関電子系におけるフラストレーションの効果の理論的研究(16540313)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2004 - 2006
【研究代表者】常次 宏一 東京大学, 物性研究所, 教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / フラストレーション / スピン液体 / カゴメ格子 / パイロクロア格子 (他12件)
【概要】バナジウムスピネル酸化物AV_2O_4(A=Zn,Mg,Cd)における構造転移と磁気転移の機構を研究した。磁性をもっバナジウムイオンはパイロクロア副格子を形成しており、その格子上のスピン系は絶対零度まで長距離磁気秩序を示さないと考えられている。我々は、バナジウムイオンのd電子のスピンに加えて軌道自由度を考慮して低エネルギー有効模型を構築し、その平均場解析およびモンテカルロシミュレーションにより相図...
❏フラストレートした構造を持つ磁性体の理論(13640350)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2001 - 2003
【研究代表者】常次 宏一 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / フラストレーション / 量子反強磁性 / 軌道秩序 / スピネル (他14件)
【概要】本研究計画においてはフラストレートした構造を持つ磁性体、特にパイロクロア格子とカゴメ格子を中心として、フラストレーションがどのように強相関効果に影響を及ぼすのかという問題を理論的に研究し、新奇な量子相の発見とその性質の解明を目指した。 パイロクロア格子上の量子ハイゼンベルグスピン系を量子極限(S=1/2)と半古典極限(S→∞)の両極限でその基底状態を調べ、新奇な量子液体状態の可能性を探った。特にS...
【数物系科学】物理学:隠れた秩序強相関電子系を含む研究件
❏強相関電子系における電子ネマティック相の解明(24244057)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】芝内 孝禎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (00251356)
【キーワード】対称性の破れ / 隠れた秩序 / 電子相関 / 重い電子系 / 鉄系超伝導 (他13件)
【概要】本研究では、鉄系超伝導体や重い電子系化合物などの強相関電子系物質において存在が明らかになりつつある、電子状態が本来の結晶が持つ回転対称性を自発的に破った「電子ネマティック」状態を、様々な新しい実験手法を駆使して明らかにした。特に、長年の謎であったウラン化合物における隠れた秩序相において、微小試料での測定が可能な磁気トルク測定による磁気異方性の高感度検出、放射光を用いた高次ブラック散乱による高分解能...
❏異方的超伝導体の異常超伝導相の解明(17204031)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】松田 祐司 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50199816)
【キーワード】超伝導 / 対称性 / 重い電子系化合物 / 隠れた秩序 / 渦糸格子 (他19件)
【概要】本年度はまず熱伝導による超伝導対称性の実験を行った。特に重い電子系化合物URu2Si2の超伝導対称性を希釈冷凍機温度までの低温で磁場中熱伝導度の測定により決定した。この系はいわゆる隠れた秩序相で超伝導が起こるが超伝導相はあまり研究されていなかった。我々はこの超伝導相が極めて特異なものでありカイラルd波の対称性を持つことを示した。さらに微小ホールプローブを用いた局所磁場測定や電気抵抗の精密測定により...
【数物系科学】物理学:希土類化合物強相関電子系を含む研究件
❏Ce-T-Al(T=遷移金属)系の純良単結晶育成と冷凍機による物性測定(21540367)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2009 - 2011
【研究代表者】西岡 孝 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (10218117)
【キーワード】重い電子系 / 近藤半導体 / 価数搖動 / 希土類化合物 / フラックス法 (他11件)
【概要】Ce化合物の磁性は,近藤効果とRKKY相互作用の競合を記述するドニアック・モデルで理解できると考えられてきた。CeRu_2Al_<10>は近藤効果が支配的な非磁性基底状態に位置するにも関わらず, 27Kという高い温度で相転移を起こす。我々は純良単結晶および関連物質の多重極限環境下の微視的および巨視的測定から,この相転移はドニアック・モデルでは記述できない新しい相転移であることを提案した...
❏重い電子の二次元閉じ込め(18654062)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2006 - 2007
【研究代表者】芝内 孝禎 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00251356)
【キーワード】強相関電子系 / 積層構造 / 希土類化合物 / 異方的超伝導 / 反強磁性 (他11件)
【概要】本研究め目的は、分子線エピタキシー法(MBE)による重い電子系Ce化合物の薄膜化技術を完成させ、用いた同じ結晶構造を持ちながら重い電子を持たない通常金属であるLa系化合物との積層構造を作製し、重い電子を擬2次元的に閉じ込めた系を人工的に作り出すこと、およびこのような系での物性測定により、低次元強相関電子系の理解へとつなげていくことである。 本研究の成果としては、まず、薄膜成長装置であるMBEシステ...
【数物系科学】物理学:キタエフ系強相関電子系を含む研究件
❏ハニカム格子イリジウム酸化物の新奇量子スピン液体状態(17H01140)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【研究代表者】高木 英典 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40187935)
【キーワード】量子スピン液体 / Kitaev模型 / 量子磁性 / Ir酸化物 / 強相関電子系 (他12件)
【概要】新奇量子スピン液体の実現は凝縮系物理の最も挑戦的な課題の一つである。特にKitaevが理論的に見出したハニカム格子上の量子スピン液体は、遍歴・局在二種類のマヨラナ粒子からなる厳密解として得られたために、多くの研究者の興味を惹き、現実物質での発現が強く望まれてきた。Kitaev量子スピン液体が期待されるハニカム格子酸化物H3LiIr2O6において相互作用するスピン軌道複合Jeff=1/2モーメントが...
❏新構造124型希土類化合物の開発と超高圧下新量子相の探索(15K13523)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2015-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】北川 健太郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 講師 (90567661)
【キーワード】超高圧技術 / 核磁気共鳴 / スピン液体 / 重い電子系 / Ir化合物 (他12件)
【概要】研究代表者らが発見した新構造物質とその他の新物質系の超高圧物性探索を目的とした。新物質YbCo2Ge4では、超高圧磁気相図の作成により1GPa付近での低い圧力での量子臨界点の存在を明らかにした。次に、本課題開始時に世界的に盛んに研究され始めたキタエフ量子スピン液体に注力した。まず、常圧・無磁場下でキタエフ系初のスピン液体実証として2次元蜂の巣格子H3LiIr2O6の50mKまで常磁性が保たれたスピ...
【数物系科学】物理学:多極子強相関電子系を含む研究件
❏拡張多極子による交差相関物性・量子伝導の系統的理解と機能物質探索への展開(21H01037)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2025-03-31
【研究代表者】速水 賢 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (20776546)
【キーワード】多極子 / 交差相関物性 / 量子伝導 / 強相関電子系 / マルチフェロイクス
【概要】
❏局在多極子と伝導電子の混成による新奇量子相および量子臨界現象の研究(17H06602)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2017-08-25 - 2019-03-31
【研究代表者】酒井 明人 東京大学, 物性研究所, 助教 (10806087)
【キーワード】多極子 / トポロジー / 異常ネルンスト効果 / 物性実験 / 強相関電子系 (他8件)
【概要】電子相関の強い多極子系におい新規量子物性を探索することを目的として本研究を行なった。その結果、PrV2Al20において磁気八極子秩序が実現していることがわかった。 またCo2MnGaにおいて量子リフシッツ転移による室温巨大異常ネルンスト効果を発見した。これらの成果は論文にまとめられ、国内外の会議でも講演を行なった本研究に関連して日本物理学会若手奨励賞も受賞した。 ...
❏スピン軌道相互作用が強い磁性体に潜むトロイダルモーメントの理論的探索・制御(16H06590)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2016-08-26 - 2018-03-31
【研究代表者】速水 賢 北海道大学, 理学研究院, 助教 (20776546)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 反対称スピン軌道相互作用 / トロイダルモーメント / 多極子 (他13件)
【概要】時間・空間反転対称性がともに破れた系に現れるトロイダルモーメントに関する微視的な理論形式の構築と、実験的にどのようにして観測・制御できるかを調べた。(1)結晶場、スピン軌道相互作用、電子相関による対称性の破れを取り入れたモデルに対して、摂動論を用いることにより、トロイダルモーメントが秩序化した際に生じる有効的なスピン軌道相互作用を導出した。(2)2次元三角格子上のスピン軌道相互作用が強い強磁性体に...
【数物系科学】物理学:多極子秩序強相関電子系を含む研究件
❏物質設計を見据えた強相関理論の構築(21H01041)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【研究代表者】大槻 純也 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60513877)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 超伝導 / 第一原理計算 / 多極子秩序 (他7件)
【概要】本研究では、磁性や超伝導などの機能物性を第一原理的に記述する実用的な理論の構築を目指して、動的平均場法(DMFT法)によって強相関効果を考慮した第一原理計算法(DFT+DMFT法)の発展とその応用に取り組む。全研究期間を通した研究計画は、DFT+DMFT法に関連した理論構築とその適用範囲を検証する“基礎”と適用限界の範囲で強相関化合物の物質設計に応用する“応用”に分かれる。本年度は基礎に関する以下...
❏局在多極子と伝導電子の混成による新奇量子相および量子臨界現象の研究(17H06602)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2017-08-25 - 2019-03-31
【研究代表者】酒井 明人 東京大学, 物性研究所, 助教 (10806087)
【キーワード】多極子 / トポロジー / 異常ネルンスト効果 / 物性実験 / 強相関電子系 (他8件)
【概要】電子相関の強い多極子系におい新規量子物性を探索することを目的として本研究を行なった。その結果、PrV2Al20において磁気八極子秩序が実現していることがわかった。 またCo2MnGaにおいて量子リフシッツ転移による室温巨大異常ネルンスト効果を発見した。これらの成果は論文にまとめられ、国内外の会議でも講演を行なった本研究に関連して日本物理学会若手奨励賞も受賞した。 ...
❏スピン軌道相互作用が強い磁性体に潜むトロイダルモーメントの理論的探索・制御(16H06590)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2016-08-26 - 2018-03-31
【研究代表者】速水 賢 北海道大学, 理学研究院, 助教 (20776546)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 反対称スピン軌道相互作用 / トロイダルモーメント / 多極子 (他13件)
【概要】時間・空間反転対称性がともに破れた系に現れるトロイダルモーメントに関する微視的な理論形式の構築と、実験的にどのようにして観測・制御できるかを調べた。(1)結晶場、スピン軌道相互作用、電子相関による対称性の破れを取り入れたモデルに対して、摂動論を用いることにより、トロイダルモーメントが秩序化した際に生じる有効的なスピン軌道相互作用を導出した。(2)2次元三角格子上のスピン軌道相互作用が強い強磁性体に...
【数物系科学】物理学:光学伝導度強相関電子系を含む研究件
❏励起子絶縁体の外場応答に関する微視理論の展開(15H06093)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2015-08-28 - 2017-03-31
【研究代表者】杉本 高大 千葉大学, 先進科学センター, 特任助教 (70756072)
【キーワード】励起子絶縁体 / 遷移金属カルコゲナイド / コバルト酸化物 / 励起子相 / 磁化率 (他16件)
【概要】励起子絶縁体とは、半導体または半金属において、励起子が自発的に形成され量子凝縮を起こした系である。励起子絶縁体の候補物質である遷移金属カルコゲナイドTa2NiSe5に注目して、超音波吸収係数と核磁気共鳴緩和率に現れる量子干渉効果、反磁性磁化率、光学伝導度の振る舞いについて励起子凝縮の観点から明らかにした。また、コバルト酸化物Pr0.5Ca0.5CoO3の励起子相において磁気多極子秩序が形成されるこ...
❏強相関電子系の伝導現象における臨界性の理論(25400359)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】常次 宏一 東京大学, 物性研究所, 教授 (80197748)
【キーワード】動的相関関数 / モット転移 / 光学伝導度 / 強相関電子系 / 反強磁性秩序 (他8件)
【概要】反強磁性秩序発現に伴う金属絶縁体転移近傍の光学電気伝導度をクラスター動的平均場法に基づく大規模数値計算で求め、相互作用による電流が繰り込みを与える頂点補正が光学伝導度の周波数依存性、温度依存性に大きな影響を与えることを発見した。また、フラストレートした強相関電子系のモット金属絶縁体転移の特徴の解明を目指して、最近接サイト間の電荷揺らぎの量子ダイナミクスを同手法を用いて計算し、特にdoublonとh...
【数物系科学】物理学:軌道整列強相関電子系を含む研究件
❏非整合な軌道/電荷秩序状態における新奇物性(16H04020)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】勝藤 拓郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00272386)
【キーワード】軌道整列 / 電荷整列 / 非整合 / 緩和現象 / 緩和 (他6件)
【概要】遷移金属酸化物におけるd電子の軌道/電荷秩序に由来する非整合な秩序と、それがもたらすエキゾチックな物性について実験的に調べた。その結果、Tiの二重鎖を持つホランダイト型Ti酸化物、Vの擬三角格子をとるV酸化物などにおいて、特徴的な非整合超格子構造とその温度、ドーピング依存性を明らかにした。さらに、そのような非整合秩序の形成に伴う輸送現象、磁性、熱物性の特異な振舞を見出した。 ...
❏二重ペロブスカイト型マンガン酸化物の室温近傍での巨大磁気誘電現象の探索(24540380)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】山田 重樹 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 准教授 (50312822)
【キーワード】誘電性 / 磁性 / 単結晶 / 低温 / 酸化物 (他16件)
【概要】本研究課題では、二重ペロブスカイト型という結晶構造を有するマンガン酸化物の単結晶体を用いて磁性、電気伝導性、および誘電性の研究を行った。申請者はこの物質の1つについて世界で初めて純良で大型の単結晶体の作製に成功し、その試料を測定することで、強誘電体でかつその強誘電性が磁性と強く結合している可能性を示した。そこで、本研究課題では、この物質群の他の組成の単結晶体を幅広く作ることと、より精密な測定を行う...
【数物系科学】物理学:軌道秩序強相関電子系を含む研究件
❏強相関物質表面での光誘起相転移の光電子分光(19340092)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2007 - 2009
【研究代表者】溝川 貴司 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (90251397)
【キーワード】強相関電子系 / 光誘起相転移 / 光電子分光 / 光メモリー / 光スイッチ (他10件)
【概要】遷移金属化合物の磁性体や誘電体の表面において、可視光や紫外線によって誘起される電子状態の変化を光電子分光法によって研究した。特に、電子相関効果によって電子が複雑なスピン・電荷・軌道状態を持つマンガン酸化物において、可視光によって電子のスピン・軌道が大きく変化することを観測した。また、チタン酸化物の表面において紫外線で励起された電子の振る舞いを解明し、電子のスピンの光制御の可能性を示した。 ...
❏強相関電子系におけるフラストレーションの効果の理論的研究(16540313)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2004 - 2006
【研究代表者】常次 宏一 東京大学, 物性研究所, 教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / フラストレーション / スピン液体 / カゴメ格子 / パイロクロア格子 (他12件)
【概要】バナジウムスピネル酸化物AV_2O_4(A=Zn,Mg,Cd)における構造転移と磁気転移の機構を研究した。磁性をもっバナジウムイオンはパイロクロア副格子を形成しており、その格子上のスピン系は絶対零度まで長距離磁気秩序を示さないと考えられている。我々は、バナジウムイオンのd電子のスピンに加えて軌道自由度を考慮して低エネルギー有効模型を構築し、その平均場解析およびモンテカルロシミュレーションにより相図...
❏遷移金属酸化物における電子軌道秩序に起因する磁性と誘電性の共存及び競合(14540328)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2002 - 2003
【研究代表者】宮坂 茂樹 (2003) 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70345106)
【キーワード】軌道秩序 / 整合 / 非整合転移 / マンガン酸化物 / TbMnO_3 (他14件)
【概要】本研究期間中、強磁性強誘電体実現の指針に沿って候補となる物質をいくつか探索した。その中でもペロブスカイト型マンガン酸化物TbMnO_3に注目した。この物質は巨大磁気抵抗効果を示すホールドープされたペロブスカイト型マンガン酸化物の母物質の一つで、モット絶縁体である。この物質では斜方晶ゆがみが非常に大きいために、Mnスピン間の最近接、第二近接相互作用の大きさ同じくらいになっでいる。このために、低温でM...
【数物系科学】物理学:マヨラナ・フェルミオン強相関電子系を含む研究件
❏多電子系における強磁性の数理物理学的研究(25400407)
【研究テーマ】数理物理・物性基礎
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】田崎 晴明 学習院大学, 理学部, 教授 (50207015)
【キーワード】数理物理 / 量子多体系 / 強相関電子系 / ハバード模型 / 金属強磁性 (他17件)
【概要】強く相互作用する量子多体系において非自明な秩序や相構造を解明すること、既存の方法を応用するだけでなく物理的視点に基づいた新たな数理的手法を開拓することを目指して研究を進めた。特に「単一のバンド内の電子が強く反発し合うことで強磁性が出現する」という物理的にもっとも自然な状況を反映したハバード模型で金属強磁性の発現を厳密に証明したことは特筆すべき成果である。この研究では数理的にも新しい証明方法を提案し...
❏相関電子系におけるトポロジーと量子ダイナミクスの理論的研究(21244053)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2009 - 2011
【研究代表者】永長 直人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60164406)
【キーワード】強相関電子系 / 量子スピンホール系 / 量子ダイナミクス / 強相関電子係 / トポロジカル絶縁体 (他11件)
【概要】固体電子の相対論的効果と電子間相互作用の相乗効果を、トポロジカル絶縁体、半導体、超伝導体など広い範囲の系に対して理論的に研究し、伝導現象、光学現象、磁性、などの物性にどのような形で現れるかを明らかにした。また、強く相互作用する多数の電子に光を当てたときに生じる動的現象を量子力学的シミュレーションで調べて、強相関太陽電池の動作基本原理を明らかにした。 ...
【数物系科学】物理学:電荷ガラス強相関電子系を含む研究件
❏幾何学的フラストレーションが誘起する電荷ガラスの研究(15H05459)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2015-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】賀川 史敬 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, ユニットリーダー (30598983)
【キーワード】強相関電子 / 非平衡 / 急冷 / 電荷ガラス / 相変化メモリ (他11件)
【概要】液体を急冷すると結晶化しないまま、原子位置が不規則に凍結したガラスとなる。近年、固体中の電子においても似たような挙動が現れることが分かってきた。徐冷すると、電子は規則正しく結晶格子上に配列する(電子の結晶状態が現れる)のに対し、急冷した場合は電子が不規則に凍結した、いわば電子のガラス状態が現れる。このような電子の結晶状態と電子のガラス状態は電気パルスや光パルスを印可することで、不揮発かつ可逆的に切...
❏強相関分子性導体の階層的電荷・スピン・格子ダイナミクスの研究(25287080)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2013-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】佐々木 孝彦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20241565)
【キーワード】強相関電子系 / 分子性有機導体 / 電荷ガラス / 分子性固体 / 強相関系 (他12件)
【概要】本研究では,強相関電子系分子性導体に特徴的な電荷-スピン-格子自由度の複合的結合による“やわらかい強相関電子・格子系”で実現する新しい非線形電子誘電物性の創出,解明を目指した実験研究を行った. その結果,電子が配列秩序化した電荷秩序絶縁体状態(電荷固体),融解・液体化した良電気伝導状態(電荷液体)に加えて,電子が極めて遅い時間スケールのダイナミクスを有し,不均質に凍結した新しい電子状態(電荷ガラス...
❏分子性物質の可制御性を用いた領域横断型研究と境界領域の物性開拓(25220709)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2013-05-31 - 2018-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】分子性導体 / 強相関電子系 / 誘電物性 / 電荷ガラス / Dirac電子系 (他14件)
【概要】我々は、分子性物質の構造的な可制御性を利用することで、誘電性、伝導性、磁性、半導体といった既成の学問分野の境界領域に潜む未知の物性を発掘し、物質科学における新たな研究の潮流を創出することを目指した。その結果、電子移動型強誘電体における新奇な電気的/磁気的励起の発見、電子系におけるガラス形成の学理構築、質量ゼロのDirac電子系における特異な電子相関効果の発見、スピン液体と金属状態の共存状態の発見等...
【数物系科学】物理学:磁気秩序強相関電子系を含む研究件
❏多電子系における強磁性の数理物理学的研究(25400407)
【研究テーマ】数理物理・物性基礎
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】田崎 晴明 学習院大学, 理学部, 教授 (50207015)
【キーワード】数理物理 / 量子多体系 / 強相関電子系 / ハバード模型 / 金属強磁性 (他17件)
【概要】強く相互作用する量子多体系において非自明な秩序や相構造を解明すること、既存の方法を応用するだけでなく物理的視点に基づいた新たな数理的手法を開拓することを目指して研究を進めた。特に「単一のバンド内の電子が強く反発し合うことで強磁性が出現する」という物理的にもっとも自然な状況を反映したハバード模型で金属強磁性の発現を厳密に証明したことは特筆すべき成果である。この研究では数理的にも新しい証明方法を提案し...
❏二重ペロブスカイト型マンガン酸化物の室温近傍での巨大磁気誘電現象の探索(24540380)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】山田 重樹 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 准教授 (50312822)
【キーワード】誘電性 / 磁性 / 単結晶 / 低温 / 酸化物 (他16件)
【概要】本研究課題では、二重ペロブスカイト型という結晶構造を有するマンガン酸化物の単結晶体を用いて磁性、電気伝導性、および誘電性の研究を行った。申請者はこの物質の1つについて世界で初めて純良で大型の単結晶体の作製に成功し、その試料を測定することで、強誘電体でかつその強誘電性が磁性と強く結合している可能性を示した。そこで、本研究課題では、この物質群の他の組成の単結晶体を幅広く作ることと、より精密な測定を行う...
❏強相関電子系におけるフラストレーションの効果の理論的研究(16540313)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2004 - 2006
【研究代表者】常次 宏一 東京大学, 物性研究所, 教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / フラストレーション / スピン液体 / カゴメ格子 / パイロクロア格子 (他12件)
【概要】バナジウムスピネル酸化物AV_2O_4(A=Zn,Mg,Cd)における構造転移と磁気転移の機構を研究した。磁性をもっバナジウムイオンはパイロクロア副格子を形成しており、その格子上のスピン系は絶対零度まで長距離磁気秩序を示さないと考えられている。我々は、バナジウムイオンのd電子のスピンに加えて軌道自由度を考慮して低エネルギー有効模型を構築し、その平均場解析およびモンテカルロシミュレーションにより相図...
【数物系科学】物理学:磁場誘起強誘電分極フロップ強相関電子系を含む研究件
❏スピン・電荷・光-結合系の新機能開拓(15104006)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2003 - 2007
【研究代表者】五神 真 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70161809)
【キーワード】スピン・電荷・光-結合系 / 強相関電子系 / 酸化物エレクトロニクス / 光誘起相転移 / 非線形光学効果 (他12件)
【概要】固体において電子間の相関によって発現する磁性と光学応答の結合などによる特異機能の探索とその応用について、メンバーの連携の下で以下のような研究を進めた。 (宮野)光誘起相転移などの特異物性の応用を念頭に、薄膜試料作製技術の開拓を進め、薄膜中で構造相転移を許容できる事を実証し、永続的光誘起絶縁体・金属転移や新しいタイプの超巨大磁気抵抗効果を見いだした。(十倉)スピンの幾何学配置が誘電応答に与える効果に...
❏遷移金属酸化物における電子軌道秩序に起因する磁性と誘電性の共存及び競合(14540328)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2002 - 2003
【研究代表者】宮坂 茂樹 (2003) 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70345106)
【キーワード】軌道秩序 / 整合 / 非整合転移 / マンガン酸化物 / TbMnO_3 (他14件)
【概要】本研究期間中、強磁性強誘電体実現の指針に沿って候補となる物質をいくつか探索した。その中でもペロブスカイト型マンガン酸化物TbMnO_3に注目した。この物質は巨大磁気抵抗効果を示すホールドープされたペロブスカイト型マンガン酸化物の母物質の一つで、モット絶縁体である。この物質では斜方晶ゆがみが非常に大きいために、Mnスピン間の最近接、第二近接相互作用の大きさ同じくらいになっでいる。このために、低温でM...
【数物系科学】物理学:メタ磁性強相関電子系を含む研究件
❏重い電子系物質の強磁場物性と微視的電子状態(18K03537)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】海老原 孝雄 静岡大学, 理学部, 准教授 (20273162)
【キーワード】重い電子系 / 強相関電子系 / メタ磁性 / 強磁場 / 比熱 (他7件)
【概要】新奇な超伝導状態や非フェルミ液体状態などの特異な物性が発現する、量子臨界点の近傍に位置する非磁性の重い電子系物質では、磁場中でメタ磁性を示す場合があり、その発現メカニズムは、新奇超伝導などの特異物性の発現メカニズムと密接に関係すると考えられている。このメタ磁性メカニズムを解明することは、基礎科学的側面からも新たな超伝導開発といった工学的な側面からも重要である。本研究での大きな成果は、強磁場中の比熱...
❏極低温磁化・比熱・誘電測定による磁場誘起量子相転移の研究(20244053)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2008 - 2011
【研究代表者】榊原 俊郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (70162287)
【キーワード】強相関電子系 / 量子相転移 / 磁化測定 / 比熱測定 / メタ磁性転移 (他17件)
【概要】量子相転移とは、物質の絶対零度における異なる状態間の相転移である。温度によって引き起こされる古典的な相転移と違い、量子相転移は磁場や圧力、化学組成といった制御変数を変化させることによってのみ実現される。量子相転移は多体系の量子ゆらぎが起源の基底状態の急激な変化であり、新奇な秩序相が現れる期待もあって大変注目されている。本研究課題では種々の磁場誘起の量子相転移現象を実験的に研究した。このために最低温...
❏50テスラ強磁場X線内殻分光による伝導電子-局在電子相関系の研究(17340111)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】松田 康弘 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10292757)
【キーワード】放射光X線 / 強磁場 / 強相関電子系 / 価数揺動 / X線磁気円二色性 (他13件)
【概要】放射光X線による内殻分光は、元素・軌道選択性をもつ微視的プローブとして物質科学研究に不可欠となっている。一方、磁場は、電子のスピンや軌道運動に直接作用し、電子状態を精密に変化させることができ、特に低温で量子効果が強く効いた現象を調べる上で、極めて有用な場である。従来、強磁場環境では、技術的な制約から電子状態を調べる手段はあまりなかったが、本研究では、パルス強磁場と放射光X線の組み合わせ技術を開発し...
【数物系科学】物理学:コバルト酸化物強相関電子系を含む研究件
❏励起子絶縁体の外場応答に関する微視理論の展開(15H06093)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2015-08-28 - 2017-03-31
【研究代表者】杉本 高大 千葉大学, 先進科学センター, 特任助教 (70756072)
【キーワード】励起子絶縁体 / 遷移金属カルコゲナイド / コバルト酸化物 / 励起子相 / 磁化率 (他16件)
【概要】励起子絶縁体とは、半導体または半金属において、励起子が自発的に形成され量子凝縮を起こした系である。励起子絶縁体の候補物質である遷移金属カルコゲナイドTa2NiSe5に注目して、超音波吸収係数と核磁気共鳴緩和率に現れる量子干渉効果、反磁性磁化率、光学伝導度の振る舞いについて励起子凝縮の観点から明らかにした。また、コバルト酸化物Pr0.5Ca0.5CoO3の励起子相において磁気多極子秩序が形成されるこ...
❏強相関系の励起子ボーズ凝縮と超伝導に関する微視理論の展開(26400349)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2014-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】太田 幸則 千葉大学, 大学院理学研究科, 教授 (70168954)
【キーワード】物性理論 / 強相関電子系 / 励起子凝縮 / 励起子絶縁体 / 遷移金属カルコゲナイド (他10件)
【概要】電子正孔対(励起子)の凝縮が熱平衡状態で実現する励起子絶縁体と呼ばれる状態に最近新たな注目が集まっている。本研究では、候補物質Ta2NiSe5を中心に、変分クラスター近似等を用いて理論研究を展開し、次項を明らかにした。(1) 電子格子相互作用やフント結合による励起子凝縮相の相対的安定性、(2) Ta2NiSe5の角度分解光電子分光実験で観測されるフラットバンドの起源、(3) Ta2NiSe5の超音...
❏スピン三重項超伝導の物理(13852004)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2001 - 2005
【研究代表者】前野 悦輝 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (80181600)
【キーワード】スピン三重項超伝導 / ルテニウム酸化物 / Sr_2RuO_4 / 奇パリティー / 核磁気共鳴 (他18件)
【概要】本研究では、スピン三重項の電子対からなる超伝導状態が現実に存在することを、多角的かつ緻密な研究成果の集積によって確定的にし、広い認知を得た。超伝導体Sr_2RuO_4を軸にした集中的な研究から、現代の超伝導研究の鍵となる基本概念に関しても、多くの新たな知見を獲得することが出来た。 (1)全てのバンドの超伝導ギャップ構造の確定:精確に方位制御した磁場中での低温比熱測定から、超伝導ギャップがフェルミ面...
【数物系科学】物理学:価数転移強相関電子系を含む研究件
❏極低温磁化・比熱・誘電測定による磁場誘起量子相転移の研究(20244053)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2008 - 2011
【研究代表者】榊原 俊郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (70162287)
【キーワード】強相関電子系 / 量子相転移 / 磁化測定 / 比熱測定 / メタ磁性転移 (他17件)
【概要】量子相転移とは、物質の絶対零度における異なる状態間の相転移である。温度によって引き起こされる古典的な相転移と違い、量子相転移は磁場や圧力、化学組成といった制御変数を変化させることによってのみ実現される。量子相転移は多体系の量子ゆらぎが起源の基底状態の急激な変化であり、新奇な秩序相が現れる期待もあって大変注目されている。本研究課題では種々の磁場誘起の量子相転移現象を実験的に研究した。このために最低温...
❏50テスラ強磁場X線内殻分光による伝導電子-局在電子相関系の研究(17340111)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】松田 康弘 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10292757)
【キーワード】放射光X線 / 強磁場 / 強相関電子系 / 価数揺動 / X線磁気円二色性 (他13件)
【概要】放射光X線による内殻分光は、元素・軌道選択性をもつ微視的プローブとして物質科学研究に不可欠となっている。一方、磁場は、電子のスピンや軌道運動に直接作用し、電子状態を精密に変化させることができ、特に低温で量子効果が強く効いた現象を調べる上で、極めて有用な場である。従来、強磁場環境では、技術的な制約から電子状態を調べる手段はあまりなかったが、本研究では、パルス強磁場と放射光X線の組み合わせ技術を開発し...
【数物系科学】物理学:価数揺動強相関電子系を含む研究件
❏光電子分光によるイッテルビウム系近藤物質の量子臨界現象に関する研究(23840039)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2011 - 2012
【研究代表者】大川 万里生 東京理科大学, 理学部, 助教 (50609302)
【キーワード】強相関電子系 / 重い電子系 / 価数揺動 / 量子臨界点 / 光電子分光 (他6件)
【概要】重い電子系α-YbAlB4は,数%のAl-Fe置換により非従来型の量子臨界現象と反強磁性秩序が誘起される.我々は,α-Yb(Al,Fe)B4系における特異な量子臨界現象の起源を明らかにするために,思い電子状態や磁性に関係するYb価数状態の温度・Feドープ依存性を,硬X線光電子分光を用いて詳細に調べた.その結果,量子臨界領域において,Yb価数のFeドープ変化に鋭いクロスオーバーが観測され,さらにその...
❏50テスラ強磁場X線内殻分光による伝導電子-局在電子相関系の研究(17340111)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】松田 康弘 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10292757)
【キーワード】放射光X線 / 強磁場 / 強相関電子系 / 価数揺動 / X線磁気円二色性 (他13件)
【概要】放射光X線による内殻分光は、元素・軌道選択性をもつ微視的プローブとして物質科学研究に不可欠となっている。一方、磁場は、電子のスピンや軌道運動に直接作用し、電子状態を精密に変化させることができ、特に低温で量子効果が強く効いた現象を調べる上で、極めて有用な場である。従来、強磁場環境では、技術的な制約から電子状態を調べる手段はあまりなかったが、本研究では、パルス強磁場と放射光X線の組み合わせ技術を開発し...
【数物系科学】物理学:非平衡ダイナミクス強相関電子系を含む研究件
❏強結合励起子凝縮系物質のプリフォームドペア状態と非平衡ダイナミクスの理論(20H01849)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【研究代表者】太田 幸則 千葉大学, 大学院理学研究院, 名誉教授 (70168954)
【キーワード】励起子絶縁体 / 励起子凝縮 / 非平衡ダイナミクス / 強相関電子系 / プリフォームドペア (他8件)
【概要】本申請代表者グループの励起子凝縮に関するこれまでの理論研究を背景に、本研究の目的は次の3点を明らかにすることである。すなわち、① 熱的純粋量子状態に基づく変分クラスター近似を用いた強結合励起子凝縮機構の解明 ② 時間発展ランチョス法・時間依存密度行列繰込み群法による励起子相の非平衡ダイナミクスの解明 ③第一原理計算とその解析に基づく低エネルギー有効電子模型の導出。これらにより、超伝導と並ぶフェルミ...
❏強相関物質設計と機能開拓 -非平衡系・非周期系への挑戦-(16H06345)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2016-05-31 - 2021-03-31
【研究代表者】今田 正俊 早稲田大学, 理工学術院, 上級研究員(研究院教授) (70143542)
【キーワード】第一原理計算 / 強相関電子系 / 階層的第一原理強相関電子状態計算法 / 高温超伝導 / 量子流体と量子スピン液体 (他21件)
【概要】強相関電子系を第一原理的に解明するための手法を標準手法として確立し、コードの公開・普及を行なった。機械学習を導入して、世界最高精度の量子多体ソルバーを開発し適用したことや、隠れた物理量抽出のための分光実験データ解析へ適用したことは当初の予定を超えた成果である。開発手法を、銅酸化物に代表される高温超伝導体や分子性結晶に見られる量子スピン液体の候補に適用し、初めて実験相図の任意パラメタなしでの再現に成...
【数物系科学】物理学:強相関エレクトロニクス強相関電子系を含む研究件
❏幾何学的フラストレーションが誘起する電荷ガラスの研究(15H05459)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2015-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】賀川 史敬 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, ユニットリーダー (30598983)
【キーワード】強相関電子 / 非平衡 / 急冷 / 電荷ガラス / 相変化メモリ (他11件)
【概要】液体を急冷すると結晶化しないまま、原子位置が不規則に凍結したガラスとなる。近年、固体中の電子においても似たような挙動が現れることが分かってきた。徐冷すると、電子は規則正しく結晶格子上に配列する(電子の結晶状態が現れる)のに対し、急冷した場合は電子が不規則に凍結した、いわば電子のガラス状態が現れる。このような電子の結晶状態と電子のガラス状態は電気パルスや光パルスを印可することで、不揮発かつ可逆的に切...
❏LaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の原子スケール電子状態(26246022)
【研究テーマ】薄膜・表面界面物性
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2014-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】一杉 太郎 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (90372416)
【キーワード】酸化物表面 / 界面 / 走査プローブ顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / ペロブスカイト (他21件)
【概要】遷移金属酸化物は、通常の半導体には見られない多彩な機能を示すことから、次世代エレクトロニクス材料として活発な研究が展開されている。近年、酸化物作製技術が急速に発展したことにより、原子レベルで急峻な界面を有する薄膜やヘテロ構造の作製が可能になり、新しい物性・機能が見出されている。このような酸化物薄膜やヘテロ構造が示す機能の探求・解明のためには、酸化物薄膜について、電子状態評価を原子レベル空間分解能で...
❏電荷・軌道秩序相における異方的物性の室温電場制御(19740190)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2007 - 2008
【研究代表者】谷口 耕治 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30400427)
【キーワード】強相関電子系 / 電荷軌道秩序 / マンガン酸化物 / 光学異方性 / 電荷・軌道秩序 (他9件)
【概要】電子間のクーロン反発の影響が大きな物質群では、電子の電荷・スピン・軌道自由度の状態がその物性に強く反映される。本研究では、これらの自由度のうち、電荷密度の異方的な分布を与える軌道自由度の電場応答を調べた。その結果、軌道自由度が秩序化することが知られている複数のマンガン酸化物において、軌道自由度が電場に対し顕著な応答を示すことを見出し、電気抵抗や屈折率といった巨視的な物理量の異方性を電場で制御するこ...
【数物系科学】物理学:強相関電子強相関電子系を含む研究件
❏時間分解共鳴X線散乱による遷移金属カルコゲナイドの光誘起相転移ダイナミクスの解明(16K20997)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (30738365)
【キーワード】共鳴軟X線散乱 / 電子構造 / 光誘起相転移 / 強相関電子系 / 遷移金属化合物の電子構造 (他14件)
【概要】共鳴軟X線散乱を用いて遷移金属カルコゲナイドの示す相転移と超伝導に関する電子構造研究を行った。Ir1-xPtxTe2の研究では低温での電荷秩序の周期が5倍、8倍及び6倍と様々に変化することを見出した。またAFe2Se3の研究では、CsFe2Se3においては磁気秩序による散乱のみが観察されるが、超伝導に近いBaFe2S3においては、磁気秩序と軌道秩序が共存するが、散乱信号はエネルギーと偏光の両面で分...
❏幾何学的フラストレーションが誘起する電荷ガラスの研究(15H05459)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2015-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】賀川 史敬 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, ユニットリーダー (30598983)
【キーワード】強相関電子 / 非平衡 / 急冷 / 電荷ガラス / 相変化メモリ (他11件)
【概要】液体を急冷すると結晶化しないまま、原子位置が不規則に凍結したガラスとなる。近年、固体中の電子においても似たような挙動が現れることが分かってきた。徐冷すると、電子は規則正しく結晶格子上に配列する(電子の結晶状態が現れる)のに対し、急冷した場合は電子が不規則に凍結した、いわば電子のガラス状態が現れる。このような電子の結晶状態と電子のガラス状態は電気パルスや光パルスを印可することで、不揮発かつ可逆的に切...
【数物系科学】物理学:誘電性強相関電子系を含む研究件
❏分子性物質の可制御性を用いた領域横断型研究と境界領域の物性開拓(25220709)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2013-05-31 - 2018-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】分子性導体 / 強相関電子系 / 誘電物性 / 電荷ガラス / Dirac電子系 (他14件)
【概要】我々は、分子性物質の構造的な可制御性を利用することで、誘電性、伝導性、磁性、半導体といった既成の学問分野の境界領域に潜む未知の物性を発掘し、物質科学における新たな研究の潮流を創出することを目指した。その結果、電子移動型強誘電体における新奇な電気的/磁気的励起の発見、電子系におけるガラス形成の学理構築、質量ゼロのDirac電子系における特異な電子相関効果の発見、スピン液体と金属状態の共存状態の発見等...
❏二重ペロブスカイト型マンガン酸化物の室温近傍での巨大磁気誘電現象の探索(24540380)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】山田 重樹 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 准教授 (50312822)
【キーワード】誘電性 / 磁性 / 単結晶 / 低温 / 酸化物 (他16件)
【概要】本研究課題では、二重ペロブスカイト型という結晶構造を有するマンガン酸化物の単結晶体を用いて磁性、電気伝導性、および誘電性の研究を行った。申請者はこの物質の1つについて世界で初めて純良で大型の単結晶体の作製に成功し、その試料を測定することで、強誘電体でかつその強誘電性が磁性と強く結合している可能性を示した。そこで、本研究課題では、この物質群の他の組成の単結晶体を幅広く作ることと、より精密な測定を行う...
【数物系科学】物理学:高圧技術強相関電子系を含む研究件
❏新構造124型希土類化合物の開発と超高圧下新量子相の探索(15K13523)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2015-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】北川 健太郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 講師 (90567661)
【キーワード】超高圧技術 / 核磁気共鳴 / スピン液体 / 重い電子系 / Ir化合物 (他12件)
【概要】研究代表者らが発見した新構造物質とその他の新物質系の超高圧物性探索を目的とした。新物質YbCo2Ge4では、超高圧磁気相図の作成により1GPa付近での低い圧力での量子臨界点の存在を明らかにした。次に、本課題開始時に世界的に盛んに研究され始めたキタエフ量子スピン液体に注力した。まず、常圧・無磁場下でキタエフ系初のスピン液体実証として2次元蜂の巣格子H3LiIr2O6の50mKまで常磁性が保たれたスピ...
❏高圧下角度制御核磁気共鳴測定による新奇な量子秩序相の探索(21340093)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2009-04-01 - 2013-03-31
【研究代表者】瀧川 仁 東京大学, 物性研究所, 教授 (10179575)
【キーワード】核磁気共鳴 / 高圧技術 / 強相関電子系 / 量子スピン系 / 量子相転移
【概要】高い容積効率を持ち、10GPaを超える圧力を発生できる、核磁気共鳴用の対抗アンビル型圧力セルを開発した。この圧力セルは①低温で液化封入したアルゴンを圧力媒体として用いることにより、均一な圧力が得られる、②アンビル内に光ファイバーを導入し、試料室におかれたルビーの蛍光波長を観測することにより、圧力を実験中に校正することができる、③セル全体を超伝導マグネット内で回転することにより、磁場中で試料の方位を...
【数物系科学】物理学:光物性強相関電子系を含む研究件
❏軌道物理としての励起子絶縁体の電子状態の解明(17H02916)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017 - 2019
【研究代表者】石原 純夫 東北大学, 理学研究科, 教授 (30292262)
【キーワード】励起子絶縁体 / BiCo03 / スピンダイマー模型 / 四重極相 / マルチフェロイクス (他12件)
【概要】[1]強相関拡張された二軌道ハバード模型では、高スピン(HS)相と低スピン(LS)相の間に励起子絶縁体が現れる。この相境界付近で、弱いスピン軌道相互作用を採り入れると、HS相に内在する四重極自由度の揺らぎにより帯磁率が著しく増強されることを明らかにした。 [2][1]の励起子絶縁体の模型において、変分クラスタ法を用いてvertex補正まで取りいれ、光学電導度を計算したところ、励起子絶縁相においては...
❏時間分解共鳴X線散乱による遷移金属カルコゲナイドの光誘起相転移ダイナミクスの解明(16K20997)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (30738365)
【キーワード】共鳴軟X線散乱 / 電子構造 / 光誘起相転移 / 強相関電子系 / 遷移金属化合物の電子構造 (他14件)
【概要】共鳴軟X線散乱を用いて遷移金属カルコゲナイドの示す相転移と超伝導に関する電子構造研究を行った。Ir1-xPtxTe2の研究では低温での電荷秩序の周期が5倍、8倍及び6倍と様々に変化することを見出した。またAFe2Se3の研究では、CsFe2Se3においては磁気秩序による散乱のみが観察されるが、超伝導に近いBaFe2S3においては、磁気秩序と軌道秩序が共存するが、散乱信号はエネルギーと偏光の両面で分...
❏量子駆動系の非線形輸送現象における相関効果の理論研究(16H06717)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2016-08-26 - 2018-03-31
【研究代表者】石塚 大晃 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00786014)
【キーワード】シフト電流 / Berry位相 / ワイル半金属 / 二次高調波発生 / 光起電効果 (他12件)
【概要】空間反転対称性の破れた物質に特有の物理現象である異常光起電効果および二次高調波発生をゼロギャップ半導体から絶縁体までの異なる性質を持つ物質系を対象として理論的に研究した.そして,ゼロギャップ半導体では,絶縁体とは異なる機構による異常光起電効果および二次高調波発生が見られることを見出した.また,絶縁体における研究では,Rice-Mele模型における異常光電流を非平衡Green関数法を用いて解析した....
【数物系科学】物理学:ハバード模型強相関電子系を含む研究件
❏励起子量子凝縮相の励起状態ダイナミクス(19K14644)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】杉本 高大 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (70756072)
【キーワード】励起子絶縁体 / 遷移金属化合物 / 時間依存ランチョス法 / 行列積状態 / ハバード模型 (他14件)
【概要】物質中において電子と正孔間に相互作用が働いて対(励起子)が自発的に生成され、それらが量子凝縮を起こした系を励起子絶縁体と呼ぶ。近年、その物性の理解が大きく進展している。本年度は励起子絶縁体そのものに関係する成果は得られなかったが、同じく強い電子相関を有する系について派生的に以下の成果を得た。 (1)二次元異方的三角格子上のハバード模型における光誘起スピン秩序転移の研究を行った。この系では基底状態で...
❏多電子系における強磁性の数理物理学的研究(25400407)
【研究テーマ】数理物理・物性基礎
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】田崎 晴明 学習院大学, 理学部, 教授 (50207015)
【キーワード】数理物理 / 量子多体系 / 強相関電子系 / ハバード模型 / 金属強磁性 (他17件)
【概要】強く相互作用する量子多体系において非自明な秩序や相構造を解明すること、既存の方法を応用するだけでなく物理的視点に基づいた新たな数理的手法を開拓することを目指して研究を進めた。特に「単一のバンド内の電子が強く反発し合うことで強磁性が出現する」という物理的にもっとも自然な状況を反映したハバード模型で金属強磁性の発現を厳密に証明したことは特筆すべき成果である。この研究では数理的にも新しい証明方法を提案し...
【数物系科学】物理学:カイラリティ強相関電子系を含む研究件
❏結晶カイラリティの定量化とそれに基づくカイラル物性の理解(16K05449)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】木村 健太 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (70586817)
【キーワード】カイラリティ / ドメイン / 旋光度 / 電気磁気効果 / 単結晶 (他9件)
【概要】本研究は、結晶構造のカイラリティ(右手系と左手系)の度合いを定量的に表す「カイラリティ強度」なる概念を導入し、これを用いてカイラリティ由来物性を定量的に理解することを目指した。カイラリティ強度を元素置換で制御できる物質群の単結晶合成に成功し、そのカイラルドメインの形成様相がカイラリティ強度と強く相関していることを見出した。また、カイラリティ強度を秩序変数とみなせる旋回相転移を発見し、相転移近傍では...
❏結晶カイラリティの外場制御に関する研究(26610103)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2014-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】木村 健太 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (70586817)
【キーワード】カイラリティ / フェロイック / ドメイン / 電気磁気効果 / 物性実験 (他7件)
【概要】鏡映対称性を持たない結晶構造における右手系と左手系を区別する物理量「結晶カイラリティ」は、多彩な物質機能の源泉であることが知られている。本プロジェクトでは、結晶カイラリティの外場制御に関する研究を行った。その結果、結晶カイラル秩序が別種の強的秩序と相関する物質においては、その強的秩序ドメインの外場スイッチを介した結晶カイラリティ制御が可能であることを示した。さらに、新規開発したカイラル化合物群の研...
【数物系科学】物理学:低温物理強相関電子系を含む研究件
❏近藤系における部分近藤スクリーニングによる自己組織化と新奇な磁気伝導現象(21340090)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2009 - 2011
【研究代表者】求 幸年 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40323274)
【キーワード】物性理論 / 強相関電子系 / 計算物理 / 磁性 / 低温物理 (他6件)
【概要】伝導電子と局在スピンが相互作用する近藤格子系において、幾何学的フラストレーションがもたらす効果を理論的に調べた。特に、磁性と非磁性が共存した部分無秩序状態のユニークな例である部分近藤スクリーニング形成に着目し、この現象に特有の磁性現象や伝導現象を明らかにした。関連して、フラストレート伝導系特有の興味深い物理として、異常ホール効果の要因であるスカラーカイラリティの発現機構や、局所スピン相関による非自...
❏フラストレートしたt2g電子系における複合自由度の競合と新奇な自己組織化(17740244)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】求 幸年 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40323274)
【キーワード】物性理論 / 強相関電子系 / 自己組織化 / 計算物理 / 低温物理 (他9件)
【概要】本研究課題において遂行してきたスピネル酸化物系に関する研究成果をまとめて、2つの国際ワークショップで成果発表を行った。研究分野の近い参加者との緊密な議論を行い、今後の理論および実験研究の展開について、例えば具体的には擬2次元酸化物系への応用展開などの新しい視点を得ることが出来た。 また、こうしたt_<2g>電子系における研究で得た知見を活かして、他の強相関フラストレート系にも視野を広げ...
【数物系科学】物理学:トポロジカル相強相関電子系を含む研究件
❏超高速非平衡現象の電子論(18H01148)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】石田 行章 東京大学, 物性研究所, リサーチフェロー (30442924)
【キーワード】超高速現象 / 電子状態 / 時間分解光電子分光 / 仕事関数 / 光電子分光 (他9件)
【概要】前年度に、従来を1-2桁上回る<1meVの精度で仕事関数を測定できることを発表した(YI et al., Commun. Phys. 2020)。本年度はこの手法を時間分解光電子分光法(TARPES)に応用し、仕事関数を介してフェムト秒域パルスで瞬間的に励起された結晶表面の様子を調べた。 仕事関数を高精度で測定するためには、試料から放出される低速な光電子をきちんと分析できるようにTARPES...
❏カゴメ反強磁性体の量子スピン液体に対する有効理論の微視的な構築(17H07362)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2017-08-25 - 2019-03-31
【研究代表者】藤 陽平 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 基礎科学特別研究員 (50802732)
【キーワード】トポロジカル相 / 分数量子Hall状態 / 量子スピン液体 / 量子細線 / トポロジカル秩序 (他8件)
【概要】物質中における電子やスピンが互いに強く相互作用することで実現する新奇な物質相の1つであるトポロジカル相では、興味深いことに分数励起という特殊な統計性を持つ励起が出現する。本研究では、そのようなトポロジカル相の例である、カゴメ反強磁性体における量子スピン液体状態や、分数量子Hall状態、3次元のゲージ理論などに注目し、相互作用を制御するための場の理論的な解析手法を用いて、それらのトポロジカル相を実現...
❏強相関物質設計と機能開拓 -非平衡系・非周期系への挑戦-(16H06345)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2016-05-31 - 2021-03-31
【研究代表者】今田 正俊 早稲田大学, 理工学術院, 上級研究員(研究院教授) (70143542)
【キーワード】第一原理計算 / 強相関電子系 / 階層的第一原理強相関電子状態計算法 / 高温超伝導 / 量子流体と量子スピン液体 (他21件)
【概要】強相関電子系を第一原理的に解明するための手法を標準手法として確立し、コードの公開・普及を行なった。機械学習を導入して、世界最高精度の量子多体ソルバーを開発し適用したことや、隠れた物理量抽出のための分光実験データ解析へ適用したことは当初の予定を超えた成果である。開発手法を、銅酸化物に代表される高温超伝導体や分子性結晶に見られる量子スピン液体の候補に適用し、初めて実験相図の任意パラメタなしでの再現に成...
【数物系科学】物理学:モノポール強相関電子系を含む研究件
❏固体中におけるモノポール場の発現とそのダイナミクス(15H05456)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2015-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】金澤 直也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (10734593)
【キーワード】トポロジー / 強相関電子系 / 物性実験 / キラル磁性体 / モノポール (他7件)
【概要】電気の力の源である粒子(陽子や電子)に対応する、磁石のN極またはS極だけの性質を持った素粒子、すなわち磁気モノポールは未だ発見されておらず、電磁気学では磁気モノポールは存在しないと仮定されて体系化されています。しかし電子の幾何学的位相を利用すれば、物質中に磁気モノポールがあたかも存在しているかのような状況を実現できると理論的に提唱されていました。本研究では、磁石の源であるスピンの集団が織りなす幾何...
❏磁性体における創発電磁気学の創成(24224009)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2012-05-31 - 2017-03-31
【研究代表者】永長 直人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60164406)
【キーワード】ベリー位相 / 創発的電磁気現象 / スキルミオン / モノポール / トポロジカル絶縁体 (他27件)
【概要】実空間および運動量空間の双方における量子力学的ベリー位相に由来する「創発電磁場」の学理を、磁性体を舞台に建設した。実空間ではカイラル磁性体における渦巻状のスピン構造スキルミオンの生成、消去、駆動、読み取り、に対応した動的性質の研究が、理論・実験双方から進展し、エレクトロニクスへの展望が開けた。 運動量空間では、新しい物質群である磁性トポロジカル絶縁体における量子化異常ホール効果の実現と、関連した諸...
【数物系科学】物理学:数理物理強相関電子系を含む研究件
❏多電子系における強磁性の数理物理学的研究(25400407)
【研究テーマ】数理物理・物性基礎
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】田崎 晴明 学習院大学, 理学部, 教授 (50207015)
【キーワード】数理物理 / 量子多体系 / 強相関電子系 / ハバード模型 / 金属強磁性 (他17件)
【概要】強く相互作用する量子多体系において非自明な秩序や相構造を解明すること、既存の方法を応用するだけでなく物理的視点に基づいた新たな数理的手法を開拓することを目指して研究を進めた。特に「単一のバンド内の電子が強く反発し合うことで強磁性が出現する」という物理的にもっとも自然な状況を反映したハバード模型で金属強磁性の発現を厳密に証明したことは特筆すべき成果である。この研究では数理的にも新しい証明方法を提案し...
❏強相関電子系への代数的アプローチ(23740298)
【研究テーマ】数理物理・物性基礎
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2011 - 2013
【研究代表者】桂 法称 学習院大学, 理学部, 准教授 (80534594)
【キーワード】強相関電子系 / 物性基礎論 / 数理物理 / エンタングルメント / 記号計算
【概要】強く相互作用する格子上のフェルミオン系・ボゾン系・スピン系の理論的研究を行った。具体的にはHubbard模型や量子ハードスクエア模型などの基底状態を、Perron-Frobeniusの定理のような数学的な道具や、関連する模型の可積分性を利用して解析した。その結果、多くの厳密な結果を得ることに成功した。例えば、SU(n)対称性のあるHubbard模型において、長岡の定理の自然な拡張が成立することを証...
❏強相関系における電子スピン共鳴の新理論展開(18540341)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2006 - 2008
【研究代表者】押川 正毅 東京大学, 物性研究所, 教授 (50262043)
【キーワード】磁気共鳴 / 磁性 / スピンギャップ / 電子スピン共鳴 / 強相関電子系 (他19件)
【概要】これまで1次元スピンギャップ系のESRについて多くの実験が行われてきたが、理論な理解は進んでいなかった。そこで、1次元スピンギャップ系のESRに対する新たな理論的アプローチを定式化した。まず、磁場中の1次元スピンギャップ系において、朝永・ラッティンジャー流体領域と量子臨界領域の間のクロスオーバーが、温度の関数としての磁化の極小として普遍的に現われることを発見した。また、このような系のESRシフトに...
【数物系科学】物理学:近藤格子強相関電子系を含む研究件
❏強い相互作用のある系における対称性と物性(11740224)
【研究テーマ】物性一般(含基礎論)
【研究種目】奨励研究(A)
【研究期間】1999 - 2000
【研究代表者】押川 正毅 東京工業大学, 理工学研究科, 助教授 (50262043)
【キーワード】強相関電子系 / Luttingerの定理 / トポロジカル量子化 / 近藤格子 / ボースアインシュタイン凝縮 (他13件)
【概要】Luttingerの定理はFermi球の体積は相互作用によって補正をうけないというもので、Fermi液体論のもっとも基本的な定理の一つであるが、Luttingerの原証明は摂動展開に基づくもので、近年その有効範囲が再び議論されるようになった。例えば近藤格子では通常の摂動論の適用は困難であり、Fermi面の大きさが伝導電子の数で決まるのか、局在スピンも含めて決まるのかがそもそも明らかでない。数年前に...
❏強相関電子系における量子相転移(11694074)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1999 - 2000
【研究代表者】SIGRIST Manfred (SIGRIST Manfred W.) 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (60293966)
【キーワード】量子相転移 / 強相関電子系 / 磁性 / スピンギャップ / ランダムスピン系 (他8件)
【概要】平成11年度及び12年度に行なった研究を以下に列挙する。 (1)Shastry-Sutherlandスピン模型の厳密な基底状態と励起スペクトルを解析し、磁化曲線にあらわれるプラトーの存在を明らかにした。さらに、このスピン模型において可能ないろいろな相の間の量子相転移を研究した。これらの理論解析結果は、二次元のスピンギャップ系SrCU_2(BO_3)_2に応用できる。 (2)2次元のプラケットRVB...
❏並列計算機による強相関電子系の数値的研究(11640333)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1999 - 2000
【研究代表者】常次 宏一 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / 数値的対角化 / 量子モンテカルロ / 密度行列繰り込み群 / 近藤格子 (他13件)
【概要】本研究計画において強相関電子系の基底状態および有限温度の熱力学を大規模な数値計算を用いて研究した。数百台規模の並列計算機、ベクトル化機能に優れたスーパーコンピュータ、およびそれらの中間にあるワークステーションクラスターの3つのタイプの計算機資源を用いて様々な種類の数値計算を実行し、以下のような成果が得られた。 1次元近藤格子の有限温度における局所物理量の動的相関関数を有限温度密度行列繰り込み群によ...
【数物系科学】物理学:近藤効果強相関電子系を含む研究件
❏局在多極子と伝導電子の混成による新奇量子相および量子臨界現象の研究(17H06602)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2017-08-25 - 2019-03-31
【研究代表者】酒井 明人 東京大学, 物性研究所, 助教 (10806087)
【キーワード】多極子 / トポロジー / 異常ネルンスト効果 / 物性実験 / 強相関電子系 (他8件)
【概要】電子相関の強い多極子系におい新規量子物性を探索することを目的として本研究を行なった。その結果、PrV2Al20において磁気八極子秩序が実現していることがわかった。 またCo2MnGaにおいて量子リフシッツ転移による室温巨大異常ネルンスト効果を発見した。これらの成果は論文にまとめられ、国内外の会議でも講演を行なった本研究に関連して日本物理学会若手奨励賞も受賞した。 ...
❏非平衡電子相関による電流揺らぎの解明とその解析手法の開発(16K17723)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】阪野 塁 東京大学, 物性研究所, 助教 (00625022)
【キーワード】近藤効果 / 量子ドット / 非局所相関 / 量子輸送 / 量子相関 (他14件)
【概要】半導体ナノスケール素子によって組み上げられた人工量子系中で観測される、量子多体効果の性質を電流ゆらぎを用いて明らかにした。特に制御された素子の持つ対称性の効果と、多体効果によって形成された量子もつれ状態の特性を明らかにした。具体的にはカーボンナノチューブ量子ドットの近藤効果を磁場やゲート電圧、電極の接合を変化させることにより非線形電流や電流ゆらぎに現れる、フェルミ流体特性を超えた補正項の性質を実験...
❏量子ドット・ナノ物質系における強相関電子による量子輸送の理論的研究(23540375)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2011 - 2013
【研究代表者】小栗 章 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10204166)
【キーワード】近藤効果 / 強相関電子系 / 量子ドット / 非平衡電流 / ショットノイズ (他15件)
【概要】量子輸送現象における電子相関の効果を解析的な方法,および計算機を用いた数値的方法の両方を駆使し詳細に調べた.従来とは異なるスケーリング法により軌道縮退の大きな極限からRPAを系統的に超える摂動展開方法の確立、および相互作用する不純物Anderson模型の非平衡Green関数の高バイアス極限における厳密解の発見など,解析的な方向から重要な成果が得られた.さらに,Hund結合がある場合における非平衡電...
【数物系科学】物理学:金属-絶縁体転移強相関電子系を含む研究件
❏強相関トポロジカル量子物性の探索と相転移・臨界現象の解明(19K14647)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】上田 健太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (40835336)
【キーワード】強相関電子系 / スピン軌道相互作用 / 金属絶縁体転移 / 磁気輸送現象 / 磁性 (他8件)
【概要】本研究課題では、スピン軌道相互作用の大きい4d・5d電子系酸化物に着目し、強相関トポロジカル量子物性の開拓と機能制御を行った。パイロクロア型イリジウム酸化物においては、磁性ワイル半金属の実現可能性が理論的に議論されていた。近年では、磁気構造によって様々なトポロジカル電子相が現れることが知られていたが、電子相関の比較的小さい領域に限定されていた。本研究課題では、電子占有率を変化させることで、相関の強...
❏イオン液体ゲートによる新しい電界効果デバイスの創製(25708039)
【研究テーマ】デバイス関連化学
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】上野 和紀 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (10396509)
【キーワード】電気二重層トランジスタ / モットトランジスタ / イオン液体 / 強相関電子系 / 遷移金属酸化物 (他10件)
【概要】イオン液体ゲートを用いた電気二重層トランジスタを強相関電子系 SrVO3 の極薄膜に組み合わせ、金属絶縁体転移の制御を行った。 SrVO3 はバルク単結晶では良好な金属だが、10 原子層厚さ以下の極薄膜にすることで次元性が減少し、バンド幅減少による金属絶縁体転移を起こした。この状態は電子相関により絶縁体となるモット絶縁体だと考えられる。われわれはSrVO3 極薄膜でゲート印加とともに絶縁体から金属...
❏一軸方向加圧環境を含む高圧下NMR装置の開発と強相関電子系への適用(17340107)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2008
【研究代表者】藤原 直樹 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 准教授 (60272530)
【キーワード】高温超伝導 / 高圧測定 / 核磁気共鳴 / 強相関電子系 / 高圧 (他11件)
【概要】ピストンシリンダー型圧力セルにおいて4万気圧まで至達することに成功した。このセルを用いて圧力下で最適条件となる鉄砒素系高温超伝導体LaFeAsO_<1-x>F_xや、梯子格子銅酸化物Sr_2Ca_<12>Cu_<24>O_<41>のNMR測定を行い、超伝導転移点T_Cが高圧下で上昇する機構を解明した。 ...
【数物系科学】物理学:銅酸化物高温超伝導体強相関電子系を含む研究件
❏量子クエンチに基づく強相関電子系の新規量子相の探索(20K20343)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2020-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】島野 亮 東京大学, 低温科学研究センター, 教授 (40262042)
【キーワード】量子クエンチ / 非平衡 / 超伝導 / 電荷密度波 / 光誘起相転移 (他15件)
【概要】超伝導と電荷密度波(CDW)といった多重の秩序が競合共存する系を対象に、光学的量子クエンチの手法を用いて、新たな量子相の探究を行った。遷移金属ダイカルコゲナイド物質ではCDWの振幅モード励起を介した相転移を初めて実現した。鉄系超伝導体では、光照射により超伝導が増強することを非線形テラヘルツ分光から明瞭に実証した。ストライプ秩序を発現するLa214系銅酸化物高温超伝導体では、電荷秩序とスピン秩序、超...
❏強相関物質における格子自由度の役割解明とフォノンがもたらす機能物性の探索(17K14336)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】野村 悠祐 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (20793756)
【キーワード】電子格子相互作用 / 機械学習 / ニッケル酸化物 / 物質デザイン / 超伝導 (他12件)
【概要】磁性や超伝導などの様々な機能物性を示す強相関物質においては、電子自由度がフォノン(格子振動)自由度と密接に絡み合って物性を発現する。これまで電子自由度が作り出す非自明な物性は盛んに研究されているが、強相関物質におけるフォノンの役割に関しては未解明な部分が多い。本研究の目的は、強相関系における電子とフォノン自由度の絡み合いの理解を進展させることであった。本研究では、機械学習を用いた強力な電子格子結合...
【数物系科学】物理学:集団励起強相関電子系を含む研究件
❏量子クエンチに基づく強相関電子系の新規量子相の探索(20K20343)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2020-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】島野 亮 東京大学, 低温科学研究センター, 教授 (40262042)
【キーワード】量子クエンチ / 非平衡 / 超伝導 / 電荷密度波 / 光誘起相転移 (他15件)
【概要】超伝導と電荷密度波(CDW)といった多重の秩序が競合共存する系を対象に、光学的量子クエンチの手法を用いて、新たな量子相の探究を行った。遷移金属ダイカルコゲナイド物質ではCDWの振幅モード励起を介した相転移を初めて実現した。鉄系超伝導体では、光照射により超伝導が増強することを非線形テラヘルツ分光から明瞭に実証した。ストライプ秩序を発現するLa214系銅酸化物高温超伝導体では、電荷秩序とスピン秩序、超...
❏励起子絶縁体の外場応答に関する微視理論の展開(15H06093)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2015-08-28 - 2017-03-31
【研究代表者】杉本 高大 千葉大学, 先進科学センター, 特任助教 (70756072)
【キーワード】励起子絶縁体 / 遷移金属カルコゲナイド / コバルト酸化物 / 励起子相 / 磁化率 (他16件)
【概要】励起子絶縁体とは、半導体または半金属において、励起子が自発的に形成され量子凝縮を起こした系である。励起子絶縁体の候補物質である遷移金属カルコゲナイドTa2NiSe5に注目して、超音波吸収係数と核磁気共鳴緩和率に現れる量子干渉効果、反磁性磁化率、光学伝導度の振る舞いについて励起子凝縮の観点から明らかにした。また、コバルト酸化物Pr0.5Ca0.5CoO3の励起子相において磁気多極子秩序が形成されるこ...
【数物系科学】物理学:量子スピン系強相関電子系を含む研究件
❏マヨラナフェルミオン描像に基づいた量子スピン系に対する数値的研究(15K13533)
【研究テーマ】数理物理・物性基礎
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2015-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】求 幸年 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40323274)
【キーワード】強相関電子系 / 計算物理 / 量子スピン系 / トポロジー / スピン液体 (他8件)
【概要】本研究では、磁性体に現れる奇妙な量子状態である量子スピン液体の性質を解明する目的で、新しい数値計算手法の開発を行った。キタエフ模型と呼ばれる理論モデルの厳密解で用いられるマヨラナフェルミオン描像に基づいて、新しい量子モンテカルロ法、動的平均場法、および連続時間量子モンテカルロ法を開発した。それらを用いて、様々な物理量の温度依存性やエネルギー依存性を明らかにし、キタエフ模型に対する候補物質における最...
❏微小単結晶量子磁性体の極低温超高感度磁化測定(24340075)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】榊原 俊郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (70162287)
【キーワード】量子スピン系 / 強相関電子系 / 量子相転移 / 超伝導 / 磁化測定 (他9件)
【概要】低次元量子スピン物質や強相関物質などの純良単結晶試料は、微小な結晶としてしか得られないことが多い。本研究課題では、研究代表者がこれまで開発してきた極低温磁化測定装置を、微小結晶試料の測定に対応できるように従来比で100倍高感度化した。この装置による主要な成果は、(1)スピン1/2の一次元ハイゼンベルグ反強磁性体CuPzN単結晶の低温磁化の磁場温度依存性が厳密解と高い精度で一致することを検証、(2)...
❏フラストレーションの強い新規量子スピン系における量子多体効果の解明(23244072)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2011-04-01 - 2014-03-31
【研究代表者】田中 秀数 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (80188325)
【キーワード】磁性 / 量子スピン系 / フラストレーション / 強磁場 / 量子多体効果 (他14件)
【概要】我々はフラストレーションの強いスピン系での顕著な量子効果を調べた。まず,我々はBa3CoSb2O9の磁化過程を測定し,全磁場領域で磁化曲線が理論と一致することより,この物質が理想に近いスピン1/2三角格子反強磁性体であることを示した。続いて,スピン1/2籠目格子反強磁性体Cs2Cu3SnF12の磁気励起を中性子非弾性散乱で測定し,励起エネルギーが通常とは逆に,スピン波理論で求めた値よりも大きく減少...
【数物系科学】物理学:量子モンテカルロ法強相関電子系を含む研究件
❏高次元データの次元圧縮によって実現する磁性と超伝導の第一原理計算(18H01158)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】大槻 純也 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60513877)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 超伝導 / 第一原理計算 / スパースモデリング (他12件)
【概要】強相関電子系化合物では、多数の電子がクーロン斥力によって強く相互作用しあうことで、磁性や超伝導などの実用的に有用な様々な機能物性が発現する。それらの物性を理解する上で、外場への応答を表す感受率が重要な役割を果たす。しかし、現実の強相関化合物に対する感受率の計算は、数値計算の難しさのために実現していない。本研究では、データ科学的な方法論を応用することで、強相関化合物の感受率計算の実現に向けた多くの進...
❏並列計算機による強相関電子系の数値的研究(11640333)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1999 - 2000
【研究代表者】常次 宏一 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / 数値的対角化 / 量子モンテカルロ / 密度行列繰り込み群 / 近藤格子 (他13件)
【概要】本研究計画において強相関電子系の基底状態および有限温度の熱力学を大規模な数値計算を用いて研究した。数百台規模の並列計算機、ベクトル化機能に優れたスーパーコンピュータ、およびそれらの中間にあるワークステーションクラスターの3つのタイプの計算機資源を用いて様々な種類の数値計算を実行し、以下のような成果が得られた。 1次元近藤格子の有限温度における局所物理量の動的相関関数を有限温度密度行列繰り込み群によ...
【数物系科学】物理学:重い電子系強相関電子系を含む研究件
❏重い電子系物質の強磁場物性と微視的電子状態(18K03537)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】海老原 孝雄 静岡大学, 理学部, 准教授 (20273162)
【キーワード】重い電子系 / 強相関電子系 / メタ磁性 / 強磁場 / 比熱 (他7件)
【概要】新奇な超伝導状態や非フェルミ液体状態などの特異な物性が発現する、量子臨界点の近傍に位置する非磁性の重い電子系物質では、磁場中でメタ磁性を示す場合があり、その発現メカニズムは、新奇超伝導などの特異物性の発現メカニズムと密接に関係すると考えられている。このメタ磁性メカニズムを解明することは、基礎科学的側面からも新たな超伝導開発といった工学的な側面からも重要である。本研究での大きな成果は、強磁場中の比熱...
❏新構造124型希土類化合物の開発と超高圧下新量子相の探索(15K13523)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2015-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】北川 健太郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 講師 (90567661)
【キーワード】超高圧技術 / 核磁気共鳴 / スピン液体 / 重い電子系 / Ir化合物 (他12件)
【概要】研究代表者らが発見した新構造物質とその他の新物質系の超高圧物性探索を目的とした。新物質YbCo2Ge4では、超高圧磁気相図の作成により1GPa付近での低い圧力での量子臨界点の存在を明らかにした。次に、本課題開始時に世界的に盛んに研究され始めたキタエフ量子スピン液体に注力した。まず、常圧・無磁場下でキタエフ系初のスピン液体実証として2次元蜂の巣格子H3LiIr2O6の50mKまで常磁性が保たれたスピ...
❏超高圧・極低温・精密磁場制御環境の実現と核磁気共鳴測定による量子相転移の研究(26707018)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2014-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】北川 健太郎 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (90567661)
【キーワード】強相関電子系 / 超高圧 / 核磁気共鳴 / 重い電子系 / 量子スピン液体 (他9件)
【概要】核磁気共鳴(NMR)実験としては未到達の多重極限環境の構築を行い、種々の強相関電子系物質の超高圧下量子相転移の研究を行うこと、新奇量子物性の開拓を目的として研究を開始した。計画通り超高圧・極低温・2軸回転磁場制御環境下における核磁気共鳴測定を実現した他、本課題の技術は幅広い共同研究者により重い電子系等の研究に用いられている。特筆すべき成果として、キタエフ量子スピン液体の初めての実現が期待されるイリ...
【数物系科学】物理学:量子相転移強相関電子系を含む研究件
❏強相関トポロジカル量子物性の探索と相転移・臨界現象の解明(19K14647)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】上田 健太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (40835336)
【キーワード】強相関電子系 / スピン軌道相互作用 / 金属絶縁体転移 / 磁気輸送現象 / 磁性 (他8件)
【概要】本研究課題では、スピン軌道相互作用の大きい4d・5d電子系酸化物に着目し、強相関トポロジカル量子物性の開拓と機能制御を行った。パイロクロア型イリジウム酸化物においては、磁性ワイル半金属の実現可能性が理論的に議論されていた。近年では、磁気構造によって様々なトポロジカル電子相が現れることが知られていたが、電子相関の比較的小さい領域に限定されていた。本研究課題では、電子占有率を変化させることで、相関の強...
❏SドープしたFeSeの高温超伝導機構と量子相転移の高圧下NMRによる研究(18H01181)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】藤原 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (60272530)
【キーワード】鉄系超伝導体 / 強相関電子系 / 核磁気共鳴 / 高圧下測定 / 量子相転移 (他8件)
【概要】FeSeは、ネマチック秩序、超伝導、および磁性が圧力・温度(P-T)相図で互いに絡み合っている特異な系である。しかし、12%S-置換したFeSeでは、ネマチック秩序と磁性の重なりが解消されている。そこで、本研究では 約5 GPaまでの圧力下でSe核の磁気共鳴測定を実行した。その結果、約1万気圧において圧力誘起リフシッツ転移が、状態密度の異常として、また異なる反強磁性(AF)揺らぎを伴う超伝導(SC...
❏微小単結晶量子磁性体の極低温超高感度磁化測定(24340075)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】榊原 俊郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (70162287)
【キーワード】量子スピン系 / 強相関電子系 / 量子相転移 / 超伝導 / 磁化測定 (他9件)
【概要】低次元量子スピン物質や強相関物質などの純良単結晶試料は、微小な結晶としてしか得られないことが多い。本研究課題では、研究代表者がこれまで開発してきた極低温磁化測定装置を、微小結晶試料の測定に対応できるように従来比で100倍高感度化した。この装置による主要な成果は、(1)スピン1/2の一次元ハイゼンベルグ反強磁性体CuPzN単結晶の低温磁化の磁場温度依存性が厳密解と高い精度で一致することを検証、(2)...
【数物系科学】物理学:量子多体系強相関電子系を含む研究件
❏機械学習と物性理論の分野融合的アプローチによる強相関第一原理計算(20K14423)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】野村 悠祐 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (20793756)
【キーワード】機械学習 / 人工ニューラルネットワーク / 強相関電子系 / 手法開発 / 量子多体系 (他11件)
【概要】本研究の目的の一つは、人工ニューラルネットワーク/機械学習と量子多体論を融合した強力かつ汎用的な強相関数値計算手法を開発することである。その新たな手法と密度汎関数理論などの第一原理計算を組みあわせて、実存する強相関電子系へ適用を行い、高精度な定量計算の実現を目指す。そのため、研究の柱は新たな手法開発である。同時に新手法の精度検証も重要な課題になってくる。 今年度は有限温度計算を可能にする新たな人...
❏多電子系における強磁性の数理物理学的研究(25400407)
【研究テーマ】数理物理・物性基礎
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】田崎 晴明 学習院大学, 理学部, 教授 (50207015)
【キーワード】数理物理 / 量子多体系 / 強相関電子系 / ハバード模型 / 金属強磁性 (他17件)
【概要】強く相互作用する量子多体系において非自明な秩序や相構造を解明すること、既存の方法を応用するだけでなく物理的視点に基づいた新たな数理的手法を開拓することを目指して研究を進めた。特に「単一のバンド内の電子が強く反発し合うことで強磁性が出現する」という物理的にもっとも自然な状況を反映したハバード模型で金属強磁性の発現を厳密に証明したことは特筆すべき成果である。この研究では数理的にも新しい証明方法を提案し...
❏強い相互作用のある系における対称性と物性(11740224)
【研究テーマ】物性一般(含基礎論)
【研究種目】奨励研究(A)
【研究期間】1999 - 2000
【研究代表者】押川 正毅 東京工業大学, 理工学研究科, 助教授 (50262043)
【キーワード】強相関電子系 / Luttingerの定理 / トポロジカル量子化 / 近藤格子 / ボースアインシュタイン凝縮 (他13件)
【概要】Luttingerの定理はFermi球の体積は相互作用によって補正をうけないというもので、Fermi液体論のもっとも基本的な定理の一つであるが、Luttingerの原証明は摂動展開に基づくもので、近年その有効範囲が再び議論されるようになった。例えば近藤格子では通常の摂動論の適用は困難であり、Fermi面の大きさが伝導電子の数で決まるのか、局在スピンも含めて決まるのかがそもそも明らかでない。数年前に...
【数物系科学】物理学:量子臨界現象強相関電子系を含む研究件
❏SドープしたFeSeの高温超伝導機構と量子相転移の高圧下NMRによる研究(18H01181)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】藤原 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (60272530)
【キーワード】鉄系超伝導体 / 強相関電子系 / 核磁気共鳴 / 高圧下測定 / 量子相転移 (他8件)
【概要】FeSeは、ネマチック秩序、超伝導、および磁性が圧力・温度(P-T)相図で互いに絡み合っている特異な系である。しかし、12%S-置換したFeSeでは、ネマチック秩序と磁性の重なりが解消されている。そこで、本研究では 約5 GPaまでの圧力下でSe核の磁気共鳴測定を実行した。その結果、約1万気圧において圧力誘起リフシッツ転移が、状態密度の異常として、また異なる反強磁性(AF)揺らぎを伴う超伝導(SC...
❏新構造124型希土類化合物の開発と超高圧下新量子相の探索(15K13523)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2015-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】北川 健太郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 講師 (90567661)
【キーワード】超高圧技術 / 核磁気共鳴 / スピン液体 / 重い電子系 / Ir化合物 (他12件)
【概要】研究代表者らが発見した新構造物質とその他の新物質系の超高圧物性探索を目的とした。新物質YbCo2Ge4では、超高圧磁気相図の作成により1GPa付近での低い圧力での量子臨界点の存在を明らかにした。次に、本課題開始時に世界的に盛んに研究され始めたキタエフ量子スピン液体に注力した。まず、常圧・無磁場下でキタエフ系初のスピン液体実証として2次元蜂の巣格子H3LiIr2O6の50mKまで常磁性が保たれたスピ...
【数物系科学】物理学:量子臨界点強相関電子系を含む研究件
❏定荷重圧力装置を用いたドハース振動観測装置の開発と強相関電子系のフェルミ面の研究(19K03713)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【研究代表者】摂待 力生 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00251041)
【キーワード】純良単結晶育成 / 高圧実験 / ドハース・ファンアルフェン効果 / フェルミ面 / 単結晶育成 (他10件)
【概要】定荷重圧力装置を用いた圧力下のドハース・ファンアルフェン(dHvA)振動およびシュブニコフ・ドハース(SdH)振動を観測するための圧力セルの製作および希土類元素や遷移金属元素を含む強相関物質の単結晶育成を行い,電気抵抗や比熱,磁化およびdHvA (SdH) 振動の実験からその電子状態および磁性状態を調べた。重い電子系CeIrIn5やCeRhIn5では,メタ磁性やリフシッツ転移前後の電子状態を調べた...
❏光電子分光によるイッテルビウム系近藤物質の量子臨界現象に関する研究(23840039)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2011 - 2012
【研究代表者】大川 万里生 東京理科大学, 理学部, 助教 (50609302)
【キーワード】強相関電子系 / 重い電子系 / 価数揺動 / 量子臨界点 / 光電子分光 (他6件)
【概要】重い電子系α-YbAlB4は,数%のAl-Fe置換により非従来型の量子臨界現象と反強磁性秩序が誘起される.我々は,α-Yb(Al,Fe)B4系における特異な量子臨界現象の起源を明らかにするために,思い電子状態や磁性に関係するYb価数状態の温度・Feドープ依存性を,硬X線光電子分光を用いて詳細に調べた.その結果,量子臨界領域において,Yb価数のFeドープ変化に鋭いクロスオーバーが観測され,さらにその...
❏空間反転対称性の人工制御による新奇超伝導状態の探索(20654031)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2008 - 2009
【研究代表者】芝内 孝禎 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00251356)
【キーワード】超格子構造 / 空間反転対称性 / f電子系 / 強相関電子系 / FFLO状態 (他8件)
【概要】本研究の目的は、空間反転対称性が破れている結晶構造を持つ重い電子系超伝導体において期待されている新奇超伝導状態に対する新しい切り口として、重い電子系の薄膜作製技術を用いて、前例のない手法により人工的に重い電子超伝導体の空間反転対称性を制御し、新奇超伝導状態が起こるかどうかの検証をおこなうことである。 本年度の成果としては、昨年度に確立した薄膜成長装置であるMBEシステムのさらなる改良をおこない、1...
【数物系科学】物理学:フェルミ面強相関電子系を含む研究件
❏定荷重圧力装置を用いたドハース振動観測装置の開発と強相関電子系のフェルミ面の研究(19K03713)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【研究代表者】摂待 力生 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00251041)
【キーワード】純良単結晶育成 / 高圧実験 / ドハース・ファンアルフェン効果 / フェルミ面 / 単結晶育成 (他10件)
【概要】定荷重圧力装置を用いた圧力下のドハース・ファンアルフェン(dHvA)振動およびシュブニコフ・ドハース(SdH)振動を観測するための圧力セルの製作および希土類元素や遷移金属元素を含む強相関物質の単結晶育成を行い,電気抵抗や比熱,磁化およびdHvA (SdH) 振動の実験からその電子状態および磁性状態を調べた。重い電子系CeIrIn5やCeRhIn5では,メタ磁性やリフシッツ転移前後の電子状態を調べた...
❏不整合格子系有機超伝導体における異常金属相と超伝導相の研究(17750176)
【研究テーマ】機能材料・デバイス
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2005 - 2006
【研究代表者】川本 正 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (60323789)
【キーワード】不整合格子 / 有機超伝導体 / 有効質量 / 強相関電子系 / フェルミ面
【概要】MDT-TSFのヨウ素錯体は、有機ドナー分子と無機アニオン分子が不整合格子を組む有機超伝導体である。組成が(MDT-TSF)(I_3)_<0.422>であるため電荷移動量は通常の0.5価よりも少ない0.422価である。シュブニコフ・ドハース振動で観測されたサイクロトロン軌道は、バンド計算から予測される二つの閉軌道のみであり、不整合アニオンポテンシャルによるフェルミ面の再構成が観測された...
【数物系科学】物理学:物質探索強相関電子系を含む研究件
❏イオン液体合成法による新しい超伝導体・フラストレート磁性体の開発(16K13831)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】廣井 善二 東京大学, 物性研究所, 教授 (30192719)
【キーワード】物質開発 / 超伝導 / 磁気フラストレーション / イオン液体合成 / 水熱合成 (他13件)
【概要】強相関電子系における物質探索にブレークスルーを目指して,イオン液体合成法や水熱合成法により新しい超伝導体やフラストレート磁性体の合成を行った.超伝導が報告されているがその詳細は全く分かっていないTe4[BixCl4]を合成してその物性を評価したが、超伝導性の確認には至らなかった。一方、水熱合成法を駆使して、新しいカゴメ格子反強磁性体CdCu3(OH)6(NO3)2・H2O (CdK)の単結晶育成に...
❏パイロクロア酸化物における新規な物質及び物性開拓(16340101)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2004 - 2006
【研究代表者】廣井 善二 東京大学, 物性研究所, 教授 (30192719)
【キーワード】パイロクロア酸化物 / 超伝導体 / ラットリング / 遷移金属酸化物 / フラストレーション (他7件)
【概要】βパイロクロア型オスミウム酸化物超伝導体AOs_2O_6について、試料合成、構造評価および物性測定を行った。A元素としては現在までに3つのアルカリ金属元素Cs、Rb、Kを含む酸化物が合成されており、それぞれ超伝導転移温度T_cが3.3K、6.3K、9.6Kである。以前に報告したαパイロクロア酸化物Cd_2Re_2O_7のT_c=1.0Kと比べると最大一桁T_cが上昇したことになり、何らかの新しい超...
【数物系科学】物理学:スピノン強相関電子系を含む研究件
❏スピノンフェルミ面とスピノン対凝縮:分裂と縺れが創るスピン量子相の探索(21K18144)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2021-07-09 - 2024-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】スピン液体 / スピノンフェルミ面 / 強磁場 / 核磁気共鳴 / 輸送特性 (他10件)
【概要】本研究課題は、「スピン液体」の微視的状態の理解を目指している。対象とする物質は有機スピン液体候補物質であるk-(BEDT-TTF)2Cu2(CN)3とEtMe3Sb[Pd(dmit)2]2である。 研究初年度では、スピン液体を説明する一つのモデルであるスピンノンフェルミ面の検出を目指して核磁気共鳴および高磁場物性の測定を行った。 スピノンのフェルミ面が存在する場合、物理量に磁場に対する量子振動が期...
❏一次元量子系における素励起の統計性の理論的研究(08740306)
【研究テーマ】物性一般(含基礎論)
【研究種目】奨励研究(A)
【研究期間】1996
【研究代表者】加藤 雄介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (20261547)
【キーワード】一次元量子系 / 強相関電子系 / 熱力学 / 動力学 / スピノン (他8件)
【概要】本研究では長距離型の相互作用を持つt-J模型に対して熱力学の厳密かつ解析的な定式化を行った。その結果、スピノンとホロンという2種類の素励起がエネルギー的に自由な素励起として存在する事、エントロピーを介して互いに統計相互作用する事がわかった。この2つの性質は多くの一次元強相関系において近似的に満たされている性質であるので普遍的なものである。各系の個性は素励起の種類とその統計相互作用の具体形に現れる。...
【数物系科学】物理学:物性理論強相関電子系を含む研究件
❏強結合励起子凝縮系物質のプリフォームドペア状態と非平衡ダイナミクスの理論(20H01849)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【研究代表者】太田 幸則 千葉大学, 大学院理学研究院, 名誉教授 (70168954)
【キーワード】励起子絶縁体 / 励起子凝縮 / 非平衡ダイナミクス / 強相関電子系 / プリフォームドペア (他8件)
【概要】本申請代表者グループの励起子凝縮に関するこれまでの理論研究を背景に、本研究の目的は次の3点を明らかにすることである。すなわち、① 熱的純粋量子状態に基づく変分クラスター近似を用いた強結合励起子凝縮機構の解明 ② 時間発展ランチョス法・時間依存密度行列繰込み群法による励起子相の非平衡ダイナミクスの解明 ③第一原理計算とその解析に基づく低エネルギー有効電子模型の導出。これらにより、超伝導と並ぶフェルミ...
❏量子スピン液体におけるマヨラナ粒子の創出と制御(20H00122)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2025-03-31
【研究代表者】求 幸年 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40323274)
【キーワード】磁性 / 強相関電子系 / 物性理論 / 計算物理 / トポロジー
【概要】研究計画に沿って研究を推進し、以下の研究成果を得た。(0) 計算機環境の構築:本研究計画をスムーズに遂行するために、新しいPCクラスタシステム一式及び計算サーバーを導入し、代表者と分担者で共有して使用できる計算機環境を構築した。(1) キタエフ量子スピン液体が実現する新たな舞台を探索する目的で、高スピン系や冷却原子系を念頭に置いた数値計算を行い、キタエフ量子スピン液体が実現するパラメタ領域を明らか...
❏カゴメ反強磁性体の量子スピン液体に対する有効理論の微視的な構築(17H07362)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2017-08-25 - 2019-03-31
【研究代表者】藤 陽平 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 基礎科学特別研究員 (50802732)
【キーワード】トポロジカル相 / 分数量子Hall状態 / 量子スピン液体 / 量子細線 / トポロジカル秩序 (他8件)
【概要】物質中における電子やスピンが互いに強く相互作用することで実現する新奇な物質相の1つであるトポロジカル相では、興味深いことに分数励起という特殊な統計性を持つ励起が出現する。本研究では、そのようなトポロジカル相の例である、カゴメ反強磁性体における量子スピン液体状態や、分数量子Hall状態、3次元のゲージ理論などに注目し、相互作用を制御するための場の理論的な解析手法を用いて、それらのトポロジカル相を実現...
【数物系科学】物理学:臨界現象強相関電子系を含む研究件
❏分子性導体における極限π電子物性(22224006)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2010-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】加藤 礼三 独立行政法人理化学研究所, 加藤分子物性研究室, 主任研究員 (80169531)
【キーワード】分子性固体・有機導体 / 電気・磁気的機能 / 有機電子材料・素子 / 超伝導 / 光誘起相転移 (他14件)
【概要】本研究は、分子系π電子物性の可能性を、物質開発および物性開発の両面から徹底的に追求することを目指した。物質開発においては、新たなデュアル機能π電子系(単一の結晶内で、一種類のπラジカルが分子配列の違いによって二つの異なった物性を示す系)や世界初の単一成分分子性超伝導体を発見した。物性開発では、まず界面π電子の機能として、π電子系で世界初めての電場誘起超伝導を実現し、さらに光で超伝導をON/OFFす...
❏多項式展開法を用いた熱力学量の数値計算における超並列化アルゴリズムの開発(14654068)
【研究テーマ】物性一般(含基礎論)
【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2002 - 2004
【研究代表者】古川 信夫 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (00238669)
【キーワード】多項式展開 / チェビシェフ多項式 / 並列計算機 / 並列化アルゴリズム / モンテカルロ計算 (他8件)
【概要】多項式展開法(Polynomial Expansion Method)による諸物理量の計算アルゴリズムの改良を行った。量子系の諸物理量の計算では従来はハミルトニアン行列の対角化によって固有エネルギーと波動関数を求める必要があった。このため、計算時間は系の自由度Nの3乗に比例し、系の大きさを増大させることが困難であった。多項式展開法を用いることによって行列対角化ではなく単純な行列の積・和の計算のみで...
【数物系科学】物理学:準安定強相関電子系を含む研究件
❏超急冷法を用いた準安定超伝導の開拓と制御(18H01168)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】賀川 史敬 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30598983)
【キーワード】超伝導 / 不揮発相制御 / 急冷 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / 準安定 (他6件)
【概要】遷移金属ダイカルコゲナイドIrTe2を対象にし、異なる強度、パルス幅の電気パルスを交互に印加することで、ゼロ抵抗状態および有限抵抗状態を、可逆的かつ不揮発に変換することに成功した。このような電気パルス印加による超伝導発現の制御は、100年以上にもわたる超伝導研究の中で初めての例である。また、走査型ラマン顕微鏡を用いて、超伝導相と常伝導相が数umスケールで空間的に共存している様子の可視化に成功した。...
❏幾何学的フラストレーションが誘起する電荷ガラスの研究(15H05459)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2015-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】賀川 史敬 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, ユニットリーダー (30598983)
【キーワード】強相関電子 / 非平衡 / 急冷 / 電荷ガラス / 相変化メモリ (他11件)
【概要】液体を急冷すると結晶化しないまま、原子位置が不規則に凍結したガラスとなる。近年、固体中の電子においても似たような挙動が現れることが分かってきた。徐冷すると、電子は規則正しく結晶格子上に配列する(電子の結晶状態が現れる)のに対し、急冷した場合は電子が不規則に凍結した、いわば電子のガラス状態が現れる。このような電子の結晶状態と電子のガラス状態は電気パルスや光パルスを印可することで、不揮発かつ可逆的に切...
【数物系科学】物理学:スピンギャップ強相関電子系を含む研究件
❏強相関系における電子スピン共鳴の新理論展開(18540341)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2006 - 2008
【研究代表者】押川 正毅 東京大学, 物性研究所, 教授 (50262043)
【キーワード】磁気共鳴 / 磁性 / スピンギャップ / 電子スピン共鳴 / 強相関電子系 (他19件)
【概要】これまで1次元スピンギャップ系のESRについて多くの実験が行われてきたが、理論な理解は進んでいなかった。そこで、1次元スピンギャップ系のESRに対する新たな理論的アプローチを定式化した。まず、磁場中の1次元スピンギャップ系において、朝永・ラッティンジャー流体領域と量子臨界領域の間のクロスオーバーが、温度の関数としての磁化の極小として普遍的に現われることを発見した。また、このような系のESRシフトに...
❏強い相互作用のある系における対称性と物性(11740224)
【研究テーマ】物性一般(含基礎論)
【研究種目】奨励研究(A)
【研究期間】1999 - 2000
【研究代表者】押川 正毅 東京工業大学, 理工学研究科, 助教授 (50262043)
【キーワード】強相関電子系 / Luttingerの定理 / トポロジカル量子化 / 近藤格子 / ボースアインシュタイン凝縮 (他13件)
【概要】Luttingerの定理はFermi球の体積は相互作用によって補正をうけないというもので、Fermi液体論のもっとも基本的な定理の一つであるが、Luttingerの原証明は摂動展開に基づくもので、近年その有効範囲が再び議論されるようになった。例えば近藤格子では通常の摂動論の適用は困難であり、Fermi面の大きさが伝導電子の数で決まるのか、局在スピンも含めて決まるのかがそもそも明らかでない。数年前に...
❏強相関電子系における量子相転移(11694074)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1999 - 2000
【研究代表者】SIGRIST Manfred (SIGRIST Manfred W.) 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (60293966)
【キーワード】量子相転移 / 強相関電子系 / 磁性 / スピンギャップ / ランダムスピン系 (他8件)
【概要】平成11年度及び12年度に行なった研究を以下に列挙する。 (1)Shastry-Sutherlandスピン模型の厳密な基底状態と励起スペクトルを解析し、磁化曲線にあらわれるプラトーの存在を明らかにした。さらに、このスピン模型において可能ないろいろな相の間の量子相転移を研究した。これらの理論解析結果は、二次元のスピンギャップ系SrCU_2(BO_3)_2に応用できる。 (2)2次元のプラケットRVB...
【数物系科学】物理学:スピン液体強相関電子系を含む研究件
❏スピノンフェルミ面とスピノン対凝縮:分裂と縺れが創るスピン量子相の探索(21K18144)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2021-07-09 - 2024-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】スピン液体 / スピノンフェルミ面 / 強磁場 / 核磁気共鳴 / 輸送特性 (他10件)
【概要】本研究課題は、「スピン液体」の微視的状態の理解を目指している。対象とする物質は有機スピン液体候補物質であるk-(BEDT-TTF)2Cu2(CN)3とEtMe3Sb[Pd(dmit)2]2である。 研究初年度では、スピン液体を説明する一つのモデルであるスピンノンフェルミ面の検出を目指して核磁気共鳴および高磁場物性の測定を行った。 スピノンのフェルミ面が存在する場合、物理量に磁場に対する量子振動が期...
❏マヨラナフェルミオン描像に基づいた量子スピン系に対する数値的研究(15K13533)
【研究テーマ】数理物理・物性基礎
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2015-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】求 幸年 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40323274)
【キーワード】強相関電子系 / 計算物理 / 量子スピン系 / トポロジー / スピン液体 (他8件)
【概要】本研究では、磁性体に現れる奇妙な量子状態である量子スピン液体の性質を解明する目的で、新しい数値計算手法の開発を行った。キタエフ模型と呼ばれる理論モデルの厳密解で用いられるマヨラナフェルミオン描像に基づいて、新しい量子モンテカルロ法、動的平均場法、および連続時間量子モンテカルロ法を開発した。それらを用いて、様々な物理量の温度依存性やエネルギー依存性を明らかにし、キタエフ模型に対する候補物質における最...
❏新構造124型希土類化合物の開発と超高圧下新量子相の探索(15K13523)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2015-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】北川 健太郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 講師 (90567661)
【キーワード】超高圧技術 / 核磁気共鳴 / スピン液体 / 重い電子系 / Ir化合物 (他12件)
【概要】研究代表者らが発見した新構造物質とその他の新物質系の超高圧物性探索を目的とした。新物質YbCo2Ge4では、超高圧磁気相図の作成により1GPa付近での低い圧力での量子臨界点の存在を明らかにした。次に、本課題開始時に世界的に盛んに研究され始めたキタエフ量子スピン液体に注力した。まず、常圧・無磁場下でキタエフ系初のスピン液体実証として2次元蜂の巣格子H3LiIr2O6の50mKまで常磁性が保たれたスピ...
【数物系科学】物理学:ワイル半金属強相関電子系を含む研究件
❏量子駆動系の非線形輸送現象における相関効果の理論研究(16H06717)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2016-08-26 - 2018-03-31
【研究代表者】石塚 大晃 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00786014)
【キーワード】シフト電流 / Berry位相 / ワイル半金属 / 二次高調波発生 / 光起電効果 (他12件)
【概要】空間反転対称性の破れた物質に特有の物理現象である異常光起電効果および二次高調波発生をゼロギャップ半導体から絶縁体までの異なる性質を持つ物質系を対象として理論的に研究した.そして,ゼロギャップ半導体では,絶縁体とは異なる機構による異常光起電効果および二次高調波発生が見られることを見出した.また,絶縁体における研究では,Rice-Mele模型における異常光電流を非平衡Green関数法を用いて解析した....
❏トポロジカル反強磁性体の実験的開拓(16H02209)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】中辻 知 東京大学, 物性研究所, 教授 (70362431)
【キーワード】トポロジー / ワイル半金属 / ラッティンジャー半金属 / フラストレート磁性 / 異常ホール効果 (他12件)
【概要】磁気ワイルフェルミオン(時間反転対称性の破れたワイル半金属)をカイラル反強磁性体Mn3Snにおいて世界で初めて発見した。また同物質において反強磁性体で始めて巨大な異常ネルンスト効果、磁気光学カー効果を観測し、室温で巨大な異常ホール効果を示す薄膜の作製に成功した。 ラッティンジャー半金属として知られるパイロクロア型イリジウム酸化物Pr2Ir2O7の薄膜作製に世界で初めて成功した。その電子相関が非常に...
❏磁性体における創発電磁気学の創成(24224009)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2012-05-31 - 2017-03-31
【研究代表者】永長 直人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60164406)
【キーワード】ベリー位相 / 創発的電磁気現象 / スキルミオン / モノポール / トポロジカル絶縁体 (他27件)
【概要】実空間および運動量空間の双方における量子力学的ベリー位相に由来する「創発電磁場」の学理を、磁性体を舞台に建設した。実空間ではカイラル磁性体における渦巻状のスピン構造スキルミオンの生成、消去、駆動、読み取り、に対応した動的性質の研究が、理論・実験双方から進展し、エレクトロニクスへの展望が開けた。 運動量空間では、新しい物質群である磁性トポロジカル絶縁体における量子化異常ホール効果の実現と、関連した諸...
【数物系科学】物理学:フラストレーション強相関電子系を含む研究件
❏スピノンフェルミ面とスピノン対凝縮:分裂と縺れが創るスピン量子相の探索(21K18144)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2021-07-09 - 2024-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】スピン液体 / スピノンフェルミ面 / 強磁場 / 核磁気共鳴 / 輸送特性 (他10件)
【概要】本研究課題は、「スピン液体」の微視的状態の理解を目指している。対象とする物質は有機スピン液体候補物質であるk-(BEDT-TTF)2Cu2(CN)3とEtMe3Sb[Pd(dmit)2]2である。 研究初年度では、スピン液体を説明する一つのモデルであるスピンノンフェルミ面の検出を目指して核磁気共鳴および高磁場物性の測定を行った。 スピノンのフェルミ面が存在する場合、物理量に磁場に対する量子振動が期...
❏多自由度相関系における巨大負熱膨張現象の理論研究と物質探索(19K21858)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2023-03-31
【研究代表者】望月 維人 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80450419)
【キーワード】負熱膨張 / ハニカム格子 / 反強磁性体 / 磁気相転移 / 磁気格子結合 (他18件)
【概要】2021年度の研究では、特異な結晶格子構造と非自明な磁気構造のカップリングに起因する「負熱膨張現象」を示す磁性化合物の理論的な探索・設計を目的に、ハニカム型結晶構造を持つ反強磁性体を対象に、磁性誘起負熱膨張現象の可能性や条件を理論的に調べた。この物質群の結晶構造は、MX6八面体(Mは遷移金属イオン、Xは配位子イオン)の2次元陵共有ネットワークにより構成されており、遷移金属イオンがハニカム格子を形成...
❏イオン液体合成法による新しい超伝導体・フラストレート磁性体の開発(16K13831)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】廣井 善二 東京大学, 物性研究所, 教授 (30192719)
【キーワード】物質開発 / 超伝導 / 磁気フラストレーション / イオン液体合成 / 水熱合成 (他13件)
【概要】強相関電子系における物質探索にブレークスルーを目指して,イオン液体合成法や水熱合成法により新しい超伝導体やフラストレート磁性体の合成を行った.超伝導が報告されているがその詳細は全く分かっていないTe4[BixCl4]を合成してその物性を評価したが、超伝導性の確認には至らなかった。一方、水熱合成法を駆使して、新しいカゴメ格子反強磁性体CdCu3(OH)6(NO3)2・H2O (CdK)の単結晶育成に...
【数物系科学】物理学:絶縁体-金属転移強相関電子系を含む研究件
❏強相関系絶縁体におけるテラヘルツパルス誘起相転移(20K03801)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】宮本 辰也 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (40755724)
【キーワード】光誘起相転移 / 高強度テラヘルツパルス / 強相関電子系 / 量子トンネル効果 / ポンプープローブ分光 (他9件)
【概要】強相関系物質の光誘起相転移現象は、光物性や非平衡物理の新しいトピックスとして、盛んに研究されている。また、この現象は、高効率・超高速に生じるものもあるため、将来の光スイッチングデバイスへの応用が期待されている。しかし、光子エネルギーの大きい可視光や近赤外光による励起を引き金として生じるため、必然的に系の温度上昇が生じる。その結果、基底状態への回復に数十ピコ秒の時間を要するため、光スイッチとしての高...
❏遷移金属酸化物における電子及びフォノン励起による光相制御(20740172)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2008 - 2009
【研究代表者】田久保 直子 独立行政法人理化学研究所, 加藤分子物性研究室, 基礎科学特別研究員 (60447315)
【キーワード】光物性 / 強相関電子系 / 絶縁体-金属転移 / 薄膜 / 伝導度測定 (他6件)
【概要】本研究では、多様な物性を示す強相関電子系を対象とし、光誘起相転移現象を用いた光による物性制御とそのメカニズムの解明を目的とした。幾つかの強相関電子系薄膜において、巨大な伝導度の変化を伴う永続的な光誘起絶縁体-金属転移の観測とメカニズムの解明を行った。特に、Pr(Ca,Sr)MnO_3薄膜おいては、本研究で初めて光誘起金属-絶縁体転移の発現に成功した。 ...
❏強相関電子系における超高速光スイッチング現象の開拓(16340086)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2004 - 2006
【研究代表者】岡本 博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40201991)
【キーワード】強相関電子系 / 光物性 / 強相関エレクトロニクス / 光スイッチ / 磁性 (他11件)
【概要】本研究では、強相関電子系を対象とし、光励起によって伝導性、光物性、磁性が高速に変化する光誘起相転移(スイッチング現象)の開拓とその物理的機構の解明を目的として研究を進めた。主要な成果は以下のとおりである。 ○二次元的な電子構造を有するモット絶縁体である有機電荷移動錯体M_2P-F_4TCNQにおいて、超高速の光誘起絶縁体一金属転移を見出した。詳細な過渡反射スペクトルとその時間変化の測定から、光誘起...
【数物系科学】物理学:分子性物質強相関電子系を含む研究件
❏スピノンフェルミ面とスピノン対凝縮:分裂と縺れが創るスピン量子相の探索(21K18144)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2021-07-09 - 2024-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】スピン液体 / スピノンフェルミ面 / 強磁場 / 核磁気共鳴 / 輸送特性 (他10件)
【概要】本研究課題は、「スピン液体」の微視的状態の理解を目指している。対象とする物質は有機スピン液体候補物質であるk-(BEDT-TTF)2Cu2(CN)3とEtMe3Sb[Pd(dmit)2]2である。 研究初年度では、スピン液体を説明する一つのモデルであるスピンノンフェルミ面の検出を目指して核磁気共鳴および高磁場物性の測定を行った。 スピノンのフェルミ面が存在する場合、物理量に磁場に対する量子振動が期...
❏分子性物質の可制御性を用いた領域横断型研究と境界領域の物性開拓(25220709)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2013-05-31 - 2018-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】分子性導体 / 強相関電子系 / 誘電物性 / 電荷ガラス / Dirac電子系 (他14件)
【概要】我々は、分子性物質の構造的な可制御性を利用することで、誘電性、伝導性、磁性、半導体といった既成の学問分野の境界領域に潜む未知の物性を発掘し、物質科学における新たな研究の潮流を創出することを目指した。その結果、電子移動型強誘電体における新奇な電気的/磁気的励起の発見、電子系におけるガラス形成の学理構築、質量ゼロのDirac電子系における特異な電子相関効果の発見、スピン液体と金属状態の共存状態の発見等...
❏有機導体β型DMeET塩における非線形伝導と隠れた準安定状態の機構解明(20340087)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2008 - 2011
【研究代表者】森 初果 東京大学, 物性研究所, 教授 (00334342)
【キーワード】分子性物質 / 電場応答 / 非線形伝導 / 準安定状態 / 強相関電子系 (他12件)
【概要】チェッカーボード型電荷秩序相とダイマーモットー相が低温絶縁相で共存するなど特異な電子状態を持つ有機導体β型DMeET塩において、電場応答を調べたところ、大きな非線形伝導と電場誘起の準安定状態を観測した。非線形伝導を調べたところ、電子系の応答であるため、電場の3乗に比例する速い外場応答であること、またパルス電場をラマン分光と同期した測定により、電場誘起準安定状態は、電荷秩序が緩んだ状態ながら、中程度...
【数物系科学】物理学:中性子散乱強相関電子系を含む研究件
❏磁性体における創発電磁気学の創成(24224009)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2012-05-31 - 2017-03-31
【研究代表者】永長 直人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60164406)
【キーワード】ベリー位相 / 創発的電磁気現象 / スキルミオン / モノポール / トポロジカル絶縁体 (他27件)
【概要】実空間および運動量空間の双方における量子力学的ベリー位相に由来する「創発電磁場」の学理を、磁性体を舞台に建設した。実空間ではカイラル磁性体における渦巻状のスピン構造スキルミオンの生成、消去、駆動、読み取り、に対応した動的性質の研究が、理論・実験双方から進展し、エレクトロニクスへの展望が開けた。 運動量空間では、新しい物質群である磁性トポロジカル絶縁体における量子化異常ホール効果の実現と、関連した諸...
❏中性子磁気散乱高次過程の観測による強相関電子系の研究(23244068)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2011-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】岩佐 和晃 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00275009)
【キーワード】強相関電子系 / 粒子線 / 物性実験 / 磁性 / 中性子散乱 (他7件)
【概要】電子の遍歴-局在転移、電子多極子秩序、さらに磁気・電荷秩序相と接する超伝導などの非自明な電子物性の機構解明には、磁気モーメントのミクロな秩序と揺らぎの観測が重要である。長年その目的に供されてきた中性子散乱法は、近年の線源性能の向上や高束線ビーム化により、従来は検出できなかった散乱シグナルの観測へと進展している。本研究では、ブリルアン散乱法や偏極中性子利用も視野に入れてこれまでアクセスできなかった測...
【数物系科学】物理学:異常ネルンスト効果強相関電子系を含む研究件
❏局在多極子と伝導電子の混成による新奇量子相および量子臨界現象の研究(17H06602)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2017-08-25 - 2019-03-31
【研究代表者】酒井 明人 東京大学, 物性研究所, 助教 (10806087)
【キーワード】多極子 / トポロジー / 異常ネルンスト効果 / 物性実験 / 強相関電子系 (他8件)
【概要】電子相関の強い多極子系におい新規量子物性を探索することを目的として本研究を行なった。その結果、PrV2Al20において磁気八極子秩序が実現していることがわかった。 またCo2MnGaにおいて量子リフシッツ転移による室温巨大異常ネルンスト効果を発見した。これらの成果は論文にまとめられ、国内外の会議でも講演を行なった本研究に関連して日本物理学会若手奨励賞も受賞した。 ...
❏トポロジカル反強磁性体の実験的開拓(16H02209)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】中辻 知 東京大学, 物性研究所, 教授 (70362431)
【キーワード】トポロジー / ワイル半金属 / ラッティンジャー半金属 / フラストレート磁性 / 異常ホール効果 (他12件)
【概要】磁気ワイルフェルミオン(時間反転対称性の破れたワイル半金属)をカイラル反強磁性体Mn3Snにおいて世界で初めて発見した。また同物質において反強磁性体で始めて巨大な異常ネルンスト効果、磁気光学カー効果を観測し、室温で巨大な異常ホール効果を示す薄膜の作製に成功した。 ラッティンジャー半金属として知られるパイロクロア型イリジウム酸化物Pr2Ir2O7の薄膜作製に世界で初めて成功した。その電子相関が非常に...
【数物系科学】物理学:異常ホール効果強相関電子系を含む研究件
❏トポロジカル反強磁性体の実験的開拓(16H02209)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】中辻 知 東京大学, 物性研究所, 教授 (70362431)
【キーワード】トポロジー / ワイル半金属 / ラッティンジャー半金属 / フラストレート磁性 / 異常ホール効果 (他12件)
【概要】磁気ワイルフェルミオン(時間反転対称性の破れたワイル半金属)をカイラル反強磁性体Mn3Snにおいて世界で初めて発見した。また同物質において反強磁性体で始めて巨大な異常ネルンスト効果、磁気光学カー効果を観測し、室温で巨大な異常ホール効果を示す薄膜の作製に成功した。 ラッティンジャー半金属として知られるパイロクロア型イリジウム酸化物Pr2Ir2O7の薄膜作製に世界で初めて成功した。その電子相関が非常に...
❏スピン・電荷・光-結合系の新機能開拓(15104006)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2003 - 2007
【研究代表者】五神 真 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70161809)
【キーワード】スピン・電荷・光-結合系 / 強相関電子系 / 酸化物エレクトロニクス / 光誘起相転移 / 非線形光学効果 (他12件)
【概要】固体において電子間の相関によって発現する磁性と光学応答の結合などによる特異機能の探索とその応用について、メンバーの連携の下で以下のような研究を進めた。 (宮野)光誘起相転移などの特異物性の応用を念頭に、薄膜試料作製技術の開拓を進め、薄膜中で構造相転移を許容できる事を実証し、永続的光誘起絶縁体・金属転移や新しいタイプの超巨大磁気抵抗効果を見いだした。(十倉)スピンの幾何学配置が誘電応答に与える効果に...
【数物系科学】物理学:遷移金属酸化物強相関電子系を含む研究件
❏エピタキシャル薄膜が実現する二次元NbO2超伝導面の解明(20K15169)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】相馬 拓人 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (50868271)
【キーワード】超伝導 / 強相関電子系 / 電気化学 / リチウムイオン電池 / 二次元物質 (他12件)
【概要】本研究は,二次元NbO2超伝導層の全貌を明らかにする研究である。初年度である昨年度には,その舞台となる二次元NbO2層を持つLi1-xNbO2の薄膜合成法を確立し,電子構造と二次元超伝導の観測に成功した。その結果,本研究の第一の目標である"NbO2超伝導層が理想的である"ことが証明され,本年度にPhysical Review B誌に原著論文が掲載された。 また本年度は,第二の目標で...
❏励起子量子凝縮相の励起状態ダイナミクス(19K14644)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】杉本 高大 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (70756072)
【キーワード】励起子絶縁体 / 遷移金属化合物 / 時間依存ランチョス法 / 行列積状態 / ハバード模型 (他14件)
【概要】物質中において電子と正孔間に相互作用が働いて対(励起子)が自発的に生成され、それらが量子凝縮を起こした系を励起子絶縁体と呼ぶ。近年、その物性の理解が大きく進展している。本年度は励起子絶縁体そのものに関係する成果は得られなかったが、同じく強い電子相関を有する系について派生的に以下の成果を得た。 (1)二次元異方的三角格子上のハバード模型における光誘起スピン秩序転移の研究を行った。この系では基底状態で...
❏強相関遷移金属酸化物量子井戸を用いた電子構造制御による新奇量子物性探索(26870843)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2014-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】小林 正起 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任助教 (30508198)
【キーワード】強相関電子系 / 角度分解光電子分光 / 薄膜 / 放射光 / 遷移金属酸化物 (他9件)
【概要】近年、強相関遷移金属酸化物SrVO3極薄膜において、膜厚方向に伸びたd軌道由来のバンドが量子化する金属量子井戸(QW)状態が発見された。本研究は、薄膜構造によりこのQW状態の波動関数を制御することで、強相関金属QWを用いた超格子などのデバイス展開に向けた、新たな量子物性の探索及び物質設計の基盤を築くことを目的とした。 その目的のため、SrVO3極薄膜や多層膜構造におけるQW状態を角度分解光電子分光...
【数物系科学】物理学:三角格子強相関電子系を含む研究件
❏極低温磁化・比熱・誘電測定による磁場誘起量子相転移の研究(20244053)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2008 - 2011
【研究代表者】榊原 俊郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (70162287)
【キーワード】強相関電子系 / 量子相転移 / 磁化測定 / 比熱測定 / メタ磁性転移 (他17件)
【概要】量子相転移とは、物質の絶対零度における異なる状態間の相転移である。温度によって引き起こされる古典的な相転移と違い、量子相転移は磁場や圧力、化学組成といった制御変数を変化させることによってのみ実現される。量子相転移は多体系の量子ゆらぎが起源の基底状態の急激な変化であり、新奇な秩序相が現れる期待もあって大変注目されている。本研究課題では種々の磁場誘起の量子相転移現象を実験的に研究した。このために最低温...
❏強相関電子系におけるフラストレーションの効果の理論的研究(16540313)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2004 - 2006
【研究代表者】常次 宏一 東京大学, 物性研究所, 教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / フラストレーション / スピン液体 / カゴメ格子 / パイロクロア格子 (他12件)
【概要】バナジウムスピネル酸化物AV_2O_4(A=Zn,Mg,Cd)における構造転移と磁気転移の機構を研究した。磁性をもっバナジウムイオンはパイロクロア副格子を形成しており、その格子上のスピン系は絶対零度まで長距離磁気秩序を示さないと考えられている。我々は、バナジウムイオンのd電子のスピンに加えて軌道自由度を考慮して低エネルギー有効模型を構築し、その平均場解析およびモンテカルロシミュレーションにより相図...
【数物系科学】物理学:超低温強相関電子系を含む研究件
❏熱膨張率測定による超低温電子系研究(19K21842)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2022-03-31
【研究代表者】山下 穣 東京大学, 物性研究所, 准教授 (10464207)
【キーワード】超低温測定 / 熱膨張率 / 強相関電子系 / 超低温 / 磁歪
【概要】本研究は市販の希釈冷凍機で到達可能な温度より低温の超低温領域(~1mK)まで強相関電子系研究を拡張するための測定技術開発を目的とした研究である。本研究によって超低温度まで測定可能な熱膨張率測定セルが完成した。超伝導体CeCoIn5を用いたテスト運転によってその超伝導転移の明瞭な観測に成功した。今後、様々な物質の測定への展開をすすめる。並行して超低温度までの電気抵抗測定に挑戦し、低温アンプを用いるこ...
❏ポメランチューク冷凍法による超低温技術開発(17K18747)
【研究テーマ】物性物理およびその関連分野
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2017-06-30 - 2019-03-31
【研究代表者】山下 穣 東京大学, 物性研究所, 准教授 (10464207)
【キーワード】超低温 / 強相関電子物性 / 強相関電子系
【概要】本研究は市販の希釈冷凍機で到達可能な温度より低温の超低温領域(~1mK)まで強相関電子系研究を拡張するための技術開発と物性測定を目的とした研究である。本研究によって小型ポメランチューク冷却セルが完成し、そのテスト運転を行った。いくつかの問題から最低温度の確認には至らなかったが、これらの問題を克服するめどが立ったことで超低温における物性測定を加速させるという当初の目的をほぼ達成することができた。加え...
❏超低温領域までの新奇電子状態の研究(15K17691)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2015-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】山下 穣 東京大学, 物性研究所, 准教授 (10464207)
【キーワード】超低温物性 / 強相関電子系 / 超伝導 / 量子臨界性 / 超低温
【概要】本研究は極低温(~50 mK)まで行われている強相関電子系研究を超低温(~1 mK)まで拡張することを目的とした。その第一歩として超低温度領域で有効な測定手段を見出すために、重い電子系超伝導物質CeCoIn5の量子振動測定を行った。その結果、超低温領域で量子振動の振幅の減少と周波数の不連続変化を観測し、超伝導相と隣接する秩序相が存在することがわかった。CeCoIn5の超伝導状態は量子臨界点近傍にあ...
【数物系科学】物理学:超伝導体強相関電子系を含む研究件
❏イオン液体合成法による新しい超伝導体・フラストレート磁性体の開発(16K13831)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】廣井 善二 東京大学, 物性研究所, 教授 (30192719)
【キーワード】物質開発 / 超伝導 / 磁気フラストレーション / イオン液体合成 / 水熱合成 (他13件)
【概要】強相関電子系における物質探索にブレークスルーを目指して,イオン液体合成法や水熱合成法により新しい超伝導体やフラストレート磁性体の合成を行った.超伝導が報告されているがその詳細は全く分かっていないTe4[BixCl4]を合成してその物性を評価したが、超伝導性の確認には至らなかった。一方、水熱合成法を駆使して、新しいカゴメ格子反強磁性体CdCu3(OH)6(NO3)2・H2O (CdK)の単結晶育成に...
❏パイロクロア酸化物における新規な物質及び物性開拓(16340101)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2004 - 2006
【研究代表者】廣井 善二 東京大学, 物性研究所, 教授 (30192719)
【キーワード】パイロクロア酸化物 / 超伝導体 / ラットリング / 遷移金属酸化物 / フラストレーション (他7件)
【概要】βパイロクロア型オスミウム酸化物超伝導体AOs_2O_6について、試料合成、構造評価および物性測定を行った。A元素としては現在までに3つのアルカリ金属元素Cs、Rb、Kを含む酸化物が合成されており、それぞれ超伝導転移温度T_cが3.3K、6.3K、9.6Kである。以前に報告したαパイロクロア酸化物Cd_2Re_2O_7のT_c=1.0Kと比べると最大一桁T_cが上昇したことになり、何らかの新しい超...
【数物系科学】物理学:ベリー位相強相関電子系を含む研究件
❏量子駆動系の非線形輸送現象における相関効果の理論研究(16H06717)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2016-08-26 - 2018-03-31
【研究代表者】石塚 大晃 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00786014)
【キーワード】シフト電流 / Berry位相 / ワイル半金属 / 二次高調波発生 / 光起電効果 (他12件)
【概要】空間反転対称性の破れた物質に特有の物理現象である異常光起電効果および二次高調波発生をゼロギャップ半導体から絶縁体までの異なる性質を持つ物質系を対象として理論的に研究した.そして,ゼロギャップ半導体では,絶縁体とは異なる機構による異常光起電効果および二次高調波発生が見られることを見出した.また,絶縁体における研究では,Rice-Mele模型における異常光電流を非平衡Green関数法を用いて解析した....
❏磁性体における創発電磁気学の創成(24224009)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2012-05-31 - 2017-03-31
【研究代表者】永長 直人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60164406)
【キーワード】ベリー位相 / 創発的電磁気現象 / スキルミオン / モノポール / トポロジカル絶縁体 (他27件)
【概要】実空間および運動量空間の双方における量子力学的ベリー位相に由来する「創発電磁場」の学理を、磁性体を舞台に建設した。実空間ではカイラル磁性体における渦巻状のスピン構造スキルミオンの生成、消去、駆動、読み取り、に対応した動的性質の研究が、理論・実験双方から進展し、エレクトロニクスへの展望が開けた。 運動量空間では、新しい物質群である磁性トポロジカル絶縁体における量子化異常ホール効果の実現と、関連した諸...
【数物系科学】物理学:ディラック電子系強相関電子系を含む研究件
❏複合イリジウム酸化物超格子薄膜における新奇電子相の創成(17K14335)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】平岡 奈緒香 (太田奈緒香) 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40758827)
【キーワード】強相関電子系 / ディラック電子系
【概要】ペロブスカイト型SrIrO3およびCaIrO3は結晶および時間反転対称性で保護されたディラックノードを持つことが期待されている半金属である。SrTiO3(001) 上に作製した 両物質の膜において、IrをSnで置換することによってバンド幅の抑制とポテンシャルの不均一性の導入を行った。SrIrO3においては置換の影響は低温での磁性と絶縁性の同時発現という形で現れ、CaIrO3においては磁気転移を伴わ...
❏分子性物質の可制御性を用いた領域横断型研究と境界領域の物性開拓(25220709)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2013-05-31 - 2018-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】分子性導体 / 強相関電子系 / 誘電物性 / 電荷ガラス / Dirac電子系 (他14件)
【概要】我々は、分子性物質の構造的な可制御性を利用することで、誘電性、伝導性、磁性、半導体といった既成の学問分野の境界領域に潜む未知の物性を発掘し、物質科学における新たな研究の潮流を創出することを目指した。その結果、電子移動型強誘電体における新奇な電気的/磁気的励起の発見、電子系におけるガラス形成の学理構築、質量ゼロのDirac電子系における特異な電子相関効果の発見、スピン液体と金属状態の共存状態の発見等...
❏分子性導体における極限π電子物性(22224006)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2010-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】加藤 礼三 独立行政法人理化学研究所, 加藤分子物性研究室, 主任研究員 (80169531)
【キーワード】分子性固体・有機導体 / 電気・磁気的機能 / 有機電子材料・素子 / 超伝導 / 光誘起相転移 (他14件)
【概要】本研究は、分子系π電子物性の可能性を、物質開発および物性開発の両面から徹底的に追求することを目指した。物質開発においては、新たなデュアル機能π電子系(単一の結晶内で、一種類のπラジカルが分子配列の違いによって二つの異なった物性を示す系)や世界初の単一成分分子性超伝導体を発見した。物性開発では、まず界面π電子の機能として、π電子系で世界初めての電場誘起超伝導を実現し、さらに光で超伝導をON/OFFす...
【数物系科学】物理学:低温物性強相関電子系を含む研究件
❏超高圧・極低温・精密磁場制御環境の実現と核磁気共鳴測定による量子相転移の研究(26707018)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2014-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】北川 健太郎 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (90567661)
【キーワード】強相関電子系 / 超高圧 / 核磁気共鳴 / 重い電子系 / 量子スピン液体 (他9件)
【概要】核磁気共鳴(NMR)実験としては未到達の多重極限環境の構築を行い、種々の強相関電子系物質の超高圧下量子相転移の研究を行うこと、新奇量子物性の開拓を目的として研究を開始した。計画通り超高圧・極低温・2軸回転磁場制御環境下における核磁気共鳴測定を実現した他、本課題の技術は幅広い共同研究者により重い電子系等の研究に用いられている。特筆すべき成果として、キタエフ量子スピン液体の初めての実現が期待されるイリ...
❏極低温・超高分解能レーザー光電子分光の開発と低温超伝導体の超伝導機構の解明(25220707)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2013-05-31 - 2018-03-31
【研究代表者】辛 埴 東京大学, 物性研究所, 教授 (00162785)
【キーワード】光電子分光 / レーザー / 超電導 / 超低温 / 高分解能 (他14件)
【概要】世界の追随を許さない最低温度と最高分解能の未踏性能を持つヘリウム3クライオスタット搭載型の角度分解光電子分光装置を開発し、エキゾチック低温超伝導体の機構解明に取り組んだ。我々は、1K以下の試料部到達温度を達成し、また、光電子アナライザーとsCMOS型検知器システムを連動制御するソフトウェアを開発することで、高速フレームレート測定を可能とした。本研究により、世界で初めて、鉄系超伝導体がトポロジカル超...
❏フラストレーションの強い新規量子スピン系における量子多体効果の解明(23244072)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2011-04-01 - 2014-03-31
【研究代表者】田中 秀数 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (80188325)
【キーワード】磁性 / 量子スピン系 / フラストレーション / 強磁場 / 量子多体効果 (他14件)
【概要】我々はフラストレーションの強いスピン系での顕著な量子効果を調べた。まず,我々はBa3CoSb2O9の磁化過程を測定し,全磁場領域で磁化曲線が理論と一致することより,この物質が理想に近いスピン1/2三角格子反強磁性体であることを示した。続いて,スピン1/2籠目格子反強磁性体Cs2Cu3SnF12の磁気励起を中性子非弾性散乱で測定し,励起エネルギーが通常とは逆に,スピン波理論で求めた値よりも大きく減少...
【数物系科学】物理学:鉄系超伝導強相関電子系を含む研究件
❏SドープしたFeSeの高温超伝導機構と量子相転移の高圧下NMRによる研究(18H01181)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】藤原 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (60272530)
【キーワード】鉄系超伝導体 / 強相関電子系 / 核磁気共鳴 / 高圧下測定 / 量子相転移 (他8件)
【概要】FeSeは、ネマチック秩序、超伝導、および磁性が圧力・温度(P-T)相図で互いに絡み合っている特異な系である。しかし、12%S-置換したFeSeでは、ネマチック秩序と磁性の重なりが解消されている。そこで、本研究では 約5 GPaまでの圧力下でSe核の磁気共鳴測定を実行した。その結果、約1万気圧において圧力誘起リフシッツ転移が、状態密度の異常として、また異なる反強磁性(AF)揺らぎを伴う超伝導(SC...
❏強相関電子系における電子ネマティック相の解明(24244057)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】芝内 孝禎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (00251356)
【キーワード】対称性の破れ / 隠れた秩序 / 電子相関 / 重い電子系 / 鉄系超伝導 (他13件)
【概要】本研究では、鉄系超伝導体や重い電子系化合物などの強相関電子系物質において存在が明らかになりつつある、電子状態が本来の結晶が持つ回転対称性を自発的に破った「電子ネマティック」状態を、様々な新しい実験手法を駆使して明らかにした。特に、長年の謎であったウラン化合物における隠れた秩序相において、微小試料での測定が可能な磁気トルク測定による磁気異方性の高感度検出、放射光を用いた高次ブラック散乱による高分解能...
【数物系科学】物理学:鉄系超伝導体強相関電子系を含む研究件
❏量子クエンチに基づく強相関電子系の新規量子相の探索(20K20343)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2020-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】島野 亮 東京大学, 低温科学研究センター, 教授 (40262042)
【キーワード】量子クエンチ / 非平衡 / 超伝導 / 電荷密度波 / 光誘起相転移 (他15件)
【概要】超伝導と電荷密度波(CDW)といった多重の秩序が競合共存する系を対象に、光学的量子クエンチの手法を用いて、新たな量子相の探究を行った。遷移金属ダイカルコゲナイド物質ではCDWの振幅モード励起を介した相転移を初めて実現した。鉄系超伝導体では、光照射により超伝導が増強することを非線形テラヘルツ分光から明瞭に実証した。ストライプ秩序を発現するLa214系銅酸化物高温超伝導体では、電荷秩序とスピン秩序、超...
❏SドープしたFeSeの高温超伝導機構と量子相転移の高圧下NMRによる研究(18H01181)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】藤原 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (60272530)
【キーワード】鉄系超伝導体 / 強相関電子系 / 核磁気共鳴 / 高圧下測定 / 量子相転移 (他8件)
【概要】FeSeは、ネマチック秩序、超伝導、および磁性が圧力・温度(P-T)相図で互いに絡み合っている特異な系である。しかし、12%S-置換したFeSeでは、ネマチック秩序と磁性の重なりが解消されている。そこで、本研究では 約5 GPaまでの圧力下でSe核の磁気共鳴測定を実行した。その結果、約1万気圧において圧力誘起リフシッツ転移が、状態密度の異常として、また異なる反強磁性(AF)揺らぎを伴う超伝導(SC...
【数物系科学】物理学:反強磁性強相関電子系を含む研究件
❏強相関絶縁層が挿入された新型層状有機超伝導体における新奇な電子状態の探索(16K05436)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】川本 正 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (60323789)
【キーワード】超伝導 / 結晶構造 / 電荷秩序 / モット絶縁体 / 強相関電子系 (他7件)
【概要】ドナーとアニオンの組成比が1:1である真性モット絶縁体(BEDT-TTF)TaF6の基底状態がネール温度10 Kの反強磁性絶縁体であることを明らかにした。(BEDT-TTF)2TaF6に複数存在する多形の構造と電子状態も明らかにした。特にkappa型では歪んだ三角格子のダイマーモット絶縁体であるにも関わらず、スピン液体の可能性を見出した。強相関絶縁層をもつ層状超伝導体(EtDTET)(TCNQ)の...
❏トポロジカル反強磁性体の実験的開拓(16H02209)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】中辻 知 東京大学, 物性研究所, 教授 (70362431)
【キーワード】トポロジー / ワイル半金属 / ラッティンジャー半金属 / フラストレート磁性 / 異常ホール効果 (他12件)
【概要】磁気ワイルフェルミオン(時間反転対称性の破れたワイル半金属)をカイラル反強磁性体Mn3Snにおいて世界で初めて発見した。また同物質において反強磁性体で始めて巨大な異常ネルンスト効果、磁気光学カー効果を観測し、室温で巨大な異常ホール効果を示す薄膜の作製に成功した。 ラッティンジャー半金属として知られるパイロクロア型イリジウム酸化物Pr2Ir2O7の薄膜作製に世界で初めて成功した。その電子相関が非常に...
❏重い電子の二次元閉じ込め(18654062)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2006 - 2007
【研究代表者】芝内 孝禎 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00251356)
【キーワード】強相関電子系 / 積層構造 / 希土類化合物 / 異方的超伝導 / 反強磁性 (他11件)
【概要】本研究め目的は、分子線エピタキシー法(MBE)による重い電子系Ce化合物の薄膜化技術を完成させ、用いた同じ結晶構造を持ちながら重い電子を持たない通常金属であるLa系化合物との積層構造を作製し、重い電子を擬2次元的に閉じ込めた系を人工的に作り出すこと、およびこのような系での物性測定により、低次元強相関電子系の理解へとつなげていくことである。 本研究の成果としては、まず、薄膜成長装置であるMBEシステ...
【数物系科学】物理学:反強磁性体強相関電子系を含む研究件
❏多自由度相関系における巨大負熱膨張現象の理論研究と物質探索(19K21858)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2023-03-31
【研究代表者】望月 維人 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80450419)
【キーワード】負熱膨張 / ハニカム格子 / 反強磁性体 / 磁気相転移 / 磁気格子結合 (他18件)
【概要】2021年度の研究では、特異な結晶格子構造と非自明な磁気構造のカップリングに起因する「負熱膨張現象」を示す磁性化合物の理論的な探索・設計を目的に、ハニカム型結晶構造を持つ反強磁性体を対象に、磁性誘起負熱膨張現象の可能性や条件を理論的に調べた。この物質群の結晶構造は、MX6八面体(Mは遷移金属イオン、Xは配位子イオン)の2次元陵共有ネットワークにより構成されており、遷移金属イオンがハニカム格子を形成...
❏トポロジカル反強磁性体の実験的開拓(16H02209)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】中辻 知 東京大学, 物性研究所, 教授 (70362431)
【キーワード】トポロジー / ワイル半金属 / ラッティンジャー半金属 / フラストレート磁性 / 異常ホール効果 (他12件)
【概要】磁気ワイルフェルミオン(時間反転対称性の破れたワイル半金属)をカイラル反強磁性体Mn3Snにおいて世界で初めて発見した。また同物質において反強磁性体で始めて巨大な異常ネルンスト効果、磁気光学カー効果を観測し、室温で巨大な異常ホール効果を示す薄膜の作製に成功した。 ラッティンジャー半金属として知られるパイロクロア型イリジウム酸化物Pr2Ir2O7の薄膜作製に世界で初めて成功した。その電子相関が非常に...
【数物系科学】物理学:反強磁性秩序強相関電子系を含む研究件
❏強相関電子系の伝導現象における臨界性の理論(25400359)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】常次 宏一 東京大学, 物性研究所, 教授 (80197748)
【キーワード】動的相関関数 / モット転移 / 光学伝導度 / 強相関電子系 / 反強磁性秩序 (他8件)
【概要】反強磁性秩序発現に伴う金属絶縁体転移近傍の光学電気伝導度をクラスター動的平均場法に基づく大規模数値計算で求め、相互作用による電流が繰り込みを与える頂点補正が光学伝導度の周波数依存性、温度依存性に大きな影響を与えることを発見した。また、フラストレートした強相関電子系のモット金属絶縁体転移の特徴の解明を目指して、最近接サイト間の電荷揺らぎの量子ダイナミクスを同手法を用いて計算し、特にdoublonとh...
❏多体系の量子ダイナミクスへの新しいアプローチ(13740237)
【研究テーマ】物性一般(含基礎論)
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2001 - 2002
【研究代表者】押川 正毅 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50262043)
【キーワード】量子ダイナミクス / Drude重み / トポロジカル量子化 / 反強磁性秩序 / d波超伝導 (他12件)
【概要】系の伝導特性は、ダイナミクスを反映する重要な指標である。特に、絶対零度で系が導体であるか絶縁体であるかは物質の分類の基本となる。一般にどのような条件で系が導体あるいは絶縁体になるかを理解することは物性物理の基本問題の一つである。周期的な格子上の多粒子系については、粒子密度(単位胞あたりの粒子数)が系の伝導特性を決定する重要な要因になることは直観的にも理解できる。すなわち、粒子密度が整数であれば粒子...
【数物系科学】物理学:トポロジカル絶縁体強相関電子系を含む研究件
❏超高速非平衡現象の電子論(18H01148)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】石田 行章 東京大学, 物性研究所, リサーチフェロー (30442924)
【キーワード】超高速現象 / 電子状態 / 時間分解光電子分光 / 仕事関数 / 光電子分光 (他9件)
【概要】前年度に、従来を1-2桁上回る<1meVの精度で仕事関数を測定できることを発表した(YI et al., Commun. Phys. 2020)。本年度はこの手法を時間分解光電子分光法(TARPES)に応用し、仕事関数を介してフェムト秒域パルスで瞬間的に励起された結晶表面の様子を調べた。 仕事関数を高精度で測定するためには、試料から放出される低速な光電子をきちんと分析できるようにTARPES...
❏磁性体における創発電磁気学の創成(24224009)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2012-05-31 - 2017-03-31
【研究代表者】永長 直人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60164406)
【キーワード】ベリー位相 / 創発的電磁気現象 / スキルミオン / モノポール / トポロジカル絶縁体 (他27件)
【概要】実空間および運動量空間の双方における量子力学的ベリー位相に由来する「創発電磁場」の学理を、磁性体を舞台に建設した。実空間ではカイラル磁性体における渦巻状のスピン構造スキルミオンの生成、消去、駆動、読み取り、に対応した動的性質の研究が、理論・実験双方から進展し、エレクトロニクスへの展望が開けた。 運動量空間では、新しい物質群である磁性トポロジカル絶縁体における量子化異常ホール効果の実現と、関連した諸...
❏時間分解角度分解光電子分光法による銅酸化物高温超伝導体の研究(23740256)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2011 - 2012
【研究代表者】石田 行章 東京大学, 物性研究所, 助教 (30442924)
【キーワード】超高速現象 / 高温超伝導体 / 光電子分光 / 超短パルスレーザー / トポロジカル絶 縁体 (他9件)
【概要】時間分解角度分解光電子分光を用いて、銅酸化物高温超伝導体の研究を行った。光パルス照射後の非平衡電子状態とその過渡変化を広い運動量空間に渡って捉えることに成功した。スペクトルの過渡変化は、準粒子分散に現れるキンク構造より低励起エネルギー側でのみ起き、ノード近傍の超伝導ギャップが過渡的に消失することが明らかとなった。この結果から、キンクに関わるボゾンモードと準粒子励起の散乱レートが増大することでノード...
【数物系科学】物理学:トポロジカル量子化強相関電子系を含む研究件
❏多体系の量子ダイナミクスへの新しいアプローチ(13740237)
【研究テーマ】物性一般(含基礎論)
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2001 - 2002
【研究代表者】押川 正毅 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50262043)
【キーワード】量子ダイナミクス / Drude重み / トポロジカル量子化 / 反強磁性秩序 / d波超伝導 (他12件)
【概要】系の伝導特性は、ダイナミクスを反映する重要な指標である。特に、絶対零度で系が導体であるか絶縁体であるかは物質の分類の基本となる。一般にどのような条件で系が導体あるいは絶縁体になるかを理解することは物性物理の基本問題の一つである。周期的な格子上の多粒子系については、粒子密度(単位胞あたりの粒子数)が系の伝導特性を決定する重要な要因になることは直観的にも理解できる。すなわち、粒子密度が整数であれば粒子...
❏強い相互作用のある系における対称性と物性(11740224)
【研究テーマ】物性一般(含基礎論)
【研究種目】奨励研究(A)
【研究期間】1999 - 2000
【研究代表者】押川 正毅 東京工業大学, 理工学研究科, 助教授 (50262043)
【キーワード】強相関電子系 / Luttingerの定理 / トポロジカル量子化 / 近藤格子 / ボースアインシュタイン凝縮 (他13件)
【概要】Luttingerの定理はFermi球の体積は相互作用によって補正をうけないというもので、Fermi液体論のもっとも基本的な定理の一つであるが、Luttingerの原証明は摂動展開に基づくもので、近年その有効範囲が再び議論されるようになった。例えば近藤格子では通常の摂動論の適用は困難であり、Fermi面の大きさが伝導電子の数で決まるのか、局在スピンも含めて決まるのかがそもそも明らかでない。数年前に...
【数物系科学】物理学:ドメイン強相関電子系を含む研究件
❏結晶カイラリティの定量化とそれに基づくカイラル物性の理解(16K05449)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】木村 健太 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (70586817)
【キーワード】カイラリティ / ドメイン / 旋光度 / 電気磁気効果 / 単結晶 (他9件)
【概要】本研究は、結晶構造のカイラリティ(右手系と左手系)の度合いを定量的に表す「カイラリティ強度」なる概念を導入し、これを用いてカイラリティ由来物性を定量的に理解することを目指した。カイラリティ強度を元素置換で制御できる物質群の単結晶合成に成功し、そのカイラルドメインの形成様相がカイラリティ強度と強く相関していることを見出した。また、カイラリティ強度を秩序変数とみなせる旋回相転移を発見し、相転移近傍では...
❏結晶カイラリティの外場制御に関する研究(26610103)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2014-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】木村 健太 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (70586817)
【キーワード】カイラリティ / フェロイック / ドメイン / 電気磁気効果 / 物性実験 (他7件)
【概要】鏡映対称性を持たない結晶構造における右手系と左手系を区別する物理量「結晶カイラリティ」は、多彩な物質機能の源泉であることが知られている。本プロジェクトでは、結晶カイラリティの外場制御に関する研究を行った。その結果、結晶カイラル秩序が別種の強的秩序と相関する物質においては、その強的秩序ドメインの外場スイッチを介した結晶カイラリティ制御が可能であることを示した。さらに、新規開発したカイラル化合物群の研...
【数物系科学】物理学:マグノン強相関電子系を含む研究件
❏相対論的マグノニクスの開拓(25247058)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】小野瀬 佳文 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (80436526)
【キーワード】強相関電子系 / スピントロ二クス / マグノン / スピンエレクトロニクス / スピントロニクス (他8件)
【概要】代表者の小野瀬は、マグノン励起における電気磁気結合を用いてCu2SeO3やCuB2O4のマイクロ波電気磁気効果を初めて測定することに成功した。また、LiFe5O8においてジャロシンスキー守谷相互作用に由来する非相反なマグノン伝搬を観測することに成功した。分担者の貴田は、フェムト秒レーザー照射による対称性の破れた強誘電体や強磁性体からのテラヘルツ電磁波放射現象の探索を行い、磁性強誘電体Co3B7O1...
❏強い相互作用のある系における対称性と物性(11740224)
【研究テーマ】物性一般(含基礎論)
【研究種目】奨励研究(A)
【研究期間】1999 - 2000
【研究代表者】押川 正毅 東京工業大学, 理工学研究科, 助教授 (50262043)
【キーワード】強相関電子系 / Luttingerの定理 / トポロジカル量子化 / 近藤格子 / ボースアインシュタイン凝縮 (他13件)
【概要】Luttingerの定理はFermi球の体積は相互作用によって補正をうけないというもので、Fermi液体論のもっとも基本的な定理の一つであるが、Luttingerの原証明は摂動展開に基づくもので、近年その有効範囲が再び議論されるようになった。例えば近藤格子では通常の摂動論の適用は困難であり、Fermi面の大きさが伝導電子の数で決まるのか、局在スピンも含めて決まるのかがそもそも明らかでない。数年前に...
【数物系科学】物理学:光電子分光強相関電子系を含む研究件
❏超高速非平衡現象の電子論(18H01148)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】石田 行章 東京大学, 物性研究所, リサーチフェロー (30442924)
【キーワード】超高速現象 / 電子状態 / 時間分解光電子分光 / 仕事関数 / 光電子分光 (他9件)
【概要】前年度に、従来を1-2桁上回る<1meVの精度で仕事関数を測定できることを発表した(YI et al., Commun. Phys. 2020)。本年度はこの手法を時間分解光電子分光法(TARPES)に応用し、仕事関数を介してフェムト秒域パルスで瞬間的に励起された結晶表面の様子を調べた。 仕事関数を高精度で測定するためには、試料から放出される低速な光電子をきちんと分析できるようにTARPES...
❏2つの遷移金属を持つ酸化物の電子構造の系統性の探求(26400321)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2014-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】齋藤 智彦 東京理科大学, 理学部第一部応用物理学科, 教授 (30311129)
【キーワード】遷移金属酸化物 / 電子構造 / 光電子分光 / 軟X線吸収分光 / バンド計算 (他8件)
【概要】本研究は、2つの遷移金属(TM)を含む酸化物の電子構造を明らかにし、共通する電子構造の特徴を得ることを目的とした。その結果、銅デラフォサイトではTMの組み合わせにより銅の価数が変わること、Co-Rh酸化物では電荷移動エネルギーと混成の違いでEF近傍の電子構造が理解できること、Co2重ペロブスカイトではCo 2pスペクトルが高スピン状態の理論計算と合致すること、Mn酸化物ではMn 2pスペクトルが磁...
❏極低温・超高分解能レーザー光電子分光の開発と低温超伝導体の超伝導機構の解明(25220707)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2013-05-31 - 2018-03-31
【研究代表者】辛 埴 東京大学, 物性研究所, 教授 (00162785)
【キーワード】光電子分光 / レーザー / 超電導 / 超低温 / 高分解能 (他14件)
【概要】世界の追随を許さない最低温度と最高分解能の未踏性能を持つヘリウム3クライオスタット搭載型の角度分解光電子分光装置を開発し、エキゾチック低温超伝導体の機構解明に取り組んだ。我々は、1K以下の試料部到達温度を達成し、また、光電子アナライザーとsCMOS型検知器システムを連動制御するソフトウェアを開発することで、高速フレームレート測定を可能とした。本研究により、世界で初めて、鉄系超伝導体がトポロジカル超...
【数物系科学】物理学:光誘起相転移強相関電子系を含む研究件
❏小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連(0)
【研究テーマ】2019
【研究種目】軌道自由度
【研究期間】揺らぎ
【研究代表者】核生成-核成長
【キーワード】一軸歪
【概要】超伝導と電荷密度波(CDW)といった多重の秩序が競合共存する系を対象に、光学的量子クエンチの手法を用いて、新たな量子相の探究を行った。遷移金属ダイカルコゲナイド物質ではCDWの振幅モード励起を介した相転移を初めて実現した。鉄系超伝導体では、光照射により超伝導が増強することを非線形テラヘルツ分光から明瞭に実証した。ストライプ秩序を発現するLa214系銅酸化物高温超伝導体では、電荷秩序とスピン秩序、超...
❏強相関系絶縁体におけるテラヘルツパルス誘起相転移(20K03801)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】宮本 辰也 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (40755724)
【キーワード】光誘起相転移 / 高強度テラヘルツパルス / 強相関電子系 / 量子トンネル効果 / ポンプープローブ分光 (他9件)
【概要】強相関系物質の光誘起相転移現象は、光物性や非平衡物理の新しいトピックスとして、盛んに研究されている。また、この現象は、高効率・超高速に生じるものもあるため、将来の光スイッチングデバイスへの応用が期待されている。しかし、光子エネルギーの大きい可視光や近赤外光による励起を引き金として生じるため、必然的に系の温度上昇が生じる。その結果、基底状態への回復に数十ピコ秒の時間を要するため、光スイッチとしての高...
❏強相関電子系における軌道/電荷揺らぎと新奇物性(19H01853)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【研究代表者】勝藤 拓郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00272386)
【キーワード】軌道自由度 / 揺らぎ / 核生成-核成長 / 一軸歪 / 光誘起現象 (他9件)
【概要】遷移金属酸化物におけるd電子の軌道自由度の空間的・時間的な揺らぎによる新奇物性について実験的な研究を行った。その結果、軌道秩序を示すV酸化物において、核生成-核成長プロセスに従う相転移ダイナミクスを見出した他、一軸歪下での光学測定によって、軌道自由度の共役な外場である歪によって軌道相関を制御できることを明らかにした。さらにパルス光照射による軌道秩序の融解において、特徴的な選択則を見出した。 ...
【数物系科学】物理学:磁化測定強相関電子系を含む研究件
❏微小単結晶量子磁性体の極低温超高感度磁化測定(24340075)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】榊原 俊郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (70162287)
【キーワード】量子スピン系 / 強相関電子系 / 量子相転移 / 超伝導 / 磁化測定 (他9件)
【概要】低次元量子スピン物質や強相関物質などの純良単結晶試料は、微小な結晶としてしか得られないことが多い。本研究課題では、研究代表者がこれまで開発してきた極低温磁化測定装置を、微小結晶試料の測定に対応できるように従来比で100倍高感度化した。この装置による主要な成果は、(1)スピン1/2の一次元ハイゼンベルグ反強磁性体CuPzN単結晶の低温磁化の磁場温度依存性が厳密解と高い精度で一致することを検証、(2)...
❏極低温磁化・比熱・誘電測定による磁場誘起量子相転移の研究(20244053)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2008 - 2011
【研究代表者】榊原 俊郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (70162287)
【キーワード】強相関電子系 / 量子相転移 / 磁化測定 / 比熱測定 / メタ磁性転移 (他17件)
【概要】量子相転移とは、物質の絶対零度における異なる状態間の相転移である。温度によって引き起こされる古典的な相転移と違い、量子相転移は磁場や圧力、化学組成といった制御変数を変化させることによってのみ実現される。量子相転移は多体系の量子ゆらぎが起源の基底状態の急激な変化であり、新奇な秩序相が現れる期待もあって大変注目されている。本研究課題では種々の磁場誘起の量子相転移現象を実験的に研究した。このために最低温...
【数物系科学】物理学:電荷秩序強相関電子系を含む研究件
❏強相関絶縁層が挿入された新型層状有機超伝導体における新奇な電子状態の探索(16K05436)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】川本 正 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (60323789)
【キーワード】超伝導 / 結晶構造 / 電荷秩序 / モット絶縁体 / 強相関電子系 (他7件)
【概要】ドナーとアニオンの組成比が1:1である真性モット絶縁体(BEDT-TTF)TaF6の基底状態がネール温度10 Kの反強磁性絶縁体であることを明らかにした。(BEDT-TTF)2TaF6に複数存在する多形の構造と電子状態も明らかにした。特にkappa型では歪んだ三角格子のダイマーモット絶縁体であるにも関わらず、スピン液体の可能性を見出した。強相関絶縁層をもつ層状超伝導体(EtDTET)(TCNQ)の...
❏強相関分子性導体の階層的電荷・スピン・格子ダイナミクスの研究(25287080)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2013-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】佐々木 孝彦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20241565)
【キーワード】強相関電子系 / 分子性有機導体 / 電荷ガラス / 分子性固体 / 強相関系 (他12件)
【概要】本研究では,強相関電子系分子性導体に特徴的な電荷-スピン-格子自由度の複合的結合による“やわらかい強相関電子・格子系”で実現する新しい非線形電子誘電物性の創出,解明を目指した実験研究を行った. その結果,電子が配列秩序化した電荷秩序絶縁体状態(電荷固体),融解・液体化した良電気伝導状態(電荷液体)に加えて,電子が極めて遅い時間スケールのダイナミクスを有し,不均質に凍結した新しい電子状態(電荷ガラス...
❏分子性導体における極限π電子物性(22224006)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2010-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】加藤 礼三 独立行政法人理化学研究所, 加藤分子物性研究室, 主任研究員 (80169531)
【キーワード】分子性固体・有機導体 / 電気・磁気的機能 / 有機電子材料・素子 / 超伝導 / 光誘起相転移 (他14件)
【概要】本研究は、分子系π電子物性の可能性を、物質開発および物性開発の両面から徹底的に追求することを目指した。物質開発においては、新たなデュアル機能π電子系(単一の結晶内で、一種類のπラジカルが分子配列の違いによって二つの異なった物性を示す系)や世界初の単一成分分子性超伝導体を発見した。物性開発では、まず界面π電子の機能として、π電子系で世界初めての電場誘起超伝導を実現し、さらに光で超伝導をON/OFFす...
【数物系科学】物理学:磁気共鳴強相関電子系を含む研究件
❏熱検出型サイクロトロン共鳴による量子化された金属電子状態の研究(19K21841)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2021-03-31
【研究代表者】徳永 将史 東京大学, 物性研究所, 准教授 (50300885)
【キーワード】強相関電子系 / サイクロトロン共鳴 / 強磁場 / テラヘルツ光 / トポロジカル半金属 (他7件)
【概要】高移動度の金属で量子振動とサイクロトロン共鳴をともに測定できれば、電子相関の効果を評価することができる。しかしそのような金属では光が透過しないため、サイクロトロン共鳴の実験は不可能であった。この点を解決するため、磁気共鳴現象を試料温度の変化として検出する熱検出型サイクロトロン共鳴の装置開発を行った。 量子カスケードレーザーを使ったテラヘルツ光の発振と試料部までの伝達には成功した。またこのテラヘルツ...
❏マルチフェロイックに現れるエレクトロマグノンの巨大な電気磁気光学応答の研究(24840012)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2012-08-31 - 2014-03-31
【研究代表者】高橋 陽太郎 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30631676)
【キーワード】強相関電子系 / 物性実験 / 光物性 / 磁性体 / テラヘルツ (他9件)
【概要】本課題ではマルチフェロイックと呼ばれる磁性と誘電性が強く結合した物質に置いて現れる新しいスピン波であるエレクトロマグノンに関する研究を行った。サイクロイド型磁気秩序を持つ磁性体においてエレクトロマグノンとその電気磁気光学効果を磁場で制御することで、20倍以上の強度の増強に成功した。さらに、スクリュー型磁気秩序に由来したエレクトロマグノンの磁気カイラル効果の実現にも成功し、テラヘルツ帯での巨大な方向...
❏強相関系における電子スピン共鳴の新理論展開(18540341)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2006 - 2008
【研究代表者】押川 正毅 東京大学, 物性研究所, 教授 (50262043)
【キーワード】磁気共鳴 / 磁性 / スピンギャップ / 電子スピン共鳴 / 強相関電子系 (他19件)
【概要】これまで1次元スピンギャップ系のESRについて多くの実験が行われてきたが、理論な理解は進んでいなかった。そこで、1次元スピンギャップ系のESRに対する新たな理論的アプローチを定式化した。まず、磁場中の1次元スピンギャップ系において、朝永・ラッティンジャー流体領域と量子臨界領域の間のクロスオーバーが、温度の関数としての磁化の極小として普遍的に現われることを発見した。また、このような系のESRシフトに...
【数物系科学】物理学:マルチフェロイック強相関電子系を含む研究件
❏拡張多極子による交差相関物性・量子伝導の系統的理解と機能物質探索への展開(21H01037)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2025-03-31
【研究代表者】速水 賢 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (20776546)
【キーワード】多極子 / 交差相関物性 / 量子伝導 / 強相関電子系 / マルチフェロイクス
【概要】
❏軌道物理としての励起子絶縁体の電子状態の解明(17H02916)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017 - 2019
【研究代表者】石原 純夫 東北大学, 理学研究科, 教授 (30292262)
【キーワード】励起子絶縁体 / BiCo03 / スピンダイマー模型 / 四重極相 / マルチフェロイクス (他12件)
【概要】[1]強相関拡張された二軌道ハバード模型では、高スピン(HS)相と低スピン(LS)相の間に励起子絶縁体が現れる。この相境界付近で、弱いスピン軌道相互作用を採り入れると、HS相に内在する四重極自由度の揺らぎにより帯磁率が著しく増強されることを明らかにした。 [2][1]の励起子絶縁体の模型において、変分クラスタ法を用いてvertex補正まで取りいれ、光学電導度を計算したところ、励起子絶縁相においては...
❏スピン軌道相互作用が強い磁性体に潜むトロイダルモーメントの理論的探索・制御(16H06590)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2016-08-26 - 2018-03-31
【研究代表者】速水 賢 北海道大学, 理学研究院, 助教 (20776546)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 反対称スピン軌道相互作用 / トロイダルモーメント / 多極子 (他13件)
【概要】時間・空間反転対称性がともに破れた系に現れるトロイダルモーメントに関する微視的な理論形式の構築と、実験的にどのようにして観測・制御できるかを調べた。(1)結晶場、スピン軌道相互作用、電子相関による対称性の破れを取り入れたモデルに対して、摂動論を用いることにより、トロイダルモーメントが秩序化した際に生じる有効的なスピン軌道相互作用を導出した。(2)2次元三角格子上のスピン軌道相互作用が強い強磁性体に...
【数物系科学】物理学:電気磁気効果強相関電子系を含む研究件
❏応力を基軸とした新しい交差相関物性機能の開拓(16K13828)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】徳永 祐介 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (50613387)
【キーワード】交差相関物性 / 強相関電子系 / 物性実験 / 強弾性 / キラリティ (他6件)
【概要】外部刺激として特に応力を対象として、交差相関物性現象を示しうる物質群の探索と物性評価を行った。その結果、MTeMoO6(M=Co,Mn)(空間群P212121)がキラルかつ強弾性体であり、一軸応力による強弾性分域のスイッチが結晶キラリティの反転を伴うのみならず、この種の物質としては初めての電気磁気効果をも示す磁性体であることを実証した。 ...
❏結晶カイラリティの定量化とそれに基づくカイラル物性の理解(16K05449)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】木村 健太 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (70586817)
【キーワード】カイラリティ / ドメイン / 旋光度 / 電気磁気効果 / 単結晶 (他9件)
【概要】本研究は、結晶構造のカイラリティ(右手系と左手系)の度合いを定量的に表す「カイラリティ強度」なる概念を導入し、これを用いてカイラリティ由来物性を定量的に理解することを目指した。カイラリティ強度を元素置換で制御できる物質群の単結晶合成に成功し、そのカイラルドメインの形成様相がカイラリティ強度と強く相関していることを見出した。また、カイラリティ強度を秩序変数とみなせる旋回相転移を発見し、相転移近傍では...
❏結晶カイラリティの外場制御に関する研究(26610103)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2014-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】木村 健太 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (70586817)
【キーワード】カイラリティ / フェロイック / ドメイン / 電気磁気効果 / 物性実験 (他7件)
【概要】鏡映対称性を持たない結晶構造における右手系と左手系を区別する物理量「結晶カイラリティ」は、多彩な物質機能の源泉であることが知られている。本プロジェクトでは、結晶カイラリティの外場制御に関する研究を行った。その結果、結晶カイラル秩序が別種の強的秩序と相関する物質においては、その強的秩序ドメインの外場スイッチを介した結晶カイラリティ制御が可能であることを示した。さらに、新規開発したカイラル化合物群の研...
【数物系科学】物理学:磁性強相関電子系を含む研究件
❏中区分13:物性物理学およびその関連分野(0)
【研究テーマ】2020
【研究種目】磁性
【研究期間】強相関電子系
【研究代表者】物性理論
【キーワード】計算物理
【概要】本課題の目的は、フラストレーション格子磁性体において、電子間相互作用と相対論的スピン軌道相互作用の協奏が生み出す新しいトポロジカル電子相を開拓することにある。令和3年度では、(a)パイロクロア型ルテニウム酸化物(Pr1-xCax)2Ru2O7において、電子占有率を制御した試料を合成することに成功し、巨大な異常ホール効果を示す強磁性金属相を発見した。(b)パイロクロア型イリジウム酸化物Pr2Ir2O...
❏物質設計を見据えた強相関理論の構築(21H01041)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【研究代表者】大槻 純也 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60513877)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 超伝導 / 第一原理計算 / 多極子秩序 (他7件)
【概要】本研究では、磁性や超伝導などの機能物性を第一原理的に記述する実用的な理論の構築を目指して、動的平均場法(DMFT法)によって強相関効果を考慮した第一原理計算法(DFT+DMFT法)の発展とその応用に取り組む。全研究期間を通した研究計画は、DFT+DMFT法に関連した理論構築とその適用範囲を検証する“基礎”と適用限界の範囲で強相関化合物の物質設計に応用する“応用”に分かれる。本年度は基礎に関する以下...
❏量子スピン液体におけるマヨラナ粒子の創出と制御(20H00122)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2025-03-31
【研究代表者】求 幸年 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40323274)
【キーワード】磁性 / 強相関電子系 / 物性理論 / 計算物理 / トポロジー
【概要】研究計画に沿って研究を推進し、以下の研究成果を得た。(0) 計算機環境の構築:本研究計画をスムーズに遂行するために、新しいPCクラスタシステム一式及び計算サーバーを導入し、代表者と分担者で共有して使用できる計算機環境を構築した。(1) キタエフ量子スピン液体が実現する新たな舞台を探索する目的で、高スピン系や冷却原子系を念頭に置いた数値計算を行い、キタエフ量子スピン液体が実現するパラメタ領域を明らか...
【数物系科学】物理学:急冷強相関電子系を含む研究件
❏超急冷法を用いた準安定超伝導の開拓と制御(18H01168)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】賀川 史敬 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30598983)
【キーワード】超伝導 / 不揮発相制御 / 急冷 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / 準安定 (他6件)
【概要】遷移金属ダイカルコゲナイドIrTe2を対象にし、異なる強度、パルス幅の電気パルスを交互に印加することで、ゼロ抵抗状態および有限抵抗状態を、可逆的かつ不揮発に変換することに成功した。このような電気パルス印加による超伝導発現の制御は、100年以上にもわたる超伝導研究の中で初めての例である。また、走査型ラマン顕微鏡を用いて、超伝導相と常伝導相が数umスケールで空間的に共存している様子の可視化に成功した。...
❏幾何学的フラストレーションが誘起する電荷ガラスの研究(15H05459)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2015-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】賀川 史敬 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, ユニットリーダー (30598983)
【キーワード】強相関電子 / 非平衡 / 急冷 / 電荷ガラス / 相変化メモリ (他11件)
【概要】液体を急冷すると結晶化しないまま、原子位置が不規則に凍結したガラスとなる。近年、固体中の電子においても似たような挙動が現れることが分かってきた。徐冷すると、電子は規則正しく結晶格子上に配列する(電子の結晶状態が現れる)のに対し、急冷した場合は電子が不規則に凍結した、いわば電子のガラス状態が現れる。このような電子の結晶状態と電子のガラス状態は電気パルスや光パルスを印可することで、不揮発かつ可逆的に切...
【数物系科学】物理学:電子線回折強相関電子系を含む研究件
❏時間分解共鳴軟X線散乱およびパルス電子線回折による反強磁性スピンダイナミクス研究(21K03461)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京工業大学, 理学院, 特任助教 (30738365)
【キーワード】光誘起相転移ダイナミクス / 電子線回折 / 共鳴軟X線散乱 / スピンダイナミクス / 強相関電子系
【概要】本研究の目的は、時間分解型のパルス電子線回折および放射光X線を用いた共鳴軟X線散乱測定という世界的にも最先端の手法を用いることで、強相関電子系物質の結晶構造やスピン状態の超高速ダイナミクスを研究することである。特にフェムト秒領域の超短パルスレーザー照射下でこれらの物質の示す光誘起相転移に伴う構造と反強磁性状態変化に着目した研究を行う。本年度は主として研究のベースの実験手法となるフェムト秒領域の時間...
❏時間分解共鳴軟X線散乱によるフォノンとゆらぎのダイナミクスの研究(18K03534)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京工業大学, 理学院, 特任助教 (30738365)
【キーワード】光誘起相転移ダイナミクス / 共鳴軟X線散乱 / X線分光 / スピンダイナミクス / 強相関電子系 (他10件)
【概要】強相関電子系物質の電子構造のダイナミクスの研究を目的として、放射光X線を用いた時間分解型の共鳴軟X線散乱や電子線回折測定を行い、光照射・光誘起相転移に伴う構造と電子状態変化のダイナミクスに関する研究を行った。 本年度は主としてBa3CuSb2O9に関する研究を行った。Ba3CuSb2O9はCuサイトの軌道とスピンの揺らぎに興味がもたれる物質である。この軌道とスピンの揺らぎと酸素に入ったホールの関係...
【数物系科学】物理学:電子相関強相関電子系を含む研究件
❏多自由度相関系における巨大負熱膨張現象の理論研究と物質探索(19K21858)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2023-03-31
【研究代表者】望月 維人 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80450419)
【キーワード】負熱膨張 / ハニカム格子 / 反強磁性体 / 磁気相転移 / 磁気格子結合 (他18件)
【概要】2021年度の研究では、特異な結晶格子構造と非自明な磁気構造のカップリングに起因する「負熱膨張現象」を示す磁性化合物の理論的な探索・設計を目的に、ハニカム型結晶構造を持つ反強磁性体を対象に、磁性誘起負熱膨張現象の可能性や条件を理論的に調べた。この物質群の結晶構造は、MX6八面体(Mは遷移金属イオン、Xは配位子イオン)の2次元陵共有ネットワークにより構成されており、遷移金属イオンがハニカム格子を形成...
❏軌道物理としての励起子絶縁体の電子状態の解明(17H02916)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017 - 2019
【研究代表者】石原 純夫 東北大学, 理学研究科, 教授 (30292262)
【キーワード】励起子絶縁体 / BiCo03 / スピンダイマー模型 / 四重極相 / マルチフェロイクス (他12件)
【概要】[1]強相関拡張された二軌道ハバード模型では、高スピン(HS)相と低スピン(LS)相の間に励起子絶縁体が現れる。この相境界付近で、弱いスピン軌道相互作用を採り入れると、HS相に内在する四重極自由度の揺らぎにより帯磁率が著しく増強されることを明らかにした。 [2][1]の励起子絶縁体の模型において、変分クラスタ法を用いてvertex補正まで取りいれ、光学電導度を計算したところ、励起子絶縁相においては...
❏強相関電子系における電子ネマティック相の解明(24244057)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】芝内 孝禎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (00251356)
【キーワード】対称性の破れ / 隠れた秩序 / 電子相関 / 重い電子系 / 鉄系超伝導 (他13件)
【概要】本研究では、鉄系超伝導体や重い電子系化合物などの強相関電子系物質において存在が明らかになりつつある、電子状態が本来の結晶が持つ回転対称性を自発的に破った「電子ネマティック」状態を、様々な新しい実験手法を駆使して明らかにした。特に、長年の謎であったウラン化合物における隠れた秩序相において、微小試料での測定が可能な磁気トルク測定による磁気異方性の高感度検出、放射光を用いた高次ブラック散乱による高分解能...
【数物系科学】物理学:共鳴X線回折強相関電子系を含む研究件
❏共鳴X線回折による拡張磁気多極子秩序の研究(19H00661)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】田中 良和 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 特別嘱託研究員 (90250109)
【キーワード】X線回折 / 強相関電子系 / 拡張多極子秩序 / 強相関系 / 放射光 (他6件)
【概要】狭義の多極子は一原子がもつ波動関数で表される.最近これを拡張した近接原子を含めたクラスター多極子や,軌道角運動量の異なる軌道から構成されるハイブリッド多極子などの拡張多極子が提唱されている.この背景には,マルチフェロイック物質に代表される交差相関による電気磁気応答,輸送現象,励起構造などの非自明な物理現象を統一的に理解しようと試みがある.このような交差相関においては、局所的な空間反転対称性と時間反...
❏軟X線共鳴回折によるカイラリティイメージングの研究(25247054)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2013-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】田中 良和 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 専任研究員 (90250109)
【キーワード】X線・粒子線 / 放射光 / 共鳴X線回折 / 強相関電子系 / X線 (他11件)
【概要】SPring-8理研ビームライン17SUに設置した軟X線回折計を用い,強相関電子系物質の秩序状態の観察を行っている.特に,円偏光X線を利用することによって,結晶カイラリティ,スピンカイラリティの判別さらにはドメイン分布の観察を行っている.ドメイン分布の観察には,極度に集光したX線ビームが必要である.この科研費プロジェクトでは,ミラー集光による直径15マイクロメートルの集光サイズを,ゾーンプレートシ...
【数物系科学】物理学:有機超伝導体強相関電子系を含む研究件
❏新規有機超伝導体における「電荷秩序相」と「超伝導相」の競合と共存状態の解明(17540315)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】森 初果 東京大学, 物性研究所, 准教授 (00334342)
【キーワード】強相関電子系 / 有機導体 / 超伝導材料・素子 / 分子性固体 / 磁性 (他10件)
【概要】新規有機超伝導体β-(meso-DMBEDT-TTF)_2PF_6の常圧および圧力下における詳細な抵抗および磁気抵抗測定を行い、電荷秩序と超伝導の関係を調べた。 具体的な成果は以下に示す。 (1)詳細な圧力下電気抵抗および磁気抵抗測定による超伝導相の決定 詳細な圧力下の電気抵抗測定を行ったところ、0.6kbar下、4.6Kで抵抗ドロップを確認し、磁場で転移が抑えられることから超伝導であることを確認...
❏不整合格子系有機超伝導体における異常金属相と超伝導相の研究(17750176)
【研究テーマ】機能材料・デバイス
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2005 - 2006
【研究代表者】川本 正 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (60323789)
【キーワード】不整合格子 / 有機超伝導体 / 有効質量 / 強相関電子系 / フェルミ面
【概要】MDT-TSFのヨウ素錯体は、有機ドナー分子と無機アニオン分子が不整合格子を組む有機超伝導体である。組成が(MDT-TSF)(I_3)_<0.422>であるため電荷移動量は通常の0.5価よりも少ない0.422価である。シュブニコフ・ドハース振動で観測されたサイクロトロン軌道は、バンド計算から予測される二つの閉軌道のみであり、不整合アニオンポテンシャルによるフェルミ面の再構成が観測された...
【数物系科学】物理学:非平衡強相関電子系を含む研究件
❏量子クエンチに基づく強相関電子系の新規量子相の探索(20K20343)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2020-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】島野 亮 東京大学, 低温科学研究センター, 教授 (40262042)
【キーワード】量子クエンチ / 非平衡 / 超伝導 / 電荷密度波 / 光誘起相転移 (他15件)
【概要】超伝導と電荷密度波(CDW)といった多重の秩序が競合共存する系を対象に、光学的量子クエンチの手法を用いて、新たな量子相の探究を行った。遷移金属ダイカルコゲナイド物質ではCDWの振幅モード励起を介した相転移を初めて実現した。鉄系超伝導体では、光照射により超伝導が増強することを非線形テラヘルツ分光から明瞭に実証した。ストライプ秩序を発現するLa214系銅酸化物高温超伝導体では、電荷秩序とスピン秩序、超...
❏励起子量子凝縮相の励起状態ダイナミクス(19K14644)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】杉本 高大 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (70756072)
【キーワード】励起子絶縁体 / 遷移金属化合物 / 時間依存ランチョス法 / 行列積状態 / ハバード模型 (他14件)
【概要】物質中において電子と正孔間に相互作用が働いて対(励起子)が自発的に生成され、それらが量子凝縮を起こした系を励起子絶縁体と呼ぶ。近年、その物性の理解が大きく進展している。本年度は励起子絶縁体そのものに関係する成果は得られなかったが、同じく強い電子相関を有する系について派生的に以下の成果を得た。 (1)二次元異方的三角格子上のハバード模型における光誘起スピン秩序転移の研究を行った。この系では基底状態で...
❏強相関物質設計と機能開拓 -非平衡系・非周期系への挑戦-(16H06345)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2016-05-31 - 2021-03-31
【研究代表者】今田 正俊 早稲田大学, 理工学術院, 上級研究員(研究院教授) (70143542)
【キーワード】第一原理計算 / 強相関電子系 / 階層的第一原理強相関電子状態計算法 / 高温超伝導 / 量子流体と量子スピン液体 (他21件)
【概要】強相関電子系を第一原理的に解明するための手法を標準手法として確立し、コードの公開・普及を行なった。機械学習を導入して、世界最高精度の量子多体ソルバーを開発し適用したことや、隠れた物理量抽出のための分光実験データ解析へ適用したことは当初の予定を超えた成果である。開発手法を、銅酸化物に代表される高温超伝導体や分子性結晶に見られる量子スピン液体の候補に適用し、初めて実験相図の任意パラメタなしでの再現に成...
【数物系科学】物理学:強磁場強相関電子系を含む研究件
❏中区分13:物性物理学およびその関連分野(0)
【研究テーマ】2019
【研究種目】強相関電子系
【研究期間】サイクロトロン共鳴
【研究代表者】強磁場
【キーワード】テラヘルツ光
【概要】
❏スピノンフェルミ面とスピノン対凝縮:分裂と縺れが創るスピン量子相の探索(21K18144)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2021-07-09 - 2024-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】スピン液体 / スピノンフェルミ面 / 強磁場 / 核磁気共鳴 / 輸送特性 (他10件)
【概要】本研究課題は、「スピン液体」の微視的状態の理解を目指している。対象とする物質は有機スピン液体候補物質であるk-(BEDT-TTF)2Cu2(CN)3とEtMe3Sb[Pd(dmit)2]2である。 研究初年度では、スピン液体を説明する一つのモデルであるスピンノンフェルミ面の検出を目指して核磁気共鳴および高磁場物性の測定を行った。 スピノンのフェルミ面が存在する場合、物理量に磁場に対する量子振動が期...
❏熱検出型サイクロトロン共鳴による量子化された金属電子状態の研究(19K21841)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2021-03-31
【研究代表者】徳永 将史 東京大学, 物性研究所, 准教授 (50300885)
【キーワード】強相関電子系 / サイクロトロン共鳴 / 強磁場 / テラヘルツ光 / トポロジカル半金属 (他7件)
【概要】高移動度の金属で量子振動とサイクロトロン共鳴をともに測定できれば、電子相関の効果を評価することができる。しかしそのような金属では光が透過しないため、サイクロトロン共鳴の実験は不可能であった。この点を解決するため、磁気共鳴現象を試料温度の変化として検出する熱検出型サイクロトロン共鳴の装置開発を行った。 量子カスケードレーザーを使ったテラヘルツ光の発振と試料部までの伝達には成功した。またこのテラヘルツ...
【数物系科学】物理学:強磁場物性強相関電子系を含む研究件
❏超強磁場磁化過程によるLaCoO3中のスピン相分離の研究(24540365)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】浅井 吉蔵 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (00109795)
【キーワード】スピン転移 / スピン相分離 / Co酸化物 / 強磁場磁化過程 / 強磁場磁歪 (他13件)
【概要】本研究は元素置換をしたLaCoO3の強磁場中磁化過程より、当該物質の温度誘起スピン転移の機構を以下のように明らかにした。最低温度において非磁性の低スピン(LS)状態にあるCo3+は温度上昇と共に30 K程度で高スピン(HS)状態への熱的励起が始まる。しかし、HS状態間の強い反発力のために、HS状態に励起するCo3+イオンの数は15%程度に留まる。さらに温度が上昇すると、100 K程度で残りのCo3...
❏フラストレーションの強い新規量子スピン系における量子多体効果の解明(23244072)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2011-04-01 - 2014-03-31
【研究代表者】田中 秀数 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (80188325)
【キーワード】磁性 / 量子スピン系 / フラストレーション / 強磁場 / 量子多体効果 (他14件)
【概要】我々はフラストレーションの強いスピン系での顕著な量子効果を調べた。まず,我々はBa3CoSb2O9の磁化過程を測定し,全磁場領域で磁化曲線が理論と一致することより,この物質が理想に近いスピン1/2三角格子反強磁性体であることを示した。続いて,スピン1/2籠目格子反強磁性体Cs2Cu3SnF12の磁気励起を中性子非弾性散乱で測定し,励起エネルギーが通常とは逆に,スピン波理論で求めた値よりも大きく減少...
【数物系科学】物理学:モット絶縁体強相関電子系を含む研究件
❏強相関系絶縁体におけるテラヘルツパルス誘起相転移(20K03801)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】宮本 辰也 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (40755724)
【キーワード】光誘起相転移 / 高強度テラヘルツパルス / 強相関電子系 / 量子トンネル効果 / ポンプープローブ分光 (他9件)
【概要】強相関系物質の光誘起相転移現象は、光物性や非平衡物理の新しいトピックスとして、盛んに研究されている。また、この現象は、高効率・超高速に生じるものもあるため、将来の光スイッチングデバイスへの応用が期待されている。しかし、光子エネルギーの大きい可視光や近赤外光による励起を引き金として生じるため、必然的に系の温度上昇が生じる。その結果、基底状態への回復に数十ピコ秒の時間を要するため、光スイッチとしての高...
❏強相関絶縁層が挿入された新型層状有機超伝導体における新奇な電子状態の探索(16K05436)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】川本 正 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (60323789)
【キーワード】超伝導 / 結晶構造 / 電荷秩序 / モット絶縁体 / 強相関電子系 (他7件)
【概要】ドナーとアニオンの組成比が1:1である真性モット絶縁体(BEDT-TTF)TaF6の基底状態がネール温度10 Kの反強磁性絶縁体であることを明らかにした。(BEDT-TTF)2TaF6に複数存在する多形の構造と電子状態も明らかにした。特にkappa型では歪んだ三角格子のダイマーモット絶縁体であるにも関わらず、スピン液体の可能性を見出した。強相関絶縁層をもつ層状超伝導体(EtDTET)(TCNQ)の...
❏強相関分子性導体の階層的電荷・スピン・格子ダイナミクスの研究(25287080)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2013-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】佐々木 孝彦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20241565)
【キーワード】強相関電子系 / 分子性有機導体 / 電荷ガラス / 分子性固体 / 強相関系 (他12件)
【概要】本研究では,強相関電子系分子性導体に特徴的な電荷-スピン-格子自由度の複合的結合による“やわらかい強相関電子・格子系”で実現する新しい非線形電子誘電物性の創出,解明を目指した実験研究を行った. その結果,電子が配列秩序化した電荷秩序絶縁体状態(電荷固体),融解・液体化した良電気伝導状態(電荷液体)に加えて,電子が極めて遅い時間スケールのダイナミクスを有し,不均質に凍結した新しい電子状態(電荷ガラス...
【数物系科学】物理学:強相関系強相関電子系を含む研究件
❏強結合励起子凝縮系物質のプリフォームドペア状態と非平衡ダイナミクスの理論(20H01849)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【研究代表者】太田 幸則 千葉大学, 大学院理学研究院, 名誉教授 (70168954)
【キーワード】励起子絶縁体 / 励起子凝縮 / 非平衡ダイナミクス / 強相関電子系 / プリフォームドペア (他8件)
【概要】本申請代表者グループの励起子凝縮に関するこれまでの理論研究を背景に、本研究の目的は次の3点を明らかにすることである。すなわち、① 熱的純粋量子状態に基づく変分クラスター近似を用いた強結合励起子凝縮機構の解明 ② 時間発展ランチョス法・時間依存密度行列繰込み群法による励起子相の非平衡ダイナミクスの解明 ③第一原理計算とその解析に基づく低エネルギー有効電子模型の導出。これらにより、超伝導と並ぶフェルミ...
❏共鳴X線回折による拡張磁気多極子秩序の研究(19H00661)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】田中 良和 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 特別嘱託研究員 (90250109)
【キーワード】X線回折 / 強相関電子系 / 拡張多極子秩序 / 強相関系 / 放射光 (他6件)
【概要】狭義の多極子は一原子がもつ波動関数で表される.最近これを拡張した近接原子を含めたクラスター多極子や,軌道角運動量の異なる軌道から構成されるハイブリッド多極子などの拡張多極子が提唱されている.この背景には,マルチフェロイック物質に代表される交差相関による電気磁気応答,輸送現象,励起構造などの非自明な物理現象を統一的に理解しようと試みがある.このような交差相関においては、局所的な空間反転対称性と時間反...
❏時間分解共鳴X線散乱による遷移金属カルコゲナイドの光誘起相転移ダイナミクスの解明(16K20997)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (30738365)
【キーワード】共鳴軟X線散乱 / 電子構造 / 光誘起相転移 / 強相関電子系 / 遷移金属化合物の電子構造 (他14件)
【概要】共鳴軟X線散乱を用いて遷移金属カルコゲナイドの示す相転移と超伝導に関する電子構造研究を行った。Ir1-xPtxTe2の研究では低温での電荷秩序の周期が5倍、8倍及び6倍と様々に変化することを見出した。またAFe2Se3の研究では、CsFe2Se3においては磁気秩序による散乱のみが観察されるが、超伝導に近いBaFe2S3においては、磁気秩序と軌道秩序が共存するが、散乱信号はエネルギーと偏光の両面で分...
【数物系科学】物理学:揺らぎ強相関電子系を含む研究件
❏強相関電子系における軌道/電荷揺らぎと新奇物性(19H01853)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【研究代表者】勝藤 拓郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00272386)
【キーワード】軌道自由度 / 揺らぎ / 核生成-核成長 / 一軸歪 / 光誘起現象 (他9件)
【概要】遷移金属酸化物におけるd電子の軌道自由度の空間的・時間的な揺らぎによる新奇物性について実験的な研究を行った。その結果、軌道秩序を示すV酸化物において、核生成-核成長プロセスに従う相転移ダイナミクスを見出した他、一軸歪下での光学測定によって、軌道自由度の共役な外場である歪によって軌道相関を制御できることを明らかにした。さらにパルス光照射による軌道秩序の融解において、特徴的な選択則を見出した。 ...
❏二重交換系の界面・表面における磁性と電気伝導(16340109)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2004 - 2006
【研究代表者】古川 信夫 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (00238669)
【キーワード】強相関電子系 / 強相関エレクトロニクス / スピンエレクトロニクス / 二重交換系 / 希薄磁性半導体 (他11件)
【概要】1)古典的に扱える自由度と相互作用する電子系に適用出来る多項式展開モンテカルロ法を開発した。また、この手法を用いて、マンガン酸化物系の巨大磁気抵抗効果の起源を解明する目的で、一般化された二重交換モデルに対する研究を行った。電子格子相互作用や軌道縮退、ランダムネスの効果を詳細に調べ、これらいずれもが電荷揺らぎ等を通じて巨大磁気抵抗効果に寄与していることを明らかにした。 2)希薄磁性半導体に対する最も...
【数物系科学】物理学:高温超伝導体強相関電子系を含む研究件
❏時間分解角度分解光電子分光法による銅酸化物高温超伝導体の研究(23740256)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2011 - 2012
【研究代表者】石田 行章 東京大学, 物性研究所, 助教 (30442924)
【キーワード】超高速現象 / 高温超伝導体 / 光電子分光 / 超短パルスレーザー / トポロジカル絶 縁体 (他9件)
【概要】時間分解角度分解光電子分光を用いて、銅酸化物高温超伝導体の研究を行った。光パルス照射後の非平衡電子状態とその過渡変化を広い運動量空間に渡って捉えることに成功した。スペクトルの過渡変化は、準粒子分散に現れるキンク構造より低励起エネルギー側でのみ起き、ノード近傍の超伝導ギャップが過渡的に消失することが明らかとなった。この結果から、キンクに関わるボゾンモードと準粒子励起の散乱レートが増大することでノード...
❏低温STMによる強相関物質の本質的不均一性および局在性に関する研究(17540342)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】松田 梓 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40386587)
【キーワード】高温超伝導体 / 低温STM / 超伝導機構 / 強相関電子系 / 不純物効果 (他9件)
【概要】本研究では、高温超伝導体に特徴的な異常が現れる強い不足ドープ状態の性質を低温STMを用いて調べることが主要な目標であった。はじめに、低温STMでバルクの性質を反映するデータを得るには、碧開性の優れたBi系の高温超伝導体を用いる必要があるが、この物質のキャリア制御は困難であった。本研究では、低酸素雰囲気下での熱処理と、SrサイトへのBiの置換を利用してTc〜20K程度のBi-2212試料の作成に成功...
❏深い3d準位のもたらす新しい化学と物理:新物質開発と化学的・物理的機能の探索(17105002)
【研究テーマ】無機化学
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2005 - 2009
【研究代表者】高野 幹夫 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点教授 (70068138)
【キーワード】固体化学 / 遷移金属酸化物 / 高原子価 / 強相関系 / 高温超伝導体 (他22件)
【概要】入手しやすく、比較的安全な3d遷移金属の酸化物は学術的にも実用的にも価値が高い。本研究では、以下の観点に基づきさらなる新規開発を試みた。Fe^<4+>やCo^<4+>、Cu^<3+>のように周期律後半にあって価数の高いイオンは深いd準位をもち、周囲にいる酸素イオンを酸化して活性化する。新発見したBaFe^<4+>O_3は、無数の鉄酸化物の中で初めて常...
【数物系科学】物理学:スピン軌道相互作用強相関電子系を含む研究件
❏強相関トポロジカル量子物性の探索と相転移・臨界現象の解明(19K14647)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】上田 健太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (40835336)
【キーワード】強相関電子系 / スピン軌道相互作用 / 金属絶縁体転移 / 磁気輸送現象 / 磁性 (他8件)
【概要】本研究課題では、スピン軌道相互作用の大きい4d・5d電子系酸化物に着目し、強相関トポロジカル量子物性の開拓と機能制御を行った。パイロクロア型イリジウム酸化物においては、磁性ワイル半金属の実現可能性が理論的に議論されていた。近年では、磁気構造によって様々なトポロジカル電子相が現れることが知られていたが、電子相関の比較的小さい領域に限定されていた。本研究課題では、電子占有率を変化させることで、相関の強...
❏スピン軌道相互作用が強い磁性体に潜むトロイダルモーメントの理論的探索・制御(16H06590)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2016-08-26 - 2018-03-31
【研究代表者】速水 賢 北海道大学, 理学研究院, 助教 (20776546)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 反対称スピン軌道相互作用 / トロイダルモーメント / 多極子 (他13件)
【概要】時間・空間反転対称性がともに破れた系に現れるトロイダルモーメントに関する微視的な理論形式の構築と、実験的にどのようにして観測・制御できるかを調べた。(1)結晶場、スピン軌道相互作用、電子相関による対称性の破れを取り入れたモデルに対して、摂動論を用いることにより、トロイダルモーメントが秩序化した際に生じる有効的なスピン軌道相互作用を導出した。(2)2次元三角格子上のスピン軌道相互作用が強い強磁性体に...
❏重い5d遷移金属酸化物のスピン軌道相互作用と新奇電子相(24224010)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2012-05-31 - 2017-03-31
【研究代表者】高木 英典 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40187935)
【キーワード】スピン軌道相互作用 / 電子相関 / 5d遷移金属酸化物 / イリジウム / スピン軌道モット絶縁体 (他13件)
【概要】5d遷移金属酸化物の強いスピン軌道相互作用と電子相関の協奏により生み出される新奇電子相の発見と学理構築を目標として研究を推進した。スピン軌道相互作用誘起ハイゼンベルグ磁性、ディラック半金属‐磁性絶縁体転移、スピン軌道相互作用と軌道秩序の競合などを明らかにすると同時に、量子スピン液体、新奇トポロジカル相、励起子絶縁体、スピン流検出機能を実現する新物質相を発見/創成した。 ...
【数物系科学】物理学:磁気抵抗強相関電子系を含む研究件
❏ケルビンダブルブリッジを用いたパルス磁場中微小抵抗変化測定法の開発とその応用(18540339)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2006 - 2008
【研究代表者】三田村 裕幸 東京大学, 物性研究所, 助教 (60282604)
【キーワード】強相関電子系 / 金属物性 / 磁性 / 低温物性 / 物性実験 (他8件)
【概要】磁気抵抗効果からはその物質の電子状態の重要な知見が得られるが、一般に金属磁性体では抵抗とその変化が小さい事からパルス強磁場中での計測は技術的に困難とされ、是迄測定実績は殆ど無かった。本研究ではケルビンダブルブリッジ法という特殊な方法を用いた測定システムの開発を行なった。是に由り非常に高い磁場領域で金属磁性体の抵抗が簡便に精度良く測定出来る様になり、今後この分野の進展に大きく寄与すると期待される。...
❏異方的超伝導体の異常超伝導相の解明(17204031)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】松田 祐司 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50199816)
【キーワード】超伝導 / 対称性 / 重い電子系化合物 / 隠れた秩序 / 渦糸格子 (他19件)
【概要】本年度はまず熱伝導による超伝導対称性の実験を行った。特に重い電子系化合物URu2Si2の超伝導対称性を希釈冷凍機温度までの低温で磁場中熱伝導度の測定により決定した。この系はいわゆる隠れた秩序相で超伝導が起こるが超伝導相はあまり研究されていなかった。我々はこの超伝導相が極めて特異なものでありカイラルd波の対称性を持つことを示した。さらに微小ホールプローブを用いた局所磁場測定や電気抵抗の精密測定により...
【数物系科学】物理学:モット転移強相関電子系を含む研究件
❏強相関物質設計と機能開拓 -非平衡系・非周期系への挑戦-(16H06345)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2016-05-31 - 2021-03-31
【研究代表者】今田 正俊 早稲田大学, 理工学術院, 上級研究員(研究院教授) (70143542)
【キーワード】第一原理計算 / 強相関電子系 / 階層的第一原理強相関電子状態計算法 / 高温超伝導 / 量子流体と量子スピン液体 (他21件)
【概要】強相関電子系を第一原理的に解明するための手法を標準手法として確立し、コードの公開・普及を行なった。機械学習を導入して、世界最高精度の量子多体ソルバーを開発し適用したことや、隠れた物理量抽出のための分光実験データ解析へ適用したことは当初の予定を超えた成果である。開発手法を、銅酸化物に代表される高温超伝導体や分子性結晶に見られる量子スピン液体の候補に適用し、初めて実験相図の任意パラメタなしでの再現に成...
❏強相関電子系の伝導現象における臨界性の理論(25400359)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】常次 宏一 東京大学, 物性研究所, 教授 (80197748)
【キーワード】動的相関関数 / モット転移 / 光学伝導度 / 強相関電子系 / 反強磁性秩序 (他8件)
【概要】反強磁性秩序発現に伴う金属絶縁体転移近傍の光学電気伝導度をクラスター動的平均場法に基づく大規模数値計算で求め、相互作用による電流が繰り込みを与える頂点補正が光学伝導度の周波数依存性、温度依存性に大きな影響を与えることを発見した。また、フラストレートした強相関電子系のモット金属絶縁体転移の特徴の解明を目指して、最近接サイト間の電荷揺らぎの量子ダイナミクスを同手法を用いて計算し、特にdoublonとh...
❏分子性物質の可制御性を用いた領域横断型研究と境界領域の物性開拓(25220709)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2013-05-31 - 2018-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】分子性導体 / 強相関電子系 / 誘電物性 / 電荷ガラス / Dirac電子系 (他14件)
【概要】我々は、分子性物質の構造的な可制御性を利用することで、誘電性、伝導性、磁性、半導体といった既成の学問分野の境界領域に潜む未知の物性を発掘し、物質科学における新たな研究の潮流を創出することを目指した。その結果、電子移動型強誘電体における新奇な電気的/磁気的励起の発見、電子系におけるガラス形成の学理構築、質量ゼロのDirac電子系における特異な電子相関効果の発見、スピン液体と金属状態の共存状態の発見等...
【数物系科学】物理学:サイクロトロン共鳴強相関電子系を含む研究件
❏熱検出型サイクロトロン共鳴による量子化された金属電子状態の研究(19K21841)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2021-03-31
【研究代表者】徳永 将史 東京大学, 物性研究所, 准教授 (50300885)
【キーワード】強相関電子系 / サイクロトロン共鳴 / 強磁場 / テラヘルツ光 / トポロジカル半金属 (他7件)
【概要】高移動度の金属で量子振動とサイクロトロン共鳴をともに測定できれば、電子相関の効果を評価することができる。しかしそのような金属では光が透過しないため、サイクロトロン共鳴の実験は不可能であった。この点を解決するため、磁気共鳴現象を試料温度の変化として検出する熱検出型サイクロトロン共鳴の装置開発を行った。 量子カスケードレーザーを使ったテラヘルツ光の発振と試料部までの伝達には成功した。またこのテラヘルツ...
❏強相関電子系における電子ネマティック相の解明(24244057)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】芝内 孝禎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (00251356)
【キーワード】対称性の破れ / 隠れた秩序 / 電子相関 / 重い電子系 / 鉄系超伝導 (他13件)
【概要】本研究では、鉄系超伝導体や重い電子系化合物などの強相関電子系物質において存在が明らかになりつつある、電子状態が本来の結晶が持つ回転対称性を自発的に破った「電子ネマティック」状態を、様々な新しい実験手法を駆使して明らかにした。特に、長年の謎であったウラン化合物における隠れた秩序相において、微小試料での測定が可能な磁気トルク測定による磁気異方性の高感度検出、放射光を用いた高次ブラック散乱による高分解能...
【数物系科学】物理学:量子ダイナミクス強相関電子系を含む研究件
❏相関電子系におけるトポロジーと量子ダイナミクスの理論的研究(21244053)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2009 - 2011
【研究代表者】永長 直人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60164406)
【キーワード】強相関電子系 / 量子スピンホール系 / 量子ダイナミクス / 強相関電子係 / トポロジカル絶縁体 (他11件)
【概要】固体電子の相対論的効果と電子間相互作用の相乗効果を、トポロジカル絶縁体、半導体、超伝導体など広い範囲の系に対して理論的に研究し、伝導現象、光学現象、磁性、などの物性にどのような形で現れるかを明らかにした。また、強く相互作用する多数の電子に光を当てたときに生じる動的現象を量子力学的シミュレーションで調べて、強相関太陽電池の動作基本原理を明らかにした。 ...
❏強相関系における電子スピン共鳴の新理論展開(18540341)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2006 - 2008
【研究代表者】押川 正毅 東京大学, 物性研究所, 教授 (50262043)
【キーワード】磁気共鳴 / 磁性 / スピンギャップ / 電子スピン共鳴 / 強相関電子系 (他19件)
【概要】これまで1次元スピンギャップ系のESRについて多くの実験が行われてきたが、理論な理解は進んでいなかった。そこで、1次元スピンギャップ系のESRに対する新たな理論的アプローチを定式化した。まず、磁場中の1次元スピンギャップ系において、朝永・ラッティンジャー流体領域と量子臨界領域の間のクロスオーバーが、温度の関数としての磁化の極小として普遍的に現われることを発見した。また、このような系のESRシフトに...
❏多体系の量子ダイナミクスへの新しいアプローチ(13740237)
【研究テーマ】物性一般(含基礎論)
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2001 - 2002
【研究代表者】押川 正毅 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50262043)
【キーワード】量子ダイナミクス / Drude重み / トポロジカル量子化 / 反強磁性秩序 / d波超伝導 (他12件)
【概要】系の伝導特性は、ダイナミクスを反映する重要な指標である。特に、絶対零度で系が導体であるか絶縁体であるかは物質の分類の基本となる。一般にどのような条件で系が導体あるいは絶縁体になるかを理解することは物性物理の基本問題の一つである。周期的な格子上の多粒子系については、粒子密度(単位胞あたりの粒子数)が系の伝導特性を決定する重要な要因になることは直観的にも理解できる。すなわち、粒子密度が整数であれば粒子...
【数物系科学】物理学:トポロジー強相関電子系を含む研究件
❏量子スピン液体におけるマヨラナ粒子の創出と制御(20H00122)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2025-03-31
【研究代表者】求 幸年 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40323274)
【キーワード】磁性 / 強相関電子系 / 物性理論 / 計算物理 / トポロジー
【概要】研究計画に沿って研究を推進し、以下の研究成果を得た。(0) 計算機環境の構築:本研究計画をスムーズに遂行するために、新しいPCクラスタシステム一式及び計算サーバーを導入し、代表者と分担者で共有して使用できる計算機環境を構築した。(1) キタエフ量子スピン液体が実現する新たな舞台を探索する目的で、高スピン系や冷却原子系を念頭に置いた数値計算を行い、キタエフ量子スピン液体が実現するパラメタ領域を明らか...
❏局在多極子と伝導電子の混成による新奇量子相および量子臨界現象の研究(17H06602)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2017-08-25 - 2019-03-31
【研究代表者】酒井 明人 東京大学, 物性研究所, 助教 (10806087)
【キーワード】多極子 / トポロジー / 異常ネルンスト効果 / 物性実験 / 強相関電子系 (他8件)
【概要】電子相関の強い多極子系におい新規量子物性を探索することを目的として本研究を行なった。その結果、PrV2Al20において磁気八極子秩序が実現していることがわかった。 またCo2MnGaにおいて量子リフシッツ転移による室温巨大異常ネルンスト効果を発見した。これらの成果は論文にまとめられ、国内外の会議でも講演を行なった本研究に関連して日本物理学会若手奨励賞も受賞した。 ...
❏トポロジカル反強磁性体の実験的開拓(16H02209)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】中辻 知 東京大学, 物性研究所, 教授 (70362431)
【キーワード】トポロジー / ワイル半金属 / ラッティンジャー半金属 / フラストレート磁性 / 異常ホール効果 (他12件)
【概要】磁気ワイルフェルミオン(時間反転対称性の破れたワイル半金属)をカイラル反強磁性体Mn3Snにおいて世界で初めて発見した。また同物質において反強磁性体で始めて巨大な異常ネルンスト効果、磁気光学カー効果を観測し、室温で巨大な異常ホール効果を示す薄膜の作製に成功した。 ラッティンジャー半金属として知られるパイロクロア型イリジウム酸化物Pr2Ir2O7の薄膜作製に世界で初めて成功した。その電子相関が非常に...
【数物系科学】地球惑星科学:X線回折強相関電子系を含む研究件
❏共鳴X線回折による拡張磁気多極子秩序の研究(19H00661)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】田中 良和 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 特別嘱託研究員 (90250109)
【キーワード】X線回折 / 強相関電子系 / 拡張多極子秩序 / 強相関系 / 放射光 (他6件)
【概要】狭義の多極子は一原子がもつ波動関数で表される.最近これを拡張した近接原子を含めたクラスター多極子や,軌道角運動量の異なる軌道から構成されるハイブリッド多極子などの拡張多極子が提唱されている.この背景には,マルチフェロイック物質に代表される交差相関による電気磁気応答,輸送現象,励起構造などの非自明な物理現象を統一的に理解しようと試みがある.このような交差相関においては、局所的な空間反転対称性と時間反...
❏放射光X線回折による層状ペロブスカイト型酸化物の電荷・スピン秩序化の研究(09440144)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1997 - 1999
【研究代表者】村上 洋一 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (60190899)
【キーワード】強相関電子系 / マンガン酸化物 / 電荷秩序 / 軌道秩序 / 放射光 (他9件)
【概要】高温超伝導や巨大磁気抵抗効果などの強相関電子系の研究を通して、"電子のもつ3つの内部自由度(電荷・スピン・軌道)の秩序状態とそれらの結合状態が、系の物性に決定的な影響を与える"という認識が広く受け入れられるようになってきた。本研究では、当初、層状ペロブスカイト型酸化物を対象として、その電荷・スピン秩序化の研究を行ってきた。ところが、研究の進行に伴い、電子のもう1つの自由度である軌道...
【数物系科学】地球惑星科学:物性実験強相関電子系を含む研究件
❏局在多極子と伝導電子の混成による新奇量子相および量子臨界現象の研究(17H06602)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2017-08-25 - 2019-03-31
【研究代表者】酒井 明人 東京大学, 物性研究所, 助教 (10806087)
【キーワード】多極子 / トポロジー / 異常ネルンスト効果 / 物性実験 / 強相関電子系 (他8件)
【概要】電子相関の強い多極子系におい新規量子物性を探索することを目的として本研究を行なった。その結果、PrV2Al20において磁気八極子秩序が実現していることがわかった。 またCo2MnGaにおいて量子リフシッツ転移による室温巨大異常ネルンスト効果を発見した。これらの成果は論文にまとめられ、国内外の会議でも講演を行なった本研究に関連して日本物理学会若手奨励賞も受賞した。 ...
❏時間分解共鳴X線散乱による遷移金属カルコゲナイドの光誘起相転移ダイナミクスの解明(16K20997)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (30738365)
【キーワード】共鳴軟X線散乱 / 電子構造 / 光誘起相転移 / 強相関電子系 / 遷移金属化合物の電子構造 (他14件)
【概要】共鳴軟X線散乱を用いて遷移金属カルコゲナイドの示す相転移と超伝導に関する電子構造研究を行った。Ir1-xPtxTe2の研究では低温での電荷秩序の周期が5倍、8倍及び6倍と様々に変化することを見出した。またAFe2Se3の研究では、CsFe2Se3においては磁気秩序による散乱のみが観察されるが、超伝導に近いBaFe2S3においては、磁気秩序と軌道秩序が共存するが、散乱信号はエネルギーと偏光の両面で分...
❏応力を基軸とした新しい交差相関物性機能の開拓(16K13828)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】徳永 祐介 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (50613387)
【キーワード】交差相関物性 / 強相関電子系 / 物性実験 / 強弾性 / キラリティ (他6件)
【概要】外部刺激として特に応力を対象として、交差相関物性現象を示しうる物質群の探索と物性評価を行った。その結果、MTeMoO6(M=Co,Mn)(空間群P212121)がキラルかつ強弾性体であり、一軸応力による強弾性分域のスイッチが結晶キラリティの反転を伴うのみならず、この種の物質としては初めての電気磁気効果をも示す磁性体であることを実証した。 ...
【数物系科学】地球惑星科学:ホール効果強相関電子系を含む研究件
❏トポロジカル反強磁性体の実験的開拓(16H02209)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】中辻 知 東京大学, 物性研究所, 教授 (70362431)
【キーワード】トポロジー / ワイル半金属 / ラッティンジャー半金属 / フラストレート磁性 / 異常ホール効果 (他12件)
【概要】磁気ワイルフェルミオン(時間反転対称性の破れたワイル半金属)をカイラル反強磁性体Mn3Snにおいて世界で初めて発見した。また同物質において反強磁性体で始めて巨大な異常ネルンスト効果、磁気光学カー効果を観測し、室温で巨大な異常ホール効果を示す薄膜の作製に成功した。 ラッティンジャー半金属として知られるパイロクロア型イリジウム酸化物Pr2Ir2O7の薄膜作製に世界で初めて成功した。その電子相関が非常に...
❏磁性体における創発電磁気学の創成(24224009)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2012-05-31 - 2017-03-31
【研究代表者】永長 直人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60164406)
【キーワード】ベリー位相 / 創発的電磁気現象 / スキルミオン / モノポール / トポロジカル絶縁体 (他27件)
【概要】実空間および運動量空間の双方における量子力学的ベリー位相に由来する「創発電磁場」の学理を、磁性体を舞台に建設した。実空間ではカイラル磁性体における渦巻状のスピン構造スキルミオンの生成、消去、駆動、読み取り、に対応した動的性質の研究が、理論・実験双方から進展し、エレクトロニクスへの展望が開けた。 運動量空間では、新しい物質群である磁性トポロジカル絶縁体における量子化異常ホール効果の実現と、関連した諸...
【数物系科学】地球惑星科学:マンガン酸化物強相関電子系を含む研究件
❏電荷・軌道秩序相における異方的物性の室温電場制御(19740190)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2007 - 2008
【研究代表者】谷口 耕治 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30400427)
【キーワード】強相関電子系 / 電荷軌道秩序 / マンガン酸化物 / 光学異方性 / 電荷・軌道秩序 (他9件)
【概要】電子間のクーロン反発の影響が大きな物質群では、電子の電荷・スピン・軌道自由度の状態がその物性に強く反映される。本研究では、これらの自由度のうち、電荷密度の異方的な分布を与える軌道自由度の電場応答を調べた。その結果、軌道自由度が秩序化することが知られている複数のマンガン酸化物において、軌道自由度が電場に対し顕著な応答を示すことを見出し、電気抵抗や屈折率といった巨視的な物理量の異方性を電場で制御するこ...
❏遷移金属酸化物における電子軌道秩序に起因する磁性と誘電性の共存及び競合(14540328)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2002 - 2003
【研究代表者】宮坂 茂樹 (2003) 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70345106)
【キーワード】軌道秩序 / 整合 / 非整合転移 / マンガン酸化物 / TbMnO_3 (他14件)
【概要】本研究期間中、強磁性強誘電体実現の指針に沿って候補となる物質をいくつか探索した。その中でもペロブスカイト型マンガン酸化物TbMnO_3に注目した。この物質は巨大磁気抵抗効果を示すホールドープされたペロブスカイト型マンガン酸化物の母物質の一つで、モット絶縁体である。この物質では斜方晶ゆがみが非常に大きいために、Mnスピン間の最近接、第二近接相互作用の大きさ同じくらいになっでいる。このために、低温でM...
❏放射光X線回折による層状ペロブスカイト型酸化物の電荷・スピン秩序化の研究(09440144)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1997 - 1999
【研究代表者】村上 洋一 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (60190899)
【キーワード】強相関電子系 / マンガン酸化物 / 電荷秩序 / 軌道秩序 / 放射光 (他9件)
【概要】高温超伝導や巨大磁気抵抗効果などの強相関電子系の研究を通して、"電子のもつ3つの内部自由度(電荷・スピン・軌道)の秩序状態とそれらの結合状態が、系の物性に決定的な影響を与える"という認識が広く受け入れられるようになってきた。本研究では、当初、層状ペロブスカイト型酸化物を対象として、その電荷・スピン秩序化の研究を行ってきた。ところが、研究の進行に伴い、電子のもう1つの自由度である軌道...
【数物系科学】地球惑星科学:高圧実験強相関電子系を含む研究件
❏定荷重圧力装置を用いたドハース振動観測装置の開発と強相関電子系のフェルミ面の研究(19K03713)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【研究代表者】摂待 力生 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00251041)
【キーワード】純良単結晶育成 / 高圧実験 / ドハース・ファンアルフェン効果 / フェルミ面 / 単結晶育成 (他10件)
【概要】定荷重圧力装置を用いた圧力下のドハース・ファンアルフェン(dHvA)振動およびシュブニコフ・ドハース(SdH)振動を観測するための圧力セルの製作および希土類元素や遷移金属元素を含む強相関物質の単結晶育成を行い,電気抵抗や比熱,磁化およびdHvA (SdH) 振動の実験からその電子状態および磁性状態を調べた。重い電子系CeIrIn5やCeRhIn5では,メタ磁性やリフシッツ転移前後の電子状態を調べた...
❏新規開発超高圧下核磁気共鳴技術による強相関電子物性の開拓(24740219)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2012-04-01 - 2014-03-31
【研究代表者】北川 健太郎 高知大学, 教育研究部自然科学系, 講師 (90567661)
【キーワード】核磁気共鳴 / 高圧研究 / 超高圧NMR / 鉄系高温超伝導 / 装置開発 (他8件)
【概要】低温物性分野では3万気圧以上の超高圧下で磁性および超伝導の内部状態を探る手段がほぼ皆無であった。そこで本計画では、超高圧技術の改良(高圧化、簡単化)を行うこと、強相関電子系化合物等に対し先端の超高圧核磁気共鳴(NMR)実験を行うことを目指した。超高圧技術の改良の、「誰でも使える小型圧力装置」の実現に関しては大きな進展があり、13万気圧超まで安定して多数の電気配線と光ファイバーを非常に歩留まり良く導...
【数物系科学】地球惑星科学:超高圧強相関電子系を含む研究件
❏新構造124型希土類化合物の開発と超高圧下新量子相の探索(15K13523)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2015-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】北川 健太郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 講師 (90567661)
【キーワード】超高圧技術 / 核磁気共鳴 / スピン液体 / 重い電子系 / Ir化合物 (他12件)
【概要】研究代表者らが発見した新構造物質とその他の新物質系の超高圧物性探索を目的とした。新物質YbCo2Ge4では、超高圧磁気相図の作成により1GPa付近での低い圧力での量子臨界点の存在を明らかにした。次に、本課題開始時に世界的に盛んに研究され始めたキタエフ量子スピン液体に注力した。まず、常圧・無磁場下でキタエフ系初のスピン液体実証として2次元蜂の巣格子H3LiIr2O6の50mKまで常磁性が保たれたスピ...
❏超高圧・極低温・精密磁場制御環境の実現と核磁気共鳴測定による量子相転移の研究(26707018)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2014-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】北川 健太郎 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (90567661)
【キーワード】強相関電子系 / 超高圧 / 核磁気共鳴 / 重い電子系 / 量子スピン液体 (他9件)
【概要】核磁気共鳴(NMR)実験としては未到達の多重極限環境の構築を行い、種々の強相関電子系物質の超高圧下量子相転移の研究を行うこと、新奇量子物性の開拓を目的として研究を開始した。計画通り超高圧・極低温・2軸回転磁場制御環境下における核磁気共鳴測定を実現した他、本課題の技術は幅広い共同研究者により重い電子系等の研究に用いられている。特筆すべき成果として、キタエフ量子スピン液体の初めての実現が期待されるイリ...
❏新規開発超高圧下核磁気共鳴技術による強相関電子物性の開拓(24740219)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2012-04-01 - 2014-03-31
【研究代表者】北川 健太郎 高知大学, 教育研究部自然科学系, 講師 (90567661)
【キーワード】核磁気共鳴 / 高圧研究 / 超高圧NMR / 鉄系高温超伝導 / 装置開発 (他8件)
【概要】低温物性分野では3万気圧以上の超高圧下で磁性および超伝導の内部状態を探る手段がほぼ皆無であった。そこで本計画では、超高圧技術の改良(高圧化、簡単化)を行うこと、強相関電子系化合物等に対し先端の超高圧核磁気共鳴(NMR)実験を行うことを目指した。超高圧技術の改良の、「誰でも使える小型圧力装置」の実現に関しては大きな進展があり、13万気圧超まで安定して多数の電気配線と光ファイバーを非常に歩留まり良く導...
【数物系科学】地球惑星科学:放射光強相関電子系を含む研究件
❏共鳴X線回折による拡張磁気多極子秩序の研究(19H00661)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】田中 良和 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 特別嘱託研究員 (90250109)
【キーワード】X線回折 / 強相関電子系 / 拡張多極子秩序 / 強相関系 / 放射光 (他6件)
【概要】狭義の多極子は一原子がもつ波動関数で表される.最近これを拡張した近接原子を含めたクラスター多極子や,軌道角運動量の異なる軌道から構成されるハイブリッド多極子などの拡張多極子が提唱されている.この背景には,マルチフェロイック物質に代表される交差相関による電気磁気応答,輸送現象,励起構造などの非自明な物理現象を統一的に理解しようと試みがある.このような交差相関においては、局所的な空間反転対称性と時間反...
❏強相関遷移金属酸化物量子井戸を用いた電子構造制御による新奇量子物性探索(26870843)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2014-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】小林 正起 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任助教 (30508198)
【キーワード】強相関電子系 / 角度分解光電子分光 / 薄膜 / 放射光 / 遷移金属酸化物 (他9件)
【概要】近年、強相関遷移金属酸化物SrVO3極薄膜において、膜厚方向に伸びたd軌道由来のバンドが量子化する金属量子井戸(QW)状態が発見された。本研究は、薄膜構造によりこのQW状態の波動関数を制御することで、強相関金属QWを用いた超格子などのデバイス展開に向けた、新たな量子物性の探索及び物質設計の基盤を築くことを目的とした。 その目的のため、SrVO3極薄膜や多層膜構造におけるQW状態を角度分解光電子分光...
❏軟X線共鳴回折によるカイラリティイメージングの研究(25247054)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2013-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】田中 良和 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 専任研究員 (90250109)
【キーワード】X線・粒子線 / 放射光 / 共鳴X線回折 / 強相関電子系 / X線 (他11件)
【概要】SPring-8理研ビームライン17SUに設置した軟X線回折計を用い,強相関電子系物質の秩序状態の観察を行っている.特に,円偏光X線を利用することによって,結晶カイラリティ,スピンカイラリティの判別さらにはドメイン分布の観察を行っている.ドメイン分布の観察には,極度に集光したX線ビームが必要である.この科研費プロジェクトでは,ミラー集光による直径15マイクロメートルの集光サイズを,ゾーンプレートシ...
【数物系科学】地球惑星科学:高圧強相関電子系を含む研究件
❏定荷重圧力装置を用いたドハース振動観測装置の開発と強相関電子系のフェルミ面の研究(19K03713)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【研究代表者】摂待 力生 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00251041)
【キーワード】純良単結晶育成 / 高圧実験 / ドハース・ファンアルフェン効果 / フェルミ面 / 単結晶育成 (他10件)
【概要】定荷重圧力装置を用いた圧力下のドハース・ファンアルフェン(dHvA)振動およびシュブニコフ・ドハース(SdH)振動を観測するための圧力セルの製作および希土類元素や遷移金属元素を含む強相関物質の単結晶育成を行い,電気抵抗や比熱,磁化およびdHvA (SdH) 振動の実験からその電子状態および磁性状態を調べた。重い電子系CeIrIn5やCeRhIn5では,メタ磁性やリフシッツ転移前後の電子状態を調べた...
❏一軸方向加圧環境を含む高圧下NMR装置の開発と強相関電子系への適用(17340107)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2008
【研究代表者】藤原 直樹 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 准教授 (60272530)
【キーワード】高温超伝導 / 高圧測定 / 核磁気共鳴 / 強相関電子系 / 高圧 (他11件)
【概要】ピストンシリンダー型圧力セルにおいて4万気圧まで至達することに成功した。このセルを用いて圧力下で最適条件となる鉄砒素系高温超伝導体LaFeAsO_<1-x>F_xや、梯子格子銅酸化物Sr_2Ca_<12>Cu_<24>O_<41>のNMR測定を行い、超伝導転移点T_Cが高圧下で上昇する機構を解明した。 ...
【数物系科学】天文学:計算物理強相関電子系を含む研究件
❏量子スピン液体におけるマヨラナ粒子の創出と制御(20H00122)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2025-03-31
【研究代表者】求 幸年 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40323274)
【キーワード】磁性 / 強相関電子系 / 物性理論 / 計算物理 / トポロジー
【概要】研究計画に沿って研究を推進し、以下の研究成果を得た。(0) 計算機環境の構築:本研究計画をスムーズに遂行するために、新しいPCクラスタシステム一式及び計算サーバーを導入し、代表者と分担者で共有して使用できる計算機環境を構築した。(1) キタエフ量子スピン液体が実現する新たな舞台を探索する目的で、高スピン系や冷却原子系を念頭に置いた数値計算を行い、キタエフ量子スピン液体が実現するパラメタ領域を明らか...
❏高次元データの次元圧縮によって実現する磁性と超伝導の第一原理計算(18H01158)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】大槻 純也 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60513877)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 超伝導 / 第一原理計算 / スパースモデリング (他12件)
【概要】強相関電子系化合物では、多数の電子がクーロン斥力によって強く相互作用しあうことで、磁性や超伝導などの実用的に有用な様々な機能物性が発現する。それらの物性を理解する上で、外場への応答を表す感受率が重要な役割を果たす。しかし、現実の強相関化合物に対する感受率の計算は、数値計算の難しさのために実現していない。本研究では、データ科学的な方法論を応用することで、強相関化合物の感受率計算の実現に向けた多くの進...
❏スピンの分数化による量子スピン液体の開拓(16H02206)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2016-04-01 - 2020-03-31
【研究代表者】求 幸年 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40323274)
【キーワード】磁性 / 強相関電子系 / 物性理論 / 計算物理 / トポロジー
【概要】固体中で強く相互作用しあう電子がもたらす特異な量子状態である量子スピン液体は、物性物理学における長年の大きな謎のひとつである。本研究では、大規模な数値計算手法の開発と適用により、量子スピン液体において電子の持つスピンが分数化を起こすという顕著な性質がもたらす物性を解明した。具体的には、様々な観測可能な物理量の振る舞いを明らかにすることで、量子スピン液体の実験的な同定に資する理論を構築した。さらに、...
【数物系科学】天文学:超伝導強相関電子系を含む研究件
❏小区分29020:薄膜および表面界面物性関連(0)
【研究テーマ】2020
【研究種目】超伝導
【研究期間】強相関電子系
【研究代表者】電気化学
【キーワード】リチウムイオン電池
【概要】本研究では、磁性や超伝導などの機能物性を第一原理的に記述する実用的な理論の構築を目指して、動的平均場法(DMFT法)によって強相関効果を考慮した第一原理計算法(DFT+DMFT法)の発展とその応用に取り組む。全研究期間を通した研究計画は、DFT+DMFT法に関連した理論構築とその適用範囲を検証する“基礎”と適用限界の範囲で強相関化合物の物質設計に応用する“応用”に分かれる。本年度は基礎に関する以下...
❏量子クエンチに基づく強相関電子系の新規量子相の探索(20K20343)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2020-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】島野 亮 東京大学, 低温科学研究センター, 教授 (40262042)
【キーワード】量子クエンチ / 非平衡 / 超伝導 / 電荷密度波 / 光誘起相転移 (他15件)
【概要】超伝導と電荷密度波(CDW)といった多重の秩序が競合共存する系を対象に、光学的量子クエンチの手法を用いて、新たな量子相の探究を行った。遷移金属ダイカルコゲナイド物質ではCDWの振幅モード励起を介した相転移を初めて実現した。鉄系超伝導体では、光照射により超伝導が増強することを非線形テラヘルツ分光から明瞭に実証した。ストライプ秩序を発現するLa214系銅酸化物高温超伝導体では、電荷秩序とスピン秩序、超...
❏エピタキシャル薄膜が実現する二次元NbO2超伝導面の解明(20K15169)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】相馬 拓人 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (50868271)
【キーワード】超伝導 / 強相関電子系 / 電気化学 / リチウムイオン電池 / 二次元物質 (他12件)
【概要】本研究は,二次元NbO2超伝導層の全貌を明らかにする研究である。初年度である昨年度には,その舞台となる二次元NbO2層を持つLi1-xNbO2の薄膜合成法を確立し,電子構造と二次元超伝導の観測に成功した。その結果,本研究の第一の目標である"NbO2超伝導層が理想的である"ことが証明され,本年度にPhysical Review B誌に原著論文が掲載された。 また本年度は,第二の目標で...
【数物系科学】天文学:テラヘルツ強相関電子系を含む研究件
❏量子クエンチに基づく強相関電子系の新規量子相の探索(20K20343)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2020-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】島野 亮 東京大学, 低温科学研究センター, 教授 (40262042)
【キーワード】量子クエンチ / 非平衡 / 超伝導 / 電荷密度波 / 光誘起相転移 (他15件)
【概要】超伝導と電荷密度波(CDW)といった多重の秩序が競合共存する系を対象に、光学的量子クエンチの手法を用いて、新たな量子相の探究を行った。遷移金属ダイカルコゲナイド物質ではCDWの振幅モード励起を介した相転移を初めて実現した。鉄系超伝導体では、光照射により超伝導が増強することを非線形テラヘルツ分光から明瞭に実証した。ストライプ秩序を発現するLa214系銅酸化物高温超伝導体では、電荷秩序とスピン秩序、超...
❏マルチフェロイックに現れるエレクトロマグノンの巨大な電気磁気光学応答の研究(24840012)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2012-08-31 - 2014-03-31
【研究代表者】高橋 陽太郎 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30631676)
【キーワード】強相関電子系 / 物性実験 / 光物性 / 磁性体 / テラヘルツ (他9件)
【概要】本課題ではマルチフェロイックと呼ばれる磁性と誘電性が強く結合した物質に置いて現れる新しいスピン波であるエレクトロマグノンに関する研究を行った。サイクロイド型磁気秩序を持つ磁性体においてエレクトロマグノンとその電気磁気光学効果を磁場で制御することで、20倍以上の強度の増強に成功した。さらに、スクリュー型磁気秩序に由来したエレクトロマグノンの磁気カイラル効果の実現にも成功し、テラヘルツ帯での巨大な方向...
【数物系科学】天文学:X線強相関電子系を含む研究件
❏時間分解共鳴X線散乱による遷移金属カルコゲナイドの光誘起相転移ダイナミクスの解明(16K20997)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (30738365)
【キーワード】共鳴軟X線散乱 / 電子構造 / 光誘起相転移 / 強相関電子系 / 遷移金属化合物の電子構造 (他14件)
【概要】共鳴軟X線散乱を用いて遷移金属カルコゲナイドの示す相転移と超伝導に関する電子構造研究を行った。Ir1-xPtxTe2の研究では低温での電荷秩序の周期が5倍、8倍及び6倍と様々に変化することを見出した。またAFe2Se3の研究では、CsFe2Se3においては磁気秩序による散乱のみが観察されるが、超伝導に近いBaFe2S3においては、磁気秩序と軌道秩序が共存するが、散乱信号はエネルギーと偏光の両面で分...
❏軟X線共鳴回折によるカイラリティイメージングの研究(25247054)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2013-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】田中 良和 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 専任研究員 (90250109)
【キーワード】X線・粒子線 / 放射光 / 共鳴X線回折 / 強相関電子系 / X線 (他11件)
【概要】SPring-8理研ビームライン17SUに設置した軟X線回折計を用い,強相関電子系物質の秩序状態の観察を行っている.特に,円偏光X線を利用することによって,結晶カイラリティ,スピンカイラリティの判別さらにはドメイン分布の観察を行っている.ドメイン分布の観察には,極度に集光したX線ビームが必要である.この科研費プロジェクトでは,ミラー集光による直径15マイクロメートルの集光サイズを,ゾーンプレートシ...
【数物系科学】天文学:数値計算強相関電子系を含む研究件
❏マヨラナフェルミオン描像に基づいた量子スピン系に対する数値的研究(15K13533)
【研究テーマ】数理物理・物性基礎
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2015-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】求 幸年 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40323274)
【キーワード】強相関電子系 / 計算物理 / 量子スピン系 / トポロジー / スピン液体 (他8件)
【概要】本研究では、磁性体に現れる奇妙な量子状態である量子スピン液体の性質を解明する目的で、新しい数値計算手法の開発を行った。キタエフ模型と呼ばれる理論モデルの厳密解で用いられるマヨラナフェルミオン描像に基づいて、新しい量子モンテカルロ法、動的平均場法、および連続時間量子モンテカルロ法を開発した。それらを用いて、様々な物理量の温度依存性やエネルギー依存性を明らかにし、キタエフ模型に対する候補物質における最...
❏並列計算機による強相関電子系の数値的研究(11640333)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1999 - 2000
【研究代表者】常次 宏一 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / 数値的対角化 / 量子モンテカルロ / 密度行列繰り込み群 / 近藤格子 (他13件)
【概要】本研究計画において強相関電子系の基底状態および有限温度の熱力学を大規模な数値計算を用いて研究した。数百台規模の並列計算機、ベクトル化機能に優れたスーパーコンピュータ、およびそれらの中間にあるワークステーションクラスターの3つのタイプの計算機資源を用いて様々な種類の数値計算を実行し、以下のような成果が得られた。 1次元近藤格子の有限温度における局所物理量の動的相関関数を有限温度密度行列繰り込み群によ...
【化学】複合化学:イオン液体強相関電子系を含む研究件
❏イオン液体合成法による新しい超伝導体・フラストレート磁性体の開発(16K13831)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】廣井 善二 東京大学, 物性研究所, 教授 (30192719)
【キーワード】物質開発 / 超伝導 / 磁気フラストレーション / イオン液体合成 / 水熱合成 (他13件)
【概要】強相関電子系における物質探索にブレークスルーを目指して,イオン液体合成法や水熱合成法により新しい超伝導体やフラストレート磁性体の合成を行った.超伝導が報告されているがその詳細は全く分かっていないTe4[BixCl4]を合成してその物性を評価したが、超伝導性の確認には至らなかった。一方、水熱合成法を駆使して、新しいカゴメ格子反強磁性体CdCu3(OH)6(NO3)2・H2O (CdK)の単結晶育成に...
❏イオン液体ゲートによる新しい電界効果デバイスの創製(25708039)
【研究テーマ】デバイス関連化学
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】上野 和紀 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (10396509)
【キーワード】電気二重層トランジスタ / モットトランジスタ / イオン液体 / 強相関電子系 / 遷移金属酸化物 (他10件)
【概要】イオン液体ゲートを用いた電気二重層トランジスタを強相関電子系 SrVO3 の極薄膜に組み合わせ、金属絶縁体転移の制御を行った。 SrVO3 はバルク単結晶では良好な金属だが、10 原子層厚さ以下の極薄膜にすることで次元性が減少し、バンド幅減少による金属絶縁体転移を起こした。この状態は電子相関により絶縁体となるモット絶縁体だと考えられる。われわれはSrVO3 極薄膜でゲート印加とともに絶縁体から金属...
【生物学】基礎生物学:結晶構造解析強相関電子系を含む研究件
❏二重ペロブスカイト型マンガン酸化物の室温近傍での巨大磁気誘電現象の探索(24540380)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】山田 重樹 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 准教授 (50312822)
【キーワード】誘電性 / 磁性 / 単結晶 / 低温 / 酸化物 (他16件)
【概要】本研究課題では、二重ペロブスカイト型という結晶構造を有するマンガン酸化物の単結晶体を用いて磁性、電気伝導性、および誘電性の研究を行った。申請者はこの物質の1つについて世界で初めて純良で大型の単結晶体の作製に成功し、その試料を測定することで、強誘電体でかつその強誘電性が磁性と強く結合している可能性を示した。そこで、本研究課題では、この物質群の他の組成の単結晶体を幅広く作ることと、より精密な測定を行う...
❏強相関電子系における電子ネマティック相の解明(24244057)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】芝内 孝禎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (00251356)
【キーワード】対称性の破れ / 隠れた秩序 / 電子相関 / 重い電子系 / 鉄系超伝導 (他13件)
【概要】本研究では、鉄系超伝導体や重い電子系化合物などの強相関電子系物質において存在が明らかになりつつある、電子状態が本来の結晶が持つ回転対称性を自発的に破った「電子ネマティック」状態を、様々な新しい実験手法を駆使して明らかにした。特に、長年の謎であったウラン化合物における隠れた秩序相において、微小試料での測定が可能な磁気トルク測定による磁気異方性の高感度検出、放射光を用いた高次ブラック散乱による高分解能...
【総合理工】応用物理学:分子性導体強相関電子系を含む研究件
❏ノイズを活用した確率共鳴現象によるプロトン・電荷移動搖動増強と巨大電荷応答(15K13511)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2015-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】佐々木 孝彦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20241565)
【キーワード】分子性有機物質 / ノイズ / 強相関電子系 / プロトン運動 / 分子性導体 (他8件)
【概要】本研究では,分子性有機物質におけるプロトン運動やエチレン基回転運動などの分子構造ダイナミクスと結合したパイ電子系電荷ダイナミクスによって誘起されるノイズの検出およびノイズによる電荷応答現象の研究を行った. その結果,複数の分子性有機物質において,それぞれ,ダイマーモット絶縁体での誘電異常と1/fノイズの増強,電荷ガラス形成物質での電荷クラスター成長によるブロードバンドノイズ発生,プロトン運動と電荷...
❏強相関分子性導体の階層的電荷・スピン・格子ダイナミクスの研究(25287080)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2013-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】佐々木 孝彦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20241565)
【キーワード】強相関電子系 / 分子性有機導体 / 電荷ガラス / 分子性固体 / 強相関系 (他12件)
【概要】本研究では,強相関電子系分子性導体に特徴的な電荷-スピン-格子自由度の複合的結合による“やわらかい強相関電子・格子系”で実現する新しい非線形電子誘電物性の創出,解明を目指した実験研究を行った. その結果,電子が配列秩序化した電荷秩序絶縁体状態(電荷固体),融解・液体化した良電気伝導状態(電荷液体)に加えて,電子が極めて遅い時間スケールのダイナミクスを有し,不均質に凍結した新しい電子状態(電荷ガラス...
❏分子性物質の可制御性を用いた領域横断型研究と境界領域の物性開拓(25220709)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2013-05-31 - 2018-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】分子性導体 / 強相関電子系 / 誘電物性 / 電荷ガラス / Dirac電子系 (他14件)
【概要】我々は、分子性物質の構造的な可制御性を利用することで、誘電性、伝導性、磁性、半導体といった既成の学問分野の境界領域に潜む未知の物性を発掘し、物質科学における新たな研究の潮流を創出することを目指した。その結果、電子移動型強誘電体における新奇な電気的/磁気的励起の発見、電子系におけるガラス形成の学理構築、質量ゼロのDirac電子系における特異な電子相関効果の発見、スピン液体と金属状態の共存状態の発見等...
【総合理工】応用物理学:強相関強相関電子系を含む研究件
❏軌道物理としての励起子絶縁体の電子状態の解明(17H02916)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017 - 2019
【研究代表者】石原 純夫 東北大学, 理学研究科, 教授 (30292262)
【キーワード】励起子絶縁体 / BiCo03 / スピンダイマー模型 / 四重極相 / マルチフェロイクス (他12件)
【概要】[1]強相関拡張された二軌道ハバード模型では、高スピン(HS)相と低スピン(LS)相の間に励起子絶縁体が現れる。この相境界付近で、弱いスピン軌道相互作用を採り入れると、HS相に内在する四重極自由度の揺らぎにより帯磁率が著しく増強されることを明らかにした。 [2][1]の励起子絶縁体の模型において、変分クラスタ法を用いてvertex補正まで取りいれ、光学電導度を計算したところ、励起子絶縁相においては...
❏強相関遷移金属酸化物量子井戸を用いた電子構造制御による新奇量子物性探索(26870843)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2014-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】小林 正起 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任助教 (30508198)
【キーワード】強相関電子系 / 角度分解光電子分光 / 薄膜 / 放射光 / 遷移金属酸化物 (他9件)
【概要】近年、強相関遷移金属酸化物SrVO3極薄膜において、膜厚方向に伸びたd軌道由来のバンドが量子化する金属量子井戸(QW)状態が発見された。本研究は、薄膜構造によりこのQW状態の波動関数を制御することで、強相関金属QWを用いた超格子などのデバイス展開に向けた、新たな量子物性の探索及び物質設計の基盤を築くことを目的とした。 その目的のため、SrVO3極薄膜や多層膜構造におけるQW状態を角度分解光電子分光...
【総合理工】応用物理学:パイロクロア格子強相関電子系を含む研究件
❏強相関電子系におけるフラストレーションの効果の理論的研究(16540313)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2004 - 2006
【研究代表者】常次 宏一 東京大学, 物性研究所, 教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / フラストレーション / スピン液体 / カゴメ格子 / パイロクロア格子 (他12件)
【概要】バナジウムスピネル酸化物AV_2O_4(A=Zn,Mg,Cd)における構造転移と磁気転移の機構を研究した。磁性をもっバナジウムイオンはパイロクロア副格子を形成しており、その格子上のスピン系は絶対零度まで長距離磁気秩序を示さないと考えられている。我々は、バナジウムイオンのd電子のスピンに加えて軌道自由度を考慮して低エネルギー有効模型を構築し、その平均場解析およびモンテカルロシミュレーションにより相図...
❏フラストレートした構造を持つ磁性体の理論(13640350)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2001 - 2003
【研究代表者】常次 宏一 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / フラストレーション / 量子反強磁性 / 軌道秩序 / スピネル (他14件)
【概要】本研究計画においてはフラストレートした構造を持つ磁性体、特にパイロクロア格子とカゴメ格子を中心として、フラストレーションがどのように強相関効果に影響を及ぼすのかという問題を理論的に研究し、新奇な量子相の発見とその性質の解明を目指した。 パイロクロア格子上の量子ハイゼンベルグスピン系を量子極限(S=1/2)と半古典極限(S→∞)の両極限でその基底状態を調べ、新奇な量子液体状態の可能性を探った。特にS...
【総合理工】応用物理学:分子性固体強相関電子系を含む研究件
❏イオンインターカレーションによる中性錯体分子結晶の磁気秩序制御(16K05738)
【研究テーマ】機能物性化学
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】谷口 耕治 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (30400427)
【キーワード】リチウムイオン電池 / MOF / 電気的磁性制御 / イオニクス / 分子磁性 (他11件)
【概要】現在の代表的な蓄電デバイスであるリチウムイオン電池のシステムを、単なるエネルギー貯蔵システムとしてではなく、バルク物質に対する新しい高密度電子量制御システムとして捉える観点から、電気的磁性制御に取り組んだ。その結果、リチウムイオン電池の放電操作を介した電子ドーピングにより、錯体集積体の架橋分子上にラジカルスピンを選択的に発生させ、人工的な磁気秩序を誘起出来ることを明らかにした。また、独自に開発した...
❏強相関絶縁層が挿入された新型層状有機超伝導体における新奇な電子状態の探索(16K05436)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】川本 正 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (60323789)
【キーワード】超伝導 / 結晶構造 / 電荷秩序 / モット絶縁体 / 強相関電子系 (他7件)
【概要】ドナーとアニオンの組成比が1:1である真性モット絶縁体(BEDT-TTF)TaF6の基底状態がネール温度10 Kの反強磁性絶縁体であることを明らかにした。(BEDT-TTF)2TaF6に複数存在する多形の構造と電子状態も明らかにした。特にkappa型では歪んだ三角格子のダイマーモット絶縁体であるにも関わらず、スピン液体の可能性を見出した。強相関絶縁層をもつ層状超伝導体(EtDTET)(TCNQ)の...
❏強相関分子性導体の階層的電荷・スピン・格子ダイナミクスの研究(25287080)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2013-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】佐々木 孝彦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20241565)
【キーワード】強相関電子系 / 分子性有機導体 / 電荷ガラス / 分子性固体 / 強相関系 (他12件)
【概要】本研究では,強相関電子系分子性導体に特徴的な電荷-スピン-格子自由度の複合的結合による“やわらかい強相関電子・格子系”で実現する新しい非線形電子誘電物性の創出,解明を目指した実験研究を行った. その結果,電子が配列秩序化した電荷秩序絶縁体状態(電荷固体),融解・液体化した良電気伝導状態(電荷液体)に加えて,電子が極めて遅い時間スケールのダイナミクスを有し,不均質に凍結した新しい電子状態(電荷ガラス...
【総合理工】応用物理学:動的平均場法強相関電子系を含む研究件
❏物質設計を見据えた強相関理論の構築(21H01041)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【研究代表者】大槻 純也 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60513877)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 超伝導 / 第一原理計算 / 多極子秩序 (他7件)
【概要】本研究では、磁性や超伝導などの機能物性を第一原理的に記述する実用的な理論の構築を目指して、動的平均場法(DMFT法)によって強相関効果を考慮した第一原理計算法(DFT+DMFT法)の発展とその応用に取り組む。全研究期間を通した研究計画は、DFT+DMFT法に関連した理論構築とその適用範囲を検証する“基礎”と適用限界の範囲で強相関化合物の物質設計に応用する“応用”に分かれる。本年度は基礎に関する以下...
❏高次元データの次元圧縮によって実現する磁性と超伝導の第一原理計算(18H01158)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】大槻 純也 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60513877)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 超伝導 / 第一原理計算 / スパースモデリング (他12件)
【概要】強相関電子系化合物では、多数の電子がクーロン斥力によって強く相互作用しあうことで、磁性や超伝導などの実用的に有用な様々な機能物性が発現する。それらの物性を理解する上で、外場への応答を表す感受率が重要な役割を果たす。しかし、現実の強相関化合物に対する感受率の計算は、数値計算の難しさのために実現していない。本研究では、データ科学的な方法論を応用することで、強相関化合物の感受率計算の実現に向けた多くの進...
❏強相関電子系の伝導現象における臨界性の理論(25400359)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】常次 宏一 東京大学, 物性研究所, 教授 (80197748)
【キーワード】動的相関関数 / モット転移 / 光学伝導度 / 強相関電子系 / 反強磁性秩序 (他8件)
【概要】反強磁性秩序発現に伴う金属絶縁体転移近傍の光学電気伝導度をクラスター動的平均場法に基づく大規模数値計算で求め、相互作用による電流が繰り込みを与える頂点補正が光学伝導度の周波数依存性、温度依存性に大きな影響を与えることを発見した。また、フラストレートした強相関電子系のモット金属絶縁体転移の特徴の解明を目指して、最近接サイト間の電荷揺らぎの量子ダイナミクスを同手法を用いて計算し、特にdoublonとh...
【総合理工】応用物理学:空間反転対称性強相関電子系を含む研究件
❏スピン軌道相互作用が強い磁性体に潜むトロイダルモーメントの理論的探索・制御(16H06590)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2016-08-26 - 2018-03-31
【研究代表者】速水 賢 北海道大学, 理学研究院, 助教 (20776546)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 反対称スピン軌道相互作用 / トロイダルモーメント / 多極子 (他13件)
【概要】時間・空間反転対称性がともに破れた系に現れるトロイダルモーメントに関する微視的な理論形式の構築と、実験的にどのようにして観測・制御できるかを調べた。(1)結晶場、スピン軌道相互作用、電子相関による対称性の破れを取り入れたモデルに対して、摂動論を用いることにより、トロイダルモーメントが秩序化した際に生じる有効的なスピン軌道相互作用を導出した。(2)2次元三角格子上のスピン軌道相互作用が強い強磁性体に...
❏空間反転対称性の人工制御による新奇超伝導状態の探索(20654031)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2008 - 2009
【研究代表者】芝内 孝禎 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00251356)
【キーワード】超格子構造 / 空間反転対称性 / f電子系 / 強相関電子系 / FFLO状態 (他8件)
【概要】本研究の目的は、空間反転対称性が破れている結晶構造を持つ重い電子系超伝導体において期待されている新奇超伝導状態に対する新しい切り口として、重い電子系の薄膜作製技術を用いて、前例のない手法により人工的に重い電子超伝導体の空間反転対称性を制御し、新奇超伝導状態が起こるかどうかの検証をおこなうことである。 本年度の成果としては、昨年度に確立した薄膜成長装置であるMBEシステムのさらなる改良をおこない、1...
【総合理工】応用物理学:量子スピン液体強相関電子系を含む研究件
❏スピノンフェルミ面とスピノン対凝縮:分裂と縺れが創るスピン量子相の探索(21K18144)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2021-07-09 - 2024-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】スピン液体 / スピノンフェルミ面 / 強磁場 / 核磁気共鳴 / 輸送特性 (他10件)
【概要】本研究課題は、「スピン液体」の微視的状態の理解を目指している。対象とする物質は有機スピン液体候補物質であるk-(BEDT-TTF)2Cu2(CN)3とEtMe3Sb[Pd(dmit)2]2である。 研究初年度では、スピン液体を説明する一つのモデルであるスピンノンフェルミ面の検出を目指して核磁気共鳴および高磁場物性の測定を行った。 スピノンのフェルミ面が存在する場合、物理量に磁場に対する量子振動が期...
❏計算・実験科学の融合による有効ハミルトニアン構築と強相関トポロジカル物質への応用(20H01850)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】山地 洋平 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点, 主任研究員 (00649428)
【キーワード】強相関電子系 / 機械学習 / 量子スピン液体 / ベイズ最適化 / トポロジカル物質 (他6件)
【概要】本研究計画では、量子物質、特にトポロジカルな量子スピン液体と呼ばれる電子状態を実現するため、強相関電子系と呼ばれる、電子間のクーロン相互作用と原子間の電子のトンネリングの効果が拮抗する物質群を解析するための手法開発を行う。研究代表者らが開発を主導してきたオープンソース・アプリケーションHΦを量子多体シミュレータに用い、実験データを入力とし、理論あるいは第一原理電子状態計算に基づく有効ハミルトニアン...
❏カゴメ反強磁性体の量子スピン液体に対する有効理論の微視的な構築(17H07362)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2017-08-25 - 2019-03-31
【研究代表者】藤 陽平 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 基礎科学特別研究員 (50802732)
【キーワード】トポロジカル相 / 分数量子Hall状態 / 量子スピン液体 / 量子細線 / トポロジカル秩序 (他8件)
【概要】物質中における電子やスピンが互いに強く相互作用することで実現する新奇な物質相の1つであるトポロジカル相では、興味深いことに分数励起という特殊な統計性を持つ励起が出現する。本研究では、そのようなトポロジカル相の例である、カゴメ反強磁性体における量子スピン液体状態や、分数量子Hall状態、3次元のゲージ理論などに注目し、相互作用を制御するための場の理論的な解析手法を用いて、それらのトポロジカル相を実現...
【総合理工】応用物理学:物質設計強相関電子系を含む研究件
❏機械学習と物性理論の分野融合的アプローチによる強相関第一原理計算(20K14423)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】野村 悠祐 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (20793756)
【キーワード】機械学習 / 人工ニューラルネットワーク / 強相関電子系 / 手法開発 / 量子多体系 (他11件)
【概要】本研究の目的の一つは、人工ニューラルネットワーク/機械学習と量子多体論を融合した強力かつ汎用的な強相関数値計算手法を開発することである。その新たな手法と密度汎関数理論などの第一原理計算を組みあわせて、実存する強相関電子系へ適用を行い、高精度な定量計算の実現を目指す。そのため、研究の柱は新たな手法開発である。同時に新手法の精度検証も重要な課題になってくる。 今年度は有限温度計算を可能にする新たな人...
❏強相関物質設計と機能開拓 -非平衡系・非周期系への挑戦-(16H06345)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2016-05-31 - 2021-03-31
【研究代表者】今田 正俊 早稲田大学, 理工学術院, 上級研究員(研究院教授) (70143542)
【キーワード】第一原理計算 / 強相関電子系 / 階層的第一原理強相関電子状態計算法 / 高温超伝導 / 量子流体と量子スピン液体 (他21件)
【概要】強相関電子系を第一原理的に解明するための手法を標準手法として確立し、コードの公開・普及を行なった。機械学習を導入して、世界最高精度の量子多体ソルバーを開発し適用したことや、隠れた物理量抽出のための分光実験データ解析へ適用したことは当初の予定を超えた成果である。開発手法を、銅酸化物に代表される高温超伝導体や分子性結晶に見られる量子スピン液体の候補に適用し、初めて実験相図の任意パラメタなしでの再現に成...
【総合理工】応用物理学:フラストレート磁性体強相関電子系を含む研究件
❏機械学習と物性理論の分野融合的アプローチによる強相関第一原理計算(20K14423)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】野村 悠祐 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (20793756)
【キーワード】機械学習 / 人工ニューラルネットワーク / 強相関電子系 / 手法開発 / 量子多体系 (他11件)
【概要】本研究の目的の一つは、人工ニューラルネットワーク/機械学習と量子多体論を融合した強力かつ汎用的な強相関数値計算手法を開発することである。その新たな手法と密度汎関数理論などの第一原理計算を組みあわせて、実存する強相関電子系へ適用を行い、高精度な定量計算の実現を目指す。そのため、研究の柱は新たな手法開発である。同時に新手法の精度検証も重要な課題になってくる。 今年度は有限温度計算を可能にする新たな人...
❏イオン液体合成法による新しい超伝導体・フラストレート磁性体の開発(16K13831)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】廣井 善二 東京大学, 物性研究所, 教授 (30192719)
【キーワード】物質開発 / 超伝導 / 磁気フラストレーション / イオン液体合成 / 水熱合成 (他13件)
【概要】強相関電子系における物質探索にブレークスルーを目指して,イオン液体合成法や水熱合成法により新しい超伝導体やフラストレート磁性体の合成を行った.超伝導が報告されているがその詳細は全く分かっていないTe4[BixCl4]を合成してその物性を評価したが、超伝導性の確認には至らなかった。一方、水熱合成法を駆使して、新しいカゴメ格子反強磁性体CdCu3(OH)6(NO3)2・H2O (CdK)の単結晶育成に...
【総合理工】応用物理学:トポロジカル電子状態強相関電子系を含む研究件
❏フラストレーション格子磁性体における新奇トポロジカル電子物性の開拓(21K13871)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2021-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】上田 健太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (40835336)
【キーワード】磁性 / 磁気転移 / 強相関電子系 / イリジウム酸化物 / トポロジカル電子状態 (他6件)
【概要】本課題の目的は、フラストレーション格子磁性体において、電子間相互作用と相対論的スピン軌道相互作用の協奏が生み出す新しいトポロジカル電子相を開拓することにある。令和3年度では、(a)パイロクロア型ルテニウム酸化物(Pr1-xCax)2Ru2O7において、電子占有率を制御した試料を合成することに成功し、巨大な異常ホール効果を示す強磁性金属相を発見した。(b)パイロクロア型イリジウム酸化物Pr2Ir2O...
❏強相関トポロジカル量子物性の探索と相転移・臨界現象の解明(19K14647)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】上田 健太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (40835336)
【キーワード】強相関電子系 / スピン軌道相互作用 / 金属絶縁体転移 / 磁気輸送現象 / 磁性 (他8件)
【概要】本研究課題では、スピン軌道相互作用の大きい4d・5d電子系酸化物に着目し、強相関トポロジカル量子物性の開拓と機能制御を行った。パイロクロア型イリジウム酸化物においては、磁性ワイル半金属の実現可能性が理論的に議論されていた。近年では、磁気構造によって様々なトポロジカル電子相が現れることが知られていたが、電子相関の比較的小さい領域に限定されていた。本研究課題では、電子占有率を変化させることで、相関の強...
【総合理工】応用物理学:トポロジカル物質強相関電子系を含む研究件
❏計算・実験科学の融合による有効ハミルトニアン構築と強相関トポロジカル物質への応用(20H01850)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】山地 洋平 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点, 主任研究員 (00649428)
【キーワード】強相関電子系 / 機械学習 / 量子スピン液体 / ベイズ最適化 / トポロジカル物質 (他6件)
【概要】本研究計画では、量子物質、特にトポロジカルな量子スピン液体と呼ばれる電子状態を実現するため、強相関電子系と呼ばれる、電子間のクーロン相互作用と原子間の電子のトンネリングの効果が拮抗する物質群を解析するための手法開発を行う。研究代表者らが開発を主導してきたオープンソース・アプリケーションHΦを量子多体シミュレータに用い、実験データを入力とし、理論あるいは第一原理電子状態計算に基づく有効ハミルトニアン...
❏熱検出型サイクロトロン共鳴による量子化された金属電子状態の研究(19K21841)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2021-03-31
【研究代表者】徳永 将史 東京大学, 物性研究所, 准教授 (50300885)
【キーワード】強相関電子系 / サイクロトロン共鳴 / 強磁場 / テラヘルツ光 / トポロジカル半金属 (他7件)
【概要】高移動度の金属で量子振動とサイクロトロン共鳴をともに測定できれば、電子相関の効果を評価することができる。しかしそのような金属では光が透過しないため、サイクロトロン共鳴の実験は不可能であった。この点を解決するため、磁気共鳴現象を試料温度の変化として検出する熱検出型サイクロトロン共鳴の装置開発を行った。 量子カスケードレーザーを使ったテラヘルツ光の発振と試料部までの伝達には成功した。またこのテラヘルツ...
❏強相関物質設計と機能開拓 -非平衡系・非周期系への挑戦-(16H06345)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2016-05-31 - 2021-03-31
【研究代表者】今田 正俊 早稲田大学, 理工学術院, 上級研究員(研究院教授) (70143542)
【キーワード】第一原理計算 / 強相関電子系 / 階層的第一原理強相関電子状態計算法 / 高温超伝導 / 量子流体と量子スピン液体 (他21件)
【概要】強相関電子系を第一原理的に解明するための手法を標準手法として確立し、コードの公開・普及を行なった。機械学習を導入して、世界最高精度の量子多体ソルバーを開発し適用したことや、隠れた物理量抽出のための分光実験データ解析へ適用したことは当初の予定を超えた成果である。開発手法を、銅酸化物に代表される高温超伝導体や分子性結晶に見られる量子スピン液体の候補に適用し、初めて実験相図の任意パラメタなしでの再現に成...
【総合理工】応用物理学:軌道自由度強相関電子系を含む研究件
❏強相関電子系における軌道/電荷揺らぎと新奇物性(19H01853)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【研究代表者】勝藤 拓郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00272386)
【キーワード】軌道自由度 / 揺らぎ / 核生成-核成長 / 一軸歪 / 光誘起現象 (他9件)
【概要】遷移金属酸化物におけるd電子の軌道自由度の空間的・時間的な揺らぎによる新奇物性について実験的な研究を行った。その結果、軌道秩序を示すV酸化物において、核生成-核成長プロセスに従う相転移ダイナミクスを見出した他、一軸歪下での光学測定によって、軌道自由度の共役な外場である歪によって軌道相関を制御できることを明らかにした。さらにパルス光照射による軌道秩序の融解において、特徴的な選択則を見出した。 ...
❏多自由度相関系における巨大負熱膨張現象の理論研究と物質探索(19K21858)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2023-03-31
【研究代表者】望月 維人 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80450419)
【キーワード】負熱膨張 / ハニカム格子 / 反強磁性体 / 磁気相転移 / 磁気格子結合 (他18件)
【概要】2021年度の研究では、特異な結晶格子構造と非自明な磁気構造のカップリングに起因する「負熱膨張現象」を示す磁性化合物の理論的な探索・設計を目的に、ハニカム型結晶構造を持つ反強磁性体を対象に、磁性誘起負熱膨張現象の可能性や条件を理論的に調べた。この物質群の結晶構造は、MX6八面体(Mは遷移金属イオン、Xは配位子イオン)の2次元陵共有ネットワークにより構成されており、遷移金属イオンがハニカム格子を形成...
❏軌道物理としての励起子絶縁体の電子状態の解明(17H02916)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017 - 2019
【研究代表者】石原 純夫 東北大学, 理学研究科, 教授 (30292262)
【キーワード】励起子絶縁体 / BiCo03 / スピンダイマー模型 / 四重極相 / マルチフェロイクス (他12件)
【概要】[1]強相関拡張された二軌道ハバード模型では、高スピン(HS)相と低スピン(LS)相の間に励起子絶縁体が現れる。この相境界付近で、弱いスピン軌道相互作用を採り入れると、HS相に内在する四重極自由度の揺らぎにより帯磁率が著しく増強されることを明らかにした。 [2][1]の励起子絶縁体の模型において、変分クラスタ法を用いてvertex補正まで取りいれ、光学電導度を計算したところ、励起子絶縁相においては...
【総合理工】応用物理学:光誘起相転移ダイナミクス強相関電子系を含む研究件
❏時間分解共鳴軟X線散乱およびパルス電子線回折による反強磁性スピンダイナミクス研究(21K03461)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京工業大学, 理学院, 特任助教 (30738365)
【キーワード】光誘起相転移ダイナミクス / 電子線回折 / 共鳴軟X線散乱 / スピンダイナミクス / 強相関電子系
【概要】本研究の目的は、時間分解型のパルス電子線回折および放射光X線を用いた共鳴軟X線散乱測定という世界的にも最先端の手法を用いることで、強相関電子系物質の結晶構造やスピン状態の超高速ダイナミクスを研究することである。特にフェムト秒領域の超短パルスレーザー照射下でこれらの物質の示す光誘起相転移に伴う構造と反強磁性状態変化に着目した研究を行う。本年度は主として研究のベースの実験手法となるフェムト秒領域の時間...
❏時間分解共鳴軟X線散乱によるフォノンとゆらぎのダイナミクスの研究(18K03534)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京工業大学, 理学院, 特任助教 (30738365)
【キーワード】光誘起相転移ダイナミクス / 共鳴軟X線散乱 / X線分光 / スピンダイナミクス / 強相関電子系 (他10件)
【概要】強相関電子系物質の電子構造のダイナミクスの研究を目的として、放射光X線を用いた時間分解型の共鳴軟X線散乱や電子線回折測定を行い、光照射・光誘起相転移に伴う構造と電子状態変化のダイナミクスに関する研究を行った。 本年度は主としてBa3CuSb2O9に関する研究を行った。Ba3CuSb2O9はCuサイトの軌道とスピンの揺らぎに興味がもたれる物質である。この軌道とスピンの揺らぎと酸素に入ったホールの関係...
❏時間分解共鳴X線散乱による遷移金属カルコゲナイドの光誘起相転移ダイナミクスの解明(16K20997)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (30738365)
【キーワード】共鳴軟X線散乱 / 電子構造 / 光誘起相転移 / 強相関電子系 / 遷移金属化合物の電子構造 (他14件)
【概要】共鳴軟X線散乱を用いて遷移金属カルコゲナイドの示す相転移と超伝導に関する電子構造研究を行った。Ir1-xPtxTe2の研究では低温での電荷秩序の周期が5倍、8倍及び6倍と様々に変化することを見出した。またAFe2Se3の研究では、CsFe2Se3においては磁気秩序による散乱のみが観察されるが、超伝導に近いBaFe2S3においては、磁気秩序と軌道秩序が共存するが、散乱信号はエネルギーと偏光の両面で分...
【総合理工】応用物理学:電荷自由度強相関電子系を含む研究件
❏強相関電子系における軌道/電荷揺らぎと新奇物性(19H01853)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【研究代表者】勝藤 拓郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00272386)
【キーワード】軌道自由度 / 揺らぎ / 核生成-核成長 / 一軸歪 / 光誘起現象 (他9件)
【概要】遷移金属酸化物におけるd電子の軌道自由度の空間的・時間的な揺らぎによる新奇物性について実験的な研究を行った。その結果、軌道秩序を示すV酸化物において、核生成-核成長プロセスに従う相転移ダイナミクスを見出した他、一軸歪下での光学測定によって、軌道自由度の共役な外場である歪によって軌道相関を制御できることを明らかにした。さらにパルス光照射による軌道秩序の融解において、特徴的な選択則を見出した。 ...
❏電荷フラストレーションを伴うフェルミオン系における量子ゆらぎと伝導現象(22540372)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2010 - 2012
【研究代表者】古川 信夫 青山学院大学, 理工学部, 教授 (00238669)
【キーワード】フラストレーション / 強相関電子系 / 電荷自由度 / 量子ゆらぎ / 伝導現象
【概要】幾何学的にフラストレートした格子上のさまざまな伝導電子模型・電荷秩序模型を取り上げ、 フラストレーションと電荷自由度・伝導現象・電子状態との関連などについて調べた。その結果、量子臨界点、BKT転移などを経て特異な電荷秩序相・部分無秩序状態が形成されることを見いだした。これらを通じて、スピンの自由度だけでは現れない特異な状態が電荷の自由度を介して現れるという、電荷フラストレートを伴う電子系における新...
【総合理工】応用物理学:電子格子相互作用強相関電子系を含む研究件
❏機械学習と物性理論の分野融合的アプローチによる強相関第一原理計算(20K14423)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】野村 悠祐 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (20793756)
【キーワード】機械学習 / 人工ニューラルネットワーク / 強相関電子系 / 手法開発 / 量子多体系 (他11件)
【概要】本研究の目的の一つは、人工ニューラルネットワーク/機械学習と量子多体論を融合した強力かつ汎用的な強相関数値計算手法を開発することである。その新たな手法と密度汎関数理論などの第一原理計算を組みあわせて、実存する強相関電子系へ適用を行い、高精度な定量計算の実現を目指す。そのため、研究の柱は新たな手法開発である。同時に新手法の精度検証も重要な課題になってくる。 今年度は有限温度計算を可能にする新たな人...
❏強相関物質における格子自由度の役割解明とフォノンがもたらす機能物性の探索(17K14336)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】野村 悠祐 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (20793756)
【キーワード】電子格子相互作用 / 機械学習 / ニッケル酸化物 / 物質デザイン / 超伝導 (他12件)
【概要】磁性や超伝導などの様々な機能物性を示す強相関物質においては、電子自由度がフォノン(格子振動)自由度と密接に絡み合って物性を発現する。これまで電子自由度が作り出す非自明な物性は盛んに研究されているが、強相関物質におけるフォノンの役割に関しては未解明な部分が多い。本研究の目的は、強相関系における電子とフォノン自由度の絡み合いの理解を進展させることであった。本研究では、機械学習を用いた強力な電子格子結合...
❏フラストレートしたt2g電子系における複合自由度の競合と新奇な自己組織化(17740244)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】求 幸年 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40323274)
【キーワード】物性理論 / 強相関電子系 / 自己組織化 / 計算物理 / 低温物理 (他9件)
【概要】本研究課題において遂行してきたスピネル酸化物系に関する研究成果をまとめて、2つの国際ワークショップで成果発表を行った。研究分野の近い参加者との緊密な議論を行い、今後の理論および実験研究の展開について、例えば具体的には擬2次元酸化物系への応用展開などの新しい視点を得ることが出来た。 また、こうしたt_<2g>電子系における研究で得た知見を活かして、他の強相関フラストレート系にも視野を広げ...
【総合理工】応用物理学:共鳴軟X線散乱強相関電子系を含む研究件
❏時間分解共鳴軟X線散乱およびパルス電子線回折による反強磁性スピンダイナミクス研究(21K03461)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京工業大学, 理学院, 特任助教 (30738365)
【キーワード】光誘起相転移ダイナミクス / 電子線回折 / 共鳴軟X線散乱 / スピンダイナミクス / 強相関電子系
【概要】本研究の目的は、時間分解型のパルス電子線回折および放射光X線を用いた共鳴軟X線散乱測定という世界的にも最先端の手法を用いることで、強相関電子系物質の結晶構造やスピン状態の超高速ダイナミクスを研究することである。特にフェムト秒領域の超短パルスレーザー照射下でこれらの物質の示す光誘起相転移に伴う構造と反強磁性状態変化に着目した研究を行う。本年度は主として研究のベースの実験手法となるフェムト秒領域の時間...
❏時間分解共鳴軟X線散乱によるフォノンとゆらぎのダイナミクスの研究(18K03534)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京工業大学, 理学院, 特任助教 (30738365)
【キーワード】光誘起相転移ダイナミクス / 共鳴軟X線散乱 / X線分光 / スピンダイナミクス / 強相関電子系 (他10件)
【概要】強相関電子系物質の電子構造のダイナミクスの研究を目的として、放射光X線を用いた時間分解型の共鳴軟X線散乱や電子線回折測定を行い、光照射・光誘起相転移に伴う構造と電子状態変化のダイナミクスに関する研究を行った。 本年度は主としてBa3CuSb2O9に関する研究を行った。Ba3CuSb2O9はCuサイトの軌道とスピンの揺らぎに興味がもたれる物質である。この軌道とスピンの揺らぎと酸素に入ったホールの関係...
❏時間分解共鳴X線散乱による遷移金属カルコゲナイドの光誘起相転移ダイナミクスの解明(16K20997)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (30738365)
【キーワード】共鳴軟X線散乱 / 電子構造 / 光誘起相転移 / 強相関電子系 / 遷移金属化合物の電子構造 (他14件)
【概要】共鳴軟X線散乱を用いて遷移金属カルコゲナイドの示す相転移と超伝導に関する電子構造研究を行った。Ir1-xPtxTe2の研究では低温での電荷秩序の周期が5倍、8倍及び6倍と様々に変化することを見出した。またAFe2Se3の研究では、CsFe2Se3においては磁気秩序による散乱のみが観察されるが、超伝導に近いBaFe2S3においては、磁気秩序と軌道秩序が共存するが、散乱信号はエネルギーと偏光の両面で分...
【総合理工】応用物理学:有機導体強相関電子系を含む研究件
❏分子性物質の可制御性を用いた領域横断型研究と境界領域の物性開拓(25220709)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2013-05-31 - 2018-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】分子性導体 / 強相関電子系 / 誘電物性 / 電荷ガラス / Dirac電子系 (他14件)
【概要】我々は、分子性物質の構造的な可制御性を利用することで、誘電性、伝導性、磁性、半導体といった既成の学問分野の境界領域に潜む未知の物性を発掘し、物質科学における新たな研究の潮流を創出することを目指した。その結果、電子移動型強誘電体における新奇な電気的/磁気的励起の発見、電子系におけるガラス形成の学理構築、質量ゼロのDirac電子系における特異な電子相関効果の発見、スピン液体と金属状態の共存状態の発見等...
❏スピン揺らぎと電荷揺らぎが絡み合う新しい電子相の開拓(20244055)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2008 - 2010
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20194946)
【キーワード】有機導体 / 強相関電子系 / 核磁気共鳴法 / 電子輸送特性 / モット転移 (他10件)
【概要】電荷揺らぎとスピン揺らぎが織り成す新しい電子相を探索する目的で、モット転移近傍に位置する三角格子有機伝導物質を調べた結果、電荷とスピンの双方においてモット転移が非従来型の臨界性を示すこと、さらに、スピンフラストレーションの強さがモット絶縁相においてスピン状態を決め(反強磁性/スピン液体)、金属相において擬ギャップの有無や超伝導転移温度、およびモット転移の強弱に決定的な影響を及ぼすことを明らかにした...
❏新規有機超伝導体における「電荷秩序相」と「超伝導相」の競合と共存状態の解明(17540315)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】森 初果 東京大学, 物性研究所, 准教授 (00334342)
【キーワード】強相関電子系 / 有機導体 / 超伝導材料・素子 / 分子性固体 / 磁性 (他10件)
【概要】新規有機超伝導体β-(meso-DMBEDT-TTF)_2PF_6の常圧および圧力下における詳細な抵抗および磁気抵抗測定を行い、電荷秩序と超伝導の関係を調べた。 具体的な成果は以下に示す。 (1)詳細な圧力下電気抵抗および磁気抵抗測定による超伝導相の決定 詳細な圧力下の電気抵抗測定を行ったところ、0.6kbar下、4.6Kで抵抗ドロップを確認し、磁場で転移が抑えられることから超伝導であることを確認...
【総合理工】応用物理学:走査型トンネル顕微鏡(STM)強相関電子系を含む研究件
❏LaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の原子スケール電子状態(26246022)
【研究テーマ】薄膜・表面界面物性
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2014-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】一杉 太郎 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (90372416)
【キーワード】酸化物表面 / 界面 / 走査プローブ顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / ペロブスカイト (他21件)
【概要】遷移金属酸化物は、通常の半導体には見られない多彩な機能を示すことから、次世代エレクトロニクス材料として活発な研究が展開されている。近年、酸化物作製技術が急速に発展したことにより、原子レベルで急峻な界面を有する薄膜やヘテロ構造の作製が可能になり、新しい物性・機能が見出されている。このような酸化物薄膜やヘテロ構造が示す機能の探求・解明のためには、酸化物薄膜について、電子状態評価を原子レベル空間分解能で...
❏強相関系超伝導体の1K以下における走査トンネル分光(12740206)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】奨励研究(A)
【研究期間】2001 - 2002
【研究代表者】金子 真一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40301171)
【キーワード】強相関電子系 / 走査トンネル顕微鏡 / 走査トンネル分光
【概要】本研究は、強相関系超伝導体の電子状態を調べるために^3Heを用いた走査トンネル顕微鏡を用いて1K以下の低温において走査トンネル分光をおこなうものである。我々の研究グループではこれまでに温度が0.45K、磁場が6Tまでの状況で操作することのできる走査トンネル顕微鏡を開発している。この装置を用い、またロックイン増幅器を用いて精密に微分伝導度を測定することにより強相関系超伝導体の準粒子状態密度を調べた。...
【総合理工】応用物理学:磁性体強相関電子系を含む研究件
❏磁性体における創発電磁気学の創成(24224009)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2012-05-31 - 2017-03-31
【研究代表者】永長 直人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60164406)
【キーワード】ベリー位相 / 創発的電磁気現象 / スキルミオン / モノポール / トポロジカル絶縁体 (他27件)
【概要】実空間および運動量空間の双方における量子力学的ベリー位相に由来する「創発電磁場」の学理を、磁性体を舞台に建設した。実空間ではカイラル磁性体における渦巻状のスピン構造スキルミオンの生成、消去、駆動、読み取り、に対応した動的性質の研究が、理論・実験双方から進展し、エレクトロニクスへの展望が開けた。 運動量空間では、新しい物質群である磁性トポロジカル絶縁体における量子化異常ホール効果の実現と、関連した諸...
❏マルチフェロイックに現れるエレクトロマグノンの巨大な電気磁気光学応答の研究(24840012)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2012-08-31 - 2014-03-31
【研究代表者】高橋 陽太郎 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30631676)
【キーワード】強相関電子系 / 物性実験 / 光物性 / 磁性体 / テラヘルツ (他9件)
【概要】本課題ではマルチフェロイックと呼ばれる磁性と誘電性が強く結合した物質に置いて現れる新しいスピン波であるエレクトロマグノンに関する研究を行った。サイクロイド型磁気秩序を持つ磁性体においてエレクトロマグノンとその電気磁気光学効果を磁場で制御することで、20倍以上の強度の増強に成功した。さらに、スクリュー型磁気秩序に由来したエレクトロマグノンの磁気カイラル効果の実現にも成功し、テラヘルツ帯での巨大な方向...
❏フラストレートした構造を持つ磁性体の理論(13640350)
【研究テーマ】固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2001 - 2003
【研究代表者】常次 宏一 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80197748)
【キーワード】強相関電子系 / フラストレーション / 量子反強磁性 / 軌道秩序 / スピネル (他14件)
【概要】本研究計画においてはフラストレートした構造を持つ磁性体、特にパイロクロア格子とカゴメ格子を中心として、フラストレーションがどのように強相関効果に影響を及ぼすのかという問題を理論的に研究し、新奇な量子相の発見とその性質の解明を目指した。 パイロクロア格子上の量子ハイゼンベルグスピン系を量子極限(S=1/2)と半古典極限(S→∞)の両極限でその基底状態を調べ、新奇な量子液体状態の可能性を探った。特にS...
【総合理工】応用物理学:表面・界面強相関電子系を含む研究件
❏LaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の原子スケール電子状態(26246022)
【研究テーマ】薄膜・表面界面物性
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2014-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】一杉 太郎 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (90372416)
【キーワード】酸化物表面 / 界面 / 走査プローブ顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / ペロブスカイト (他21件)
【概要】遷移金属酸化物は、通常の半導体には見られない多彩な機能を示すことから、次世代エレクトロニクス材料として活発な研究が展開されている。近年、酸化物作製技術が急速に発展したことにより、原子レベルで急峻な界面を有する薄膜やヘテロ構造の作製が可能になり、新しい物性・機能が見出されている。このような酸化物薄膜やヘテロ構造が示す機能の探求・解明のためには、酸化物薄膜について、電子状態評価を原子レベル空間分解能で...
❏半導体表面および界面の2次元系における新しい自由度と電子状態(21244047)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2009-04-01 - 2013-03-31
【研究代表者】岡本 徹 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60245371)
【キーワード】表面・界面 / 低温物性 / 表面物性 / 表面・界面物性 / 半導体物性 (他6件)
【概要】高移動度シリコン2次元電子系に対して、磁場に対する角度をその場制御しながら磁気抵抗効果の測定を行った。非整数のランダウ準位充填率においてランダウ準位交差を行ったところ、電子局在に相当する縦抵抗の明瞭なディップが観測された。 直流抵抗で金属的温度依存性を示す同系に対して、低温下でサイクロトロン共鳴の測定を行った。緩和時間は、直流抵抗から得られるものと同様の温度依存性を示した。 GaAs劈開表面に形成...
❏二重交換系の界面・表面における磁性と電気伝導(16340109)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2004 - 2006
【研究代表者】古川 信夫 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (00238669)
【キーワード】強相関電子系 / 強相関エレクトロニクス / スピンエレクトロニクス / 二重交換系 / 希薄磁性半導体 (他11件)
【概要】1)古典的に扱える自由度と相互作用する電子系に適用出来る多項式展開モンテカルロ法を開発した。また、この手法を用いて、マンガン酸化物系の巨大磁気抵抗効果の起源を解明する目的で、一般化された二重交換モデルに対する研究を行った。電子格子相互作用や軌道縮退、ランダムネスの効果を詳細に調べ、これらいずれもが電荷揺らぎ等を通じて巨大磁気抵抗効果に寄与していることを明らかにした。 2)希薄磁性半導体に対する最も...
【工学】プロセス・化学工学:リチウムイオン電池強相関電子系を含む研究件
❏エピタキシャル薄膜が実現する二次元NbO2超伝導面の解明(20K15169)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】相馬 拓人 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (50868271)
【キーワード】超伝導 / 強相関電子系 / 電気化学 / リチウムイオン電池 / 二次元物質 (他12件)
【概要】本研究は,二次元NbO2超伝導層の全貌を明らかにする研究である。初年度である昨年度には,その舞台となる二次元NbO2層を持つLi1-xNbO2の薄膜合成法を確立し,電子構造と二次元超伝導の観測に成功した。その結果,本研究の第一の目標である"NbO2超伝導層が理想的である"ことが証明され,本年度にPhysical Review B誌に原著論文が掲載された。 また本年度は,第二の目標で...
❏イオンインターカレーションによる中性錯体分子結晶の磁気秩序制御(16K05738)
【研究テーマ】機能物性化学
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】谷口 耕治 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (30400427)
【キーワード】リチウムイオン電池 / MOF / 電気的磁性制御 / イオニクス / 分子磁性 (他11件)
【概要】現在の代表的な蓄電デバイスであるリチウムイオン電池のシステムを、単なるエネルギー貯蔵システムとしてではなく、バルク物質に対する新しい高密度電子量制御システムとして捉える観点から、電気的磁性制御に取り組んだ。その結果、リチウムイオン電池の放電操作を介した電子ドーピングにより、錯体集積体の架橋分子上にラジカルスピンを選択的に発生させ、人工的な磁気秩序を誘起出来ることを明らかにした。また、独自に開発した...
【工学】電気電子工学:遷移金属カルコゲナイド強相関電子系を含む研究件
❏励起子絶縁体の外場応答に関する微視理論の展開(15H06093)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2015-08-28 - 2017-03-31
【研究代表者】杉本 高大 千葉大学, 先進科学センター, 特任助教 (70756072)
【キーワード】励起子絶縁体 / 遷移金属カルコゲナイド / コバルト酸化物 / 励起子相 / 磁化率 (他16件)
【概要】励起子絶縁体とは、半導体または半金属において、励起子が自発的に形成され量子凝縮を起こした系である。励起子絶縁体の候補物質である遷移金属カルコゲナイドTa2NiSe5に注目して、超音波吸収係数と核磁気共鳴緩和率に現れる量子干渉効果、反磁性磁化率、光学伝導度の振る舞いについて励起子凝縮の観点から明らかにした。また、コバルト酸化物Pr0.5Ca0.5CoO3の励起子相において磁気多極子秩序が形成されるこ...
❏強相関系の励起子ボーズ凝縮と超伝導に関する微視理論の展開(26400349)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2014-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】太田 幸則 千葉大学, 大学院理学研究科, 教授 (70168954)
【キーワード】物性理論 / 強相関電子系 / 励起子凝縮 / 励起子絶縁体 / 遷移金属カルコゲナイド (他10件)
【概要】電子正孔対(励起子)の凝縮が熱平衡状態で実現する励起子絶縁体と呼ばれる状態に最近新たな注目が集まっている。本研究では、候補物質Ta2NiSe5を中心に、変分クラスター近似等を用いて理論研究を展開し、次項を明らかにした。(1) 電子格子相互作用やフント結合による励起子凝縮相の相対的安定性、(2) Ta2NiSe5の角度分解光電子分光実験で観測されるフラットバンドの起源、(3) Ta2NiSe5の超音...
【工学】電気電子工学:酸化物エレクトロニクス強相関電子系を含む研究件
❏エピタキシャル薄膜が実現する二次元NbO2超伝導面の解明(20K15169)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】相馬 拓人 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (50868271)
【キーワード】超伝導 / 強相関電子系 / 電気化学 / リチウムイオン電池 / 二次元物質 (他12件)
【概要】本研究は,二次元NbO2超伝導層の全貌を明らかにする研究である。初年度である昨年度には,その舞台となる二次元NbO2層を持つLi1-xNbO2の薄膜合成法を確立し,電子構造と二次元超伝導の観測に成功した。その結果,本研究の第一の目標である"NbO2超伝導層が理想的である"ことが証明され,本年度にPhysical Review B誌に原著論文が掲載された。 また本年度は,第二の目標で...
❏LaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の原子スケール電子状態(26246022)
【研究テーマ】薄膜・表面界面物性
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2014-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】一杉 太郎 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (90372416)
【キーワード】酸化物表面 / 界面 / 走査プローブ顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / ペロブスカイト (他21件)
【概要】遷移金属酸化物は、通常の半導体には見られない多彩な機能を示すことから、次世代エレクトロニクス材料として活発な研究が展開されている。近年、酸化物作製技術が急速に発展したことにより、原子レベルで急峻な界面を有する薄膜やヘテロ構造の作製が可能になり、新しい物性・機能が見出されている。このような酸化物薄膜やヘテロ構造が示す機能の探求・解明のためには、酸化物薄膜について、電子状態評価を原子レベル空間分解能で...
❏スピン・電荷・光-結合系の新機能開拓(15104006)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2003 - 2007
【研究代表者】五神 真 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70161809)
【キーワード】スピン・電荷・光-結合系 / 強相関電子系 / 酸化物エレクトロニクス / 光誘起相転移 / 非線形光学効果 (他12件)
【概要】固体において電子間の相関によって発現する磁性と光学応答の結合などによる特異機能の探索とその応用について、メンバーの連携の下で以下のような研究を進めた。 (宮野)光誘起相転移などの特異物性の応用を念頭に、薄膜試料作製技術の開拓を進め、薄膜中で構造相転移を許容できる事を実証し、永続的光誘起絶縁体・金属転移や新しいタイプの超巨大磁気抵抗効果を見いだした。(十倉)スピンの幾何学配置が誘電応答に与える効果に...
【工学】電気電子工学:量子細線強相関電子系を含む研究件
❏カゴメ反強磁性体の量子スピン液体に対する有効理論の微視的な構築(17H07362)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2017-08-25 - 2019-03-31
【研究代表者】藤 陽平 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 基礎科学特別研究員 (50802732)
【キーワード】トポロジカル相 / 分数量子Hall状態 / 量子スピン液体 / 量子細線 / トポロジカル秩序 (他8件)
【概要】物質中における電子やスピンが互いに強く相互作用することで実現する新奇な物質相の1つであるトポロジカル相では、興味深いことに分数励起という特殊な統計性を持つ励起が出現する。本研究では、そのようなトポロジカル相の例である、カゴメ反強磁性体における量子スピン液体状態や、分数量子Hall状態、3次元のゲージ理論などに注目し、相互作用を制御するための場の理論的な解析手法を用いて、それらのトポロジカル相を実現...
❏多体系の量子ダイナミクスへの新しいアプローチ(13740237)
【研究テーマ】物性一般(含基礎論)
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2001 - 2002
【研究代表者】押川 正毅 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50262043)
【キーワード】量子ダイナミクス / Drude重み / トポロジカル量子化 / 反強磁性秩序 / d波超伝導 (他12件)
【概要】系の伝導特性は、ダイナミクスを反映する重要な指標である。特に、絶対零度で系が導体であるか絶縁体であるかは物質の分類の基本となる。一般にどのような条件で系が導体あるいは絶縁体になるかを理解することは物性物理の基本問題の一つである。周期的な格子上の多粒子系については、粒子密度(単位胞あたりの粒子数)が系の伝導特性を決定する重要な要因になることは直観的にも理解できる。すなわち、粒子密度が整数であれば粒子...
【工学】電気電子工学:スピンエレクトロニクス強相関電子系を含む研究件
❏スピン軌道相互作用が強い磁性体に潜むトロイダルモーメントの理論的探索・制御(16H06590)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2016-08-26 - 2018-03-31
【研究代表者】速水 賢 北海道大学, 理学研究院, 助教 (20776546)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 反対称スピン軌道相互作用 / トロイダルモーメント / 多極子 (他13件)
【概要】時間・空間反転対称性がともに破れた系に現れるトロイダルモーメントに関する微視的な理論形式の構築と、実験的にどのようにして観測・制御できるかを調べた。(1)結晶場、スピン軌道相互作用、電子相関による対称性の破れを取り入れたモデルに対して、摂動論を用いることにより、トロイダルモーメントが秩序化した際に生じる有効的なスピン軌道相互作用を導出した。(2)2次元三角格子上のスピン軌道相互作用が強い強磁性体に...
❏固体中におけるモノポール場の発現とそのダイナミクス(15H05456)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2015-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】金澤 直也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (10734593)
【キーワード】トポロジー / 強相関電子系 / 物性実験 / キラル磁性体 / モノポール (他7件)
【概要】電気の力の源である粒子(陽子や電子)に対応する、磁石のN極またはS極だけの性質を持った素粒子、すなわち磁気モノポールは未だ発見されておらず、電磁気学では磁気モノポールは存在しないと仮定されて体系化されています。しかし電子の幾何学的位相を利用すれば、物質中に磁気モノポールがあたかも存在しているかのような状況を実現できると理論的に提唱されていました。本研究では、磁石の源であるスピンの集団が織りなす幾何...
❏相対論的マグノニクスの開拓(25247058)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】小野瀬 佳文 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (80436526)
【キーワード】強相関電子系 / スピントロ二クス / マグノン / スピンエレクトロニクス / スピントロニクス (他8件)
【概要】代表者の小野瀬は、マグノン励起における電気磁気結合を用いてCu2SeO3やCuB2O4のマイクロ波電気磁気効果を初めて測定することに成功した。また、LiFe5O8においてジャロシンスキー守谷相互作用に由来する非相反なマグノン伝搬を観測することに成功した。分担者の貴田は、フェムト秒レーザー照射による対称性の破れた強誘電体や強磁性体からのテラヘルツ電磁波放射現象の探索を行い、磁性強誘電体Co3B7O1...
【工学】電気電子工学:スピンダイナミクス強相関電子系を含む研究件
❏時間分解共鳴軟X線散乱およびパルス電子線回折による反強磁性スピンダイナミクス研究(21K03461)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京工業大学, 理学院, 特任助教 (30738365)
【キーワード】光誘起相転移ダイナミクス / 電子線回折 / 共鳴軟X線散乱 / スピンダイナミクス / 強相関電子系
【概要】本研究の目的は、時間分解型のパルス電子線回折および放射光X線を用いた共鳴軟X線散乱測定という世界的にも最先端の手法を用いることで、強相関電子系物質の結晶構造やスピン状態の超高速ダイナミクスを研究することである。特にフェムト秒領域の超短パルスレーザー照射下でこれらの物質の示す光誘起相転移に伴う構造と反強磁性状態変化に着目した研究を行う。本年度は主として研究のベースの実験手法となるフェムト秒領域の時間...
❏時間分解共鳴軟X線散乱によるフォノンとゆらぎのダイナミクスの研究(18K03534)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京工業大学, 理学院, 特任助教 (30738365)
【キーワード】光誘起相転移ダイナミクス / 共鳴軟X線散乱 / X線分光 / スピンダイナミクス / 強相関電子系 (他10件)
【概要】強相関電子系物質の電子構造のダイナミクスの研究を目的として、放射光X線を用いた時間分解型の共鳴軟X線散乱や電子線回折測定を行い、光照射・光誘起相転移に伴う構造と電子状態変化のダイナミクスに関する研究を行った。 本年度は主としてBa3CuSb2O9に関する研究を行った。Ba3CuSb2O9はCuサイトの軌道とスピンの揺らぎに興味がもたれる物質である。この軌道とスピンの揺らぎと酸素に入ったホールの関係...
【工学】電気電子工学:フォノン強相関電子系を含む研究件
❏時間分解共鳴軟X線散乱によるフォノンとゆらぎのダイナミクスの研究(18K03534)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京工業大学, 理学院, 特任助教 (30738365)
【キーワード】光誘起相転移ダイナミクス / 共鳴軟X線散乱 / X線分光 / スピンダイナミクス / 強相関電子系 (他10件)
【概要】強相関電子系物質の電子構造のダイナミクスの研究を目的として、放射光X線を用いた時間分解型の共鳴軟X線散乱や電子線回折測定を行い、光照射・光誘起相転移に伴う構造と電子状態変化のダイナミクスに関する研究を行った。 本年度は主としてBa3CuSb2O9に関する研究を行った。Ba3CuSb2O9はCuサイトの軌道とスピンの揺らぎに興味がもたれる物質である。この軌道とスピンの揺らぎと酸素に入ったホールの関係...
❏強相関物質における格子自由度の役割解明とフォノンがもたらす機能物性の探索(17K14336)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】野村 悠祐 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (20793756)
【キーワード】電子格子相互作用 / 機械学習 / ニッケル酸化物 / 物質デザイン / 超伝導 (他12件)
【概要】磁性や超伝導などの様々な機能物性を示す強相関物質においては、電子自由度がフォノン(格子振動)自由度と密接に絡み合って物性を発現する。これまで電子自由度が作り出す非自明な物性は盛んに研究されているが、強相関物質におけるフォノンの役割に関しては未解明な部分が多い。本研究の目的は、強相関系における電子とフォノン自由度の絡み合いの理解を進展させることであった。本研究では、機械学習を用いた強力な電子格子結合...
【工学】電気電子工学:ペロブスカイト強相関電子系を含む研究件
❏LaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の原子スケール電子状態(26246022)
【研究テーマ】薄膜・表面界面物性
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2014-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】一杉 太郎 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (90372416)
【キーワード】酸化物表面 / 界面 / 走査プローブ顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / ペロブスカイト (他21件)
【概要】遷移金属酸化物は、通常の半導体には見られない多彩な機能を示すことから、次世代エレクトロニクス材料として活発な研究が展開されている。近年、酸化物作製技術が急速に発展したことにより、原子レベルで急峻な界面を有する薄膜やヘテロ構造の作製が可能になり、新しい物性・機能が見出されている。このような酸化物薄膜やヘテロ構造が示す機能の探求・解明のためには、酸化物薄膜について、電子状態評価を原子レベル空間分解能で...
❏超強磁場磁化過程によるLaCoO3中のスピン相分離の研究(24540365)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】浅井 吉蔵 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (00109795)
【キーワード】スピン転移 / スピン相分離 / Co酸化物 / 強磁場磁化過程 / 強磁場磁歪 (他13件)
【概要】本研究は元素置換をしたLaCoO3の強磁場中磁化過程より、当該物質の温度誘起スピン転移の機構を以下のように明らかにした。最低温度において非磁性の低スピン(LS)状態にあるCo3+は温度上昇と共に30 K程度で高スピン(HS)状態への熱的励起が始まる。しかし、HS状態間の強い反発力のために、HS状態に励起するCo3+イオンの数は15%程度に留まる。さらに温度が上昇すると、100 K程度で残りのCo3...
❏電荷・軌道秩序相における異方的物性の室温電場制御(19740190)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2007 - 2008
【研究代表者】谷口 耕治 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30400427)
【キーワード】強相関電子系 / 電荷軌道秩序 / マンガン酸化物 / 光学異方性 / 電荷・軌道秩序 (他9件)
【概要】電子間のクーロン反発の影響が大きな物質群では、電子の電荷・スピン・軌道自由度の状態がその物性に強く反映される。本研究では、これらの自由度のうち、電荷密度の異方的な分布を与える軌道自由度の電場応答を調べた。その結果、軌道自由度が秩序化することが知られている複数のマンガン酸化物において、軌道自由度が電場に対し顕著な応答を示すことを見出し、電気抵抗や屈折率といった巨視的な物理量の異方性を電場で制御するこ...
【工学】電気電子工学:テラヘルツ波強相関電子系を含む研究件
❏強相関系絶縁体におけるテラヘルツパルス誘起相転移(20K03801)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】宮本 辰也 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (40755724)
【キーワード】光誘起相転移 / 高強度テラヘルツパルス / 強相関電子系 / 量子トンネル効果 / ポンプープローブ分光 (他9件)
【概要】強相関系物質の光誘起相転移現象は、光物性や非平衡物理の新しいトピックスとして、盛んに研究されている。また、この現象は、高効率・超高速に生じるものもあるため、将来の光スイッチングデバイスへの応用が期待されている。しかし、光子エネルギーの大きい可視光や近赤外光による励起を引き金として生じるため、必然的に系の温度上昇が生じる。その結果、基底状態への回復に数十ピコ秒の時間を要するため、光スイッチとしての高...
❏相対論的マグノニクスの開拓(25247058)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】小野瀬 佳文 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (80436526)
【キーワード】強相関電子系 / スピントロ二クス / マグノン / スピンエレクトロニクス / スピントロニクス (他8件)
【概要】代表者の小野瀬は、マグノン励起における電気磁気結合を用いてCu2SeO3やCuB2O4のマイクロ波電気磁気効果を初めて測定することに成功した。また、LiFe5O8においてジャロシンスキー守谷相互作用に由来する非相反なマグノン伝搬を観測することに成功した。分担者の貴田は、フェムト秒レーザー照射による対称性の破れた強誘電体や強磁性体からのテラヘルツ電磁波放射現象の探索を行い、磁性強誘電体Co3B7O1...
【工学】電気電子工学:光スイッチ強相関電子系を含む研究件
❏強相関物質表面での光誘起相転移の光電子分光(19340092)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2007 - 2009
【研究代表者】溝川 貴司 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (90251397)
【キーワード】強相関電子系 / 光誘起相転移 / 光電子分光 / 光メモリー / 光スイッチ (他10件)
【概要】遷移金属化合物の磁性体や誘電体の表面において、可視光や紫外線によって誘起される電子状態の変化を光電子分光法によって研究した。特に、電子相関効果によって電子が複雑なスピン・電荷・軌道状態を持つマンガン酸化物において、可視光によって電子のスピン・軌道が大きく変化することを観測した。また、チタン酸化物の表面において紫外線で励起された電子の振る舞いを解明し、電子のスピンの光制御の可能性を示した。 ...
❏強相関電子系における超高速光スイッチング現象の開拓(16340086)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2004 - 2006
【研究代表者】岡本 博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40201991)
【キーワード】強相関電子系 / 光物性 / 強相関エレクトロニクス / 光スイッチ / 磁性 (他11件)
【概要】本研究では、強相関電子系を対象とし、光励起によって伝導性、光物性、磁性が高速に変化する光誘起相転移(スイッチング現象)の開拓とその物理的機構の解明を目的として研究を進めた。主要な成果は以下のとおりである。 ○二次元的な電子構造を有するモット絶縁体である有機電荷移動錯体M_2P-F_4TCNQにおいて、超高速の光誘起絶縁体一金属転移を見出した。詳細な過渡反射スペクトルとその時間変化の測定から、光誘起...
【工学】電気電子工学:電界効果トランジスタ強相関電子系を含む研究件
❏イオン液体ゲートによる新しい電界効果デバイスの創製(25708039)
【研究テーマ】デバイス関連化学
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】上野 和紀 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (10396509)
【キーワード】電気二重層トランジスタ / モットトランジスタ / イオン液体 / 強相関電子系 / 遷移金属酸化物 (他10件)
【概要】イオン液体ゲートを用いた電気二重層トランジスタを強相関電子系 SrVO3 の極薄膜に組み合わせ、金属絶縁体転移の制御を行った。 SrVO3 はバルク単結晶では良好な金属だが、10 原子層厚さ以下の極薄膜にすることで次元性が減少し、バンド幅減少による金属絶縁体転移を起こした。この状態は電子相関により絶縁体となるモット絶縁体だと考えられる。われわれはSrVO3 極薄膜でゲート印加とともに絶縁体から金属...
❏分子性導体における極限π電子物性(22224006)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2010-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】加藤 礼三 独立行政法人理化学研究所, 加藤分子物性研究室, 主任研究員 (80169531)
【キーワード】分子性固体・有機導体 / 電気・磁気的機能 / 有機電子材料・素子 / 超伝導 / 光誘起相転移 (他14件)
【概要】本研究は、分子系π電子物性の可能性を、物質開発および物性開発の両面から徹底的に追求することを目指した。物質開発においては、新たなデュアル機能π電子系(単一の結晶内で、一種類のπラジカルが分子配列の違いによって二つの異なった物性を示す系)や世界初の単一成分分子性超伝導体を発見した。物性開発では、まず界面π電子の機能として、π電子系で世界初めての電場誘起超伝導を実現し、さらに光で超伝導をON/OFFす...
【工学】電気電子工学:誘電体物性強相関電子系を含む研究件
❏軌道物理としての励起子絶縁体の電子状態の解明(17H02916)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017 - 2019
【研究代表者】石原 純夫 東北大学, 理学研究科, 教授 (30292262)
【キーワード】励起子絶縁体 / BiCo03 / スピンダイマー模型 / 四重極相 / マルチフェロイクス (他12件)
【概要】[1]強相関拡張された二軌道ハバード模型では、高スピン(HS)相と低スピン(LS)相の間に励起子絶縁体が現れる。この相境界付近で、弱いスピン軌道相互作用を採り入れると、HS相に内在する四重極自由度の揺らぎにより帯磁率が著しく増強されることを明らかにした。 [2][1]の励起子絶縁体の模型において、変分クラスタ法を用いてvertex補正まで取りいれ、光学電導度を計算したところ、励起子絶縁相においては...
❏深い3d準位のもたらす新しい化学と物理:新物質開発と化学的・物理的機能の探索(17105002)
【研究テーマ】無機化学
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2005 - 2009
【研究代表者】高野 幹夫 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点教授 (70068138)
【キーワード】固体化学 / 遷移金属酸化物 / 高原子価 / 強相関系 / 高温超伝導体 (他22件)
【概要】入手しやすく、比較的安全な3d遷移金属の酸化物は学術的にも実用的にも価値が高い。本研究では、以下の観点に基づきさらなる新規開発を試みた。Fe^<4+>やCo^<4+>、Cu^<3+>のように周期律後半にあって価数の高いイオンは深いd準位をもち、周囲にいる酸素イオンを酸化して活性化する。新発見したBaFe^<4+>O_3は、無数の鉄酸化物の中で初めて常...
【工学】電気電子工学:エピタキシャル成長強相関電子系を含む研究件
❏エピタキシャル薄膜が実現する二次元NbO2超伝導面の解明(20K15169)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】相馬 拓人 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (50868271)
【キーワード】超伝導 / 強相関電子系 / 電気化学 / リチウムイオン電池 / 二次元物質 (他12件)
【概要】本研究は,二次元NbO2超伝導層の全貌を明らかにする研究である。初年度である昨年度には,その舞台となる二次元NbO2層を持つLi1-xNbO2の薄膜合成法を確立し,電子構造と二次元超伝導の観測に成功した。その結果,本研究の第一の目標である"NbO2超伝導層が理想的である"ことが証明され,本年度にPhysical Review B誌に原著論文が掲載された。 また本年度は,第二の目標で...
❏空間反転対称性の人工制御による新奇超伝導状態の探索(20654031)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2008 - 2009
【研究代表者】芝内 孝禎 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00251356)
【キーワード】超格子構造 / 空間反転対称性 / f電子系 / 強相関電子系 / FFLO状態 (他8件)
【概要】本研究の目的は、空間反転対称性が破れている結晶構造を持つ重い電子系超伝導体において期待されている新奇超伝導状態に対する新しい切り口として、重い電子系の薄膜作製技術を用いて、前例のない手法により人工的に重い電子超伝導体の空間反転対称性を制御し、新奇超伝導状態が起こるかどうかの検証をおこなうことである。 本年度の成果としては、昨年度に確立した薄膜成長装置であるMBEシステムのさらなる改良をおこない、1...
❏重い電子の二次元閉じ込め(18654062)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2006 - 2007
【研究代表者】芝内 孝禎 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00251356)
【キーワード】強相関電子系 / 積層構造 / 希土類化合物 / 異方的超伝導 / 反強磁性 (他11件)
【概要】本研究め目的は、分子線エピタキシー法(MBE)による重い電子系Ce化合物の薄膜化技術を完成させ、用いた同じ結晶構造を持ちながら重い電子を持たない通常金属であるLa系化合物との積層構造を作製し、重い電子を擬2次元的に閉じ込めた系を人工的に作り出すこと、およびこのような系での物性測定により、低次元強相関電子系の理解へとつなげていくことである。 本研究の成果としては、まず、薄膜成長装置であるMBEシステ...
【工学】電気電子工学:高温超伝導強相関電子系を含む研究件
❏SドープしたFeSeの高温超伝導機構と量子相転移の高圧下NMRによる研究(18H01181)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】藤原 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (60272530)
【キーワード】鉄系超伝導体 / 強相関電子系 / 核磁気共鳴 / 高圧下測定 / 量子相転移 (他8件)
【概要】FeSeは、ネマチック秩序、超伝導、および磁性が圧力・温度(P-T)相図で互いに絡み合っている特異な系である。しかし、12%S-置換したFeSeでは、ネマチック秩序と磁性の重なりが解消されている。そこで、本研究では 約5 GPaまでの圧力下でSe核の磁気共鳴測定を実行した。その結果、約1万気圧において圧力誘起リフシッツ転移が、状態密度の異常として、また異なる反強磁性(AF)揺らぎを伴う超伝導(SC...
❏強相関物質設計と機能開拓 -非平衡系・非周期系への挑戦-(16H06345)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2016-05-31 - 2021-03-31
【研究代表者】今田 正俊 早稲田大学, 理工学術院, 上級研究員(研究院教授) (70143542)
【キーワード】第一原理計算 / 強相関電子系 / 階層的第一原理強相関電子状態計算法 / 高温超伝導 / 量子流体と量子スピン液体 (他21件)
【概要】強相関電子系を第一原理的に解明するための手法を標準手法として確立し、コードの公開・普及を行なった。機械学習を導入して、世界最高精度の量子多体ソルバーを開発し適用したことや、隠れた物理量抽出のための分光実験データ解析へ適用したことは当初の予定を超えた成果である。開発手法を、銅酸化物に代表される高温超伝導体や分子性結晶に見られる量子スピン液体の候補に適用し、初めて実験相図の任意パラメタなしでの再現に成...
❏超伝導転移温度の第一原理計算法の開発と応用(23340095)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2011-11-18 - 2014-03-31
【研究代表者】有田 亮太郎 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80332592)
【キーワード】高温超伝導 / 第一原理計算 / 転移温度 / ダウンフォールディング / 超伝導密度汎関数理論 (他11件)
【概要】第一原理的に超伝導転移温度を計算する方法論を開発・応用した。密度汎関数理論と強相関モデル計算を融合するアプローチについては、スピン軌道相互作用、電子格子相互作用の取り込みを行った。超伝導密度汎関数理論に基づくアプローチについては、プラズモン機構が取り扱えるような拡張を行った。開発した手法を鉄系超伝導体、層状窒化物超伝導体、重い電子系、炭素系超伝導体、高圧下リチウムなどの系に適用した。 ...
【工学】土木工学:量子ドット強相関電子系を含む研究件
❏非平衡電子相関による電流揺らぎの解明とその解析手法の開発(16K17723)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】阪野 塁 東京大学, 物性研究所, 助教 (00625022)
【キーワード】近藤効果 / 量子ドット / 非局所相関 / 量子輸送 / 量子相関 (他14件)
【概要】半導体ナノスケール素子によって組み上げられた人工量子系中で観測される、量子多体効果の性質を電流ゆらぎを用いて明らかにした。特に制御された素子の持つ対称性の効果と、多体効果によって形成された量子もつれ状態の特性を明らかにした。具体的にはカーボンナノチューブ量子ドットの近藤効果を磁場やゲート電圧、電極の接合を変化させることにより非線形電流や電流ゆらぎに現れる、フェルミ流体特性を超えた補正項の性質を実験...
❏量子ドット・ナノ物質系における強相関電子による量子輸送の理論的研究(23540375)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2011 - 2013
【研究代表者】小栗 章 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10204166)
【キーワード】近藤効果 / 強相関電子系 / 量子ドット / 非平衡電流 / ショットノイズ (他15件)
【概要】量子輸送現象における電子相関の効果を解析的な方法,および計算機を用いた数値的方法の両方を駆使し詳細に調べた.従来とは異なるスケーリング法により軌道縮退の大きな極限からRPAを系統的に超える摂動展開方法の確立、および相互作用する不純物Anderson模型の非平衡Green関数の高バイアス極限における厳密解の発見など,解析的な方向から重要な成果が得られた.さらに,Hund結合がある場合における非平衡電...
【工学】構造・機能材料:金属物性強相関電子系を含む研究件
❏圧力を利用したスピネル型酸化物の磁化制御-TEMによる軌道整列と磁性の相関解明-(25630299)
【研究テーマ】構造・機能材料
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2013-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】村上 恭和 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (30281992)
【キーワード】電子顕微鏡 / ドメイン構造 / 磁区 / 双晶 / 電子線ホログラフィー (他10件)
【概要】透過電子顕微鏡を用いたその場観察技術を駆使し、MnV2O4酸化物の特異な磁気微細構造を研究し、圧力を利用した磁化分布制御に関する技術基盤を構築した。従来、液体ヘリウム温度域での圧力印加は技術的に困難であったが、本研究では集束イオンビームによる微細加工と、MnV2O4とMoプレートの熱膨張差を利用した独自の手法を考案し、磁気的ドメインに対する圧力効果の検証に活用した。低温域での圧力印加は、結晶学的ド...
❏ケルビンダブルブリッジを用いたパルス磁場中微小抵抗変化測定法の開発とその応用(18540339)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2006 - 2008
【研究代表者】三田村 裕幸 東京大学, 物性研究所, 助教 (60282604)
【キーワード】強相関電子系 / 金属物性 / 磁性 / 低温物性 / 物性実験 (他8件)
【概要】磁気抵抗効果からはその物質の電子状態の重要な知見が得られるが、一般に金属磁性体では抵抗とその変化が小さい事からパルス強磁場中での計測は技術的に困難とされ、是迄測定実績は殆ど無かった。本研究ではケルビンダブルブリッジ法という特殊な方法を用いた測定システムの開発を行なった。是に由り非常に高い磁場領域で金属磁性体の抵抗が簡便に精度良く測定出来る様になり、今後この分野の進展に大きく寄与すると期待される。...
【工学】構造・機能材料:半導体物性強相関電子系を含む研究件
❏量子駆動系の非線形輸送現象における相関効果の理論研究(16H06717)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2016-08-26 - 2018-03-31
【研究代表者】石塚 大晃 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00786014)
【キーワード】シフト電流 / Berry位相 / ワイル半金属 / 二次高調波発生 / 光起電効果 (他12件)
【概要】空間反転対称性の破れた物質に特有の物理現象である異常光起電効果および二次高調波発生をゼロギャップ半導体から絶縁体までの異なる性質を持つ物質系を対象として理論的に研究した.そして,ゼロギャップ半導体では,絶縁体とは異なる機構による異常光起電効果および二次高調波発生が見られることを見出した.また,絶縁体における研究では,Rice-Mele模型における異常光電流を非平衡Green関数法を用いて解析した....
❏半導体表面および界面の2次元系における新しい自由度と電子状態(21244047)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2009-04-01 - 2013-03-31
【研究代表者】岡本 徹 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60245371)
【キーワード】表面・界面 / 低温物性 / 表面物性 / 表面・界面物性 / 半導体物性 (他6件)
【概要】高移動度シリコン2次元電子系に対して、磁場に対する角度をその場制御しながら磁気抵抗効果の測定を行った。非整数のランダウ準位充填率においてランダウ準位交差を行ったところ、電子局在に相当する縦抵抗の明瞭なディップが観測された。 直流抵抗で金属的温度依存性を示す同系に対して、低温下でサイクロトロン共鳴の測定を行った。緩和時間は、直流抵抗から得られるものと同様の温度依存性を示した。 GaAs劈開表面に形成...
【工学】構造・機能材料:電荷整列強相関電子系を含む研究件
❏非整合な軌道/電荷秩序状態における新奇物性(16H04020)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】勝藤 拓郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00272386)
【キーワード】軌道整列 / 電荷整列 / 非整合 / 緩和現象 / 緩和 (他6件)
【概要】遷移金属酸化物におけるd電子の軌道/電荷秩序に由来する非整合な秩序と、それがもたらすエキゾチックな物性について実験的に調べた。その結果、Tiの二重鎖を持つホランダイト型Ti酸化物、Vの擬三角格子をとるV酸化物などにおいて、特徴的な非整合超格子構造とその温度、ドーピング依存性を明らかにした。さらに、そのような非整合秩序の形成に伴う輸送現象、磁性、熱物性の特異な振舞を見出した。 ...
❏二重ペロブスカイト型マンガン酸化物の室温近傍での巨大磁気誘電現象の探索(24540380)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】山田 重樹 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 准教授 (50312822)
【キーワード】誘電性 / 磁性 / 単結晶 / 低温 / 酸化物 (他16件)
【概要】本研究課題では、二重ペロブスカイト型という結晶構造を有するマンガン酸化物の単結晶体を用いて磁性、電気伝導性、および誘電性の研究を行った。申請者はこの物質の1つについて世界で初めて純良で大型の単結晶体の作製に成功し、その試料を測定することで、強誘電体でかつその強誘電性が磁性と強く結合している可能性を示した。そこで、本研究課題では、この物質群の他の組成の単結晶体を幅広く作ることと、より精密な測定を行う...
【工学】構造・機能材料:電気伝導強相関電子系を含む研究件
❏LaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の原子スケール電子状態(26246022)
【研究テーマ】薄膜・表面界面物性
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2014-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】一杉 太郎 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (90372416)
【キーワード】酸化物表面 / 界面 / 走査プローブ顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / ペロブスカイト (他21件)
【概要】遷移金属酸化物は、通常の半導体には見られない多彩な機能を示すことから、次世代エレクトロニクス材料として活発な研究が展開されている。近年、酸化物作製技術が急速に発展したことにより、原子レベルで急峻な界面を有する薄膜やヘテロ構造の作製が可能になり、新しい物性・機能が見出されている。このような酸化物薄膜やヘテロ構造が示す機能の探求・解明のためには、酸化物薄膜について、電子状態評価を原子レベル空間分解能で...
❏二重交換系の界面・表面における磁性と電気伝導(16340109)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2004 - 2006
【研究代表者】古川 信夫 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (00238669)
【キーワード】強相関電子系 / 強相関エレクトロニクス / スピンエレクトロニクス / 二重交換系 / 希薄磁性半導体 (他11件)
【概要】1)古典的に扱える自由度と相互作用する電子系に適用出来る多項式展開モンテカルロ法を開発した。また、この手法を用いて、マンガン酸化物系の巨大磁気抵抗効果の起源を解明する目的で、一般化された二重交換モデルに対する研究を行った。電子格子相互作用や軌道縮退、ランダムネスの効果を詳細に調べ、これらいずれもが電荷揺らぎ等を通じて巨大磁気抵抗効果に寄与していることを明らかにした。 2)希薄磁性半導体に対する最も...
【工学】構造・機能材料:電子構造強相関電子系を含む研究件
❏時間分解共鳴X線散乱による遷移金属カルコゲナイドの光誘起相転移ダイナミクスの解明(16K20997)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】田久保 耕 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (30738365)
【キーワード】共鳴軟X線散乱 / 電子構造 / 光誘起相転移 / 強相関電子系 / 遷移金属化合物の電子構造 (他14件)
【概要】共鳴軟X線散乱を用いて遷移金属カルコゲナイドの示す相転移と超伝導に関する電子構造研究を行った。Ir1-xPtxTe2の研究では低温での電荷秩序の周期が5倍、8倍及び6倍と様々に変化することを見出した。またAFe2Se3の研究では、CsFe2Se3においては磁気秩序による散乱のみが観察されるが、超伝導に近いBaFe2S3においては、磁気秩序と軌道秩序が共存するが、散乱信号はエネルギーと偏光の両面で分...
❏2つの遷移金属を持つ酸化物の電子構造の系統性の探求(26400321)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2014-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】齋藤 智彦 東京理科大学, 理学部第一部応用物理学科, 教授 (30311129)
【キーワード】遷移金属酸化物 / 電子構造 / 光電子分光 / 軟X線吸収分光 / バンド計算 (他8件)
【概要】本研究は、2つの遷移金属(TM)を含む酸化物の電子構造を明らかにし、共通する電子構造の特徴を得ることを目的とした。その結果、銅デラフォサイトではTMの組み合わせにより銅の価数が変わること、Co-Rh酸化物では電荷移動エネルギーと混成の違いでEF近傍の電子構造が理解できること、Co2重ペロブスカイトではCo 2pスペクトルが高スピン状態の理論計算と合致すること、Mn酸化物ではMn 2pスペクトルが磁...
【工学】構造・機能材料:電子状態強相関電子系を含む研究件
❏重い電子系物質の強磁場物性と微視的電子状態(18K03537)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】海老原 孝雄 静岡大学, 理学部, 准教授 (20273162)
【キーワード】重い電子系 / 強相関電子系 / メタ磁性 / 強磁場 / 比熱 (他7件)
【概要】新奇な超伝導状態や非フェルミ液体状態などの特異な物性が発現する、量子臨界点の近傍に位置する非磁性の重い電子系物質では、磁場中でメタ磁性を示す場合があり、その発現メカニズムは、新奇超伝導などの特異物性の発現メカニズムと密接に関係すると考えられている。このメタ磁性メカニズムを解明することは、基礎科学的側面からも新たな超伝導開発といった工学的な側面からも重要である。本研究での大きな成果は、強磁場中の比熱...
❏超高速非平衡現象の電子論(18H01148)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】石田 行章 東京大学, 物性研究所, リサーチフェロー (30442924)
【キーワード】超高速現象 / 電子状態 / 時間分解光電子分光 / 仕事関数 / 光電子分光 (他9件)
【概要】前年度に、従来を1-2桁上回る<1meVの精度で仕事関数を測定できることを発表した(YI et al., Commun. Phys. 2020)。本年度はこの手法を時間分解光電子分光法(TARPES)に応用し、仕事関数を介してフェムト秒域パルスで瞬間的に励起された結晶表面の様子を調べた。 仕事関数を高精度で測定するためには、試料から放出される低速な光電子をきちんと分析できるようにTARPES...
❏強相関遷移金属酸化物量子井戸を用いた電子構造制御による新奇量子物性探索(26870843)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2014-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】小林 正起 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任助教 (30508198)
【キーワード】強相関電子系 / 角度分解光電子分光 / 薄膜 / 放射光 / 遷移金属酸化物 (他9件)
【概要】近年、強相関遷移金属酸化物SrVO3極薄膜において、膜厚方向に伸びたd軌道由来のバンドが量子化する金属量子井戸(QW)状態が発見された。本研究は、薄膜構造によりこのQW状態の波動関数を制御することで、強相関金属QWを用いた超格子などのデバイス展開に向けた、新たな量子物性の探索及び物質設計の基盤を築くことを目的とした。 その目的のため、SrVO3極薄膜や多層膜構造におけるQW状態を角度分解光電子分光...
【工学】構造・機能材料:単結晶強相関電子系を含む研究件
❏結晶カイラリティの定量化とそれに基づくカイラル物性の理解(16K05449)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】木村 健太 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (70586817)
【キーワード】カイラリティ / ドメイン / 旋光度 / 電気磁気効果 / 単結晶 (他9件)
【概要】本研究は、結晶構造のカイラリティ(右手系と左手系)の度合いを定量的に表す「カイラリティ強度」なる概念を導入し、これを用いてカイラリティ由来物性を定量的に理解することを目指した。カイラリティ強度を元素置換で制御できる物質群の単結晶合成に成功し、そのカイラルドメインの形成様相がカイラリティ強度と強く相関していることを見出した。また、カイラリティ強度を秩序変数とみなせる旋回相転移を発見し、相転移近傍では...
❏二重ペロブスカイト型マンガン酸化物の室温近傍での巨大磁気誘電現象の探索(24540380)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】山田 重樹 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 准教授 (50312822)
【キーワード】誘電性 / 磁性 / 単結晶 / 低温 / 酸化物 (他16件)
【概要】本研究課題では、二重ペロブスカイト型という結晶構造を有するマンガン酸化物の単結晶体を用いて磁性、電気伝導性、および誘電性の研究を行った。申請者はこの物質の1つについて世界で初めて純良で大型の単結晶体の作製に成功し、その試料を測定することで、強誘電体でかつその強誘電性が磁性と強く結合している可能性を示した。そこで、本研究課題では、この物質群の他の組成の単結晶体を幅広く作ることと、より精密な測定を行う...
【工学】総合工学:緩和現象強相関電子系を含む研究件
❏非整合な軌道/電荷秩序状態における新奇物性(16H04020)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【研究代表者】勝藤 拓郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00272386)
【キーワード】軌道整列 / 電荷整列 / 非整合 / 緩和現象 / 緩和 (他6件)
【概要】遷移金属酸化物におけるd電子の軌道/電荷秩序に由来する非整合な秩序と、それがもたらすエキゾチックな物性について実験的に調べた。その結果、Tiの二重鎖を持つホランダイト型Ti酸化物、Vの擬三角格子をとるV酸化物などにおいて、特徴的な非整合超格子構造とその温度、ドーピング依存性を明らかにした。さらに、そのような非整合秩序の形成に伴う輸送現象、磁性、熱物性の特異な振舞を見出した。 ...
❏多電子系における強磁性の数理物理学的研究(25400407)
【研究テーマ】数理物理・物性基礎
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】田崎 晴明 学習院大学, 理学部, 教授 (50207015)
【キーワード】数理物理 / 量子多体系 / 強相関電子系 / ハバード模型 / 金属強磁性 (他17件)
【概要】強く相互作用する量子多体系において非自明な秩序や相構造を解明すること、既存の方法を応用するだけでなく物理的視点に基づいた新たな数理的手法を開拓することを目指して研究を進めた。特に「単一のバンド内の電子が強く反発し合うことで強磁性が出現する」という物理的にもっとも自然な状況を反映したハバード模型で金属強磁性の発現を厳密に証明したことは特筆すべき成果である。この研究では数理的にも新しい証明方法を提案し...
【工学】総合工学:酸化物強相関電子系を含む研究件
❏LaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の原子スケール電子状態(26246022)
【研究テーマ】薄膜・表面界面物性
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2014-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】一杉 太郎 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (90372416)
【キーワード】酸化物表面 / 界面 / 走査プローブ顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / ペロブスカイト (他21件)
【概要】遷移金属酸化物は、通常の半導体には見られない多彩な機能を示すことから、次世代エレクトロニクス材料として活発な研究が展開されている。近年、酸化物作製技術が急速に発展したことにより、原子レベルで急峻な界面を有する薄膜やヘテロ構造の作製が可能になり、新しい物性・機能が見出されている。このような酸化物薄膜やヘテロ構造が示す機能の探求・解明のためには、酸化物薄膜について、電子状態評価を原子レベル空間分解能で...
❏強相関遷移金属酸化物量子井戸を用いた電子構造制御による新奇量子物性探索(26870843)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2014-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】小林 正起 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任助教 (30508198)
【キーワード】強相関電子系 / 角度分解光電子分光 / 薄膜 / 放射光 / 遷移金属酸化物 (他9件)
【概要】近年、強相関遷移金属酸化物SrVO3極薄膜において、膜厚方向に伸びたd軌道由来のバンドが量子化する金属量子井戸(QW)状態が発見された。本研究は、薄膜構造によりこのQW状態の波動関数を制御することで、強相関金属QWを用いた超格子などのデバイス展開に向けた、新たな量子物性の探索及び物質設計の基盤を築くことを目的とした。 その目的のため、SrVO3極薄膜や多層膜構造におけるQW状態を角度分解光電子分光...
❏単一の金属-絶縁体ドメイン壁における新奇伝導現象の開拓(24684024)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】守谷 頼 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (30548657)
【キーワード】強相関電子系 / 酸化物 / ナノ細線 / 酸化バナジウム
【概要】本研究課題ではナノ構造を用いて制御された単一の金属-絶縁体境界面において発現する新規の伝導現象の開拓を目指して研究をおこなった。3年間の研究の成果として、本研究では1)高品質単結晶ナノ細線の作製、2)無歪ナノ細線における単一の金属-絶縁体境界面の観測、3)金属-絶縁体境界面の電流駆動、を達成した。これらの手法の開拓により、今後さらに金属-絶縁体境界面と電子相関現象の物理と応用の発展が期待できる。...
【工学】総合工学:電子顕微鏡強相関電子系を含む研究件
❏圧力を利用したスピネル型酸化物の磁化制御-TEMによる軌道整列と磁性の相関解明-(25630299)
【研究テーマ】構造・機能材料
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2013-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】村上 恭和 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (30281992)
【キーワード】電子顕微鏡 / ドメイン構造 / 磁区 / 双晶 / 電子線ホログラフィー (他10件)
【概要】透過電子顕微鏡を用いたその場観察技術を駆使し、MnV2O4酸化物の特異な磁気微細構造を研究し、圧力を利用した磁化分布制御に関する技術基盤を構築した。従来、液体ヘリウム温度域での圧力印加は技術的に困難であったが、本研究では集束イオンビームによる微細加工と、MnV2O4とMoプレートの熱膨張差を利用した独自の手法を考案し、磁気的ドメインに対する圧力効果の検証に活用した。低温域での圧力印加は、結晶学的ド...
❏放射光光電子顕微鏡によるナノ分光法の開発(17101004)
【研究テーマ】ナノ材料・ナノバイオサイエンス
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2005 - 2009
【研究代表者】尾嶋 正治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30280928)
【キーワード】放射光X線粒子線 / 電子顕微鏡 / 強相関電子系 / ナノ材料 / 環境材料 (他6件)
【概要】ナノデバイス、環境触媒などナノサイズ構造における電子状態を解明するため、2種類の放射光光電子顕微鏡を用いたナノ分光法の開発を行い、これをLSIナノ構造、磁性ナノ構造、抵抗変化素子、非白金系触媒に適用してその有効性を実証した。主な成果は以下の通りである。 1)投影型放射光光電子顕微鏡(PEEM):分光型PEEMの空間分解能を向上させるため、床面振動防止対策を行うとともに試料ドリフト補正を行うための画...
【工学】総合工学:第一原理計算強相関電子系を含む研究件
❏小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連(0)
【研究テーマ】2018
【研究種目】強相関電子系
【研究期間】磁性
【研究代表者】超伝導
【キーワード】第一原理計算
【概要】本研究では、磁性や超伝導などの機能物性を第一原理的に記述する実用的な理論の構築を目指して、動的平均場法(DMFT法)によって強相関効果を考慮した第一原理計算法(DFT+DMFT法)の発展とその応用に取り組む。全研究期間を通した研究計画は、DFT+DMFT法に関連した理論構築とその適用範囲を検証する“基礎”と適用限界の範囲で強相関化合物の物質設計に応用する“応用”に分かれる。本年度は基礎に関する以下...
❏機械学習と物性理論の分野融合的アプローチによる強相関第一原理計算(20K14423)
【研究テーマ】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【研究代表者】野村 悠祐 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (20793756)
【キーワード】機械学習 / 人工ニューラルネットワーク / 強相関電子系 / 手法開発 / 量子多体系 (他11件)
【概要】本研究の目的の一つは、人工ニューラルネットワーク/機械学習と量子多体論を融合した強力かつ汎用的な強相関数値計算手法を開発することである。その新たな手法と密度汎関数理論などの第一原理計算を組みあわせて、実存する強相関電子系へ適用を行い、高精度な定量計算の実現を目指す。そのため、研究の柱は新たな手法開発である。同時に新手法の精度検証も重要な課題になってくる。 今年度は有限温度計算を可能にする新たな人...
❏高次元データの次元圧縮によって実現する磁性と超伝導の第一原理計算(18H01158)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】大槻 純也 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60513877)
【キーワード】強相関電子系 / 磁性 / 超伝導 / 第一原理計算 / スパースモデリング (他12件)
【概要】強相関電子系化合物では、多数の電子がクーロン斥力によって強く相互作用しあうことで、磁性や超伝導などの実用的に有用な様々な機能物性が発現する。それらの物性を理解する上で、外場への応答を表す感受率が重要な役割を果たす。しかし、現実の強相関化合物に対する感受率の計算は、数値計算の難しさのために実現していない。本研究では、データ科学的な方法論を応用することで、強相関化合物の感受率計算の実現に向けた多くの進...
【工学】総合工学:スピントロニクス強相関電子系を含む研究件
❏固体中におけるモノポール場の発現とそのダイナミクス(15H05456)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2015-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】金澤 直也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (10734593)
【キーワード】トポロジー / 強相関電子系 / 物性実験 / キラル磁性体 / モノポール (他7件)
【概要】電気の力の源である粒子(陽子や電子)に対応する、磁石のN極またはS極だけの性質を持った素粒子、すなわち磁気モノポールは未だ発見されておらず、電磁気学では磁気モノポールは存在しないと仮定されて体系化されています。しかし電子の幾何学的位相を利用すれば、物質中に磁気モノポールがあたかも存在しているかのような状況を実現できると理論的に提唱されていました。本研究では、磁石の源であるスピンの集団が織りなす幾何...
❏相対論的マグノニクスの開拓(25247058)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】小野瀬 佳文 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (80436526)
【キーワード】強相関電子系 / スピントロ二クス / マグノン / スピンエレクトロニクス / スピントロニクス (他8件)
【概要】代表者の小野瀬は、マグノン励起における電気磁気結合を用いてCu2SeO3やCuB2O4のマイクロ波電気磁気効果を初めて測定することに成功した。また、LiFe5O8においてジャロシンスキー守谷相互作用に由来する非相反なマグノン伝搬を観測することに成功した。分担者の貴田は、フェムト秒レーザー照射による対称性の破れた強誘電体や強磁性体からのテラヘルツ電磁波放射現象の探索を行い、磁性強誘電体Co3B7O1...
【工学】総合工学:表面・界面物性強相関電子系を含む研究件
❏LaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の原子スケール電子状態(26246022)
【研究テーマ】薄膜・表面界面物性
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2014-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】一杉 太郎 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (90372416)
【キーワード】酸化物表面 / 界面 / 走査プローブ顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / ペロブスカイト (他21件)
【概要】遷移金属酸化物は、通常の半導体には見られない多彩な機能を示すことから、次世代エレクトロニクス材料として活発な研究が展開されている。近年、酸化物作製技術が急速に発展したことにより、原子レベルで急峻な界面を有する薄膜やヘテロ構造の作製が可能になり、新しい物性・機能が見出されている。このような酸化物薄膜やヘテロ構造が示す機能の探求・解明のためには、酸化物薄膜について、電子状態評価を原子レベル空間分解能で...
❏半導体表面および界面の2次元系における新しい自由度と電子状態(21244047)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2009-04-01 - 2013-03-31
【研究代表者】岡本 徹 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60245371)
【キーワード】表面・界面 / 低温物性 / 表面物性 / 表面・界面物性 / 半導体物性 (他6件)
【概要】高移動度シリコン2次元電子系に対して、磁場に対する角度をその場制御しながら磁気抵抗効果の測定を行った。非整数のランダウ準位充填率においてランダウ準位交差を行ったところ、電子局在に相当する縦抵抗の明瞭なディップが観測された。 直流抵抗で金属的温度依存性を示す同系に対して、低温下でサイクロトロン共鳴の測定を行った。緩和時間は、直流抵抗から得られるものと同様の温度依存性を示した。 GaAs劈開表面に形成...
【工学】総合工学:環境材料強相関電子系を含む研究件
❏放射光光電子顕微鏡によるナノ分光法の開発(17101004)
【研究テーマ】ナノ材料・ナノバイオサイエンス
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2005 - 2009
【研究代表者】尾嶋 正治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30280928)
【キーワード】放射光X線粒子線 / 電子顕微鏡 / 強相関電子系 / ナノ材料 / 環境材料 (他6件)
【概要】ナノデバイス、環境触媒などナノサイズ構造における電子状態を解明するため、2種類の放射光光電子顕微鏡を用いたナノ分光法の開発を行い、これをLSIナノ構造、磁性ナノ構造、抵抗変化素子、非白金系触媒に適用してその有効性を実証した。主な成果は以下の通りである。 1)投影型放射光光電子顕微鏡(PEEM):分光型PEEMの空間分解能を向上させるため、床面振動防止対策を行うとともに試料ドリフト補正を行うための画...
❏深い3d準位のもたらす新しい化学と物理:新物質開発と化学的・物理的機能の探索(17105002)
【研究テーマ】無機化学
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2005 - 2009
【研究代表者】高野 幹夫 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点教授 (70068138)
【キーワード】固体化学 / 遷移金属酸化物 / 高原子価 / 強相関系 / 高温超伝導体 (他22件)
【概要】入手しやすく、比較的安全な3d遷移金属の酸化物は学術的にも実用的にも価値が高い。本研究では、以下の観点に基づきさらなる新規開発を試みた。Fe^<4+>やCo^<4+>、Cu^<3+>のように周期律後半にあって価数の高いイオンは深いd準位をもち、周囲にいる酸素イオンを酸化して活性化する。新発見したBaFe^<4+>O_3は、無数の鉄酸化物の中で初めて常...
【工学】総合工学:レーザー強相関電子系を含む研究件
❏極低温・超高分解能レーザー光電子分光の開発と低温超伝導体の超伝導機構の解明(25220707)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2013-05-31 - 2018-03-31
【研究代表者】辛 埴 東京大学, 物性研究所, 教授 (00162785)
【キーワード】光電子分光 / レーザー / 超電導 / 超低温 / 高分解能 (他14件)
【概要】世界の追随を許さない最低温度と最高分解能の未踏性能を持つヘリウム3クライオスタット搭載型の角度分解光電子分光装置を開発し、エキゾチック低温超伝導体の機構解明に取り組んだ。我々は、1K以下の試料部到達温度を達成し、また、光電子アナライザーとsCMOS型検知器システムを連動制御するソフトウェアを開発することで、高速フレームレート測定を可能とした。本研究により、世界で初めて、鉄系超伝導体がトポロジカル超...
❏真空紫外レーザーを用いた高分解能角度分解光電子分光による高温超伝導体の研究(19740198)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2007 - 2008
【研究代表者】石坂 香子 東京大学, 物性研究所, 助教 (20376651)
【キーワード】高温超伝導 / 光電子分光 / 強相関電子系 / レーザー / 物性実験
【概要】真空紫外レーザー超高分解能光電子分光装置を用いて、高温超伝導銅酸化物の研究を行った。自然幅の小さいレーザーを用いることでこれまで報告された中で最も明瞭で鋭いスペクトルを得ることに成功し、超伝導ギャップのゼロ点(ノード)近傍の電子構造やキャリア特性を明らかにした。また、表面金属状態が強く内部の超伝導状態を覆い隠してしまうため従来光電子分光が困難だったYBa_2Cu_3O_<7-δ>系にお...
【工学】総合工学:セラミクス強相関電子系を含む研究件
❏圧力を利用したスピネル型酸化物の磁化制御-TEMによる軌道整列と磁性の相関解明-(25630299)
【研究テーマ】構造・機能材料
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2013-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】村上 恭和 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (30281992)
【キーワード】電子顕微鏡 / ドメイン構造 / 磁区 / 双晶 / 電子線ホログラフィー (他10件)
【概要】透過電子顕微鏡を用いたその場観察技術を駆使し、MnV2O4酸化物の特異な磁気微細構造を研究し、圧力を利用した磁化分布制御に関する技術基盤を構築した。従来、液体ヘリウム温度域での圧力印加は技術的に困難であったが、本研究では集束イオンビームによる微細加工と、MnV2O4とMoプレートの熱膨張差を利用した独自の手法を考案し、磁気的ドメインに対する圧力効果の検証に活用した。低温域での圧力印加は、結晶学的ド...
❏d電子軌道の磁場制御に基づく磁気形状記憶効果の創出(19340089)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2007 - 2009
【研究代表者】有馬 孝尚 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90232066)
【キーワード】強相関系 / 形状記憶効果 / 強相関電子系 / 磁性 / 低温物性 (他7件)
【概要】スピネル型化合物Fe_<1-x>Mn_xCr_2O_4において、組成xと温度の関数として結晶構造と磁気構造がどのように変化するのかを明らかにした。この知見に基づいて、3d電子軌道の占有に関する秩序がスピンの容易軸の方向を支配しているという仮説を得た。この考えに基づいて、より大きな磁気機械結合が期待できるMnV_2O_4において研究を行い、応力の代わりに磁場のみを外場として用いることによ...
【工学】総合工学:薄膜強相関電子系を含む研究件
❏LaAlO3/SrTiO3ヘテロ構造の原子スケール電子状態(26246022)
【研究テーマ】薄膜・表面界面物性
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2014-04-01 - 2018-03-31
【研究代表者】一杉 太郎 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (90372416)
【キーワード】酸化物表面 / 界面 / 走査プローブ顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / ペロブスカイト (他21件)
【概要】遷移金属酸化物は、通常の半導体には見られない多彩な機能を示すことから、次世代エレクトロニクス材料として活発な研究が展開されている。近年、酸化物作製技術が急速に発展したことにより、原子レベルで急峻な界面を有する薄膜やヘテロ構造の作製が可能になり、新しい物性・機能が見出されている。このような酸化物薄膜やヘテロ構造が示す機能の探求・解明のためには、酸化物薄膜について、電子状態評価を原子レベル空間分解能で...
❏強相関遷移金属酸化物量子井戸を用いた電子構造制御による新奇量子物性探索(26870843)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2014-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】小林 正起 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任助教 (30508198)
【キーワード】強相関電子系 / 角度分解光電子分光 / 薄膜 / 放射光 / 遷移金属酸化物 (他9件)
【概要】近年、強相関遷移金属酸化物SrVO3極薄膜において、膜厚方向に伸びたd軌道由来のバンドが量子化する金属量子井戸(QW)状態が発見された。本研究は、薄膜構造によりこのQW状態の波動関数を制御することで、強相関金属QWを用いた超格子などのデバイス展開に向けた、新たな量子物性の探索及び物質設計の基盤を築くことを目的とした。 その目的のため、SrVO3極薄膜や多層膜構造におけるQW状態を角度分解光電子分光...
❏遷移金属酸化物における電子及びフォノン励起による光相制御(20740172)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2008 - 2009
【研究代表者】田久保 直子 独立行政法人理化学研究所, 加藤分子物性研究室, 基礎科学特別研究員 (60447315)
【キーワード】光物性 / 強相関電子系 / 絶縁体-金属転移 / 薄膜 / 伝導度測定 (他6件)
【概要】本研究では、多様な物性を示す強相関電子系を対象とし、光誘起相転移現象を用いた光による物性制御とそのメカニズムの解明を目的とした。幾つかの強相関電子系薄膜において、巨大な伝導度の変化を伴う永続的な光誘起絶縁体-金属転移の観測とメカニズムの解明を行った。特に、Pr(Ca,Sr)MnO_3薄膜おいては、本研究で初めて光誘起金属-絶縁体転移の発現に成功した。 ...
【工学】総合工学:マイクロ波強相関電子系を含む研究件
❏相対論的マグノニクスの開拓(25247058)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2013-04-01 - 2016-03-31
【研究代表者】小野瀬 佳文 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (80436526)
【キーワード】強相関電子系 / スピントロ二クス / マグノン / スピンエレクトロニクス / スピントロニクス (他8件)
【概要】代表者の小野瀬は、マグノン励起における電気磁気結合を用いてCu2SeO3やCuB2O4のマイクロ波電気磁気効果を初めて測定することに成功した。また、LiFe5O8においてジャロシンスキー守谷相互作用に由来する非相反なマグノン伝搬を観測することに成功した。分担者の貴田は、フェムト秒レーザー照射による対称性の破れた強誘電体や強磁性体からのテラヘルツ電磁波放射現象の探索を行い、磁性強誘電体Co3B7O1...
❏異方的超伝導体の異常超伝導相の解明(17204031)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2005 - 2007
【研究代表者】松田 祐司 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50199816)
【キーワード】超伝導 / 対称性 / 重い電子系化合物 / 隠れた秩序 / 渦糸格子 (他19件)
【概要】本年度はまず熱伝導による超伝導対称性の実験を行った。特に重い電子系化合物URu2Si2の超伝導対称性を希釈冷凍機温度までの低温で磁場中熱伝導度の測定により決定した。この系はいわゆる隠れた秩序相で超伝導が起こるが超伝導相はあまり研究されていなかった。我々はこの超伝導相が極めて特異なものでありカイラルd波の対称性を持つことを示した。さらに微小ホールプローブを用いた局所磁場測定や電気抵抗の精密測定により...
【工学】総合工学:ナノ材料強相関電子系を含む研究件
❏分子上磁性クラスタの構築とその磁気状態の解明(15H06092)
【研究テーマ】ナノ構造物理
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2015-08-28 - 2017-03-31
【研究代表者】平岡 奈緒香 (太田奈緒香) 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40758827)
【キーワード】強相関電子系 / 半金属-絶縁体転移 / 磁性薄膜 / 強相関系 / 磁性 (他7件)
【概要】本研究では、セルフデカップリング型の構造のよく規定された磁性原子集合体を作製し、その磁気状態を解明することを目指した。構造制御のため、走査トンネル顕微鏡法もしくはパルスレーザー堆積法を用いた。後者の方法を用いて、結晶の対称性と伝導・磁気状態が深く関わっていると予想されている物質、ペロブスカイト型AIr1-xSnxO3(A=SrまたはCa)のエピタキシャル薄膜化に成功した。バルク物質において報告され...
❏軟X線共鳴回折によるカイラリティイメージングの研究(25247054)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2013-04-01 - 2017-03-31
【研究代表者】田中 良和 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 専任研究員 (90250109)
【キーワード】X線・粒子線 / 放射光 / 共鳴X線回折 / 強相関電子系 / X線 (他11件)
【概要】SPring-8理研ビームライン17SUに設置した軟X線回折計を用い,強相関電子系物質の秩序状態の観察を行っている.特に,円偏光X線を利用することによって,結晶カイラリティ,スピンカイラリティの判別さらにはドメイン分布の観察を行っている.ドメイン分布の観察には,極度に集光したX線ビームが必要である.この科研費プロジェクトでは,ミラー集光による直径15マイクロメートルの集光サイズを,ゾーンプレートシ...
❏放射光光電子顕微鏡によるナノ分光法の開発(17101004)
【研究テーマ】ナノ材料・ナノバイオサイエンス
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2005 - 2009
【研究代表者】尾嶋 正治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30280928)
【キーワード】放射光X線粒子線 / 電子顕微鏡 / 強相関電子系 / ナノ材料 / 環境材料 (他6件)
【概要】ナノデバイス、環境触媒などナノサイズ構造における電子状態を解明するため、2種類の放射光光電子顕微鏡を用いたナノ分光法の開発を行い、これをLSIナノ構造、磁性ナノ構造、抵抗変化素子、非白金系触媒に適用してその有効性を実証した。主な成果は以下の通りである。 1)投影型放射光光電子顕微鏡(PEEM):分光型PEEMの空間分解能を向上させるため、床面振動防止対策を行うとともに試料ドリフト補正を行うための画...
【工学】総合工学:極低温強相関電子系を含む研究件
❏極低温・超高分解能レーザー光電子分光の開発と低温超伝導体の超伝導機構の解明(25220707)
【研究テーマ】物性Ⅰ
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2013-05-31 - 2018-03-31
【研究代表者】辛 埴 東京大学, 物性研究所, 教授 (00162785)
【キーワード】光電子分光 / レーザー / 超電導 / 超低温 / 高分解能 (他14件)
【概要】世界の追随を許さない最低温度と最高分解能の未踏性能を持つヘリウム3クライオスタット搭載型の角度分解光電子分光装置を開発し、エキゾチック低温超伝導体の機構解明に取り組んだ。我々は、1K以下の試料部到達温度を達成し、また、光電子アナライザーとsCMOS型検知器システムを連動制御するソフトウェアを開発することで、高速フレームレート測定を可能とした。本研究により、世界で初めて、鉄系超伝導体がトポロジカル超...
❏微小単結晶量子磁性体の極低温超高感度磁化測定(24340075)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2012-04-01 - 2015-03-31
【研究代表者】榊原 俊郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (70162287)
【キーワード】量子スピン系 / 強相関電子系 / 量子相転移 / 超伝導 / 磁化測定 (他9件)
【概要】低次元量子スピン物質や強相関物質などの純良単結晶試料は、微小な結晶としてしか得られないことが多い。本研究課題では、研究代表者がこれまで開発してきた極低温磁化測定装置を、微小結晶試料の測定に対応できるように従来比で100倍高感度化した。この装置による主要な成果は、(1)スピン1/2の一次元ハイゼンベルグ反強磁性体CuPzN単結晶の低温磁化の磁場温度依存性が厳密解と高い精度で一致することを検証、(2)...
【医歯薬学】薬学:核磁気共鳴(NMR)強相関電子系を含む研究件
❏スピノンフェルミ面とスピノン対凝縮:分裂と縺れが創るスピン量子相の探索(21K18144)
【研究テーマ】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2021-07-09 - 2024-03-31
【研究代表者】鹿野田 一司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20194946)
【キーワード】スピン液体 / スピノンフェルミ面 / 強磁場 / 核磁気共鳴 / 輸送特性 (他10件)
【概要】本研究課題は、「スピン液体」の微視的状態の理解を目指している。対象とする物質は有機スピン液体候補物質であるk-(BEDT-TTF)2Cu2(CN)3とEtMe3Sb[Pd(dmit)2]2である。 研究初年度では、スピン液体を説明する一つのモデルであるスピンノンフェルミ面の検出を目指して核磁気共鳴および高磁場物性の測定を行った。 スピノンのフェルミ面が存在する場合、物理量に磁場に対する量子振動が期...
❏SドープしたFeSeの高温超伝導機構と量子相転移の高圧下NMRによる研究(18H01181)
【研究テーマ】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【研究代表者】藤原 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (60272530)
【キーワード】鉄系超伝導体 / 強相関電子系 / 核磁気共鳴 / 高圧下測定 / 量子相転移 (他8件)
【概要】FeSeは、ネマチック秩序、超伝導、および磁性が圧力・温度(P-T)相図で互いに絡み合っている特異な系である。しかし、12%S-置換したFeSeでは、ネマチック秩序と磁性の重なりが解消されている。そこで、本研究では 約5 GPaまでの圧力下でSe核の磁気共鳴測定を実行した。その結果、約1万気圧において圧力誘起リフシッツ転移が、状態密度の異常として、また異なる反強磁性(AF)揺らぎを伴う超伝導(SC...
❏ハニカム格子イリジウム酸化物の新奇量子スピン液体状態(17H01140)
【研究テーマ】物性Ⅱ
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【研究代表者】高木 英典 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40187935)
【キーワード】量子スピン液体 / Kitaev模型 / 量子磁性 / Ir酸化物 / 強相関電子系 (他12件)
【概要】新奇量子スピン液体の実現は凝縮系物理の最も挑戦的な課題の一つである。特にKitaevが理論的に見出したハニカム格子上の量子スピン液体は、遍歴・局在二種類のマヨラナ粒子からなる厳密解として得られたために、多くの研究者の興味を惹き、現実物質での発現が強く望まれてきた。Kitaev量子スピン液体が期待されるハニカム格子酸化物H3LiIr2O6において相互作用するスピン軌道複合Jeff=1/2モーメントが...