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北海道大学 研究シーズDiscovery Saga
研究分野:農学 に関係する研究一覧:140
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発表日:2026年5月8日 この記事は2026年5月22日号以降に掲載されます。
1
酪農"危機"からの回復と収益性
~北海道畑地型酪農地帯の実態分析から未来の酪農のあり方を展望する~(農学研究院准教授 小林国之)
この記事は2026年5月22日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年5月3日 この記事は2026年5月17日号以降に掲載されます。
2
マダニの唾液はマクロファージ依存性に宿主免疫を抑制する
~制御性T細胞の誘導を介したマダニの免疫回避機構の解明に期待~(獣医学研究院教授今内覚)
この記事は2026年5月17日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年4月30日
3
北海道固有種のエゾユキシリアゲを30年ぶりに正式に記録
~日本のユキシリアゲの生態解明に大きく貢献~(北方生物圏フィールド科学センター特任助教 福山伊吹)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション和歌山研究林の福山伊吹特任助教、同苫小牧研究林の細木拓也特任助教、同大学大学院環境科学院博士後期課程の髙木惇司氏、北川康太氏、三枝弘典氏、早川 慧氏、同修士課程の福田将之氏、弁理士法人IPXの細木 萌弁理士、広島修道大学人間環境学部の鈴木智也准教授らの研究グループは、これまで大雪山系のみから報告されていた北海道固有種のエゾユキシリアゲ(Boreus jezoensis)を新種として記載して以来、30年ぶりに正式に記録するとともに、新たに約170km離れた札幌市からも多くの個体を発見しました。ユキシリアゲ(...
キーワード:地球温暖化/個体群/温暖化/遺伝学
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発表日:2026年4月28日
4
絶滅動物の骨化石の脂質同位体から食生活が分かった!
~世界初、中新世に生きたカイギュウの化石骨中のステロールの炭素同位体比から食性を復元~(理学研究院教授 沢田健)
足寄動物化石博物館学芸員(北海道大学総合博物館の資料部研究員兼任)の新村龍也氏と北海道大学大学院理学研究院の沢田 健教授の研究グループは、博物館に収蔵された海生哺乳類の骨化石を有機地球化学的手法で分析しました。この研究では、北海道の中新世の地層(~約1千万年前)から産出したカイギュウ類の骨化石の中に保存された脂質を分析し、その安定炭素同位体比から食性を推定しました。約1千万年前という古いカイギュウ類の骨化石において、その中に保存された脂質の一種(C27ステロイド)が、その動物自身に由来することを示し、さらにその脂質の同位体比から食性(アマモ食orケルプ食)を推定した例は、世界で初めて...
キーワード:博物館学/安定同位体比/安定同位体/炭素同位体/炭素同位体比/地球化学/同位体/同位体比/エナメル質/脊椎動物/中新世/哺乳類/脊椎/ステロイド/脂質/食生活
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学生物学医歯薬学
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発表日:2026年4月24日
5
台風かく乱後の森林は「遅れて加速」して炭素を吸収
~炭素クレジットのベースライン設計と対象森林の再考に示唆~(農学研究院教授 加藤知道)
北海道大学大学院農学研究院の加藤知道教授と同大学北方生物圏フィールド科学センター中路達郎教授、東京大学大学院農学生命科学研究科、国立環境研究所生物多様性領域の林 真智特別研究員らの研究グループは、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター苫小牧研究林の天然広葉樹が優占する森林約2,516 haを対象に、2004年の台風かく乱後の森林バイオマス回復を、多時期の航空機レーザ測量及びUAV(無人航空機)レーザ測量と現地調査を統合して18年間(2004-2022年)追跡し、その時空間動態を高解像度(2m)で定量化しました。その結果、対象地全域の18年間の平均森林地上部バイオマス成長速度は1....
キーワード:深層学習/人工知能(AI)/UAV/非線形/LiDAR/現地調査/航空機/二酸化炭素/制度設計/バイオマス/森林バイオマス/人工林/天然林/生物多様性
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学工学
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発表日:2026年4月24日
6
最古のタコは巨大な頂点捕食者だった
~捕食の痕跡とAIが解読する古代海洋の捕食関係~(理学研究院准教授 伊庭靖弘)
北海道大学大学院理学研究院の伊庭靖弘准教授、同大学大学院理学研究院の池上 森学術研究員、同大学大学院理学院博士課程の杉浦寛大氏、ルール大学のヨーク・ムッターローゼ教授、高輝度光科学研究センターの竹田裕介研究員、モルゲンロット株式会社のメフメト・オグズ・デリン氏、同社の原田隆宏博士、大阪公立大学大学院理学研究科の久保田彩講師、新潟大学脳研究所の田井中一貴教授、中央大学の西田治文名誉教授の研究グループは、大規模3Dデータを可視化可能にするAIモデルを開発し、約1億~7,200万年前(白亜紀後期)のタコ類の顎化石を解析することで、体サイズ及び生態を詳細に復元しました。従来の研究では、過去約...
キーワード:3Dデータ/人工知能(AI)/海洋/白亜紀/脊椎動物/生態系/無脊椎動物/脊椎
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発表日:2026年4月21日
7
光で操る「マイクロドローン」でナノ空間の微小な力を全方位計測
~6自由度制御により、光の「ねじれ」が生む未知のトルクを初観測~(電子科学研究所教授 田中嘉人)
北海道大学電子科学研究所の田中嘉人教授らの研究グループは、光で自在に操る「マイクロドローン」を用いて、これまで光の回折限界という制約のために測定が困難だった、ナノ空間で働く微小な力とトルク(回転させる力)を3次元的に計測する全く新しい手法を開発しました。光がナノ粒子に及ぼす力は、ナノ粒子操作技術やナノマシン技術に欠かせない重要な要素です。しかし光には「回折限界」と呼ばれる性質があるため、ナノ粒子の位置や向きを正確に制御・計測することが難しく、力の働き全体(力学応答)を捉えることが困難でした。本研究では、十字型のマイクロ構造体の中心に測定対象のナノ物質を埋め込んだ、独自の「センサー機体...
キーワード:異方性/キラリティー/ナノ物質/回折限界/金属ナノ粒子/センサー/センシング/トルク/ナノ空間/ナノ構造/ナノ粒子/マイクロ/レーザー/量子力学/ドローン/ナノマシン/ラット/生体分子
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発表日:2026年4月18日
8
ポリエーテル系天然物の精巧な生合成経路を一般化
~単独では立体構造を形成できない、極端に柔軟な酵素が存在する~(先端生命科学研究院教授 尾瀬農之、名誉教授 及川英秋)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の尾瀬農之教授、薮野奈々研究補佐員、久米田博之学術専門職、同大学の及川英秋名誉教授、同大学大学院理学研究院の尾崎太郎助教(研究当時、現・東北大学准教授)、東京科学大学理学院化学系の南 篤志教授らの研究グループは、自然界に存在する天然化合物の主要な一群であるポリエーテル系天然物が作られる際の連続的環化反応を、特殊な工夫をして明らかにしました。ポリエーテルの代表的化合物モネンシンは抗生物質として利用されていますが、キーとなる生合成の過程で4回の連続的酵素環化反応が起こります。この反応はファスナーが閉じるように、端から順番に起こることが予測されていましたが、どういう...
キーワード:人工知能(AI)/磁気共鳴/水溶液/構造形成/結晶解析/質量分析/動力学/分子動力学/遺伝子破壊/ポリエーテル/生合成経路/放線菌/生合成/酵素反応/核磁気共鳴/核磁気共鳴法/環化反応/抗生物質/天然化合物/分子動力学計算/立体構造/遺伝子
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発表日:2026年4月14日
9
CPCトローチが唾液中SARS-CoV-2を一時的に抑制
~COVID-19患者唾液ウイルス量低減による感染拡大抑制の可能性~(歯学研究院教授 樋田京子)
北海道大学大学院歯学研究院の樋田京子教授、間石奈湖助教(研究当時)、同大学大学院歯学院博士課程(研究当時)の武田 遼氏、同大学総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点の澤 洋文教授、同大学人獣共通感染症国際共同研究所の大場靖子教授、佐々木道仁准教授、藤田医科大学の樋田泰浩教授らの研究グループは、口腔ケア製品に広く用いられる殺菌成分セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)の臨床的抗ウイルス効果を検証しました。なお、本研究は札幌市保健福祉局の秋野憲一氏、水田むつみ氏らの協力のもと実施されました。デルタ株流行期(2021年8月)にCOVID-19患者34名を対象として唾液を経時的に採...
キーワード:デルタ/公共空間/人獣共通感染症/水田/SARS-CoV-2/歯学/RNA/ウイルス/ワクチン/感染症/新型コロナウイルス感染症/唾液/臨床研究
他の関係分野:複合領域工学総合生物医歯薬学
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発表日:2026年4月9日
10
胎内被ばくが導くミトコンドリアDNAの次世代変化
~見た目では捉えられない"隠れた次世代影響"を明らかに~(保健科学研究院准教授 福永久典)
北海道大学大学院保健科学研究院の福永久典准教授(環境健康科学研究教育センター副センター長)、清野良輔学術研究員、池田敦子教授、同大学大学院保健科学院修士課程の久保春果氏の研究グループは、妊娠初期の放射線被ばくが母体及び仔のミトコンドリアDNAに与える影響をマウスモデルで解析し、母体と仔で異なる応答様式が生じることを明らかにしました。特に、仔では低線量から変化が検出される一方で、体重や性比といった発育指標には影響がみられず、従来の指標では捉えられない次世代影響の可能性が示されました。放射線の次世代影響とミトコンドリアゲノムを結ぶこの新たな研究成果は、今後、より安全で合理的な放射線防護・...
キーワード:放射線防護/ミトコンドリアDNA/健康リスク/リスク評価/ミトコンドリアゲノム/mtDNA/マウスモデル/マウス/ミトコンドリア/ゲノム/妊娠/放射線
他の関係分野:複合領域生物学工学医歯薬学
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発表日:2026年4月2日
11
タンパク質の温度適応を決める新原理を解明
~「しなやかさ」ではなく反応エネルギーが鍵~(先端生命科学研究院助教 塚本卓)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の塚本 卓助教らの研究グループは、地球規模で多様な温度環境に適応した微生物が持つ3種類の光応答性タンパク質(プロトン(H+)ポンプ型ロドプシン)について、その光反応の仕組みを温度ごとに詳しく調べ、温度適応の分子機構を解明しました。プロトンポンプ型ロドプシンは、光エネルギーを利用して細胞膜の内外にプロトン濃度勾配を形成し、ATP合成などの生命活動を支える重要なタンパク質であり、地球規模のエネルギー循環にも関与する分子として注目されています。これまで、タンパク質の温度適応には分子のしなやかさ(構造の動きやすさ)が重要と考えられてきましたが、本...
キーワード:光エネルギー/光応答性/光反応/ATP合成/プロトンポンプ/光応答/環境適応/温度依存性/熱力学/反応速度/機能性/微生物/プロトン/細胞膜/分子機構/ATP/ロドプシン
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発表日:2026年4月2日
12
巨大反応ネットワークで不斉触媒反応を高精度に予測
~機械学習と量子化学を融合し、触媒設計を加速~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 前田理)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)及び同大学大学院理学研究院の前田 理教授らの研究グループは、機械学習と量子化学計算を組み合わせた新しい計算手法により、大規模な不斉触媒反応の反応経路ネットワークを構築し、実験で得られている高いエナンチオ選択性を理論的に再現することに成功しました。不斉触媒は医薬品や機能性材料の合成に不可欠ですが、その分子は大きく柔軟であるため、どのように立体選択性が生じるのかを理論的に理解することは困難でした。本研究では、200原子を超える触媒系に対して、ニューラルネットワークポテンシャル(NNP)とAFIR法(人工力誘起...
キーワード:ニューラルネットワーク/機械学習/量子化/速度論/量子化学/量子化学計算/触媒反応/触媒設計/選択性/シミュレーション/ニューラルネット/機能性材料/機能性/不斉触媒/不斉触媒反応/立体選択性
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発表日:2026年4月2日
13
初期胚が細胞分裂異常を耐え抜く仕組みの発見
~光操作が解き明かす、ゼブラフィッシュ胚の驚くべきトラブル対応力~(先端生命科学研究院准教授 上原亮太)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の上原亮太准教授、同大学大学院理学研究院の小谷友也准教授、同大学の玉置信之名誉教授(元電子科学研究所教授)、京都工芸繊維大学の松尾和哉助教らの研究グループは、ゼブラフィッシュ初期胚に備わった細胞分裂障害への抵抗性を明らかにし、その細胞メカニズムを特定しました。個体発生においては、細胞分裂が効率良く、かつ精度を保ちながら起こる必要があります。このバランスを決める仕組みの解明は、生き物のからだ作りを理解する上で重要な課題です。本研究では、光で細胞分裂を操作する独自技術である光変換性分裂阻害薬によって、ゼブラフィッシュ胚が原腸形成期に、分裂異常への著しい抵...
キーワード:初期胚/紡錘体/個体発生/ダイナミクス/抵抗性/染色体/光操作/細胞増殖/細胞分裂/染色体異常
他の関係分野:生物学工学医歯薬学
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発表日:2026年3月30日
14
運動の時間帯が生物時計のペースを変えることを発見
~マウスで明らかになったEM振動体間の相互協調が運動時刻で変化する仕組み~(教育学研究院准教授 山仲勇二郎)
北海道大学大学院教育学研究院の山仲勇二郎准教授らの研究グループは、マウスを用いて、明暗サイクル下での習慣的な運動が、行動リズムの周期と光に対する位相変化量を、運動を行う時刻によって異なる方向に変化させることを発見しました。生物時計は約24時間周期で自律的に振動する時間調節機構であり、哺乳類では視(し)交叉上核(こうさじょうかく)(SCN)がその中枢として機能します。SCNは明暗サイクルに同調し、全身に時刻情報を伝えることで行動リズムを制御します。行動リズムの開始位相と終了位相は、内因性周期や光に対する位相反応が異なるEvening(E)振動体とMorning(M)振動体の二つの生物時...
キーワード:生物時計/相変化/哺乳類/性周期/マウス
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発表日:2026年3月26日
15
温暖化に伴う猛暑で失われる都市緑地の憩いと暮らしの質
~夏季の高温多湿が都市緑地の利用と憩いの価値を奪う~(農学研究院教授 庄子康)
北海道大学大学院農学院修士課程の王 嘉鈺氏、同大学大学院農学研究院の豆野皓太助教、尾分達也助教、愛甲哲也教授、庄子 康教授からなる研究グループは、気候変動による夏季の高温多湿が、都市緑地の利用と都市緑地が提供する社会的価値に深刻な影響を与えることを明らかにしました。2023年の記録的な猛暑を経験した札幌市民を対象としたアンケート調査により、夏季の最高気温の上昇が都市緑地への来訪意欲を大きく低下させ、32℃では9割以上の市民が都市緑地の利用を控えることが分かりました。また、高齢者や女性は暑さの影響を受けやすく、高温時に都市緑地の利用を中止する傾向が強いことも示されました。さら...
キーワード:位置情報/都市緑地/気候変動/アンケート調査/シナリオ/温暖化/スマートフォン/高齢者
他の関係分野:情報学環境学数物系科学工学医歯薬学
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発表日:2026年3月26日
16
ヒト以外の哺乳類にも"つわり様"の変化?
~霊長類・げっ歯類で胎盤形成期の一過性の体重減少・摂食変化を確認~(獣医学研究院助教 矢野(梨本)沙織)
北海道大学大学院獣医学研究院の矢野(梨本)沙織助教、東京科学大学の黒田公美教授、理化学研究所の新美君枝ユニットリーダーらの研究グループは、小型霊長類マーモセット及びげっ歯類マウスにおいて、妊娠中の胎盤形成期に一時的に体重減少や摂食量減少・活動低下が生じることを明らかにしました。ヒトでは胎盤形成期に「つわり」をはじめとした様々な体調変化が起きることが知られていますが、本研究は、それに類似する生理的変化がヒト以外の哺乳類にも見られる可能性を示したものです。妊婦のおよそ70~80%は、嘔吐、悪心、食欲不振、体重減少、倦怠感、味覚・嗅覚の変化といった様々な体調変化を妊娠初期に経験します。こう...
キーワード:霊長類/哺乳類/獣医学/動物モデル/マーモセット/マウス/胎盤/妊娠/妊婦
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発表日:2026年3月23日
17
「超酸」の中で発光し続ける色素の開発に成功
~酸による分解という最大の弱点を克服、極限環境でのイメージング応用に光明~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 猪熊泰英)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)・同大学大学院工学研究院の猪熊泰英教授らの研究グループは、濃硫酸をはるかに超える酸性度を持つ「超酸」の中でも分解せず発光し続ける蛍光色素「超酸耐性BODIPY」の開発に成功しました。BODIPY(ボロン-ジピロメテン)は50年以上前に開発され、高い発光量子収率を有することから、細胞染色やセンサーなど幅広い用途で利用されている最も有名な蛍光色素の一つです。しかし、この色素には応用範囲を大きく制限する最大の弱点がありました。それが、酸性環境下でホウ素原子が脱離する「脱ホウ素化反応」によって蛍光発光が失われてし...
キーワード:シナジー/分子構造/樹脂/イオン交換/センサー/センシング/フッ素/耐久性/極限環境/ホウ素/光イメージング/官能基/蛍光イメージング/蛍光色素
他の関係分野:複合領域化学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2026年3月13日
18
ヒト大腸にも胆汁酸の入口があった!?
~大腸における新たな胆汁酸輸送へのOATP1B3の関与を示唆~(水産科学研究院准教授 小林彰子)
北海道大学大学院水産科学研究院の小林彰子准教授、東京大学大学院農学生命科学研究科(当時)の黒部(髙島)優季氏、齋藤佑太氏、宮脇里奈氏、同研究科の三坂 巧准教授、溝井順哉准教授、群馬大学生体調節研究所粘膜エコシステム制御分野の柳澤宏太氏、宮内栄治准教授、佐々木伸雄教授、東京理科大学薬学部の荻原琢男教授らの研究グループは、胆汁酸の再吸収は回腸末端が中心という従来理解に加え、ヒト大腸にも一次胆汁酸の取り込みに関与しうる経路が存在する可能性を示しました。胆汁酸は食後に胆嚢から十二指腸へ分泌され、小腸で脂質の消化吸収を助けた後、主に回腸末端で90%以上が再吸収され、門脈を介して肝臓へ戻されて再利用されま...
キーワード:速度論/ポリペプチド/アニオン/システム制御/Caco-2細胞/輸送体/消化管/免疫染色/生理機能/大腸/オルガノイド/小腸/創薬/胆汁酸/有機アニオン/コレステロール/脂質
他の関係分野:数物系科学化学工学医歯薬学
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発表日:2026年3月13日
19
遺伝子ファミリー間の封印された冗長性を解明
~致死的な遺伝子変異を克服するために生物は秘匿された冗長性を開封する~(遺伝子病制御研究所准教授 紙谷尚子)
北海道大学遺伝子病制御研究所の紙谷尚子准教授、畠山昌則特任教授(微生物化学研究会微生物化学研究所部長クロアポ兼担)らの研究グループは、胚発生初期において特定の遺伝子に致死的変異が存在する場合に限り、そのファミリー遺伝子が個体を胎生致死から守る機能的冗長性を獲得するというユニークな生物の生存戦略機構を明らかにしました。遺伝子の冗長性とは、生物のゲノム内に同じ機能を持つ複数の遺伝子が存在することです。進化の過程で兄弟のような遺伝子群(ファミリー)が形成されると、一つの遺伝子が壊れても、その機能が他のファミリーにより代償されるため、生物の生存において重要な役割を果たします。例えば、ファミリ...
キーワード:生存戦略/胚発生/冗長性/微生物/キナーゼ/ノックアウトマウス/マウス/細胞死/ゲノム/遺伝子/遺伝子変異
他の関係分野:生物学工学医歯薬学
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発表日:2026年3月13日
20
世界最古のスギ類の化石を北海道で発見
~針葉樹の衰退前夜を垣間見る~(理学研究院教授 山田敏弘)
北海道大学大学院理学研究院の山田敏弘教授らの研究グループは、北海道留萌郡小平町達布に分布する白亜紀中頃(約9,000万年前)の地層から、世界最古のスギ類の化石を発見し、採集地の上記念別川にちなみ、カミキネンスギ(新属・新種)として報告しました。分子時計による推定から、スギ類は白亜紀中頃(約9,000万年前)までに出現したと考えられてきましたが、これまでに見つかっていた最古のスギ類化石は、白亜紀の終わり頃(約7,600万年)のものでした。見つかった化石は直径約1cmの球状の球果(まつぼっくり:種子を抱く鱗状の葉が集合したもの)で、短い軸の周りに25枚の鱗片がらせん状に配列しています。鱗...
キーワード:白亜紀/花粉/スギ
他の関係分野:数物系科学
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発表日:2026年3月11日
21
コンピュータの中でニジマスを育てる
~養殖の未来を予測するシミュレーション技術を開発~(水産科学研究院准教授 高橋勇樹)
北海道大学大学院水産科学研究院の高橋勇樹准教授らの研究グループは、ニジマス(Oncorhynchus mykiss)の成長をコンピュータ上で再現する養殖シミュレーションモデルを開発し、実際の飼育試験データとの比較検証を行いました。本研究では、魚のエネルギー収支に基づく成長モデルと、魚の遊泳行動を再現する行動モデルを用いることで、魚が遊泳して摂餌量に応じて成長するという、飼育をまるごとコンピュータ上で再現できるモデルを構築しました。併せて、シミュレーションによる成長を飼育実験と比較しました。その結果、シミュレーションによる成長曲線は実験で得られた測定データとおおむね一致し...
キーワード:仮想空間/行動モデル/シミュレーション/シミュレーションモデル/シミュレータ/エネルギー収支
他の関係分野:情報学工学
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発表日:2026年3月9日
22
イタヤカエデの杢(もく)と樹形・成長との関係を解明
~高付加価値材となり得る個体の選木・育成方法への貢献に期待~(北方生物圏フィールド科学センター教授 吉田俊也)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程の仲谷 朗氏と同大学北方生物圏フィールド科学センター雨龍研究林の宮崎 徹技術専門職員、同大学北方生物圏フィールド科学センター北管理部の吉田俊也教授の研究グループは、北海道に広く生息するイタヤカエデ60個体を対象に、木材価格を大幅に高める「杢(もく)」(繊維の乱れが材表面に現れる複雑な模様)に着目し、その板面積に対する割合と個体ごとの成長特性(樹形や年輪幅、個体サイズなど)との関係を分析しました。その結果、杢の割合は年輪幅や個体サイズとは関係性が弱く、樹幹の曲りが大きい個体や二股の位置が近い部分で高いことを突き止めました。このことは、間伐...
キーワード:オプション/定量的評価/森林管理
他の関係分野:複合領域環境学
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発表日:2026年3月2日
23
寄生虫の「兵隊」の口は吸い付きに特化していた
~二生吸虫の兵隊型レジアの武器形質の構造を世界で初めて解明~(水産科学研究院教授 和田哲)
北海道大学大学院水産科学院修士課程の三浦健太郎氏、同大学大学院水産科学研究院の和田 哲教授、高知大学農林海洋科学部の三浦 収教授は、巻貝の寄生虫である二生吸虫Cercaria batillariae(セルカリア・バティラリアエ)のレジア幼生は、繁殖を行う「繁殖型」と、繁殖を行わず敵への攻撃に特化した「兵隊型」の二型を示し、繁殖分業を行うことを実証しました。さらに、繁殖型と兵隊型では、武器形質である咽頭の構造が異なり、兵隊型は敵の攻撃に特化した咽頭をもつことを世界で初めて解明しました。繁殖分業とは、アリやハチなどのように、生物の集団において繁殖とそれ以外の労働や防衛など...
キーワード:海洋/海洋科学/電子顕微鏡/カースト/寄生虫/筋肉/解剖学
他の関係分野:環境学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2026年2月27日
24
ソライロラッパムシの「すみっこ」好きを発見
~目の無い単細胞生物の空間把握メカニズム~(電子科学研究所特任助教 越後谷駿、准教授 西上幸範)
北海道大学電子科学研究所の越後谷駿特任助教、大村拓也助教、中垣俊之教授、西上幸範准教授の研究グループは、富山大学の佐藤勝彦特命教授とともに、水環境中に棲息する単細胞生物ソライロラッパムシが周囲のミクロな形の違いに応じて固着場所を選択し、「すみっこ」空間に好んで固着することを発見しました。研究グループは自然界の形状の複雑さを模した観察容器「ジオラマ環境」を製作することで、体長1 mm程の繊毛虫ソライロラッパムシの特徴的な固着行動とその空間把握方法に迫りました。その結果、観察容器全体を探索していたソライロラッパムシが行動モードを切り替えて、固着前には体の形を非対称に縮ませ壁伝いに移動す...
キーワード:視覚情報/対称性/非対称性/水環境/シミュレーション/物理モデル/生態系/微生物/ニッチ
他の関係分野:情報学数物系科学工学医歯薬学
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発表日:2026年2月19日
25
遅延・二色発光を示す異性体臭化インジウム単結晶を開発
~将来の発光デバイスやディスプレイへの応用に期待~(電子科学研究所教授 Vasudevan Pillai Biju)
北海道大学電子科学研究所のヴァスデヴァン・ピライ・ビジュ教授と岡本拓也助教らの研究グループは、熊本大学大学院先端科学研究部の高橋仁徳准教授らとともに、遅延発光と二色発光の両方を示す有機-無機ハイブリッド型の臭化インジウム単結晶の開発に成功しました。発光材料はLEDやディスプレイなどに幅広く利用され、発光の色やその持続時間は材料中の電子の動きや原子との相互作用によって決まります。近年、有機-無機ハイブリッド材料、特にハイブリッド金属ハライドが注目されています。鉛などの有害な金属を用いた材料の代替として、構造の自由度が高く安全なインジウムのハイブリッド材料への関心が高まっていますが、複...
キーワード:時間分解/化学組成/ディスプレイ/ハイブリッド材料/光デバイス/発光材料/発光ダイオード(LED)/単結晶/構造制御/励起子/結晶構造/インジウム
他の関係分野:数物系科学化学工学医歯薬学
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発表日:2026年2月17日
26
エチレンガスを持続的に放出できる固体材料を開発
~農産物の追熟や鮮度保持への応用に期待~(地球環境科学研究院教授 野呂真一郎)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の黄 淵特任助教、神谷裕一教授、野呂真一郎教授と、近畿大学理工学部応用化学科の山本 旭講師らの研究グループは、安価なゼオライトを用いて植物ホルモンであるエチレン(C2H4)を長期間放出できる固体材料を開発し、ジャガイモの発芽抑制に応用できることを実証しました。C2H4は、果実の熟成促進や植物の生理機能調節に関与する重要な植物ホルモンです。C2H4は気体分子であり、これまでC2H4...
キーワード:銀イオン/地球環境/イオン交換/エチレン/植物ホルモン/ホルモン/生理機能
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発表日:2026年2月17日
27
"食べられる触媒"を利用した生分解性高分子の精密合成
~安全かつ実用的な高分子合成法の確立に期待~(工学研究院教授 佐藤敏文、助教 李灃)
北海道大学大学院工学研究院の佐藤敏文教授、磯野拓也准教授及び李 灃助教らの研究グループは、食品添加物として利用されている安全性の高い化合物を触媒として用い、ポリ乳酸やポリ-εイプシロン-カプロラクトンなどの生分解性を有する脂肪族ポリエステル(APE)の精密合成法を確立しました。APEは、生分解性・生体適合性・生体吸収性に優れていることから、環境に優しいプラスチック材料として、また吸収性縫合糸やインプラントなどの医用高分子材料としての応用が進められています。現在、APEの工業的合成には、スズなどの重金属を含む触媒を用いた重...
キーワード:重金属/アルカリ金属/共重合体/エステル/ブロック共重合体/ポリエステル/共重合/高分子/高分子合成/生分解性高分子/材料科学/生分解/生体適合性/カリウム/プラスチック/高分子材料/生分解性/機能性/クエン酸/有機酸/ナトリウム/インプラント/重合反応/有機触媒
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発表日:2026年2月16日
28
オニ、リシリ、ホソメ、マコンブは遺伝的に区別できない
~マコンブとオニコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブの分類学的な統合を提案~(水産科学研究院助教 秋田晋吾)
北海道大学大学院水産科学院修士課程2年(当時)の地崎賢汰氏、同大学大学院水産科学研究院の秋田晋吾助教、宇治利樹准教授、水田浩之教授らの研究グループは、マコンブSaccharina japonicaの変種に含まれていたオニコンブ(ラウスコンブ)S. japonica var.diabolica、リシリコンブS. japonica var.ochotensis、ホソメコンブS. japonica var.religiosaは、形態的にも遺伝的にもマコンブと区別できないことから、マコンブと統合して同種...
キーワード:シリコン/水田/集団遺伝学/遺伝学
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発表日:2026年2月14日
29
イヌの血管肉腫の新規患者由来モデルを樹立
~糖が乏しい環境で働くリジンラクチル化の新たな役割を発見~(獣医学研究院講師 青島圭佑)
北海道大学大学院獣医学研究院の青島圭佑講師、同大学大学院獣医学院博士課程の鈴木玲海氏らの研究グループは、イヌの血管肉腫の培養細胞株と患者腫瘍由来異種移植モデル(PDXモデル)を新規に樹立し、グルコース(糖)が乏しい環境下におけるリジンラクチル化の新たな働きを見出しました。血管肉腫は犬に好発する悪性腫瘍であり、新たな治療法開発のために基礎研究の発展が必要ですが、研究に必要なモデルが限られていることが課題でした。本研究では、イヌの血管肉腫の新規培養細胞株二株とPDXモデル三株を樹立しました。これらのモデルは腫瘍本来の特徴を保持しており、血管肉腫の本質を理解する上で有用なモデルになること...
キーワード:クラウド/グルコース/転写開始点/獣医学/培養細胞株/異種移植/細胞株/肉腫/代謝産物/悪性腫瘍/ストレス応答/培養細胞/ストレス/遺伝子/遺伝子発現
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発表日:2026年2月6日
30
血糖生成酵素MGAMの分子構造と阻害機構を解明
~血糖値上昇を抑制する新規薬剤・食品開発への貢献に期待~(農学研究院准教授 田上貴祥)
北海道大学大学院農学研究院の田上貴祥准教授、奥山正幸教授らと、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所構造生物学研究センターの川崎政人准教授、安達成彦特任准教授(研究当時。現 筑波大学生存ダイナミクス研究センター准教授)、千田俊哉教授らの研究グループは共同で、血糖を生成する酵素であるマルターゼ-グルコアミラーゼ(MGAM)が拮抗阻害剤AC5によって阻害される仕組みを分子レベルで明らかにしました。MGAMは哺乳類の小腸に存在する澱粉消化酵素の一つです。MGAMの阻害は、食後血糖値の急激な上昇(血糖値スパイク)を抑制し、2型糖尿病の予防や治療に有効です。しかし、MGAMを...
キーワード:高エネルギー/加速器/速度論/分子構造/ダイナミクス/電子顕微鏡/哺乳類/クライオ電子顕微鏡/血清/構造生物学/小腸/阻害剤/立体構造/2型糖尿病/糖尿病
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発表日:2026年2月5日
31
人工衛星で過去にタイムスリップ!!
~30年前の漁業被害、最新の予測技術で原因究明に成功~(水産科学研究院准教授 阿部泰人)
北海道大学大学院水産科学研究院の阿部泰人准教授らの研究グループは、ホタテガイやタラ類、カレイ類、エビ類などの水産資源が豊富な北海道南部の噴火湾(別名内浦湾、海底水深約100m)において、30年前の1995年夏季に深刻な漁業被害をもたらした「貧酸素水塊」の発生を、長期間海洋をモニタリングしている人工衛星等の環境データと最新の予測モデルを用いて再現することに成功しました。貧酸素水塊は、著しく水中の酸素濃度が低い水塊(酸素濃度2ml/l以下)です。世界中の閉鎖性水域の海底付近で発生することが知られており、一旦これが発生すると、呼吸で酸素を必要とする底生魚類などの海洋生物が酸欠状態に陥り、...
キーワード:海氷/酸素濃度/海洋/環境モニタリング/貧酸素水塊/溶存酸素/オホーツク海/地球観測/衛星/センシング/モニタリング/リモートセンシング/衛星リモートセンシング/海洋環境/人工衛星/海洋生物/漁業/親潮/hypoxia/予測モデル
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発表日:2026年2月4日
32
皮脂ワックスエステルの詳細な組成と合成酵素を解明
~乾燥肌、ニキビ、脱毛の治療及び診断法の開発に期待~(薬学研究院教授 木原章雄)
北海道大学大学院薬学研究院の木原章雄教授らの研究グループは、皮脂を構成するワックスエステル(ワックス)のタイプ及び分子種の詳細について明らかにしました。皮脂は保湿、撥水、抗菌、体温維持、毛の保持などの役割を担い、皮脂の分泌量の増減や組成の変化はニキビ(ざ瘡)、乾燥肌、脂漏性皮膚炎、脱毛症などの皮膚疾患を引き起こします。ワックスエステルはワックスモノエステルとワックスジエステルに分類され、ワックスジエステルはさらに異なったタイプに分類されます。これまで皮脂中のワックスエステルのタイプ及び詳細な分子種とその生合成に関わる酵素/遺伝子には不明な点が多く残されていました。研究グループは液体...
キーワード:エステル/質量分析/選択性/モニタリング/モデル生物/診断法/哺乳類/生合成/分子機構/クロマトグラフィー/マウス/遺伝子ノックアウト/皮膚疾患/遺伝子
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発表日:2026年2月4日
33
受胎前被ばくが導く次世代ミトコンドリアDNAの臓器特異的再編
~ミトコンドリアゲノムから読み解く放射線の次世代影響~(保健科学研究院准教授 福永久典)
北海道大学大学院保健科学研究院の福永久典准教授らの研究グループは、両親の妊娠前の放射線被ばくが、子どもの各臓器におけるミトコンドリアDNAの量(コピー数)に影響することを、マウスを用いた実験で明らかにしました。また、その影響は臓器ごとに異なる形で現れることも分かりました。さらに、肝臓のミトコンドリアDNAコピー数が小さいほど、肝重量が大きいという関連もみられ、ミトコンドリアゲノム量的制御の変化と出生時の臓器成長との関連も新たに示唆されました。放射線次世代影響とミトコンドリアゲノムを結ぶこの新たな知見は、今後、より安全で合理的な放射線防護・健康リスク評価を可能とする基盤的知見として活...
キーワード:放射線防護/ミトコンドリアDNA/健康リスク/リスク評価/ミトコンドリアゲノム/心臓/マウス/ミトコンドリア/ゲノム/遺伝学/妊娠/放射線
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発表日:2026年1月29日
34
魚類の「鮮度(K値)」の数理的予測モデルの開発に成功
~魚類の商品価値向上・寿命延長・フードロス低減・輸出促進への貢献に期待~(工学研究院坪内直人 准教授)
北海道大学大学院工学研究院の坪内直人准教授と篠原祐治博士研究員の研究グループは、致死後の魚類に係るアデノシン三リン酸(ATP)関連化合物の分解挙動に基づき、(ATP+アデノシン二リン酸+アデノシン一リン酸)⇒イノシン酸(IMP)⇒(イノシン+ヒポキサンチン)の一次不可逆逐次反応を仮定し、速度定数に温度依存性を有する鮮度K値の数理的予測モデルを開発しました。また、北海道立工業技術センター(函館地域産業振興財団)の吉岡武也専門研究員と共同で、このK値予測モデルの妥当性と汎用性をマアジ・マサバ(文献値)及びホッケ(実測値)で実証しました。なお、本モデルは旨味成分であるIMPの濃度の時間変化も良好に...
キーワード:イノシン/電気泳動/地域産業/温度依存性/センサー/非接触/リン酸/アデノシン/寿命/妥当性/予測モデル/ATP
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発表日:2026年1月28日
35
樽材向き北海道産ミズナラ、成長のカギを明らかに
~持続可能な樽材用立木育成への貢献に期待~(北方生物圏フィールド科学センター教授 吉田俊也)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程の仲谷 朗氏と同大学北方生物圏フィールド科学センターの吉田俊也教授、北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場の村上 了主査、大崎久司主査、同機構森林研究本部林業試験場の大野泰之森林経営部長の研究グループは、ウイスキーの樽材として需要が急増しているミズナラを対象に、237個体の材のねじれ(繊維傾斜)度合や、チロースの出現比率を調べ、個体ごとの生育特性(年輪幅や木口面の偏心度、立地環境など)との関係を分析しました。その結果、成長が遅く、年輪の中心(髄)が偏っていない個体は材のねじれ度合が小さく、道管に形成されるチロースの割合が多くなるため、液漏れ...
キーワード:環境変化/持続可能/ミズナラ/二次林
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発表日:2026年1月16日
36
バイオマス由来糖類を効率よく分解する触媒反応を開発
~バイオマス由来糖類の利用拡大に期待~(触媒科学研究所教授 中島清隆)
北海道大学触媒科学研究所のナヴヤ・サブレイ・バット非常勤研究員(研究当時)、大須賀遼太助教、中島清隆教授らの研究グループは、植物の主要な構成成分であり自然界に豊富に存在するグルコースを原料として、炭素数4の希少糖であるエリスロース(ERT)と炭素数2の炭水化物であるグリコールアルデヒド(GA)を高い選択率で合成できる新しい触媒反応系を開発しました。化学産業におけるCO2排出量の大幅削減を達成するためには、現在の化学産業を下支えしている炭素数2~4の炭素骨格をもつ汎用分子(エチレン、プロピレン、ブテン)を、非可食バイオマスをはじめとする再生可能炭素資源から供給で...
キーワード:炭素循環/ピレン/触媒反応/グルコース/プロピレン/固体触媒/カーボンニュートラル/CO2排出量/カーボン/二酸化炭素/エチレン/バイオマス/炭水化物/アルデヒド/誘導体
他の関係分野:環境学化学生物学工学医歯薬学
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発表日:2026年1月16日
37
予後不良な子宮体がんにおける炎症の関与機構を解明
〜子宮体がんの新規治療標的としてL1CAM_NF-κB経路に期待〜(医学研究院教授 谷口浩二)
北海道大学大学院医学研究院の谷口浩二教授、渡利英道教授及び同大学大学院医学院博士課程の黒須博之氏らの研究グループは、子宮体がんにおいて予後不良因子とされる細胞接着分子L1CAMが、炎症性転写因子NF-κBを活性化することで、がん細胞の増殖や治療抵抗性を引き起こすことを明らかにしました。これまで同グループは臨床データからL1CAMが子宮体がんの予後不良因子であることを報告していましたが、その分子メカニズムは不明でした。本研究では、L1CAMがNF-κB経路を介して細胞周期を促進することで腫瘍を進行させ、抗がん剤(化学療法)に対する抵抗性を高めることを細胞実験及び患者検体解析により明ら...
キーワード:CAM/抵抗性/細胞接着分子/子宮/治療抵抗性/治療標的/子宮体がん/NF-κB/がん細胞/シスプラチン/細胞周期/細胞接着/接着分子/阻害剤/転写因子/化学療法/個別化医療/抗がん剤
他の関係分野:工学医歯薬学
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発表日:2026年1月6日
38
太平洋側北極海の「亜寒帯化」は夏に進行することを解明
~プランクトンの12年間の長期観測データを日韓共同で解析~(北方生物圏フィールド科学センター准教授 松野孝平)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの松野孝平准教授、同大学大学院水産科学研究院の山口 篤准教授、韓国極地研究所のジ―フーン キム博士らの研究グループは、2008-2021年の12年間にわたる太平洋側北極海における動物プランクトン群集と海洋環境データを日韓共同で解析し、太平洋群集が8月には増加するが、9月になると急速に減少することを明らかにしました。動物プランクトンは、海洋生態系における重要な仲介者であり、植物プランクトンの一次生産に起因する有機物を、高次生物へ受け渡します。また動物プランクトンは、寿命が短く、⽔中を漂うため、海氷衰退のような気候変動の影響を受けやすいと考えら...
キーワード:季節変化/海氷/極地/北極海/海洋/地球温暖化/気候変動/海洋環境/有機物/生態系/プランクトン/温暖化/海洋生態/海洋生態系/植物プランクトン/動物プランクトン/寿命/将来予測
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学工学医歯薬学
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発表日:2026年1月6日
39
「光る精子」をもつ精子形成可視化マウスの開発に成功
~革新的な生殖毒性スクリーニング技術・イノベーションの創出に期待~(保健科学研究院准教授 福永久典)
北海道大学大学院保健科学研究院の福永久典准教授(環境健康科学研究教育センター副センター長)、同大学大学院医学研究院の白土博樹教授、大阪大学微生物病研究所の宮田治彦准教授、英国クイーンズ大学ベルファストのケヴィン プライズ教授らの国際共同研究グループは、雄マウスの精子形成を生体内でリアルタイム可視化できる新しい遺伝子改変動物モデルの開発に成功しました。男性生殖機能に対する医薬品・環境化学物質・放射線などの影響を調べる生殖毒性試験は、新薬開発や環境リスク評価に不可欠です。しかし従来は、マウスを交配させて受胎を確認したり、解剖して精巣組織を解析したりするなど、時間・労力・個体数のコストが...
キーワード:毒性評価/化学物質/環境リスク/生殖/リスク評価/遺伝子改変/生体内/微生物/生殖細胞/ノックイン/ノックインマウス/精子形成/遺伝子改変動物/精巣/男性不妊/動物モデル/がん治療/スクリーニング/マウス/ラット/精子/創薬/遺伝子/動物実験/非侵襲/放射線
他の関係分野:複合領域環境学生物学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年12月26日
40
熱帯泥炭地は温室効果気体の巨大排出源である
~排出量推定法の開発と排出削減への貢献~(農学研究院教授平野高司)
北海道大学大学院農学研究院の平野高司教授らの研究グループは、東南アジアの低平地に広がる熱帯泥炭地(18万km2)からの温室効果気体(GHG =二酸化炭素(CO2)+メタン(CH4))の排出量を推定し、詳細な分布図(空間分解能463 m)を月単位で作成することに世界で初めて成功しました。東南アジアに広がる泥炭地は湿地林と共生してきました。地下水位が高いため枯死木の分解が遅く、膨大な量の有機炭素を泥炭として地中に蓄えてきましたが、近年の大規模農地開発で地下水位が低下して泥炭分解が進み、大量のCO2が...
キーワード:エルニーニョ/温室効果/光合成/CO2排出量/メタン/二酸化炭素/二酸化炭素/分解能/農地/生態系/土地利用/土地利用変化/空間分解能
他の関係分野:数物系科学生物学工学医歯薬学
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発表日:2025年12月24日
41
北限域のニホンウナギ、生息の鍵は「夏の水温」
~北海道南部105河川の調査から見えたウナギの分布を決める流域特性~(北方生物圏フィールド科学センター教授 岸田治)
北海道大学大学院環境科学院修士課程の村松寛太氏(研究当時、現 長野西高等学校教諭)と同大学北方生物圏フィールド科学センターの岸田 治教授は東京大学、海洋研究開発機構と共同で、北限域のニホンウナギ(Anguilla japonica)がどのような河川にいるのかを明らかにしました。北海道南部105河川で黄ウナギ(以下、「ウナギ」)の生息状況を調査し、52河川で計222個体を確認しました。調査の結果、ウナギが多く確認される川がある一方で、まったく確認されない川もあること、さらにこれらの生息状況が地域的なまとまりをもって現れることが分かりました。生息状況の違いを生み出す要因を...
キーワード:海洋/農地/土地利用/ウナギ/ニホンウナギ
他の関係分野:環境学
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発表日:2025年12月15日
42
ゆっくり動く水生動物の行動を"見える化"
~マナマコの移動を捉える新解析手法を確立~(水産科学研究院教授 高木力)
北海道大学大学院水産科学研究院の高木 力教授、同大学大学院環境科学院博士後期課程の田中優斗氏、同大学大学院水産科学院修士課程の篠野惠利香氏(研究当時)及び神田紘暉氏(研究当時)、道立総合研究機構函館水産試験場の酒井勇一主任主査らの研究グループは、音響テレメトリーとデータ同化手法を組み合わせ、これまで目視に頼っていたマナマコの移動を長期間かつ高精度で追跡する手法を確立しました。特に放流後の移動分散行動については、これまでほとんど明らかにされてこなかった分野であり、今後の応用が期待されます。さらに、フラクタル次元解析を用いることで、10月(夏眠期)と2月(成長期)における行動の「複雑性」や「活性...
キーワード:複雑性/沿岸生態系/フラクタル/フラクタル次元/底生動物/データ同化/音響計測/底生生物/生態系/資源管理/成長期
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学生物学工学医歯薬学
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発表日:2025年12月15日
43
イッカクが水中録音機器に接触することを発見
~係留系の安全性に疑問を提起~(北極域研究センター准教授ポドリスキ エブゲニ)
北海道大学北極域研究センターのポドリスキ エブゲニ准教授、国立極地研究所北極観測センターの小川萌日香特任助教、北海道大学大学院水産科学研究院の大槻真友子特任助教、長谷川浩平助教、同大学低温科学研究所・北極域研究センターの杉山 慎教授らの研究グループは、イッカクが水中録音機器に接触することを発見しました。 海洋観測において、水温計など海洋観測機器を海中に固定し自動的にデータを記録する係留系という仕組みがあります。係留系に水中録音機器を取り付け、クジラなど海棲哺乳類の鳴音を記録し、分布や行動を調べることができます。本研究では、グリーンランド北西部カナック村周辺において水中録音機器を2年...
キーワード:極域/極地/北極海/海洋/海洋観測/モニタリング/哺乳類
他の関係分野:環境学数物系科学工学
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発表日:2025年12月13日
44
気候変動による生息環境変化が日本産サケを減少させる
~サケ資源管理や保全への貢献に期待~(北極域研究センター特任助教 アイリーンアラビア)
北海道大学北極域研究センターのアラビア アイリーン ドロルフィーノ特任助教、齊藤誠一研究員、ホルヘ ガルシア モリノス准教授、平田貴文特任准教授、帰山雅秀研究員、同大学大学院水産科学研究院の上野洋路教授、北見管内さけ・ます増殖事業協会の宮腰靖之博士、Green Life Innovation Inc.の高橋文宏氏らの共同研究グループは、1998年から2022年における北太平洋の海洋環境の変化と日本産サケのバイオマス動態との関係を分析しました。その結果、サケの摂餌海域と越冬海域が著しく変化しており、特に北太平洋の生息南限における生息域が減少し、生息北限はベーリング海北部やチュクチ海南部へ拡大し...
キーワード:環境変化/極域/空間分布/海洋/気候変動/北太平洋/海洋環境/ベーリング海/バイオマス/サケ/プランクトン/温暖化/資源管理/動物プランクトン
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学工学
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発表日:2025年12月8日
45
海氷生産海域から放出される物質をグリーンランドの積雪から検出
~アイスコアを用いたノースウォーター・ポリニヤの海氷変動と海洋生物活動の復元に期待~(低温科学研究所特任助教 黒﨑豊)
北海道大学低温科学研究所の黒﨑 豊特任助教、的場澄人助教、飯塚芳徳教授らの研究グループは、グリーンランド北西沿岸部の氷河・氷床上を犬橇で移動しながら積雪を採取し、この地域の積雪中の非海塩性硫酸イオン(nssSO42−)濃度とメタンスルホン酸(MSA)濃度が隣接するノースウォーター海域の過去の海氷変動と海洋生物活動を復元する指標になることを示しました。ノースウォーター海域は、強い北風と暖流の影響を受けて海氷の生成と流出が繰り返されるポリニヤ域です。ポリニヤの形成・維持機構の変化は、その周辺の海氷変動や海洋生物活動、水・物質循環に大きく影響し...
キーワード:アイスコア/海氷/海洋/環境変動/メタン/環境情報/海洋生物/プランクトン/植物プランクトン/物質循環/スルホン酸
他の関係分野:環境学工学医歯薬学
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発表日:2025年12月8日
46
海を越えても共通だった小型蛾類の食性進化パターン
~日本固有の新種の存在も明らかに~(農学研究院教授 吉澤和徳)
北海道大学大学院農学院博士後期課程1年の澤田昌恭氏、同大学大学院農学研究院の吉澤和徳教授、京都府立大学大学院生命環境科学研究科の大島一正教授らの研究グループは、新種トチニセキンホソガを含む近縁な蛾類昆虫の間で繰り返し起きた餌植物利用パターンの進化を明らかにしました。ニセキンホソガ属蛾類の幼虫は種ごとに異なる餌植物を利用しますが、カエデを利用する種及びトチノキを利用する種の存在が北半球から複数知られていました。本研究では、それらの種の詳細な系統関係を初めて明らかにし、ニセキンホソガ属の進化過程で餌植物がどのように変更されてきたかを検討しました。その結果、各トチノキ利用種はそれぞれ異な...
キーワード:遺伝構造/植食性昆虫/集団遺伝学/遺伝学
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2025年12月2日
47
多くの"仮足"を巧みに使う有殻アメーバの動き方を解明
~単細胞生物とは思えない精密な運動の仕組み~(電子科学研究所准教授 西上幸範)
北海道大学大学院電子科学研究所の西上幸範准教授、中垣俊之教授、谷口篤史博士研究員、北海道大学大学院生命科学院博士後期課程(研究当時)の松本絃汰氏らの研究グループは、山形大学理学部の野村真未助教、法政大学自然科学センター・国際文化学部の島野智之教授、リヨン第1大学のリウ ジャンーポール教授、富山大学の佐藤勝彦特命教授らとともに、殻を背負って生活するアメーバ「ナベカムリ」のアメーバ運動を力学的側面から詳細に調べました。ナベカムリは細胞体がキチン質の殻に囲まれていますが、その殻の底面に開いた一つの孔から複数の仮足を伸ばし、殻を引っ張りながら移動します。この移動様式は多くの接着性細胞が行う一般的なア...
キーワード:応力場/弾性率/環境適応/キチン
他の関係分野:数物系科学化学生物学
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発表日:2025年12月1日
48
ヤクシカの高い遺伝的多様性に数千年前の巨大噴火が影響
~火砕流によるボトルネックからの回復が多様性増加をもたらした~(北方生物圏フィールド科学センター学術研究員 揚妻-柳原芳美)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの揚妻-柳原芳美研究員、揚妻直樹教授、同大学大学院地球環境科学研究院の早川卓志助教の研究グループは、世界自然遺産地域を含む鹿児島県屋久島の全域を対象に、ニホンジカの固有亜種であるヤクシカの遺伝的多様性を調査しました。屋久島は標高1,800mを超す山々が連なる山岳島のため、捕獲個体から遺伝子試料を採取する従来のやり方では全島的な遺伝解析は困難でした。しかし、研究グループはシカの糞から遺伝子解析する手法を独自に開発していたため、山岳部を含む屋久島全域での遺伝解析をすることができました。糞から抽出したミトコンドリアDNAの中でも変異速度の速い領域を分析した...
キーワード:個体群/ミトコンドリアDNA/世界遺産/ボトルネック/火砕流/地球環境/ニホンジカ/遺伝的多様性/遺伝子解析/ミトコンドリア/遺伝子
他の関係分野:生物学工学医歯薬学
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発表日:2025年11月30日
49
栄養不足が植物の病害抵抗性を弱める原因を解明
~異常気象下での作物収量増産への貢献に期待~(理学研究院准教授 佐藤長緒)
北海道大学大学院理学研究院の佐藤長緒准教授、眞木美帆博士研究員、奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科バイオサイエンス領域の西條雄介教授、安田盛貴助教、名古屋大学遺伝子実験施設の多田安臣教授、野元美佳講師、徳島大学大学院社会産業理工学研究部の山田晃嗣准教授らの研究グループは、植物が細胞内の栄養やエネルギー不足により、病害細菌への抵抗性が低下する仕組みを明らかにしました。世界中で生産される農作物は病害による大きな損失を受けており、人口増加に対応した食糧の確保・増産を目指す上で大きな課題になっています。また、近年の研究から、高温や高湿度といった環境ストレス下では、植物の免疫活性が...
キーワード:人口増加/異常気象/センサー/哺乳類/植物免疫/病害抵抗性/病原菌/シロイヌナズナ/環境ストレス/抵抗性/病原体/免疫制御/AMPK/細菌感染/ストレス/遺伝子/遺伝子発現/細菌
他の関係分野:環境学数物系科学工学医歯薬学
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発表日:2025年11月23日
50
コケの胞子、宇宙でも生き延びる
~持続可能な宇宙居住への第一歩~(理学研究院教授 藤田知道)
北海道大学大学院生命科学院のメンチャンヒョン博士研究員、同大学大学院理学研究院の藤田知道教授、宮城大学の日渡祐二教授、中村恵太博士課程学生、九州大学の松田 修助教、久米 篤教授、福岡工業大学の三田 肇教授、筑波大学生命環境系の富田・横谷香織講師(研究当時)、東京薬科大学の横堀伸一准教授、山岸明彦名誉教授からなる研究グループは、モデルコケ植物「ヒメツリガネゴケ」の胞子(種子植物の「種子」に相当する生殖構造体)が実際の宇宙空間で長期間生存できることを世界で初めて実証しました。国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟に設置された船外実験装置を用いてヒメツリガネゴケの胞子を含む...
キーワード:国際宇宙ステーション/コケ植物/生殖/持続可能/紫外線/極低温/極限環境/生態系
他の関係分野:数物系科学生物学工学総合生物
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発表日:2025年11月6日
51
キトサンとカテコールから高強度バイオ接着剤を開発
~湿潤環境での接着で医療材料への応用に期待~(地球環境科学研究院教授 小野田晃)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の小野田晃教授、北海道立総合研究機構の瀬野修一郎主査、苫小牧工業高等専門学校の甲野裕之教授、ラ・セレナ大学のマルティネス・ロニー准教授からなる国際共同研究チームは、多糖キチンから得られるキトサンとムラサキイガイの接着タンパク質に由来するカテコール基を持つ3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(DB)を混ぜ合わせるだけで高性能なバイオ接着剤を得る新手法を開発しました。本法は添加剤を一切必要とせず、2時間の反応で高強度接着剤を調製でき、従来法と比較して資源循環型社会に適したプロセスです。キトサンとDBの複合接着剤は木板同士を最大3.12 MPa、豚皮同士を最大0....
キーワード:循環型社会/持続可能/地球環境/コーティング/機能性材料/資源循環/添加剤/機能性/脱アセチル化/アルデヒド/キチン/アセチル化/誘導体
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発表日:2025年11月5日
52
環状リポペプチドの化学-酵素ハイブリッド合成
~有用生物活性環状ペプチドの迅速な同定に期待~(薬学研究院教授 脇本敏幸、准教授 松田研一)
北海道大学大学院薬学研究院の脇本敏幸教授、松田研一准教授らの研究グループは、同大学大学院薬学研究院の市川 聡教授、勝山 彬講師、国立感染症研究所の星野仁彦博士、深野華子博士、平林亜希博士、鈴木仁人博士らとの共同研究により、非リボソームペプチド環化酵素を利用した環状リポペプチドの効率的な化学―酵素的合成法を開発しました。大環状骨格と脂肪側鎖を併せもつ環状リポペプチドは重要な抗菌化合物群ですが、化学構造が複雑なため構造多様性に富むライブラリー構築は困難です。本研究では、ペプチド主鎖両末端を結合するhead-to-tail型の非リボソームペプチド環化酵素が、基質設計の工夫によりhead-...
キーワード:酵素合成/有機合成化学/生物活性/リボソーム/ペプチド合成/生合成/生合成酵素/酵素反応/結核/アシル化/環状ペプチド/合成化学/有機合成/感染症
他の関係分野:化学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年11月1日
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プロバイオティクスで子牛のワクチン応答を増強
~既存のワクチンプログラムへの応用に期待~(獣医学研究院教授 今内覚)
北海道大学大学院獣医学研究院の今内 覚教授、同大学大学院国際感染症学院博士課程の池端麻里氏、同大学大学院獣医学研究院の岡川朋弘招へい教員、同大学総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点の鈴木定彦特任教授らの研究グループは、プロバイオティクスの給与が子牛のワクチンに対する免疫応答を増強することを証明しました。家畜の感染症に対する治療法には多くの抗菌剤が使用されていますが、過剰量の抗菌剤投与に伴う薬剤耐性菌の問題が世界規模で指摘されています。そのため、動物用ワクチンは抗菌剤に依存しない感染症の防御法としてますます重要視されています。しかし、既存のワクチンの単独使用では家畜の感染症...
キーワード:生産性/免疫調節/細胞応答/プロバイオティクス/獣医学/感染症対策/T細胞/抗菌剤/免疫応答/ワクチン/感染症/薬剤耐性
他の関係分野:工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年10月30日
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国産キングサーモンの完全養殖にはじめて成功
~キングサーモン養殖への貢献に期待~(水産科学研究院教授 藤本貴史)
北海道大学大学院水産科学研究院の藤本貴史教授らの研究グループ、函館国際水産・海洋都市推進機構、函館市農林水産部のチームは、「函館マリカルチャープロジェクト」(地方大学・地域産業創生交付金事業)のキングサーモン完全養殖技術研究において、国内ではじめて天然採捕個体に由来するキングサーモンの完全養殖に成功しました。今回の完全養殖の達成では、2022年に函館沿岸の定置網で天然採捕されたキングサーモンの卵と精子の人工授精によって得られた人工種苗が親魚に用いられています。2025年7月下旬〜8月上旬にかけて、成熟メス親魚16個体から得られた約26,000粒の卵と36個体の成熟オスから得られた精...
キーワード:海洋/胚発生/地域産業/種苗生産/精子
他の関係分野:環境学生物学工学医歯薬学
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発表日:2025年10月29日
55
応力光学法則の適用限界を明らかに
~複雑流動の光弾性計測に新たな指針~(工学研究院教 授田坂裕司)
北海道大学大学院工学研究院の田坂裕司教授、ペンシルバニア大学の能登大輔研究員(研究当時:北海道大学大学院工学研究院)、名古屋大学の大家広平助教(研究当時:北海道大学大学院工学研究院)の研究グループは、複屈折による光弾性計測を複雑な流体の非定常せん断流れに用いた場合、呈する干渉色とその時間変化が、必ずしも局所の流れのひずみやひずみ速度などと一致しないことを、精緻な流れの計測により明らかにしました。この結果は、現在開発が進む、光弾性を用いた流れの応力場計測法とその適用に一石を投じるものであり、新たな開発の指針とさらなるイノベーションがもたらされることが期待されます。様々な機能性を持つゲ...
キーワード:水溶液/複雑流体/応力場/時間変動/数値計算/高分子/複屈折/せん断/ひずみ/プラスチック/生産性/非定常流/非定常流れ/機能性/緩和時間
他の関係分野:数物系科学化学工学
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発表日:2025年10月28日
56
運動による生物時計の調節に性差が存在:
~メスマウスを用いた世界初の検証~(教育学研究院准教授 山仲勇二郎)
北海道大学大学院教育学研究院の山仲勇二郎准教授らの研究グループは、習慣的な運動による生物時計の調節に性差が存在することを、世界で初めて明らかにしました。生物時計は、約24時間周期で自律的に振動する内因性の時間調節機構であり、ヒトを含む哺乳類では、脳内視床下部の視交叉上核(SCN)がその中枢として機能しています。SCNは、地球の自転による明暗サイクルに同調するとともに、全身の末梢臓器や中枢神経系に時刻情報を伝達することで、行動リズムと生理機能を時間的に統合しています。生物時計の調節は主に光によって行われますが、運動などの非光刺激によっても調節可能であることが知られています。...
キーワード:視交叉上核/神経系/生物時計/時間生物学/相変化/光刺激/哺乳類/視床/視床下部/中枢神経/健康管理/生理機能/体内時計/中枢神経系/マウス/睡眠
他の関係分野:生物学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年10月26日
57
犬や猫から分離された薬剤耐性菌「緑膿菌」の特徴を明らかに
~一部は人とペットで共有される可能性を示唆~(獣医学研究院准教授 佐藤豊孝)
北海道大学大学院獣医学研究院のジラチャヤ・トイティン-平石博士研究員、同大学大学院獣医学研究院、同大学One Healthリサーチセンターの佐藤豊孝准教授らの研究グループは、2024年に、全国19都道府県の111の動物病院から収集した伴侶動物(犬・猫)由来の緑膿菌株について、各種抗菌薬に対する感受性の評価と、耐性菌株の性状解析を実施しました。その結果、全体の約18%が人の医療上重要なカルバペネム系抗菌薬に対して非感受性を示し、人由来株と共通する菌株系統も確認されました。これらの知見は、薬剤耐性緑膿菌が人と犬・猫の双方に関わる可能性を示しており、今後は「One Health(ワンヘル...
キーワード:クローン/健康リスク/獣医学/抗菌薬/薬剤耐性/緑膿菌
他の関係分野:生物学工学医歯薬学
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発表日:2025年10月23日
58
食用海藻スジアオノリで精密なゲノム編集技術を確立
~遺伝子レベルで成長や香りの仕組みを解明する新たな道を開く~(水産科学研究院准教授 宇治利樹)
北海道大学大学院水産科学院博士後期課程の秦 政氏、同大学大学院水産科学研究院の宇治利樹准教授、水田浩之教授らの研究グループは、抗生物質耐性遺伝子を選択マーカーとして利用し、その遺伝子カセットをゲノム編集技術(CRISPR/Cas)で標的遺伝子座にノックインする手法を開発しました。この方法により、遺伝子の位置や機能を高精度に特定できるようになり、有用遺伝子の探索や機能解析が効率的に可能になります。緑藻スジアオノリは、食用として香りや味に優れる一方で、アオノリ類は条件が揃うと大規模な藻類ブルーム(大量発生)を引き起こし、漁業や観光に被害を与える二面性を持っています。アオノリの成長や香り、環境適応...
キーワード:ブルーム/環境適応/遺伝子改変/水田/ゲノム編集技術/漁業/ノックイン/機能解析/CRISPR/遺伝子機能解析/ゲノム編集/抗生物質/ゲノム/遺伝子
他の関係分野:数物系科学生物学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年10月20日
59
バイオリサイクルに革新:PET分解酵素の活性を69%向上
〜疎水性アルキル鎖をN末端に連結する簡便な酵素改変技術を開発〜(地球環境科学研究院教授 小野田晃)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の小野田晃教授、北海道立総合研究機構の瀬野修一郎主査、名古屋大学大学院理学研究科、自然科学研究機構 生命創成探究センターの内橋貴之教授らの国際共同研究チームは、酵素を用いたPETリサイクル技術に革新的な改良を加えることに成功しました。研究チームは、ペットボトルや繊維製品に広く使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)を分解する酵素クチナーゼのN末端に疎水性アルキル鎖を連結し、分解活性を強化する新技術を開発しました。この改変技術は、遺伝子組換えを必要とせず、簡便な化学反応で酵素を改良できます。疎水性部位を連結した酵素は、PET表面により強く吸着し、本来の触...
キーワード:循環型社会/フィルム/ポリエチレンテレフタレート/酵素分解/走査型電子顕微鏡/加水分解/ポリエチレン/水分解/持続可能/地球環境/表面分析/AFM/プラスチック/リサイクル/原子間力顕微鏡/電子顕微鏡/SEM/エチレン/高速原子間力顕微鏡/TPA/遺伝子
他の関係分野:環境学化学工学医歯薬学
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発表日:2025年10月15日
60
北海道中川町で化石を含む琥珀を大量発見
~世界的にも希少な太古の陸上生態系の記録~(理学研究院准教授 伊庭靖弘)
北海道大学大学院理学研究院の伊庭靖弘准教授、大阪公立大学大学院理学研究科の久保田彩講師、エディンバラ大学の谷口 諒JSPS海外特別研究員、中川町教育委員会の疋田吉識教育長は、北海道北部の中川町で産出する約1億1,500万年前(前期白亜紀)の琥珀が多様な生物化石群を保存していることを明らかにしました。琥珀は樹木から分泌された樹脂が化石化したもので、取り込んだ生物を化石として極めて良好に保存する媒体として知られています。太古の森林に由来する琥珀とその内部に保存された化石は、当時の陸上生態系を高解像に復元するための材料として注目を集めてきました。ところが、化石を含む琥珀が大量に産出するこ...
キーワード:古生物学/白亜紀/樹脂/生態系/解剖学
他の関係分野:数物系科学工学医歯薬学
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発表日:2025年10月15日
61
詳細スケールでのエゾシカ捕獲の効果をはじめて解明
~効率的なエゾシカ対策に貢献~(文学研究院准教授 上野真由美)
北海道大学大学院文学研究院の上野真由美准教授は、北海道立総合研究機構、森林総合研究所及び東京農工大学と共同で、捕獲の強化策によるエゾシカの減少効果が地域内で異なり、高密度エリアでその効果が高いことを明らかにしました。このことは、地域全体の個体数管理を効率的に進めるためには、捕獲努力の配分を最適化することが望ましいという結論を導きます。有蹄類の過剰増加を防ぐため、捕獲(狩猟や有害駆除など)による個体数管理は、世界各地で実施されてきましたが、捕獲対策の強化が個体群内の動態に及ぼす影響については定量的な知見が限られています。本研究では、北海道釧路地域における23 km²メッシュエリア単位...
キーワード:最適化/個体群/規制緩和/ニホンジカ
他の関係分野:情報学生物学工学
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発表日:2025年10月14日
62
小天体の捕獲による火星衛星の形成メカニズムを解明
~火星衛星探査による地球型惑星の水・有機物の起源の解明に期待~(理学研究院教授倉本圭、博士研究員 松岡亮)
北海道大学大学院理学研究院の松岡 亮博士研究員と倉本 圭教授(宇宙航空研究開発機構JAXA宇宙科学研究所教授を兼任)の研究グループは、太陽を周回する小天体が惑星に捕獲されることによって形成される衛星の軌道が、火星の衛星(フォボス・ディモス)の軌道と整合することを、理論的解析とコンピューターシミュレーションによって明らかにしました。火星には、二つの小さな衛星、フォボスとディモスがあります。これらの反射スペクトルは特定のタイプの炭素質小惑星との類似性を示すことから、小惑星が捕獲されて衛星が形成されたとする「捕獲説」が提唱されてきました。しかし従来の捕獲説には、太陽を周回していた天体が衛...
キーワード:反射スペクトル/スペクトル/宇宙科学/衛星/小惑星/太陽/太陽系/地球型惑星/惑星/シミュレーション/有機物/TEMPO
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年10月9日
63
中央北極海のメルトポンドの栄養塩動態を解明
~海氷栄養塩循環におけるメルトポンドの重要性を提示~(水産科学研究院教授 野村大樹)
北海道大学大学院水産科学院博士後期課程1年の秋野僚太氏、同大学大学院水産科学硏究院の野村大樹教授、東海大学生物学部海洋生物科学科の野坂裕一講師、国立極地研究所の猪上淳教授、ドイツ・アルフレッドウェゲナー極地海洋研究所などの国際共同研究グループは、2019年から2020年に行われた中央北極海での通年漂流観測「MOSAiC」計画に参画し、「メルトポンド」(海氷が融けてできた水たまり)において、藻類が光合成をするのに必須な成分「栄養塩」の特性についての観測結果を発表しました。メルトポンドは夏の北極でよく見られる現象であり、近年の温暖化によって増加が報告されています。MOSAiC計画では夏...
キーワード:海氷/極地/北極海/海洋/環境変動/バクテリア/光合成/栄養塩/有機物/海洋生物/プランクトン/温暖化/動物プランクトン
他の関係分野:環境学数物系科学生物学工学
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発表日:2025年10月7日
64
アルデヒドオキシダーゼの阻害機構に関する新規知見
~新たな薬物間相互作用の可能性~(薬学研究院教授 小林正紀)
北海道大学大学院薬学研究院の上田一奈太助教、鳴海克哉講師、小林正紀教授らの研究グループは、多元受容体作用抗精神病薬クエチアピンが代謝酵素アルデヒドオキシダーゼ(AOX)の還元反応に対し、競合的な阻害効果を示すことを明らかにしました。AOXは、様々な抗がん剤や免疫抑制剤、睡眠薬の代謝を行うことで、薬物を体外に排泄しやすい構造へと変化させる肝代謝酵素です。アルデヒド基を有する化合物に限らず、幅広い薬物の代謝に関わることから、医薬品の有効性や副作用に関連している代謝酵素であると考えられています。しかしながら、実際の臨床現場におけるAOXを介した薬物間相互作用の危険性に関する知見は少なく、...
キーワード:カルボン酸/還元反応/アルデヒド/統合失調症/免疫抑制/代謝産物/抗精神病薬/酸化反応/受容体/代謝酵素/代謝物/副作用/免疫抑制剤/薬物間相互作用/抗がん剤/睡眠/薬物動態
他の関係分野:工学医歯薬学
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発表日:2025年10月2日
65
南関東の世界最大ヨウ素・メタン濃集の謎を解明
~沈み込み帯でのヨウ素のフラッシュ蒸発と移動集積~(北海道大学名誉教授 鈴木德行)
北海道大学の鈴木德行名誉教授(元同大学大学院理学研究院教授)、岡山大学の亀田 純教授、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の天羽美紀特命調査役らの研究グループは、フィリッピン海プレート(PHS)と共に沈み込んでいる海洋堆積物より、小規模なプレート境界地震によってメタン、水素と共にヨウ素がフラッシュ蒸発して排出され、南関東の地下に世界最大のヨウ素・メタン濃集帯水層を形成していることを解明しました。南関東地下の上総層群帯水層には世界のヨウ素埋蔵量の約65%(約400万トン)が濃集し、水溶性メタンの産出量も世界最大です。しかし、なぜこのような莫大な量のヨウ素がメタンと共に同帯水層に濃...
キーワード:海洋/プレート境界/海洋堆積物/高温高圧/深部流体/太平洋プレート/堆積物/地殻変動/沈み込み/沈み込み帯/太陽/液晶/物理化学/ペロブスカイト太陽電池/ペロブスカイト/状態図/太陽電池/電池/トラップ/メタン/熱分解/メタン菌/技術革新/微生物/ヨウ素
他の関係分野:環境学数物系科学化学総合理工工学医歯薬学
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発表日:2025年9月25日
66
コンデンシンはリンカーヒストンと競合してヘテロなDNA構造を形成する
~分裂期染色体形成の生物物理の解明に期待~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点 特任准教授 山本哲也)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の山本哲也特任准教授と理化学研究所開拓研究所の新冨圭史専任研究員、平野達也主任研究員らの研究グループは、ソフトマター物理学と生化学の融合研究によって、分裂期染色体の形成プロセスを妨げた際に出現する奇妙な形状のDNA構造が作られるしくみを説明する物理理論の構築に成功しました。細胞が分裂する直前(分裂期)には、ゲノムDNAが折りたたまれ、分裂期染色体と呼ばれる棒状の構造が形成されます。コンデンシンと呼ばれるタンパク質複合体は、染色体形成に不可欠な因子として同定され、近年ではDNAループを形成する活性を持つこ...
キーワード:ソフトマター/ソフトマター物理/相分離/ゲノムDNA/タンパク質複合体/ヒストン/熱力学/力学モデル/コンデンシン/ヌクレオソーム/カエル/表面構造/リンカーヒストン/染色体/生物物理/精子/ゲノム
他の関係分野:数物系科学化学生物学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年9月18日
67
がんを促進するPPM1D酵素の新たな分解経路を解明
~プロテアソーム阻害薬との併用療法の可能性~(医学研究院教授畠山鎮次、講師 渡部昌)
北海道大学大学院医学院博士課程4年の高橋正樹氏、同大学大学院医学研究院の渡部 昌講師、畠山鎮次教授らの研究グループは、がんドライバー遺伝子産物であり、脱リン酸化酵素でもあるPPM1Dが、従来知られていた「ユビキチン」という目印を付ける経路を介さずに、直接プロテアソームで分解されることを発見しました。この分解はPPM1Dのカルボキシル末端領域を介して起こることも明らかにしました。細胞はタンパク質の合成と分解による品質管理で機能を維持していますが、その破綻はがんの要因となります。がんドライバーPPM1Dは腫瘍抑制因子p53を抑え進行や耐性を助長しますが、その分解機構は未解明であり、本研...
キーワード:品質管理/酸化酵素/リン酸/キチン/p53/脱リン酸化/がん細胞/がん治療/タンパク質分解/プロテアソーム/ユビキチン/ユビキチン化/リン酸化酵素/阻害剤/遺伝子
他の関係分野:複合領域医歯薬学
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発表日:2025年9月17日
68
試験管内でオートファジーの初期過程を再現することに成功
〜オートファジー誘導剤の開発に期待〜(遺伝子病制御研究所准教授 藤岡優子、教授 野田展生)
北海道大学遺伝子病制御研究所の藤岡優子准教授及び野田展生教授、東京科学大学総合研究院細胞制御工学研究センターの中戸川仁教授らの研究グループは、オートファジーの中核であるオートファゴソーム新生の初期過程を試験管内で再構成することに成功し、液−液相分離によりオートファジーが始まるメカニズムの詳細を明らかにすることに成功しました。オートファジーとは、有害凝集体や損傷ミトコンドリアなどの分解を行う現象であり、細胞の恒常性を維持する役割を持ちます。オートファジーは栄養飢餓などで活性化されますが(=オートファジー誘導)、この異常に伴って神経変性疾患やがんが引き起こされます。オートファ...
キーワード:相分離/Atg/栄養飢餓/制御工学/たんぱく/オートファゴソーム/酵素反応/オートファジー/ミトコンドリア/リソソーム/凝集体/神経変性/神経変性疾患/阻害剤/遺伝子/脂質
他の関係分野:数物系科学生物学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年9月16日
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高山帯のマルハナバチは温暖化でどうなるか?
~市民ボランティアとの共同研究で初めて明らかになった高山植物のポリネーターの動向~(地球環境科学研究院特任准教授 工藤岳)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の工藤 岳特任准教授らの研究グループは、北海道大雪山系の高山帯2地域で12年間にわたる高山植物の開花時期とマルハナバチ個体数のモニタリングデータから、気候変動がマルハナバチの個体群変動に及ぼす影響を解析しました。雪渓跡地の雪田群落は働きバチの重要な採餌場所ですが、開花時期は雪解け状況により大きく年変動します。気温が1℃上昇し、融雪が10日早まった場合、高山帯全体の開花期間は9.2日短縮されると予測されました。一方で、働きバチの出現時期は気温や融雪時期の影響を受けず、毎年8月上旬に個体数がピークに達しました。そのため、雪解けが早く進んだ年には、雪田群落の開花ピ...
キーワード:ボランティア/地球温暖化/気候変動/個体群/植物群落/地球環境/モニタリング/生態系/温暖化/個体群動態
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学生物学工学
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発表日:2025年9月10日
70
画像イメージングによる主要動物プランクトン動態の解析
~優占カイアシ類2属の個体群構造と昼夜鉛直分布の季節変化が明らかに~(水産科学研究院准教授 山口篤)
北海道大学大学院水産科学院修士課程(研究当時)の高 天氏と同大学大学院水産科学研究院の山口 篤准教授の研究グループは、西部北太平洋亜寒帯循環の1定点の水深0-1000m間について、4季節の昼夜鉛直区分採集を行った試料について、画像イメージング機器のZooScanによる測定を行い、動物プランクトン相に優占するカイアシ類2属(メトリディア属とユーカラヌス属)の出現個体数とバイオマスの季節変化と昼夜鉛直分布を明らかにしました。メトリディア属の優占種のメトリディア・パシフィカ(メト)は、昼間は深海に分布し、夜間は表層に移動する日周鉛直移動を行っていたのに対し、ユーカラヌス・ブンギ(ブンギ)は日周鉛直...
キーワード:画像データ/季節変化/北太平洋/個体群/バイオマス/カイアシ類/プランクトン/再生産/動物プランクトン
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学生物学
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発表日:2025年8月30日
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動物福祉に対する態度を日英で比較
~日本の獣医師は英国よりも動物の行動を重視しない傾向~(One Healthリサーチセンター特任助教 大谷祐紀)
北海道大学One Healthリサーチセンターの大谷祐紀特任助教(研究当時 同大学大学院獣医学研究院博士研究員、エジンバラ大学客員博士研究員)らの研究グループは、日英の獣医師及び動物行動/福祉学研究者を対象としたアンケート調査を行い、両国の動物福祉への考え方の差異や共通点を調べました。動物福祉は英国から始まった概念で「動物の精神的・身体的状態」と定義されています。近年、多様性や持続可能性への意識の高まりから、動物福祉への配慮が国際的な関心事となっています。動物福祉には基本原則があり、動物は「飢え・渇きからの自由」「恐怖・抑圧からの自由」「不快からの自由」「痛み・怪我・疾病からの自由...
キーワード:持続可能/アンケート調査/持続可能性/獣医学/動物福祉/医師
他の関係分野:工学医歯薬学
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発表日:2025年8月28日
72
8種のクジラ類の腸内メタゲノム解析に成功
~タコ墨ならぬクジラ墨「綱火」のメカニズム解明に貢献か~(地球環境科学研究院助教 早川卓志)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程2年の竹内 颯氏、同大学大学院地球環境科学研究院の早川卓志助教、同大学大学院水産科学研究院の松石 隆教授の研究グループは、北海道沿岸に漂着した8種のクジラ類の腸管内容物のメタゲノム解析によって、腸内細菌の組成や機能を網羅的に明らかにしました。野生のハクジラ類での複数の腸管部位にわたる網羅的なメタゲノム解析は世界初となります。分析したハクジラ類の中でも、マッコウクジラ上科に属するマッコウクジラとコマッコウは、脅威を感じると「綱火(つなび)」と呼ばれる墨状の暗赤褐色の便を排泄して身を隠すことが知られています。腸内細菌の解析の結果、マッコウクジラとコマッコウの...
キーワード:重金属/地球環境/微生物/メタゲノム解析/ゲノム解析/メタゲノム/ゲノム/遺伝子/細菌/腸内細菌
他の関係分野:環境学工学医歯薬学
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発表日:2025年8月27日
73
ストレスが抗ウイルス応答を選択的に調整する仕組みを発見
~ウイルス感染症に対する新たな治療展開に期待~(遺伝子病制御研究所准教授 岡崎朋彦)
北海道大学遺伝子病制御研究所の岡崎朋彦准教授らの研究グループは、東京大学と徳島大学との共同研究により、抗ウイルス応答において中心的な役割を担うタンパク質MAVS(ミトコンドリア抗ウイルスシグナル伝達タンパク質)が、細胞ストレスに起因するシグナル経路によってリン酸化修飾を受けることで、インターフェロン(IFN)産生が促進されることを明らかにしました。これまでにも、細胞ストレスが抗ウイルス免疫応答に影響を及ぼす可能性は示唆されていましたが、その分子機構の詳細は不明でした。本研究では、ストレス応答に関わるASKファミリーに着目し、ASK1がp38 MAPKを介して、MAVSのリ...
キーワード:センサー/リン酸/インターフェロン/ウイルス感染症/分子機構/P38/ASK1/ASKファミリー/MAPK/アポトーシス/ストレス応答/ミトコンドリア/免疫応答/ウイルス/ストレス/遺伝子/感染症
他の関係分野:工学医歯薬学
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発表日:2025年8月27日
74
植物は種子食害を減らすために雄花を増やす
~種子食昆虫との相互作用により高山植物の繁殖形質が進化する~(地球環境科学研究院特任准教授 工藤岳)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の工藤 岳特任准教授らの研究グループは、ハクサンボウフウの雄花と両性花の比率が生育場所によって異なることを見いだし、それが種子食昆虫の食害への対抗戦略であることを解明しました。ハクサンボウフウはセリ科の高山植物で、一つの花序に両性花と雄花が混在します。大雪山系で4年間に渡り観察したところ、雪解けが早い場所の個体群では遅い場所の個体群に比べて、両性花が少なく雄花が多い傾向がありました。雪解けが早い場所では7月上・中旬に開花し、多くの種子は成熟前にササベリガの幼虫に食害されていました。一方で、8月上旬以降に開花する雪解けが遅い場所では、種子食害はほとんどありませ...
キーワード:gender/個体群/自然選択/地球環境/花粉/生態系
他の関係分野:情報学生物学工学
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発表日:2025年8月27日
75
水素とナノファイバーを同時合成する光触媒を開発
~次世代水素社会への貢献に期待~(理学研究院准教授 小林厚志)
北海道大学大学院理学研究院の小林厚志准教授、三浦篤志准教授、高橋啓介教授らの研究グループは、金属錯体色素を複層化した光触媒ナノ粒子とアルコール酸化触媒分子を連動させることで、持続利用可能な資源であるセルロースからクリーンエネルギー源となる水素と高機能材料となるセルロースナノファイバー(CNF)を、環境負荷なく同時合成できる光触媒を開発しました。近年深刻化する環境・エネルギー問題の解決に向けて、化石資源に変わる持続利用可能な炭素資源としてセルロースが注目を集めてきました。セルロースは地球上に最も豊富に存在するバイオマス資源ですが、安定な構造を有しているため資源化には多大なコストが必要...
キーワード:機械学習/光エネルギー/水素生成/複雑系/太陽/金属錯体/青色光/太陽光/有機ラジカル/ファイバー/触媒化学/クリーンエネルギー/可視光/持続可能/光照射/二酸化チタン/チタン/ナノファイバー/光触媒/酸化チタン/ナノ粒子/環境負荷/分光分析/インフォマティクス/光分解/機能材料/TEMPO/セルロース/セルロースナノファイバー/バイオマス/アルコール/ラジカル
他の関係分野:情報学環境学数物系科学化学生物学総合理工工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年8月27日
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地温勾配の降下を記録した変成岩をベトナムで初めて発見
~太古に生じた特異な地殻内物質循環のテクトニクス解明に貢献~(総合博物館助教 北野一平)
北海道大学総合博物館のブイティシンブオン資料部研究員及び北野一平助教らの研究グループは、ベトナム中部に分布するア・ブオン層において広域的な地質調査を行い、高度変成岩の局所的な産出を見出しました。予察的な岩石学的解析を経て、ベトナムでこれまで報告例のない地温勾配の降下(反時計回りの変成経路)を示す特異な変成岩であることを明らかにしました。ベトナムの変成岩は主に古生代後期の大陸衝突により形成され、共通して断層帯または剪断帯に沿って分布し、当時の地温勾配上昇(時計回りの変成経路)を記録しています。ベトナム中部には、ダイ・ロック岩体という古生代前期のマグマ活動で形成した花崗岩体に伴い高温の...
キーワード:テクトニクス/マグマ/花崗岩/堆積岩/地殻変動/変成岩/ベトナム/物質循環
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年8月25日
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酷暑を避ける"避暑型水稲"
~北海道イネの非感光性を活用した関東以南での超早期作型を提案~(農学研究院教授 貴島祐治)
北海道大学大学院農学院博士後期課程の坂口俊太郎氏、農学研究院の貴島祐治教授、三重県農業研究所の太田雄也氏らの研究グループは、北海道札幌市、三重県伊賀市及び宮崎県宮崎市で北海道のイネ系統を用いた栽培試験を実施し、早生化を制御する遺伝的・環境的要因を詳細に解析しました。その成果として、関東以南で夏の酷暑を避けて栽培できる「避暑型水稲」を提案しました。イネは短日植物で、本来、夏至からの日照時間が短くなるお盆をすぎないと穂ができない「感光性」と呼ばれる性質を持っています。そのため、本州の品種を北海道で栽培すると、穂が出て花が咲く9月には気温が不足し、十分な稔実が得られません。これに対し、北...
キーワード:水稲/イネ/遺伝子
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2025年8月25日
78
日本の「湯の華」は多様な植物を化石にしていた!
~信州の秘湯、中房温泉~(理学研究院准教授 伊庭靖弘)
北海道大学大学院理学研究院の伊庭靖弘准教授、産業技術総合研究所の久保田彩博士、エディンバラ大学の谷口 諒JSPS海外特別研究員(2024年度北海道大学大学院理学院修了)、北海道大学理学院博士後期課程の植田知幸氏は、日本の温泉で生じる「珪華」を対象とした詳細な地質調査を行いました。その結果、国内の珪華には、これまで知られてきた他国の珪華には類を見ない固有の岩石学・堆積学的特徴が存在し、温泉周囲の多様な植物が化石として取り込まれていることが明らかになりました。珪華は取り込んだ生物化石を数10億年もの長期間にわたって保存できる優れた媒体として注目されています。従来、その形成プロセスや化石...
キーワード:堆積物/生物群集/シリカ/生態系/生物多様性/微生物
他の関係分野:数物系科学生物学工学
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発表日:2025年8月25日
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海氷融解時期の違いが植物プランクトンに影響を及ぼす
~秋季太平洋側北極海の海氷変動がマイクロプランクトン群集を変えることを解明~(水産科学研究院助教 松野孝平)
北海道大学大学院水産科学院修士課程の角谷皓平氏(研究当時)、同修士課程の住吉 大氏、同大学大学院水産科学研究院の松野孝平助教、国立極地研究所の佐藤和敏助教、海洋研究開発機構の村田昌彦上席研究員(シニア)、西野茂人主任研究員らの研究グループは、秋季太平洋側北極海における海氷変動がマイクロプランクトン(20-200 µmの植物プランクトンと小型動物プランクトンの総称)の中でも特に植物プランクトン種組成に影響を与えることを解明しました。 太平洋側北極海では、ここ数十年で急速な海氷減少が確認されています。しかしながら、この海氷減少がマイクロプランクトン群集に及ぼす影響については、十分な知見...
キーワード:海氷/極地/珪藻/北極海/海洋/マイクロ/海洋環境/生態系/群集構造/プランクトン/海洋生態/海洋生態系/植物プランクトン/動物プランクトン/将来予測
他の関係分野:環境学工学医歯薬学
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発表日:2025年8月21日
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春季噴火湾の動物プランクトン群集の経年変化が明らかに
~群集構造に加えて、サイズ組成と魚類餌環境にも経年変化あり~(水産科学研究院准教授山口篤)
北海道大学大学院水産科学院修士課程(研究当時)の張 浩晨氏、同大学大学院水産科学研究院の山口 篤准教授、大木淳之教授、髙津哲也教授らの研究グループは、北海道の噴火湾湾央の1定点にて、2019年-2023年の5年にわたり、約1ヶ月間隔の動物プランクトンネット採集を行い、採集試料についてZooScanによる画像イメージング解析を行うことで、出現個体数、バイオマス、群集構造及びサイズ組成の季節変化と経年変化を明らかにしました。夏-秋季(7月-12月)に見られた群集Aは、調査を行った5年を通して共通して観察されました。経年変化は冬-春季(1月-6月)にあり、2019年に見られた群集Dは冷水...
キーワード:季節変化/海洋/ブルーム/経年変化/バイオマス/群集構造/カイアシ類/プランクトン/植物プランクトン/親潮/動物プランクトン/イミン
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学工学医歯薬学
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発表日:2025年8月21日
81
AIから導くバンドギャップ設計とペロブスカイト合成
~AIと実験を融合した無機材料開発フローを実現~(理学研究院教授 髙橋啓介)
北海道大学大学院理学研究院の髙橋啓介教授、髙橋ローレン助教、フェルナンド・ガルシア=エスコバル博士研究員、同大学大学院理学院博士後期課程1年の田代智哉氏、修士課程2年の柴田憲伸氏らの研究グループは、機械学習によってバンドギャップ(光吸収の指標)を精密に予測・設計できるペロブスカイト無機材料の開発手法を確立しました。これまで、ペロブスカイト材料は太陽光を効率的に吸収できる優れた構造として知られていましたが、バンドギャップがわずかな構造変化で大きく変動するため、材料設計は困難でした。本研究では、過去の文献に基づく282件の実験データを用い、材料中の元素の性質と構造に基づく記述...
キーワード:機械学習/人工知能(AI)/光エネルギー/再生可能エネルギー/回帰モデル/X線回折/近赤外/太陽/赤外分光/光エネルギー変換/太陽光/バンドギャップ/ペロブスカイト/光吸収/水分解/無機材料/光触媒/材料設計/光学特性/電子顕微鏡/インフォマティクス/SEM/エネルギー変換/ベクター/構造変化
他の関係分野:情報学環境学数物系科学化学総合理工工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年8月9日
82
有機分子の還元反応が"加圧"により進行することを発見!
~圧力応答性材料開発に向けた新たな設計指針を提供~(理学研究院准教授 石垣侑祐)
北海道大学大学院理学研究院の石垣侑祐准教授、同大学大学院総合化学院博⼠後期課程の菊池モト氏及び九州大学先導物質化学研究所の福原 学教授らの研究グループは、独自に開発したシクロファン型のジカチオンに対して、静水圧を作用させることでレドックス反応が進行することを明らかにしました。シクロファン型分子は、直鎖状分子ではもち得ない物性を示す可能性があることから、機能材料分野において盛んに研究対象とされてきました。例えば、近年大きな注目を集めているピラーアレーンもシクロファンの一種であり、分子認識やドラッグデリバリーシステムへの応用が期待されます。一方、非常に小さな電子のやり取りで駆動可能なレ...
キーワード:水分子/静水圧/分子構造/シクロファン/酸化還元反応/溶媒和/有機分子/還元反応/酸化還元/積層構造/親水性/環境応答性/生体内/機能材料/環境応答/層構造/レドックス/カチオン/構造変化/分子認識
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年8月7日
83
蛍光色素が結合した抗がん剤による腫瘍のイメージング
~短波赤外蛍光色素の利用によりがんの発見と手術精度の向上に期待~(先端生命科学研究院教授 門出健次)
北海道大学大学院先端生命科研究院の門出健次教授、マハデバ・スワミイ助教らの研究グループは、乳がん等の検出のための蛍光プローブ(機能性試薬)を開発しました。本研究は、低分子抗がん剤と蛍光色素を組み合わせて体内のがんを検出する新しいツールの開発に焦点を当てています。本研究で研究グループはFDA承認のエストロゲン受容体標的薬であるタモキシフェンを選択し、短波赤外(SWIR、900〜1,400 nm)領域で作用するプローブを設計しました。タモキシフェンのような低分子ベースのプローブは、がんバイオマーカーに対して高い特異性を維持し、抗体ベースのプローブと比較してより好ましい薬物動態を示します。さらに、...
キーワード:視覚化/近赤外/赤外線/光プローブ/機能性/タモキシフェン/エストロゲン/エストロゲン受容体/プローブ/蛍光プローブ/蛍光色素/受容体/造影剤/バイオマーカー/抗がん剤/抗体/手術/乳がん/薬物動態
他の関係分野:情報学数物系科学工学医歯薬学
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発表日:2025年8月7日
84
ウイルスは細胞同士の「会話」を乗っ取り感染を広げる
〜インフルエンザの新たな感染メカニズムを発見、治療薬開発に期待〜(医学研究院 准教授 藤岡容一朗 教授 大場雄介)
北海道大学大学院医学研究院の藤岡容一朗准教授、小澤史弥氏、大場雄介教授、大阪大学産業科学研究所(兼 大阪大学先導的学際研究機構)の永井健治教授、九州大学大学院医学研究院の田村友和准教授と福原崇介教授らの研究グループは、インフルエンザウイルスが体の中で感染を広げていく際に、細胞同士の"会話"を乗っ取ることを突き止めました。この発見により、ウイルス感染を抑える新たな治療法の開発が期待されます。ウイルス感染は、ごく一部の細胞から始まり、徐々に周囲の細胞へと広がっていきます。しかし、感染がどのように周囲の細胞に広がっていくのか、その詳細なメカニズムはよく分かっていませんでした。研...
キーワード:ゲーム/学際研究/カルシウムイオン/リン酸/Ca2+/細胞内カルシウムイオン/アデノシン/インフルエンザ/インフルエンザウイルス/カルシウム/細胞内カルシウム/受容体/創薬/ウイルス
他の関係分野:情報学環境学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年8月4日
85
mRNAワクチンのカギを"片手"で握る脂質を解明
〜立体異性体の制御により、安全性と効果を両立〜(医学研究院、総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 田中伸哉、総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点特任准 教授辻信弥)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)特任教授及びマックス・プランク石炭研究所教授のリスト・ベンジャミン氏、WPI-ICReDDの辻 信弥特任准教授、WPI-ICReDD及び同大学大学院医学研究院の田中伸哉教授、津田真寿美准教授らの研究グループは、mRNAワクチンなどに用いられる脂質ナノ粒子(LNP)の一つの「ALC-0315」について、立体異性体ごとの生物学的性質の違いを世界で初めて明らかにしました。LNPは、核酸医薬品の生体内・細胞内輸送に不可欠で、COVID-19パンデミックでは、mRNAワクチンの迅速な実用化を可能にしました。LNP...
キーワード:最適化/イオン化/キラル/不斉合成/エンドソーム/ナノ粒子/生体内/立体化学/細胞膜/細胞毒性/mRNA/パンデミック/核酸医薬/細胞内輸送/ワクチン/脂質/新型コロナウイルス感染症
他の関係分野:情報学数物系科学化学生物学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年7月24日
86
離乳期のαディフェンシンがビフィズス菌の定着を促す
~乳幼児の腸内環境と将来の健康をつなぐ自然免疫の働きを初めて解明~(先端生命科学研究院 教授 中村公則)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の中村公則教授と森永乳業株式会社の清水由宇研究員らの研究グループは、1歳前後の離乳期に腸内のビフィズス菌が多い子では、腸内細菌叢の成熟がみられる3歳時点においてもビフィズス菌が多いことを示し、この離乳期における腸管へのビフィズス菌の定着に腸管自然免疫の作用因子であるαディフェンシンが寄与することを初めて明らかにしました。北海道岩見沢市の子どもたち33名を生後3年間にわたり経時的に追跡調査した本研究は、ヒトの腸内において健康への寄与が知られている代表的な常在菌の一つであるビフィズス菌と、ヒト自身の免疫システムであるαディフェンシンの関連に着目すること...
キーワード:ビフィズス菌/腸内環境/追跡調査/自然免疫/細菌/細菌叢/腸内細菌/腸内細菌叢/乳幼児
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2025年7月23日
87
海洋細菌由来希少カロテノイドが抗酸化作用や抗炎症効果を示すことを発見
~C30カロテノイドの機能性食品素材などの応用に向けた研究進展に期待~(水産科学研究院 助教 高谷直己)
北海道大学大学院水産科学研究院の高谷直己助教、細川雅史教授、一般財団法人生産開発科学研究所の眞岡孝至博士らの研究グループは、海洋細菌Exiguobacterium属から希少カロテノイドを同定するとともに、この化合物が抗酸化活性や抗炎症効果を示すことを明らかにしました。天然の脂溶性色素であるカロテノイドは、抗酸化作用など多様な健康機能性が注目されています。β-カロテンをはじめとしたC40カロテノイド(基本骨格を構成する炭素原子数が40個)は野菜や果物などに豊富に存在しますが、一部の微生物によって産生されるC30カロテノイド(基...
キーワード:海洋/分子構造/エステル/一重項酸素/機能性/機能性食品/海洋細菌/構造決定/カロテノイド/微生物/ファージ/マクロファージ/抗炎症/抗炎症作用/抗酸化/抗酸化作用/生理活性/誘導体/遺伝子/遺伝子発現/細菌
他の関係分野:環境学化学工学医歯薬学
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発表日:2025年7月16日
88
イネ捻れ葉変異体の葉が捻れる仕組みを解明
~左右非対称性が葉を "不規則にねじる" 力を生み出す~(農学研究院准教授 小出陽平)
北海道大学大学院農学院博士後期課程の曵地 究氏、岡田脩平氏と同大学大学院農学研究院の小出陽平准教授らの研究グループは、マイクロCTスキャンによる3次元構造を定量化し、イネ(Oryza sativa L.)の捻れ葉変異体において、葉に不規則なパターンの捻れが形成されるメカニズムを明らかにしました。植物は、根や葉をはじめとする複数の器官からなり、それらの器官は無数の細胞からできています。これら無数の細胞の伸長・分裂を制御することによって、器官の形が決定されることが知られています。細胞は常に同じ速度で成長するわけではなく、生育段階に応じて成長の速度や方向が細かく制御されてい...
キーワード:3Dモデル/対称性/非対称性/器官形成/マイクロCT/3次元構造/シミュレーション/マイクロ/変異体/イネ
他の関係分野:情報学数物系科学生物学工学
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発表日:2025年7月14日
89
易分解性で水に可溶なN-メチル化ナイロンの開発に成功
~忘れ去られたポリアミドの親水性材料への新展開~(理学研究院教授 佐田和己、助教 松岡慶太郎)
北海道大学大学院理学研究院の佐田和己教授、松岡慶太郎助教らの研究グループは、柔らかく水に溶ける親水性材料として「N-メチル化ナイロン」を開発し、従来"硬くて水に溶けない化学繊維"として知られていたナイロンの常識を覆す、新たな応用展開を実証しました。ナイロンは1935年にウォーレス・ヒューム・カロザース(Wallace Hume Carothers)によって開発された世界初の化学繊維であり、衣類や傘、釣り糸など、現代社会に欠かせない素材として広く利用されています。これまでのナイロン研究は、繊維としての高い機械的強度や難溶性を追求してきました。これらの特性は、主鎖に含まれ...
キーワード:水素結合ネットワーク/相分離/環境調和/アミド/ポリアミド/高分子/環境負荷/高分子材料/親水性/バイオマテリアル/機能材料/アミド結合/メチル化
他の関係分野:数物系科学化学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年7月10日
90
農業廃棄物から樹脂原料をつくる触媒反応を開発
~ゼオライト触媒を用いたバイオフェノール合成経路の探索~(触媒科学研究所教授 中島清隆)
北海道大学大学院環境科学院博士前期課程の入場啓介氏、同大学触媒科学研究所のヤン・ヨハネス・ウィズフェルド特任助教、大須賀遼太助教、菅沼学史准教授、中島清隆教授らの研究グループは、カシューナッツ殻液(Cashew nutshell liquid, CNSL)から得られるカルダノールの誘導体であるハイドロカルダノールを原料として、高効率でフェノールを合成可能な新しい触媒反応を開発しました。カシューナッツ殻は、世界で年間約400万トンが廃棄される農業廃棄物であり、そこから抽出されるCNLSにはフェノール類縁体が豊富に含まれています。したがって、CNLS由来のカルダノールやその誘導体から重...
キーワード:炭素収支/アルキル化/アルキル化反応/触媒反応/樹脂/ZSM-5/固体触媒/カーボンニュートラル/細孔構造/カーボン/廃棄物/バイオマス/フェノール/誘導体
他の関係分野:環境学化学工学医歯薬学
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発表日:2025年7月10日
91
CO2と可視光でβ-アミノ酸を合成する新反応を開発
〜計算科学のサポートに基づく環境調和型合成法を実現〜(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 美多剛)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の美多 剛教授、前田 理教授らの研究グループは、量子化学計算を活用することで二酸化炭素(CO₂)を用いた新しいβ-アミノ酸の合成法を設計し、実際の化学合成によりその合成法を実証しました。さらに、静岡大学グリーン科学技術研究所の間瀬暢之教授の研究グループとの共同研究により、この反応を気液フロー合成へと発展させ、連続的かつ高効率なβ-アミノ酸合成を実現しました。β-アミノ酸は、医薬品や人工ペプチドの研究において重要な構造単位ですが、カーボンニュートラルを見据えたCO₂を直接原料とする反応の開発は、依然として...
キーワード:オープンアクセス/最適化/量子化/環境調和/量子化学/イリジウム錯体/量子化学計算/アニオン/酸化還元反応/電子移動/反応機構/イリジウム/可視光/カーボンニュートラル/持続可能/還元反応/発光ダイオード(LED)/電子状態/カーボン/ファインバブル/酸化還元/添加剤/二酸化炭素/二酸化炭素/アルケン/反応時間/β-アミノ酸/アミノ酸/ラジカル/誘導体
他の関係分野:情報学数物系科学化学工学医歯薬学
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発表日:2025年7月7日
92
洞窟に暮らす「目がないゴミムシ」から探る遺伝子の退化
~洞窟進出の起源が異なる2種でも、同じ遺伝子が消失している~(地球環境科学研究院教授 越川滋行)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程の丹伊田拓磨氏(研究当時。現在は京都大学大学院農学研究科特定研究員)と同大学大学院地球環境科学研究院の越川滋行教授、近畿大学生物理工学部の芦田 久教授の研究グループは、日本の洞窟に生息するチビゴミムシ2種と、それらに近縁な地表性の種を対象にゲノム情報を取得し、視覚に関わる遺伝子について比較解析を行いました。対象にした洞窟性のチビゴミムシ2種は、進化的に別々に洞窟へ進出したと考えられますが、視覚に関わる遺伝子24個のうち、両種で共通して消失していた遺伝子は9個あり、共通して保持されていた遺伝子は12個ありました。このことから、視覚に関わる遺伝子の消失と保持...
キーワード:環境変化/地球環境/モデル生物/機能性/ゲノム情報/実験モデル/ショウジョウバエ/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:複合領域工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年7月7日
93
食習慣で鱗食魚の顎が左右非対称になることを実証
~右利き・左利きの形成メカニズムの解明に期待~(理学研究院准教授 竹内勇一)
北海道大学大学院理学研究院の竹内勇一准教授、富山大学医学部(研究当時)の丸林菜々子氏、福井県立大学海洋生物資源学部 先端増養殖科学科の八杉公基准教授からなる研究グループは、動物の右利き・左利きの教科書的な例として知られる、タンガニイカ湖産の鱗食性シクリッド科魚類Perissodus microlepis(鱗食魚)の利きが、他の魚のウロコをはぎ取って食べるという摂食経験によって顕著化されることを突き止めました。ヒトの利き手に代表される「利き」は、遺伝と生後環境の両方の影響を受けて形成されますが、その因果関係はいまだによく分かっていません。「利き」、すなわち左右性のモデル...
キーワード:人工知能(AI)/食行動/海洋/対称性/非対称性/因果関係/シクリッド/表現型可塑性/行動解析/海洋生物/生物資源/可塑性/食習慣
他の関係分野:情報学複合領域環境学数物系科学生物学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年7月4日
94
GGCX膜トポロジー反転による細胞質タンパク質カルボキシル修飾の発見
~ビタミンKが抗ウイルス防御に働く新たな仕組みを同定~(遺伝子病制御研究所准教授 岡崎朋彦)
北海道大学遺伝子病制御研究所の岡崎朋彦准教授、東京大学大学院薬学系研究科の野崎啓史大学院生(研究当時)及び後藤由季子教授らの研究グループは、理化学研究所統合生命医科学研究センターとの共同研究により、抗ウイルス応答の鍵となるタンパク質MAVS(ミトコンドリア抗ウイルスシグナル伝達タンパク質)が、細胞質においてビタミンK依存性のカルボキシル化(特定のアミノ酸にカルボキシル基[-COOH]が付加される修飾)を受けることを明らかにしました。従来、カルボキシル化は小胞体内腔または細胞外のタンパク質に限定された修飾とされてきましたが、本研究では、小胞体膜貫通酵素GGCX(γ-グルタミルカルボキ...
キーワード:トポロジー/抵抗性/ビタミン/インターフェロン/分子機構/アポトーシス/アミノ酸/マウス/ミトコンドリア/ワルファリン/小胞体/ウイルス/遺伝子/感染症
他の関係分野:数物系科学医歯薬学
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発表日:2025年7月2日
95
国立公園を支える利用者負担の実態を解明
~自然環境保全や施設の維持管理に利用者の受益者負担を求める事例が急増~(農学研究院教授 愛甲哲也)
北海道大学大学院農学研究院の愛甲哲也教授らの研究グループは、環境省と共同で2023年に全国35の国立公園における利用者負担の実態について調査を行いました。国立公園では、自然環境の保全や施設の維持管理のための予算の不足などにより、利用者に費用負担を求める事例が増えてきています。入園料や入山料の導入は、審議会等でも度々議論の対象となってきたものの、自然公園制度上に位置づけられるには至っていません。2023年度の調査では全国の国立公園で127件の入域料、自治体・民間の資金調達、保護と利用の好循環の取り組みが確認されており、年々増加傾向にあります。国内外の費用負担に関する議論を踏まえて、国...
キーワード:資金調達/環境保全
他の関係分野:工学
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発表日:2025年7月1日
96
2024年能登半島地震の地震波放射の様子を可視化
~複雑な断層分布と地震波の周波数との関連性を示唆~(理学研究院教授 吉澤和範、日本学術振興会特別研究員(PD)垂水洸太郎)
北海道大学大学院理学研究院の吉澤和範教授と垂水洸太郎 日本学術振興会特別研究員の研究グループは、世界各地に展開されたグローバル地震観測網(Global Seismographic Network; GSN)で記録された地震波データをもとに、2024年1月1日(日本時間16:10頃)に発生した能登半島地震における断層破壊に伴う地震波の放射過程を調べました。解析には、「バックプロジェクション法」と呼ばれる手法を用い、複数の周波数帯域において、地震波(P波)が放射された場所を時間毎に可視化しました。その結果、能登半島北東端付近の震源での地震発生から、約44秒間で4段階のプロセスを経て、能...
キーワード:高周波/地震波/熊本地震/東北地方太平洋沖地震/周波数/大地震/地震観測/東北地方/層構造
他の関係分野:数物系科学工学医歯薬学
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発表日:2025年6月30日
97
すい管腺がん細胞の細胞死を誘導する新たな手法を発見
~難治性がんに対する新たな治療法開発の加速に期待~(遺伝子病制御研究所教授 園下将大)
北海道大学遺伝子病制御研究所がん制御学分野の園下将大教授、株式会社フライワークスらの研究グループは、すい臓に発生するがんの大部分を占めるすい管腺がん(PDAC)の新たな代謝的脆弱性としてニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)合成経路を同定しました。さらに、NAD合成経路の下流で機能するGPx4が、PDACの治療標的であることを見出しました。特に、GPx4阻害剤ML210とMEK阻害剤trametinibを併用することで、ヒトPDAC細胞の細胞死(フェロトーシス)を誘導してPDAC形成を抑制できることを発見し、この組み合わせ療法がPDACに対する有望な治療戦略となる可能性を示...
キーワード:脆弱性/アミド/抵抗性/ビタミン/新規治療法/ROS/治療標的/モデルマウス/がん細胞/ショウジョウバエ/マウス/活性酸素/活性酸素種/細胞死/阻害剤/ストレス/遺伝子/遺伝子変異/高齢化/酸化ストレス
他の関係分野:環境学化学医歯薬学
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発表日:2025年6月27日
98
イカ類は1億年前に既に誕生し爆発的に多様化していた
~古生物学を根本から変革するデジタル化石マイニング技術~(理学研究院准教授伊庭靖弘)
北海道大学大学院理学研究院の池上 森学術研究員、伊庭靖弘准教授、高輝度光科学研究センターの竹田裕介研究員、ルール大学のヨーク・ムッターローゼ教授は、岩石中の全ての化石を完全な形で取り出す手法を開発し、約1億~7,000万年前(白亜紀後期)のイカ類化石を大量に発見・分類することで、その個体数や多様性の変動を解明しました。イカ類は、無脊椎動物中で最も高い身体能力と爬虫類に匹敵する巨大脳をもつ、特異な進化を遂げた生物です。これにより現在のイカ類は海洋全域で繁栄し、生態系や漁業を支える中核となっています。しかし、骨や殻を持たない彼らはほとんど化石として保存されないため、いつ誕生しどのように...
キーワード:情報量/海洋/古生物学/白亜紀/爬虫類/脊椎動物/デジタル化/大脳/生態系/無脊椎動物/海洋生態/海洋生態系/漁業/脊椎
他の関係分野:情報学環境学数物系科学生物学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年6月26日
99
クロソイの全雌種苗生産に初めて成功
~クロソイ養殖における出荷サイズ統一と生産効率化への貢献に期待~(水産科学研究院准教授 平松尚志)
北海道大学大学院水産科学院博士後期課程のムエタ フリダ ガシェリ氏、山口 燿氏(現在は長崎大学所属日本学術振興会特別研究員PD)、同大学大学院水産科学研究院の平松尚志准教授、東藤 孝教授及び北海道立総合研究機構栽培水産試験場の川崎琢真研究主幹の研究グループは、クロソイ(Sebastes schlegelii)の全雌生産に世界で初めて成功しました。胎生メバルの仲間のクロソイは、主に北海道をはじめ我が国の北方海域で漁獲される重要な水産資源であり、メバル類の中でも特に成長が早く、一尾の親から数万尾の稚魚を得られること、酸欠や水温・水質変化などの環境変化にも強いなどの特徴から...
キーワード:環境変化/個体群/性転換/種苗生産/精巣/卵巣/精子/妊娠
他の関係分野:複合領域生物学医歯薬学
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発表日:2025年6月24日
100
日本における絶滅種タカネハナワラビの再発見
~希少種ミヤマハナワラビの新産地の同時発見を添えて~(総合博物館助教 首藤光太郎)
日本データーサービス株式会社の平野遥人氏、草花堂(兼北海道大学総合博物館ボランティア)の藤田 玲氏、国立科学博物館の海老原淳研究主幹、北海道大学公共政策大学院の中山隆治教授、同大学総合博物館の首藤光太郎助教らの研究グループは、これまで国内では絶滅したと考えられてきたタカネハナワラビと、本種に近縁かつ希少なミヤマハナワラビの2種が、北海道有珠山で隣接して生育していることを発見・報告しました。タカネハナワラビは、国内では1976年に北海道有珠山で一度だけ採集記録のあるシダです。発見の翌年に有珠山が噴火し生育地が壊滅したこと、その後生育記録がないことから、環境省第5次レッドリストで絶滅(...
キーワード:ボランティア/公共政策/維管束/絶滅危惧種
他の関係分野:複合領域環境学生物学
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発表日:2025年6月24日
101
海藻に咲くアサガオクラゲに寄生する生物の多様性
~付着性クラゲの一種「アサガオクラゲ」から新たに2種の吸虫類の幼虫を報告~(理学研究院講師 角井敬知)
北海道大学水産学部の筒井幸多氏、同大学大学院理学研究院の角井敬知講師の研究グループは、海藻に付着して生きるクラゲの一種であるアサガオクラゲから、2種の吸虫類の幼虫を発見しました。アサガオクラゲは、世界から約50種が知られる十文字クラゲ綱の一員です。十文字クラゲ類はクラゲと聞いて想像するような浮遊生活者ではなく、岩や海藻などにくっついて暮らす全く泳がないクラゲ類です。日本では特に北日本の沿岸域でよく見つかる生き物ですが、何を食べるのか、何に食べられるのかといった基礎的な生態にも謎の多い、研究のあまり進んでいない動物群です。今回、北海道余市町の海藻上から採集したアサガオクラゲ...
キーワード:沿岸域/水産学/遺伝子
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発表日:2025年6月20日
102
海洋の窒素循環を解明する新たな研究
~アナモックスの酸素同位体分別測定に初めて成功~(工学研究院 教授 岡部聡)
北海道大学大学院工学研究院の岡部 聡教授、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の小林香苗特任研究員らの研究グループは、嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)反応における酸素同位体分別(18ε)を求めることに世界で初めて成功しました。海洋の窒素循環は、地球環境の維持に不可なサイクルであり、その仕組みを正確に理解することにより、気候変動対策や生態系の保全に大きく寄与することができます。しかし、その中で重要な役割を果たす嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)による窒素除去のプロセスについては、まだ未解明な点が多く残されています。特に、アナモックスの酸素同位体...
キーワード:窒素循環/海洋/気候変動/酸素同位体/酸素同位体比/地球化学/同位体/同位体分別/同位体比/アンモニア/分子状酸素/地球環境/機構総合/同位体効果/生態系/細菌
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発表日:2025年6月20日
103
ナノカプセルでミトコンドリアのゲノム編集に成功
~ミトコンドリア遺伝子疾患治療に向けた新規技術の開発~(薬学研究院 教授 山田勇磨)
北海道大学大学院薬学研究院の山田勇磨教授、同大学院薬学研究院修士課程の野呂田楓氏(研究当時)、リューベック大学(ドイツ)の廣瀬みさ主任研究者らの共同研究グループは、ミトコンドリア標的型ナノカプセル(MITO-Porter)を用いてCRISPR/Cas9ゲノム編集装置(RNP)を哺乳類細胞のミトコンドリア内に直接送達し、特定の遺伝子変異を標的としたミトコンドリアDNA(mtDNA)のゲノム編集に成功しました。ミトコンドリアDNAの変異は、様々な難治性疾患の原因となることが知られていますが、その二重膜構造がゲノム編集装置の導入を困難にしてきました。本研究では、独自開発したMITO-Po...
キーワード:ミトコンドリアDNA/ナノ粒子/マイクロ/マイクロ流体/膜構造/ナノカプセル/細胞モデル/哺乳類/ゲノム編集技術/CRISPR/mtDNA/臨床応用/ゲノム編集/Hela細胞/マイクロ流体デバイス/ミトコンドリア/ゲノム/遺伝子/遺伝子変異/脂質
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発表日:2025年6月19日
104
エクソソーム模倣ナノ粒子の作製に成功
~エクソソーム創薬や診断技術の確立に期待~(工学研究院 准教授 真栄城正寿)
北海道大学大学院工学研究院の真栄城正寿准教授、渡慶次学教授らの研究グループは、独自に開発したマイクロ流体デバイスを用いることで、細胞間の情報伝達を担っている細胞外小胞であるエクソソームを模倣した脂質ナノ粒子の作製に成功しました。エクソソームは、内部に核酸(miRNAやmRNAなど)やタンパク質を搭載しており、がんの新たなバイオマーカーや薬物送達システム(DDS:Drug Delivery System)としての応用が期待されています。しかし、細胞から分泌される天然のエクソソームは、粒径やエクソソーム表面に存在しているタンパク質の種類や量が不均一であり、エクソソームの機能解明やDDSへの応用の...
キーワード:準粒子/ナノ粒子/マイクロ/マイクロ流体/薬物送達システム/CD8/細胞外小胞/CD9/mRNA/DDS/RNA/siRNA/インテグリン/マイクロ流体デバイス/マウス/遺伝子治療/医薬品開発/創薬/培養細胞/miRNA/エクソソーム/バイオマーカー/遺伝子/脂質/動物実験
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発表日:2025年6月18日
105
最も硬い物質「ダイヤモンド」が極低温で軟らかくなる
~鍵を握るのは電子!〜(理学研究院 教授 柳澤達也)
北海道大学大学院理学研究院の柳澤達也教授を中心とし、ドレスデン強磁場研究所・ドレスデン工科大学(ドイツ)、京都大学、新潟大学が協働した国際研究グループは、人工ダイヤモンドが極低温で軟らかくなる新現象を発見しました。この結果は、ダイヤモンド内に未知の量子状態が存在することを示唆しており、量子センサや量子計算といった次世代技術への応用が期待されます。ダイヤモンドはその美しさだけでなく、硬度や熱伝導率の高さなどの物理的性質から多方面で応用されています。中でも欠陥や不純物の少ない人工ダイヤモンドは、宝飾用用途や機械分野への応用だけでなく、量子情報分野のデバイス基板として期待されており、特に...
キーワード:オープンアクセス/量子計算/強磁場/精密測定/対称性/量子コンピュータ/量子情報/量子情報処理/中性子/電子スピン共鳴/磁場/弾性率/電子線/弾性定数/単結晶/スピン/センシング/格子欠陥/極低温/超音波/熱伝導/熱伝導率/ホウ素/結晶構造
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発表日:2025年6月16日
106
オホーツク海南部氷縁域の氷盤分布観測にはじめて成功
~季節海氷域の融解過程の理解と変動予測への貢献に期待~(低温科学研究所 助教 豊田威信)
北海道大学低温科学研究所の豊田威信助教、西岡 純教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科の早稲田卓爾教授、国立極地研究所の伊藤優人研究員らの研究グループは、オホーツク海南部海氷域氷縁域の氷盤分布の特徴を明らかにして氷縁域における融解過程の仕組みを解明しました。現在、オホーツク海を含む世界の海氷域は減少傾向にあります。気候変動予測を行うためには、気候モデルの中で海氷融解を正しく再現する必要があるのですが、海氷の融解過程は未だに十分理解されておらず、最新の気候モデルでも融解期の海氷域の再現性は低い状況にありました。オホーツク海のような季節海氷域の後退を制御するのは氷縁域の融解...
キーワード:海氷/極地/自己相似/自己相似性/オホーツク海/気候モデル/気候変動/熱力学/モデル化/数値モデル/ドローン
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発表日:2025年6月12日
107
大型ティラノサウルス類の起源と進化の解明
~ティラノサウルスの進化の鍵は"成長スピードの違い"~(総合博物館 教授 小林快次)
北海道大学総合博物館の小林快次教授、カルガリー大学のダーラ・ザレトニツキー教授らの国際共同研究グループは、モンゴルの白亜紀後期の地層(約9,000万年前)から発見された新種のティラノサウルス類カンクウルウ・モンゴリエンシス(Khankhuuluu mongoliensis)を報告し、この発見をもとに、北米とアジアにおける大型ティラノサウルス類であるエウティラノサウルス類(ティラノサウルス・レックスTyrannosaurus rexやタルボサウルス・バタールTarbosaurus bataarなどの恐竜)の起源と進化に関する新たな仮説を提案しました。本...
キーワード:白亜紀/シナリオ/系統解析
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発表日:2025年6月10日
108
世界初 1,800万年前の海草化石を発見
~ブルーカーボン生態系の成立史解明への第一歩~(理学研究院教授 山田敏弘)
北海道大学大学院理学研究院の山田敏弘教授は、愛知県南知多町に分布する中新世(約1,800万年前)の地層から、中新世の化石としては世界初となる海草(海に生育する単子葉類)の新種モロザキムカシザングサとアイチイソハグキを報告しました。現在の浅海で海草は、動物のえさや棲家となったり、二酸化炭素を固定したりと、いわゆるブルーカーボン生態系の基礎を支えています。これまでの研究で、海草が約8,100万年前に出現したことが分かっています。しかし、植物体が柔らかい海草は分解されやすく、その化石は世界でも数例が報告されているに過ぎません。そのため、海草を中心とする現在のブルーカーボン生態系がどのよう...
キーワード:植物相/中新世/カーボン/二酸化炭素/生態系
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発表日:2025年6月5日
109
世界初!群来くき(ニシンの大規模産卵)の可視化に成功
~水産学・生態学・水産資源管理など多岐にわたる分野への貢献を期待~(北方生物圏フィールド科学センター教授宮下和士)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの宮下和士教授、南 憲吏准教授、朱 妍卉特任助教、佐藤信彦氏(研究当時、現 水産研究・教育機構)、同大学大学院水産科学研究院の富安 信助教、同大学大学院環境科学院の関 恭佑氏、黒田充樹氏、標津サーモン科学館館長の市村政樹氏らの研究グループは、一般的に群来(くき)と呼ばれる、大規模なニシン(Clupea pallasii)の集団産卵の行動を世界で初めて可視化し、産卵時の行動が周期的に変化することを発見しました。集団産卵は魚類に広く見られる繁殖様式であり、群れの中で複数個体が精子の放出(放精)と卵の放出(放卵)を繰り返す特徴があり...
キーワード:沿岸生態系/海洋/フェロモン/個体群/生態系/TEMPO/漁業/資源管理/水産学/生態学/受精/精子
他の関係分野:環境学生物学医歯薬学
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発表日:2025年6月4日
110
Y染色体はどこへ?―ユニークな進化の軌跡
~トゲネズミ性染色体の長年の謎が明らかに~(理学研究院 教授 黒岩麻里)
北海道大学大学院理学研究院の黒岩麻里教授、久留米大学医学部の奥野未来講師、東京科学大学生命理工学院の伊藤武彦教授らの研究グループは、性染色体に大変ユニークな特徴をもつ日本固有のトゲネズミのゲノム配列を解読し、Y染色体の進化の軌跡を明らかにしました。ヒトを含む哺乳類では、性染色体がXY型だと男性(オス)、XX型だと女性(メス)になります。しかし、奄美大島と徳之島にそれぞれ生息するアマミトゲネズミとトクノシマトゲネズミはY染色体を失っており、オスもメスもX染色体1本のXO/XO型です。一方で、沖縄に生息するオキナワトゲネズミはXX/XY型ではあるものの、一般的な哺乳類とは異なり、一対の...
キーワード:性染色体/染色体構造/哺乳類/ゲノム構造/ゲノム配列/性決定/性決定遺伝子/Sry/染色体/ゲノム/遺伝学/遺伝子
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発表日:2025年5月27日
111
イチゴの味の違いが視えた!
~定量的質量分析イメージング(MALDI-TOF q-MSI)で果実成分の濃度分布を可視化して比較~(農学研究院特任教授鈴木卓)
北海道大学大学院農学研究院の鈴木 卓特任教授、同大学大学院農学院博士後期課程の藤木卓巳氏を中心とする研究グループは、定量的質量分析イメージング(MALDI-TOF q-MSI)技術を用いて、イチゴの糖(ヘキソース及びスクロース)、有機酸(クエン酸及びリンゴ酸)並びにビタミンC(アスコルビン酸)含量の果実内分布を可視化し、イチゴ6品種の果実を材料に、成分分布の品種ごとの特徴を調べました。従来の質量分析イメージング法では異なる材料間の比較が困難であったため、研究グループは隣接する組織切片を用いた定量分析データを加味してイメージング画像を再構築した後、各材料を比較しました。その結果、品種を問わずヘ...
キーワード:TOF/質量分析/ビタミンC/アスコルビン酸/クエン酸/有機酸/ビタミン/MSI/質量分析イメージング
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発表日:2025年5月26日
112
研究者4人と市民160人が垣根を越えて全国一斉ヘビ調査
~下北半島から屋久島までヤマカガシの色彩多型の記載に成功~(北方生物圏フィールド科学センター日本学術振興会特別研究員PD細木拓也)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの細木拓也JSPS特別研究員、京都大学大学院理学研究科博士後期課程の福田将矢氏(研究当時、現:京都大学総合研究推進本部リサーチ・アドミニストレーター)、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻の久保孝太特任研究員、在野研究者の福田文惠氏ら研究者4名と、市民160名からなる市民科学研究グループは、日本固有種のヘビ類ヤマカガシにみられる体の色や模様のちがい(色彩多型)を、青森県の下北半島から鹿児島県の屋久島に至るまで一斉に調査し、その驚くほど豊かな色彩の多様性を明らかにしました。この地球上には多種多様な生物が生息しています。しかし、研究者の力...
キーワード:画像データ/日本列島/惑星/惑星科学/生物多様性/地理的変異
他の関係分野:情報学数物系科学
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発表日:2025年5月26日
113
廃棄血液から再生医療に重要な血小板溶解物の製造に成功
~廃棄予定の血液フィルターから作製したヒト血小板溶解物が幹細胞培養の新たな選択肢に~(医学研究院講師川堀真人)
北海道大学大学院医学研究院の藤村 幹教授らの研究チーム、株式会社RAINBOW(本社:札幌市)、及び日本赤十字社北海道ブロック血液センターは、間葉系幹細胞(MSC)の増殖に有効な培養サプリメントとして、廃棄予定の白血球除去フィルターから回収した血小板と血漿を用いたヒト血小板溶解物(以下、f-hPL)の製造に成功し、その有効性を実証しました。再生医療や細胞治療の実用化には、細胞の大量増殖が不可欠となっています。これまでの細胞培養ではウシ胎児血清(FBS)が一般的に使用されていましたが、免疫反応や倫理的懸念、動物由来感染症のリスクなどの課題がありました。f-hPLはこれに代わる有望な選...
キーワード:ウシ/血清/胎児/白血球/間葉系幹細胞/軟骨/幹細胞/血液/血小板/再生医療/細胞治療/細胞増殖/細胞培養/感染症/臨床研究
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2025年5月21日
114
薬剤を2,000倍濃縮して閉じ込める!
~新しい薬剤キャリア(無機ナノ粒子カプセル化技術)を開発~(電子科学研究所准教授三友秀之)
北海道大学電子科学研究所の三友秀之准教授(研究当時:東北大学多元物質科学研究所兼務)、居城邦治教授、谷地赳拓博士研究員(現在:東北大学多元物質科学研究所 助教)、理化学研究所放射光科学研究センターの米倉功治グループディレクター(東北大学多元物質科学研究所 教授兼務)らの研究グループは、無機ナノ粒子を構成要素としたナノサイズの中空カプセル構造体を作製する新たな技術を開発しました。本研究で開発された中空カプセル(直径100 nm)は、薬剤を内包し、標的とする疾患部位へ適切に薬剤を送達するドラッグデリバリーキャリアとしての応用が期待されます。これまで、リポソームや高分子材料を用いた有機系...
キーワード:水溶液/物質科学/閉じ込め/相分離/放射光/磁場/金ナノ粒子/高分子/微小液滴/キャリア/赤外光/酸化鉄/ナノサイズ/ナノ粒子/高分子材料/ナノカプセル/機能性/クエン酸/副作用
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年5月20日
115
イヌのがんに抗CTLA-4抗体治療が有効であることを初めて報告
~イヌのがんへの免疫療法の適用拡大に期待~(獣医学研究院教授 今内覚)
北海道大学大学院獣医学研究院の前川直也特任助教及び今内 覚教授、大阪公立大学大学院工学研究科の中西 猛准教授及び立花太郎教授、東北大学大学院医学系研究科の加藤幸成教授らの研究グループは、免疫チェックポイント分子(免疫抑制分子)の一つであるCTLA-4を阻害する抗体薬を開発し、北海道大学動物医療センターにおける臨床研究を行い、進行したイヌの悪性腫瘍に対して抗腫瘍効果が得られることを世界で初めて報告しました。イヌのがん(悪性腫瘍)は外科切除、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)によって治療されることが一般的ですが、これらの治療では完治に至らないケースも多く、免疫療法などの新しい治療法の...
キーワード:獣医学/PD-L1/放射線療法/免疫抑制/悪性腫瘍/免疫療法/がん治療/抗腫瘍効果/免疫チェックポイント/化学療法/抗がん剤/抗体/放射線/臨床研究
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2025年5月16日
116
アゴハゼ稚魚は他個体の行動から摂餌課題を学ぶ
~世界で2例目の単居性魚類稚魚における社会情報利用~(水産科学研究院助教石原千晶)
北海道大学大学院水産科学院修士課程2年の中山大佑氏(研究当時)、同大学大学院水産科学研究院の石原千晶助教、和田 哲教授らの研究グループは、日本の潮間帯に多く見られるアゴハゼの稚魚が、生まれて初めて出会った「人工のフレーク餌」と「水面という餌場」について、自らの経験だけでなく、経験済みの個体を観察することによって、素早く学習することを明らかにしました。動物は、自らの試行錯誤によって得られる独自情報と、他の個体を観察することで得られる社会情報を利用できます。生まれてからの時間が短い若齢個体は、成体と比べて自らの経験に乏しいため、社会情報を利用することのメリットが特に高いと期待されますが...
キーワード:行動生態学/硬骨魚類/グッピー/底生生物/水産学/生態学
他の関係分野:複合領域生物学工学
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発表日:2025年5月13日
117
コケ植物が環境に応じて隣同士の細胞間コミュニケーションを制御する新たな仕組みを発見
~環境悪化にともない、ストレスホルモン、アブシジン酸が細胞壁にあく多数の小さな孔の形成を抑制~(理学研究院 教授 藤田知道)
北海道大学大学院理学研究院の神野智世博士研究員、楢本悟史准教授、藤田知道教授らの研究グループは、東京農業大学生命科学部の坂田洋一教授、埼玉大学大学院理工学研究科の竹澤大輔教授らとの共同研究により、コケ植物が環境に応じて細胞間コミュニケーションを調節する新たな仕組みを発見しました。植物は「原形質連絡(Plasmodesmata, PD)」と呼ばれる細胞壁にある多数の微細な孔を通じて、細胞間で情報分子や栄養素をやり取りしています。このPDは直径わずか数十ナノメートルと極めて小さく、この構造を通じてRNAや代謝産物、イオンなどが通過することで細胞同士が協調し、個体全体としての成長や環境応...
キーワード:コケ植物/環境適応/ナノメートル/原形質連絡/酸化酵素/リン酸/植物ホルモン/環境ストレス/環境応答/細胞壁/細胞間コミュニケーション/ホルモン/代謝産物/脱リン酸化/RNA/リン酸化酵素/受容体/転写因子/コミュニケーション/ストレス
他の関係分野:生物学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年5月12日
118
イワナのあくびの長さは地域でちがう
~動物のあくびの地域集団間変異を世界で初めて実証~(水産科学研究院教授和田哲)
北海道大学大学院水産科学院修士課程の長坂玲央氏、同大学大学院水産科学研究院の和田 哲教授、同大学水産科学院博士後期課程の山田寛之氏(研究当時、現 日本学術振興会特別研究員(PD))は、北海道南部に生息するイワナの稚魚であくびの地域集団間比較を行い、稚魚のあくびの持続時間が生息地ごとに異なることを明らかにしました。本研究は、脊椎動物におけるあくびの地域集団間変異を実証した世界初の研究です。あくびは脊椎動物で広く観察されている行動であり、種間変異があることは知られていました。しかし、霊長類をはじめとする脊椎動物の全ての分類群で、あくびの地域集団間変異(種内変異)を検証した研究はありませ...
キーワード:行動生態学/個体群/脊椎動物/霊長類/血流/水産学/生態学/脊椎
他の関係分野:複合領域生物学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年5月12日
119
北海道南方はるか沖合表層でスケトウダラの分布を発見
~同種の沖合分布記録を大幅に広げる発見、越冬後の栄養回復のため回遊した可能性を指摘~(水産科学研究院准教授山村織生)
北海道大学大学院水産科学研究院の山村織生准教授、松野孝平助教、同大学水産学部附属練習船おしょろ丸二等航海士の大和田真紀助教(研究当時、現 附属練習船うしお丸助教)、同船長の亀井佳彦教授の研究グループは、2022年5月下旬に実施された附属練習船おしょろ丸による実習中に、北海道南方はるか沖合の2地点(図1のStn.1、Stn.2)での表層トロール網(最大採集水深33m)の操業において、合計2,999尾のスケトウダラを採集しました。さらに南側の地点(図1のStn.3)での操業では、魚類が全く採集されませんでした。採集された地点(Stn.1、Stn.2)は北海道沿岸からそれぞれ36kmと1...
キーワード:北西太平洋/西太平洋/カイアシ類/漁業/親潮/水産学
他の関係分野:数物系科学生物学
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発表日:2025年5月9日
120
レドックス刺激により多様な分子骨格の構築を実現
~機能性分子を構築する新規アプローチとして科学技術分野での応用性にも期待~(理学研究院准教授石垣侑祐)
北海道大学大学院理学研究院の石垣侑祐准教授及び同大学大学院総合化学院博士後期課程(研究当時)の張本 尚氏(現在:分子科学研究所助教)らの研究グループは、レドックス反応を巧みに利用することで、従来のアプローチでは到達困難であった分子骨格を含む、複数の分子構造を作り分ける戦略を考案し、その有効性を実証しました。複数の芳香環を含むπ電子系化合物は、特異な物性を示すことから機能材料分野において盛んに研究がなされてきました。分子骨格を適切にデザインすることで、その分子骨格に特有の物性(例えば、鮮やかな色調や可視-近赤外領域での発光)を示すことから、π電子系化合物は様々な分野で広く利用されてい...
キーワード:近赤外/π電子/分子構造/芳香環/芳香族/機能性分子/酸化還元/構造変換/機能材料/機能性/レドックス
他の関係分野:数物系科学化学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年5月1日
121
T細胞内の分子を標的とした新たなペプチド阻害剤を開発
~自己免疫疾患の新たな治療薬開発への応用に期待~(薬学研究院特任教授 松田正)
北海道大学大学院薬学研究院の佐々木悠斗研究員、松田 正特任教授及び北海道科学大学の柏倉淳一教授らの研究グループは、アダプター分子であるSTAP-1を標的とした新たなT細胞阻害剤を開発し、本阻害剤が自己免疫疾患の病態を抑制する作用があることを見出しました。通常、私たちの体内に病原体が侵入した場合、免疫担当細胞が担う生体防御反応により排除されます。これにはT細胞が主要な役割を果たしており、T細胞の機能はT細胞受容体(TCR、T cell receptor)下流の信号伝達機構により厳密に制御されています。何らかの原因による異常なT細胞活性化は自己免疫疾患の発症や重症化の原因であることから...
キーワード:最適化/アダプター/酸化酵素/リン酸/病原体/TCR/生体防御/T細胞受容体/T細胞/リン酸化酵素/自己免疫/自己免疫疾患/受容体/阻害剤/免疫応答
他の関係分野:情報学医歯薬学
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発表日:2025年5月1日
122
腎疾患における好中球の関与を詳細解説
~好中球細胞外トラップを中心に~(保健科学研究院教授 石津明洋)
北海道大学大学院保健科学研究院の石津明洋教授、益田紗季子講師、西端友香講師、同大学大学院医学研究院の中沢大悟講師、楠(渡辺)加奈子助教、北海道大学病院の外丸詩野准教授らの研究グループは、腎疾患における好中球と好中球細胞外トラップの役割についての総説を発表しました。好中球は末梢血白血球中の最多の免疫担当細胞で、従来は均質な細胞集団とみなされていましたが、近年、異なる遺伝子発現プロファイルと免疫特性を持つ多様な細胞群であることが分かってきました。感染などの刺激により活性化された好中球は、刺激の種類とそれを受け取るサブセットの違いに応じて、サイトカイン、ケモカイン、タンパク分解酵素、活性...
キーワード:プロファイル/病原微生物/トラップ/生体内/微生物/血栓/腎臓病/全身性エリテマトーデス/遺伝子発現プロファイル/急性腎障害/血管障害/細胞毒性/糸球体/生体防御/白血球/自己抗原/ケモカイン/活性酸素/好中球/抗原/自然免疫/腎障害/腎臓/生理活性/生理活性物質/サイトカイン/遺伝子/遺伝子発現/慢性腎臓病
他の関係分野:情報学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年4月21日
123
コロナウイルス感染を抑える香辛料由来天然化合物を発見
~変異株にも有効な抗ウイルス薬の開発に期待~(先端生命科学研究院 教授 門出健次)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の門出健次教授、同大学大学院農学研究院の村井勇太准教授、同大学人獣共通感染症国際共同研究所の佐藤彰彦客員教授(兼 塩野義製薬株式会社主席研究員)、同大学総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点の澤 洋文教授らの研究グループは、香辛料などに含まれるマラバリコーンCがSARS-CoV-2(コロナウイルス)に対して抗ウイルス活性を有することを発見しました。現在、新型コロナウイルスの抗ウイルス薬は複数あり、それぞれの作用機序や対象が異なります。また抗ウイルス薬によっては使用や併用禁忌もあり、安全性への配慮が必要となります。そこで研究グループは、安全な...
キーワード:デルタ/人獣共通感染症/変異株/脂質ラフト/SARS-CoV-2/細胞膜/新型コロナウイルス/評価法/スクリーニング/化合物ライブラリー/抗ウイルス薬/天然化合物/天然有機化合物/膜融合/ウイルス/ワクチン/感染症/脂質
他の関係分野:複合領域総合生物医歯薬学
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発表日:2025年4月18日
124
軽いカレイはよく泳ぐ
~異体類の体比重と生態の関連を指摘~(水産科学研究院准教授山村織生)
北海道大学大学院水産科学研究院の山村織生准教授、同大学院水産科学院博士後期課程3年(研究当時)の西尾燦吾氏らの研究グループは、北海道周辺に分布する異体類16魚種の体比重を計測して比較しました。16魚種をその摂餌習性から、主に魚類やイカ類などを捕食する遊泳生物食者(2魚種)、ゴカイ類、二枚貝や小型甲殻類を捕食する底生生物食者(9魚種)と、両者の中間的な位置づけにある混合食者(5魚種)に分類し体比重を比較したところ、遊泳生物食者の体比重が圧倒的に低く、混合食者がそれに次ぎ、底生生物食者が最も高い体比重を示しました。中でも遊泳生物食者のカラスガレイは最も低い体比重(平均値1.0...
キーワード:カラス/底生生物/甲殻類/水産学/二枚貝/脂質
他の関係分野:工学医歯薬学
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発表日:2025年4月16日
125
細菌の進化と遺伝子変異を短期間で可視化する技術を開発
~細菌感染症・薬剤耐性の克服に有用なツールとして期待~(獣医学研究院准教授佐藤豊孝)
札幌医科大学大学院医学研究科博士課程の上村幸二郎氏、同大学医学部の山本 聡講師、小笠原徳子准教授、髙橋 聡教授、千葉弘文教授、横田伸一教授、東邦大学医学部の青木弘太郎助教、大阪公立大学大学院生活科学研究科の和田崇之教授、北海道大学大学院獣医学研究院/同One Healthリサーチセンターの佐藤豊孝准教授らの研究グループは、細菌を短期間(20日以内)で急速に適応進化させ、進化の過程で出現した数多くの遺伝子変異の中から、病原性や薬剤耐性に関与する遺伝子変異を網羅的に抽出・推定する手法「RIBEA(Rapid andIntegratedBacterial...
キーワード:適応進化/リスク評価/血流/獣医学/病原性/細菌感染/遺伝子/遺伝子変異/感染症/細菌/薬剤耐性
他の関係分野:生物学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年4月12日
126
選ばれた神経だけが強くなる――脳の勝者総取り戦略
~シナプスの構造的な強化を3次元で可視化~(医学研究院准教授山崎美和子)
北海道⼤学⼤学院医学院博⼠課程4年の新田麻子氏(研究当時)、同大学院医学研究院の山崎美和子准教授らの研究グループは、脳が発達過程で重要な神経接続を選び取り、不要なものを除去する「神経回路の精緻化」に着目し、小脳プルキンエ細胞―登上線維シナプスの構造的強化を明らかにしました。出生直後のマウスでは、複数の登上線維が一つのプルキンエ細胞に接続していますが、生後7日頃から「勝者」となる1本が選ばれ、他の登上線維を退けて樹状突起へと移行し始めます。本研究では、連続電子顕微鏡法を用いて「勝者」登上線維シナプスの微細構造を3次元的に可視化し、免疫組織化学により、分子の分布を解析しました...
キーワード:電子顕微鏡/電子顕微鏡法/微細構造/グルタミン酸受容体/シナプス/小脳/小脳プルキンエ細胞/登上線維/組織化学/組織化/神経伝達物質/解剖学/グルタミン酸/マウス/受容体/樹状突起/神経回路/免疫組織化学
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発表日:2025年4月10日
127
西部北太平洋の植物プランクトン群集組成を制御する栄養物質供給機構の解明
~北太平洋中層水から供給される鉄とケイ素の重要性~(低温科学研究所教授西岡純)
北海道大学低温科学研究所附属環オホーツク観測研究センターの西岡 純教授、同大学大学院地球環境科学研究院の鈴木光次教授、東京大学大気海洋研究所の小川浩史教授、安田一郎教授(研究当時)らの研究グループは、北太平洋の中層水から供給される鉄(Fe)やケイ素(Si)、窒素(N)などの栄養物質量とその化学量論比が、表層の植物プランクトン群集組成を制御することを明らかにしました。これまで、オホーツク海やベーリング海などの北方圏縁辺海から北太平洋に繋がる中層の循環によって植物プランクトンの増殖に欠かせないFeやSiやNなどの栄養物質が移送され、北太平洋の生物生産を高めていることが分かっていました。...
キーワード:産学連携/フラックス/海洋炭素循環/珪藻/海洋/炭素循環/オホーツク海/気候変動/北太平洋/乱流混合/ケイ素/地球環境/栄養塩/化学工学/ベーリング海/生態系/プランクトン/海洋生態/海洋生態系/植物プランクトン/親潮/生物生産
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発表日:2025年4月9日
128
3Dプリンターを活用した安価な材料合成ロボットの開発
~材料合成プロセスの自動化~(理学研究院教授髙橋啓介、助教髙橋ローレン)
北海道大学大学院理学研究院・総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の髙橋啓介教授、髙橋ローレン助教、クワハラ・ミカエル学術研究員、前田 理教授らの研究グループは、3Dプリンターを活用して完全自作可能な材料合成ロボット「FLUID」を開発しました。これまで、研究グループは触媒インフォマティクスを活用し、人工知能による材料開発を実現してきました。しかし、触媒の合成や評価は依然として人が担っており、化学実験の完全自動化には至っていませんでした。一方、海外では化学合成ロボットの販売が始まっていますが、高額かつ汎用性の低さが導入の大きな障壁となっていました。そ...
キーワード:インターフェース/AI/情報学/人工知能(AI)/産学連携/無機材料/3Dプリンター/コバルト/モーター/ロボット/ロボット制御/酸化物/自動化/流体制御/インフォマティクス/カエル
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発表日:2025年4月1日
129
受精卵の細胞分化を調節する新たな仕組み
~ウシ胚を用いて明かされる細胞極性に依存しない分化制御~(農学研究院准教授川原学)
北海道大学大学院農学研究院の川原 学准教授らの研究グループは、同大学大学院農学院博士後期課程の齋藤 隼氏らとともに、我が国で最も重要な食資源動物の一つであるウシの初期胚発生における細胞分化の仕組みを明らかにしました。初期胚の発生を制御する分子経路であるHippoシグナルの調節は、Yes-associated protein 1 (YAP1)という分子の細胞内局在によって制御されます。最も研究が進んでいる実験動物マウスの初期胚を用いた研究において、細胞の方向性を決める細胞極性の確立がYAP1細胞内局在を決定していることが明らかにされています。細胞極性の確立というイベントは、全ての哺乳類初期胚に...
キーワード:産学連携/マウス胚/初期胚/胚発生/実験動物/哺乳類/ウシ/初期胚発生/受精/受精卵/着床/分化制御/マウス/細胞極性/細胞内局在/細胞分化/分子生物学
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発表日:2025年4月1日
130
発酵的水素生成能の高いマリン・ビブリオの存在意義
~カーボンニュートラルの実現に向けたマリン・バイオリソースの活用に期待~(水産科学研究院教授澤辺智雄)
北海道大学大学院水産科学研究院の美野さやか助教、澤辺智雄教授、インド国立科学技術研究所のラメッシュクマー博士、ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学のトンプソン教授らの研究グループは、発酵的水素生成能の高い海洋細菌であるビブリオ・トリトニアスを見いだし、ゲノム比較、網羅的遺伝子発現解析、生理比較などを行い、この細菌が高い水素生成を維持し続けている理由を検討してきました。一連の研究は、発酵的水素生成に寄与するギ酸水素リアーゼ複合体(FHL)遺伝子群が、他の細菌には類を見ない、美しく整然と並んだ単一遺伝子クラスターを形成していることや、発酵的水素生成の過程で生じるギ酸の再取り込みが高い水素生成に寄与...
キーワード:産学連携/温室効果ガス/海洋/水素生成/温室効果/海底堆積物/堆積物/分子系統解析/分子系統/生産技術/カーボンニュートラル/カーボン/遺伝子クラスター/発酵/海洋細菌/輸送体/消化管/系統解析/バイオ燃料/微生物/遺伝子発現解析/発現解析/網羅的遺伝子発現解析/解糖系/大腸/大腸菌/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現/細菌
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発表日:2025年3月28日
131
狂犬病ウイルスが標的とする、四量体pY-STAT1の構造を初めて解明
~STATファミリーに関する新知見の提供及び、狂犬病に対するワクチン開発の貢献に期待~(先端生命科学研究院教授尾瀬農之)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の尾瀬農之教授、同大学大学院生命科学院博士後期課程の杉山 葵氏(研究当時博士後期課程三年)及び南 未来氏、同大学大学院薬学研究院の喜多俊介准教授、前仲勝実教授、京都大学医生物学研究所の杉田征彦准教授、大阪大学蛋白質研究所の廣瀬未果特任研究員(常勤)らの研究グループは、転写因子STAT1の機能体である、四量体pY-STAT1のクライオ電子顕微鏡構造を世界で初めて解明し、STATが多量体で機能し、DNAを認識する分子機構を初めて提唱しました。シグナル伝達及び転写活性化因子(STAT)は、Janus kinase(JAK)- STATシグナル伝達経路にお...
キーワード:DNA結合/ホモロジー/二量体/電子顕微鏡/リン酸/病原性/クライオ電子顕微鏡/免疫系/JAK/STAT/Src/分子機構/オリゴマー/抗ウイルス薬/転写因子/ウイルス/ワクチン/遺伝子/生理学
他の関係分野:複合領域数物系科学化学工学医歯薬学
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発表日:2025年3月28日
132
牛リンパ腫発症予測診断技術RAISINGの精度の高さを証明
~国内初の14研究機関による多施設検証試験を実施~(獣医学研究院教授今内覚)
北海道大学大学院獣医学研究院の今内 覚教授、岡川朋弘特任助教、国立感染症研究所の斎藤益満主任研究官、株式会社ファスマックの松平崇弘氏らの研究グループは、牛のリンパ腫の発症予測診断技術RAISINGを改良し、国内の14研究機関における多施設検証試験により本診断技術の精度の高さを証明しました。牛伝染性リンパ腫ウイルス(bovine leukemia virus:BLV)は日本中の農場で蔓延しており、BLVの感染を原因とする牛伝染性リンパ腫(enzootic bovine leukosis:EBL)の発生が急増しています。EBL発症牛は、と畜検査で全部廃棄となり、食肉として売却できないだ...
キーワード:品質管理/がん検診/DNAポリメラーゼ/リスク評価/性能評価/診断法/リンパ腫/獣医学/ウイルス/感染症
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発表日:2025年3月25日
133
手で粉砕するだけで相転移する超セラミックスを開発
~新規圧力・応力センサーの開発に期待~(工学研究院准教授鱒渕友治)
北海道大学大学院工学研究院の鱒渕友治准教授、樋口幹雄准教授(研究当時)、同大学大学院総合化学院修士課程の山本侑瑞樹氏、久米和樹氏、宮崎涼花氏(研究当時)、同大学大学院理学研究院の篠崎彩子助教、北陸先端科学技術大学院大学サスティナブルイノベーション研究領域の宋 鵬氏(現東北大学助教)、本郷研太准教授、前園 涼教授、同大学先端科学技術研究科博士前期課程のサイード・サリア・ハサン氏、京都大学の生方宏樹氏、陰山 洋教授らの研究グループは、カルボジイミドイオンで構成される超セラミックスについて、乳鉢と乳棒を用いた手粉砕で相転移が起きることを世界で初めて実証しました。本研究では、鱒渕准教授らが...
キーワード:産学連携/静水圧/ダイヤモンドアンビル/相転移/蛍光体/せん断/構造相転移/磁気特性/光学特性/センサー/せん断応力/力センサー/結晶構造/構造変化
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発表日:2025年3月13日
134
国内で約半世紀ぶりに確認されたモウコムカシヨモギ
~珍外来種が浜厚真の海岸を埋め尽くす~(総合博物館助教首藤光太郎)
北海道大学総合博物館の首藤光太郎助教、同ボランティアの道川富美子氏、同大学院地球環境科学研究院の露崎史朗教授、北海道野生植物研究所の五十嵐博氏らの研究グループは、北海道厚真町と石狩市で、国内で約半世紀ぶりにモウコムカシヨモギの生育を確認し、生育環境から外来種と推定されること、今後の分布拡大に注意が必要であることを報告しました。モウコムカシヨモギは、国内では約50年前に一度だけ室蘭市で採集記録のある植物です。当時から外来種であることが推定されていましたが、本種の国内分布を指摘した海外の文献もあり、分布の実態が曖昧でした。2022~2023年に、露崎教授と道川氏は、厚真町と石狩市で、そ...
キーワード:ボランティア/産学連携/外来種/地球環境/生態系
他の関係分野:複合領域環境学工学
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発表日:2025年3月10日
135
肥満のカギを握る腸内古細菌と糞便中グリココール酸濃度
~腸内古細菌の枯渇と糞便中グリココール酸濃度の上昇が肥満と相関することを解明~(遺伝子病制御研究所助教山村凌大)
北海道大学遺伝子病制御研究所の山村凌大助教、同大学大学院医学研究院の玉腰暁子教授らの研究グループは、北海道寿都町に居住する一般住民を対象とする疫学研究を実施し、肥満度と関連する糞便成分や腸内細菌属を明らかにしました。本研究では対象者をボディマス指数(BMI)に基づいて「低体重」「正常体重」「肥満」の3群に分類し、30種類の糞便成分と腸内細菌叢そうの組成を比較しました。その結果、肥満群では糞便中のグリココール酸(GCA)濃度が低体重・正常体重群と比べて有意に高値を示すことが明らかになりました。また、糞便中GCA濃...
キーワード:産学連携/古細菌/腸内環境/胆汁酸/遺伝子/疫学/疫学研究/細菌/細菌叢/腸内細菌/腸内細菌叢/有病率
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発表日:2025年3月6日
136
マナマコをストレスの少ない生理状態に保ち成長を促すマリン・プロバイオティクス
~次世代のマナマコ種苗生産への応用に期待~(水産科学研究院教授澤辺智雄)
北海道大学大学院水産科学院修士課程2年の工藤梨花氏、同大学大学院水産科学研究院の美野さやか助教、澤辺智雄教授、IUF-Leibniz Research Institute for Environmental MedicineのNguyen博士、Rossi博士、北海道立総合研究機構水産研究本部函館水産試験場の酒井勇一主任主査らの研究グループは、マナマコの成長を促す新規な海洋細菌の稚ナマコに対する効果を調べるため、網羅的な遺伝子発現解析を行いました。その結果、このプロバイオティクスは餌料に不足している栄養を補助しながら、稚ナマコをストレスの少ない生理状態に維持していることが示唆されました。...
キーワード:産学連携/海洋/海洋細菌/プロバイオティクス/種苗生産/微生物/プロテオグリカン/遺伝子発現解析/発現解析/ストレス応答/トランスクリプトーム/ストレス/遺伝子/遺伝子発現/細菌/脂質
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発表日:2025年3月5日
137
イジング計算による原子マッピング
~イジングマシン/量子コンピュータによる正確・高速な化学反応解析への応用に期待~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点特任助教秋山世治)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の秋山世治特任助教、長田裕也特任准教授、WPI-ICReDD及び同大学電子科学研究所の水野雄太助教、小松崎民樹教授らの研究グループは、与えられた化学反応式に対して反応物と生成物の原子の対応関係を求める原子マッピングと呼ばれる問題を、正確かつ高速に解く手法を開発しました。原子マッピング問題は化学反応のパターンを抽出することにもつながり、化学情報学における基本的問題です。しかし、原子マッピング問題を正確かつ高速に解くことは難しく、数学的に正確に解こうとすると組合せ爆発により計算量が急激に増大し、既知のデータから構築さ...
キーワード:アルゴリズム/機械学習/最適化/情報学/産学連携/計算量/量子コンピュータ/最適化手法/組合せ最適化/マッピング
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学工学
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発表日:2025年3月4日
138
亜塩素酸水を活用した乳牛の皮膚消毒技術を実証
~消毒作業の効率化を目指して~(獣医学研究院教授市居修)
北海道大学大学院獣医学研究院の市居 修教授、中村鉄平准教授、難波貴志助教らは、乳牛の手術前消毒における新たな可能性を拓きました。研究チームは、古河産業株式会社の研究員と共同で、これまで手間と時間を要していた乳牛の皮膚消毒の効率化に成功しました。従来、乳牛の開腹手術では腹部側面を使用し、手術前には毛刈り、ブラシと液体石鹸による皮膚洗浄、ヨードスクラブ、ポビドンヨードとアルコールによる消毒という一連の作業が必要でした。しかし、牛の広い腹部を対象とするこれらの作業は、術者にとって大きな負担となり、手術時間の長期化にもつながっていました。そこで研究チームは、食品の消毒にも用いられ...
キーワード:産学連携/獣医学/アルコール/大腸/大腸菌/医療の質/細菌/手術/緑膿菌
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発表日:2025年2月26日
139
有機リチウム試薬の簡便かつ環境に優しい合成法の開発
~溶媒使用量を劇的に削減可能な新規有機合成プロセスの構築へ~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点 准教授 久保田浩司)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)、同大学大学院工学研究院の伊藤 肇教授、久保田浩司准教授らの研究グループは、ボールミルという粉砕機を用いたメカノケミカル法を活用し、有機合成の歴史の中で最も幅広く利用されてきた反応剤の一つである有機リチウム試薬を、有機溶媒をほとんど用いない条件で合成し、有機合成に利用する手法を開発しました。一般的に有機リチウム試薬は、水や空気を厳密に除去した反応容器内において、高純度の有機溶媒を使用し、慎重に温度管理を行いながら調製され、有機合成に利用されています。有機リチウム試薬はその高い反応性のため、有機合成におい...
キーワード:産学連携/ハロゲン/環境調和/メカノケミカル/前駆体/リチウム/化学工学/環境負荷/機能性材料/物質生産/機能性/有機合成
他の関係分野:複合領域数物系科学化学工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年2月14日
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動物プランクトン群集サイズ組成の海域と深度による変化
~溶存酸素とカラヌス目カイアシ類の体サイズの大きな影響が明らかに~(水産科学研究院 准教授 山口 篤)
北海道大学大学院水産科学院修士課程2年の金 東佑氏、同大学大学院水産科学研究院の松野孝平助教、山口 篤准教授、海洋生物環境研究所の米田壮汰博士らの研究グループは、西部北太平洋の亜寒帯~亜熱帯域に位置する5定点にて、海表面から水深3,000mの深海までの動物プランクトン群集サイズ組成の、定点及び深度による変化を調査し、その要因を明らかにしました。動物プランクトン群集サイズ組成は、深海への物質輸送量を表す指標です。しかし、西部北太平洋における動物プランクトン群集サイズ組成の、水深及び地理変化に関する知見は乏しいのが現状でした。研究グループは亜寒帯~亜熱帯域の5定点にて、水深0-3,00...
キーワード:産学連携/海洋/溶存酸素/北太平洋/物質輸送/海洋生物/カイアシ類/プランクトン/動物プランクトン/SPECT
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学工学医歯薬学