[Top page] [日刊 研究最前線 知尋] [Discovery Saga総合案内] [大学別アーカイブス] [Discovery Saga会員のご案内] [産学連携のご案内] [会社概要] [お問い合わせ]

北海道大学 研究Discovery Saga
2025年7月24日

離乳期のαディフェンシンがビフィズス菌の定着を促す

~乳幼児の腸内環境と将来の健康をつなぐ自然免疫の働きを初めて解明~(先端生命科学研究院 教授 中村公則)

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
ビフィズス菌/腸内環境/追跡調査/自然免疫/細菌/細菌叢/腸内細菌/腸内細菌叢/乳幼児

2025年7月24日
北海道大学
森永乳業株式会社
岩見沢市

発表のポイント

●離乳期にビフィズス菌が多い子は、腸内細菌そうが成熟する3歳時点でも多くのビフィズス菌を維持。
●離乳期にαディフェンシン分泌量が多い子は、ビフィズス菌の腸管定着を促進。
●将来の疾患リスク低減につながる、乳幼児の腸内環境に着目した新しい栄養アプローチ開発に期待。

発表概要

北海道大学大学院先端生命科学研究院の中村公則教授と森永乳業株式会社の清水由宇研究員らの研究グループは、1歳前後の離乳期に腸内のビフィズス菌が多い子では、腸内細菌叢の成熟がみられる3歳時点においてもビフィズス菌が多いことを示し、この離乳期における腸管へのビフィズス菌の定着に腸管自然免疫の作用因子であるαディフェンシンが寄与することを初めて明らかにしました。
北海道岩見沢市の子どもたち33名を生後3年間にわたり経時的に追跡調査した本研究は、ヒトの腸内において健康への寄与が知られている代表的な常在菌の一つであるビフィズス菌と、ヒト自身の免疫システムであるαディフェンシンの関連に着目することで、長期にわたる良好な腸内細菌叢形成の基盤づくりにおける離乳期の重要性を明らかにした画期的な成果です。今後、食事などを通じた離乳期の腸内細菌叢とαディフェンシンからなる腸内環境への効果的な介入手法を開発することで、腸内細菌叢の破綻が関わる様々な疾患リスクの低減を通じた生涯のウェルビーイング向上に貢献することが期待されます。
なお、本研究成果は2025年7月1日(火)公開の国際学術誌Communications Medicineにオンライン掲載されました。
論文名:Modulation ofBifidobacterium by HD5 during weaning is associated with high abundance in later life(HD5の離乳期におけるBifidobacterium制御が、その後の高いBifidobacterium存在量に関与する)
URL:https://doi.org/10.1038/s43856-025-00977-6
詳細はこちら



本研究の概要図:離乳期のαディフェンシン分泌量は、将来のビフィズス菌定着に関与する