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北海道大学 研究Discovery Saga
2026年2月19日

遅延・二色発光を示す異性体臭化インジウム単結晶を開発

~将来の発光デバイスやディスプレイへの応用に期待~(電子科学研究所教授 Vasudevan Pillai Biju)

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
遅延発光及び二色発光を示す有機-無機ハイブリッド型の臭化インジウム単結晶の開発に成功
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学化学工学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
時間分解/化学組成/ディスプレイ/ハイブリッド材料/光デバイス/発光材料/発光ダイオード(LED)/単結晶/構造制御/励起子/結晶構造/インジウム

2026年2月19日
北海道大学
熊本大学

発表のポイント

●遅延発光及び二色発光を示す有機-無機ハイブリッド型の臭化インジウム単結晶の開発に成功。
●緑色と黄色の発光の起源が異性体のような構造関係にあることを解明。
●次世代の発光デバイスやディスプレイへの応用に期待。

発表概要

北海道大学電子科学研究所のヴァスデヴァン・ピライ・ビジュ教授と岡本拓也助教らの研究グループは、熊本大学大学院先端科学研究部の高橋仁徳准教授らとともに、遅延発光と二色発光の両方を示す有機-無機ハイブリッド型の臭化インジウム単結晶の開発に成功しました。
発光材料はLEDやディスプレイなどに幅広く利用され、発光の色やその持続時間は材料中の電子の動きや原子との相互作用によって決まります。近年、有機-無機ハイブリッド材料、特にハイブリッド金属ハライドが注目されています。鉛などの有害な金属を用いた材料の代替として、構造の自由度が高く安全なインジウムのハイブリッド材料への関心が高まっていますが、複数の発光特性を同時に制御する例はまだ十分には報告されていません。
本研究では同じ化学組成を持ちながら異なる結晶構造を示す、いわば異性体のような関係にある結晶が、それぞれ緑色及び黄色の発光を示すことを明らかにしました。さらに、時間分解発光測定により、緑色発光は速い励起子再結合によるものであり、黄色発光は遅れて光る自己束縛型の励起子再結合に由来することを明らかにしました。本成果は、原子レベルの構造制御によって発光の色と持続時間を同時に制御できることを示したもので、安全で高機能な次世代の光材料の開発につながると期待されます。
なお、本研究成果は、2026年1月29日(木)に英国王立化学会(Royal Society of Chemistry)のMaterials Horizons誌に早期オンライン公開されました。
論文名:Isomeric organic-inorganic indium bromide single crystals with delayed and dual colour emission(遅延発光及び二色発光を示す異性体の有機-無機臭化インジウム単結晶)
URL:https://doi.org/10.1039/D5MH02322J
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緑色及び黄色発光を示し、異性体のような関係を持つ有機-無機ハイブリッド型臭化インジウム結晶((C10H22N2)4In4Br20)の模式図