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北海道大学 研究Discovery Saga
2026年5月21日

規模が大きくない磁気嵐の際の低緯度オーロラの発生要因

~継続的・高密度の市民科学観測網による低緯度オーロラの発生要因の解明に期待~(北極域研究センター)

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
規模があまり大きくない磁気嵐の際の大気加熱に対する理解向上に貢献し、予期せぬ低軌道衛星の大気圏突入を防ぐために必要な宇宙天気予報の精度向上への貢献が期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
環境学数物系科学農学
【Sagaキーワード】
極域/磁気嵐/オーロラ/磁気圏/衛星/太陽/太陽風/衛星データ

2026年5月21日
北海道大学
沖縄科学技術大学院大学

発表のポイント

●規模が大きくない磁気嵐でも、太陽風の密度が非常に濃いと北日本でオーロラが見られる。
●市民科学による観測で、これらのイベントでは通常よりもオーロラの高さが高いことを解明。
●磁気嵐の際の大気加熱に対する理解向上、及び将来の宇宙天気予報の精度向上に期待。

発表概要

北海道大学大学院環境科学院博士後期課程1年の中山智博氏(研究当時:修士課程2年)と、沖縄科学技術大学院大学の片岡龍峰主幹研究員の研究グループは、2024~2025年に北日本で観測された5回の低緯度オーロラを対象に研究を行い、通常のオーロラよりも発光高度が高いことを明らかにしました。
この5回の低緯度オーロラは、規模があまり大きくない磁気嵐で目撃された点が特徴で、太陽風密度が非常に濃い状態で磁気圏が強く圧縮された際に発生していました。中山氏自身が撮影した写真と、北海道・東北の広い範囲で市民が撮影した写真を分析し、北日本で低緯度オーロラが見られた原因を検討しました。さらに、多くの市民科学者の写真と、衛星データを組み合わせ、オーロラの発光高度を分析しました。その結果、これらのオーロラは高度500~800 kmに達し、通常のオーロラの発光高度(約200 km)よりも高いことが明らかになりました。背の高いオーロラは熱圏の大気密度が磁気嵐に伴って大きく増加したことを間接的に示すものであり、高密度の太陽風による強い磁気圏圧縮の際に、熱圏での強い大気加熱が起こっていた可能性を示唆します。
本研究成果は規模があまり大きくない磁気嵐の際の大気加熱に対する理解向上に貢献し、予期せぬ低軌道衛星の大気圏突入を防ぐために必要な宇宙天気予報の精度向上への貢献が期待されます。
本研究成果は、2026年5月19日(火)公開のJournal ofSpace Weather and Space Climate誌にオンライン掲載されました。
論文名:Faint red auroras as seen from Japan associated with intense magnetospheric compression(日本で見られたかすかな赤いオーロラは強い磁気圏圧縮と関連している)
URL:https://doi.org/10.1051/swsc/2026004
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2024年8月4日にオーロラの観測が行われた地点(a)と、北海道の複数の地点で撮影された低緯度オーロラの写真(b)~(d)。
撮影:(b)田村幸基氏、(c)嘉藤哲志氏、(d)植松 薫氏