|
検索したキーワードがページ内でハイライトします。
| RESET |
研究分野:工学 に関係する研究一覧:158件
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月24日
1
ボールミルを用いた化学反応の特徴的な進み方は反応速度を支配する過程の切り替わりが原因!?
~有機化学とソフトマター物理学の融合研究でメカノケミカル合成の律速過程に迫る~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点特任准教授 山本哲也)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の山本哲也特任准教授、原渕 祐特任教授、江 居竜准教授、WPI-ICReDD及び同大学大学院工学研究院の久保田浩司教授、伊藤 肇教授らの研究グループは、有機化学とレオロジーの融合研究にて、ボールミルによるメカノケミカル有機合成の反応速度を決定する過程を予言する理論の構築に成功しました。従来の希薄溶液中での有機合成とは異なり、ボールミルを用いたメカノケミカル有機合成は、溶媒を必要としない、効率的な合成法として注目を集めています。希薄溶液中では、多くの場合、反応が進むと反応物が少なくなるので、時間とともに反応...
キーワード:クロスオーバー/ソフトマター/ソフトマター物理/スケーリング/物理化学/メカノケミカル/設計論/反応速度/レオロジー/有機合成
他の関係分野:数物系科学化学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月24日
2
台風かく乱後の森林は「遅れて加速」して炭素を吸収
~炭素クレジットのベースライン設計と対象森林の再考に示唆~(農学研究院教授 加藤知道)
北海道大学大学院農学研究院の加藤知道教授と同大学北方生物圏フィールド科学センター中路達郎教授、東京大学大学院農学生命科学研究科、国立環境研究所生物多様性領域の林 真智特別研究員らの研究グループは、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター苫小牧研究林の天然広葉樹が優占する森林約2,516 haを対象に、2004年の台風かく乱後の森林バイオマス回復を、多時期の航空機レーザ測量及びUAV(無人航空機)レーザ測量と現地調査を統合して18年間(2004-2022年)追跡し、その時空間動態を高解像度(2m)で定量化しました。その結果、対象地全域の18年間の平均森林地上部バイオマス成長速度は1....
キーワード:深層学習/人工知能(AI)/UAV/非線形/LiDAR/現地調査/航空機/二酸化炭素/制度設計/バイオマス/森林バイオマス/人工林/天然林/生物多様性
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月23日
3
α-シリル有機アルキル金属錯体のユニークな反応性の発見
~アルカリ金属錯体の新たな設計指針へ~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点特任助教 神名航)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の神名 航特任助教と林 裕樹特任准教授(研究当時。現・名古屋大学物質科学国際研究センター准教授)及び英国バーミンガム大学博士課程のシャオ・ヤン氏、同大学エアリ・ルー准教授、ニューキャッスル大学のジャック・ヘミングウェイ博士研究員らの国際研究グループは、α-シリル有機リチウム錯体及びα-シリル有機ナトリウム錯体が、同じ配位子を有しながら中心金属の性質によって異なる反応性を示すことを明らかにしました。α-シリル有機金属錯体は、その特有の反応性から、有機合成においてこれまでに幅広く利用されてきました。中でも、炭...
キーワード:アルカリ金属/物質科学/ケイ素/金属錯体/反応機構/有機金属錯体/有機金属/シリコン/リチウム/二酸化炭素/二酸化炭素/ナトリウム/アレン/配位子/有機合成
他の関係分野:数物系科学化学総合理工医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月21日
4
光で操る「マイクロドローン」でナノ空間の微小な力を全方位計測
~6自由度制御により、光の「ねじれ」が生む未知のトルクを初観測~(電子科学研究所教授 田中嘉人)
北海道大学電子科学研究所の田中嘉人教授らの研究グループは、光で自在に操る「マイクロドローン」を用いて、これまで光の回折限界という制約のために測定が困難だった、ナノ空間で働く微小な力とトルク(回転させる力)を3次元的に計測する全く新しい手法を開発しました。光がナノ粒子に及ぼす力は、ナノ粒子操作技術やナノマシン技術に欠かせない重要な要素です。しかし光には「回折限界」と呼ばれる性質があるため、ナノ粒子の位置や向きを正確に制御・計測することが難しく、力の働き全体(力学応答)を捉えることが困難でした。本研究では、十字型のマイクロ構造体の中心に測定対象のナノ物質を埋め込んだ、独自の「センサー機体...
キーワード:異方性/キラリティー/ナノ物質/回折限界/金属ナノ粒子/センサー/センシング/トルク/ナノ空間/ナノ構造/ナノ粒子/マイクロ/レーザー/量子力学/ドローン/ナノマシン/ラット/生体分子
他の関係分野:数物系科学化学総合理工農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月18日
5
ポリエーテル系天然物の精巧な生合成経路を一般化
~単独では立体構造を形成できない、極端に柔軟な酵素が存在する~(先端生命科学研究院教授 尾瀬農之、名誉教授 及川英秋)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の尾瀬農之教授、薮野奈々研究補佐員、久米田博之学術専門職、同大学の及川英秋名誉教授、同大学大学院理学研究院の尾崎太郎助教(研究当時、現・東北大学准教授)、東京科学大学理学院化学系の南 篤志教授らの研究グループは、自然界に存在する天然化合物の主要な一群であるポリエーテル系天然物が作られる際の連続的環化反応を、特殊な工夫をして明らかにしました。ポリエーテルの代表的化合物モネンシンは抗生物質として利用されていますが、キーとなる生合成の過程で4回の連続的酵素環化反応が起こります。この反応はファスナーが閉じるように、端から順番に起こることが予測されていましたが、どういう...
キーワード:人工知能(AI)/磁気共鳴/水溶液/構造形成/結晶解析/質量分析/動力学/分子動力学/遺伝子破壊/ポリエーテル/生合成経路/放線菌/生合成/酵素反応/核磁気共鳴/核磁気共鳴法/環化反応/抗生物質/天然化合物/分子動力学計算/立体構造/遺伝子
他の関係分野:情報学数物系科学化学生物学総合理工農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月14日
6
CPCトローチが唾液中SARS-CoV-2を一時的に抑制
~COVID-19患者唾液ウイルス量低減による感染拡大抑制の可能性~(歯学研究院教授 樋田京子)
北海道大学大学院歯学研究院の樋田京子教授、間石奈湖助教(研究当時)、同大学大学院歯学院博士課程(研究当時)の武田 遼氏、同大学総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点の澤 洋文教授、同大学人獣共通感染症国際共同研究所の大場靖子教授、佐々木道仁准教授、藤田医科大学の樋田泰浩教授らの研究グループは、口腔ケア製品に広く用いられる殺菌成分セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)の臨床的抗ウイルス効果を検証しました。なお、本研究は札幌市保健福祉局の秋野憲一氏、水田むつみ氏らの協力のもと実施されました。デルタ株流行期(2021年8月)にCOVID-19患者34名を対象として唾液を経時的に採...
キーワード:デルタ/公共空間/人獣共通感染症/水田/SARS-CoV-2/歯学/RNA/ウイルス/ワクチン/感染症/新型コロナウイルス感染症/唾液/臨床研究
他の関係分野:複合領域総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月9日
7
胎内被ばくが導くミトコンドリアDNAの次世代変化
~見た目では捉えられない"隠れた次世代影響"を明らかに~(保健科学研究院准教授 福永久典)
北海道大学大学院保健科学研究院の福永久典准教授(環境健康科学研究教育センター副センター長)、清野良輔学術研究員、池田敦子教授、同大学大学院保健科学院修士課程の久保春果氏の研究グループは、妊娠初期の放射線被ばくが母体及び仔のミトコンドリアDNAに与える影響をマウスモデルで解析し、母体と仔で異なる応答様式が生じることを明らかにしました。特に、仔では低線量から変化が検出される一方で、体重や性比といった発育指標には影響がみられず、従来の指標では捉えられない次世代影響の可能性が示されました。放射線の次世代影響とミトコンドリアゲノムを結ぶこの新たな研究成果は、今後、より安全で合理的な放射線防護・...
キーワード:放射線防護/ミトコンドリアDNA/健康リスク/リスク評価/ミトコンドリアゲノム/mtDNA/マウスモデル/マウス/ミトコンドリア/ゲノム/妊娠/放射線
他の関係分野:複合領域生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月8日
8
沿岸域における巨大波出現の理論化とその実証
~海難事故防止に向けた沿岸巨大波予測技術への貢献に期待~(工学研究院教授 渡部靖憲)
北海道大学大学院工学研究院の渡部靖憲教授らの研究グループは、水深変化と流れの変化を伴う沿岸域において巨大波が発生する条件をはじめて理論化し、実証実験を通して妥当性の証明に成功しました。巨大波(Rogue wave)は古くから海難事故の要因の一つといわれてきましたが、未だ発生機構が未解明の問題です。海洋のごく一部で急速に発達し異常な高さとなって巨大波が生じ、その後また短時間で衰退するという特徴を持ち、いつどこで発生するかも予測できません。一般には沿岸域のように水深が浅い海域では巨大波は発生しないとされていましたが、本研究で明らかになった理論では、浅水域においても巨大波が発生するだけでな...
キーワード:河口域/海洋/潮汐流/沿岸域/海難事故/実証実験/妥当性
他の関係分野:環境学数物系科学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月7日
9
阿寒カルデラ地下に大規模マグマだまりの可能性
~将来の火山活動の予測・評価に重要な手がかり~(理学研究院教授 橋本武志)
北海道大学大学院理学院博士後期課程の井上智裕氏(研究当時)、同大学大学院理学研究院附属地震火山研究観測センターの橋本武志教授、田中 良助教、九州大学大学院理学研究院附属地震火山観測研究センターの相澤広記准教授、名古屋大学大学院環境学研究科附属地震火山研究センターの市原 寛講師、産業技術総合研究所再生可能エネルギ―研究センターの山谷祐介研究チーム長らの研究グループは、北海道東部に位置する阿寒カルデラでMT法電磁探査を実施し地下の比抵抗構造を明らかにしました。阿寒カルデラは阿寒湖を中心とし、活火山である雌阿寒岳と雄阿寒岳が分布する火山地域です。本研究により、両火山に挟まれた地下3~15 ...
キーワード:地下構造/MT法/マグマ/マグマ供給系/火山活動/火山観測/水蒸気/水蒸気噴火/比抵抗/比抵抗構造/地盤変動/3次元構造/結晶化
他の関係分野:環境学数物系科学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月3日
10
小惑星ベヌー試料から核酸塩基と高濃度の尿素を検出
~小惑星環境での化学プロセスの絞り込みに成功~(低温科学研究所准教授 大場康弘)
北海道大学低温科学研究所の大場康弘准教授、海洋研究開発機構の古賀俊貴ポストドクトラル研究員、高野淑識上席研究員、九州大学大学院理学研究院の奈良岡浩教授(研究当時)、東北大学大学院理学研究科の古川善博教授らが所属する国際研究グループは、アメリカNASA主導の小惑星探査計画「OSIRIS-REx」で炭素質B型小惑星(101955)ベヌー(Bennu)から持ち帰られた粒子から、地球生命に必須の核酸塩基全5種を含む、合計38種の窒素複素環化合物、及び高濃度の尿素の検出に成功しました。小惑星サンプルリターン計画「OSIRIS-REx」では、炭素質小惑星ベヌーで採取した試料(計121.6グラム)...
キーワード:海洋/化学進化/小惑星/惑星/惑星探査/アンモニア/複素環化合物/グルコース/有機分子/アミン/前駆体/有機物/RNA/アミノ酸/核酸塩基/遺伝子
他の関係分野:環境学数物系科学化学生物学総合理工医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月2日
11
タンパク質の温度適応を決める新原理を解明
~「しなやかさ」ではなく反応エネルギーが鍵~(先端生命科学研究院助教 塚本卓)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の塚本 卓助教らの研究グループは、地球規模で多様な温度環境に適応した微生物が持つ3種類の光応答性タンパク質(プロトン(H+)ポンプ型ロドプシン)について、その光反応の仕組みを温度ごとに詳しく調べ、温度適応の分子機構を解明しました。プロトンポンプ型ロドプシンは、光エネルギーを利用して細胞膜の内外にプロトン濃度勾配を形成し、ATP合成などの生命活動を支える重要なタンパク質であり、地球規模のエネルギー循環にも関与する分子として注目されています。これまで、タンパク質の温度適応には分子のしなやかさ(構造の動きやすさ)が重要と考えられてきましたが、本...
キーワード:光エネルギー/光応答性/光反応/ATP合成/プロトンポンプ/光応答/環境適応/温度依存性/熱力学/反応速度/機能性/微生物/プロトン/細胞膜/分子機構/ATP/ロドプシン
他の関係分野:環境学化学生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月2日
12
巨大反応ネットワークで不斉触媒反応を高精度に予測
~機械学習と量子化学を融合し、触媒設計を加速~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 前田理)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)及び同大学大学院理学研究院の前田 理教授らの研究グループは、機械学習と量子化学計算を組み合わせた新しい計算手法により、大規模な不斉触媒反応の反応経路ネットワークを構築し、実験で得られている高いエナンチオ選択性を理論的に再現することに成功しました。不斉触媒は医薬品や機能性材料の合成に不可欠ですが、その分子は大きく柔軟であるため、どのように立体選択性が生じるのかを理論的に理解することは困難でした。本研究では、200原子を超える触媒系に対して、ニューラルネットワークポテンシャル(NNP)とAFIR法(人工力誘起...
キーワード:ニューラルネットワーク/機械学習/量子化/速度論/量子化学/量子化学計算/触媒反応/触媒設計/選択性/シミュレーション/ニューラルネット/機能性材料/機能性/不斉触媒/不斉触媒反応/立体選択性
他の関係分野:情報学数物系科学化学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月2日
13
初期胚が細胞分裂異常を耐え抜く仕組みの発見
~光操作が解き明かす、ゼブラフィッシュ胚の驚くべきトラブル対応力~(先端生命科学研究院准教授 上原亮太)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の上原亮太准教授、同大学大学院理学研究院の小谷友也准教授、同大学の玉置信之名誉教授(元電子科学研究所教授)、京都工芸繊維大学の松尾和哉助教らの研究グループは、ゼブラフィッシュ初期胚に備わった細胞分裂障害への抵抗性を明らかにし、その細胞メカニズムを特定しました。個体発生においては、細胞分裂が効率良く、かつ精度を保ちながら起こる必要があります。このバランスを決める仕組みの解明は、生き物のからだ作りを理解する上で重要な課題です。本研究では、光で細胞分裂を操作する独自技術である光変換性分裂阻害薬によって、ゼブラフィッシュ胚が原腸形成期に、分裂異常への著しい抵...
キーワード:初期胚/紡錘体/個体発生/ダイナミクス/抵抗性/染色体/光操作/細胞増殖/細胞分裂/染色体異常
他の関係分野:生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月31日
14
スメクチック磁束液晶におけるマグナス力支配型の渦ダイナミクスを実証
~超伝導を"トポロジカル流体"として捉える新視点~(理学研究院助教 延兼啓純)
北海道大学大学院理学研究院の延兼啓純助教、同大学大学院理学院の髙橋杏介氏(研究当時)、同大学大学院理学研究院の松永悟明准教授、日本原子力研究開発機構原子力科学研究所先端基礎研究センター(研究開始時:東北大学金属材料研究所)の木俣 基研究副主幹、北海道大学丹田 聡名誉教授らの研究グループは、超伝導体中に形成される「スメクチック磁束液晶」において、トポロジカル欠陥「スメクチック・ディスロケーション渦」の運動を初めて捉え、流体力学的なマグナス力が支配する新しい磁束渦ダイナミクスの観測に成功しました。超伝導体に磁場を加えると、内部には磁束と呼ばれる糸状の量子渦が侵入します。通常、この磁束は比...
キーワード:超伝導体/輸送現象/量子渦/量子輸送/量子輸送現象/磁場/超伝導/液晶/トポロジカル/ダイナミクス/金属材料/原子力/流体力/流体力学/層構造
他の関係分野:数物系科学化学総合理工医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月30日
15
運動の時間帯が生物時計のペースを変えることを発見
~マウスで明らかになったEM振動体間の相互協調が運動時刻で変化する仕組み~(教育学研究院准教授 山仲勇二郎)
北海道大学大学院教育学研究院の山仲勇二郎准教授らの研究グループは、マウスを用いて、明暗サイクル下での習慣的な運動が、行動リズムの周期と光に対する位相変化量を、運動を行う時刻によって異なる方向に変化させることを発見しました。生物時計は約24時間周期で自律的に振動する時間調節機構であり、哺乳類では視(し)交叉上核(こうさじょうかく)(SCN)がその中枢として機能します。SCNは明暗サイクルに同調し、全身に時刻情報を伝えることで行動リズムを制御します。行動リズムの開始位相と終了位相は、内因性周期や光に対する位相反応が異なるEvening(E)振動体とMorning(M)振動体の二つの生物時...
キーワード:生物時計/相変化/哺乳類/性周期/マウス
他の関係分野:生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月28日
16
リウマチ画像解析の学習データとAIベンチマークを公開
~1,048手のX線データセットがリウマチ診断支援の進化を加速~(保健科学研究院教授 神島保)
北海道大学大学院保健科学研究院の神島保教授、同大学量子集積エレクトロニクス研究センターの池辺将之教授、同大学大学院保健科学院博士後期課程の王昊霖氏、東京科学大学工学院システム制御系の奥富正敏特任教授、博士後期課程の楊松暁氏、同大学総合研究院の欧亜非研究員らの研究グループは、関節リウマチ(RA)の診断支援に向け、手首X線画像に基づく初のマルチタスクデータセットとAIベンチマークを公開しました。RAは代表的な自己免疫疾患であり、臨床現場ではX線画像が関節破壊評価に広く用いられています。特に手首は診断上重要な部位ですが、複雑な骨構造や疾患進行による骨変形のため、高精度なアノテーションが難し...
キーワード:アーキテクチャ/セグメンテーション/ベンチマーク/アノテーション/アルゴリズム/タスク/深層学習/人工知能(AI)/自動評価/コンピュータ支援設計(CAD)/システム制御/センシング/関節/臨床応用/骨折/評価法/リウマチ/関節リウマチ/自己免疫/自己免疫疾患
他の関係分野:情報学複合領域医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月26日
17
温暖化に伴う猛暑で失われる都市緑地の憩いと暮らしの質
~夏季の高温多湿が都市緑地の利用と憩いの価値を奪う~(農学研究院教授 庄子康)
北海道大学大学院農学院修士課程の王 嘉鈺氏、同大学大学院農学研究院の豆野皓太助教、尾分達也助教、愛甲哲也教授、庄子 康教授からなる研究グループは、気候変動による夏季の高温多湿が、都市緑地の利用と都市緑地が提供する社会的価値に深刻な影響を与えることを明らかにしました。2023年の記録的な猛暑を経験した札幌市民を対象としたアンケート調査により、夏季の最高気温の上昇が都市緑地への来訪意欲を大きく低下させ、32℃では9割以上の市民が都市緑地の利用を控えることが分かりました。また、高齢者や女性は暑さの影響を受けやすく、高温時に都市緑地の利用を中止する傾向が強いことも示されました。さら...
キーワード:位置情報/都市緑地/気候変動/アンケート調査/シナリオ/温暖化/スマートフォン/高齢者
他の関係分野:情報学環境学数物系科学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月23日
18
軽度認知症の早期発見へ、新脂質マーカーを開発
~将来の診断方法やMCIから認知症への進行診断への応用に期待~(保健科学研究院准教授Bomme Gowda Siddabasave Gowda)
北海道大学大学院保健科学研究院のボメ ゴウダ シッダバサーブ ゴウダ准教授及び惠 淑萍教授らの研究グループは、南フロリダ大学マイクロバイオーム研究センター、マイクロバイオーム研究所のハリオム・ヤダヴ所長らと共同で、唾液、血漿、糞便サンプルの非標的脂質プロファイリングを実施し、MCIに関連する有望な脂質バイオマーカーを同定することに成功しました。アルツハイマー病(AD)は世界中で認知症の主な原因であり、高齢化に伴いその有病率は急速に増加しています。軽度認知障害(MCI)は正常な老化と認知症の間の早期の過渡期であり、介入の重要な機会となりますが、現在のAD診断法は主に侵襲的手法に依存して...
キーワード:アノテーション/質量分析法/質量分析/マイクロ/分解能/診断法/プロファイリング/高分解能/オミクス/認知障害/アルツハイマー病/クロマトグラフィー/リピドミクス/脂肪酸/神経変性/バイオマーカー/マイクロバイオーム/軽度認知障害/高齢化/高齢者/脂質/脂質代謝/早期発見/唾液/認知症/非侵襲/有病率/老化
他の関係分野:情報学数物系科学総合理工総合生物医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月23日
19
「超酸」の中で発光し続ける色素の開発に成功
~酸による分解という最大の弱点を克服、極限環境でのイメージング応用に光明~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 猪熊泰英)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)・同大学大学院工学研究院の猪熊泰英教授らの研究グループは、濃硫酸をはるかに超える酸性度を持つ「超酸」の中でも分解せず発光し続ける蛍光色素「超酸耐性BODIPY」の開発に成功しました。BODIPY(ボロン-ジピロメテン)は50年以上前に開発され、高い発光量子収率を有することから、細胞染色やセンサーなど幅広い用途で利用されている最も有名な蛍光色素の一つです。しかし、この色素には応用範囲を大きく制限する最大の弱点がありました。それが、酸性環境下でホウ素原子が脱離する「脱ホウ素化反応」によって蛍光発光が失われてし...
キーワード:シナジー/分子構造/樹脂/イオン交換/センサー/センシング/フッ素/耐久性/極限環境/ホウ素/光イメージング/官能基/蛍光イメージング/蛍光色素
他の関係分野:複合領域化学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月13日
20
ヒト大腸にも胆汁酸の入口があった!?
~大腸における新たな胆汁酸輸送へのOATP1B3の関与を示唆~(水産科学研究院准教授 小林彰子)
北海道大学大学院水産科学研究院の小林彰子准教授、東京大学大学院農学生命科学研究科(当時)の黒部(髙島)優季氏、齋藤佑太氏、宮脇里奈氏、同研究科の三坂 巧准教授、溝井順哉准教授、群馬大学生体調節研究所粘膜エコシステム制御分野の柳澤宏太氏、宮内栄治准教授、佐々木伸雄教授、東京理科大学薬学部の荻原琢男教授らの研究グループは、胆汁酸の再吸収は回腸末端が中心という従来理解に加え、ヒト大腸にも一次胆汁酸の取り込みに関与しうる経路が存在する可能性を示しました。胆汁酸は食後に胆嚢から十二指腸へ分泌され、小腸で脂質の消化吸収を助けた後、主に回腸末端で90%以上が再吸収され、門脈を介して肝臓へ戻されて再利用されま...
キーワード:速度論/ポリペプチド/アニオン/システム制御/Caco-2細胞/輸送体/消化管/免疫染色/生理機能/大腸/オルガノイド/小腸/創薬/胆汁酸/有機アニオン/コレステロール/脂質
他の関係分野:数物系科学化学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月13日
21
遺伝子ファミリー間の封印された冗長性を解明
~致死的な遺伝子変異を克服するために生物は秘匿された冗長性を開封する~(遺伝子病制御研究所准教授 紙谷尚子)
北海道大学遺伝子病制御研究所の紙谷尚子准教授、畠山昌則特任教授(微生物化学研究会微生物化学研究所部長クロアポ兼担)らの研究グループは、胚発生初期において特定の遺伝子に致死的変異が存在する場合に限り、そのファミリー遺伝子が個体を胎生致死から守る機能的冗長性を獲得するというユニークな生物の生存戦略機構を明らかにしました。遺伝子の冗長性とは、生物のゲノム内に同じ機能を持つ複数の遺伝子が存在することです。進化の過程で兄弟のような遺伝子群(ファミリー)が形成されると、一つの遺伝子が壊れても、その機能が他のファミリーにより代償されるため、生物の生存において重要な役割を果たします。例えば、ファミリ...
キーワード:生存戦略/胚発生/冗長性/微生物/キナーゼ/ノックアウトマウス/マウス/細胞死/ゲノム/遺伝子/遺伝子変異
他の関係分野:生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月11日
22
コンピュータの中でニジマスを育てる
~養殖の未来を予測するシミュレーション技術を開発~(水産科学研究院准教授 高橋勇樹)
北海道大学大学院水産科学研究院の高橋勇樹准教授らの研究グループは、ニジマス(Oncorhynchus mykiss)の成長をコンピュータ上で再現する養殖シミュレーションモデルを開発し、実際の飼育試験データとの比較検証を行いました。本研究では、魚のエネルギー収支に基づく成長モデルと、魚の遊泳行動を再現する行動モデルを用いることで、魚が遊泳して摂餌量に応じて成長するという、飼育をまるごとコンピュータ上で再現できるモデルを構築しました。併せて、シミュレーションによる成長を飼育実験と比較しました。その結果、シミュレーションによる成長曲線は実験で得られた測定データとおおむね一致し...
キーワード:仮想空間/行動モデル/シミュレーション/シミュレーションモデル/シミュレータ/エネルギー収支
他の関係分野:情報学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月9日
23
注意の「揺らぎ」を抑える病理画像向け新手法の開発
~病理診断の精度向上と根拠の一貫性への貢献に期待~(情報科学研究院教授 ⻑⾕⼭美紀)
北海道⼤学⼤学院情報科学研究院メディアダイナミクス研究室の⻑⾕⼭美紀教授、小川貴弘教授、同大学数理・データサイエンス教育研究センターの李 広特任助教、トロント大学電気・コンピュータ工学科のコンスタンティノス プラタニオティス教授、池 志祥博士研究員、博士課程の葉 臨峰氏、スタンフォード大学電気工学科のメルト ピランシー教授、シャヤンモハジェル ハミディ博士研究員らの研究グループは、全スライド病理画像(WSI)診断で広く用いられる多重インスタンス学習(MIL)において、学習中にどの領域を重要とみなすかが安定せず揺れ続ける現象を体系的に捉え、この揺らぎを抑えて精度と根拠の一貫性を同時に高める新手法...
キーワード:AI/アノテーション/機械学習/揺らぎ/ダイナミクス/病理
他の関係分野:情報学数物系科学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月2日
24
寄生虫の「兵隊」の口は吸い付きに特化していた
~二生吸虫の兵隊型レジアの武器形質の構造を世界で初めて解明~(水産科学研究院教授 和田哲)
北海道大学大学院水産科学院修士課程の三浦健太郎氏、同大学大学院水産科学研究院の和田 哲教授、高知大学農林海洋科学部の三浦 収教授は、巻貝の寄生虫である二生吸虫Cercaria batillariae(セルカリア・バティラリアエ)のレジア幼生は、繁殖を行う「繁殖型」と、繁殖を行わず敵への攻撃に特化した「兵隊型」の二型を示し、繁殖分業を行うことを実証しました。さらに、繁殖型と兵隊型では、武器形質である咽頭の構造が異なり、兵隊型は敵の攻撃に特化した咽頭をもつことを世界で初めて解明しました。繁殖分業とは、アリやハチなどのように、生物の集団において繁殖とそれ以外の労働や防衛など...
キーワード:海洋/海洋科学/電子顕微鏡/カースト/寄生虫/筋肉/解剖学
他の関係分野:環境学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月27日
25
ソライロラッパムシの「すみっこ」好きを発見
~目の無い単細胞生物の空間把握メカニズム~(電子科学研究所特任助教 越後谷駿、准教授 西上幸範)
北海道大学電子科学研究所の越後谷駿特任助教、大村拓也助教、中垣俊之教授、西上幸範准教授の研究グループは、富山大学の佐藤勝彦特命教授とともに、水環境中に棲息する単細胞生物ソライロラッパムシが周囲のミクロな形の違いに応じて固着場所を選択し、「すみっこ」空間に好んで固着することを発見しました。研究グループは自然界の形状の複雑さを模した観察容器「ジオラマ環境」を製作することで、体長1 mm程の繊毛虫ソライロラッパムシの特徴的な固着行動とその空間把握方法に迫りました。その結果、観察容器全体を探索していたソライロラッパムシが行動モードを切り替えて、固着前には体の形を非対称に縮ませ壁伝いに移動す...
キーワード:視覚情報/対称性/非対称性/水環境/シミュレーション/物理モデル/生態系/微生物/ニッチ
他の関係分野:情報学数物系科学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月27日
26
受精卵の多くの遺伝子を調べる生殖医療への提言
~将来の子の健康や知能を予想する多遺伝子スコア検査の落とし穴と必要な対応~(安全衛生本部教授 石井哲也)
北海道大学安全衛生本部の石井哲也教授は、多遺伝子スコアを利用する生殖医療について臨床、倫理及び法の観点から分析を行い、重大な問題につながる可能性を認め、必要な対応を提言しました。胚のゲノムを調べ、生後の健康リスク、身長、知能などを予想する着床前遺伝学的検査の提供が米国で始まり、波紋が世界に広がっています。この検査は複雑な性質に関連する遺伝子群の効果をスコア化しますが、その信頼性には目下、懸念があります。一方、"より健康な"、"より賢い"子などを求める夫婦らにとって、将来の子の性質に影響する遺伝学的情報をシンプルにまとめた多遺伝子スコアは一見、明快に映り、生殖利用が今後拡大すると推測...
キーワード:生殖/健康リスク/受精/受精卵/生殖医療/着床/ゲノム/遺伝学/遺伝子/加齢
他の関係分野:生物学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月21日
27
光渦でキラリティを見分ける仕組みを世界で初めて解明
~光がゼロの"渦の中心"で現れる左右差の起源を突き止める~(電子科学研究所教授 田中嘉人、助教 橋谷田俊)
北海道大学電子科学研究所の橋谷田俊助教、田中嘉人教授らの研究グループは、渦を巻きながら進むねじれた光「光渦」を用いて、物質のキラリティ(左右の違い)を見分ける仕組みを、世界で初めて明らかにしました。キラリティとは、左手と右手のように、鏡に映した像と重ね合わせることができない性質のことです。この性質は自然界の様々な場面に現れ、分子からナノサイズの構造の中にも存在します。特にタンパク質では、その立体的なねじれの形が生命の働きを左右する重要な役割を担っています。近年、光渦を用いると物質のキラリティを検出できる可能性が注目されてきました。キラリティを持つ物質に左巻きと右巻きの光渦...
キーワード:軌道角運動量/分子集合体/ナノサイズ/ナノ構造/高次構造/分子集合
他の関係分野:数物系科学化学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月19日
28
遅延・二色発光を示す異性体臭化インジウム単結晶を開発
~将来の発光デバイスやディスプレイへの応用に期待~(電子科学研究所教授 Vasudevan Pillai Biju)
北海道大学電子科学研究所のヴァスデヴァン・ピライ・ビジュ教授と岡本拓也助教らの研究グループは、熊本大学大学院先端科学研究部の高橋仁徳准教授らとともに、遅延発光と二色発光の両方を示す有機-無機ハイブリッド型の臭化インジウム単結晶の開発に成功しました。発光材料はLEDやディスプレイなどに幅広く利用され、発光の色やその持続時間は材料中の電子の動きや原子との相互作用によって決まります。近年、有機-無機ハイブリッド材料、特にハイブリッド金属ハライドが注目されています。鉛などの有害な金属を用いた材料の代替として、構造の自由度が高く安全なインジウムのハイブリッド材料への関心が高まっていますが、複...
キーワード:時間分解/化学組成/ディスプレイ/ハイブリッド材料/光デバイス/発光材料/発光ダイオード(LED)/単結晶/構造制御/励起子/結晶構造/インジウム
他の関係分野:数物系科学化学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月17日
29
エチレンガスを持続的に放出できる固体材料を開発
~農産物の追熟や鮮度保持への応用に期待~(地球環境科学研究院教授 野呂真一郎)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の黄 淵特任助教、神谷裕一教授、野呂真一郎教授と、近畿大学理工学部応用化学科の山本 旭講師らの研究グループは、安価なゼオライトを用いて植物ホルモンであるエチレン(C2H4)を長期間放出できる固体材料を開発し、ジャガイモの発芽抑制に応用できることを実証しました。C2H4は、果実の熟成促進や植物の生理機能調節に関与する重要な植物ホルモンです。C2H4は気体分子であり、これまでC2H4...
キーワード:銀イオン/地球環境/イオン交換/エチレン/植物ホルモン/ホルモン/生理機能
他の関係分野:農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月17日
30
"食べられる触媒"を利用した生分解性高分子の精密合成
~安全かつ実用的な高分子合成法の確立に期待~(工学研究院教授 佐藤敏文、助教 李灃)
北海道大学大学院工学研究院の佐藤敏文教授、磯野拓也准教授及び李 灃助教らの研究グループは、食品添加物として利用されている安全性の高い化合物を触媒として用い、ポリ乳酸やポリ-εイプシロン-カプロラクトンなどの生分解性を有する脂肪族ポリエステル(APE)の精密合成法を確立しました。APEは、生分解性・生体適合性・生体吸収性に優れていることから、環境に優しいプラスチック材料として、また吸収性縫合糸やインプラントなどの医用高分子材料としての応用が進められています。現在、APEの工業的合成には、スズなどの重金属を含む触媒を用いた重...
キーワード:重金属/アルカリ金属/共重合体/エステル/ブロック共重合体/ポリエステル/共重合/高分子/高分子合成/生分解性高分子/材料科学/生分解/生体適合性/カリウム/プラスチック/高分子材料/生分解性/機能性/クエン酸/有機酸/ナトリウム/インプラント/重合反応/有機触媒
他の関係分野:環境学数物系科学化学総合理工農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月16日
31
オニ、リシリ、ホソメ、マコンブは遺伝的に区別できない
~マコンブとオニコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブの分類学的な統合を提案~(水産科学研究院助教 秋田晋吾)
北海道大学大学院水産科学院修士課程2年(当時)の地崎賢汰氏、同大学大学院水産科学研究院の秋田晋吾助教、宇治利樹准教授、水田浩之教授らの研究グループは、マコンブSaccharina japonicaの変種に含まれていたオニコンブ(ラウスコンブ)S. japonica var.diabolica、リシリコンブS. japonica var.ochotensis、ホソメコンブS. japonica var.religiosaは、形態的にも遺伝的にもマコンブと区別できないことから、マコンブと統合して同種...
キーワード:シリコン/水田/集団遺伝学/遺伝学
他の関係分野:農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月14日
32
日本近海の海面水温が、遠く離れた貿易風を変える
~中緯度域と低緯度域を双方向に繋ぐ大気海洋相互作用の理解へ期待~(地球環境科学研究院教授 谷本陽一)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程2年及び海洋研究開発機構環境変動予測研究センター研究生の三浦 樹氏、同大学大学院地球環境科学研究院の谷本陽一教授の研究グループは、日本近海の中緯度に位置する黒潮続流域の高い海面水温が、北太平洋亜熱帯域における貿易風に対して低緯度向きの遠隔影響を与えることを明らかにしました。これまで、熱帯域における大気海洋結合変動現象が中緯度域を含めた両半球の世界各地に遠隔影響をもたらすことはよく知られていた一方で、中緯度域から低緯度域へ向けた「逆向き」の遠隔影響については十分に理解されていませんでした。本研究では、大気大循環モデルによる数値実験及び長期間の大気...
キーワード:影響評価/海洋/環境変動/エルニーニョ/海面水温/気候変動/黒潮続流/数値実験/大気海洋相互作用/大気大循環/北西太平洋/北太平洋/大気大循環モデル/西太平洋/地球環境
他の関係分野:環境学数物系科学生物学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月6日
33
血糖生成酵素MGAMの分子構造と阻害機構を解明
~血糖値上昇を抑制する新規薬剤・食品開発への貢献に期待~(農学研究院准教授 田上貴祥)
北海道大学大学院農学研究院の田上貴祥准教授、奥山正幸教授らと、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所構造生物学研究センターの川崎政人准教授、安達成彦特任准教授(研究当時。現 筑波大学生存ダイナミクス研究センター准教授)、千田俊哉教授らの研究グループは共同で、血糖を生成する酵素であるマルターゼ-グルコアミラーゼ(MGAM)が拮抗阻害剤AC5によって阻害される仕組みを分子レベルで明らかにしました。MGAMは哺乳類の小腸に存在する澱粉消化酵素の一つです。MGAMの阻害は、食後血糖値の急激な上昇(血糖値スパイク)を抑制し、2型糖尿病の予防や治療に有効です。しかし、MGAMを...
キーワード:高エネルギー/加速器/速度論/分子構造/ダイナミクス/電子顕微鏡/哺乳類/クライオ電子顕微鏡/血清/構造生物学/小腸/阻害剤/立体構造/2型糖尿病/糖尿病
他の関係分野:数物系科学化学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月5日
34
人工衛星で過去にタイムスリップ!!
~30年前の漁業被害、最新の予測技術で原因究明に成功~(水産科学研究院准教授 阿部泰人)
北海道大学大学院水産科学研究院の阿部泰人准教授らの研究グループは、ホタテガイやタラ類、カレイ類、エビ類などの水産資源が豊富な北海道南部の噴火湾(別名内浦湾、海底水深約100m)において、30年前の1995年夏季に深刻な漁業被害をもたらした「貧酸素水塊」の発生を、長期間海洋をモニタリングしている人工衛星等の環境データと最新の予測モデルを用いて再現することに成功しました。貧酸素水塊は、著しく水中の酸素濃度が低い水塊(酸素濃度2ml/l以下)です。世界中の閉鎖性水域の海底付近で発生することが知られており、一旦これが発生すると、呼吸で酸素を必要とする底生魚類などの海洋生物が酸欠状態に陥り、...
キーワード:海氷/酸素濃度/海洋/環境モニタリング/貧酸素水塊/溶存酸素/オホーツク海/地球観測/衛星/センシング/モニタリング/リモートセンシング/衛星リモートセンシング/海洋環境/人工衛星/海洋生物/漁業/親潮/hypoxia/予測モデル
他の関係分野:環境学数物系科学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月5日
35
コロナ後の北海道におけるオンライン診療は1%未満
~北海道の保険診療データ約7,700万件を用いた実態分析~(保健科学研究院特任講師 大橋和貴)
北海道大学大学院保健科学研究院の小笠原克彦教授、大橋和貴特任講師、同大学大学院医学研究院の古元重和教授らの研究グループは、北海道の国民健康保険と後期高齢者医療制度の診療報酬明細書データを用いて2022年4月から2024年12月までの外来診療におけるオンライン診療の実態を分析しました。その結果、調査期間中の約7,700万件の外来診療のうち約43万件(0.6%)がオンライン診療であり、新型コロナウイルス感染症に関する特例措置が終了した2023年8月以降はオンライン診療の利用が減少(0.5%未満)していることが示されました。年齢層別の解析では、0~4歳と90歳以上では1%を超えて利用され...
キーワード:規制緩和/ウイルス感染症/パンデミック/新型コロナウイルス/ウイルス/遠隔医療/介護者/感染症/高齢者/新型コロナウイルス感染症/超高齢者/乳幼児
他の関係分野:医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月4日
36
皮脂ワックスエステルの詳細な組成と合成酵素を解明
~乾燥肌、ニキビ、脱毛の治療及び診断法の開発に期待~(薬学研究院教授 木原章雄)
北海道大学大学院薬学研究院の木原章雄教授らの研究グループは、皮脂を構成するワックスエステル(ワックス)のタイプ及び分子種の詳細について明らかにしました。皮脂は保湿、撥水、抗菌、体温維持、毛の保持などの役割を担い、皮脂の分泌量の増減や組成の変化はニキビ(ざ瘡)、乾燥肌、脂漏性皮膚炎、脱毛症などの皮膚疾患を引き起こします。ワックスエステルはワックスモノエステルとワックスジエステルに分類され、ワックスジエステルはさらに異なったタイプに分類されます。これまで皮脂中のワックスエステルのタイプ及び詳細な分子種とその生合成に関わる酵素/遺伝子には不明な点が多く残されていました。研究グループは液体...
キーワード:エステル/質量分析/選択性/モニタリング/モデル生物/診断法/哺乳類/生合成/分子機構/クロマトグラフィー/マウス/遺伝子ノックアウト/皮膚疾患/遺伝子
他の関係分野:化学総合理工総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月4日
37
受胎前被ばくが導く次世代ミトコンドリアDNAの臓器特異的再編
~ミトコンドリアゲノムから読み解く放射線の次世代影響~(保健科学研究院准教授 福永久典)
北海道大学大学院保健科学研究院の福永久典准教授らの研究グループは、両親の妊娠前の放射線被ばくが、子どもの各臓器におけるミトコンドリアDNAの量(コピー数)に影響することを、マウスを用いた実験で明らかにしました。また、その影響は臓器ごとに異なる形で現れることも分かりました。さらに、肝臓のミトコンドリアDNAコピー数が小さいほど、肝重量が大きいという関連もみられ、ミトコンドリアゲノム量的制御の変化と出生時の臓器成長との関連も新たに示唆されました。放射線次世代影響とミトコンドリアゲノムを結ぶこの新たな知見は、今後、より安全で合理的な放射線防護・健康リスク評価を可能とする基盤的知見として活...
キーワード:放射線防護/ミトコンドリアDNA/健康リスク/リスク評価/ミトコンドリアゲノム/心臓/マウス/ミトコンドリア/ゲノム/遺伝学/妊娠/放射線
他の関係分野:複合領域生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年1月29日
38
魚類の「鮮度(K値)」の数理的予測モデルの開発に成功
~魚類の商品価値向上・寿命延長・フードロス低減・輸出促進への貢献に期待~(工学研究院坪内直人 准教授)
北海道大学大学院工学研究院の坪内直人准教授と篠原祐治博士研究員の研究グループは、致死後の魚類に係るアデノシン三リン酸(ATP)関連化合物の分解挙動に基づき、(ATP+アデノシン二リン酸+アデノシン一リン酸)⇒イノシン酸(IMP)⇒(イノシン+ヒポキサンチン)の一次不可逆逐次反応を仮定し、速度定数に温度依存性を有する鮮度K値の数理的予測モデルを開発しました。また、北海道立工業技術センター(函館地域産業振興財団)の吉岡武也専門研究員と共同で、このK値予測モデルの妥当性と汎用性をマアジ・マサバ(文献値)及びホッケ(実測値)で実証しました。なお、本モデルは旨味成分であるIMPの濃度の時間変化も良好に...
キーワード:イノシン/電気泳動/地域産業/温度依存性/センサー/非接触/リン酸/アデノシン/寿命/妥当性/予測モデル/ATP
他の関係分野:生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年1月28日
39
樽材向き北海道産ミズナラ、成長のカギを明らかに
~持続可能な樽材用立木育成への貢献に期待~(北方生物圏フィールド科学センター教授 吉田俊也)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程の仲谷 朗氏と同大学北方生物圏フィールド科学センターの吉田俊也教授、北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場の村上 了主査、大崎久司主査、同機構森林研究本部林業試験場の大野泰之森林経営部長の研究グループは、ウイスキーの樽材として需要が急増しているミズナラを対象に、237個体の材のねじれ(繊維傾斜)度合や、チロースの出現比率を調べ、個体ごとの生育特性(年輪幅や木口面の偏心度、立地環境など)との関係を分析しました。その結果、成長が遅く、年輪の中心(髄)が偏っていない個体は材のねじれ度合が小さく、道管に形成されるチロースの割合が多くなるため、液漏れ...
キーワード:環境変化/持続可能/ミズナラ/二次林
他の関係分野:複合領域農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年1月26日
40
菌血症の早期アウトカム予測モデルを作成
~急性期医療に関わる臨床医にとって重要な新たな指標~(環境健康科学研究教育センター特任准教授 岩田啓芳)
北海道大学環境健康科学研究教育センターの岩田啓芳特任准教授並びに日本全国の8病院と3大学からなる多施設共同研究JA-BICA(Japan Bacteremia Inpatient Cohort Association)の研究グループは、菌血症患者における「抗菌薬治療開始72時間以内の早期治療不応(Early Antibiotic Treatment Failure:EATF)」を予測する新たな臨床スコアモデルを開発しました。本研究では、多施設の入院菌血症患者データを用い、抗菌薬治療開始後72時間以内に十分な治療効果が得られない症例(Early Antibiotic Treatmen...
キーワード:リスク評価/妥当性/予測モデル/抗菌薬/アウトカム/コホート/感染症
他の関係分野:医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年1月22日
41
AIが7,000万年前の新種の頭足類化石を発見!
~生命進化史解読を加速させるデジタル技術~(理学研究院准教授 伊庭靖弘)
北海道大学大学院理学研究院の伊庭靖弘准教授、同大学大学院理学院修士課程の杉浦寛大氏、同大学大学院理学研究院の池上 森学術研究員、高輝度光科学研究センターの竹田裕介研究員、ルール大学のヨーク・ムッターローゼ教授、モルゲンロット株式会社のメフメト・オグズ・デリン氏、同社の原田隆宏氏、大阪公立大学大学院理学研究科の久保田彩講師、中央大学の西田治文名誉教授、新潟大学脳研究所の田井中一貴教授、アメリカ自然史博物館のニール・ランドマン教授の研究グループは、未知のオブジェクトを検出可能なゼロショット学習AIを用いて、あらゆる化石を自動かつデジタルに発掘する手法を開発しました。さらに本手法によって発見された...
キーワード:視認性/物体検出/人工知能(AI)/海洋/頭足類/白亜紀/デジタル化/ボトルネック
他の関係分野:情報学環境学数物系科学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年1月16日
42
バイオマス由来糖類を効率よく分解する触媒反応を開発
~バイオマス由来糖類の利用拡大に期待~(触媒科学研究所教授 中島清隆)
北海道大学触媒科学研究所のナヴヤ・サブレイ・バット非常勤研究員(研究当時)、大須賀遼太助教、中島清隆教授らの研究グループは、植物の主要な構成成分であり自然界に豊富に存在するグルコースを原料として、炭素数4の希少糖であるエリスロース(ERT)と炭素数2の炭水化物であるグリコールアルデヒド(GA)を高い選択率で合成できる新しい触媒反応系を開発しました。化学産業におけるCO2排出量の大幅削減を達成するためには、現在の化学産業を下支えしている炭素数2~4の炭素骨格をもつ汎用分子(エチレン、プロピレン、ブテン)を、非可食バイオマスをはじめとする再生可能炭素資源から供給で...
キーワード:炭素循環/ピレン/触媒反応/グルコース/プロピレン/固体触媒/カーボンニュートラル/CO2排出量/カーボン/二酸化炭素/エチレン/バイオマス/炭水化物/アルデヒド/誘導体
他の関係分野:環境学化学生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年1月16日
43
予後不良な子宮体がんにおける炎症の関与機構を解明
〜子宮体がんの新規治療標的としてL1CAM_NF-κB経路に期待〜(医学研究院教授 谷口浩二)
北海道大学大学院医学研究院の谷口浩二教授、渡利英道教授及び同大学大学院医学院博士課程の黒須博之氏らの研究グループは、子宮体がんにおいて予後不良因子とされる細胞接着分子L1CAMが、炎症性転写因子NF-κBを活性化することで、がん細胞の増殖や治療抵抗性を引き起こすことを明らかにしました。これまで同グループは臨床データからL1CAMが子宮体がんの予後不良因子であることを報告していましたが、その分子メカニズムは不明でした。本研究では、L1CAMがNF-κB経路を介して細胞周期を促進することで腫瘍を進行させ、抗がん剤(化学療法)に対する抵抗性を高めることを細胞実験及び患者検体解析により明ら...
キーワード:CAM/抵抗性/細胞接着分子/子宮/治療抵抗性/治療標的/子宮体がん/NF-κB/がん細胞/シスプラチン/細胞周期/細胞接着/接着分子/阻害剤/転写因子/化学療法/個別化医療/抗がん剤
他の関係分野:農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年1月6日
44
太平洋側北極海の「亜寒帯化」は夏に進行することを解明
~プランクトンの12年間の長期観測データを日韓共同で解析~(北方生物圏フィールド科学センター准教授 松野孝平)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの松野孝平准教授、同大学大学院水産科学研究院の山口 篤准教授、韓国極地研究所のジ―フーン キム博士らの研究グループは、2008-2021年の12年間にわたる太平洋側北極海における動物プランクトン群集と海洋環境データを日韓共同で解析し、太平洋群集が8月には増加するが、9月になると急速に減少することを明らかにしました。動物プランクトンは、海洋生態系における重要な仲介者であり、植物プランクトンの一次生産に起因する有機物を、高次生物へ受け渡します。また動物プランクトンは、寿命が短く、⽔中を漂うため、海氷衰退のような気候変動の影響を受けやすいと考えら...
キーワード:季節変化/海氷/極地/北極海/海洋/地球温暖化/気候変動/海洋環境/有機物/生態系/プランクトン/温暖化/海洋生態/海洋生態系/植物プランクトン/動物プランクトン/寿命/将来予測
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年1月6日
45
「光る精子」をもつ精子形成可視化マウスの開発に成功
~革新的な生殖毒性スクリーニング技術・イノベーションの創出に期待~(保健科学研究院准教授 福永久典)
北海道大学大学院保健科学研究院の福永久典准教授(環境健康科学研究教育センター副センター長)、同大学大学院医学研究院の白土博樹教授、大阪大学微生物病研究所の宮田治彦准教授、英国クイーンズ大学ベルファストのケヴィン プライズ教授らの国際共同研究グループは、雄マウスの精子形成を生体内でリアルタイム可視化できる新しい遺伝子改変動物モデルの開発に成功しました。男性生殖機能に対する医薬品・環境化学物質・放射線などの影響を調べる生殖毒性試験は、新薬開発や環境リスク評価に不可欠です。しかし従来は、マウスを交配させて受胎を確認したり、解剖して精巣組織を解析したりするなど、時間・労力・個体数のコストが...
キーワード:毒性評価/化学物質/環境リスク/生殖/リスク評価/遺伝子改変/生体内/微生物/生殖細胞/ノックイン/ノックインマウス/精子形成/遺伝子改変動物/精巣/男性不妊/動物モデル/がん治療/スクリーニング/マウス/ラット/精子/創薬/遺伝子/動物実験/非侵襲/放射線
他の関係分野:複合領域環境学生物学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月26日
46
熱帯泥炭地は温室効果気体の巨大排出源である
~排出量推定法の開発と排出削減への貢献~(農学研究院教授平野高司)
北海道大学大学院農学研究院の平野高司教授らの研究グループは、東南アジアの低平地に広がる熱帯泥炭地(18万km2)からの温室効果気体(GHG =二酸化炭素(CO2)+メタン(CH4))の排出量を推定し、詳細な分布図(空間分解能463 m)を月単位で作成することに世界で初めて成功しました。東南アジアに広がる泥炭地は湿地林と共生してきました。地下水位が高いため枯死木の分解が遅く、膨大な量の有機炭素を泥炭として地中に蓄えてきましたが、近年の大規模農地開発で地下水位が低下して泥炭分解が進み、大量のCO2が...
キーワード:エルニーニョ/温室効果/光合成/CO2排出量/メタン/二酸化炭素/二酸化炭素/分解能/農地/生態系/土地利用/土地利用変化/空間分解能
他の関係分野:数物系科学生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月22日
47
人の知識で化学反応探索を導く新システムの開発に成功
~化学者の直感と化学反応経路探索プログラムを統合する新しいフレームワーク~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点・情報科学研究院教授 吉岡真治)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)のナート・ピンク特任助教、同大学大学院理学研究院の小野ゆり子博士研究員、WPI-ICReDDの原渕 祐特任教授、山本靖典特任教授、WPI-ICReDD及び同大学大学院理学研究院の前田 理教授、武次徹也教授、WPI-ICReDD及び同大学大学院情報科学研究院の吉岡真治教授らの研究グループは、化学反応の進み方を予測するための新しい計算方法を開発しました。化学反応を調べる計算は非常に複雑で、これまでは膨大な数の候補を試行錯誤的に計算する必要がありました。本研究では、化学者の経験や判断基準を体系化することで、計算化学によ...
キーワード:経路探索/オントロジー/フレームワーク/最適化/電池/体系化
他の関係分野:情報学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月15日
48
ゆっくり動く水生動物の行動を"見える化"
~マナマコの移動を捉える新解析手法を確立~(水産科学研究院教授 高木力)
北海道大学大学院水産科学研究院の高木 力教授、同大学大学院環境科学院博士後期課程の田中優斗氏、同大学大学院水産科学院修士課程の篠野惠利香氏(研究当時)及び神田紘暉氏(研究当時)、道立総合研究機構函館水産試験場の酒井勇一主任主査らの研究グループは、音響テレメトリーとデータ同化手法を組み合わせ、これまで目視に頼っていたマナマコの移動を長期間かつ高精度で追跡する手法を確立しました。特に放流後の移動分散行動については、これまでほとんど明らかにされてこなかった分野であり、今後の応用が期待されます。さらに、フラクタル次元解析を用いることで、10月(夏眠期)と2月(成長期)における行動の「複雑性」や「活性...
キーワード:複雑性/沿岸生態系/フラクタル/フラクタル次元/底生動物/データ同化/音響計測/底生生物/生態系/資源管理/成長期
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月15日
49
イッカクが水中録音機器に接触することを発見
~係留系の安全性に疑問を提起~(北極域研究センター准教授ポドリスキ エブゲニ)
北海道大学北極域研究センターのポドリスキ エブゲニ准教授、国立極地研究所北極観測センターの小川萌日香特任助教、北海道大学大学院水産科学研究院の大槻真友子特任助教、長谷川浩平助教、同大学低温科学研究所・北極域研究センターの杉山 慎教授らの研究グループは、イッカクが水中録音機器に接触することを発見しました。 海洋観測において、水温計など海洋観測機器を海中に固定し自動的にデータを記録する係留系という仕組みがあります。係留系に水中録音機器を取り付け、クジラなど海棲哺乳類の鳴音を記録し、分布や行動を調べることができます。本研究では、グリーンランド北西部カナック村周辺において水中録音機器を2年...
キーワード:極域/極地/北極海/海洋/海洋観測/モニタリング/哺乳類
他の関係分野:環境学数物系科学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月15日
50
外来・在宅医療・リハビリの充実で回避可能な入院を抑制
~地域の医療・介護提供体制の維持・構築への示唆~(医学研究院講師 阿部計大)
北海道大学大学院医学研究院の阿部計大講師、古元重和教授、同大学大学院保健科学研究院の大橋和貴特任講師、小笠原克彦教授の研究グループは、北海道の国民健康保険と後期高齢者医療制度の診療報酬明細書(レセプト)データを用いて、2022年下半期に2回以上外来受診していた65歳以上の高齢者1,272,960人を1年間追跡し、「適切な外来診療を受けることで回避可能な入院」を経験したかどうかを分析しました。これは、これまでにない規模のリアルワールドデータを用いた研究です。その結果、年間4.1%の高齢者が「回避可能な入院」を経験しており、居住地域によって入院...
キーワード:モニタリング/地域医療/リハビリ/リアルワールドデータ/リハビリテーション/レセプト/介護保険/高齢者/在宅医療
他の関係分野:医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月13日
51
気候変動による生息環境変化が日本産サケを減少させる
~サケ資源管理や保全への貢献に期待~(北極域研究センター特任助教 アイリーンアラビア)
北海道大学北極域研究センターのアラビア アイリーン ドロルフィーノ特任助教、齊藤誠一研究員、ホルヘ ガルシア モリノス准教授、平田貴文特任准教授、帰山雅秀研究員、同大学大学院水産科学研究院の上野洋路教授、北見管内さけ・ます増殖事業協会の宮腰靖之博士、Green Life Innovation Inc.の高橋文宏氏らの共同研究グループは、1998年から2022年における北太平洋の海洋環境の変化と日本産サケのバイオマス動態との関係を分析しました。その結果、サケの摂餌海域と越冬海域が著しく変化しており、特に北太平洋の生息南限における生息域が減少し、生息北限はベーリング海北部やチュクチ海南部へ拡大し...
キーワード:環境変化/極域/空間分布/海洋/気候変動/北太平洋/海洋環境/ベーリング海/バイオマス/サケ/プランクトン/温暖化/資源管理/動物プランクトン
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月9日
52
有機ナトリウム試薬の簡便かつ環境調和型な合成法の開発
~豊富資源であるナトリウムを活用したサスティナブルな有機合成プロセスの実現へ~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点・工学研究院教授 伊藤肇、准教授 久保田浩司)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)、同大学大学院工学研究院の伊藤 肇教授、久保田浩司准教授らの研究グループ及びイギリス・ニューキャッスル大学のロリー・アームストロング講師、イギリス・バーミンガム大学のエルリー・ルー准教授らの研究グループは、ボールミルという粉砕機を用いたメカノケミカル法を利用し、豊富資源として活用が期待されている有機ナトリウム試薬を、有機溶媒をほとんど用いない環境に優しい条件で効率的に合成し、有機合成に応用する新しい手法を開発しました。有機リチウムは、有機合成において幅広く利用されており、医薬品や有機材料の合成に不可欠な...
キーワード:ハロゲン/環境調和/メカノケミカル/有機材料/持続可能/リチウム/環境負荷/ナトリウム/有機合成
他の関係分野:数物系科学化学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月8日
53
海氷生産海域から放出される物質をグリーンランドの積雪から検出
~アイスコアを用いたノースウォーター・ポリニヤの海氷変動と海洋生物活動の復元に期待~(低温科学研究所特任助教 黒﨑豊)
北海道大学低温科学研究所の黒﨑 豊特任助教、的場澄人助教、飯塚芳徳教授らの研究グループは、グリーンランド北西沿岸部の氷河・氷床上を犬橇で移動しながら積雪を採取し、この地域の積雪中の非海塩性硫酸イオン(nssSO42−)濃度とメタンスルホン酸(MSA)濃度が隣接するノースウォーター海域の過去の海氷変動と海洋生物活動を復元する指標になることを示しました。ノースウォーター海域は、強い北風と暖流の影響を受けて海氷の生成と流出が繰り返されるポリニヤ域です。ポリニヤの形成・維持機構の変化は、その周辺の海氷変動や海洋生物活動、水・物質循環に大きく影響し...
キーワード:アイスコア/海氷/海洋/環境変動/メタン/環境情報/海洋生物/プランクトン/植物プランクトン/物質循環/スルホン酸
他の関係分野:環境学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月1日
54
ヤクシカの高い遺伝的多様性に数千年前の巨大噴火が影響
~火砕流によるボトルネックからの回復が多様性増加をもたらした~(北方生物圏フィールド科学センター学術研究員 揚妻-柳原芳美)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの揚妻-柳原芳美研究員、揚妻直樹教授、同大学大学院地球環境科学研究院の早川卓志助教の研究グループは、世界自然遺産地域を含む鹿児島県屋久島の全域を対象に、ニホンジカの固有亜種であるヤクシカの遺伝的多様性を調査しました。屋久島は標高1,800mを超す山々が連なる山岳島のため、捕獲個体から遺伝子試料を採取する従来のやり方では全島的な遺伝解析は困難でした。しかし、研究グループはシカの糞から遺伝子解析する手法を独自に開発していたため、山岳部を含む屋久島全域での遺伝解析をすることができました。糞から抽出したミトコンドリアDNAの中でも変異速度の速い領域を分析した...
キーワード:個体群/ミトコンドリアDNA/世界遺産/ボトルネック/火砕流/地球環境/ニホンジカ/遺伝的多様性/遺伝子解析/ミトコンドリア/遺伝子
他の関係分野:生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年11月30日
55
栄養不足が植物の病害抵抗性を弱める原因を解明
~異常気象下での作物収量増産への貢献に期待~(理学研究院准教授 佐藤長緒)
北海道大学大学院理学研究院の佐藤長緒准教授、眞木美帆博士研究員、奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科バイオサイエンス領域の西條雄介教授、安田盛貴助教、名古屋大学遺伝子実験施設の多田安臣教授、野元美佳講師、徳島大学大学院社会産業理工学研究部の山田晃嗣准教授らの研究グループは、植物が細胞内の栄養やエネルギー不足により、病害細菌への抵抗性が低下する仕組みを明らかにしました。世界中で生産される農作物は病害による大きな損失を受けており、人口増加に対応した食糧の確保・増産を目指す上で大きな課題になっています。また、近年の研究から、高温や高湿度といった環境ストレス下では、植物の免疫活性が...
キーワード:人口増加/異常気象/センサー/哺乳類/植物免疫/病害抵抗性/病原菌/シロイヌナズナ/環境ストレス/抵抗性/病原体/免疫制御/AMPK/細菌感染/ストレス/遺伝子/遺伝子発現/細菌
他の関係分野:環境学数物系科学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年11月23日
56
コケの胞子、宇宙でも生き延びる
~持続可能な宇宙居住への第一歩~(理学研究院教授 藤田知道)
北海道大学大学院生命科学院のメンチャンヒョン博士研究員、同大学大学院理学研究院の藤田知道教授、宮城大学の日渡祐二教授、中村恵太博士課程学生、九州大学の松田 修助教、久米 篤教授、福岡工業大学の三田 肇教授、筑波大学生命環境系の富田・横谷香織講師(研究当時)、東京薬科大学の横堀伸一准教授、山岸明彦名誉教授からなる研究グループは、モデルコケ植物「ヒメツリガネゴケ」の胞子(種子植物の「種子」に相当する生殖構造体)が実際の宇宙空間で長期間生存できることを世界で初めて実証しました。国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟に設置された船外実験装置を用いてヒメツリガネゴケの胞子を含む...
キーワード:国際宇宙ステーション/コケ植物/生殖/持続可能/紫外線/極低温/極限環境/生態系
他の関係分野:数物系科学生物学総合生物農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年11月6日
57
キトサンとカテコールから高強度バイオ接着剤を開発
~湿潤環境での接着で医療材料への応用に期待~(地球環境科学研究院教授 小野田晃)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の小野田晃教授、北海道立総合研究機構の瀬野修一郎主査、苫小牧工業高等専門学校の甲野裕之教授、ラ・セレナ大学のマルティネス・ロニー准教授からなる国際共同研究チームは、多糖キチンから得られるキトサンとムラサキイガイの接着タンパク質に由来するカテコール基を持つ3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(DB)を混ぜ合わせるだけで高性能なバイオ接着剤を得る新手法を開発しました。本法は添加剤を一切必要とせず、2時間の反応で高強度接着剤を調製でき、従来法と比較して資源循環型社会に適したプロセスです。キトサンとDBの複合接着剤は木板同士を最大3.12 MPa、豚皮同士を最大0....
キーワード:循環型社会/持続可能/地球環境/コーティング/機能性材料/資源循環/添加剤/機能性/脱アセチル化/アルデヒド/キチン/アセチル化/誘導体
他の関係分野:環境学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年11月1日
58
プロバイオティクスで子牛のワクチン応答を増強
~既存のワクチンプログラムへの応用に期待~(獣医学研究院教授 今内覚)
北海道大学大学院獣医学研究院の今内 覚教授、同大学大学院国際感染症学院博士課程の池端麻里氏、同大学大学院獣医学研究院の岡川朋弘招へい教員、同大学総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点の鈴木定彦特任教授らの研究グループは、プロバイオティクスの給与が子牛のワクチンに対する免疫応答を増強することを証明しました。家畜の感染症に対する治療法には多くの抗菌剤が使用されていますが、過剰量の抗菌剤投与に伴う薬剤耐性菌の問題が世界規模で指摘されています。そのため、動物用ワクチンは抗菌剤に依存しない感染症の防御法としてますます重要視されています。しかし、既存のワクチンの単独使用では家畜の感染症...
キーワード:生産性/免疫調節/細胞応答/プロバイオティクス/獣医学/感染症対策/T細胞/抗菌剤/免疫応答/ワクチン/感染症/薬剤耐性
他の関係分野:総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年11月1日
59
涙液油層を構成する脂質の詳細な組成を解明
~ドライアイ診断法の開発に期待~(薬学研究院教授 木原章雄)
北海道大学大学院薬学研究院の木原章雄教授らの研究グループは、涙液油層を構成する多様な脂質のクラス及び分子種の詳細について明らかにしました。水溶液成分のみで構成されると考えられがちな涙液には実は外側に油層が存在し、涙液からの水分の蒸発を防ぐことによって角膜の健康を維持し、ドライアイを防いでいます。涙液油層の脂質は主に瞼に存在するマイボーム腺から分泌される脂質(マイバム脂質)で構成されています。マイバム脂質には多様な脂質が含まれていますが、ヒトにおけるこれらの脂質のクラスと分子種には不明な点が多く残されていました。研究グループは液体クロマトグラフィー連結タンデム質量分析の多重反応モニタ...
キーワード:水溶液/エステル/質量分析/選択性/モニタリング/診断法/ドライアイ/角膜/アルコール/分子機構/クロマトグラフィー/脂肪酸/コレステロール/脂質
他の関係分野:数物系科学化学総合理工総合生物医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月30日
60
国産キングサーモンの完全養殖にはじめて成功
~キングサーモン養殖への貢献に期待~(水産科学研究院教授 藤本貴史)
北海道大学大学院水産科学研究院の藤本貴史教授らの研究グループ、函館国際水産・海洋都市推進機構、函館市農林水産部のチームは、「函館マリカルチャープロジェクト」(地方大学・地域産業創生交付金事業)のキングサーモン完全養殖技術研究において、国内ではじめて天然採捕個体に由来するキングサーモンの完全養殖に成功しました。今回の完全養殖の達成では、2022年に函館沿岸の定置網で天然採捕されたキングサーモンの卵と精子の人工授精によって得られた人工種苗が親魚に用いられています。2025年7月下旬〜8月上旬にかけて、成熟メス親魚16個体から得られた約26,000粒の卵と36個体の成熟オスから得られた精...
キーワード:海洋/胚発生/地域産業/種苗生産/精子
他の関係分野:環境学生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月29日
61
応力光学法則の適用限界を明らかに
~複雑流動の光弾性計測に新たな指針~(工学研究院教 授田坂裕司)
北海道大学大学院工学研究院の田坂裕司教授、ペンシルバニア大学の能登大輔研究員(研究当時:北海道大学大学院工学研究院)、名古屋大学の大家広平助教(研究当時:北海道大学大学院工学研究院)の研究グループは、複屈折による光弾性計測を複雑な流体の非定常せん断流れに用いた場合、呈する干渉色とその時間変化が、必ずしも局所の流れのひずみやひずみ速度などと一致しないことを、精緻な流れの計測により明らかにしました。この結果は、現在開発が進む、光弾性を用いた流れの応力場計測法とその適用に一石を投じるものであり、新たな開発の指針とさらなるイノベーションがもたらされることが期待されます。様々な機能性を持つゲ...
キーワード:水溶液/複雑流体/応力場/時間変動/数値計算/高分子/複屈折/せん断/ひずみ/プラスチック/生産性/非定常流/非定常流れ/機能性/緩和時間
他の関係分野:数物系科学化学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月28日
62
双曲幾何と情報理論を統合したデータ蒸留手法の開発
~大規模AI学習の省メモリ化・高効率化への貢献に期待~(情報科学研究院教授 長谷山美紀)
北海道大学大学院情報科学研究院の長谷山美紀教授、小川貴弘教授、前田圭介准教授、同大学数理・データサイエンス教育研究センターの李 広特任助教、同大学大学院情報科学院研究生の李 文遠氏、トロント大学電気・コンピュータ工学科のコンスタンティノス プラタニオティス教授、博士課程のリンフェン イエ氏、スタンフォード大学電気工学科のシャヤンモハジェル ハミディ博士研究員らの研究グループは、データセット蒸留を双曲幾何×情報理論で再設計し、性能を維持したまま学習用データを大幅に集約する新手法を開発しました。第一に、双曲幾何を導入し、階層的な意味関係を表現しやすい双曲空間上で元データと合成データの分...
キーワード:意味構造/情報量/AI/機械学習/情報理論/人工知能(AI)/双曲空間/双曲幾何/メモリ/プロトタイプ/階層構造/高効率化/層構造
他の関係分野:情報学数物系科学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月28日
63
運動による生物時計の調節に性差が存在:
~メスマウスを用いた世界初の検証~(教育学研究院准教授 山仲勇二郎)
北海道大学大学院教育学研究院の山仲勇二郎准教授らの研究グループは、習慣的な運動による生物時計の調節に性差が存在することを、世界で初めて明らかにしました。生物時計は、約24時間周期で自律的に振動する内因性の時間調節機構であり、ヒトを含む哺乳類では、脳内視床下部の視交叉上核(SCN)がその中枢として機能しています。SCNは、地球の自転による明暗サイクルに同調するとともに、全身の末梢臓器や中枢神経系に時刻情報を伝達することで、行動リズムと生理機能を時間的に統合しています。生物時計の調節は主に光によって行われますが、運動などの非光刺激によっても調節可能であることが知られています。...
キーワード:視交叉上核/神経系/生物時計/時間生物学/相変化/光刺激/哺乳類/視床/視床下部/中枢神経/健康管理/生理機能/体内時計/中枢神経系/マウス/睡眠
他の関係分野:生物学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月26日
64
細胞内のmicroRNA濃度を簡便に定量する新技術を開発!
~新しいがん診断や個別化医療への応用に期待~(電子科学研究所准教授 三友秀之)
北海道大学電子科学研究所の三友秀之准教授、居城邦治教授、同大学大学院生命科学院博士後期課程の卫 文婷氏らの研究グループは、細胞内のmicroRNA(miRNA)濃度を簡便かつ正確に定量する新技術を開発しました。がんや感染症をはじめとする多くの疾病は、細胞内miRNAの量の変化と密接に関係しており、miRNAは有力な疾患バイオマーカーとして注目されています。そのため、生きた細胞内でmiRNAを正確に定量する技術の開発は、診断や新しい治療法の開発に直結する重要な課題とされてきました。本研究では、ナノスケールのDNAマシンを応用し、「二足歩行型DNAウォーカー」を基盤とした検出...
キーワード:環境変動/金ナノ粒子/蛍光センサー/生細胞/二足歩行/センサー/ナノスケール/ナノ粒子/光センサー/ナノマシン/光イメージング/蛍光イメージング/創薬/miRNA/バイオマーカー/感染症/個別化医療
他の関係分野:環境学化学生物学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月26日
65
分光画像を「空間のつながり」から読み解く新手法を開発
~これまで見えなかった病気や異物の情報を明らかに~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 小松崎民樹)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)・同大学電子科学研究所の小松崎民樹教授らの研究グループは、大阪大学大学院工学研究科の藤田克昌教授、京都府立医科大学大学院医学研究科の原田義規教授らと共同で、ラマン分光計測に対して、化学的な周辺環境を表す新しい尺度を定義し、それに基づいた新しい解析手法の開発に成功しました。この顕微鏡は、生体組織を光で調べて、「分子の種類や量」に関する情報を画像のように記録できます。ただし、従来の分析では「分子の種類そのもの」に注目するだけで、まわりの環境との関係はあまり考えられていませんでした。今回、研究チームは、各点の...
キーワード:マイクロプラスチック/ラマン/ラマンイメージング/分光計測/プラスチック/マイクロ/光計測/生体組織/肝炎/differentiation/ラマン分光/アルコール/不均一性/脂肪肝/非アルコール性脂肪肝
他の関係分野:環境学総合理工医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月26日
66
犬や猫から分離された薬剤耐性菌「緑膿菌」の特徴を明らかに
~一部は人とペットで共有される可能性を示唆~(獣医学研究院准教授 佐藤豊孝)
北海道大学大学院獣医学研究院のジラチャヤ・トイティン-平石博士研究員、同大学大学院獣医学研究院、同大学One Healthリサーチセンターの佐藤豊孝准教授らの研究グループは、2024年に、全国19都道府県の111の動物病院から収集した伴侶動物(犬・猫)由来の緑膿菌株について、各種抗菌薬に対する感受性の評価と、耐性菌株の性状解析を実施しました。その結果、全体の約18%が人の医療上重要なカルバペネム系抗菌薬に対して非感受性を示し、人由来株と共通する菌株系統も確認されました。これらの知見は、薬剤耐性緑膿菌が人と犬・猫の双方に関わる可能性を示しており、今後は「One Health(ワンヘル...
キーワード:クローン/健康リスク/獣医学/抗菌薬/薬剤耐性/緑膿菌
他の関係分野:生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月23日
67
アルキルケトンの一電子還元を基軸にした新反応の開発
〜Virtual Ligand-Assisted Screening(VLAS)法を用いる環境調和型合成法を実現〜(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 美多 剛、特任助教 田中耕作三世)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の田中耕作三世特任助教、美多 剛教授、松岡 和特任准教授、WPI-ICReDD及び同大学大学院理学研究院の前田 理教授らの研究グループは、量子化学計算による機構解析と実験検証を組み合わせることで、これまで困難とされてきたアルキルケトンの一電子還元反応を基盤とする新しい触媒反応の開発に成功しました。本研究では、光励起パラジウム触媒において問題となる「逆電子移動(BET)」を抑制できる最適な配位子を、膨大な候補の中から、計算化学手法「Virtual Ligand-Assisted Screening(VLA...
キーワード:オープンアクセス/量子化/環境調和/量子化学/量子化学計算/カップリング反応/触媒反応/電子移動/光励起/還元反応/カップリング/オレフィン/ケトン/スクリーニング/パラジウム/パラジウム触媒/ラジカル/リガンド/配位子
他の関係分野:情報学数物系科学化学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月20日
68
バイオリサイクルに革新:PET分解酵素の活性を69%向上
〜疎水性アルキル鎖をN末端に連結する簡便な酵素改変技術を開発〜(地球環境科学研究院教授 小野田晃)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の小野田晃教授、北海道立総合研究機構の瀬野修一郎主査、名古屋大学大学院理学研究科、自然科学研究機構 生命創成探究センターの内橋貴之教授らの国際共同研究チームは、酵素を用いたPETリサイクル技術に革新的な改良を加えることに成功しました。研究チームは、ペットボトルや繊維製品に広く使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)を分解する酵素クチナーゼのN末端に疎水性アルキル鎖を連結し、分解活性を強化する新技術を開発しました。この改変技術は、遺伝子組換えを必要とせず、簡便な化学反応で酵素を改良できます。疎水性部位を連結した酵素は、PET表面により強く吸着し、本来の触...
キーワード:循環型社会/フィルム/ポリエチレンテレフタレート/酵素分解/走査型電子顕微鏡/加水分解/ポリエチレン/水分解/持続可能/地球環境/表面分析/AFM/プラスチック/リサイクル/原子間力顕微鏡/電子顕微鏡/SEM/エチレン/高速原子間力顕微鏡/TPA/遺伝子
他の関係分野:環境学化学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月18日
69
星間粒子のヘリウム捕獲場所と捕獲機構をはじめて解明
~銀河中の星間粒子の起源と進化の関係の解明に期待~(理学研究院教授圦本尚義、助教馬上謙一)
北海道大学大学院理学研究院の馬上謙一助教と圦本尚義教授、米国ワシントン大学の甘利幸子教授らの研究グループは、炭素質隕石中に残存していたSiC星間粒子中のヘリウム原子の3次元分布をナノメータースケールの分解能で分析することに成功し、個々の星間粒子の一生において、いつ・どこで・どのようにしてヘリウム原子を捕獲したのかを解明しました。銀河系の星間粒子は、惑星を作る原材料の一つです。地球を作った星間粒子はコンドライト隕石中に数千分の1〜数万分の1の割合で含まれています。SiCは隕石中で最も多量に見つかる星間粒子の一つです。SiC星間粒子には最大1%のヘリウム原子が含まれています。SiCはヘ...
キーワード:ヘリウム/銀河/銀河系/恒星/新星/太陽/太陽系/超新星/惑星/隕石/SiC/ナノメートル/分解能
他の関係分野:数物系科学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月16日
70
胆振東部地震による高密度斜面崩壊で森林蒸発散が減少
~洪水や土砂流出に注意~(農学研究院助教桂真也)
北海道大学大学院農学研究院の桂 真也助教、同広域複合災害研究センターの厚井高志特任准教授の研究グループは、2018年に発生した北海道胆振東部地震で高密度に発生した斜面崩壊により、森林蒸発散量が減少したことを解明しました。胆振東部地震では森林に覆われた流域で斜面崩壊が高密度に発生し、森林に大きな被害をもたらしました。森林は、蒸発(降雨時に葉、枝、幹に付着した雨滴が蒸発すること)と蒸散(根から吸った水を葉の気孔から水蒸気として排出すること)により(両者をまとめて「蒸発散」と呼びます)、降雨の一部を水蒸気の形で大気に戻すという役割を担っています。研究グループは、地震から3~4年後の夏季に...
キーワード:土砂流出/水蒸気/蒸発散/斜面崩壊
他の関係分野:複合領域数物系科学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月15日
71
北海道中川町で化石を含む琥珀を大量発見
~世界的にも希少な太古の陸上生態系の記録~(理学研究院准教授 伊庭靖弘)
北海道大学大学院理学研究院の伊庭靖弘准教授、大阪公立大学大学院理学研究科の久保田彩講師、エディンバラ大学の谷口 諒JSPS海外特別研究員、中川町教育委員会の疋田吉識教育長は、北海道北部の中川町で産出する約1億1,500万年前(前期白亜紀)の琥珀が多様な生物化石群を保存していることを明らかにしました。琥珀は樹木から分泌された樹脂が化石化したもので、取り込んだ生物を化石として極めて良好に保存する媒体として知られています。太古の森林に由来する琥珀とその内部に保存された化石は、当時の陸上生態系を高解像に復元するための材料として注目を集めてきました。ところが、化石を含む琥珀が大量に産出するこ...
キーワード:古生物学/白亜紀/樹脂/生態系/解剖学
他の関係分野:数物系科学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月15日
72
詳細スケールでのエゾシカ捕獲の効果をはじめて解明
~効率的なエゾシカ対策に貢献~(文学研究院准教授 上野真由美)
北海道大学大学院文学研究院の上野真由美准教授は、北海道立総合研究機構、森林総合研究所及び東京農工大学と共同で、捕獲の強化策によるエゾシカの減少効果が地域内で異なり、高密度エリアでその効果が高いことを明らかにしました。このことは、地域全体の個体数管理を効率的に進めるためには、捕獲努力の配分を最適化することが望ましいという結論を導きます。有蹄類の過剰増加を防ぐため、捕獲(狩猟や有害駆除など)による個体数管理は、世界各地で実施されてきましたが、捕獲対策の強化が個体群内の動態に及ぼす影響については定量的な知見が限られています。本研究では、北海道釧路地域における23 km²メッシュエリア単位...
キーワード:最適化/個体群/規制緩和/ニホンジカ
他の関係分野:情報学生物学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月14日
73
小天体の捕獲による火星衛星の形成メカニズムを解明
~火星衛星探査による地球型惑星の水・有機物の起源の解明に期待~(理学研究院教授倉本圭、博士研究員 松岡亮)
北海道大学大学院理学研究院の松岡 亮博士研究員と倉本 圭教授(宇宙航空研究開発機構JAXA宇宙科学研究所教授を兼任)の研究グループは、太陽を周回する小天体が惑星に捕獲されることによって形成される衛星の軌道が、火星の衛星(フォボス・ディモス)の軌道と整合することを、理論的解析とコンピューターシミュレーションによって明らかにしました。火星には、二つの小さな衛星、フォボスとディモスがあります。これらの反射スペクトルは特定のタイプの炭素質小惑星との類似性を示すことから、小惑星が捕獲されて衛星が形成されたとする「捕獲説」が提唱されてきました。しかし従来の捕獲説には、太陽を周回していた天体が衛...
キーワード:反射スペクトル/スペクトル/宇宙科学/衛星/小惑星/太陽/太陽系/地球型惑星/惑星/シミュレーション/有機物/TEMPO
他の関係分野:数物系科学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月9日
74
中央北極海のメルトポンドの栄養塩動態を解明
~海氷栄養塩循環におけるメルトポンドの重要性を提示~(水産科学研究院教授 野村大樹)
北海道大学大学院水産科学院博士後期課程1年の秋野僚太氏、同大学大学院水産科学硏究院の野村大樹教授、東海大学生物学部海洋生物科学科の野坂裕一講師、国立極地研究所の猪上淳教授、ドイツ・アルフレッドウェゲナー極地海洋研究所などの国際共同研究グループは、2019年から2020年に行われた中央北極海での通年漂流観測「MOSAiC」計画に参画し、「メルトポンド」(海氷が融けてできた水たまり)において、藻類が光合成をするのに必須な成分「栄養塩」の特性についての観測結果を発表しました。メルトポンドは夏の北極でよく見られる現象であり、近年の温暖化によって増加が報告されています。MOSAiC計画では夏...
キーワード:海氷/極地/北極海/海洋/環境変動/バクテリア/光合成/栄養塩/有機物/海洋生物/プランクトン/温暖化/動物プランクトン
他の関係分野:環境学数物系科学生物学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月7日
75
アルデヒドオキシダーゼの阻害機構に関する新規知見
~新たな薬物間相互作用の可能性~(薬学研究院教授 小林正紀)
北海道大学大学院薬学研究院の上田一奈太助教、鳴海克哉講師、小林正紀教授らの研究グループは、多元受容体作用抗精神病薬クエチアピンが代謝酵素アルデヒドオキシダーゼ(AOX)の還元反応に対し、競合的な阻害効果を示すことを明らかにしました。AOXは、様々な抗がん剤や免疫抑制剤、睡眠薬の代謝を行うことで、薬物を体外に排泄しやすい構造へと変化させる肝代謝酵素です。アルデヒド基を有する化合物に限らず、幅広い薬物の代謝に関わることから、医薬品の有効性や副作用に関連している代謝酵素であると考えられています。しかしながら、実際の臨床現場におけるAOXを介した薬物間相互作用の危険性に関する知見は少なく、...
キーワード:カルボン酸/還元反応/アルデヒド/統合失調症/免疫抑制/代謝産物/抗精神病薬/酸化反応/受容体/代謝酵素/代謝物/副作用/免疫抑制剤/薬物間相互作用/抗がん剤/睡眠/薬物動態
他の関係分野:農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月6日
76
時分割X線回折像から粒子の回転を調べる新規手法を開発
~高分子複合材料のナノ物性メカニズム解明に期待~(先端生命科学研究院助教 新井達也)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の新井達也助教、相沢智康教授、及び東京大学大学院新領域創成科学研究科の佐々木裕次教授らの研究グループは、時分割X線回折像から高分子複合材料におけるナノ粒子の回転ダイナミクスを測定する新たなX線活用手法の開発に成功しました。高分子にナノ粒子を添加した複合材料は、ゴムやプラスチックなどの様々な材料として広く使用されています。これらの材料の柔らかさや耐久性は、内部に分散したナノ粒子の運動性、特に回転運動に大きく依存します。したがって、ナノ粒子の回転運動を可視化する手法は材料開発において極めて重要ですが、そのような運動を汎用的に観測する方法はこれまでほとん...
キーワード:関数解析/相関関数/揺らぎ/X線回折/相転移/高分子/ダイナミクス/ナノスケール/ナノ粒子/プラスチック/ポリマー/結晶化/高分子材料/耐久性/粘弾性/複合材/複合材料/ゆらぎ/構造変化
他の関係分野:数物系科学化学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月2日
77
南関東の世界最大ヨウ素・メタン濃集の謎を解明
~沈み込み帯でのヨウ素のフラッシュ蒸発と移動集積~(北海道大学名誉教授 鈴木德行)
北海道大学の鈴木德行名誉教授(元同大学大学院理学研究院教授)、岡山大学の亀田 純教授、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の天羽美紀特命調査役らの研究グループは、フィリッピン海プレート(PHS)と共に沈み込んでいる海洋堆積物より、小規模なプレート境界地震によってメタン、水素と共にヨウ素がフラッシュ蒸発して排出され、南関東の地下に世界最大のヨウ素・メタン濃集帯水層を形成していることを解明しました。南関東地下の上総層群帯水層には世界のヨウ素埋蔵量の約65%(約400万トン)が濃集し、水溶性メタンの産出量も世界最大です。しかし、なぜこのような莫大な量のヨウ素がメタンと共に同帯水層に濃...
キーワード:海洋/プレート境界/海洋堆積物/高温高圧/深部流体/太平洋プレート/堆積物/地殻変動/沈み込み/沈み込み帯/太陽/液晶/物理化学/ペロブスカイト太陽電池/ペロブスカイト/状態図/太陽電池/電池/トラップ/メタン/熱分解/メタン菌/技術革新/微生物/ヨウ素
他の関係分野:環境学数物系科学化学総合理工農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年9月25日
78
オゾン化オリーブ油による新たなメラノーマ細胞増殖抑制機能の解明
~新たなメラノーマ治療戦略への応用に期待~(薬学研究院教授 松田正)
北海道大学大学院薬学研究院の松田 正教授及び北海道科学大学の柏倉淳一教授らの研究グループは、オゾン化オリーブ油がメラノーマ細胞増殖に対して新たな効果を有することを見出しました。オゾン化オリーブ油は褥瘡や潰瘍の皮膚疾患に治療効果が報告されており、化粧品や消毒用途で使用されています。メラノーマは皮膚を中心として全身において、メラニン細胞の遺伝子変異でがん化した皮膚がんであり、他臓器への転移では5年以内の死亡率が高いがん種です。近年では、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬の開発により、メラノーマ治療は飛躍的に進歩しておりますが、いまだに新たな治療アプローチも必要とされています。...
キーワード:オゾン/増殖抑制/細胞増殖抑制/死亡率/分子標的/がん化/免疫チェックポイント阻害剤/メラノーマ/細胞死/細胞増殖/阻害剤/皮膚疾患/免疫チェックポイント/遺伝子/遺伝子変異/分子標的薬
他の関係分野:医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年9月25日
79
コンデンシンはリンカーヒストンと競合してヘテロなDNA構造を形成する
~分裂期染色体形成の生物物理の解明に期待~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点 特任准教授 山本哲也)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の山本哲也特任准教授と理化学研究所開拓研究所の新冨圭史専任研究員、平野達也主任研究員らの研究グループは、ソフトマター物理学と生化学の融合研究によって、分裂期染色体の形成プロセスを妨げた際に出現する奇妙な形状のDNA構造が作られるしくみを説明する物理理論の構築に成功しました。細胞が分裂する直前(分裂期)には、ゲノムDNAが折りたたまれ、分裂期染色体と呼ばれる棒状の構造が形成されます。コンデンシンと呼ばれるタンパク質複合体は、染色体形成に不可欠な因子として同定され、近年ではDNAループを形成する活性を持つこ...
キーワード:ソフトマター/ソフトマター物理/相分離/ゲノムDNA/タンパク質複合体/ヒストン/熱力学/力学モデル/コンデンシン/ヌクレオソーム/カエル/表面構造/リンカーヒストン/染色体/生物物理/精子/ゲノム
他の関係分野:数物系科学化学生物学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年9月17日
80
奇核形状の相転移の微視的記述に初めて成功
~重元素合成メカニズム解明への貢献に期待~(理学研究院准教授 野村昂亮)
北海道大学大学院理学研究院の野村昂亮准教授らの研究グループは、微視的な核構造理論に基づいて、奇数個の核子数を持つ原子核・奇核の分光学的性質を計算するための新しい理論的手法を提唱しました。現在知られている数千種類の原子核のうちの大半は奇核であるにも関わらず、理論的な取り扱いが非常に困難であることから、研究があまり進んでいませんでした。本研究では、核子多体系の密度汎関数理論を出発点とすることで、奇核の現象論的な模型である相互作用するボソン・フェルミオン模型(IBFM)のパラメータを決定する方法論を開発しました。原子核は、表面が変形することによって形を持ちます。原子核の形状は核子数の増減に伴って変...
キーワード:ハミルトニアン/フェルミオン/核構造/原子核/対称性/陽子/相転移/中性子/分光学/元素合成/密度汎関数法/密度汎関数理論
他の関係分野:数物系科学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年9月17日
81
試験管内でオートファジーの初期過程を再現することに成功
〜オートファジー誘導剤の開発に期待〜(遺伝子病制御研究所准教授 藤岡優子、教授 野田展生)
北海道大学遺伝子病制御研究所の藤岡優子准教授及び野田展生教授、東京科学大学総合研究院細胞制御工学研究センターの中戸川仁教授らの研究グループは、オートファジーの中核であるオートファゴソーム新生の初期過程を試験管内で再構成することに成功し、液−液相分離によりオートファジーが始まるメカニズムの詳細を明らかにすることに成功しました。オートファジーとは、有害凝集体や損傷ミトコンドリアなどの分解を行う現象であり、細胞の恒常性を維持する役割を持ちます。オートファジーは栄養飢餓などで活性化されますが(=オートファジー誘導)、この異常に伴って神経変性疾患やがんが引き起こされます。オートファ...
キーワード:相分離/Atg/栄養飢餓/制御工学/たんぱく/オートファゴソーム/酵素反応/オートファジー/ミトコンドリア/リソソーム/凝集体/神経変性/神経変性疾患/阻害剤/遺伝子/脂質
他の関係分野:数物系科学生物学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年9月16日
82
高山帯のマルハナバチは温暖化でどうなるか?
~市民ボランティアとの共同研究で初めて明らかになった高山植物のポリネーターの動向~(地球環境科学研究院特任准教授 工藤岳)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の工藤 岳特任准教授らの研究グループは、北海道大雪山系の高山帯2地域で12年間にわたる高山植物の開花時期とマルハナバチ個体数のモニタリングデータから、気候変動がマルハナバチの個体群変動に及ぼす影響を解析しました。雪渓跡地の雪田群落は働きバチの重要な採餌場所ですが、開花時期は雪解け状況により大きく年変動します。気温が1℃上昇し、融雪が10日早まった場合、高山帯全体の開花期間は9.2日短縮されると予測されました。一方で、働きバチの出現時期は気温や融雪時期の影響を受けず、毎年8月上旬に個体数がピークに達しました。そのため、雪解けが早く進んだ年には、雪田群落の開花ピ...
キーワード:ボランティア/地球温暖化/気候変動/個体群/植物群落/地球環境/モニタリング/生態系/温暖化/個体群動態
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学生物学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月30日
83
動物福祉に対する態度を日英で比較
~日本の獣医師は英国よりも動物の行動を重視しない傾向~(One Healthリサーチセンター特任助教 大谷祐紀)
北海道大学One Healthリサーチセンターの大谷祐紀特任助教(研究当時 同大学大学院獣医学研究院博士研究員、エジンバラ大学客員博士研究員)らの研究グループは、日英の獣医師及び動物行動/福祉学研究者を対象としたアンケート調査を行い、両国の動物福祉への考え方の差異や共通点を調べました。動物福祉は英国から始まった概念で「動物の精神的・身体的状態」と定義されています。近年、多様性や持続可能性への意識の高まりから、動物福祉への配慮が国際的な関心事となっています。動物福祉には基本原則があり、動物は「飢え・渇きからの自由」「恐怖・抑圧からの自由」「不快からの自由」「痛み・怪我・疾病からの自由...
キーワード:持続可能/アンケート調査/持続可能性/獣医学/動物福祉/医師
他の関係分野:農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月28日
84
8種のクジラ類の腸内メタゲノム解析に成功
~タコ墨ならぬクジラ墨「綱火」のメカニズム解明に貢献か~(地球環境科学研究院助教 早川卓志)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程2年の竹内 颯氏、同大学大学院地球環境科学研究院の早川卓志助教、同大学大学院水産科学研究院の松石 隆教授の研究グループは、北海道沿岸に漂着した8種のクジラ類の腸管内容物のメタゲノム解析によって、腸内細菌の組成や機能を網羅的に明らかにしました。野生のハクジラ類での複数の腸管部位にわたる網羅的なメタゲノム解析は世界初となります。分析したハクジラ類の中でも、マッコウクジラ上科に属するマッコウクジラとコマッコウは、脅威を感じると「綱火(つなび)」と呼ばれる墨状の暗赤褐色の便を排泄して身を隠すことが知られています。腸内細菌の解析の結果、マッコウクジラとコマッコウの...
キーワード:重金属/地球環境/微生物/メタゲノム解析/ゲノム解析/メタゲノム/ゲノム/遺伝子/細菌/腸内細菌
他の関係分野:環境学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月28日
85
最古の銅酸化物で新しい超伝導状態が実現
~反強磁性と超伝導の二面性を併せ持つ銅酸化物高温超伝導の新展開に期待~(理学研究院講師 井原慶彦)
北海道大学大学院理学研究院の井原慶彦講師、小田 研招へい教員、京都大学大学院理学研究科の石田憲二教授らの研究グループは、銅酸化物高温超伝導体の母物質として最も古くから知られている反強磁性絶縁体La2CuO4に対して、微量の酸素をドープすることで、超伝導転移温度が32ケルビンに達する超伝導状態を発現させることに成功しました。これまでの銅酸化物高温超伝導体では、LaをSrやBaに元素置換することで反強磁性秩序を抑制し、超伝導を発現させていました。ところが、本研究で実現した微量酸素ドープでは反強磁性秩序がほとんど抑制されず、低温で超伝導状態と共存すること...
キーワード:高温超伝導体/酸化物超伝導体/超伝導体/鉄系超伝導/鉄系超伝導体/銅酸化物/銅酸化物高温超伝導体/反強磁性/超伝導/磁気モーメント/キャリア/強磁性/高温超伝導/酸化物高温超伝導体/絶縁体/酸化物
他の関係分野:数物系科学総合理工
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月27日
86
ストレスが抗ウイルス応答を選択的に調整する仕組みを発見
~ウイルス感染症に対する新たな治療展開に期待~(遺伝子病制御研究所准教授 岡崎朋彦)
北海道大学遺伝子病制御研究所の岡崎朋彦准教授らの研究グループは、東京大学と徳島大学との共同研究により、抗ウイルス応答において中心的な役割を担うタンパク質MAVS(ミトコンドリア抗ウイルスシグナル伝達タンパク質)が、細胞ストレスに起因するシグナル経路によってリン酸化修飾を受けることで、インターフェロン(IFN)産生が促進されることを明らかにしました。これまでにも、細胞ストレスが抗ウイルス免疫応答に影響を及ぼす可能性は示唆されていましたが、その分子機構の詳細は不明でした。本研究では、ストレス応答に関わるASKファミリーに着目し、ASK1がp38 MAPKを介して、MAVSのリ...
キーワード:センサー/リン酸/インターフェロン/ウイルス感染症/分子機構/P38/ASK1/ASKファミリー/MAPK/アポトーシス/ストレス応答/ミトコンドリア/免疫応答/ウイルス/ストレス/遺伝子/感染症
他の関係分野:農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月27日
87
植物は種子食害を減らすために雄花を増やす
~種子食昆虫との相互作用により高山植物の繁殖形質が進化する~(地球環境科学研究院特任准教授 工藤岳)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の工藤 岳特任准教授らの研究グループは、ハクサンボウフウの雄花と両性花の比率が生育場所によって異なることを見いだし、それが種子食昆虫の食害への対抗戦略であることを解明しました。ハクサンボウフウはセリ科の高山植物で、一つの花序に両性花と雄花が混在します。大雪山系で4年間に渡り観察したところ、雪解けが早い場所の個体群では遅い場所の個体群に比べて、両性花が少なく雄花が多い傾向がありました。雪解けが早い場所では7月上・中旬に開花し、多くの種子は成熟前にササベリガの幼虫に食害されていました。一方で、8月上旬以降に開花する雪解けが遅い場所では、種子食害はほとんどありませ...
キーワード:gender/個体群/自然選択/地球環境/花粉/生態系
他の関係分野:情報学生物学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月27日
88
水素とナノファイバーを同時合成する光触媒を開発
~次世代水素社会への貢献に期待~(理学研究院准教授 小林厚志)
北海道大学大学院理学研究院の小林厚志准教授、三浦篤志准教授、高橋啓介教授らの研究グループは、金属錯体色素を複層化した光触媒ナノ粒子とアルコール酸化触媒分子を連動させることで、持続利用可能な資源であるセルロースからクリーンエネルギー源となる水素と高機能材料となるセルロースナノファイバー(CNF)を、環境負荷なく同時合成できる光触媒を開発しました。近年深刻化する環境・エネルギー問題の解決に向けて、化石資源に変わる持続利用可能な炭素資源としてセルロースが注目を集めてきました。セルロースは地球上に最も豊富に存在するバイオマス資源ですが、安定な構造を有しているため資源化には多大なコストが必要...
キーワード:機械学習/光エネルギー/水素生成/複雑系/太陽/金属錯体/青色光/太陽光/有機ラジカル/ファイバー/触媒化学/クリーンエネルギー/可視光/持続可能/光照射/二酸化チタン/チタン/ナノファイバー/光触媒/酸化チタン/ナノ粒子/環境負荷/分光分析/インフォマティクス/光分解/機能材料/TEMPO/セルロース/セルロースナノファイバー/バイオマス/アルコール/ラジカル
他の関係分野:情報学環境学数物系科学化学生物学総合理工総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月27日
89
地温勾配の降下を記録した変成岩をベトナムで初めて発見
~太古に生じた特異な地殻内物質循環のテクトニクス解明に貢献~(総合博物館助教 北野一平)
北海道大学総合博物館のブイティシンブオン資料部研究員及び北野一平助教らの研究グループは、ベトナム中部に分布するア・ブオン層において広域的な地質調査を行い、高度変成岩の局所的な産出を見出しました。予察的な岩石学的解析を経て、ベトナムでこれまで報告例のない地温勾配の降下(反時計回りの変成経路)を示す特異な変成岩であることを明らかにしました。ベトナムの変成岩は主に古生代後期の大陸衝突により形成され、共通して断層帯または剪断帯に沿って分布し、当時の地温勾配上昇(時計回りの変成経路)を記録しています。ベトナム中部には、ダイ・ロック岩体という古生代前期のマグマ活動で形成した花崗岩体に伴い高温の...
キーワード:テクトニクス/マグマ/花崗岩/堆積岩/地殻変動/変成岩/ベトナム/物質循環
他の関係分野:数物系科学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月25日
90
小惑星ベヌーは多様な原材料物質から形成
~NASA探査機が持ち帰ったサンプルから明らかに~(理学研究院准教授 川﨑教行、教授 圦本尚義)
北海道大学大学院理学研究院の川﨑教行准教授、馬上謙一助教及び圦本尚義教授、同大学総合イノベーション創発機構の坂本直哉准教授を含む国際共同研究グループは、米国航空宇宙局(NASA)の小惑星探査機「オサイリスレックスOSIRIS-REx」が小惑星「ベヌー」から採取したサンプルの詳細分析を行い、「ベヌー」が非常に多様な起源を持つ原材料物質から形成されたことを明らかにしました。「オサイリスレックス」は、2023年に「ベヌー」の表面から約120グラムのサンプルを地球に持ち帰ることに成功しました。「ベヌー」は、日本の宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ2」が探査した「リュウグウ」と同じ...
キーワード:リュウグウ/同位体/恒星/小惑星/太陽/太陽系/惑星/惑星探査/隕石/高温環境/はやぶさ2/電子顕微鏡/同位体分析/有機物
他の関係分野:数物系科学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月25日
91
日本の「湯の華」は多様な植物を化石にしていた!
~信州の秘湯、中房温泉~(理学研究院准教授 伊庭靖弘)
北海道大学大学院理学研究院の伊庭靖弘准教授、産業技術総合研究所の久保田彩博士、エディンバラ大学の谷口 諒JSPS海外特別研究員(2024年度北海道大学大学院理学院修了)、北海道大学理学院博士後期課程の植田知幸氏は、日本の温泉で生じる「珪華」を対象とした詳細な地質調査を行いました。その結果、国内の珪華には、これまで知られてきた他国の珪華には類を見ない固有の岩石学・堆積学的特徴が存在し、温泉周囲の多様な植物が化石として取り込まれていることが明らかになりました。珪華は取り込んだ生物化石を数10億年もの長期間にわたって保存できる優れた媒体として注目されています。従来、その形成プロセスや化石...
キーワード:堆積物/生物群集/シリカ/生態系/生物多様性/微生物
他の関係分野:数物系科学生物学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月25日
92
海氷融解時期の違いが植物プランクトンに影響を及ぼす
~秋季太平洋側北極海の海氷変動がマイクロプランクトン群集を変えることを解明~(水産科学研究院助教 松野孝平)
北海道大学大学院水産科学院修士課程の角谷皓平氏(研究当時)、同修士課程の住吉 大氏、同大学大学院水産科学研究院の松野孝平助教、国立極地研究所の佐藤和敏助教、海洋研究開発機構の村田昌彦上席研究員(シニア)、西野茂人主任研究員らの研究グループは、秋季太平洋側北極海における海氷変動がマイクロプランクトン(20-200 µmの植物プランクトンと小型動物プランクトンの総称)の中でも特に植物プランクトン種組成に影響を与えることを解明しました。 太平洋側北極海では、ここ数十年で急速な海氷減少が確認されています。しかしながら、この海氷減少がマイクロプランクトン群集に及ぼす影響については、十分な知見...
キーワード:海氷/極地/珪藻/北極海/海洋/マイクロ/海洋環境/生態系/群集構造/プランクトン/海洋生態/海洋生態系/植物プランクトン/動物プランクトン/将来予測
他の関係分野:環境学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月21日
93
春季噴火湾の動物プランクトン群集の経年変化が明らかに
~群集構造に加えて、サイズ組成と魚類餌環境にも経年変化あり~(水産科学研究院准教授山口篤)
北海道大学大学院水産科学院修士課程(研究当時)の張 浩晨氏、同大学大学院水産科学研究院の山口 篤准教授、大木淳之教授、髙津哲也教授らの研究グループは、北海道の噴火湾湾央の1定点にて、2019年-2023年の5年にわたり、約1ヶ月間隔の動物プランクトンネット採集を行い、採集試料についてZooScanによる画像イメージング解析を行うことで、出現個体数、バイオマス、群集構造及びサイズ組成の季節変化と経年変化を明らかにしました。夏-秋季(7月-12月)に見られた群集Aは、調査を行った5年を通して共通して観察されました。経年変化は冬-春季(1月-6月)にあり、2019年に見られた群集Dは冷水...
キーワード:季節変化/海洋/ブルーム/経年変化/バイオマス/群集構造/カイアシ類/プランクトン/植物プランクトン/親潮/動物プランクトン/イミン
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月21日
94
安全かつ簡便に作れる高性能薄膜トランジスタ
~水素ガス不要で、電界効果移動度は従来比10倍~(電子科学研究所教授 太田裕道)
北海道大学大学院情報科学院修士課程の定平 光氏、同大学電子科学研究所の太田裕道教授、曲 勇作助教(研究当時)、同大学大学院工学研究院の三浦 章教授らの研究グループは、危険な水素ガスや複雑な圧力制御を用いずに、電界効果移動度約90 cm2/V·sの高性能薄膜トランジスタの開発に成功しました。水素添加酸化インジウムを活性層とする薄膜トランジスタは、現在主流の酸化インジウム・ガリウム・亜鉛(IGZO)薄膜トランジスタの約10倍の電界効果移動度を示すことから次世代ディスプレイ用素子として注目されています。しかし、水素は酸素と混合すると爆発の危険があるため、従来の水素ガ...
キーワード:高移動度/ディスプレイ/トランジスタ/薄膜トランジスタ/力制御/電界効果/圧力制御/移動度/水素ガス/インジウム
他の関係分野:化学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月21日
95
AIから導くバンドギャップ設計とペロブスカイト合成
~AIと実験を融合した無機材料開発フローを実現~(理学研究院教授 髙橋啓介)
北海道大学大学院理学研究院の髙橋啓介教授、髙橋ローレン助教、フェルナンド・ガルシア=エスコバル博士研究員、同大学大学院理学院博士後期課程1年の田代智哉氏、修士課程2年の柴田憲伸氏らの研究グループは、機械学習によってバンドギャップ(光吸収の指標)を精密に予測・設計できるペロブスカイト無機材料の開発手法を確立しました。これまで、ペロブスカイト材料は太陽光を効率的に吸収できる優れた構造として知られていましたが、バンドギャップがわずかな構造変化で大きく変動するため、材料設計は困難でした。本研究では、過去の文献に基づく282件の実験データを用い、材料中の元素の性質と構造に基づく記述...
キーワード:機械学習/人工知能(AI)/光エネルギー/再生可能エネルギー/回帰モデル/X線回折/近赤外/太陽/赤外分光/光エネルギー変換/太陽光/バンドギャップ/ペロブスカイト/光吸収/水分解/無機材料/光触媒/材料設計/光学特性/電子顕微鏡/インフォマティクス/SEM/エネルギー変換/ベクター/構造変化
他の関係分野:情報学環境学数物系科学化学総合理工総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月9日
96
紅藻"ダルス"の紫外線防御物質MAAsの含有量を道南2地点で比較
~天然の紫外線吸収物質の供給源として期待~(水産科学研究院准教授熊谷祐也教授岸村栄毅)
北海道大学大学院水産科学研究院の岸村栄毅教授と熊谷祐也准教授らの研究グループは、2023年1~5月に函館市臼尻町及び小安町から採れたダルス(Devaleraea inkyuleeiinkyuleei)の紫外線防御物質マイコスポリン様アミノ酸(MAAs)含有量について月別変動を調査しました。本研究で調査した2023年の臼尻町産ダルスのMAAs含有量は、過去の結果と同様に2月から3月にかけて最大となり、特に2月の試料で最も高い値を示しました。また、2023年の小安町産ダルスのMAAs含有量は、1月から4月にかけて徐々に増えていき、4月の試料で最も高い値を示しました。しかし...
キーワード:紫外線/環境要因/アミノ酸
他の関係分野:医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月9日
97
食品の「飲み込みやすさ」を数値化
~嚥下食の安全性評価に新手法~(工学研究院准教授 高橋航圭)
北海道大学大学院工学研究院の高橋航圭准教授、北海道大学病院栄養管理部の熊谷聡美栄養士長らの研究グループは、嚥下食の「飲み込みやすさ」を、工業用粘着テープの試験手法を応用して評価する新しい方法を開発しました。この研究により、従来の粘度測定では評価が難しかった固形や半固形の食品について、咽頭粘膜への付着・はく離を数値化することで、より実態に近い「飲み込みやすさ」の評価が可能となります。高齢化が進む日本では、嚥下障害を抱える患者数は増加の一途を辿っています。嚥下障害は誤嚥性肺炎などの重大な健康リスクと密接に関係し、食べやすく安全な嚥下食の開発が急務です。これまでに、粘度測定や経験に基づく...
キーワード:最適化/定量的評価/定量評価/せん断/健康リスク/評価手法/シリコン/はく離/安全性評価/評価法/リハビリ/リハビリテーション/高齢化/高齢者/唾液/嚥下障害
他の関係分野:情報学環境学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月9日
98
有機分子の還元反応が"加圧"により進行することを発見!
~圧力応答性材料開発に向けた新たな設計指針を提供~(理学研究院准教授 石垣侑祐)
北海道大学大学院理学研究院の石垣侑祐准教授、同大学大学院総合化学院博⼠後期課程の菊池モト氏及び九州大学先導物質化学研究所の福原 学教授らの研究グループは、独自に開発したシクロファン型のジカチオンに対して、静水圧を作用させることでレドックス反応が進行することを明らかにしました。シクロファン型分子は、直鎖状分子ではもち得ない物性を示す可能性があることから、機能材料分野において盛んに研究対象とされてきました。例えば、近年大きな注目を集めているピラーアレーンもシクロファンの一種であり、分子認識やドラッグデリバリーシステムへの応用が期待されます。一方、非常に小さな電子のやり取りで駆動可能なレ...
キーワード:水分子/静水圧/分子構造/シクロファン/酸化還元反応/溶媒和/有機分子/還元反応/酸化還元/積層構造/親水性/環境応答性/生体内/機能材料/環境応答/層構造/レドックス/カチオン/構造変化/分子認識
他の関係分野:数物系科学化学総合理工総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月7日
99
大雪山系の遺跡はいつどのように残されたのか
~高標高地帯への人類適応過程の解明へ期待~(総合博物館准教 授中沢祐一)
北海道大学総合博物館の中沢祐一准教授、札幌国際大学人文学部国際教養学科の髙倉 純教授、明治大学黒耀石研究センターの堤 隆特任教授・池谷信之特任教授らの研究グループは、大雪山国立公園内に残された標高約2,100mに位置する白雲岳小泉岳遺跡の考古学的な調査を実施し、高標高地帯への人類居住が少なくとも3,000年前にはなされたことを明らかにしました。白雲岳小泉岳遺跡は1924年(大正13年)に最初に発見され、自然・人文科学の様々な研究者らが着目してきました。しかし、この遺跡がいつどのようにして残されたのかに関する体系的な調査はなされてきませんでした。当該遺跡は環境保護区内にあるため、土を...
キーワード:オホーツク海/元素分析/堆積物/年代測定/発掘調査/環境保護
他の関係分野:数物系科学生物学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月7日
100
蛍光色素が結合した抗がん剤による腫瘍のイメージング
~短波赤外蛍光色素の利用によりがんの発見と手術精度の向上に期待~(先端生命科学研究院教授 門出健次)
北海道大学大学院先端生命科研究院の門出健次教授、マハデバ・スワミイ助教らの研究グループは、乳がん等の検出のための蛍光プローブ(機能性試薬)を開発しました。本研究は、低分子抗がん剤と蛍光色素を組み合わせて体内のがんを検出する新しいツールの開発に焦点を当てています。本研究で研究グループはFDA承認のエストロゲン受容体標的薬であるタモキシフェンを選択し、短波赤外(SWIR、900〜1,400 nm)領域で作用するプローブを設計しました。タモキシフェンのような低分子ベースのプローブは、がんバイオマーカーに対して高い特異性を維持し、抗体ベースのプローブと比較してより好ましい薬物動態を示します。さらに、...
キーワード:視覚化/近赤外/赤外線/光プローブ/機能性/タモキシフェン/エストロゲン/エストロゲン受容体/プローブ/蛍光プローブ/蛍光色素/受容体/造影剤/バイオマーカー/抗がん剤/抗体/手術/乳がん/薬物動態
他の関係分野:情報学数物系科学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月7日
101
超強力接着性ハイドロゲルのデノボ設計に成功!
~データ駆動型アプローチで材料開発の新境地を開拓~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 龔剣萍、特任教授 瀧川一学)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の范 海竜(ファン・ハイロン)特任准教授(現・深圳大学 准教授)、龔 剣萍(グン・チェンピン)教授、及び瀧川一学特任教授らの研究グループは、タンパク質のデータマイニング、実験、機械学習を統合した画期的なデータ駆動型アプローチを提案しました。これにより、超接着性ハイドロゲルのデノボ設計に成功しました。この新しいアプローチにより、約2万5千種類のタンパク質データベースから得た知見を基に高分子鎖の配列パターンを設計し、機械学習を活用してハイドロゲルの最適な組成を導き出すことに成功。これにより、従来のハイドロゲ...
キーワード:データ駆動/機械学習/最適化/海洋/環境技術/高分子/ソフトマテリアル/ハイドロゲル/生体適合性/水環境/ロボティクス/海洋環境/耐久性/分子設計/生体材料
他の関係分野:情報学環境学化学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月4日
102
mRNAワクチンのカギを"片手"で握る脂質を解明
〜立体異性体の制御により、安全性と効果を両立〜(医学研究院、総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 田中伸哉、総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点特任准 教授辻信弥)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)特任教授及びマックス・プランク石炭研究所教授のリスト・ベンジャミン氏、WPI-ICReDDの辻 信弥特任准教授、WPI-ICReDD及び同大学大学院医学研究院の田中伸哉教授、津田真寿美准教授らの研究グループは、mRNAワクチンなどに用いられる脂質ナノ粒子(LNP)の一つの「ALC-0315」について、立体異性体ごとの生物学的性質の違いを世界で初めて明らかにしました。LNPは、核酸医薬品の生体内・細胞内輸送に不可欠で、COVID-19パンデミックでは、mRNAワクチンの迅速な実用化を可能にしました。LNP...
キーワード:最適化/イオン化/キラル/不斉合成/エンドソーム/ナノ粒子/生体内/立体化学/細胞膜/細胞毒性/mRNA/パンデミック/核酸医薬/細胞内輸送/ワクチン/脂質/新型コロナウイルス感染症
他の関係分野:情報学数物系科学化学生物学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月4日
103
糖尿病治療薬で生じる皮膚の難病の新規診断法を開発
~早期診断や発症予測への応用を期待~(医学研究院教授氏家英之)
北海道大学大学院医学研究院の眞井翔子客員研究員、眞井洋輔客員研究員、氏家英之教授らの研究グループは、日本で最も多く使用される糖尿病治療薬であるDPP-4阻害薬の服用に伴って発症することが知られる、DPP-4阻害薬関連水疱性類天疱瘡に特異的な自己抗体を高感度かつ高特異度で検出する新規ELISAを開発しました。水疱性類天疱瘡は高齢者に多い自己免疫性水疱症であり、本邦の指定難病の一つです。近年、2型糖尿病治療薬であるDPP-4阻害薬を服用中の方で水疱性類天疱瘡の発症頻度が高いことが報告されています。DPP-4阻害薬関連水疱性類天疱瘡は早期に診断できれば治療への反応性が良いことが知られてい...
キーワード:モニタリング/診断法/ELISA/エピトープ/早期診断/自己抗体/自己免疫性水疱症/水疱症/天疱瘡/HLA/コラーゲン/自己免疫/2型糖尿病/抗体/高齢者/糖尿病/難病
他の関係分野:総合生物医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月30日
104
台湾東部で誘発地震の促進メカニズムを発見
~ハの字型構造をなす断層のずれる「向き」の重要性~(理学研究院准教授 高田陽一郎)
北海道大学大学院理学研究院の高田陽一郎准教授と同大学大学院理学院博士後期課程の石丸雄理氏らの研究グループは、台湾東部に存在する「台東縦谷断層」と「中央山脈断層」における地震の誘発メカニズムを解明しました。これらの断層は隣接しており、互いに反対方向に傾くハの字型の構造をしています。従来、これらの断層の片方で地震が発生すると、もう片方の地震活動が抑制されると考えられていました。しかし、2022年に台東縦谷断層で玉里地震(マグニチュード6.7)が、中央山脈断層で池上地震(マグニチュード7.0)が相次いで発生し、従来の説の再検討が必要となりました。そこで、これら2断層間の相互作用を調べて、誘発地震を...
キーワード:GNSS/地震活動/衛星/衛星観測/数値シミュレーション/シミュレーション/人工衛星
他の関係分野:数物系科学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月30日
105
膵臓がんの画期的なナノ治療薬の開発に成功!
~がん細胞のみに抗がん剤を届ける副作用の低い能動的薬物送達システムを初めて実現~(先端生命科学研究院特任教授 西村紳一郎)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の西村紳一郎特任教授と北海道大学発創薬ベンチャーの遠友ファーマ株式会社(本社:札幌市、代表取締役CEO:安井忠良)の研究グループは、これまで抗接着性の「ナノソーム」という粒径20~50ナノメートル程度の超高性能ナノ微粒子を利用したがん治療用ナノ医薬(nanomedicine)の基礎的な研究を進めてきました(例えば、J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 12507-12517;ACS Chem. Biol. 2015, 10, 2073-2086;Angew. Chem. Int. Ed. 2019...
キーワード:トポイソメラーゼ/ナノ微粒子/ナノメートル/微粒子/薬物送達システム/細胞膜/浸潤/膵臓/DDS/イリノテカン/がん細胞/がん治療/マウス/リソソーム/共培養/阻害剤/創薬/副作用/膵がん/膵臓がん/抗がん剤/早期発見/動物実験
他の関係分野:化学総合生物医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月23日
106
海洋細菌由来希少カロテノイドが抗酸化作用や抗炎症効果を示すことを発見
~C30カロテノイドの機能性食品素材などの応用に向けた研究進展に期待~(水産科学研究院 助教 高谷直己)
北海道大学大学院水産科学研究院の高谷直己助教、細川雅史教授、一般財団法人生産開発科学研究所の眞岡孝至博士らの研究グループは、海洋細菌Exiguobacterium属から希少カロテノイドを同定するとともに、この化合物が抗酸化活性や抗炎症効果を示すことを明らかにしました。天然の脂溶性色素であるカロテノイドは、抗酸化作用など多様な健康機能性が注目されています。β-カロテンをはじめとしたC40カロテノイド(基本骨格を構成する炭素原子数が40個)は野菜や果物などに豊富に存在しますが、一部の微生物によって産生されるC30カロテノイド(基...
キーワード:海洋/分子構造/エステル/一重項酸素/機能性/機能性食品/海洋細菌/構造決定/カロテノイド/微生物/ファージ/マクロファージ/抗炎症/抗炎症作用/抗酸化/抗酸化作用/生理活性/誘導体/遺伝子/遺伝子発現/細菌
他の関係分野:環境学化学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月23日
107
鱗食魚には利き眼がある -生存に有利-
~動物の利きメカニズムに迫る~(理学研究院 准教授 竹内勇一)
北海道大学大学院理研究院の竹内勇一准教授、富山大学医学部(研究当時)の樋口祐那氏、帝京大学先端総合研究機構の渡邉貴樹講師、名古屋大学大学院理学研究科の小田洋一名誉教授からなる研究グループは、アフリカ・タンガニイカ湖に棲む鱗食性シクリッド科魚類Perissodus microlepis(鱗食魚)には鋭敏に反応する利き眼があり、捕食や逃避にとって有利に働くことを突き止めました。P. microlepis(鱗食魚)は個体ごとに口部形態に左右差があり、獲物の魚の側面からウロコをはぎとって食べます。その捕食行動において、獲物の右から狙う「右利き」と左から狙う「左利...
キーワード:視覚情報/食行動/シクリッド/選択性/視覚系/運動能力/白内障
他の関係分野:情報学複合領域生物学総合生物医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月17日
108
小惑星リュウグウから太陽系最古の岩石を発見
~リュウグウは太陽系遠方で形成された特異な天体であることを示唆~(理学研究院准教授 川﨑教行)
北海道大学大学院理学研究院の川﨑教行准教授、同大学大学院理学院修士課程の宮本悠史氏、同大学総合イノベーション創発機構の坂本直哉准教授、海洋研究開発機構の荒川創太研究員らの研究グループは、宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から採取したサンプル中から、約45億6,730万年前に形成した太陽系最古の岩石を発見しました。これまでの「はやぶさ2」の初期分析により、現在の「リュウグウ」の主要構成物質は低温(約40℃)の水溶液との反応で生成した鉱物であり、約45億6,200万年前に形成されたことが分かっていました。しかし、こうした鉱物はあくまで水溶液との反応に...
キーワード:海洋/水溶液/リュウグウ/同位体/小惑星/星形成/太陽/太陽系/年代測定/惑星/惑星形成/惑星探査/隕石/質量分析/アルミニウム/はやぶさ2/質量分析計/電子顕微鏡/カルシウム
他の関係分野:環境学数物系科学総合理工医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月16日
109
イネ捻れ葉変異体の葉が捻れる仕組みを解明
~左右非対称性が葉を "不規則にねじる" 力を生み出す~(農学研究院准教授 小出陽平)
北海道大学大学院農学院博士後期課程の曵地 究氏、岡田脩平氏と同大学大学院農学研究院の小出陽平准教授らの研究グループは、マイクロCTスキャンによる3次元構造を定量化し、イネ(Oryza sativa L.)の捻れ葉変異体において、葉に不規則なパターンの捻れが形成されるメカニズムを明らかにしました。植物は、根や葉をはじめとする複数の器官からなり、それらの器官は無数の細胞からできています。これら無数の細胞の伸長・分裂を制御することによって、器官の形が決定されることが知られています。細胞は常に同じ速度で成長するわけではなく、生育段階に応じて成長の速度や方向が細かく制御されてい...
キーワード:3Dモデル/対称性/非対称性/器官形成/マイクロCT/3次元構造/シミュレーション/マイクロ/変異体/イネ
他の関係分野:情報学数物系科学生物学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月14日
110
易分解性で水に可溶なN-メチル化ナイロンの開発に成功
~忘れ去られたポリアミドの親水性材料への新展開~(理学研究院教授 佐田和己、助教 松岡慶太郎)
北海道大学大学院理学研究院の佐田和己教授、松岡慶太郎助教らの研究グループは、柔らかく水に溶ける親水性材料として「N-メチル化ナイロン」を開発し、従来"硬くて水に溶けない化学繊維"として知られていたナイロンの常識を覆す、新たな応用展開を実証しました。ナイロンは1935年にウォーレス・ヒューム・カロザース(Wallace Hume Carothers)によって開発された世界初の化学繊維であり、衣類や傘、釣り糸など、現代社会に欠かせない素材として広く利用されています。これまでのナイロン研究は、繊維としての高い機械的強度や難溶性を追求してきました。これらの特性は、主鎖に含まれ...
キーワード:水素結合ネットワーク/相分離/環境調和/アミド/ポリアミド/高分子/環境負荷/高分子材料/親水性/バイオマテリアル/機能材料/アミド結合/メチル化
他の関係分野:数物系科学化学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月11日
111
安定性と迅速強化を両立する自己強化ゲル材料の開発
~計算・情報・実験の融合研究によって設計指針を提案~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点准教授 江居竜、教授 龔剣萍、教授 前田理)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の江 居竜准教授、龔 剣萍教授、前田 理教授らの研究グループは、熱や光に対する高い安定性と迅速な自己強化性能を兼ね備えたゲル材料の作成に成功しました。本研究では、反応経路自動探索技術と機械学習ポテンシャル技術を組み合わせたシミュレーションによって、適切なメカノフォア分子を予測しました。さらに、それらの結果に基づき、安定性と迅速強化を両立する分子設計の指針も提案しました。2019年、龔教授のグループはダブルネットワークハイドロゲル技術によって、引っ張りで強度が増す「筋肉のような」ゲル材料を開発。引っ張りで...
キーワード:経路探索/機械学習/量子化/量子化学/量子化学計算/高分子/ハイドロゲル/シミュレーション/ポリマー/組み換え/筋肉/寿命/ラジカル/分子設計
他の関係分野:情報学数物系科学化学総合生物医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月10日
112
農業廃棄物から樹脂原料をつくる触媒反応を開発
~ゼオライト触媒を用いたバイオフェノール合成経路の探索~(触媒科学研究所教授 中島清隆)
北海道大学大学院環境科学院博士前期課程の入場啓介氏、同大学触媒科学研究所のヤン・ヨハネス・ウィズフェルド特任助教、大須賀遼太助教、菅沼学史准教授、中島清隆教授らの研究グループは、カシューナッツ殻液(Cashew nutshell liquid, CNSL)から得られるカルダノールの誘導体であるハイドロカルダノールを原料として、高効率でフェノールを合成可能な新しい触媒反応を開発しました。カシューナッツ殻は、世界で年間約400万トンが廃棄される農業廃棄物であり、そこから抽出されるCNLSにはフェノール類縁体が豊富に含まれています。したがって、CNLS由来のカルダノールやその誘導体から重...
キーワード:炭素収支/アルキル化/アルキル化反応/触媒反応/樹脂/ZSM-5/固体触媒/カーボンニュートラル/細孔構造/カーボン/廃棄物/バイオマス/フェノール/誘導体
他の関係分野:環境学化学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月10日
113
CO2と可視光でβ-アミノ酸を合成する新反応を開発
〜計算科学のサポートに基づく環境調和型合成法を実現〜(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 美多剛)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の美多 剛教授、前田 理教授らの研究グループは、量子化学計算を活用することで二酸化炭素(CO₂)を用いた新しいβ-アミノ酸の合成法を設計し、実際の化学合成によりその合成法を実証しました。さらに、静岡大学グリーン科学技術研究所の間瀬暢之教授の研究グループとの共同研究により、この反応を気液フロー合成へと発展させ、連続的かつ高効率なβ-アミノ酸合成を実現しました。β-アミノ酸は、医薬品や人工ペプチドの研究において重要な構造単位ですが、カーボンニュートラルを見据えたCO₂を直接原料とする反応の開発は、依然として...
キーワード:オープンアクセス/最適化/量子化/環境調和/量子化学/イリジウム錯体/量子化学計算/アニオン/酸化還元反応/電子移動/反応機構/イリジウム/可視光/カーボンニュートラル/持続可能/還元反応/発光ダイオード(LED)/電子状態/カーボン/ファインバブル/酸化還元/添加剤/二酸化炭素/二酸化炭素/アルケン/反応時間/β-アミノ酸/アミノ酸/ラジカル/誘導体
他の関係分野:情報学数物系科学化学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月8日
114
柔らかい物質と堅い物質を混ぜると強靭な物質ができる理由を理論的・数値的に解明
~多様な強靭材料開発への貢献に期待~(先端生命科学研究院教授 龔剣萍)
北海道大学大学院先端生命科学研究院 先端融合科学研究部門の田 富成研究員と龔 剣萍教授、富山大学学術研究部理学系数理情報学プログラムの佐藤勝彦特命教授らの研究グループは、物質が強度(堅さ)と靭性(壊れづらさ)とを同時に持つための仕組みを、線形弾性体モデルと数値計算とによって解き明かすことに成功しました。この理論によって、何故、柔らかい物質と堅い物質とを混ぜると強靭な物質ができるのか、またどのような比で混ぜると最も強靭になるのかということが明らかになりました。得られた知見によって様々な強靭な物質を作成する工程が著しく簡略化される可能性があります。強靭な人工軟骨、ゴム、セラミックス材料などの作成...
キーワード:フレームワーク/情報学/数値計算/じん性/延性破壊/弾性体/複合材/複合材料/軟骨/再生医療
他の関係分野:情報学数物系科学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月7日
115
洞窟に暮らす「目がないゴミムシ」から探る遺伝子の退化
~洞窟進出の起源が異なる2種でも、同じ遺伝子が消失している~(地球環境科学研究院教授 越川滋行)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程の丹伊田拓磨氏(研究当時。現在は京都大学大学院農学研究科特定研究員)と同大学大学院地球環境科学研究院の越川滋行教授、近畿大学生物理工学部の芦田 久教授の研究グループは、日本の洞窟に生息するチビゴミムシ2種と、それらに近縁な地表性の種を対象にゲノム情報を取得し、視覚に関わる遺伝子について比較解析を行いました。対象にした洞窟性のチビゴミムシ2種は、進化的に別々に洞窟へ進出したと考えられますが、視覚に関わる遺伝子24個のうち、両種で共通して消失していた遺伝子は9個あり、共通して保持されていた遺伝子は12個ありました。このことから、視覚に関わる遺伝子の消失と保持...
キーワード:環境変化/地球環境/モデル生物/機能性/ゲノム情報/実験モデル/ショウジョウバエ/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:複合領域総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月4日
116
認知症高齢者の睡眠覚醒パターンと概日リズムの特徴を解析
~認知症高齢者の睡眠改善を目的とした生活リズム・環境整備にむけたデータを提供~(教育学研究院准教授 山仲勇二郎)
北海道大学大学院教育学研究院の山仲勇二郎准教授、同⼤学⼤学院教育学院博⼠後期課程(研究当時)の久保⽥直⼦⽒、株式会社フロンティアの増川直樹氏らの研究グループは、グループホームに入居する認知症高齢者の睡眠及び概日リズムの実態を明らかにすることを目的として、マット式の行動計を用いた在床中の活動量と睡眠パラメータの解析を行い、睡眠パターンと要介護度・日常生活自立度との関係、並びに概日リズムの安定性を評価しました。国内五つのグループホームに入居する認知症高齢者70名を対象に、ベッド内に設置されたマット式行動計によって2週間にわたり取得された体動データを用いて、睡眠パターン及び睡眠の質を分析...
キーワード:生活リズム/光環境/グループホーム/評価手法/日常生活/要介護/概日リズム/高齢者/睡眠/認知症/認知症高齢者
他の関係分野:複合領域生物学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月3日
117
短波長光カットグラスが睡眠ホルモンに与える影響を医学的に確認
~夜間のブルーライトにより生じる健康問題の予防に期待~(教育学研究院准教授 山仲勇二郎)
北海道大学大学院教育学研究院の山仲勇二郎准教授と東海光学ホールディングス株式会社の加藤 祐史氏らの研究グループは、国内では検証が十分実施されていなかった市販のブルーライトカットグラスが睡眠ホルモンに与える影響を医学的に確認しました。睡眠ホルモンは、メラトニンと呼ばれ、夜間就寝する2~3時間前から分泌され自然な入眠を促す働きをもつホルモンです。メラトニンは、明るい光の中でも特に短波長光を多く含む光を浴びると分泌が抑制されることが知られています。研究グループは、今回の研究で、健康成人男女7名を対象に、室内の光の明るさを調整可能な実験室内で、500nm以下の短波長光を遮断可能な市販のブル...
キーワード:生物時計/光環境/光照射/発光ダイオード(LED)/ホルモン/メラトニン/睡眠/睡眠障害/唾液
他の関係分野:生物学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月2日
118
国立公園を支える利用者負担の実態を解明
~自然環境保全や施設の維持管理に利用者の受益者負担を求める事例が急増~(農学研究院教授 愛甲哲也)
北海道大学大学院農学研究院の愛甲哲也教授らの研究グループは、環境省と共同で2023年に全国35の国立公園における利用者負担の実態について調査を行いました。国立公園では、自然環境の保全や施設の維持管理のための予算の不足などにより、利用者に費用負担を求める事例が増えてきています。入園料や入山料の導入は、審議会等でも度々議論の対象となってきたものの、自然公園制度上に位置づけられるには至っていません。2023年度の調査では全国の国立公園で127件の入域料、自治体・民間の資金調達、保護と利用の好循環の取り組みが確認されており、年々増加傾向にあります。国内外の費用負担に関する議論を踏まえて、国...
キーワード:資金調達/環境保全
他の関係分野:農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月1日
119
2024年能登半島地震の地震波放射の様子を可視化
~複雑な断層分布と地震波の周波数との関連性を示唆~(理学研究院教授 吉澤和範、日本学術振興会特別研究員(PD)垂水洸太郎)
北海道大学大学院理学研究院の吉澤和範教授と垂水洸太郎 日本学術振興会特別研究員の研究グループは、世界各地に展開されたグローバル地震観測網(Global Seismographic Network; GSN)で記録された地震波データをもとに、2024年1月1日(日本時間16:10頃)に発生した能登半島地震における断層破壊に伴う地震波の放射過程を調べました。解析には、「バックプロジェクション法」と呼ばれる手法を用い、複数の周波数帯域において、地震波(P波)が放射された場所を時間毎に可視化しました。その結果、能登半島北東端付近の震源での地震発生から、約44秒間で4段階のプロセスを経て、能...
キーワード:高周波/地震波/熊本地震/東北地方太平洋沖地震/周波数/大地震/地震観測/東北地方/層構造
他の関係分野:数物系科学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月27日
120
イカ類は1億年前に既に誕生し爆発的に多様化していた
~古生物学を根本から変革するデジタル化石マイニング技術~(理学研究院准教授伊庭靖弘)
北海道大学大学院理学研究院の池上 森学術研究員、伊庭靖弘准教授、高輝度光科学研究センターの竹田裕介研究員、ルール大学のヨーク・ムッターローゼ教授は、岩石中の全ての化石を完全な形で取り出す手法を開発し、約1億~7,000万年前(白亜紀後期)のイカ類化石を大量に発見・分類することで、その個体数や多様性の変動を解明しました。イカ類は、無脊椎動物中で最も高い身体能力と爬虫類に匹敵する巨大脳をもつ、特異な進化を遂げた生物です。これにより現在のイカ類は海洋全域で繁栄し、生態系や漁業を支える中核となっています。しかし、骨や殻を持たない彼らはほとんど化石として保存されないため、いつ誕生しどのように...
キーワード:情報量/海洋/古生物学/白亜紀/爬虫類/脊椎動物/デジタル化/大脳/生態系/無脊椎動物/海洋生態/海洋生態系/漁業/脊椎
他の関係分野:情報学環境学数物系科学生物学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月24日
121
海藻に咲くアサガオクラゲに寄生する生物の多様性
~付着性クラゲの一種「アサガオクラゲ」から新たに2種の吸虫類の幼虫を報告~(理学研究院講師 角井敬知)
北海道大学水産学部の筒井幸多氏、同大学大学院理学研究院の角井敬知講師の研究グループは、海藻に付着して生きるクラゲの一種であるアサガオクラゲから、2種の吸虫類の幼虫を発見しました。アサガオクラゲは、世界から約50種が知られる十文字クラゲ綱の一員です。十文字クラゲ類はクラゲと聞いて想像するような浮遊生活者ではなく、岩や海藻などにくっついて暮らす全く泳がないクラゲ類です。日本では特に北日本の沿岸域でよく見つかる生き物ですが、何を食べるのか、何に食べられるのかといった基礎的な生態にも謎の多い、研究のあまり進んでいない動物群です。今回、北海道余市町の海藻上から採集したアサガオクラゲ...
キーワード:沿岸域/水産学/遺伝子
他の関係分野:農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月20日
122
海洋の窒素循環を解明する新たな研究
~アナモックスの酸素同位体分別測定に初めて成功~(工学研究院 教授 岡部聡)
北海道大学大学院工学研究院の岡部 聡教授、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の小林香苗特任研究員らの研究グループは、嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)反応における酸素同位体分別(18ε)を求めることに世界で初めて成功しました。海洋の窒素循環は、地球環境の維持に不可なサイクルであり、その仕組みを正確に理解することにより、気候変動対策や生態系の保全に大きく寄与することができます。しかし、その中で重要な役割を果たす嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)による窒素除去のプロセスについては、まだ未解明な点が多く残されています。特に、アナモックスの酸素同位体...
キーワード:窒素循環/海洋/気候変動/酸素同位体/酸素同位体比/地球化学/同位体/同位体分別/同位体比/アンモニア/分子状酸素/地球環境/機構総合/同位体効果/生態系/細菌
他の関係分野:環境学数物系科学化学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月20日
123
ナノカプセルでミトコンドリアのゲノム編集に成功
~ミトコンドリア遺伝子疾患治療に向けた新規技術の開発~(薬学研究院 教授 山田勇磨)
北海道大学大学院薬学研究院の山田勇磨教授、同大学院薬学研究院修士課程の野呂田楓氏(研究当時)、リューベック大学(ドイツ)の廣瀬みさ主任研究者らの共同研究グループは、ミトコンドリア標的型ナノカプセル(MITO-Porter)を用いてCRISPR/Cas9ゲノム編集装置(RNP)を哺乳類細胞のミトコンドリア内に直接送達し、特定の遺伝子変異を標的としたミトコンドリアDNA(mtDNA)のゲノム編集に成功しました。ミトコンドリアDNAの変異は、様々な難治性疾患の原因となることが知られていますが、その二重膜構造がゲノム編集装置の導入を困難にしてきました。本研究では、独自開発したMITO-Po...
キーワード:ミトコンドリアDNA/ナノ粒子/マイクロ/マイクロ流体/膜構造/ナノカプセル/細胞モデル/哺乳類/ゲノム編集技術/CRISPR/mtDNA/臨床応用/ゲノム編集/Hela細胞/マイクロ流体デバイス/ミトコンドリア/ゲノム/遺伝子/遺伝子変異/脂質
他の関係分野:生物学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月19日
124
エクソソーム模倣ナノ粒子の作製に成功
~エクソソーム創薬や診断技術の確立に期待~(工学研究院 准教授 真栄城正寿)
北海道大学大学院工学研究院の真栄城正寿准教授、渡慶次学教授らの研究グループは、独自に開発したマイクロ流体デバイスを用いることで、細胞間の情報伝達を担っている細胞外小胞であるエクソソームを模倣した脂質ナノ粒子の作製に成功しました。エクソソームは、内部に核酸(miRNAやmRNAなど)やタンパク質を搭載しており、がんの新たなバイオマーカーや薬物送達システム(DDS:Drug Delivery System)としての応用が期待されています。しかし、細胞から分泌される天然のエクソソームは、粒径やエクソソーム表面に存在しているタンパク質の種類や量が不均一であり、エクソソームの機能解明やDDSへの応用の...
キーワード:準粒子/ナノ粒子/マイクロ/マイクロ流体/薬物送達システム/CD8/細胞外小胞/CD9/mRNA/DDS/RNA/siRNA/インテグリン/マイクロ流体デバイス/マウス/遺伝子治療/医薬品開発/創薬/培養細胞/miRNA/エクソソーム/バイオマーカー/遺伝子/脂質/動物実験
他の関係分野:数物系科学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月18日
125
最も硬い物質「ダイヤモンド」が極低温で軟らかくなる
~鍵を握るのは電子!〜(理学研究院 教授 柳澤達也)
北海道大学大学院理学研究院の柳澤達也教授を中心とし、ドレスデン強磁場研究所・ドレスデン工科大学(ドイツ)、京都大学、新潟大学が協働した国際研究グループは、人工ダイヤモンドが極低温で軟らかくなる新現象を発見しました。この結果は、ダイヤモンド内に未知の量子状態が存在することを示唆しており、量子センサや量子計算といった次世代技術への応用が期待されます。ダイヤモンドはその美しさだけでなく、硬度や熱伝導率の高さなどの物理的性質から多方面で応用されています。中でも欠陥や不純物の少ない人工ダイヤモンドは、宝飾用用途や機械分野への応用だけでなく、量子情報分野のデバイス基板として期待されており、特に...
キーワード:オープンアクセス/量子計算/強磁場/精密測定/対称性/量子コンピュータ/量子情報/量子情報処理/中性子/電子スピン共鳴/磁場/弾性率/電子線/弾性定数/単結晶/スピン/センシング/格子欠陥/極低温/超音波/熱伝導/熱伝導率/ホウ素/結晶構造
他の関係分野:情報学数物系科学化学総合理工農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月16日
126
オホーツク海南部氷縁域の氷盤分布観測にはじめて成功
~季節海氷域の融解過程の理解と変動予測への貢献に期待~(低温科学研究所 助教 豊田威信)
北海道大学低温科学研究所の豊田威信助教、西岡 純教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科の早稲田卓爾教授、国立極地研究所の伊藤優人研究員らの研究グループは、オホーツク海南部海氷域氷縁域の氷盤分布の特徴を明らかにして氷縁域における融解過程の仕組みを解明しました。現在、オホーツク海を含む世界の海氷域は減少傾向にあります。気候変動予測を行うためには、気候モデルの中で海氷融解を正しく再現する必要があるのですが、海氷の融解過程は未だに十分理解されておらず、最新の気候モデルでも融解期の海氷域の再現性は低い状況にありました。オホーツク海のような季節海氷域の後退を制御するのは氷縁域の融解...
キーワード:海氷/極地/自己相似/自己相似性/オホーツク海/気候モデル/気候変動/熱力学/モデル化/数値モデル/ドローン
他の関係分野:環境学数物系科学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月12日
127
左室補助人工心臓装着重症心不全患者における新たな治療標的が明らかに
~早期の治療介入により予後や生活の質が改善される可能性に期待~(医学研究院 准教授 永井利幸)
北海道大学病院循環器内科の竹中 秀助教、同大学大学院医学研究院循環器内科学教室の佐藤琢真客員研究員、永井利幸准教授、安斉俊久教授らの研究グループは、左室補助人工心臓(LVAD: left ventricular assist device)装着後の重症心不全患者の詳細な血行動態評価を運動負荷右心カテーテル検査により行い、LVAD装着後患者の大動脈弁開放において、従来考えられていた内因性の左室機能よりも右室予備能がより重要であり、治療標的となる可能性があることを明らかにしました。心不全に対しては、標準薬物治療や心臓再同期療法などの非薬物治療が一般的に行われますが、最大限の内科治療で心...
キーワード:ロジスティック回帰/回帰分析/運動負荷/カテーテル/超音波/合併症/治療標的/心臓移植/人工心臓/補助人工心臓/心臓/大動脈/重症心不全/生活の質/超音波検査
他の関係分野:情報学複合領域医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月12日
128
大型ティラノサウルス類の起源と進化の解明
~ティラノサウルスの進化の鍵は"成長スピードの違い"~(総合博物館 教授 小林快次)
北海道大学総合博物館の小林快次教授、カルガリー大学のダーラ・ザレトニツキー教授らの国際共同研究グループは、モンゴルの白亜紀後期の地層(約9,000万年前)から発見された新種のティラノサウルス類カンクウルウ・モンゴリエンシス(Khankhuuluu mongoliensis)を報告し、この発見をもとに、北米とアジアにおける大型ティラノサウルス類であるエウティラノサウルス類(ティラノサウルス・レックスTyrannosaurus rexやタルボサウルス・バタールTarbosaurus bataarなどの恐竜)の起源と進化に関する新たな仮説を提案しました。本...
キーワード:白亜紀/シナリオ/系統解析
他の関係分野:数物系科学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月10日
129
世界初 1,800万年前の海草化石を発見
~ブルーカーボン生態系の成立史解明への第一歩~(理学研究院教授 山田敏弘)
北海道大学大学院理学研究院の山田敏弘教授は、愛知県南知多町に分布する中新世(約1,800万年前)の地層から、中新世の化石としては世界初となる海草(海に生育する単子葉類)の新種モロザキムカシザングサとアイチイソハグキを報告しました。現在の浅海で海草は、動物のえさや棲家となったり、二酸化炭素を固定したりと、いわゆるブルーカーボン生態系の基礎を支えています。これまでの研究で、海草が約8,100万年前に出現したことが分かっています。しかし、植物体が柔らかい海草は分解されやすく、その化石は世界でも数例が報告されているに過ぎません。そのため、海草を中心とする現在のブルーカーボン生態系がどのよう...
キーワード:植物相/中新世/カーボン/二酸化炭素/生態系
他の関係分野:生物学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月9日
130
なぜ窒素ドープカーボン触媒は酸性条件で活性を失うのか?
~酸素還元反応の劣化メカニズムを活性点レベルで解明~(触媒科学研究所 准教授 武安光太郎)
北海道大学触媒科学研究所の武安光太郎准教授、九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(WPI-I²CNER)の中村潤児特任教授、筑波大学大学院理工情報生命学術院数理物質科学研究群博士後期課程の林田健志氏らの研究グループは、燃料電池用の酸素還元反応触媒として注目されている窒素ドープカーボン触媒が、酸性条件下で著しく活性が低下する原因を、活性点レベルで明らかにしました。近年、白金に代わる低コストかつ高耐久な電極触媒として、金属を含まない窒素ドープカーボン触媒への関心が高まっています。しかし、酸性条件下ではその触媒活性が大きく低下するという課題があり、そのメカニズムは解明されて...
キーワード:光電子分光/物質科学/光電子分光法/ピリジン/電極触媒/電子分光/酸素還元反応/酸素分子/XPS/カーボンニュートラル/還元反応/電池/燃料電池/カーボン/プロトン
他の関係分野:数物系科学化学総合理工医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月5日
131
光の「回転」が物質を動かす仕組みを解明
~光のスピンと軌道の「回転力」を分けて測れる新理論を構築~(電子科学研究所 教授 田中嘉人)
北海道大学電子科学研究所の橋谷田俊助教、田中嘉人教授の研究グループは、光が物質に与える「回転の力(光トルク)」の源である「角運動量」を、「スピン(偏光による自転的な回転)」と「軌道(波面のねじれによる公転的な回転)」の二つに分け、それぞれの損失量を個別に測定・解析できる新たな理論を提案しました。光には、まっすぐ進むだけでなく、回転という重要な性質があり、これが物質に働きかけることで回転の力(光トルク)が生まれます。その源は角運動量という物理量です。角運動量は、空間全体で保存される(失われることのない)量であり、たとえ光が物質と相互作用して角運動量を失ったとしても、その分は物質に移り...
キーワード:軌道角運動量/保存則/磁場/キラル/光応答/定量評価/ナノ構造体/スピン/トルク/ナノ構造
他の関係分野:数物系科学化学生物学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年5月26日
132
実データで見る統合失調症者の運転スタイル
~偏見なき運転評価と支援の実現に向けて~(保健科学研究院 助教 岡田宏基)
北海道大学大学院保健科学研究院の岡田宏基助教らの研究グループは、統合失調症を有する人々(以下、統合失調症者)の実際の運転行動をドライブレコーダーで記録・解析し、比較対象群(診断歴のない群)の運転者と比較した結果、統合失調症者には「スピードを控え、注意散漫な運転が少ない」といった安全志向の運転傾向があることを明らかにしました。本研究は、統合失調症者の実生活における運転行動を実データで検証した、世界初の研究の一つです。本研究では、統合失調症者群と比較対象群の各20名を対象に、計500km分の運転データを収集しました。速度、交通違反、急ブレーキなどの危険運転行動を解析した結果、統合失調症...
キーワード:運転支援/運動制御/支援システム/統合失調症/認知機能障害/有効視野/リハビリ/抗精神病薬/副作用/スマートフォン/リハビリテーション/認知機能
他の関係分野:情報学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年5月21日
133
マグネシウム電池の劣化挙動を解明(理学研究院准教授小林弘明)
北海道大学大学院理学研究院の朱 瑞傑博士研究員、小林弘明准教授らの研究グループは、次世代蓄電池の一つ「マグネシウム電池」の課題解明に成功しました。現在主流のリチウムイオン電池に代わる次世代の蓄電池として、資源的制約のないマグネシウム電池の研究開発が進められています。実用化にはマグネシウム電池の高エネルギー化が必須であり、近年開発された弱配位性アニオンを有するマグネシウム塩を用いたエーテル系電解液が注目されています。この電解液を用いることで、マグネシウム金属負極側の反応が効率よく進行しますが、一方で酸化物正極側の反応に対しては可逆性が悪く、低可逆性を示す原因の解明及びこの電解液に適用...
キーワード:高エネルギー/アニオン/正極材料/リチウムイオン電池/高電圧/蓄電池/電解液/電池/マグネシウム/リチウム/酸化物
他の関係分野:数物系科学化学総合理工
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年5月21日
134
薬剤を2,000倍濃縮して閉じ込める!
~新しい薬剤キャリア(無機ナノ粒子カプセル化技術)を開発~(電子科学研究所准教授三友秀之)
北海道大学電子科学研究所の三友秀之准教授(研究当時:東北大学多元物質科学研究所兼務)、居城邦治教授、谷地赳拓博士研究員(現在:東北大学多元物質科学研究所 助教)、理化学研究所放射光科学研究センターの米倉功治グループディレクター(東北大学多元物質科学研究所 教授兼務)らの研究グループは、無機ナノ粒子を構成要素としたナノサイズの中空カプセル構造体を作製する新たな技術を開発しました。本研究で開発された中空カプセル(直径100 nm)は、薬剤を内包し、標的とする疾患部位へ適切に薬剤を送達するドラッグデリバリーキャリアとしての応用が期待されます。これまで、リポソームや高分子材料を用いた有機系...
キーワード:水溶液/物質科学/閉じ込め/相分離/放射光/磁場/金ナノ粒子/高分子/微小液滴/キャリア/赤外光/酸化鉄/ナノサイズ/ナノ粒子/高分子材料/ナノカプセル/機能性/クエン酸/副作用
他の関係分野:数物系科学化学総合理工総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年5月20日
135
産業革命から現在までの大気硝酸量の変遷を北極アイスコアから復元
~人為窒素酸化物の排出量と大気中の硝酸の存在形態が北極の大気硝酸量を制御することを解明~(低温科学研究所 准教授 飯塚芳徳)
北海道大学低温科学研究所の飯塚芳徳准教授、的場澄人助教、金沢大学の石野咲子助教、中国南京大学の服部祥平准教授、名古屋大学大学院環境学研究科の藤田耕史教授らの研究グループは、グリーンランドのアイスコアに記録された産業革命から現在までの大気硝酸濃度と、人為窒素酸化物(NOx)の排出量の変化との間にタイムラグがあり、そのタイムラグが大気酸性度に依存した大気硝酸の長距離輸送のされやすさの変化に起因することを解明しました。北極のアイスコアは大気質や気候に影響を及ぼす大気硝酸量を過去から現在まで連続して記録しています。これまで分析されたグリーンランド中央部のアイスコアでは...
キーワード:アイスコア/気候変動/大気化学/NOx/経年変化/酸化物/窒素酸化物/光分解
他の関係分野:環境学数物系科学総合生物
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年5月16日
136
アゴハゼ稚魚は他個体の行動から摂餌課題を学ぶ
~世界で2例目の単居性魚類稚魚における社会情報利用~(水産科学研究院助教石原千晶)
北海道大学大学院水産科学院修士課程2年の中山大佑氏(研究当時)、同大学大学院水産科学研究院の石原千晶助教、和田 哲教授らの研究グループは、日本の潮間帯に多く見られるアゴハゼの稚魚が、生まれて初めて出会った「人工のフレーク餌」と「水面という餌場」について、自らの経験だけでなく、経験済みの個体を観察することによって、素早く学習することを明らかにしました。動物は、自らの試行錯誤によって得られる独自情報と、他の個体を観察することで得られる社会情報を利用できます。生まれてからの時間が短い若齢個体は、成体と比べて自らの経験に乏しいため、社会情報を利用することのメリットが特に高いと期待されますが...
キーワード:行動生態学/硬骨魚類/グッピー/底生生物/水産学/生態学
他の関係分野:複合領域生物学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年5月13日
137
コケ植物が環境に応じて隣同士の細胞間コミュニケーションを制御する新たな仕組みを発見
~環境悪化にともない、ストレスホルモン、アブシジン酸が細胞壁にあく多数の小さな孔の形成を抑制~(理学研究院 教授 藤田知道)
北海道大学大学院理学研究院の神野智世博士研究員、楢本悟史准教授、藤田知道教授らの研究グループは、東京農業大学生命科学部の坂田洋一教授、埼玉大学大学院理工学研究科の竹澤大輔教授らとの共同研究により、コケ植物が環境に応じて細胞間コミュニケーションを調節する新たな仕組みを発見しました。植物は「原形質連絡(Plasmodesmata, PD)」と呼ばれる細胞壁にある多数の微細な孔を通じて、細胞間で情報分子や栄養素をやり取りしています。このPDは直径わずか数十ナノメートルと極めて小さく、この構造を通じてRNAや代謝産物、イオンなどが通過することで細胞同士が協調し、個体全体としての成長や環境応...
キーワード:コケ植物/環境適応/ナノメートル/原形質連絡/酸化酵素/リン酸/植物ホルモン/環境ストレス/環境応答/細胞壁/細胞間コミュニケーション/ホルモン/代謝産物/脱リン酸化/RNA/リン酸化酵素/受容体/転写因子/コミュニケーション/ストレス
他の関係分野:生物学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年5月9日
138
レドックス刺激により多様な分子骨格の構築を実現
~機能性分子を構築する新規アプローチとして科学技術分野での応用性にも期待~(理学研究院准教授石垣侑祐)
北海道大学大学院理学研究院の石垣侑祐准教授及び同大学大学院総合化学院博士後期課程(研究当時)の張本 尚氏(現在:分子科学研究所助教)らの研究グループは、レドックス反応を巧みに利用することで、従来のアプローチでは到達困難であった分子骨格を含む、複数の分子構造を作り分ける戦略を考案し、その有効性を実証しました。複数の芳香環を含むπ電子系化合物は、特異な物性を示すことから機能材料分野において盛んに研究がなされてきました。分子骨格を適切にデザインすることで、その分子骨格に特有の物性(例えば、鮮やかな色調や可視-近赤外領域での発光)を示すことから、π電子系化合物は様々な分野で広く利用されてい...
キーワード:近赤外/π電子/分子構造/芳香環/芳香族/機能性分子/酸化還元/構造変換/機能材料/機能性/レドックス
他の関係分野:数物系科学化学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年5月7日
139
AIによる関節X線画像の複雑な骨層分離に成功
~BLS-GAN技術により、骨の重なりを克服して関節病変の精密な評価が可能に~(量子集積エレクトロニクス研究センター教授池辺将之)
北海道大学量子集積エレクトロニクス研究センターの池辺将之教授、同大学大学院保健科学研究院の神島 保教授、同大学大学院保健科学院修士課程の王 昊霖氏、東京科学大学総合研究院の鈴木賢治教授、欧 亜非博士研究員らの研究グループは、AIによる関節X線画像の複雑な骨層分離技術の研究開発に初めて成功しました。従来のX線撮影は、骨軟部(MSK)疾患の診断や経過観察、予後評価に広く活用されてきました。しかし、関節のX線画像では骨陰影が重なって映ることが多く、画像診断医や診断支援アルゴリズムによる正確な骨の評価を妨げる要因となっていました。こうした課題を解決するため、新たに「骨層分離(Bone La...
キーワード:アルゴリズム/フレームワーク/人工知能(AI)/モニタリング/自動化/画像再構成/関節/画像診断/リウマチ/関節リウマチ
他の関係分野:情報学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年5月1日
140
腎疾患における好中球の関与を詳細解説
~好中球細胞外トラップを中心に~(保健科学研究院教授 石津明洋)
北海道大学大学院保健科学研究院の石津明洋教授、益田紗季子講師、西端友香講師、同大学大学院医学研究院の中沢大悟講師、楠(渡辺)加奈子助教、北海道大学病院の外丸詩野准教授らの研究グループは、腎疾患における好中球と好中球細胞外トラップの役割についての総説を発表しました。好中球は末梢血白血球中の最多の免疫担当細胞で、従来は均質な細胞集団とみなされていましたが、近年、異なる遺伝子発現プロファイルと免疫特性を持つ多様な細胞群であることが分かってきました。感染などの刺激により活性化された好中球は、刺激の種類とそれを受け取るサブセットの違いに応じて、サイトカイン、ケモカイン、タンパク分解酵素、活性...
キーワード:プロファイル/病原微生物/トラップ/生体内/微生物/血栓/腎臓病/全身性エリテマトーデス/遺伝子発現プロファイル/急性腎障害/血管障害/細胞毒性/糸球体/生体防御/白血球/自己抗原/ケモカイン/活性酸素/好中球/抗原/自然免疫/腎障害/腎臓/生理活性/生理活性物質/サイトカイン/遺伝子/遺伝子発現/慢性腎臓病
他の関係分野:情報学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年4月24日
141
カルシウムストアには"区画"があった
~記憶や学習を支える空間的カルシウム制御の仕組みに迫る~(医学研究院 准教授 山崎美和子)
北海道大学大学院医学院修士課程2年の野村左京氏(研究当時)と同大学院医学研究院の山崎美和子准教授らの研究グループは、小脳プルキンエ細胞において、カルシウム制御に関わる分子が、特定の領域の小胞体に集中して分布することを明らかにしました。これまで、小胞体のカルシウムセンサーであるSTIM1の発現様式は明らかにされていませんでしたが、本研究では、特異的抗体の使用と固定条件の最適化により、STIM1が樹状突起幹の皮質下小胞体に偏在することを明らかにしました。さらに、STIM1の分布はIP3受容体(IP3R)とはよく一致する一方で、リアノジン受容体...
キーワード:最適化/センサー/シナプス/小脳/小脳プルキンエ細胞/IP3受容体/免疫染色/カルシウムイメージング/可塑性/カルシウム/シナプス可塑性/マウス/受容体/樹状突起/小胞体/神経細胞/抗体/神経疾患
他の関係分野:情報学総合生物医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年4月18日
142
軽いカレイはよく泳ぐ
~異体類の体比重と生態の関連を指摘~(水産科学研究院准教授山村織生)
北海道大学大学院水産科学研究院の山村織生准教授、同大学院水産科学院博士後期課程3年(研究当時)の西尾燦吾氏らの研究グループは、北海道周辺に分布する異体類16魚種の体比重を計測して比較しました。16魚種をその摂餌習性から、主に魚類やイカ類などを捕食する遊泳生物食者(2魚種)、ゴカイ類、二枚貝や小型甲殻類を捕食する底生生物食者(9魚種)と、両者の中間的な位置づけにある混合食者(5魚種)に分類し体比重を比較したところ、遊泳生物食者の体比重が圧倒的に低く、混合食者がそれに次ぎ、底生生物食者が最も高い体比重を示しました。中でも遊泳生物食者のカラスガレイは最も低い体比重(平均値1.0...
キーワード:カラス/底生生物/甲殻類/水産学/二枚貝/脂質
他の関係分野:農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年4月17日
143
脾臓の免疫細胞を標的とした脂質ナノ粒子の開発に成功
~安全で有効なmRNAワクチンへの貢献に期待~(薬学研究院 教授 原島秀吉 准教授 佐藤悠介)
北海道大学大学院薬学研究院の佐藤悠介准教授、原島秀吉教授、同大学大学院生命科学院博士課程の鈴木裕一氏らの研究グループは、脾臓の免疫細胞を標的とした脂質ナノ粒子(Lipid Nanoparticle: LNP)を開発し、安全で有効なmRNAワクチン製剤として実証しました。LNPはmRNAをはじめとした核酸分子の送達技術として汎用され、近年では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン製剤として臨床応用が進められています。しかしながら、製剤の安全性とワクチン効果の有効性を両立したワクチン製剤を実現するために、"mRNAをどこに送達すべきか"という問いは未だ明らかになっ...
キーワード:ナノ粒子/ウイルス感染症/臨床応用/mRNA/新型コロナウイルス/B細胞/リン脂質/抗原/受容体/免疫細胞/脾臓/ウイルス/ワクチン/感染症/脂質/新型コロナウイルス感染症/新型コロナウイルス感染症
他の関係分野:医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年4月16日
144
細菌の進化と遺伝子変異を短期間で可視化する技術を開発
~細菌感染症・薬剤耐性の克服に有用なツールとして期待~(獣医学研究院准教授佐藤豊孝)
札幌医科大学大学院医学研究科博士課程の上村幸二郎氏、同大学医学部の山本 聡講師、小笠原徳子准教授、髙橋 聡教授、千葉弘文教授、横田伸一教授、東邦大学医学部の青木弘太郎助教、大阪公立大学大学院生活科学研究科の和田崇之教授、北海道大学大学院獣医学研究院/同One Healthリサーチセンターの佐藤豊孝准教授らの研究グループは、細菌を短期間(20日以内)で急速に適応進化させ、進化の過程で出現した数多くの遺伝子変異の中から、病原性や薬剤耐性に関与する遺伝子変異を網羅的に抽出・推定する手法「RIBEA(Rapid andIntegratedBacterial...
キーワード:適応進化/リスク評価/血流/獣医学/病原性/細菌感染/遺伝子/遺伝子変異/感染症/細菌/薬剤耐性
他の関係分野:生物学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年4月15日
145
力学系の内部構造を解析する深層学習を開発
~物理現象や複雑システムの理解や解析に期待~(情報科学研究院教授松原崇)
北海道大学大学院情報科学研究院の松原 崇教授、早稲田大学理工学術院の吉村浩明教授、神戸大学大学院理学研究科の谷口隆晴教授、大阪大学大学院基礎工学研究科修士課程のコスロービアン・ラグミックアルマン氏らの研究グループは、機械系や電気系など様々な物理ドメインのシステムが結合した力学系を、高精度かつ統一的に表現できる新たな深層学習手法「ポアソン=ディラック ニューラルネットワーク(PoDiNNs)」を開発しました。従来の深層学習モデルは、解析力学の知見を用いることで、高精度に挙動をモデル化し、未来の変化を予測することに成功していました。しかし、主に(質点ばねで表現できるような)機械系の運動に特化して...
キーワード:電力制御/ニューラルネットワーク/最適化/深層学習/内部構造/力学系/力制御/ニューラルネット/マルチフィジックス/モデル化/ロボット/ロボット工学/冗長性/振動解析
他の関係分野:情報学数物系科学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年4月12日
146
選ばれた神経だけが強くなる――脳の勝者総取り戦略
~シナプスの構造的な強化を3次元で可視化~(医学研究院准教授山崎美和子)
北海道⼤学⼤学院医学院博⼠課程4年の新田麻子氏(研究当時)、同大学院医学研究院の山崎美和子准教授らの研究グループは、脳が発達過程で重要な神経接続を選び取り、不要なものを除去する「神経回路の精緻化」に着目し、小脳プルキンエ細胞―登上線維シナプスの構造的強化を明らかにしました。出生直後のマウスでは、複数の登上線維が一つのプルキンエ細胞に接続していますが、生後7日頃から「勝者」となる1本が選ばれ、他の登上線維を退けて樹状突起へと移行し始めます。本研究では、連続電子顕微鏡法を用いて「勝者」登上線維シナプスの微細構造を3次元的に可視化し、免疫組織化学により、分子の分布を解析しました...
キーワード:電子顕微鏡/電子顕微鏡法/微細構造/グルタミン酸受容体/シナプス/小脳/小脳プルキンエ細胞/登上線維/組織化学/組織化/神経伝達物質/解剖学/グルタミン酸/マウス/受容体/樹状突起/神経回路/免疫組織化学
他の関係分野:総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年4月10日
147
西部北太平洋の植物プランクトン群集組成を制御する栄養物質供給機構の解明
~北太平洋中層水から供給される鉄とケイ素の重要性~(低温科学研究所教授西岡純)
北海道大学低温科学研究所附属環オホーツク観測研究センターの西岡 純教授、同大学大学院地球環境科学研究院の鈴木光次教授、東京大学大気海洋研究所の小川浩史教授、安田一郎教授(研究当時)らの研究グループは、北太平洋の中層水から供給される鉄(Fe)やケイ素(Si)、窒素(N)などの栄養物質量とその化学量論比が、表層の植物プランクトン群集組成を制御することを明らかにしました。これまで、オホーツク海やベーリング海などの北方圏縁辺海から北太平洋に繋がる中層の循環によって植物プランクトンの増殖に欠かせないFeやSiやNなどの栄養物質が移送され、北太平洋の生物生産を高めていることが分かっていました。...
キーワード:産学連携/フラックス/海洋炭素循環/珪藻/海洋/炭素循環/オホーツク海/気候変動/北太平洋/乱流混合/ケイ素/地球環境/栄養塩/化学工学/ベーリング海/生態系/プランクトン/海洋生態/海洋生態系/植物プランクトン/親潮/生物生産
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学化学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年4月9日
148
3Dプリンターを活用した安価な材料合成ロボットの開発
~材料合成プロセスの自動化~(理学研究院教授髙橋啓介、助教髙橋ローレン)
北海道大学大学院理学研究院・総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の髙橋啓介教授、髙橋ローレン助教、クワハラ・ミカエル学術研究員、前田 理教授らの研究グループは、3Dプリンターを活用して完全自作可能な材料合成ロボット「FLUID」を開発しました。これまで、研究グループは触媒インフォマティクスを活用し、人工知能による材料開発を実現してきました。しかし、触媒の合成や評価は依然として人が担っており、化学実験の完全自動化には至っていませんでした。一方、海外では化学合成ロボットの販売が始まっていますが、高額かつ汎用性の低さが導入の大きな障壁となっていました。そ...
キーワード:インターフェース/AI/情報学/人工知能(AI)/産学連携/無機材料/3Dプリンター/コバルト/モーター/ロボット/ロボット制御/酸化物/自動化/流体制御/インフォマティクス/カエル
他の関係分野:情報学複合領域総合生物農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年4月1日
149
発酵的水素生成能の高いマリン・ビブリオの存在意義
~カーボンニュートラルの実現に向けたマリン・バイオリソースの活用に期待~(水産科学研究院教授澤辺智雄)
北海道大学大学院水産科学研究院の美野さやか助教、澤辺智雄教授、インド国立科学技術研究所のラメッシュクマー博士、ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学のトンプソン教授らの研究グループは、発酵的水素生成能の高い海洋細菌であるビブリオ・トリトニアスを見いだし、ゲノム比較、網羅的遺伝子発現解析、生理比較などを行い、この細菌が高い水素生成を維持し続けている理由を検討してきました。一連の研究は、発酵的水素生成に寄与するギ酸水素リアーゼ複合体(FHL)遺伝子群が、他の細菌には類を見ない、美しく整然と並んだ単一遺伝子クラスターを形成していることや、発酵的水素生成の過程で生じるギ酸の再取り込みが高い水素生成に寄与...
キーワード:産学連携/温室効果ガス/海洋/水素生成/温室効果/海底堆積物/堆積物/分子系統解析/分子系統/生産技術/カーボンニュートラル/カーボン/遺伝子クラスター/発酵/海洋細菌/輸送体/消化管/系統解析/バイオ燃料/微生物/遺伝子発現解析/発現解析/網羅的遺伝子発現解析/解糖系/大腸/大腸菌/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現/細菌
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学生物学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年3月28日
150
狂犬病ウイルスが標的とする、四量体pY-STAT1の構造を初めて解明
~STATファミリーに関する新知見の提供及び、狂犬病に対するワクチン開発の貢献に期待~(先端生命科学研究院教授尾瀬農之)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の尾瀬農之教授、同大学大学院生命科学院博士後期課程の杉山 葵氏(研究当時博士後期課程三年)及び南 未来氏、同大学大学院薬学研究院の喜多俊介准教授、前仲勝実教授、京都大学医生物学研究所の杉田征彦准教授、大阪大学蛋白質研究所の廣瀬未果特任研究員(常勤)らの研究グループは、転写因子STAT1の機能体である、四量体pY-STAT1のクライオ電子顕微鏡構造を世界で初めて解明し、STATが多量体で機能し、DNAを認識する分子機構を初めて提唱しました。シグナル伝達及び転写活性化因子(STAT)は、Janus kinase(JAK)- STATシグナル伝達経路にお...
キーワード:DNA結合/ホモロジー/二量体/電子顕微鏡/リン酸/病原性/クライオ電子顕微鏡/免疫系/JAK/STAT/Src/分子機構/オリゴマー/抗ウイルス薬/転写因子/ウイルス/ワクチン/遺伝子/生理学
他の関係分野:複合領域数物系科学化学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年3月28日
151
牛リンパ腫発症予測診断技術RAISINGの精度の高さを証明
~国内初の14研究機関による多施設検証試験を実施~(獣医学研究院教授今内覚)
北海道大学大学院獣医学研究院の今内 覚教授、岡川朋弘特任助教、国立感染症研究所の斎藤益満主任研究官、株式会社ファスマックの松平崇弘氏らの研究グループは、牛のリンパ腫の発症予測診断技術RAISINGを改良し、国内の14研究機関における多施設検証試験により本診断技術の精度の高さを証明しました。牛伝染性リンパ腫ウイルス(bovine leukemia virus:BLV)は日本中の農場で蔓延しており、BLVの感染を原因とする牛伝染性リンパ腫(enzootic bovine leukosis:EBL)の発生が急増しています。EBL発症牛は、と畜検査で全部廃棄となり、食肉として売却できないだ...
キーワード:品質管理/がん検診/DNAポリメラーゼ/リスク評価/性能評価/診断法/リンパ腫/獣医学/ウイルス/感染症
他の関係分野:複合領域生物学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年3月25日
152
手で粉砕するだけで相転移する超セラミックスを開発
~新規圧力・応力センサーの開発に期待~(工学研究院准教授鱒渕友治)
北海道大学大学院工学研究院の鱒渕友治准教授、樋口幹雄准教授(研究当時)、同大学大学院総合化学院修士課程の山本侑瑞樹氏、久米和樹氏、宮崎涼花氏(研究当時)、同大学大学院理学研究院の篠崎彩子助教、北陸先端科学技術大学院大学サスティナブルイノベーション研究領域の宋 鵬氏(現東北大学助教)、本郷研太准教授、前園 涼教授、同大学先端科学技術研究科博士前期課程のサイード・サリア・ハサン氏、京都大学の生方宏樹氏、陰山 洋教授らの研究グループは、カルボジイミドイオンで構成される超セラミックスについて、乳鉢と乳棒を用いた手粉砕で相転移が起きることを世界で初めて実証しました。本研究では、鱒渕准教授らが...
キーワード:産学連携/静水圧/ダイヤモンドアンビル/相転移/蛍光体/せん断/構造相転移/磁気特性/光学特性/センサー/せん断応力/力センサー/結晶構造/構造変化
他の関係分野:複合領域数物系科学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年3月21日
153
セミクラスレートハイドレートの非古典的分解過程の発見
~潜熱蓄熱材の設計に新指針~(低温科学研究所教授木村勇気)
北海道大学低温科学研究所の木村勇気教授、パナソニック株式会社の町田博宣博士、大阪大学大学院基礎工学研究科の菅原 武助教らを中心とした研究グループは、透過電子顕微鏡内で液体試料を観察できる手法を用いて、セミクラスレートハイドレートの微結晶が分解する過程をその場観察する実験に成功しました。これまで、セミクラスレートハイドレートが複数集まったクラスターを成長ユニットとした結晶化の存在は示唆されていましたが、直接的な証拠や、具体的な結晶化過程については分かっていませんでした。セミクラスレートハイドレートは、結晶化や分解などの相変化によって生じる潜熱を取り出してエネルギーとして利用できる材料...
キーワード:産学連携/相転移/潜熱/クラスレートハイドレート/単結晶/その場観察/ハイドレート/化学工学/結晶化/相変化/電子顕微鏡/透過電子顕微鏡
他の関係分野:複合領域数物系科学化学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年3月13日
154
国内で約半世紀ぶりに確認されたモウコムカシヨモギ
~珍外来種が浜厚真の海岸を埋め尽くす~(総合博物館助教首藤光太郎)
北海道大学総合博物館の首藤光太郎助教、同ボランティアの道川富美子氏、同大学院地球環境科学研究院の露崎史朗教授、北海道野生植物研究所の五十嵐博氏らの研究グループは、北海道厚真町と石狩市で、国内で約半世紀ぶりにモウコムカシヨモギの生育を確認し、生育環境から外来種と推定されること、今後の分布拡大に注意が必要であることを報告しました。モウコムカシヨモギは、国内では約50年前に一度だけ室蘭市で採集記録のある植物です。当時から外来種であることが推定されていましたが、本種の国内分布を指摘した海外の文献もあり、分布の実態が曖昧でした。2022~2023年に、露崎教授と道川氏は、厚真町と石狩市で、そ...
キーワード:ボランティア/産学連携/外来種/地球環境/生態系
他の関係分野:複合領域環境学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年3月5日
155
イジング計算による原子マッピング
~イジングマシン/量子コンピュータによる正確・高速な化学反応解析への応用に期待~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点特任助教秋山世治)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の秋山世治特任助教、長田裕也特任准教授、WPI-ICReDD及び同大学電子科学研究所の水野雄太助教、小松崎民樹教授らの研究グループは、与えられた化学反応式に対して反応物と生成物の原子の対応関係を求める原子マッピングと呼ばれる問題を、正確かつ高速に解く手法を開発しました。原子マッピング問題は化学反応のパターンを抽出することにもつながり、化学情報学における基本的問題です。しかし、原子マッピング問題を正確かつ高速に解くことは難しく、数学的に正確に解こうとすると組合せ爆発により計算量が急激に増大し、既知のデータから構築さ...
キーワード:アルゴリズム/機械学習/最適化/情報学/産学連携/計算量/量子コンピュータ/最適化手法/組合せ最適化/マッピング
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年2月27日
156
化学結合の切断を利用した新しい自己強化材料の開発
~機械化学反応による急速強化が可能に~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授龔剣萍)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)及び同大学大学院先端生命科学研究院の龔 剣萍(グン・チェンピン)教授、WPI-ICReDD及び米国デューク大学のマイケル・ルビンスタイン教授らの研究グループは、化学結合の切断を利用した迅速な自己強化材料を開発しました。従来、材料内の化学結合が切断されると強度が低下し破壊が進行することが一般的でした。自己強化材料は、この現象を逆手に取った新しいアプローチです。結合の切断で発生する「機械的ラジカル」を活用し、材料内で新しい高分子ネットワークをラジカル重合で形成させることで、使用中に自己強化を実現します。筋肉トレーニン...
キーワード:産学連携/ラジカル重合/高分子/ハイドロゲル/ポリマー/化学工学/耐久性/トレーニング/筋肉/ラジカル
他の関係分野:複合領域化学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年2月26日
157
有機リチウム試薬の簡便かつ環境に優しい合成法の開発
~溶媒使用量を劇的に削減可能な新規有機合成プロセスの構築へ~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点 准教授 久保田浩司)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)、同大学大学院工学研究院の伊藤 肇教授、久保田浩司准教授らの研究グループは、ボールミルという粉砕機を用いたメカノケミカル法を活用し、有機合成の歴史の中で最も幅広く利用されてきた反応剤の一つである有機リチウム試薬を、有機溶媒をほとんど用いない条件で合成し、有機合成に利用する手法を開発しました。一般的に有機リチウム試薬は、水や空気を厳密に除去した反応容器内において、高純度の有機溶媒を使用し、慎重に温度管理を行いながら調製され、有機合成に利用されています。有機リチウム試薬はその高い反応性のため、有機合成におい...
キーワード:産学連携/ハロゲン/環境調和/メカノケミカル/前駆体/リチウム/化学工学/環境負荷/機能性材料/物質生産/機能性/有機合成
他の関係分野:複合領域数物系科学化学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年2月14日
158
動物プランクトン群集サイズ組成の海域と深度による変化
~溶存酸素とカラヌス目カイアシ類の体サイズの大きな影響が明らかに~(水産科学研究院 准教授 山口 篤)
北海道大学大学院水産科学院修士課程2年の金 東佑氏、同大学大学院水産科学研究院の松野孝平助教、山口 篤准教授、海洋生物環境研究所の米田壮汰博士らの研究グループは、西部北太平洋の亜寒帯~亜熱帯域に位置する5定点にて、海表面から水深3,000mの深海までの動物プランクトン群集サイズ組成の、定点及び深度による変化を調査し、その要因を明らかにしました。動物プランクトン群集サイズ組成は、深海への物質輸送量を表す指標です。しかし、西部北太平洋における動物プランクトン群集サイズ組成の、水深及び地理変化に関する知見は乏しいのが現状でした。研究グループは亜寒帯~亜熱帯域の5定点にて、水深0-3,00...
キーワード:産学連携/海洋/溶存酸素/北太平洋/物質輸送/海洋生物/カイアシ類/プランクトン/動物プランクトン/SPECT
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学農学医歯薬学
北海道大学 研究シーズ