[Top page] [日刊 研究最前線 知尋] [Discovery Saga総合案内] [大学別アーカイブス] [Discovery Saga会員のご案内] [産学連携のご案内] [会社概要] [お問い合わせ]

北海道大学 研究シーズDiscovery Saga
研究分野:環境学 に関係する研究一覧:56
2次検索
情報学 情報学複合領域 複合領域数物系科学 数物系科学化学 化学生物学 生物学総合理工 総合理工工学 工学総合生物 総合生物農学 農学医歯薬学 医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年5月8日 この記事は2026年5月22日号以降に掲載されます。
1
酪農"危機"からの回復と収益性
~北海道畑地型酪農地帯の実態分析から未来の酪農のあり方を展望する~(農学研究院准教授 小林国之)
この記事は2026年5月22日号以降に掲載されます。
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月30日
2
北海道固有種のエゾユキシリアゲを30年ぶりに正式に記録
~日本のユキシリアゲの生態解明に大きく貢献~(北方生物圏フィールド科学センター特任助教 福山伊吹)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション和歌山研究林の福山伊吹特任助教、同苫小牧研究林の細木拓也特任助教、同大学大学院環境科学院博士後期課程の髙木惇司氏、北川康太氏、三枝弘典氏、早川 慧氏、同修士課程の福田将之氏、弁理士法人IPXの細木 萌弁理士、広島修道大学人間環境学部の鈴木智也准教授らの研究グループは、これまで大雪山系のみから報告されていた北海道固有種のエゾユキシリアゲ(Boreus jezoensis)を新種として記載して以来、30年ぶりに正式に記録するとともに、新たに約170km離れた札幌市からも多くの個体を発見しました。ユキシリアゲ(...
キーワード:地球温暖化/個体群/温暖化/遺伝学
他の関係分野:生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月28日
3
絶滅動物の骨化石の脂質同位体から食生活が分かった!
~世界初、中新世に生きたカイギュウの化石骨中のステロールの炭素同位体比から食性を復元~(理学研究院教授 沢田健)
足寄動物化石博物館学芸員(北海道大学総合博物館の資料部研究員兼任)の新村龍也氏と北海道大学大学院理学研究院の沢田 健教授の研究グループは、博物館に収蔵された海生哺乳類の骨化石を有機地球化学的手法で分析しました。この研究では、北海道の中新世の地層(~約1千万年前)から産出したカイギュウ類の骨化石の中に保存された脂質を分析し、その安定炭素同位体比から食性を推定しました。約1千万年前という古いカイギュウ類の骨化石において、その中に保存された脂質の一種(C27ステロイド)が、その動物自身に由来することを示し、さらにその脂質の同位体比から食性(アマモ食orケルプ食)を推定した例は、世界で初めて...
キーワード:博物館学/安定同位体比/安定同位体/炭素同位体/炭素同位体比/地球化学/同位体/同位体比/エナメル質/脊椎動物/中新世/哺乳類/脊椎/ステロイド/脂質/食生活
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月24日
4
最古のタコは巨大な頂点捕食者だった
~捕食の痕跡とAIが解読する古代海洋の捕食関係~(理学研究院准教授 伊庭靖弘)
北海道大学大学院理学研究院の伊庭靖弘准教授、同大学大学院理学研究院の池上 森学術研究員、同大学大学院理学院博士課程の杉浦寛大氏、ルール大学のヨーク・ムッターローゼ教授、高輝度光科学研究センターの竹田裕介研究員、モルゲンロット株式会社のメフメト・オグズ・デリン氏、同社の原田隆宏博士、大阪公立大学大学院理学研究科の久保田彩講師、新潟大学脳研究所の田井中一貴教授、中央大学の西田治文名誉教授の研究グループは、大規模3Dデータを可視化可能にするAIモデルを開発し、約1億~7,200万年前(白亜紀後期)のタコ類の顎化石を解析することで、体サイズ及び生態を詳細に復元しました。従来の研究では、過去約...
キーワード:3Dデータ/人工知能(AI)/海洋/白亜紀/脊椎動物/生態系/無脊椎動物/脊椎
他の関係分野:情報学数物系科学生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月8日
5
沿岸域における巨大波出現の理論化とその実証
~海難事故防止に向けた沿岸巨大波予測技術への貢献に期待~(工学研究院教授 渡部靖憲)
北海道大学大学院工学研究院の渡部靖憲教授らの研究グループは、水深変化と流れの変化を伴う沿岸域において巨大波が発生する条件をはじめて理論化し、実証実験を通して妥当性の証明に成功しました。巨大波(Rogue wave)は古くから海難事故の要因の一つといわれてきましたが、未だ発生機構が未解明の問題です。海洋のごく一部で急速に発達し異常な高さとなって巨大波が生じ、その後また短時間で衰退するという特徴を持ち、いつどこで発生するかも予測できません。一般には沿岸域のように水深が浅い海域では巨大波は発生しないとされていましたが、本研究で明らかになった理論では、浅水域においても巨大波が発生するだけでな...
キーワード:河口域/海洋/潮汐流/沿岸域/海難事故/実証実験/妥当性
他の関係分野:数物系科学工学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月7日
6
阿寒カルデラ地下に大規模マグマだまりの可能性
~将来の火山活動の予測・評価に重要な手がかり~(理学研究院教授 橋本武志)
北海道大学大学院理学院博士後期課程の井上智裕氏(研究当時)、同大学大学院理学研究院附属地震火山研究観測センターの橋本武志教授、田中 良助教、九州大学大学院理学研究院附属地震火山観測研究センターの相澤広記准教授、名古屋大学大学院環境学研究科附属地震火山研究センターの市原 寛講師、産業技術総合研究所再生可能エネルギ―研究センターの山谷祐介研究チーム長らの研究グループは、北海道東部に位置する阿寒カルデラでMT法電磁探査を実施し地下の比抵抗構造を明らかにしました。阿寒カルデラは阿寒湖を中心とし、活火山である雌阿寒岳と雄阿寒岳が分布する火山地域です。本研究により、両火山に挟まれた地下3~15 ...
キーワード:地下構造/MT法/マグマ/マグマ供給系/火山活動/火山観測/水蒸気/水蒸気噴火/比抵抗/比抵抗構造/地盤変動/3次元構造/結晶化
他の関係分野:数物系科学工学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月3日
7
小惑星ベヌー試料から核酸塩基と高濃度の尿素を検出
~小惑星環境での化学プロセスの絞り込みに成功~(低温科学研究所准教授 大場康弘)
北海道大学低温科学研究所の大場康弘准教授、海洋研究開発機構の古賀俊貴ポストドクトラル研究員、高野淑識上席研究員、九州大学大学院理学研究院の奈良岡浩教授(研究当時)、東北大学大学院理学研究科の古川善博教授らが所属する国際研究グループは、アメリカNASA主導の小惑星探査計画「OSIRIS-REx」で炭素質B型小惑星(101955)ベヌー(Bennu)から持ち帰られた粒子から、地球生命に必須の核酸塩基全5種を含む、合計38種の窒素複素環化合物、及び高濃度の尿素の検出に成功しました。小惑星サンプルリターン計画「OSIRIS-REx」では、炭素質小惑星ベヌーで採取した試料(計121.6グラム)...
キーワード:海洋/化学進化/小惑星/惑星/惑星探査/アンモニア/複素環化合物/グルコース/有機分子/アミン/前駆体/有機物/RNA/アミノ酸/核酸塩基/遺伝子
他の関係分野:数物系科学化学生物学総合理工工学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年4月2日
8
タンパク質の温度適応を決める新原理を解明
~「しなやかさ」ではなく反応エネルギーが鍵~(先端生命科学研究院助教 塚本卓)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の塚本 卓助教らの研究グループは、地球規模で多様な温度環境に適応した微生物が持つ3種類の光応答性タンパク質(プロトン(H+)ポンプ型ロドプシン)について、その光反応の仕組みを温度ごとに詳しく調べ、温度適応の分子機構を解明しました。プロトンポンプ型ロドプシンは、光エネルギーを利用して細胞膜の内外にプロトン濃度勾配を形成し、ATP合成などの生命活動を支える重要なタンパク質であり、地球規模のエネルギー循環にも関与する分子として注目されています。これまで、タンパク質の温度適応には分子のしなやかさ(構造の動きやすさ)が重要と考えられてきましたが、本...
キーワード:光エネルギー/光応答性/光反応/ATP合成/プロトンポンプ/光応答/環境適応/温度依存性/熱力学/反応速度/機能性/微生物/プロトン/細胞膜/分子機構/ATP/ロドプシン
他の関係分野:化学生物学工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月26日
9
温暖化に伴う猛暑で失われる都市緑地の憩いと暮らしの質
~夏季の高温多湿が都市緑地の利用と憩いの価値を奪う~(農学研究院教授 庄子康)
北海道大学大学院農学院修士課程の王 嘉鈺氏、同大学大学院農学研究院の豆野皓太助教、尾分達也助教、愛甲哲也教授、庄子 康教授からなる研究グループは、気候変動による夏季の高温多湿が、都市緑地の利用と都市緑地が提供する社会的価値に深刻な影響を与えることを明らかにしました。2023年の記録的な猛暑を経験した札幌市民を対象としたアンケート調査により、夏季の最高気温の上昇が都市緑地への来訪意欲を大きく低下させ、32℃では9割以上の市民が都市緑地の利用を控えることが分かりました。また、高齢者や女性は暑さの影響を受けやすく、高温時に都市緑地の利用を中止する傾向が強いことも示されました。さら...
キーワード:位置情報/都市緑地/気候変動/アンケート調査/シナリオ/温暖化/スマートフォン/高齢者
他の関係分野:情報学数物系科学工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月9日
10
イタヤカエデの杢(もく)と樹形・成長との関係を解明
~高付加価値材となり得る個体の選木・育成方法への貢献に期待~(北方生物圏フィールド科学センター教授 吉田俊也)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程の仲谷 朗氏と同大学北方生物圏フィールド科学センター雨龍研究林の宮崎 徹技術専門職員、同大学北方生物圏フィールド科学センター北管理部の吉田俊也教授の研究グループは、北海道に広く生息するイタヤカエデ60個体を対象に、木材価格を大幅に高める「杢(もく)」(繊維の乱れが材表面に現れる複雑な模様)に着目し、その板面積に対する割合と個体ごとの成長特性(樹形や年輪幅、個体サイズなど)との関係を分析しました。その結果、杢の割合は年輪幅や個体サイズとは関係性が弱く、樹幹の曲りが大きい個体や二股の位置が近い部分で高いことを突き止めました。このことは、間伐...
キーワード:オプション/定量的評価/森林管理
他の関係分野:複合領域農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年3月2日
11
寄生虫の「兵隊」の口は吸い付きに特化していた
~二生吸虫の兵隊型レジアの武器形質の構造を世界で初めて解明~(水産科学研究院教授 和田哲)
北海道大学大学院水産科学院修士課程の三浦健太郎氏、同大学大学院水産科学研究院の和田 哲教授、高知大学農林海洋科学部の三浦 収教授は、巻貝の寄生虫である二生吸虫Cercaria batillariae(セルカリア・バティラリアエ)のレジア幼生は、繁殖を行う「繁殖型」と、繁殖を行わず敵への攻撃に特化した「兵隊型」の二型を示し、繁殖分業を行うことを実証しました。さらに、繁殖型と兵隊型では、武器形質である咽頭の構造が異なり、兵隊型は敵の攻撃に特化した咽頭をもつことを世界で初めて解明しました。繁殖分業とは、アリやハチなどのように、生物の集団において繁殖とそれ以外の労働や防衛など...
キーワード:海洋/海洋科学/電子顕微鏡/カースト/寄生虫/筋肉/解剖学
他の関係分野:工学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月17日
12
"食べられる触媒"を利用した生分解性高分子の精密合成
~安全かつ実用的な高分子合成法の確立に期待~(工学研究院教授 佐藤敏文、助教 李灃)
北海道大学大学院工学研究院の佐藤敏文教授、磯野拓也准教授及び李 灃助教らの研究グループは、食品添加物として利用されている安全性の高い化合物を触媒として用い、ポリ乳酸やポリ-εイプシロン-カプロラクトンなどの生分解性を有する脂肪族ポリエステル(APE)の精密合成法を確立しました。APEは、生分解性・生体適合性・生体吸収性に優れていることから、環境に優しいプラスチック材料として、また吸収性縫合糸やインプラントなどの医用高分子材料としての応用が進められています。現在、APEの工業的合成には、スズなどの重金属を含む触媒を用いた重...
キーワード:重金属/アルカリ金属/共重合体/エステル/ブロック共重合体/ポリエステル/共重合/高分子/高分子合成/生分解性高分子/材料科学/生分解/生体適合性/カリウム/プラスチック/高分子材料/生分解性/機能性/クエン酸/有機酸/ナトリウム/インプラント/重合反応/有機触媒
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月14日
13
日本近海の海面水温が、遠く離れた貿易風を変える
~中緯度域と低緯度域を双方向に繋ぐ大気海洋相互作用の理解へ期待~(地球環境科学研究院教授 谷本陽一)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程2年及び海洋研究開発機構環境変動予測研究センター研究生の三浦 樹氏、同大学大学院地球環境科学研究院の谷本陽一教授の研究グループは、日本近海の中緯度に位置する黒潮続流域の高い海面水温が、北太平洋亜熱帯域における貿易風に対して低緯度向きの遠隔影響を与えることを明らかにしました。これまで、熱帯域における大気海洋結合変動現象が中緯度域を含めた両半球の世界各地に遠隔影響をもたらすことはよく知られていた一方で、中緯度域から低緯度域へ向けた「逆向き」の遠隔影響については十分に理解されていませんでした。本研究では、大気大循環モデルによる数値実験及び長期間の大気...
キーワード:影響評価/海洋/環境変動/エルニーニョ/海面水温/気候変動/黒潮続流/数値実験/大気海洋相互作用/大気大循環/北西太平洋/北太平洋/大気大循環モデル/西太平洋/地球環境
他の関係分野:数物系科学生物学工学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年2月5日
14
人工衛星で過去にタイムスリップ!!
~30年前の漁業被害、最新の予測技術で原因究明に成功~(水産科学研究院准教授 阿部泰人)
北海道大学大学院水産科学研究院の阿部泰人准教授らの研究グループは、ホタテガイやタラ類、カレイ類、エビ類などの水産資源が豊富な北海道南部の噴火湾(別名内浦湾、海底水深約100m)において、30年前の1995年夏季に深刻な漁業被害をもたらした「貧酸素水塊」の発生を、長期間海洋をモニタリングしている人工衛星等の環境データと最新の予測モデルを用いて再現することに成功しました。貧酸素水塊は、著しく水中の酸素濃度が低い水塊(酸素濃度2ml/l以下)です。世界中の閉鎖性水域の海底付近で発生することが知られており、一旦これが発生すると、呼吸で酸素を必要とする底生魚類などの海洋生物が酸欠状態に陥り、...
キーワード:海氷/酸素濃度/海洋/環境モニタリング/貧酸素水塊/溶存酸素/オホーツク海/地球観測/衛星/センシング/モニタリング/リモートセンシング/衛星リモートセンシング/海洋環境/人工衛星/海洋生物/漁業/親潮/hypoxia/予測モデル
他の関係分野:数物系科学工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年1月22日
15
AIが7,000万年前の新種の頭足類化石を発見!
~生命進化史解読を加速させるデジタル技術~(理学研究院准教授 伊庭靖弘)
北海道大学大学院理学研究院の伊庭靖弘准教授、同大学大学院理学院修士課程の杉浦寛大氏、同大学大学院理学研究院の池上 森学術研究員、高輝度光科学研究センターの竹田裕介研究員、ルール大学のヨーク・ムッターローゼ教授、モルゲンロット株式会社のメフメト・オグズ・デリン氏、同社の原田隆宏氏、大阪公立大学大学院理学研究科の久保田彩講師、中央大学の西田治文名誉教授、新潟大学脳研究所の田井中一貴教授、アメリカ自然史博物館のニール・ランドマン教授の研究グループは、未知のオブジェクトを検出可能なゼロショット学習AIを用いて、あらゆる化石を自動かつデジタルに発掘する手法を開発しました。さらに本手法によって発見された...
キーワード:視認性/物体検出/人工知能(AI)/海洋/頭足類/白亜紀/デジタル化/ボトルネック
他の関係分野:情報学数物系科学工学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年1月16日
16
バイオマス由来糖類を効率よく分解する触媒反応を開発
~バイオマス由来糖類の利用拡大に期待~(触媒科学研究所教授 中島清隆)
北海道大学触媒科学研究所のナヴヤ・サブレイ・バット非常勤研究員(研究当時)、大須賀遼太助教、中島清隆教授らの研究グループは、植物の主要な構成成分であり自然界に豊富に存在するグルコースを原料として、炭素数4の希少糖であるエリスロース(ERT)と炭素数2の炭水化物であるグリコールアルデヒド(GA)を高い選択率で合成できる新しい触媒反応系を開発しました。化学産業におけるCO2排出量の大幅削減を達成するためには、現在の化学産業を下支えしている炭素数2~4の炭素骨格をもつ汎用分子(エチレン、プロピレン、ブテン)を、非可食バイオマスをはじめとする再生可能炭素資源から供給で...
キーワード:炭素循環/ピレン/触媒反応/グルコース/プロピレン/固体触媒/カーボンニュートラル/CO2排出量/カーボン/二酸化炭素/エチレン/バイオマス/炭水化物/アルデヒド/誘導体
他の関係分野:化学生物学工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年1月6日
17
太平洋側北極海の「亜寒帯化」は夏に進行することを解明
~プランクトンの12年間の長期観測データを日韓共同で解析~(北方生物圏フィールド科学センター准教授 松野孝平)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの松野孝平准教授、同大学大学院水産科学研究院の山口 篤准教授、韓国極地研究所のジ―フーン キム博士らの研究グループは、2008-2021年の12年間にわたる太平洋側北極海における動物プランクトン群集と海洋環境データを日韓共同で解析し、太平洋群集が8月には増加するが、9月になると急速に減少することを明らかにしました。動物プランクトンは、海洋生態系における重要な仲介者であり、植物プランクトンの一次生産に起因する有機物を、高次生物へ受け渡します。また動物プランクトンは、寿命が短く、⽔中を漂うため、海氷衰退のような気候変動の影響を受けやすいと考えら...
キーワード:季節変化/海氷/極地/北極海/海洋/地球温暖化/気候変動/海洋環境/有機物/生態系/プランクトン/温暖化/海洋生態/海洋生態系/植物プランクトン/動物プランクトン/寿命/将来予測
他の関係分野:複合領域数物系科学工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2026年1月6日
18
「光る精子」をもつ精子形成可視化マウスの開発に成功
~革新的な生殖毒性スクリーニング技術・イノベーションの創出に期待~(保健科学研究院准教授 福永久典)
北海道大学大学院保健科学研究院の福永久典准教授(環境健康科学研究教育センター副センター長)、同大学大学院医学研究院の白土博樹教授、大阪大学微生物病研究所の宮田治彦准教授、英国クイーンズ大学ベルファストのケヴィン プライズ教授らの国際共同研究グループは、雄マウスの精子形成を生体内でリアルタイム可視化できる新しい遺伝子改変動物モデルの開発に成功しました。男性生殖機能に対する医薬品・環境化学物質・放射線などの影響を調べる生殖毒性試験は、新薬開発や環境リスク評価に不可欠です。しかし従来は、マウスを交配させて受胎を確認したり、解剖して精巣組織を解析したりするなど、時間・労力・個体数のコストが...
キーワード:毒性評価/化学物質/環境リスク/生殖/リスク評価/遺伝子改変/生体内/微生物/生殖細胞/ノックイン/ノックインマウス/精子形成/遺伝子改変動物/精巣/男性不妊/動物モデル/がん治療/スクリーニング/マウス/ラット/精子/創薬/遺伝子/動物実験/非侵襲/放射線
他の関係分野:複合領域生物学工学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月24日
19
北限域のニホンウナギ、生息の鍵は「夏の水温」
~北海道南部105河川の調査から見えたウナギの分布を決める流域特性~(北方生物圏フィールド科学センター教授 岸田治)
北海道大学大学院環境科学院修士課程の村松寛太氏(研究当時、現 長野西高等学校教諭)と同大学北方生物圏フィールド科学センターの岸田 治教授は東京大学、海洋研究開発機構と共同で、北限域のニホンウナギ(Anguilla japonica)がどのような河川にいるのかを明らかにしました。北海道南部105河川で黄ウナギ(以下、「ウナギ」)の生息状況を調査し、52河川で計222個体を確認しました。調査の結果、ウナギが多く確認される川がある一方で、まったく確認されない川もあること、さらにこれらの生息状況が地域的なまとまりをもって現れることが分かりました。生息状況の違いを生み出す要因を...
キーワード:海洋/農地/土地利用/ウナギ/ニホンウナギ
他の関係分野:農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月15日
20
ゆっくり動く水生動物の行動を"見える化"
~マナマコの移動を捉える新解析手法を確立~(水産科学研究院教授 高木力)
北海道大学大学院水産科学研究院の高木 力教授、同大学大学院環境科学院博士後期課程の田中優斗氏、同大学大学院水産科学院修士課程の篠野惠利香氏(研究当時)及び神田紘暉氏(研究当時)、道立総合研究機構函館水産試験場の酒井勇一主任主査らの研究グループは、音響テレメトリーとデータ同化手法を組み合わせ、これまで目視に頼っていたマナマコの移動を長期間かつ高精度で追跡する手法を確立しました。特に放流後の移動分散行動については、これまでほとんど明らかにされてこなかった分野であり、今後の応用が期待されます。さらに、フラクタル次元解析を用いることで、10月(夏眠期)と2月(成長期)における行動の「複雑性」や「活性...
キーワード:複雑性/沿岸生態系/フラクタル/フラクタル次元/底生動物/データ同化/音響計測/底生生物/生態系/資源管理/成長期
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月15日
21
イッカクが水中録音機器に接触することを発見
~係留系の安全性に疑問を提起~(北極域研究センター准教授ポドリスキ エブゲニ)
北海道大学北極域研究センターのポドリスキ エブゲニ准教授、国立極地研究所北極観測センターの小川萌日香特任助教、北海道大学大学院水産科学研究院の大槻真友子特任助教、長谷川浩平助教、同大学低温科学研究所・北極域研究センターの杉山 慎教授らの研究グループは、イッカクが水中録音機器に接触することを発見しました。 海洋観測において、水温計など海洋観測機器を海中に固定し自動的にデータを記録する係留系という仕組みがあります。係留系に水中録音機器を取り付け、クジラなど海棲哺乳類の鳴音を記録し、分布や行動を調べることができます。本研究では、グリーンランド北西部カナック村周辺において水中録音機器を2年...
キーワード:極域/極地/北極海/海洋/海洋観測/モニタリング/哺乳類
他の関係分野:数物系科学工学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月13日
22
気候変動による生息環境変化が日本産サケを減少させる
~サケ資源管理や保全への貢献に期待~(北極域研究センター特任助教 アイリーンアラビア)
北海道大学北極域研究センターのアラビア アイリーン ドロルフィーノ特任助教、齊藤誠一研究員、ホルヘ ガルシア モリノス准教授、平田貴文特任准教授、帰山雅秀研究員、同大学大学院水産科学研究院の上野洋路教授、北見管内さけ・ます増殖事業協会の宮腰靖之博士、Green Life Innovation Inc.の高橋文宏氏らの共同研究グループは、1998年から2022年における北太平洋の海洋環境の変化と日本産サケのバイオマス動態との関係を分析しました。その結果、サケの摂餌海域と越冬海域が著しく変化しており、特に北太平洋の生息南限における生息域が減少し、生息北限はベーリング海北部やチュクチ海南部へ拡大し...
キーワード:環境変化/極域/空間分布/海洋/気候変動/北太平洋/海洋環境/ベーリング海/バイオマス/サケ/プランクトン/温暖化/資源管理/動物プランクトン
他の関係分野:複合領域数物系科学工学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年12月8日
23
海氷生産海域から放出される物質をグリーンランドの積雪から検出
~アイスコアを用いたノースウォーター・ポリニヤの海氷変動と海洋生物活動の復元に期待~(低温科学研究所特任助教 黒﨑豊)
北海道大学低温科学研究所の黒﨑 豊特任助教、的場澄人助教、飯塚芳徳教授らの研究グループは、グリーンランド北西沿岸部の氷河・氷床上を犬橇で移動しながら積雪を採取し、この地域の積雪中の非海塩性硫酸イオン(nssSO42−)濃度とメタンスルホン酸(MSA)濃度が隣接するノースウォーター海域の過去の海氷変動と海洋生物活動を復元する指標になることを示しました。ノースウォーター海域は、強い北風と暖流の影響を受けて海氷の生成と流出が繰り返されるポリニヤ域です。ポリニヤの形成・維持機構の変化は、その周辺の海氷変動や海洋生物活動、水・物質循環に大きく影響し...
キーワード:アイスコア/海氷/海洋/環境変動/メタン/環境情報/海洋生物/プランクトン/植物プランクトン/物質循環/スルホン酸
他の関係分野:工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年11月30日
24
栄養不足が植物の病害抵抗性を弱める原因を解明
~異常気象下での作物収量増産への貢献に期待~(理学研究院准教授 佐藤長緒)
北海道大学大学院理学研究院の佐藤長緒准教授、眞木美帆博士研究員、奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科バイオサイエンス領域の西條雄介教授、安田盛貴助教、名古屋大学遺伝子実験施設の多田安臣教授、野元美佳講師、徳島大学大学院社会産業理工学研究部の山田晃嗣准教授らの研究グループは、植物が細胞内の栄養やエネルギー不足により、病害細菌への抵抗性が低下する仕組みを明らかにしました。世界中で生産される農作物は病害による大きな損失を受けており、人口増加に対応した食糧の確保・増産を目指す上で大きな課題になっています。また、近年の研究から、高温や高湿度といった環境ストレス下では、植物の免疫活性が...
キーワード:人口増加/異常気象/センサー/哺乳類/植物免疫/病害抵抗性/病原菌/シロイヌナズナ/環境ストレス/抵抗性/病原体/免疫制御/AMPK/細菌感染/ストレス/遺伝子/遺伝子発現/細菌
他の関係分野:数物系科学工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年11月6日
25
キトサンとカテコールから高強度バイオ接着剤を開発
~湿潤環境での接着で医療材料への応用に期待~(地球環境科学研究院教授 小野田晃)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の小野田晃教授、北海道立総合研究機構の瀬野修一郎主査、苫小牧工業高等専門学校の甲野裕之教授、ラ・セレナ大学のマルティネス・ロニー准教授からなる国際共同研究チームは、多糖キチンから得られるキトサンとムラサキイガイの接着タンパク質に由来するカテコール基を持つ3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(DB)を混ぜ合わせるだけで高性能なバイオ接着剤を得る新手法を開発しました。本法は添加剤を一切必要とせず、2時間の反応で高強度接着剤を調製でき、従来法と比較して資源循環型社会に適したプロセスです。キトサンとDBの複合接着剤は木板同士を最大3.12 MPa、豚皮同士を最大0....
キーワード:循環型社会/持続可能/地球環境/コーティング/機能性材料/資源循環/添加剤/機能性/脱アセチル化/アルデヒド/キチン/アセチル化/誘導体
他の関係分野:工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月30日
26
国産キングサーモンの完全養殖にはじめて成功
~キングサーモン養殖への貢献に期待~(水産科学研究院教授 藤本貴史)
北海道大学大学院水産科学研究院の藤本貴史教授らの研究グループ、函館国際水産・海洋都市推進機構、函館市農林水産部のチームは、「函館マリカルチャープロジェクト」(地方大学・地域産業創生交付金事業)のキングサーモン完全養殖技術研究において、国内ではじめて天然採捕個体に由来するキングサーモンの完全養殖に成功しました。今回の完全養殖の達成では、2022年に函館沿岸の定置網で天然採捕されたキングサーモンの卵と精子の人工授精によって得られた人工種苗が親魚に用いられています。2025年7月下旬〜8月上旬にかけて、成熟メス親魚16個体から得られた約26,000粒の卵と36個体の成熟オスから得られた精...
キーワード:海洋/胚発生/地域産業/種苗生産/精子
他の関係分野:生物学工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月26日
27
細胞内のmicroRNA濃度を簡便に定量する新技術を開発!
~新しいがん診断や個別化医療への応用に期待~(電子科学研究所准教授 三友秀之)
北海道大学電子科学研究所の三友秀之准教授、居城邦治教授、同大学大学院生命科学院博士後期課程の卫 文婷氏らの研究グループは、細胞内のmicroRNA(miRNA)濃度を簡便かつ正確に定量する新技術を開発しました。がんや感染症をはじめとする多くの疾病は、細胞内miRNAの量の変化と密接に関係しており、miRNAは有力な疾患バイオマーカーとして注目されています。そのため、生きた細胞内でmiRNAを正確に定量する技術の開発は、診断や新しい治療法の開発に直結する重要な課題とされてきました。本研究では、ナノスケールのDNAマシンを応用し、「二足歩行型DNAウォーカー」を基盤とした検出...
キーワード:環境変動/金ナノ粒子/蛍光センサー/生細胞/二足歩行/センサー/ナノスケール/ナノ粒子/光センサー/ナノマシン/光イメージング/蛍光イメージング/創薬/miRNA/バイオマーカー/感染症/個別化医療
他の関係分野:化学生物学工学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月26日
28
分光画像を「空間のつながり」から読み解く新手法を開発
~これまで見えなかった病気や異物の情報を明らかに~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 小松崎民樹)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)・同大学電子科学研究所の小松崎民樹教授らの研究グループは、大阪大学大学院工学研究科の藤田克昌教授、京都府立医科大学大学院医学研究科の原田義規教授らと共同で、ラマン分光計測に対して、化学的な周辺環境を表す新しい尺度を定義し、それに基づいた新しい解析手法の開発に成功しました。この顕微鏡は、生体組織を光で調べて、「分子の種類や量」に関する情報を画像のように記録できます。ただし、従来の分析では「分子の種類そのもの」に注目するだけで、まわりの環境との関係はあまり考えられていませんでした。今回、研究チームは、各点の...
キーワード:マイクロプラスチック/ラマン/ラマンイメージング/分光計測/プラスチック/マイクロ/光計測/生体組織/肝炎/differentiation/ラマン分光/アルコール/不均一性/脂肪肝/非アルコール性脂肪肝
他の関係分野:総合理工工学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月20日
29
バイオリサイクルに革新:PET分解酵素の活性を69%向上
〜疎水性アルキル鎖をN末端に連結する簡便な酵素改変技術を開発〜(地球環境科学研究院教授 小野田晃)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の小野田晃教授、北海道立総合研究機構の瀬野修一郎主査、名古屋大学大学院理学研究科、自然科学研究機構 生命創成探究センターの内橋貴之教授らの国際共同研究チームは、酵素を用いたPETリサイクル技術に革新的な改良を加えることに成功しました。研究チームは、ペットボトルや繊維製品に広く使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)を分解する酵素クチナーゼのN末端に疎水性アルキル鎖を連結し、分解活性を強化する新技術を開発しました。この改変技術は、遺伝子組換えを必要とせず、簡便な化学反応で酵素を改良できます。疎水性部位を連結した酵素は、PET表面により強く吸着し、本来の触...
キーワード:循環型社会/フィルム/ポリエチレンテレフタレート/酵素分解/走査型電子顕微鏡/加水分解/ポリエチレン/水分解/持続可能/地球環境/表面分析/AFM/プラスチック/リサイクル/原子間力顕微鏡/電子顕微鏡/SEM/エチレン/高速原子間力顕微鏡/TPA/遺伝子
他の関係分野:化学工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月9日
30
中央北極海のメルトポンドの栄養塩動態を解明
~海氷栄養塩循環におけるメルトポンドの重要性を提示~(水産科学研究院教授 野村大樹)
北海道大学大学院水産科学院博士後期課程1年の秋野僚太氏、同大学大学院水産科学硏究院の野村大樹教授、東海大学生物学部海洋生物科学科の野坂裕一講師、国立極地研究所の猪上淳教授、ドイツ・アルフレッドウェゲナー極地海洋研究所などの国際共同研究グループは、2019年から2020年に行われた中央北極海での通年漂流観測「MOSAiC」計画に参画し、「メルトポンド」(海氷が融けてできた水たまり)において、藻類が光合成をするのに必須な成分「栄養塩」の特性についての観測結果を発表しました。メルトポンドは夏の北極でよく見られる現象であり、近年の温暖化によって増加が報告されています。MOSAiC計画では夏...
キーワード:海氷/極地/北極海/海洋/環境変動/バクテリア/光合成/栄養塩/有機物/海洋生物/プランクトン/温暖化/動物プランクトン
他の関係分野:数物系科学生物学工学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年10月2日
31
南関東の世界最大ヨウ素・メタン濃集の謎を解明
~沈み込み帯でのヨウ素のフラッシュ蒸発と移動集積~(北海道大学名誉教授 鈴木德行)
北海道大学の鈴木德行名誉教授(元同大学大学院理学研究院教授)、岡山大学の亀田 純教授、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の天羽美紀特命調査役らの研究グループは、フィリッピン海プレート(PHS)と共に沈み込んでいる海洋堆積物より、小規模なプレート境界地震によってメタン、水素と共にヨウ素がフラッシュ蒸発して排出され、南関東の地下に世界最大のヨウ素・メタン濃集帯水層を形成していることを解明しました。南関東地下の上総層群帯水層には世界のヨウ素埋蔵量の約65%(約400万トン)が濃集し、水溶性メタンの産出量も世界最大です。しかし、なぜこのような莫大な量のヨウ素がメタンと共に同帯水層に濃...
キーワード:海洋/プレート境界/海洋堆積物/高温高圧/深部流体/太平洋プレート/堆積物/地殻変動/沈み込み/沈み込み帯/太陽/液晶/物理化学/ペロブスカイト太陽電池/ペロブスカイト/状態図/太陽電池/電池/トラップ/メタン/熱分解/メタン菌/技術革新/微生物/ヨウ素
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年9月16日
32
高山帯のマルハナバチは温暖化でどうなるか?
~市民ボランティアとの共同研究で初めて明らかになった高山植物のポリネーターの動向~(地球環境科学研究院特任准教授 工藤岳)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の工藤 岳特任准教授らの研究グループは、北海道大雪山系の高山帯2地域で12年間にわたる高山植物の開花時期とマルハナバチ個体数のモニタリングデータから、気候変動がマルハナバチの個体群変動に及ぼす影響を解析しました。雪渓跡地の雪田群落は働きバチの重要な採餌場所ですが、開花時期は雪解け状況により大きく年変動します。気温が1℃上昇し、融雪が10日早まった場合、高山帯全体の開花期間は9.2日短縮されると予測されました。一方で、働きバチの出現時期は気温や融雪時期の影響を受けず、毎年8月上旬に個体数がピークに達しました。そのため、雪解けが早く進んだ年には、雪田群落の開花ピ...
キーワード:ボランティア/地球温暖化/気候変動/個体群/植物群落/地球環境/モニタリング/生態系/温暖化/個体群動態
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学工学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月28日
33
8種のクジラ類の腸内メタゲノム解析に成功
~タコ墨ならぬクジラ墨「綱火」のメカニズム解明に貢献か~(地球環境科学研究院助教 早川卓志)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程2年の竹内 颯氏、同大学大学院地球環境科学研究院の早川卓志助教、同大学大学院水産科学研究院の松石 隆教授の研究グループは、北海道沿岸に漂着した8種のクジラ類の腸管内容物のメタゲノム解析によって、腸内細菌の組成や機能を網羅的に明らかにしました。野生のハクジラ類での複数の腸管部位にわたる網羅的なメタゲノム解析は世界初となります。分析したハクジラ類の中でも、マッコウクジラ上科に属するマッコウクジラとコマッコウは、脅威を感じると「綱火(つなび)」と呼ばれる墨状の暗赤褐色の便を排泄して身を隠すことが知られています。腸内細菌の解析の結果、マッコウクジラとコマッコウの...
キーワード:重金属/地球環境/微生物/メタゲノム解析/ゲノム解析/メタゲノム/ゲノム/遺伝子/細菌/腸内細菌
他の関係分野:工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月27日
34
水素とナノファイバーを同時合成する光触媒を開発
~次世代水素社会への貢献に期待~(理学研究院准教授 小林厚志)
北海道大学大学院理学研究院の小林厚志准教授、三浦篤志准教授、高橋啓介教授らの研究グループは、金属錯体色素を複層化した光触媒ナノ粒子とアルコール酸化触媒分子を連動させることで、持続利用可能な資源であるセルロースからクリーンエネルギー源となる水素と高機能材料となるセルロースナノファイバー(CNF)を、環境負荷なく同時合成できる光触媒を開発しました。近年深刻化する環境・エネルギー問題の解決に向けて、化石資源に変わる持続利用可能な炭素資源としてセルロースが注目を集めてきました。セルロースは地球上に最も豊富に存在するバイオマス資源ですが、安定な構造を有しているため資源化には多大なコストが必要...
キーワード:機械学習/光エネルギー/水素生成/複雑系/太陽/金属錯体/青色光/太陽光/有機ラジカル/ファイバー/触媒化学/クリーンエネルギー/可視光/持続可能/光照射/二酸化チタン/チタン/ナノファイバー/光触媒/酸化チタン/ナノ粒子/環境負荷/分光分析/インフォマティクス/光分解/機能材料/TEMPO/セルロース/セルロースナノファイバー/バイオマス/アルコール/ラジカル
他の関係分野:情報学数物系科学化学生物学総合理工工学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月25日
35
海氷融解時期の違いが植物プランクトンに影響を及ぼす
~秋季太平洋側北極海の海氷変動がマイクロプランクトン群集を変えることを解明~(水産科学研究院助教 松野孝平)
北海道大学大学院水産科学院修士課程の角谷皓平氏(研究当時)、同修士課程の住吉 大氏、同大学大学院水産科学研究院の松野孝平助教、国立極地研究所の佐藤和敏助教、海洋研究開発機構の村田昌彦上席研究員(シニア)、西野茂人主任研究員らの研究グループは、秋季太平洋側北極海における海氷変動がマイクロプランクトン(20-200 µmの植物プランクトンと小型動物プランクトンの総称)の中でも特に植物プランクトン種組成に影響を与えることを解明しました。 太平洋側北極海では、ここ数十年で急速な海氷減少が確認されています。しかしながら、この海氷減少がマイクロプランクトン群集に及ぼす影響については、十分な知見...
キーワード:海氷/極地/珪藻/北極海/海洋/マイクロ/海洋環境/生態系/群集構造/プランクトン/海洋生態/海洋生態系/植物プランクトン/動物プランクトン/将来予測
他の関係分野:工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月21日
36
春季噴火湾の動物プランクトン群集の経年変化が明らかに
~群集構造に加えて、サイズ組成と魚類餌環境にも経年変化あり~(水産科学研究院准教授山口篤)
北海道大学大学院水産科学院修士課程(研究当時)の張 浩晨氏、同大学大学院水産科学研究院の山口 篤准教授、大木淳之教授、髙津哲也教授らの研究グループは、北海道の噴火湾湾央の1定点にて、2019年-2023年の5年にわたり、約1ヶ月間隔の動物プランクトンネット採集を行い、採集試料についてZooScanによる画像イメージング解析を行うことで、出現個体数、バイオマス、群集構造及びサイズ組成の季節変化と経年変化を明らかにしました。夏-秋季(7月-12月)に見られた群集Aは、調査を行った5年を通して共通して観察されました。経年変化は冬-春季(1月-6月)にあり、2019年に見られた群集Dは冷水...
キーワード:季節変化/海洋/ブルーム/経年変化/バイオマス/群集構造/カイアシ類/プランクトン/植物プランクトン/親潮/動物プランクトン/イミン
他の関係分野:複合領域数物系科学工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月21日
37
AIから導くバンドギャップ設計とペロブスカイト合成
~AIと実験を融合した無機材料開発フローを実現~(理学研究院教授 髙橋啓介)
北海道大学大学院理学研究院の髙橋啓介教授、髙橋ローレン助教、フェルナンド・ガルシア=エスコバル博士研究員、同大学大学院理学院博士後期課程1年の田代智哉氏、修士課程2年の柴田憲伸氏らの研究グループは、機械学習によってバンドギャップ(光吸収の指標)を精密に予測・設計できるペロブスカイト無機材料の開発手法を確立しました。これまで、ペロブスカイト材料は太陽光を効率的に吸収できる優れた構造として知られていましたが、バンドギャップがわずかな構造変化で大きく変動するため、材料設計は困難でした。本研究では、過去の文献に基づく282件の実験データを用い、材料中の元素の性質と構造に基づく記述...
キーワード:機械学習/人工知能(AI)/光エネルギー/再生可能エネルギー/回帰モデル/X線回折/近赤外/太陽/赤外分光/光エネルギー変換/太陽光/バンドギャップ/ペロブスカイト/光吸収/水分解/無機材料/光触媒/材料設計/光学特性/電子顕微鏡/インフォマティクス/SEM/エネルギー変換/ベクター/構造変化
他の関係分野:情報学数物系科学化学総合理工工学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月9日
38
食品の「飲み込みやすさ」を数値化
~嚥下食の安全性評価に新手法~(工学研究院准教授 高橋航圭)
北海道大学大学院工学研究院の高橋航圭准教授、北海道大学病院栄養管理部の熊谷聡美栄養士長らの研究グループは、嚥下食の「飲み込みやすさ」を、工業用粘着テープの試験手法を応用して評価する新しい方法を開発しました。この研究により、従来の粘度測定では評価が難しかった固形や半固形の食品について、咽頭粘膜への付着・はく離を数値化することで、より実態に近い「飲み込みやすさ」の評価が可能となります。高齢化が進む日本では、嚥下障害を抱える患者数は増加の一途を辿っています。嚥下障害は誤嚥性肺炎などの重大な健康リスクと密接に関係し、食べやすく安全な嚥下食の開発が急務です。これまでに、粘度測定や経験に基づく...
キーワード:最適化/定量的評価/定量評価/せん断/健康リスク/評価手法/シリコン/はく離/安全性評価/評価法/リハビリ/リハビリテーション/高齢化/高齢者/唾液/嚥下障害
他の関係分野:情報学工学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月7日
39
超強力接着性ハイドロゲルのデノボ設計に成功!
~データ駆動型アプローチで材料開発の新境地を開拓~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 龔剣萍、特任教授 瀧川一学)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の范 海竜(ファン・ハイロン)特任准教授(現・深圳大学 准教授)、龔 剣萍(グン・チェンピン)教授、及び瀧川一学特任教授らの研究グループは、タンパク質のデータマイニング、実験、機械学習を統合した画期的なデータ駆動型アプローチを提案しました。これにより、超接着性ハイドロゲルのデノボ設計に成功しました。この新しいアプローチにより、約2万5千種類のタンパク質データベースから得た知見を基に高分子鎖の配列パターンを設計し、機械学習を活用してハイドロゲルの最適な組成を導き出すことに成功。これにより、従来のハイドロゲ...
キーワード:データ駆動/機械学習/最適化/海洋/環境技術/高分子/ソフトマテリアル/ハイドロゲル/生体適合性/水環境/ロボティクス/海洋環境/耐久性/分子設計/生体材料
他の関係分野:情報学化学工学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年8月7日
40
ウイルスは細胞同士の「会話」を乗っ取り感染を広げる
〜インフルエンザの新たな感染メカニズムを発見、治療薬開発に期待〜(医学研究院 准教授 藤岡容一朗 教授 大場雄介)
北海道大学大学院医学研究院の藤岡容一朗准教授、小澤史弥氏、大場雄介教授、大阪大学産業科学研究所(兼 大阪大学先導的学際研究機構)の永井健治教授、九州大学大学院医学研究院の田村友和准教授と福原崇介教授らの研究グループは、インフルエンザウイルスが体の中で感染を広げていく際に、細胞同士の"会話"を乗っ取ることを突き止めました。この発見により、ウイルス感染を抑える新たな治療法の開発が期待されます。ウイルス感染は、ごく一部の細胞から始まり、徐々に周囲の細胞へと広がっていきます。しかし、感染がどのように周囲の細胞に広がっていくのか、その詳細なメカニズムはよく分かっていませんでした。研...
キーワード:ゲーム/学際研究/カルシウムイオン/リン酸/Ca2+/細胞内カルシウムイオン/アデノシン/インフルエンザ/インフルエンザウイルス/カルシウム/細胞内カルシウム/受容体/創薬/ウイルス
他の関係分野:情報学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月23日
41
海洋細菌由来希少カロテノイドが抗酸化作用や抗炎症効果を示すことを発見
~C30カロテノイドの機能性食品素材などの応用に向けた研究進展に期待~(水産科学研究院 助教 高谷直己)
北海道大学大学院水産科学研究院の高谷直己助教、細川雅史教授、一般財団法人生産開発科学研究所の眞岡孝至博士らの研究グループは、海洋細菌Exiguobacterium属から希少カロテノイドを同定するとともに、この化合物が抗酸化活性や抗炎症効果を示すことを明らかにしました。天然の脂溶性色素であるカロテノイドは、抗酸化作用など多様な健康機能性が注目されています。β-カロテンをはじめとしたC40カロテノイド(基本骨格を構成する炭素原子数が40個)は野菜や果物などに豊富に存在しますが、一部の微生物によって産生されるC30カロテノイド(基...
キーワード:海洋/分子構造/エステル/一重項酸素/機能性/機能性食品/海洋細菌/構造決定/カロテノイド/微生物/ファージ/マクロファージ/抗炎症/抗炎症作用/抗酸化/抗酸化作用/生理活性/誘導体/遺伝子/遺伝子発現/細菌
他の関係分野:化学工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月17日
42
小惑星リュウグウから太陽系最古の岩石を発見
~リュウグウは太陽系遠方で形成された特異な天体であることを示唆~(理学研究院准教授 川﨑教行)
北海道大学大学院理学研究院の川﨑教行准教授、同大学大学院理学院修士課程の宮本悠史氏、同大学総合イノベーション創発機構の坂本直哉准教授、海洋研究開発機構の荒川創太研究員らの研究グループは、宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から採取したサンプル中から、約45億6,730万年前に形成した太陽系最古の岩石を発見しました。これまでの「はやぶさ2」の初期分析により、現在の「リュウグウ」の主要構成物質は低温(約40℃)の水溶液との反応で生成した鉱物であり、約45億6,200万年前に形成されたことが分かっていました。しかし、こうした鉱物はあくまで水溶液との反応に...
キーワード:海洋/水溶液/リュウグウ/同位体/小惑星/星形成/太陽/太陽系/年代測定/惑星/惑星形成/惑星探査/隕石/質量分析/アルミニウム/はやぶさ2/質量分析計/電子顕微鏡/カルシウム
他の関係分野:数物系科学総合理工工学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月10日
43
農業廃棄物から樹脂原料をつくる触媒反応を開発
~ゼオライト触媒を用いたバイオフェノール合成経路の探索~(触媒科学研究所教授 中島清隆)
北海道大学大学院環境科学院博士前期課程の入場啓介氏、同大学触媒科学研究所のヤン・ヨハネス・ウィズフェルド特任助教、大須賀遼太助教、菅沼学史准教授、中島清隆教授らの研究グループは、カシューナッツ殻液(Cashew nutshell liquid, CNSL)から得られるカルダノールの誘導体であるハイドロカルダノールを原料として、高効率でフェノールを合成可能な新しい触媒反応を開発しました。カシューナッツ殻は、世界で年間約400万トンが廃棄される農業廃棄物であり、そこから抽出されるCNLSにはフェノール類縁体が豊富に含まれています。したがって、CNLS由来のカルダノールやその誘導体から重...
キーワード:炭素収支/アルキル化/アルキル化反応/触媒反応/樹脂/ZSM-5/固体触媒/カーボンニュートラル/細孔構造/カーボン/廃棄物/バイオマス/フェノール/誘導体
他の関係分野:化学工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年7月7日
44
食習慣で鱗食魚の顎が左右非対称になることを実証
~右利き・左利きの形成メカニズムの解明に期待~(理学研究院准教授 竹内勇一)
北海道大学大学院理学研究院の竹内勇一准教授、富山大学医学部(研究当時)の丸林菜々子氏、福井県立大学海洋生物資源学部 先端増養殖科学科の八杉公基准教授からなる研究グループは、動物の右利き・左利きの教科書的な例として知られる、タンガニイカ湖産の鱗食性シクリッド科魚類Perissodus microlepis(鱗食魚)の利きが、他の魚のウロコをはぎ取って食べるという摂食経験によって顕著化されることを突き止めました。ヒトの利き手に代表される「利き」は、遺伝と生後環境の両方の影響を受けて形成されますが、その因果関係はいまだによく分かっていません。「利き」、すなわち左右性のモデル...
キーワード:人工知能(AI)/食行動/海洋/対称性/非対称性/因果関係/シクリッド/表現型可塑性/行動解析/海洋生物/生物資源/可塑性/食習慣
他の関係分野:情報学複合領域数物系科学生物学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月30日
45
すい管腺がん細胞の細胞死を誘導する新たな手法を発見
~難治性がんに対する新たな治療法開発の加速に期待~(遺伝子病制御研究所教授 園下将大)
北海道大学遺伝子病制御研究所がん制御学分野の園下将大教授、株式会社フライワークスらの研究グループは、すい臓に発生するがんの大部分を占めるすい管腺がん(PDAC)の新たな代謝的脆弱性としてニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)合成経路を同定しました。さらに、NAD合成経路の下流で機能するGPx4が、PDACの治療標的であることを見出しました。特に、GPx4阻害剤ML210とMEK阻害剤trametinibを併用することで、ヒトPDAC細胞の細胞死(フェロトーシス)を誘導してPDAC形成を抑制できることを発見し、この組み合わせ療法がPDACに対する有望な治療戦略となる可能性を示...
キーワード:脆弱性/アミド/抵抗性/ビタミン/新規治療法/ROS/治療標的/モデルマウス/がん細胞/ショウジョウバエ/マウス/活性酸素/活性酸素種/細胞死/阻害剤/ストレス/遺伝子/遺伝子変異/高齢化/酸化ストレス
他の関係分野:化学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月27日
46
イカ類は1億年前に既に誕生し爆発的に多様化していた
~古生物学を根本から変革するデジタル化石マイニング技術~(理学研究院准教授伊庭靖弘)
北海道大学大学院理学研究院の池上 森学術研究員、伊庭靖弘准教授、高輝度光科学研究センターの竹田裕介研究員、ルール大学のヨーク・ムッターローゼ教授は、岩石中の全ての化石を完全な形で取り出す手法を開発し、約1億~7,000万年前(白亜紀後期)のイカ類化石を大量に発見・分類することで、その個体数や多様性の変動を解明しました。イカ類は、無脊椎動物中で最も高い身体能力と爬虫類に匹敵する巨大脳をもつ、特異な進化を遂げた生物です。これにより現在のイカ類は海洋全域で繁栄し、生態系や漁業を支える中核となっています。しかし、骨や殻を持たない彼らはほとんど化石として保存されないため、いつ誕生しどのように...
キーワード:情報量/海洋/古生物学/白亜紀/爬虫類/脊椎動物/デジタル化/大脳/生態系/無脊椎動物/海洋生態/海洋生態系/漁業/脊椎
他の関係分野:情報学数物系科学生物学工学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月24日
47
日本における絶滅種タカネハナワラビの再発見
~希少種ミヤマハナワラビの新産地の同時発見を添えて~(総合博物館助教 首藤光太郎)
日本データーサービス株式会社の平野遥人氏、草花堂(兼北海道大学総合博物館ボランティア)の藤田 玲氏、国立科学博物館の海老原淳研究主幹、北海道大学公共政策大学院の中山隆治教授、同大学総合博物館の首藤光太郎助教らの研究グループは、これまで国内では絶滅したと考えられてきたタカネハナワラビと、本種に近縁かつ希少なミヤマハナワラビの2種が、北海道有珠山で隣接して生育していることを発見・報告しました。タカネハナワラビは、国内では1976年に北海道有珠山で一度だけ採集記録のあるシダです。発見の翌年に有珠山が噴火し生育地が壊滅したこと、その後生育記録がないことから、環境省第5次レッドリストで絶滅(...
キーワード:ボランティア/公共政策/維管束/絶滅危惧種
他の関係分野:複合領域生物学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月20日
48
海洋の窒素循環を解明する新たな研究
~アナモックスの酸素同位体分別測定に初めて成功~(工学研究院 教授 岡部聡)
北海道大学大学院工学研究院の岡部 聡教授、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の小林香苗特任研究員らの研究グループは、嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)反応における酸素同位体分別(18ε)を求めることに世界で初めて成功しました。海洋の窒素循環は、地球環境の維持に不可なサイクルであり、その仕組みを正確に理解することにより、気候変動対策や生態系の保全に大きく寄与することができます。しかし、その中で重要な役割を果たす嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)による窒素除去のプロセスについては、まだ未解明な点が多く残されています。特に、アナモックスの酸素同位体...
キーワード:窒素循環/海洋/気候変動/酸素同位体/酸素同位体比/地球化学/同位体/同位体分別/同位体比/アンモニア/分子状酸素/地球環境/機構総合/同位体効果/生態系/細菌
他の関係分野:数物系科学化学工学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月16日
49
オホーツク海南部氷縁域の氷盤分布観測にはじめて成功
~季節海氷域の融解過程の理解と変動予測への貢献に期待~(低温科学研究所 助教 豊田威信)
北海道大学低温科学研究所の豊田威信助教、西岡 純教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科の早稲田卓爾教授、国立極地研究所の伊藤優人研究員らの研究グループは、オホーツク海南部海氷域氷縁域の氷盤分布の特徴を明らかにして氷縁域における融解過程の仕組みを解明しました。現在、オホーツク海を含む世界の海氷域は減少傾向にあります。気候変動予測を行うためには、気候モデルの中で海氷融解を正しく再現する必要があるのですが、海氷の融解過程は未だに十分理解されておらず、最新の気候モデルでも融解期の海氷域の再現性は低い状況にありました。オホーツク海のような季節海氷域の後退を制御するのは氷縁域の融解...
キーワード:海氷/極地/自己相似/自己相似性/オホーツク海/気候モデル/気候変動/熱力学/モデル化/数値モデル/ドローン
他の関係分野:数物系科学工学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年6月5日
50
世界初!群来くき(ニシンの大規模産卵)の可視化に成功
~水産学・生態学・水産資源管理など多岐にわたる分野への貢献を期待~(北方生物圏フィールド科学センター教授宮下和士)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの宮下和士教授、南 憲吏准教授、朱 妍卉特任助教、佐藤信彦氏(研究当時、現 水産研究・教育機構)、同大学大学院水産科学研究院の富安 信助教、同大学大学院環境科学院の関 恭佑氏、黒田充樹氏、標津サーモン科学館館長の市村政樹氏らの研究グループは、一般的に群来(くき)と呼ばれる、大規模なニシン(Clupea pallasii)の集団産卵の行動を世界で初めて可視化し、産卵時の行動が周期的に変化することを発見しました。集団産卵は魚類に広く見られる繁殖様式であり、群れの中で複数個体が精子の放出(放精)と卵の放出(放卵)を繰り返す特徴があり...
キーワード:沿岸生態系/海洋/フェロモン/個体群/生態系/TEMPO/漁業/資源管理/水産学/生態学/受精/精子
他の関係分野:生物学農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年5月20日
51
産業革命から現在までの大気硝酸量の変遷を北極アイスコアから復元
~人為窒素酸化物の排出量と大気中の硝酸の存在形態が北極の大気硝酸量を制御することを解明~(低温科学研究所 准教授 飯塚芳徳)
北海道大学低温科学研究所の飯塚芳徳准教授、的場澄人助教、金沢大学の石野咲子助教、中国南京大学の服部祥平准教授、名古屋大学大学院環境学研究科の藤田耕史教授らの研究グループは、グリーンランドのアイスコアに記録された産業革命から現在までの大気硝酸濃度と、人為窒素酸化物(NOx)の排出量の変化との間にタイムラグがあり、そのタイムラグが大気酸性度に依存した大気硝酸の長距離輸送のされやすさの変化に起因することを解明しました。北極のアイスコアは大気質や気候に影響を及ぼす大気硝酸量を過去から現在まで連続して記録しています。これまで分析されたグリーンランド中央部のアイスコアでは...
キーワード:アイスコア/気候変動/大気化学/NOx/経年変化/酸化物/窒素酸化物/光分解
他の関係分野:数物系科学工学総合生物
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年4月10日
52
西部北太平洋の植物プランクトン群集組成を制御する栄養物質供給機構の解明
~北太平洋中層水から供給される鉄とケイ素の重要性~(低温科学研究所教授西岡純)
北海道大学低温科学研究所附属環オホーツク観測研究センターの西岡 純教授、同大学大学院地球環境科学研究院の鈴木光次教授、東京大学大気海洋研究所の小川浩史教授、安田一郎教授(研究当時)らの研究グループは、北太平洋の中層水から供給される鉄(Fe)やケイ素(Si)、窒素(N)などの栄養物質量とその化学量論比が、表層の植物プランクトン群集組成を制御することを明らかにしました。これまで、オホーツク海やベーリング海などの北方圏縁辺海から北太平洋に繋がる中層の循環によって植物プランクトンの増殖に欠かせないFeやSiやNなどの栄養物質が移送され、北太平洋の生物生産を高めていることが分かっていました。...
キーワード:産学連携/フラックス/海洋炭素循環/珪藻/海洋/炭素循環/オホーツク海/気候変動/北太平洋/乱流混合/ケイ素/地球環境/栄養塩/化学工学/ベーリング海/生態系/プランクトン/海洋生態/海洋生態系/植物プランクトン/親潮/生物生産
他の関係分野:複合領域数物系科学化学工学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年4月1日
53
発酵的水素生成能の高いマリン・ビブリオの存在意義
~カーボンニュートラルの実現に向けたマリン・バイオリソースの活用に期待~(水産科学研究院教授澤辺智雄)
北海道大学大学院水産科学研究院の美野さやか助教、澤辺智雄教授、インド国立科学技術研究所のラメッシュクマー博士、ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学のトンプソン教授らの研究グループは、発酵的水素生成能の高い海洋細菌であるビブリオ・トリトニアスを見いだし、ゲノム比較、網羅的遺伝子発現解析、生理比較などを行い、この細菌が高い水素生成を維持し続けている理由を検討してきました。一連の研究は、発酵的水素生成に寄与するギ酸水素リアーゼ複合体(FHL)遺伝子群が、他の細菌には類を見ない、美しく整然と並んだ単一遺伝子クラスターを形成していることや、発酵的水素生成の過程で生じるギ酸の再取り込みが高い水素生成に寄与...
キーワード:産学連携/温室効果ガス/海洋/水素生成/温室効果/海底堆積物/堆積物/分子系統解析/分子系統/生産技術/カーボンニュートラル/カーボン/遺伝子クラスター/発酵/海洋細菌/輸送体/消化管/系統解析/バイオ燃料/微生物/遺伝子発現解析/発現解析/網羅的遺伝子発現解析/解糖系/大腸/大腸菌/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現/細菌
他の関係分野:複合領域数物系科学生物学工学総合生物農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年3月13日
54
国内で約半世紀ぶりに確認されたモウコムカシヨモギ
~珍外来種が浜厚真の海岸を埋め尽くす~(総合博物館助教首藤光太郎)
北海道大学総合博物館の首藤光太郎助教、同ボランティアの道川富美子氏、同大学院地球環境科学研究院の露崎史朗教授、北海道野生植物研究所の五十嵐博氏らの研究グループは、北海道厚真町と石狩市で、国内で約半世紀ぶりにモウコムカシヨモギの生育を確認し、生育環境から外来種と推定されること、今後の分布拡大に注意が必要であることを報告しました。モウコムカシヨモギは、国内では約50年前に一度だけ室蘭市で採集記録のある植物です。当時から外来種であることが推定されていましたが、本種の国内分布を指摘した海外の文献もあり、分布の実態が曖昧でした。2022~2023年に、露崎教授と道川氏は、厚真町と石狩市で、そ...
キーワード:ボランティア/産学連携/外来種/地球環境/生態系
他の関係分野:複合領域工学農学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年3月6日
55
マナマコをストレスの少ない生理状態に保ち成長を促すマリン・プロバイオティクス
~次世代のマナマコ種苗生産への応用に期待~(水産科学研究院教授澤辺智雄)
北海道大学大学院水産科学院修士課程2年の工藤梨花氏、同大学大学院水産科学研究院の美野さやか助教、澤辺智雄教授、IUF-Leibniz Research Institute for Environmental MedicineのNguyen博士、Rossi博士、北海道立総合研究機構水産研究本部函館水産試験場の酒井勇一主任主査らの研究グループは、マナマコの成長を促す新規な海洋細菌の稚ナマコに対する効果を調べるため、網羅的な遺伝子発現解析を行いました。その結果、このプロバイオティクスは餌料に不足している栄養を補助しながら、稚ナマコをストレスの少ない生理状態に維持していることが示唆されました。...
キーワード:産学連携/海洋/海洋細菌/プロバイオティクス/種苗生産/微生物/プロテオグリカン/遺伝子発現解析/発現解析/ストレス応答/トランスクリプトーム/ストレス/遺伝子/遺伝子発現/細菌/脂質
他の関係分野:複合領域農学医歯薬学
概要表示
折りたたむ
発表日:2025年2月14日
56
動物プランクトン群集サイズ組成の海域と深度による変化
~溶存酸素とカラヌス目カイアシ類の体サイズの大きな影響が明らかに~(水産科学研究院 准教授 山口 篤)
北海道大学大学院水産科学院修士課程2年の金 東佑氏、同大学大学院水産科学研究院の松野孝平助教、山口 篤准教授、海洋生物環境研究所の米田壮汰博士らの研究グループは、西部北太平洋の亜寒帯~亜熱帯域に位置する5定点にて、海表面から水深3,000mの深海までの動物プランクトン群集サイズ組成の、定点及び深度による変化を調査し、その要因を明らかにしました。動物プランクトン群集サイズ組成は、深海への物質輸送量を表す指標です。しかし、西部北太平洋における動物プランクトン群集サイズ組成の、水深及び地理変化に関する知見は乏しいのが現状でした。研究グループは亜寒帯~亜熱帯域の5定点にて、水深0-3,00...
キーワード:産学連携/海洋/溶存酸素/北太平洋/物質輸送/海洋生物/カイアシ類/プランクトン/動物プランクトン/SPECT
他の関係分野:複合領域数物系科学工学農学医歯薬学