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研究分野:化学 に関係する研究一覧:54件
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発表日:2026年4月24日
1
ボールミルを用いた化学反応の特徴的な進み方は反応速度を支配する過程の切り替わりが原因!?
~有機化学とソフトマター物理学の融合研究でメカノケミカル合成の律速過程に迫る~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点特任准教授 山本哲也)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の山本哲也特任准教授、原渕 祐特任教授、江 居竜准教授、WPI-ICReDD及び同大学大学院工学研究院の久保田浩司教授、伊藤 肇教授らの研究グループは、有機化学とレオロジーの融合研究にて、ボールミルによるメカノケミカル有機合成の反応速度を決定する過程を予言する理論の構築に成功しました。従来の希薄溶液中での有機合成とは異なり、ボールミルを用いたメカノケミカル有機合成は、溶媒を必要としない、効率的な合成法として注目を集めています。希薄溶液中では、多くの場合、反応が進むと反応物が少なくなるので、時間とともに反応...
キーワード:クロスオーバー/ソフトマター/ソフトマター物理/スケーリング/物理化学/メカノケミカル/設計論/反応速度/レオロジー/有機合成
他の関係分野:数物系科学工学医歯薬学
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発表日:2026年4月23日
2
α-シリル有機アルキル金属錯体のユニークな反応性の発見
~アルカリ金属錯体の新たな設計指針へ~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点特任助教 神名航)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の神名 航特任助教と林 裕樹特任准教授(研究当時。現・名古屋大学物質科学国際研究センター准教授)及び英国バーミンガム大学博士課程のシャオ・ヤン氏、同大学エアリ・ルー准教授、ニューキャッスル大学のジャック・ヘミングウェイ博士研究員らの国際研究グループは、α-シリル有機リチウム錯体及びα-シリル有機ナトリウム錯体が、同じ配位子を有しながら中心金属の性質によって異なる反応性を示すことを明らかにしました。α-シリル有機金属錯体は、その特有の反応性から、有機合成においてこれまでに幅広く利用されてきました。中でも、炭...
キーワード:アルカリ金属/物質科学/ケイ素/金属錯体/反応機構/有機金属錯体/有機金属/シリコン/リチウム/二酸化炭素/二酸化炭素/ナトリウム/アレン/配位子/有機合成
他の関係分野:数物系科学総合理工工学医歯薬学
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発表日:2026年4月21日
3
光で操る「マイクロドローン」でナノ空間の微小な力を全方位計測
~6自由度制御により、光の「ねじれ」が生む未知のトルクを初観測~(電子科学研究所教授 田中嘉人)
北海道大学電子科学研究所の田中嘉人教授らの研究グループは、光で自在に操る「マイクロドローン」を用いて、これまで光の回折限界という制約のために測定が困難だった、ナノ空間で働く微小な力とトルク(回転させる力)を3次元的に計測する全く新しい手法を開発しました。光がナノ粒子に及ぼす力は、ナノ粒子操作技術やナノマシン技術に欠かせない重要な要素です。しかし光には「回折限界」と呼ばれる性質があるため、ナノ粒子の位置や向きを正確に制御・計測することが難しく、力の働き全体(力学応答)を捉えることが困難でした。本研究では、十字型のマイクロ構造体の中心に測定対象のナノ物質を埋め込んだ、独自の「センサー機体...
キーワード:異方性/キラリティー/ナノ物質/回折限界/金属ナノ粒子/センサー/センシング/トルク/ナノ空間/ナノ構造/ナノ粒子/マイクロ/レーザー/量子力学/ドローン/ナノマシン/ラット/生体分子
他の関係分野:数物系科学総合理工工学農学医歯薬学
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発表日:2026年4月20日
4
全ゲノム倍加の起こり方が細胞の運命を左右
~発生・老化・がん・進化の理解に資する基盤原理~(先端生命科学研究院准教授 上原亮太)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の上原亮太准教授、慶應義塾大学理工学部の塚田祐基講師らの研究グループは、多様な生命現象の引き金となる「全ゲノム倍加」を起こした細胞の運命を決定づける細胞要素を特定しました。全ゲノム倍加は多様な生理・病理現象の発生に密接に関わり、特に固形がんの3割に共通する細胞異常として、その特性の理解と制御が重要課題となっています。本研究では、全ゲノム倍加が、その起こり方の違いによって著しく生存性の異なる細胞を生み出すことを発見しました。先端的細胞イメージング及び細胞構造操作実験によって、全ゲノム倍加の際に姉妹染色体分離が起こらない場合には、細胞内の染色体コピーが極...
キーワード:細胞イメージング/オルガネラ/染色体/病理/細胞死/細胞増殖/ゲノム/老化
他の関係分野:生物学医歯薬学
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発表日:2026年4月18日
5
ポリエーテル系天然物の精巧な生合成経路を一般化
~単独では立体構造を形成できない、極端に柔軟な酵素が存在する~(先端生命科学研究院教授 尾瀬農之、名誉教授 及川英秋)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の尾瀬農之教授、薮野奈々研究補佐員、久米田博之学術専門職、同大学の及川英秋名誉教授、同大学大学院理学研究院の尾崎太郎助教(研究当時、現・東北大学准教授)、東京科学大学理学院化学系の南 篤志教授らの研究グループは、自然界に存在する天然化合物の主要な一群であるポリエーテル系天然物が作られる際の連続的環化反応を、特殊な工夫をして明らかにしました。ポリエーテルの代表的化合物モネンシンは抗生物質として利用されていますが、キーとなる生合成の過程で4回の連続的酵素環化反応が起こります。この反応はファスナーが閉じるように、端から順番に起こることが予測されていましたが、どういう...
キーワード:人工知能(AI)/磁気共鳴/水溶液/構造形成/結晶解析/質量分析/動力学/分子動力学/遺伝子破壊/ポリエーテル/生合成経路/放線菌/生合成/酵素反応/核磁気共鳴/核磁気共鳴法/環化反応/抗生物質/天然化合物/分子動力学計算/立体構造/遺伝子
他の関係分野:情報学数物系科学生物学総合理工工学農学医歯薬学
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発表日:2026年4月3日
6
小惑星ベヌー試料から核酸塩基と高濃度の尿素を検出
~小惑星環境での化学プロセスの絞り込みに成功~(低温科学研究所准教授 大場康弘)
北海道大学低温科学研究所の大場康弘准教授、海洋研究開発機構の古賀俊貴ポストドクトラル研究員、高野淑識上席研究員、九州大学大学院理学研究院の奈良岡浩教授(研究当時)、東北大学大学院理学研究科の古川善博教授らが所属する国際研究グループは、アメリカNASA主導の小惑星探査計画「OSIRIS-REx」で炭素質B型小惑星(101955)ベヌー(Bennu)から持ち帰られた粒子から、地球生命に必須の核酸塩基全5種を含む、合計38種の窒素複素環化合物、及び高濃度の尿素の検出に成功しました。小惑星サンプルリターン計画「OSIRIS-REx」では、炭素質小惑星ベヌーで採取した試料(計121.6グラム)...
キーワード:海洋/化学進化/小惑星/惑星/惑星探査/アンモニア/複素環化合物/グルコース/有機分子/アミン/前駆体/有機物/RNA/アミノ酸/核酸塩基/遺伝子
他の関係分野:環境学数物系科学生物学総合理工工学医歯薬学
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発表日:2026年4月2日
7
タンパク質の温度適応を決める新原理を解明
~「しなやかさ」ではなく反応エネルギーが鍵~(先端生命科学研究院助教 塚本卓)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の塚本 卓助教らの研究グループは、地球規模で多様な温度環境に適応した微生物が持つ3種類の光応答性タンパク質(プロトン(H+)ポンプ型ロドプシン)について、その光反応の仕組みを温度ごとに詳しく調べ、温度適応の分子機構を解明しました。プロトンポンプ型ロドプシンは、光エネルギーを利用して細胞膜の内外にプロトン濃度勾配を形成し、ATP合成などの生命活動を支える重要なタンパク質であり、地球規模のエネルギー循環にも関与する分子として注目されています。これまで、タンパク質の温度適応には分子のしなやかさ(構造の動きやすさ)が重要と考えられてきましたが、本...
キーワード:光エネルギー/光応答性/光反応/ATP合成/プロトンポンプ/光応答/環境適応/温度依存性/熱力学/反応速度/機能性/微生物/プロトン/細胞膜/分子機構/ATP/ロドプシン
他の関係分野:環境学生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年4月2日
8
巨大反応ネットワークで不斉触媒反応を高精度に予測
~機械学習と量子化学を融合し、触媒設計を加速~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 前田理)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)及び同大学大学院理学研究院の前田 理教授らの研究グループは、機械学習と量子化学計算を組み合わせた新しい計算手法により、大規模な不斉触媒反応の反応経路ネットワークを構築し、実験で得られている高いエナンチオ選択性を理論的に再現することに成功しました。不斉触媒は医薬品や機能性材料の合成に不可欠ですが、その分子は大きく柔軟であるため、どのように立体選択性が生じるのかを理論的に理解することは困難でした。本研究では、200原子を超える触媒系に対して、ニューラルネットワークポテンシャル(NNP)とAFIR法(人工力誘起...
キーワード:ニューラルネットワーク/機械学習/量子化/速度論/量子化学/量子化学計算/触媒反応/触媒設計/選択性/シミュレーション/ニューラルネット/機能性材料/機能性/不斉触媒/不斉触媒反応/立体選択性
他の関係分野:情報学数物系科学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年3月31日
9
スメクチック磁束液晶におけるマグナス力支配型の渦ダイナミクスを実証
~超伝導を"トポロジカル流体"として捉える新視点~(理学研究院助教 延兼啓純)
北海道大学大学院理学研究院の延兼啓純助教、同大学大学院理学院の髙橋杏介氏(研究当時)、同大学大学院理学研究院の松永悟明准教授、日本原子力研究開発機構原子力科学研究所先端基礎研究センター(研究開始時:東北大学金属材料研究所)の木俣 基研究副主幹、北海道大学丹田 聡名誉教授らの研究グループは、超伝導体中に形成される「スメクチック磁束液晶」において、トポロジカル欠陥「スメクチック・ディスロケーション渦」の運動を初めて捉え、流体力学的なマグナス力が支配する新しい磁束渦ダイナミクスの観測に成功しました。超伝導体に磁場を加えると、内部には磁束と呼ばれる糸状の量子渦が侵入します。通常、この磁束は比...
キーワード:超伝導体/輸送現象/量子渦/量子輸送/量子輸送現象/磁場/超伝導/液晶/トポロジカル/ダイナミクス/金属材料/原子力/流体力/流体力学/層構造
他の関係分野:数物系科学総合理工工学医歯薬学
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発表日:2026年3月23日
10
「超酸」の中で発光し続ける色素の開発に成功
~酸による分解という最大の弱点を克服、極限環境でのイメージング応用に光明~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 猪熊泰英)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)・同大学大学院工学研究院の猪熊泰英教授らの研究グループは、濃硫酸をはるかに超える酸性度を持つ「超酸」の中でも分解せず発光し続ける蛍光色素「超酸耐性BODIPY」の開発に成功しました。BODIPY(ボロン-ジピロメテン)は50年以上前に開発され、高い発光量子収率を有することから、細胞染色やセンサーなど幅広い用途で利用されている最も有名な蛍光色素の一つです。しかし、この色素には応用範囲を大きく制限する最大の弱点がありました。それが、酸性環境下でホウ素原子が脱離する「脱ホウ素化反応」によって蛍光発光が失われてし...
キーワード:シナジー/分子構造/樹脂/イオン交換/センサー/センシング/フッ素/耐久性/極限環境/ホウ素/光イメージング/官能基/蛍光イメージング/蛍光色素
他の関係分野:複合領域工学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2026年3月13日
11
ヒト大腸にも胆汁酸の入口があった!?
~大腸における新たな胆汁酸輸送へのOATP1B3の関与を示唆~(水産科学研究院准教授 小林彰子)
北海道大学大学院水産科学研究院の小林彰子准教授、東京大学大学院農学生命科学研究科(当時)の黒部(髙島)優季氏、齋藤佑太氏、宮脇里奈氏、同研究科の三坂 巧准教授、溝井順哉准教授、群馬大学生体調節研究所粘膜エコシステム制御分野の柳澤宏太氏、宮内栄治准教授、佐々木伸雄教授、東京理科大学薬学部の荻原琢男教授らの研究グループは、胆汁酸の再吸収は回腸末端が中心という従来理解に加え、ヒト大腸にも一次胆汁酸の取り込みに関与しうる経路が存在する可能性を示しました。胆汁酸は食後に胆嚢から十二指腸へ分泌され、小腸で脂質の消化吸収を助けた後、主に回腸末端で90%以上が再吸収され、門脈を介して肝臓へ戻されて再利用されま...
キーワード:速度論/ポリペプチド/アニオン/システム制御/Caco-2細胞/輸送体/消化管/免疫染色/生理機能/大腸/オルガノイド/小腸/創薬/胆汁酸/有機アニオン/コレステロール/脂質
他の関係分野:数物系科学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年2月21日
12
光渦でキラリティを見分ける仕組みを世界で初めて解明
~光がゼロの"渦の中心"で現れる左右差の起源を突き止める~(電子科学研究所教授 田中嘉人、助教 橋谷田俊)
北海道大学電子科学研究所の橋谷田俊助教、田中嘉人教授らの研究グループは、渦を巻きながら進むねじれた光「光渦」を用いて、物質のキラリティ(左右の違い)を見分ける仕組みを、世界で初めて明らかにしました。キラリティとは、左手と右手のように、鏡に映した像と重ね合わせることができない性質のことです。この性質は自然界の様々な場面に現れ、分子からナノサイズの構造の中にも存在します。特にタンパク質では、その立体的なねじれの形が生命の働きを左右する重要な役割を担っています。近年、光渦を用いると物質のキラリティを検出できる可能性が注目されてきました。キラリティを持つ物質に左巻きと右巻きの光渦...
キーワード:軌道角運動量/分子集合体/ナノサイズ/ナノ構造/高次構造/分子集合
他の関係分野:数物系科学工学医歯薬学
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発表日:2026年2月19日
13
遅延・二色発光を示す異性体臭化インジウム単結晶を開発
~将来の発光デバイスやディスプレイへの応用に期待~(電子科学研究所教授 Vasudevan Pillai Biju)
北海道大学電子科学研究所のヴァスデヴァン・ピライ・ビジュ教授と岡本拓也助教らの研究グループは、熊本大学大学院先端科学研究部の高橋仁徳准教授らとともに、遅延発光と二色発光の両方を示す有機-無機ハイブリッド型の臭化インジウム単結晶の開発に成功しました。発光材料はLEDやディスプレイなどに幅広く利用され、発光の色やその持続時間は材料中の電子の動きや原子との相互作用によって決まります。近年、有機-無機ハイブリッド材料、特にハイブリッド金属ハライドが注目されています。鉛などの有害な金属を用いた材料の代替として、構造の自由度が高く安全なインジウムのハイブリッド材料への関心が高まっていますが、複...
キーワード:時間分解/化学組成/ディスプレイ/ハイブリッド材料/光デバイス/発光材料/発光ダイオード(LED)/単結晶/構造制御/励起子/結晶構造/インジウム
他の関係分野:数物系科学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年2月17日
14
"食べられる触媒"を利用した生分解性高分子の精密合成
~安全かつ実用的な高分子合成法の確立に期待~(工学研究院教授 佐藤敏文、助教 李灃)
北海道大学大学院工学研究院の佐藤敏文教授、磯野拓也准教授及び李 灃助教らの研究グループは、食品添加物として利用されている安全性の高い化合物を触媒として用い、ポリ乳酸やポリ-εイプシロン-カプロラクトンなどの生分解性を有する脂肪族ポリエステル(APE)の精密合成法を確立しました。APEは、生分解性・生体適合性・生体吸収性に優れていることから、環境に優しいプラスチック材料として、また吸収性縫合糸やインプラントなどの医用高分子材料としての応用が進められています。現在、APEの工業的合成には、スズなどの重金属を含む触媒を用いた重...
キーワード:重金属/アルカリ金属/共重合体/エステル/ブロック共重合体/ポリエステル/共重合/高分子/高分子合成/生分解性高分子/材料科学/生分解/生体適合性/カリウム/プラスチック/高分子材料/生分解性/機能性/クエン酸/有機酸/ナトリウム/インプラント/重合反応/有機触媒
他の関係分野:環境学数物系科学総合理工工学農学医歯薬学
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発表日:2026年2月6日
15
血糖生成酵素MGAMの分子構造と阻害機構を解明
~血糖値上昇を抑制する新規薬剤・食品開発への貢献に期待~(農学研究院准教授 田上貴祥)
北海道大学大学院農学研究院の田上貴祥准教授、奥山正幸教授らと、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所構造生物学研究センターの川崎政人准教授、安達成彦特任准教授(研究当時。現 筑波大学生存ダイナミクス研究センター准教授)、千田俊哉教授らの研究グループは共同で、血糖を生成する酵素であるマルターゼ-グルコアミラーゼ(MGAM)が拮抗阻害剤AC5によって阻害される仕組みを分子レベルで明らかにしました。MGAMは哺乳類の小腸に存在する澱粉消化酵素の一つです。MGAMの阻害は、食後血糖値の急激な上昇(血糖値スパイク)を抑制し、2型糖尿病の予防や治療に有効です。しかし、MGAMを...
キーワード:高エネルギー/加速器/速度論/分子構造/ダイナミクス/電子顕微鏡/哺乳類/クライオ電子顕微鏡/血清/構造生物学/小腸/阻害剤/立体構造/2型糖尿病/糖尿病
他の関係分野:数物系科学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年2月4日
16
皮脂ワックスエステルの詳細な組成と合成酵素を解明
~乾燥肌、ニキビ、脱毛の治療及び診断法の開発に期待~(薬学研究院教授 木原章雄)
北海道大学大学院薬学研究院の木原章雄教授らの研究グループは、皮脂を構成するワックスエステル(ワックス)のタイプ及び分子種の詳細について明らかにしました。皮脂は保湿、撥水、抗菌、体温維持、毛の保持などの役割を担い、皮脂の分泌量の増減や組成の変化はニキビ(ざ瘡)、乾燥肌、脂漏性皮膚炎、脱毛症などの皮膚疾患を引き起こします。ワックスエステルはワックスモノエステルとワックスジエステルに分類され、ワックスジエステルはさらに異なったタイプに分類されます。これまで皮脂中のワックスエステルのタイプ及び詳細な分子種とその生合成に関わる酵素/遺伝子には不明な点が多く残されていました。研究グループは液体...
キーワード:エステル/質量分析/選択性/モニタリング/モデル生物/診断法/哺乳類/生合成/分子機構/クロマトグラフィー/マウス/遺伝子ノックアウト/皮膚疾患/遺伝子
他の関係分野:総合理工工学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2026年1月16日
17
バイオマス由来糖類を効率よく分解する触媒反応を開発
~バイオマス由来糖類の利用拡大に期待~(触媒科学研究所教授 中島清隆)
北海道大学触媒科学研究所のナヴヤ・サブレイ・バット非常勤研究員(研究当時)、大須賀遼太助教、中島清隆教授らの研究グループは、植物の主要な構成成分であり自然界に豊富に存在するグルコースを原料として、炭素数4の希少糖であるエリスロース(ERT)と炭素数2の炭水化物であるグリコールアルデヒド(GA)を高い選択率で合成できる新しい触媒反応系を開発しました。化学産業におけるCO2排出量の大幅削減を達成するためには、現在の化学産業を下支えしている炭素数2~4の炭素骨格をもつ汎用分子(エチレン、プロピレン、ブテン)を、非可食バイオマスをはじめとする再生可能炭素資源から供給で...
キーワード:炭素循環/ピレン/触媒反応/グルコース/プロピレン/固体触媒/カーボンニュートラル/CO2排出量/カーボン/二酸化炭素/エチレン/バイオマス/炭水化物/アルデヒド/誘導体
他の関係分野:環境学生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年12月9日
18
有機ナトリウム試薬の簡便かつ環境調和型な合成法の開発
~豊富資源であるナトリウムを活用したサスティナブルな有機合成プロセスの実現へ~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点・工学研究院教授 伊藤肇、准教授 久保田浩司)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)、同大学大学院工学研究院の伊藤 肇教授、久保田浩司准教授らの研究グループ及びイギリス・ニューキャッスル大学のロリー・アームストロング講師、イギリス・バーミンガム大学のエルリー・ルー准教授らの研究グループは、ボールミルという粉砕機を用いたメカノケミカル法を利用し、豊富資源として活用が期待されている有機ナトリウム試薬を、有機溶媒をほとんど用いない環境に優しい条件で効率的に合成し、有機合成に応用する新しい手法を開発しました。有機リチウムは、有機合成において幅広く利用されており、医薬品や有機材料の合成に不可欠な...
キーワード:ハロゲン/環境調和/メカノケミカル/有機材料/持続可能/リチウム/環境負荷/ナトリウム/有機合成
他の関係分野:数物系科学工学医歯薬学
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発表日:2025年12月2日
19
多くの"仮足"を巧みに使う有殻アメーバの動き方を解明
~単細胞生物とは思えない精密な運動の仕組み~(電子科学研究所准教授 西上幸範)
北海道大学大学院電子科学研究所の西上幸範准教授、中垣俊之教授、谷口篤史博士研究員、北海道大学大学院生命科学院博士後期課程(研究当時)の松本絃汰氏らの研究グループは、山形大学理学部の野村真未助教、法政大学自然科学センター・国際文化学部の島野智之教授、リヨン第1大学のリウ ジャンーポール教授、富山大学の佐藤勝彦特命教授らとともに、殻を背負って生活するアメーバ「ナベカムリ」のアメーバ運動を力学的側面から詳細に調べました。ナベカムリは細胞体がキチン質の殻に囲まれていますが、その殻の底面に開いた一つの孔から複数の仮足を伸ばし、殻を引っ張りながら移動します。この移動様式は多くの接着性細胞が行う一般的なア...
キーワード:応力場/弾性率/環境適応/キチン
他の関係分野:数物系科学生物学農学
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発表日:2025年11月5日
20
環状リポペプチドの化学-酵素ハイブリッド合成
~有用生物活性環状ペプチドの迅速な同定に期待~(薬学研究院教授 脇本敏幸、准教授 松田研一)
北海道大学大学院薬学研究院の脇本敏幸教授、松田研一准教授らの研究グループは、同大学大学院薬学研究院の市川 聡教授、勝山 彬講師、国立感染症研究所の星野仁彦博士、深野華子博士、平林亜希博士、鈴木仁人博士らとの共同研究により、非リボソームペプチド環化酵素を利用した環状リポペプチドの効率的な化学―酵素的合成法を開発しました。大環状骨格と脂肪側鎖を併せもつ環状リポペプチドは重要な抗菌化合物群ですが、化学構造が複雑なため構造多様性に富むライブラリー構築は困難です。本研究では、ペプチド主鎖両末端を結合するhead-to-tail型の非リボソームペプチド環化酵素が、基質設計の工夫によりhead-...
キーワード:酵素合成/有機合成化学/生物活性/リボソーム/ペプチド合成/生合成/生合成酵素/酵素反応/結核/アシル化/環状ペプチド/合成化学/有機合成/感染症
他の関係分野:総合生物農学医歯薬学
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発表日:2025年11月1日
21
涙液油層を構成する脂質の詳細な組成を解明
~ドライアイ診断法の開発に期待~(薬学研究院教授 木原章雄)
北海道大学大学院薬学研究院の木原章雄教授らの研究グループは、涙液油層を構成する多様な脂質のクラス及び分子種の詳細について明らかにしました。水溶液成分のみで構成されると考えられがちな涙液には実は外側に油層が存在し、涙液からの水分の蒸発を防ぐことによって角膜の健康を維持し、ドライアイを防いでいます。涙液油層の脂質は主に瞼に存在するマイボーム腺から分泌される脂質(マイバム脂質)で構成されています。マイバム脂質には多様な脂質が含まれていますが、ヒトにおけるこれらの脂質のクラスと分子種には不明な点が多く残されていました。研究グループは液体クロマトグラフィー連結タンデム質量分析の多重反応モニタ...
キーワード:水溶液/エステル/質量分析/選択性/モニタリング/診断法/ドライアイ/角膜/アルコール/分子機構/クロマトグラフィー/脂肪酸/コレステロール/脂質
他の関係分野:数物系科学総合理工工学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年10月29日
22
応力光学法則の適用限界を明らかに
~複雑流動の光弾性計測に新たな指針~(工学研究院教 授田坂裕司)
北海道大学大学院工学研究院の田坂裕司教授、ペンシルバニア大学の能登大輔研究員(研究当時:北海道大学大学院工学研究院)、名古屋大学の大家広平助教(研究当時:北海道大学大学院工学研究院)の研究グループは、複屈折による光弾性計測を複雑な流体の非定常せん断流れに用いた場合、呈する干渉色とその時間変化が、必ずしも局所の流れのひずみやひずみ速度などと一致しないことを、精緻な流れの計測により明らかにしました。この結果は、現在開発が進む、光弾性を用いた流れの応力場計測法とその適用に一石を投じるものであり、新たな開発の指針とさらなるイノベーションがもたらされることが期待されます。様々な機能性を持つゲ...
キーワード:水溶液/複雑流体/応力場/時間変動/数値計算/高分子/複屈折/せん断/ひずみ/プラスチック/生産性/非定常流/非定常流れ/機能性/緩和時間
他の関係分野:数物系科学工学農学
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発表日:2025年10月26日
23
細胞内のmicroRNA濃度を簡便に定量する新技術を開発!
~新しいがん診断や個別化医療への応用に期待~(電子科学研究所准教授 三友秀之)
北海道大学電子科学研究所の三友秀之准教授、居城邦治教授、同大学大学院生命科学院博士後期課程の卫 文婷氏らの研究グループは、細胞内のmicroRNA(miRNA)濃度を簡便かつ正確に定量する新技術を開発しました。がんや感染症をはじめとする多くの疾病は、細胞内miRNAの量の変化と密接に関係しており、miRNAは有力な疾患バイオマーカーとして注目されています。そのため、生きた細胞内でmiRNAを正確に定量する技術の開発は、診断や新しい治療法の開発に直結する重要な課題とされてきました。本研究では、ナノスケールのDNAマシンを応用し、「二足歩行型DNAウォーカー」を基盤とした検出...
キーワード:環境変動/金ナノ粒子/蛍光センサー/生細胞/二足歩行/センサー/ナノスケール/ナノ粒子/光センサー/ナノマシン/光イメージング/蛍光イメージング/創薬/miRNA/バイオマーカー/感染症/個別化医療
他の関係分野:環境学生物学工学医歯薬学
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発表日:2025年10月23日
24
アルキルケトンの一電子還元を基軸にした新反応の開発
〜Virtual Ligand-Assisted Screening(VLAS)法を用いる環境調和型合成法を実現〜(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 美多 剛、特任助教 田中耕作三世)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の田中耕作三世特任助教、美多 剛教授、松岡 和特任准教授、WPI-ICReDD及び同大学大学院理学研究院の前田 理教授らの研究グループは、量子化学計算による機構解析と実験検証を組み合わせることで、これまで困難とされてきたアルキルケトンの一電子還元反応を基盤とする新しい触媒反応の開発に成功しました。本研究では、光励起パラジウム触媒において問題となる「逆電子移動(BET)」を抑制できる最適な配位子を、膨大な候補の中から、計算化学手法「Virtual Ligand-Assisted Screening(VLA...
キーワード:オープンアクセス/量子化/環境調和/量子化学/量子化学計算/カップリング反応/触媒反応/電子移動/光励起/還元反応/カップリング/オレフィン/ケトン/スクリーニング/パラジウム/パラジウム触媒/ラジカル/リガンド/配位子
他の関係分野:情報学数物系科学工学医歯薬学
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発表日:2025年10月20日
25
バイオリサイクルに革新:PET分解酵素の活性を69%向上
〜疎水性アルキル鎖をN末端に連結する簡便な酵素改変技術を開発〜(地球環境科学研究院教授 小野田晃)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の小野田晃教授、北海道立総合研究機構の瀬野修一郎主査、名古屋大学大学院理学研究科、自然科学研究機構 生命創成探究センターの内橋貴之教授らの国際共同研究チームは、酵素を用いたPETリサイクル技術に革新的な改良を加えることに成功しました。研究チームは、ペットボトルや繊維製品に広く使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)を分解する酵素クチナーゼのN末端に疎水性アルキル鎖を連結し、分解活性を強化する新技術を開発しました。この改変技術は、遺伝子組換えを必要とせず、簡便な化学反応で酵素を改良できます。疎水性部位を連結した酵素は、PET表面により強く吸着し、本来の触...
キーワード:循環型社会/フィルム/ポリエチレンテレフタレート/酵素分解/走査型電子顕微鏡/加水分解/ポリエチレン/水分解/持続可能/地球環境/表面分析/AFM/プラスチック/リサイクル/原子間力顕微鏡/電子顕微鏡/SEM/エチレン/高速原子間力顕微鏡/TPA/遺伝子
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発表日:2025年10月6日
26
時分割X線回折像から粒子の回転を調べる新規手法を開発
~高分子複合材料のナノ物性メカニズム解明に期待~(先端生命科学研究院助教 新井達也)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の新井達也助教、相沢智康教授、及び東京大学大学院新領域創成科学研究科の佐々木裕次教授らの研究グループは、時分割X線回折像から高分子複合材料におけるナノ粒子の回転ダイナミクスを測定する新たなX線活用手法の開発に成功しました。高分子にナノ粒子を添加した複合材料は、ゴムやプラスチックなどの様々な材料として広く使用されています。これらの材料の柔らかさや耐久性は、内部に分散したナノ粒子の運動性、特に回転運動に大きく依存します。したがって、ナノ粒子の回転運動を可視化する手法は材料開発において極めて重要ですが、そのような運動を汎用的に観測する方法はこれまでほとん...
キーワード:関数解析/相関関数/揺らぎ/X線回折/相転移/高分子/ダイナミクス/ナノスケール/ナノ粒子/プラスチック/ポリマー/結晶化/高分子材料/耐久性/粘弾性/複合材/複合材料/ゆらぎ/構造変化
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発表日:2025年10月2日
27
南関東の世界最大ヨウ素・メタン濃集の謎を解明
~沈み込み帯でのヨウ素のフラッシュ蒸発と移動集積~(北海道大学名誉教授 鈴木德行)
北海道大学の鈴木德行名誉教授(元同大学大学院理学研究院教授)、岡山大学の亀田 純教授、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の天羽美紀特命調査役らの研究グループは、フィリッピン海プレート(PHS)と共に沈み込んでいる海洋堆積物より、小規模なプレート境界地震によってメタン、水素と共にヨウ素がフラッシュ蒸発して排出され、南関東の地下に世界最大のヨウ素・メタン濃集帯水層を形成していることを解明しました。南関東地下の上総層群帯水層には世界のヨウ素埋蔵量の約65%(約400万トン)が濃集し、水溶性メタンの産出量も世界最大です。しかし、なぜこのような莫大な量のヨウ素がメタンと共に同帯水層に濃...
キーワード:海洋/プレート境界/海洋堆積物/高温高圧/深部流体/太平洋プレート/堆積物/地殻変動/沈み込み/沈み込み帯/太陽/液晶/物理化学/ペロブスカイト太陽電池/ペロブスカイト/状態図/太陽電池/電池/トラップ/メタン/熱分解/メタン菌/技術革新/微生物/ヨウ素
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発表日:2025年9月25日
28
コンデンシンはリンカーヒストンと競合してヘテロなDNA構造を形成する
~分裂期染色体形成の生物物理の解明に期待~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点 特任准教授 山本哲也)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の山本哲也特任准教授と理化学研究所開拓研究所の新冨圭史専任研究員、平野達也主任研究員らの研究グループは、ソフトマター物理学と生化学の融合研究によって、分裂期染色体の形成プロセスを妨げた際に出現する奇妙な形状のDNA構造が作られるしくみを説明する物理理論の構築に成功しました。細胞が分裂する直前(分裂期)には、ゲノムDNAが折りたたまれ、分裂期染色体と呼ばれる棒状の構造が形成されます。コンデンシンと呼ばれるタンパク質複合体は、染色体形成に不可欠な因子として同定され、近年ではDNAループを形成する活性を持つこ...
キーワード:ソフトマター/ソフトマター物理/相分離/ゲノムDNA/タンパク質複合体/ヒストン/熱力学/力学モデル/コンデンシン/ヌクレオソーム/カエル/表面構造/リンカーヒストン/染色体/生物物理/精子/ゲノム
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発表日:2025年8月27日
29
水素とナノファイバーを同時合成する光触媒を開発
~次世代水素社会への貢献に期待~(理学研究院准教授 小林厚志)
北海道大学大学院理学研究院の小林厚志准教授、三浦篤志准教授、高橋啓介教授らの研究グループは、金属錯体色素を複層化した光触媒ナノ粒子とアルコール酸化触媒分子を連動させることで、持続利用可能な資源であるセルロースからクリーンエネルギー源となる水素と高機能材料となるセルロースナノファイバー(CNF)を、環境負荷なく同時合成できる光触媒を開発しました。近年深刻化する環境・エネルギー問題の解決に向けて、化石資源に変わる持続利用可能な炭素資源としてセルロースが注目を集めてきました。セルロースは地球上に最も豊富に存在するバイオマス資源ですが、安定な構造を有しているため資源化には多大なコストが必要...
キーワード:機械学習/光エネルギー/水素生成/複雑系/太陽/金属錯体/青色光/太陽光/有機ラジカル/ファイバー/触媒化学/クリーンエネルギー/可視光/持続可能/光照射/二酸化チタン/チタン/ナノファイバー/光触媒/酸化チタン/ナノ粒子/環境負荷/分光分析/インフォマティクス/光分解/機能材料/TEMPO/セルロース/セルロースナノファイバー/バイオマス/アルコール/ラジカル
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発表日:2025年8月21日
30
安全かつ簡便に作れる高性能薄膜トランジスタ
~水素ガス不要で、電界効果移動度は従来比10倍~(電子科学研究所教授 太田裕道)
北海道大学大学院情報科学院修士課程の定平 光氏、同大学電子科学研究所の太田裕道教授、曲 勇作助教(研究当時)、同大学大学院工学研究院の三浦 章教授らの研究グループは、危険な水素ガスや複雑な圧力制御を用いずに、電界効果移動度約90 cm2/V·sの高性能薄膜トランジスタの開発に成功しました。水素添加酸化インジウムを活性層とする薄膜トランジスタは、現在主流の酸化インジウム・ガリウム・亜鉛(IGZO)薄膜トランジスタの約10倍の電界効果移動度を示すことから次世代ディスプレイ用素子として注目されています。しかし、水素は酸素と混合すると爆発の危険があるため、従来の水素ガ...
キーワード:高移動度/ディスプレイ/トランジスタ/薄膜トランジスタ/力制御/電界効果/圧力制御/移動度/水素ガス/インジウム
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発表日:2025年8月21日
31
AIから導くバンドギャップ設計とペロブスカイト合成
~AIと実験を融合した無機材料開発フローを実現~(理学研究院教授 髙橋啓介)
北海道大学大学院理学研究院の髙橋啓介教授、髙橋ローレン助教、フェルナンド・ガルシア=エスコバル博士研究員、同大学大学院理学院博士後期課程1年の田代智哉氏、修士課程2年の柴田憲伸氏らの研究グループは、機械学習によってバンドギャップ(光吸収の指標)を精密に予測・設計できるペロブスカイト無機材料の開発手法を確立しました。これまで、ペロブスカイト材料は太陽光を効率的に吸収できる優れた構造として知られていましたが、バンドギャップがわずかな構造変化で大きく変動するため、材料設計は困難でした。本研究では、過去の文献に基づく282件の実験データを用い、材料中の元素の性質と構造に基づく記述...
キーワード:機械学習/人工知能(AI)/光エネルギー/再生可能エネルギー/回帰モデル/X線回折/近赤外/太陽/赤外分光/光エネルギー変換/太陽光/バンドギャップ/ペロブスカイト/光吸収/水分解/無機材料/光触媒/材料設計/光学特性/電子顕微鏡/インフォマティクス/SEM/エネルギー変換/ベクター/構造変化
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発表日:2025年8月9日
32
有機分子の還元反応が"加圧"により進行することを発見!
~圧力応答性材料開発に向けた新たな設計指針を提供~(理学研究院准教授 石垣侑祐)
北海道大学大学院理学研究院の石垣侑祐准教授、同大学大学院総合化学院博⼠後期課程の菊池モト氏及び九州大学先導物質化学研究所の福原 学教授らの研究グループは、独自に開発したシクロファン型のジカチオンに対して、静水圧を作用させることでレドックス反応が進行することを明らかにしました。シクロファン型分子は、直鎖状分子ではもち得ない物性を示す可能性があることから、機能材料分野において盛んに研究対象とされてきました。例えば、近年大きな注目を集めているピラーアレーンもシクロファンの一種であり、分子認識やドラッグデリバリーシステムへの応用が期待されます。一方、非常に小さな電子のやり取りで駆動可能なレ...
キーワード:水分子/静水圧/分子構造/シクロファン/酸化還元反応/溶媒和/有機分子/還元反応/酸化還元/積層構造/親水性/環境応答性/生体内/機能材料/環境応答/層構造/レドックス/カチオン/構造変化/分子認識
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発表日:2025年8月7日
33
超強力接着性ハイドロゲルのデノボ設計に成功!
~データ駆動型アプローチで材料開発の新境地を開拓~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 龔剣萍、特任教授 瀧川一学)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の范 海竜(ファン・ハイロン)特任准教授(現・深圳大学 准教授)、龔 剣萍(グン・チェンピン)教授、及び瀧川一学特任教授らの研究グループは、タンパク質のデータマイニング、実験、機械学習を統合した画期的なデータ駆動型アプローチを提案しました。これにより、超接着性ハイドロゲルのデノボ設計に成功しました。この新しいアプローチにより、約2万5千種類のタンパク質データベースから得た知見を基に高分子鎖の配列パターンを設計し、機械学習を活用してハイドロゲルの最適な組成を導き出すことに成功。これにより、従来のハイドロゲ...
キーワード:データ駆動/機械学習/最適化/海洋/環境技術/高分子/ソフトマテリアル/ハイドロゲル/生体適合性/水環境/ロボティクス/海洋環境/耐久性/分子設計/生体材料
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発表日:2025年8月4日
34
mRNAワクチンのカギを"片手"で握る脂質を解明
〜立体異性体の制御により、安全性と効果を両立〜(医学研究院、総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 田中伸哉、総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点特任准 教授辻信弥)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)特任教授及びマックス・プランク石炭研究所教授のリスト・ベンジャミン氏、WPI-ICReDDの辻 信弥特任准教授、WPI-ICReDD及び同大学大学院医学研究院の田中伸哉教授、津田真寿美准教授らの研究グループは、mRNAワクチンなどに用いられる脂質ナノ粒子(LNP)の一つの「ALC-0315」について、立体異性体ごとの生物学的性質の違いを世界で初めて明らかにしました。LNPは、核酸医薬品の生体内・細胞内輸送に不可欠で、COVID-19パンデミックでは、mRNAワクチンの迅速な実用化を可能にしました。LNP...
キーワード:最適化/イオン化/キラル/不斉合成/エンドソーム/ナノ粒子/生体内/立体化学/細胞膜/細胞毒性/mRNA/パンデミック/核酸医薬/細胞内輸送/ワクチン/脂質/新型コロナウイルス感染症
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発表日:2025年7月30日
35
膵臓がんの画期的なナノ治療薬の開発に成功!
~がん細胞のみに抗がん剤を届ける副作用の低い能動的薬物送達システムを初めて実現~(先端生命科学研究院特任教授 西村紳一郎)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の西村紳一郎特任教授と北海道大学発創薬ベンチャーの遠友ファーマ株式会社(本社:札幌市、代表取締役CEO:安井忠良)の研究グループは、これまで抗接着性の「ナノソーム」という粒径20~50ナノメートル程度の超高性能ナノ微粒子を利用したがん治療用ナノ医薬(nanomedicine)の基礎的な研究を進めてきました(例えば、J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 12507-12517;ACS Chem. Biol. 2015, 10, 2073-2086;Angew. Chem. Int. Ed. 2019...
キーワード:トポイソメラーゼ/ナノ微粒子/ナノメートル/微粒子/薬物送達システム/細胞膜/浸潤/膵臓/DDS/イリノテカン/がん細胞/がん治療/マウス/リソソーム/共培養/阻害剤/創薬/副作用/膵がん/膵臓がん/抗がん剤/早期発見/動物実験
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発表日:2025年7月23日
36
海洋細菌由来希少カロテノイドが抗酸化作用や抗炎症効果を示すことを発見
~C30カロテノイドの機能性食品素材などの応用に向けた研究進展に期待~(水産科学研究院 助教 高谷直己)
北海道大学大学院水産科学研究院の高谷直己助教、細川雅史教授、一般財団法人生産開発科学研究所の眞岡孝至博士らの研究グループは、海洋細菌Exiguobacterium属から希少カロテノイドを同定するとともに、この化合物が抗酸化活性や抗炎症効果を示すことを明らかにしました。天然の脂溶性色素であるカロテノイドは、抗酸化作用など多様な健康機能性が注目されています。β-カロテンをはじめとしたC40カロテノイド(基本骨格を構成する炭素原子数が40個)は野菜や果物などに豊富に存在しますが、一部の微生物によって産生されるC30カロテノイド(基...
キーワード:海洋/分子構造/エステル/一重項酸素/機能性/機能性食品/海洋細菌/構造決定/カロテノイド/微生物/ファージ/マクロファージ/抗炎症/抗炎症作用/抗酸化/抗酸化作用/生理活性/誘導体/遺伝子/遺伝子発現/細菌
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発表日:2025年7月14日
37
易分解性で水に可溶なN-メチル化ナイロンの開発に成功
~忘れ去られたポリアミドの親水性材料への新展開~(理学研究院教授 佐田和己、助教 松岡慶太郎)
北海道大学大学院理学研究院の佐田和己教授、松岡慶太郎助教らの研究グループは、柔らかく水に溶ける親水性材料として「N-メチル化ナイロン」を開発し、従来"硬くて水に溶けない化学繊維"として知られていたナイロンの常識を覆す、新たな応用展開を実証しました。ナイロンは1935年にウォーレス・ヒューム・カロザース(Wallace Hume Carothers)によって開発された世界初の化学繊維であり、衣類や傘、釣り糸など、現代社会に欠かせない素材として広く利用されています。これまでのナイロン研究は、繊維としての高い機械的強度や難溶性を追求してきました。これらの特性は、主鎖に含まれ...
キーワード:水素結合ネットワーク/相分離/環境調和/アミド/ポリアミド/高分子/環境負荷/高分子材料/親水性/バイオマテリアル/機能材料/アミド結合/メチル化
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発表日:2025年7月11日
38
安定性と迅速強化を両立する自己強化ゲル材料の開発
~計算・情報・実験の融合研究によって設計指針を提案~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点准教授 江居竜、教授 龔剣萍、教授 前田理)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の江 居竜准教授、龔 剣萍教授、前田 理教授らの研究グループは、熱や光に対する高い安定性と迅速な自己強化性能を兼ね備えたゲル材料の作成に成功しました。本研究では、反応経路自動探索技術と機械学習ポテンシャル技術を組み合わせたシミュレーションによって、適切なメカノフォア分子を予測しました。さらに、それらの結果に基づき、安定性と迅速強化を両立する分子設計の指針も提案しました。2019年、龔教授のグループはダブルネットワークハイドロゲル技術によって、引っ張りで強度が増す「筋肉のような」ゲル材料を開発。引っ張りで...
キーワード:経路探索/機械学習/量子化/量子化学/量子化学計算/高分子/ハイドロゲル/シミュレーション/ポリマー/組み換え/筋肉/寿命/ラジカル/分子設計
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発表日:2025年7月10日
39
農業廃棄物から樹脂原料をつくる触媒反応を開発
~ゼオライト触媒を用いたバイオフェノール合成経路の探索~(触媒科学研究所教授 中島清隆)
北海道大学大学院環境科学院博士前期課程の入場啓介氏、同大学触媒科学研究所のヤン・ヨハネス・ウィズフェルド特任助教、大須賀遼太助教、菅沼学史准教授、中島清隆教授らの研究グループは、カシューナッツ殻液(Cashew nutshell liquid, CNSL)から得られるカルダノールの誘導体であるハイドロカルダノールを原料として、高効率でフェノールを合成可能な新しい触媒反応を開発しました。カシューナッツ殻は、世界で年間約400万トンが廃棄される農業廃棄物であり、そこから抽出されるCNLSにはフェノール類縁体が豊富に含まれています。したがって、CNLS由来のカルダノールやその誘導体から重...
キーワード:炭素収支/アルキル化/アルキル化反応/触媒反応/樹脂/ZSM-5/固体触媒/カーボンニュートラル/細孔構造/カーボン/廃棄物/バイオマス/フェノール/誘導体
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発表日:2025年7月10日
40
CO2と可視光でβ-アミノ酸を合成する新反応を開発
〜計算科学のサポートに基づく環境調和型合成法を実現〜(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 美多剛)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の美多 剛教授、前田 理教授らの研究グループは、量子化学計算を活用することで二酸化炭素(CO₂)を用いた新しいβ-アミノ酸の合成法を設計し、実際の化学合成によりその合成法を実証しました。さらに、静岡大学グリーン科学技術研究所の間瀬暢之教授の研究グループとの共同研究により、この反応を気液フロー合成へと発展させ、連続的かつ高効率なβ-アミノ酸合成を実現しました。β-アミノ酸は、医薬品や人工ペプチドの研究において重要な構造単位ですが、カーボンニュートラルを見据えたCO₂を直接原料とする反応の開発は、依然として...
キーワード:オープンアクセス/最適化/量子化/環境調和/量子化学/イリジウム錯体/量子化学計算/アニオン/酸化還元反応/電子移動/反応機構/イリジウム/可視光/カーボンニュートラル/持続可能/還元反応/発光ダイオード(LED)/電子状態/カーボン/ファインバブル/酸化還元/添加剤/二酸化炭素/二酸化炭素/アルケン/反応時間/β-アミノ酸/アミノ酸/ラジカル/誘導体
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発表日:2025年6月30日
41
すい管腺がん細胞の細胞死を誘導する新たな手法を発見
~難治性がんに対する新たな治療法開発の加速に期待~(遺伝子病制御研究所教授 園下将大)
北海道大学遺伝子病制御研究所がん制御学分野の園下将大教授、株式会社フライワークスらの研究グループは、すい臓に発生するがんの大部分を占めるすい管腺がん(PDAC)の新たな代謝的脆弱性としてニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)合成経路を同定しました。さらに、NAD合成経路の下流で機能するGPx4が、PDACの治療標的であることを見出しました。特に、GPx4阻害剤ML210とMEK阻害剤trametinibを併用することで、ヒトPDAC細胞の細胞死(フェロトーシス)を誘導してPDAC形成を抑制できることを発見し、この組み合わせ療法がPDACに対する有望な治療戦略となる可能性を示...
キーワード:脆弱性/アミド/抵抗性/ビタミン/新規治療法/ROS/治療標的/モデルマウス/がん細胞/ショウジョウバエ/マウス/活性酸素/活性酸素種/細胞死/阻害剤/ストレス/遺伝子/遺伝子変異/高齢化/酸化ストレス
他の関係分野:環境学農学医歯薬学
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発表日:2025年6月20日
42
海洋の窒素循環を解明する新たな研究
~アナモックスの酸素同位体分別測定に初めて成功~(工学研究院 教授 岡部聡)
北海道大学大学院工学研究院の岡部 聡教授、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の小林香苗特任研究員らの研究グループは、嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)反応における酸素同位体分別(18ε)を求めることに世界で初めて成功しました。海洋の窒素循環は、地球環境の維持に不可なサイクルであり、その仕組みを正確に理解することにより、気候変動対策や生態系の保全に大きく寄与することができます。しかし、その中で重要な役割を果たす嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)による窒素除去のプロセスについては、まだ未解明な点が多く残されています。特に、アナモックスの酸素同位体...
キーワード:窒素循環/海洋/気候変動/酸素同位体/酸素同位体比/地球化学/同位体/同位体分別/同位体比/アンモニア/分子状酸素/地球環境/機構総合/同位体効果/生態系/細菌
他の関係分野:環境学数物系科学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年6月18日
43
最も硬い物質「ダイヤモンド」が極低温で軟らかくなる
~鍵を握るのは電子!〜(理学研究院 教授 柳澤達也)
北海道大学大学院理学研究院の柳澤達也教授を中心とし、ドレスデン強磁場研究所・ドレスデン工科大学(ドイツ)、京都大学、新潟大学が協働した国際研究グループは、人工ダイヤモンドが極低温で軟らかくなる新現象を発見しました。この結果は、ダイヤモンド内に未知の量子状態が存在することを示唆しており、量子センサや量子計算といった次世代技術への応用が期待されます。ダイヤモンドはその美しさだけでなく、硬度や熱伝導率の高さなどの物理的性質から多方面で応用されています。中でも欠陥や不純物の少ない人工ダイヤモンドは、宝飾用用途や機械分野への応用だけでなく、量子情報分野のデバイス基板として期待されており、特に...
キーワード:オープンアクセス/量子計算/強磁場/精密測定/対称性/量子コンピュータ/量子情報/量子情報処理/中性子/電子スピン共鳴/磁場/弾性率/電子線/弾性定数/単結晶/スピン/センシング/格子欠陥/極低温/超音波/熱伝導/熱伝導率/ホウ素/結晶構造
他の関係分野:情報学数物系科学総合理工工学農学
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発表日:2025年6月9日
44
なぜ窒素ドープカーボン触媒は酸性条件で活性を失うのか?
~酸素還元反応の劣化メカニズムを活性点レベルで解明~(触媒科学研究所 准教授 武安光太郎)
北海道大学触媒科学研究所の武安光太郎准教授、九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(WPI-I²CNER)の中村潤児特任教授、筑波大学大学院理工情報生命学術院数理物質科学研究群博士後期課程の林田健志氏らの研究グループは、燃料電池用の酸素還元反応触媒として注目されている窒素ドープカーボン触媒が、酸性条件下で著しく活性が低下する原因を、活性点レベルで明らかにしました。近年、白金に代わる低コストかつ高耐久な電極触媒として、金属を含まない窒素ドープカーボン触媒への関心が高まっています。しかし、酸性条件下ではその触媒活性が大きく低下するという課題があり、そのメカニズムは解明されて...
キーワード:光電子分光/物質科学/光電子分光法/ピリジン/電極触媒/電子分光/酸素還元反応/酸素分子/XPS/カーボンニュートラル/還元反応/電池/燃料電池/カーボン/プロトン
他の関係分野:数物系科学総合理工工学医歯薬学
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発表日:2025年6月5日
45
光の「回転」が物質を動かす仕組みを解明
~光のスピンと軌道の「回転力」を分けて測れる新理論を構築~(電子科学研究所 教授 田中嘉人)
北海道大学電子科学研究所の橋谷田俊助教、田中嘉人教授の研究グループは、光が物質に与える「回転の力(光トルク)」の源である「角運動量」を、「スピン(偏光による自転的な回転)」と「軌道(波面のねじれによる公転的な回転)」の二つに分け、それぞれの損失量を個別に測定・解析できる新たな理論を提案しました。光には、まっすぐ進むだけでなく、回転という重要な性質があり、これが物質に働きかけることで回転の力(光トルク)が生まれます。その源は角運動量という物理量です。角運動量は、空間全体で保存される(失われることのない)量であり、たとえ光が物質と相互作用して角運動量を失ったとしても、その分は物質に移り...
キーワード:軌道角運動量/保存則/磁場/キラル/光応答/定量評価/ナノ構造体/スピン/トルク/ナノ構造
他の関係分野:数物系科学生物学工学
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発表日:2025年5月21日
46
マグネシウム電池の劣化挙動を解明(理学研究院准教授小林弘明)
北海道大学大学院理学研究院の朱 瑞傑博士研究員、小林弘明准教授らの研究グループは、次世代蓄電池の一つ「マグネシウム電池」の課題解明に成功しました。現在主流のリチウムイオン電池に代わる次世代の蓄電池として、資源的制約のないマグネシウム電池の研究開発が進められています。実用化にはマグネシウム電池の高エネルギー化が必須であり、近年開発された弱配位性アニオンを有するマグネシウム塩を用いたエーテル系電解液が注目されています。この電解液を用いることで、マグネシウム金属負極側の反応が効率よく進行しますが、一方で酸化物正極側の反応に対しては可逆性が悪く、低可逆性を示す原因の解明及びこの電解液に適用...
キーワード:高エネルギー/アニオン/正極材料/リチウムイオン電池/高電圧/蓄電池/電解液/電池/マグネシウム/リチウム/酸化物
他の関係分野:数物系科学総合理工工学
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発表日:2025年5月21日
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薬剤を2,000倍濃縮して閉じ込める!
~新しい薬剤キャリア(無機ナノ粒子カプセル化技術)を開発~(電子科学研究所准教授三友秀之)
北海道大学電子科学研究所の三友秀之准教授(研究当時:東北大学多元物質科学研究所兼務)、居城邦治教授、谷地赳拓博士研究員(現在:東北大学多元物質科学研究所 助教)、理化学研究所放射光科学研究センターの米倉功治グループディレクター(東北大学多元物質科学研究所 教授兼務)らの研究グループは、無機ナノ粒子を構成要素としたナノサイズの中空カプセル構造体を作製する新たな技術を開発しました。本研究で開発された中空カプセル(直径100 nm)は、薬剤を内包し、標的とする疾患部位へ適切に薬剤を送達するドラッグデリバリーキャリアとしての応用が期待されます。これまで、リポソームや高分子材料を用いた有機系...
キーワード:水溶液/物質科学/閉じ込め/相分離/放射光/磁場/金ナノ粒子/高分子/微小液滴/キャリア/赤外光/酸化鉄/ナノサイズ/ナノ粒子/高分子材料/ナノカプセル/機能性/クエン酸/副作用
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発表日:2025年5月9日
48
レドックス刺激により多様な分子骨格の構築を実現
~機能性分子を構築する新規アプローチとして科学技術分野での応用性にも期待~(理学研究院准教授石垣侑祐)
北海道大学大学院理学研究院の石垣侑祐准教授及び同大学大学院総合化学院博士後期課程(研究当時)の張本 尚氏(現在:分子科学研究所助教)らの研究グループは、レドックス反応を巧みに利用することで、従来のアプローチでは到達困難であった分子骨格を含む、複数の分子構造を作り分ける戦略を考案し、その有効性を実証しました。複数の芳香環を含むπ電子系化合物は、特異な物性を示すことから機能材料分野において盛んに研究がなされてきました。分子骨格を適切にデザインすることで、その分子骨格に特有の物性(例えば、鮮やかな色調や可視-近赤外領域での発光)を示すことから、π電子系化合物は様々な分野で広く利用されてい...
キーワード:近赤外/π電子/分子構造/芳香環/芳香族/機能性分子/酸化還元/構造変換/機能材料/機能性/レドックス
他の関係分野:数物系科学工学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2025年4月10日
49
西部北太平洋の植物プランクトン群集組成を制御する栄養物質供給機構の解明
~北太平洋中層水から供給される鉄とケイ素の重要性~(低温科学研究所教授西岡純)
北海道大学低温科学研究所附属環オホーツク観測研究センターの西岡 純教授、同大学大学院地球環境科学研究院の鈴木光次教授、東京大学大気海洋研究所の小川浩史教授、安田一郎教授(研究当時)らの研究グループは、北太平洋の中層水から供給される鉄(Fe)やケイ素(Si)、窒素(N)などの栄養物質量とその化学量論比が、表層の植物プランクトン群集組成を制御することを明らかにしました。これまで、オホーツク海やベーリング海などの北方圏縁辺海から北太平洋に繋がる中層の循環によって植物プランクトンの増殖に欠かせないFeやSiやNなどの栄養物質が移送され、北太平洋の生物生産を高めていることが分かっていました。...
キーワード:産学連携/フラックス/海洋炭素循環/珪藻/海洋/炭素循環/オホーツク海/気候変動/北太平洋/乱流混合/ケイ素/地球環境/栄養塩/化学工学/ベーリング海/生態系/プランクトン/海洋生態/海洋生態系/植物プランクトン/親潮/生物生産
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学工学農学
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発表日:2025年4月3日
50
天然L-アミノ酸のキラリティーをワンツーパス!
~光学活性非天然アミノ酸を効率的に合成する新手法、創薬研究の加速に期待~(薬学研究院教授佐藤美洋、助教森崎一宏)
北海道大学大学院薬学研究院の佐藤美洋教授、森崎一宏助教、同大学大学院生命科学院修士課程1年の古木悠翔氏らの研究グループは、天然に豊富に存在する安価なL-アミノ酸から創薬において重要な光学活性非天然アミノ酸を効率的に合成する新手法を開発しました。アミノ酸及びその誘導体は、生命科学・創薬化学の研究において欠かすことができない重要な化合物です。多くのアミノ酸はその三次元的な配置から鏡像異性体(L体(左手型)とD体(右手型))として存在しますが、鏡像異性体間で生物活性などが異なる場合が多いため、生命科学・創薬化学において利用するためには、それぞれを別々に合成(不斉合成)することが必要となり...
キーワード:産学連携/幾何構造/キラリティー/キラル/光学活性/不斉合成/付加環化反応/生物活性/アミノ酸/環化反応/触媒的不斉合成/創薬/創薬化学/非天然アミノ酸/不斉触媒/誘導体/RCT
他の関係分野:複合領域数物系科学総合理工総合生物医歯薬学
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発表日:2025年3月28日
51
狂犬病ウイルスが標的とする、四量体pY-STAT1の構造を初めて解明
~STATファミリーに関する新知見の提供及び、狂犬病に対するワクチン開発の貢献に期待~(先端生命科学研究院教授尾瀬農之)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の尾瀬農之教授、同大学大学院生命科学院博士後期課程の杉山 葵氏(研究当時博士後期課程三年)及び南 未来氏、同大学大学院薬学研究院の喜多俊介准教授、前仲勝実教授、京都大学医生物学研究所の杉田征彦准教授、大阪大学蛋白質研究所の廣瀬未果特任研究員(常勤)らの研究グループは、転写因子STAT1の機能体である、四量体pY-STAT1のクライオ電子顕微鏡構造を世界で初めて解明し、STATが多量体で機能し、DNAを認識する分子機構を初めて提唱しました。シグナル伝達及び転写活性化因子(STAT)は、Janus kinase(JAK)- STATシグナル伝達経路にお...
キーワード:DNA結合/ホモロジー/二量体/電子顕微鏡/リン酸/病原性/クライオ電子顕微鏡/免疫系/JAK/STAT/Src/分子機構/オリゴマー/抗ウイルス薬/転写因子/ウイルス/ワクチン/遺伝子/生理学
他の関係分野:複合領域数物系科学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年3月21日
52
セミクラスレートハイドレートの非古典的分解過程の発見
~潜熱蓄熱材の設計に新指針~(低温科学研究所教授木村勇気)
北海道大学低温科学研究所の木村勇気教授、パナソニック株式会社の町田博宣博士、大阪大学大学院基礎工学研究科の菅原 武助教らを中心とした研究グループは、透過電子顕微鏡内で液体試料を観察できる手法を用いて、セミクラスレートハイドレートの微結晶が分解する過程をその場観察する実験に成功しました。これまで、セミクラスレートハイドレートが複数集まったクラスターを成長ユニットとした結晶化の存在は示唆されていましたが、直接的な証拠や、具体的な結晶化過程については分かっていませんでした。セミクラスレートハイドレートは、結晶化や分解などの相変化によって生じる潜熱を取り出してエネルギーとして利用できる材料...
キーワード:産学連携/相転移/潜熱/クラスレートハイドレート/単結晶/その場観察/ハイドレート/化学工学/結晶化/相変化/電子顕微鏡/透過電子顕微鏡
他の関係分野:複合領域数物系科学工学
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発表日:2025年2月27日
53
化学結合の切断を利用した新しい自己強化材料の開発
~機械化学反応による急速強化が可能に~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授龔剣萍)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)及び同大学大学院先端生命科学研究院の龔 剣萍(グン・チェンピン)教授、WPI-ICReDD及び米国デューク大学のマイケル・ルビンスタイン教授らの研究グループは、化学結合の切断を利用した迅速な自己強化材料を開発しました。従来、材料内の化学結合が切断されると強度が低下し破壊が進行することが一般的でした。自己強化材料は、この現象を逆手に取った新しいアプローチです。結合の切断で発生する「機械的ラジカル」を活用し、材料内で新しい高分子ネットワークをラジカル重合で形成させることで、使用中に自己強化を実現します。筋肉トレーニン...
キーワード:産学連携/ラジカル重合/高分子/ハイドロゲル/ポリマー/化学工学/耐久性/トレーニング/筋肉/ラジカル
他の関係分野:複合領域工学医歯薬学
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発表日:2025年2月26日
54
有機リチウム試薬の簡便かつ環境に優しい合成法の開発
~溶媒使用量を劇的に削減可能な新規有機合成プロセスの構築へ~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点 准教授 久保田浩司)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)、同大学大学院工学研究院の伊藤 肇教授、久保田浩司准教授らの研究グループは、ボールミルという粉砕機を用いたメカノケミカル法を活用し、有機合成の歴史の中で最も幅広く利用されてきた反応剤の一つである有機リチウム試薬を、有機溶媒をほとんど用いない条件で合成し、有機合成に利用する手法を開発しました。一般的に有機リチウム試薬は、水や空気を厳密に除去した反応容器内において、高純度の有機溶媒を使用し、慎重に温度管理を行いながら調製され、有機合成に利用されています。有機リチウム試薬はその高い反応性のため、有機合成におい...
キーワード:産学連携/ハロゲン/環境調和/メカノケミカル/前駆体/リチウム/化学工学/環境負荷/機能性材料/物質生産/機能性/有機合成
他の関係分野:複合領域数物系科学工学総合生物農学医歯薬学
北海道大学 研究シーズ