腫瘍内不均一性解明のための超並列がん進化シミュレーションデータ解析手法の開発
【研究分野】生命・健康・医療情報学
【研究キーワード】
シミュレーション / がん / 進化 / スーパーコンピュータ / 可視化 / 癌
【研究成果の概要】
がん細胞は正常細胞が変異獲得、自然選択を繰り返す進化過程によって生み出されていると考えられます。その進化過程を理解するために我々はこれまでにシミュレーションを用いたがんの進化ダイナミクスの研究を行ってきました。本研究では進化ダイナミクスがどのようにパラメータに依存するかを調べる感受性解析手法MASSIVEを開発しました。MASSIVEは膨大なシミュレーションをスーパーコンピュータ上で試行しその結果を対話的可視化ツールMASSIVE viewerによって解析します。また、応用例として次元格子上でのがん進化シミュレーションを用いて解析し、栄養の空間的偏りが分岐進化を促進することを見出しました。
【研究の社会的意義】
本研究で開発した新しいパラメータ感受性解析手法 MASSIVEはこれまでの感受性解析手法とは全く異なる超並列計算と対話的可視化という二つの計算科学的技術を組み合わせ、幅広いパラメータ空間を直感的に探索可能にした点に新規性がある。我々はがんの進化シミュレーションの解析を目的に開発を行っているが、シミュレーション一般に応用可能な技術であり、感受性解析のデファクトスタンダードになると期待される。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)