臨床現場での多重課題における意思決定要因の解明
【研究キーワード】
多重課題 / 状況学習 / バーチャルリアリティ / 意思決定 / リアリティショック / 経験学習 / 拡張現実 / 意志決定 / 仮想体験 / 臨床研修 / ストレス / 生体反応 / モデリング / 訓練 / ヒューマンセンシング
【研究成果の概要】
病棟での誤嚥性肺炎患者と脳梗塞患者、心不全患者に対する看護の多重課題訓練シナリオ、術後患者とストマ患者、ショック患者に対する看護に関するシナリオを作成した。また、乳がん患者への外来診療や外科外来やERにおいて若手外科医師や研修医が実際に直面する可能性がある腹膜刺激症状などの腹部所見について検討をおこなった。仮想世界と登場人物の作成:仮想の病棟と注射手技(静脈採血・皮下注射・末梢静脈カテーテル留置)を訓練できるシステムを開発した。さらに360度撮影装置を用いて俳優2名(医師役と患者役)による乳がん患者の外来診療体験アプリを作成した。脳血流量測定Near-infrared spectroscopy(NIRS)、自律神経反応測定装置として心拍数と皮膚抵抗測定を用いて多重課題訓練時の生体信号取得システムを開発した。本システムを用いて熟練看護師10名と新人看護師9名に対して病棟看護の多重課題アプリの体験時の前頭前野の脳血流量とシーン毎の体験時間の計測をおこない、熟練看護師と新人看護師に前頭前野領域の脳血流量に差があることが示唆された。また,ヘッドマウントディスプレイに内蔵されている近赤外線センサを用いて20代の男性10名,女性6名の計16名に対して認知負荷を推定する視覚と聴覚を組み合わせた多重課題実験を行い、認知負荷が非常に高い場合及び低い場合は瞳孔径の平均値に差を示さなくなることが示唆された。医療手技課題として注射手技トレーニング(静脈採血・皮下注射・末梢静脈カテーテル留置)訓練システムを開発し、医学生へ調査を行い物品を消費しないことや感染性・非感染性廃棄物が発生しない(血液・包装など)繰り返し実行できるといった利点を有することが示唆された。映像で作った臨床現場のベッドに横たわる患者に被験者自身が手を伸ばし,患者の腕に触り,橈骨動脈の脈拍を感じることができるシステムを試作した。
【研究代表者】