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研究分野:総合生物 に関係する研究一覧:67件
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発表日:2026年7月16日 この記事は2026年7月30日号以降に掲載されます。
1
炭素カチオンによるポリエン環化反応に成功
~電気化学とフロー化学の融合により天然物生合成機構解明と創薬プロセス開発に貢献~(理学研究院教授 永木愛一郎、特任講師 芦刈洋祐)
この記事は2026年7月30日号以降に掲載されます。
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発表日:2026年7月3日
2
人工設計ミトコンドリア「e-MITO」を開発
~細胞機能を制御するオルガネラ製剤技術~(薬学研究院教授 山田勇磨)
北海道大学大学院薬学研究院の山田勇磨教授らの研究グループは、同大学大学院工学研究院、同大学大学院医学研究院生殖・発達医学分野小児科学教室、同大学総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点との連携のもと、ルカ・サイエンス株式会社との共同研究により、人工的に設計・加工したミトコンドリア「e-MITO(Enhanced Artificially Designed Mitochondria)」を開発し、細胞機能を制御する新しいオルガネラ製剤技術を提示しました。ミトコンドリアは、細胞内でエネルギー産生を担う重要な細胞内小器官であり、その機能低下は老化やミトコンドリア病、神経疾患、心疾患など...
キーワード:細胞内小器官/オルガネラ/生殖/ポリエチレン/機能性材料/機能制御/ポリエチレングリコール(PEG)/エチレン/機能性/細胞膜/ATP/ミトコンドリア/再生医療/細胞治療/ワクチン/脂質/小児/神経疾患/老化
他の関係分野:生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年6月22日
3
2種類のICGを用いて血流とリンパ流の同時撮像を実現
~血流とリンパ流のリアルタイム同時可視化による手術支援の高度化への貢献に期待~(先端生命科学研究院教授門出健次、北海道大学病院医療・ヘルスサイエンス研究開発機構特任講師 渡邊祐介)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の門出健次教授、神 隆客員教授、マハデバ スワミィ助教、北海道大学病院医療・ヘルスサイエンス研究開発機構の渡邊祐介特任講師らの研究チームは、i-PRO株式会社と共同で、2種類のICGを用いて血流とリンパ流のリアルタイム同時撮像を実現し、血流及びリンパ流を同時に識別できることを検証し、その有効性を確認しました。本成果は、短波赤外光を利用したイメージング技術の医療応用として、術中ナビゲーションによる手術支援を高度化するうえで重要な技術となります。短波赤外蛍光イメージング技術の開発は近年世界的に活発に進められてきましたが、医療応用が可能な蛍光色素...
キーワード:生体情報/手術支援/赤外光/ナビゲーション/血流/光イメージング/内視鏡/蛍光イメージング/蛍光色素/臨床試験/PRO/手術/低侵襲
他の関係分野:情報学複合領域工学医歯薬学
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発表日:2026年6月16日
4
都市化の進化的インパクトはどれくらい大きいのか?
~北海道4都市のシロツメクサで、地域の気候差に匹敵する影響を定量化~(地球環境科学研究院教授 内海俊介)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の石黒智基研究員(研究当時。現・東京都環境科学研究所研究員)及び内海俊介教授らの研究グループは、北海道4都市に生育するシロツメクサを対象に、都市化が植物の進化に与える影響の大きさを、地域的な気候差の影響と比較して定量化しました。気温、積雪、乾燥などの地域的な気候差は、生物の局所適応を促し、同じ種の中にも地域ごとに異なる特徴をもつ集団を生み出します。一方、近年では都市化も生物進化を引き起こす環境変化として注目されています。都市では舗装面の増加、気温上昇、生物間相互作用の変化などが生じます。しかし、都市化の進化的インパクトが、地域的な気候差と比べてどの程度重要かは...
キーワード:環境変化/環境変動/地球温暖化/地球環境/遺伝子クラスター/遺伝的変異/生物間相互作用/温暖化/遺伝子
他の関係分野:複合領域環境学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年6月9日
5
身体活動と脳内アミロイドβ蓄積の認知機能への相互作用
~中高強度身体活動が多い高齢者では認知機能の低下が小さい傾向を明らかに~(教育学研究院講師 牧野圭太郎)
北海道大学大学院教育学研究院の牧野圭太郎講師、国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センターの島田裕之センター長らの研究グループは、地域高齢者を対象とした2年間の縦断調査から、中高強度の身体活動を習慣的に行っている高齢者では、脳内アミロイドβ蓄積に伴う認知機能低下が小さい傾向にあることを明らかにしました。アルツハイマー病の前段階では、認知機能の低下に先行して、脳内にアミロイドβと呼ばれるタンパクが過剰に蓄積することが知られています。一方、習慣的な身体活動は認知機能の維持に有益であると考えられていますが、脳内の神経病理との関連については十分に検討されていませんでした。本研究では、...
キーワード:身体活動/身体活動量/アミロイドβ/病理/アミロイド/アルツハイマー病/高齢者/認知機能
他の関係分野:複合領域医歯薬学
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発表日:2026年6月8日
6
何もしていないときの脳活動に秩序を発見
~メダカの脳で見つかった活動パターン~(薬学研究院助教 横井佐織)
北海道大学大学院薬学研究院の横井佐織助教、東京大学大学院薬学系研究科博士課程の小池亮介氏、同大学大学院薬学系研究科の松本信圭助教らの研究グループは、何もしていないときの脳活動に秩序があることを明らかにしました。私たちの脳は、外からの刺激がないときでも常に活動していますが、そのような状態の脳活動はこれまでランダムに揺らいでいると考えられることが多く、その仕組みは十分に理解されていません。本研究では、小型魚類であるメダカを用い、脳の複数の部位における神経活動を同時に記録することで、刺激がない状況における脳活動のパターンを詳細に解析しました。特に、哺乳類の海馬や扁桃体に対応すると考えられている脳領域...
キーワード:デルタ/脳活動/同時計測/神経活動/哺乳類/小型魚類/海馬
他の関係分野:複合領域工学農学医歯薬学
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発表日:2026年6月4日
7
二酸化塩素ガスの高病原性鳥インフルエンザウイルス
~養鶏場での疾病発生ゼロを目指して~(獣医学研究院教授 迫田義博)
北海道大学大学院獣医学研究院の迫田義博教授らの研究グループは、除菌作用が知られている二酸化塩素ガスを用いて、高病原性鳥インフルエンザウイルスを不活化できることを確認しました。研究では細胞を用いた試験と生体を用いた試験の両方で効果を検証しました。高病原性鳥インフルエンザは、病原性の高い鳥インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。世界各地で家禽や野鳥への感染が続いているほか、近年は哺乳動物への感染も報告されており国際的な問題となっています。日本でも養鶏場で大規模な発生が繰り返されており、卵不足や価格上昇など、社会生活への影響が生じています。一方で、養鶏場における従来の衛生対...
キーワード:生体内/獣医学/哺乳動物/病原性/ニワトリ/インフルエンザ/インフルエンザウイルス/ウイルス/感染症
他の関係分野:農学医歯薬学
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発表日:2026年6月2日
8
南極の融け水が氷河を加速させることを初めて確認
~氷床融解の仕組み解明と海面上昇予測に新たな知見~(低温科学研究所/北極域研究センター教授 杉山慎)
北海道大学低温科学研究所・北極域研究センターの杉山 慎教授、低温科学研究所の箕輪昌紘助教、名古屋大学大学院環境学研究科の近藤 研助教らの研究グループは、第63次日本南極地域観測隊に参加して南極ラングホブデ氷河で熱水掘削を実施し、氷河底面の環境を直接調べました。山岳地域やグリーンランドでは、表面で生じた融け水が氷河の底に流れ込むと摩擦が減り、氷が速く流れることが知られています。しかし南極では氷河の流動と氷の底面を同時に観測することは難しく、同じ現象が起きるかどうか長く議論が続いていました。今回、厚さ550メートルの氷を底面まで掘削して水圧を測定した結果、融け水が底面に流れ込むことで水圧...
キーワード:海面上昇/極域/極地/気候変動/極限環境/生態系
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学農学
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発表日:2026年6月2日
9
光で「開く」イオンチャネルが「閉じる」仕組みを解明
~「開く」状態で強まる水素結合も捉え、開閉機構の理解へ~(先端生命科学研究院助教 塚本卓)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の塚本 卓助教、名古屋工業大学生命・応用化学類の古谷祐詞准教授らの研究グループは、光で開くイオンチャネルがどのような分子内化学反応によって「閉じる」のかを明らかにしました。チャネルロドプシンは、光を受けるとイオンの通り道を開き、細胞膜を横切ってイオンを輸送する膜タンパク質です。神経活動を光で操作するオプトジェネティクスにも用いられていますが、イオンの通り道がどのような分子内化学反応によって開き、また閉じるのかには、未解明な点が多く残されていました。研究グループは、塩化物イオンなどの陰イオンを通すアニオンチャネルロドプシンであるGuillardia the...
キーワード:時間分解/水素結合ネットワーク/赤外分光/アニオン/分光測定/塩化物イオン/イオン輸送/フーリエ変換/電気化学/オプトジェネティクス/神経活動/変異体/微生物/チャネルロドプシン/プロトン/細胞膜/インジウム/分子機構/イオンチャネル/プロトン移動/ロドプシン/膜タンパク質
他の関係分野:数物系科学化学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年6月1日
10
患者別に最適化した自動医用レポート生成の開発に成功
~放射線科医の読影負担軽減と医療AIの安定運用に期待~(情報科学研究院教授 長谷山美紀)
北海道大学大学院情報科学研究院の長谷山美紀教授、小川貴弘教授、藤後 廉准教授、同大学大学院情報科学院博士後期課程の朱 赫氏、同大学大学院医学研究院の工藤與亮教授、平田健司准教授、唐 明輝特任講師、北海道大学病院の西岡典子助教、清水幸衣特任助教、同大学大学院保健科学研究院の杉森博行准教授、吉村高明講師らの研究グループは、時間とともに変化する医療データの特性に追従しながら、患者ごとに個別化された経時的な医用画像レポートを自動生成する新しい連合学習手法を開発しました。本成果は、情報科学研究院・医学研究院・北海道大学病院・保健科学研究院の4部局による分野横断的な協働によって実現したもので、本学が重点領...
キーワード:コンピュータビジョン/最適化/人工知能(AI)/連合学習/FTA/TEMPO/医用画像/放射線
他の関係分野:情報学農学医歯薬学
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発表日:2026年5月29日
11
全ゲノム倍加後の細胞系譜選別プロセスを特定
~がん発生初期に起こる細胞運命の分岐を可視化~(先端生命科学研究院准教授 上原亮太)
北海道大学大学院生命科学院博士後期課程の楊 光氏、慶應義塾大学の舟橋 啓教授、北海道大学大学院農学研究院の佐藤昌直准教授、同大学大学院先端生命科学研究院の上原亮太准教授らの研究グループは、全ゲノム倍加を起こしたヒト細胞がその後どのような運命をたどるのかを、長期間のライブイメージングによって網羅的に解析しました。全ゲノム倍加は、がんをはじめとする多様な生命現象に関与する重要な細胞イベントですが、倍加後の細胞集団がどのように取捨選択され、増殖可能な細胞が生み出されるのかについては、これまでほとんど分かっていませんでした。本研究では、全ゲノム倍加後の細胞を1系譜ずつ詳細に追跡した...
キーワード:染色体分配/一細胞/細胞運命/染色体/細胞系譜/不均一性/がん細胞/ライブイメージング/ゲノム
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2026年4月14日
12
日本における自己免疫性小脳失調症の全国実態調査を実施
~早期治療が症状改善につながる可能性を示唆~(医学研究院准教授 矢口裕章)
北海道大学大学院医学研究院の藤井信太朗特任助教、矢口裕章准教授、工藤彰彦特任助教、矢部一郎教授らの研究グループは、福井県立大学の米田 誠教授、新潟大学の田中惠子非常勤講師、岐阜大学大学院医学系研究科の木村暁夫准教授と下畑享良教授、国立精神・神経医療研究センター病院の髙橋祐二特命副院長と国立精神・神経医療研究センター水澤英洋理事長特任補佐・名誉理事長との共同研究において、Japan Consortium of autoimmune cerebellar ataxia (JAC-ACA) groupとして自己免疫性小脳失調症(autoimmune cerebellar ataxia:ACA)に関す...
キーワード:運動失調/小脳/早期診断/免疫治療/自己免疫/抗体/調査研究
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2026年4月14日
13
CPCトローチが唾液中SARS-CoV-2を一時的に抑制
~COVID-19患者唾液ウイルス量低減による感染拡大抑制の可能性~(歯学研究院教授 樋田京子)
北海道大学大学院歯学研究院の樋田京子教授、間石奈湖助教(研究当時)、同大学大学院歯学院博士課程(研究当時)の武田 遼氏、同大学総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点の澤 洋文教授、同大学人獣共通感染症国際共同研究所の大場靖子教授、佐々木道仁准教授、藤田医科大学の樋田泰浩教授らの研究グループは、口腔ケア製品に広く用いられる殺菌成分セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)の臨床的抗ウイルス効果を検証しました。なお、本研究は札幌市保健福祉局の秋野憲一氏、水田むつみ氏らの協力のもと実施されました。デルタ株流行期(2021年8月)にCOVID-19患者34名を対象として唾液を経時的に採...
キーワード:デルタ/公共空間/人獣共通感染症/水田/SARS-CoV-2/歯学/RNA/ウイルス/ワクチン/感染症/新型コロナウイルス感染症/唾液/臨床研究
他の関係分野:複合領域工学農学医歯薬学
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発表日:2026年3月23日
14
軽度認知症の早期発見へ、新脂質マーカーを開発
~将来の診断方法やMCIから認知症への進行診断への応用に期待~(保健科学研究院准教授Bomme Gowda Siddabasave Gowda)
北海道大学大学院保健科学研究院のボメ ゴウダ シッダバサーブ ゴウダ准教授及び惠 淑萍教授らの研究グループは、南フロリダ大学マイクロバイオーム研究センター、マイクロバイオーム研究所のハリオム・ヤダヴ所長らと共同で、唾液、血漿、糞便サンプルの非標的脂質プロファイリングを実施し、MCIに関連する有望な脂質バイオマーカーを同定することに成功しました。アルツハイマー病(AD)は世界中で認知症の主な原因であり、高齢化に伴いその有病率は急速に増加しています。軽度認知障害(MCI)は正常な老化と認知症の間の早期の過渡期であり、介入の重要な機会となりますが、現在のAD診断法は主に侵襲的手法に依存して...
キーワード:アノテーション/質量分析法/質量分析/マイクロ/分解能/診断法/プロファイリング/高分解能/オミクス/認知障害/アルツハイマー病/クロマトグラフィー/リピドミクス/脂肪酸/神経変性/バイオマーカー/マイクロバイオーム/軽度認知障害/高齢化/高齢者/脂質/脂質代謝/早期発見/唾液/認知症/非侵襲/有病率/老化
他の関係分野:情報学数物系科学総合理工工学医歯薬学
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発表日:2026年3月23日
15
「超酸」の中で発光し続ける色素の開発に成功
~酸による分解という最大の弱点を克服、極限環境でのイメージング応用に光明~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 猪熊泰英)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)・同大学大学院工学研究院の猪熊泰英教授らの研究グループは、濃硫酸をはるかに超える酸性度を持つ「超酸」の中でも分解せず発光し続ける蛍光色素「超酸耐性BODIPY」の開発に成功しました。BODIPY(ボロン-ジピロメテン)は50年以上前に開発され、高い発光量子収率を有することから、細胞染色やセンサーなど幅広い用途で利用されている最も有名な蛍光色素の一つです。しかし、この色素には応用範囲を大きく制限する最大の弱点がありました。それが、酸性環境下でホウ素原子が脱離する「脱ホウ素化反応」によって蛍光発光が失われてし...
キーワード:シナジー/分子構造/樹脂/イオン交換/センサー/センシング/フッ素/耐久性/極限環境/ホウ素/光イメージング/官能基/蛍光イメージング/蛍光色素
他の関係分野:複合領域化学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年3月4日
16
アミロイドの"種類"が睡眠と脳活動を左右する
~線維化Aβ40と線維化Aβ42がマウスの睡眠・皮質脳波に異なる影響~(理学研究院准教授 常松友美)
北海道大学大学院理学研究院の常松友美准教授らの研究グループは、東北大学学際科学フロンティア研究所の佐栁友規学術研究員(研究当時)、奥村正樹准教授、韓国基礎科学研究所の李 映昊教授らとともに、アルツハイマー病の原因物質として知られる線維化アミロイドベータ(Aβ)が、マウスの睡眠と脳波活動(皮質オシレーション)に及ぼす影響が、線維化Aβの種類によって大きく異なることを明らかにしました。アルツハイマー病では記憶障害などの症状に加えて睡眠障害がしばしば報告されますが、その神経生理学的メカニズムは十分に解明されていませんでした。本研究では代表的な2種類の線維化Aβ(線維化Aβ1-40、線維化...
キーワード:脳活動/神経生理学/皮質脳波/病態解明/アミロイド/アルツハイマー病/マウス/神経細胞/海馬/睡眠/睡眠障害/生理学/線維化/脳波
他の関係分野:複合領域医歯薬学
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発表日:2026年3月2日
17
寄生虫の「兵隊」の口は吸い付きに特化していた
~二生吸虫の兵隊型レジアの武器形質の構造を世界で初めて解明~(水産科学研究院教授 和田哲)
北海道大学大学院水産科学院修士課程の三浦健太郎氏、同大学大学院水産科学研究院の和田 哲教授、高知大学農林海洋科学部の三浦 収教授は、巻貝の寄生虫である二生吸虫Cercaria batillariae(セルカリア・バティラリアエ)のレジア幼生は、繁殖を行う「繁殖型」と、繁殖を行わず敵への攻撃に特化した「兵隊型」の二型を示し、繁殖分業を行うことを実証しました。さらに、繁殖型と兵隊型では、武器形質である咽頭の構造が異なり、兵隊型は敵の攻撃に特化した咽頭をもつことを世界で初めて解明しました。繁殖分業とは、アリやハチなどのように、生物の集団において繁殖とそれ以外の労働や防衛など...
キーワード:海洋/海洋科学/電子顕微鏡/カースト/寄生虫/筋肉/解剖学
他の関係分野:環境学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年2月4日
18
皮脂ワックスエステルの詳細な組成と合成酵素を解明
~乾燥肌、ニキビ、脱毛の治療及び診断法の開発に期待~(薬学研究院教授 木原章雄)
北海道大学大学院薬学研究院の木原章雄教授らの研究グループは、皮脂を構成するワックスエステル(ワックス)のタイプ及び分子種の詳細について明らかにしました。皮脂は保湿、撥水、抗菌、体温維持、毛の保持などの役割を担い、皮脂の分泌量の増減や組成の変化はニキビ(ざ瘡)、乾燥肌、脂漏性皮膚炎、脱毛症などの皮膚疾患を引き起こします。ワックスエステルはワックスモノエステルとワックスジエステルに分類され、ワックスジエステルはさらに異なったタイプに分類されます。これまで皮脂中のワックスエステルのタイプ及び詳細な分子種とその生合成に関わる酵素/遺伝子には不明な点が多く残されていました。研究グループは液体...
キーワード:エステル/質量分析/選択性/モニタリング/モデル生物/診断法/哺乳類/生合成/分子機構/クロマトグラフィー/マウス/遺伝子ノックアウト/皮膚疾患/遺伝子
他の関係分野:化学総合理工工学農学医歯薬学
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発表日:2026年1月29日
19
選ばれた接続を強く育てる脳の仕組みを解明
~小脳神経回路形成におけるmGluR1シグナルの意外な二役~(医学研究院 山崎美和子 准教授)
北海道大学大学院医学研究院の山崎美和子准教授、帝京大学先端総合研究機構の狩野方伸特任教授(東京大学大学院医学系研究科 名誉教授)らを中心とする、北海道大学、帝京大学、東京大学、広島大学の研究グループは、運動学習や認知機能・社会性を担う小脳の神経回路形成過程において、重要な神経接続を強化する仕組みを明らかにしました。生まれた直後のマウスのプルキンエ細胞は、5本以上の登上線維とシナプスを形成していますが、その後の1週間で1本の線維が選ばれて「勝者」となり、これ以外の線維(敗者)は最終的に除去されます。これまでの研究では、この「勝者」が強化され、樹状突起の広い範囲へ支配を拡大する仕組みに...
キーワード:脳神経回路/グルタミン酸受容体/シナプス/小脳/神経回路形成/神経結合/登上線維/プロテインキナーゼ/mGluR1/代謝型グルタミン酸受容体/運動学習/PKC/キナーゼ/グルタミン酸/シナプス刈り込み/プロテインキナーゼC/マウス/受容体/樹状突起/神経回路/認知機能
他の関係分野:複合領域医歯薬学
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発表日:2026年1月6日
20
「光る精子」をもつ精子形成可視化マウスの開発に成功
~革新的な生殖毒性スクリーニング技術・イノベーションの創出に期待~(保健科学研究院准教授 福永久典)
北海道大学大学院保健科学研究院の福永久典准教授(環境健康科学研究教育センター副センター長)、同大学大学院医学研究院の白土博樹教授、大阪大学微生物病研究所の宮田治彦准教授、英国クイーンズ大学ベルファストのケヴィン プライズ教授らの国際共同研究グループは、雄マウスの精子形成を生体内でリアルタイム可視化できる新しい遺伝子改変動物モデルの開発に成功しました。男性生殖機能に対する医薬品・環境化学物質・放射線などの影響を調べる生殖毒性試験は、新薬開発や環境リスク評価に不可欠です。しかし従来は、マウスを交配させて受胎を確認したり、解剖して精巣組織を解析したりするなど、時間・労力・個体数のコストが...
キーワード:毒性評価/化学物質/環境リスク/生殖/リスク評価/遺伝子改変/生体内/微生物/生殖細胞/ノックイン/ノックインマウス/精子形成/遺伝子改変動物/精巣/男性不妊/動物モデル/がん治療/スクリーニング/マウス/ラット/精子/創薬/遺伝子/動物実験/非侵襲/放射線
他の関係分野:複合領域環境学生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年11月23日
21
コケの胞子、宇宙でも生き延びる
~持続可能な宇宙居住への第一歩~(理学研究院教授 藤田知道)
北海道大学大学院生命科学院のメンチャンヒョン博士研究員、同大学大学院理学研究院の藤田知道教授、宮城大学の日渡祐二教授、中村恵太博士課程学生、九州大学の松田 修助教、久米 篤教授、福岡工業大学の三田 肇教授、筑波大学生命環境系の富田・横谷香織講師(研究当時)、東京薬科大学の横堀伸一准教授、山岸明彦名誉教授からなる研究グループは、モデルコケ植物「ヒメツリガネゴケ」の胞子(種子植物の「種子」に相当する生殖構造体)が実際の宇宙空間で長期間生存できることを世界で初めて実証しました。国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟に設置された船外実験装置を用いてヒメツリガネゴケの胞子を含む...
キーワード:国際宇宙ステーション/コケ植物/生殖/持続可能/紫外線/極低温/極限環境/生態系
他の関係分野:数物系科学生物学工学農学
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発表日:2025年11月5日
22
環状リポペプチドの化学-酵素ハイブリッド合成
~有用生物活性環状ペプチドの迅速な同定に期待~(薬学研究院教授 脇本敏幸、准教授 松田研一)
北海道大学大学院薬学研究院の脇本敏幸教授、松田研一准教授らの研究グループは、同大学大学院薬学研究院の市川 聡教授、勝山 彬講師、国立感染症研究所の星野仁彦博士、深野華子博士、平林亜希博士、鈴木仁人博士らとの共同研究により、非リボソームペプチド環化酵素を利用した環状リポペプチドの効率的な化学―酵素的合成法を開発しました。大環状骨格と脂肪側鎖を併せもつ環状リポペプチドは重要な抗菌化合物群ですが、化学構造が複雑なため構造多様性に富むライブラリー構築は困難です。本研究では、ペプチド主鎖両末端を結合するhead-to-tail型の非リボソームペプチド環化酵素が、基質設計の工夫によりhead-...
キーワード:酵素合成/有機合成化学/生物活性/リボソーム/ペプチド合成/生合成/生合成酵素/酵素反応/結核/アシル化/環状ペプチド/合成化学/有機合成/感染症
他の関係分野:化学農学医歯薬学
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発表日:2025年11月1日
23
プロバイオティクスで子牛のワクチン応答を増強
~既存のワクチンプログラムへの応用に期待~(獣医学研究院教授 今内覚)
北海道大学大学院獣医学研究院の今内 覚教授、同大学大学院国際感染症学院博士課程の池端麻里氏、同大学大学院獣医学研究院の岡川朋弘招へい教員、同大学総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点の鈴木定彦特任教授らの研究グループは、プロバイオティクスの給与が子牛のワクチンに対する免疫応答を増強することを証明しました。家畜の感染症に対する治療法には多くの抗菌剤が使用されていますが、過剰量の抗菌剤投与に伴う薬剤耐性菌の問題が世界規模で指摘されています。そのため、動物用ワクチンは抗菌剤に依存しない感染症の防御法としてますます重要視されています。しかし、既存のワクチンの単独使用では家畜の感染症...
キーワード:生産性/免疫調節/細胞応答/プロバイオティクス/獣医学/感染症対策/T細胞/抗菌剤/免疫応答/ワクチン/感染症/薬剤耐性
他の関係分野:工学農学医歯薬学
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発表日:2025年11月1日
24
涙液油層を構成する脂質の詳細な組成を解明
~ドライアイ診断法の開発に期待~(薬学研究院教授 木原章雄)
北海道大学大学院薬学研究院の木原章雄教授らの研究グループは、涙液油層を構成する多様な脂質のクラス及び分子種の詳細について明らかにしました。水溶液成分のみで構成されると考えられがちな涙液には実は外側に油層が存在し、涙液からの水分の蒸発を防ぐことによって角膜の健康を維持し、ドライアイを防いでいます。涙液油層の脂質は主に瞼に存在するマイボーム腺から分泌される脂質(マイバム脂質)で構成されています。マイバム脂質には多様な脂質が含まれていますが、ヒトにおけるこれらの脂質のクラスと分子種には不明な点が多く残されていました。研究グループは液体クロマトグラフィー連結タンデム質量分析の多重反応モニタ...
キーワード:水溶液/エステル/質量分析/選択性/モニタリング/診断法/ドライアイ/角膜/アルコール/分子機構/クロマトグラフィー/脂肪酸/コレステロール/脂質
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学医歯薬学
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発表日:2025年10月28日
25
運動による生物時計の調節に性差が存在:
~メスマウスを用いた世界初の検証~(教育学研究院准教授 山仲勇二郎)
北海道大学大学院教育学研究院の山仲勇二郎准教授らの研究グループは、習慣的な運動による生物時計の調節に性差が存在することを、世界で初めて明らかにしました。生物時計は、約24時間周期で自律的に振動する内因性の時間調節機構であり、ヒトを含む哺乳類では、脳内視床下部の視交叉上核(SCN)がその中枢として機能しています。SCNは、地球の自転による明暗サイクルに同調するとともに、全身の末梢臓器や中枢神経系に時刻情報を伝達することで、行動リズムと生理機能を時間的に統合しています。生物時計の調節は主に光によって行われますが、運動などの非光刺激によっても調節可能であることが知られています。...
キーワード:視交叉上核/神経系/生物時計/時間生物学/相変化/光刺激/哺乳類/視床/視床下部/中枢神経/健康管理/生理機能/体内時計/中枢神経系/マウス/睡眠
他の関係分野:生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年10月23日
26
食用海藻スジアオノリで精密なゲノム編集技術を確立
~遺伝子レベルで成長や香りの仕組みを解明する新たな道を開く~(水産科学研究院准教授 宇治利樹)
北海道大学大学院水産科学院博士後期課程の秦 政氏、同大学大学院水産科学研究院の宇治利樹准教授、水田浩之教授らの研究グループは、抗生物質耐性遺伝子を選択マーカーとして利用し、その遺伝子カセットをゲノム編集技術(CRISPR/Cas)で標的遺伝子座にノックインする手法を開発しました。この方法により、遺伝子の位置や機能を高精度に特定できるようになり、有用遺伝子の探索や機能解析が効率的に可能になります。緑藻スジアオノリは、食用として香りや味に優れる一方で、アオノリ類は条件が揃うと大規模な藻類ブルーム(大量発生)を引き起こし、漁業や観光に被害を与える二面性を持っています。アオノリの成長や香り、環境適応...
キーワード:ブルーム/環境適応/遺伝子改変/水田/ゲノム編集技術/漁業/ノックイン/機能解析/CRISPR/遺伝子機能解析/ゲノム編集/抗生物質/ゲノム/遺伝子
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発表日:2025年9月29日
27
自制する利己的遺伝子
~金魚草の動く遺伝子Tam3の動きを抑制する遺伝子は自身の配列だった~(農学研究院教授 貴島祐治)
北海道大学大学院農学院博士後期課程の王 莎莎氏、同大学大学院農学研究院の貴島祐治教授らと英国John Innes Centreのキャシー マーチン教授の研究グループは、金魚草で「動く遺伝子」として知られるトランスポゾンTam3の活動を特異的に抑える二つの遺伝子を同定しました。トランスポゾンは殆どの生物のゲノムに複数のコピーが散在するDNA配列で、無秩序に自己増殖するため、利己的因子と言われています。同定した二つの遺伝子はOld Stabiliser(OSt)とNew Stabiliser(NSt)と呼ばれ、Tam3自身の配列から派生して...
キーワード:トランスポゾン/染色体/RNA/ゲノム/遺伝子
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発表日:2025年9月25日
28
コンデンシンはリンカーヒストンと競合してヘテロなDNA構造を形成する
~分裂期染色体形成の生物物理の解明に期待~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点 特任准教授 山本哲也)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の山本哲也特任准教授と理化学研究所開拓研究所の新冨圭史専任研究員、平野達也主任研究員らの研究グループは、ソフトマター物理学と生化学の融合研究によって、分裂期染色体の形成プロセスを妨げた際に出現する奇妙な形状のDNA構造が作られるしくみを説明する物理理論の構築に成功しました。細胞が分裂する直前(分裂期)には、ゲノムDNAが折りたたまれ、分裂期染色体と呼ばれる棒状の構造が形成されます。コンデンシンと呼ばれるタンパク質複合体は、染色体形成に不可欠な因子として同定され、近年ではDNAループを形成する活性を持つこ...
キーワード:ソフトマター/ソフトマター物理/相分離/ゲノムDNA/タンパク質複合体/ヒストン/熱力学/力学モデル/コンデンシン/ヌクレオソーム/カエル/表面構造/リンカーヒストン/染色体/生物物理/精子/ゲノム
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発表日:2025年9月17日
29
脳炎を引き起こすラクロスウイルスの増殖阻害薬を発見
~脳炎ウイルスに対する新たな治療薬開発の可能性~(人獣共通感染症国際共同研究所教授 大場靖子、客員教授 佐藤彰彦)
北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所の大場靖子教授、佐々木道仁准教授、五十嵐学准教授、佐藤彰彦客員教授(塩野義製薬株式会社)、小西 慧客員研究員(塩野義製薬株式会社)、同総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点の澤 洋文教授らの研究グループは、ラクロスウイルス(La Crosse virus; LACV)に対して抗ウイルス活性を有する化合物を発見しました。ラクロス脳炎はLACVによって引き起こされる蚊媒介性の感染症であり、主に北米や西欧諸国で症例が報告されています。重篤な感染病態として小児における脳炎症状が特徴的であり、未だラクロス脳炎に対する治療薬は存在しません。研究グル...
キーワード:人獣共通感染症/マウス/阻害剤/培養細胞/ウイルス/ワクチン/遺伝子/感染症/小児
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発表日:2025年9月17日
30
試験管内でオートファジーの初期過程を再現することに成功
〜オートファジー誘導剤の開発に期待〜(遺伝子病制御研究所准教授 藤岡優子、教授 野田展生)
北海道大学遺伝子病制御研究所の藤岡優子准教授及び野田展生教授、東京科学大学総合研究院細胞制御工学研究センターの中戸川仁教授らの研究グループは、オートファジーの中核であるオートファゴソーム新生の初期過程を試験管内で再構成することに成功し、液−液相分離によりオートファジーが始まるメカニズムの詳細を明らかにすることに成功しました。オートファジーとは、有害凝集体や損傷ミトコンドリアなどの分解を行う現象であり、細胞の恒常性を維持する役割を持ちます。オートファジーは栄養飢餓などで活性化されますが(=オートファジー誘導)、この異常に伴って神経変性疾患やがんが引き起こされます。オートファ...
キーワード:相分離/Atg/栄養飢餓/制御工学/たんぱく/オートファゴソーム/酵素反応/オートファジー/ミトコンドリア/リソソーム/凝集体/神経変性/神経変性疾患/阻害剤/遺伝子/脂質
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発表日:2025年8月27日
31
水素とナノファイバーを同時合成する光触媒を開発
~次世代水素社会への貢献に期待~(理学研究院准教授 小林厚志)
北海道大学大学院理学研究院の小林厚志准教授、三浦篤志准教授、高橋啓介教授らの研究グループは、金属錯体色素を複層化した光触媒ナノ粒子とアルコール酸化触媒分子を連動させることで、持続利用可能な資源であるセルロースからクリーンエネルギー源となる水素と高機能材料となるセルロースナノファイバー(CNF)を、環境負荷なく同時合成できる光触媒を開発しました。近年深刻化する環境・エネルギー問題の解決に向けて、化石資源に変わる持続利用可能な炭素資源としてセルロースが注目を集めてきました。セルロースは地球上に最も豊富に存在するバイオマス資源ですが、安定な構造を有しているため資源化には多大なコストが必要...
キーワード:機械学習/光エネルギー/水素生成/複雑系/太陽/金属錯体/青色光/太陽光/有機ラジカル/ファイバー/触媒化学/クリーンエネルギー/可視光/持続可能/光照射/二酸化チタン/チタン/ナノファイバー/光触媒/酸化チタン/ナノ粒子/環境負荷/分光分析/インフォマティクス/光分解/機能材料/TEMPO/セルロース/セルロースナノファイバー/バイオマス/アルコール/ラジカル
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発表日:2025年8月21日
32
AIから導くバンドギャップ設計とペロブスカイト合成
~AIと実験を融合した無機材料開発フローを実現~(理学研究院教授 髙橋啓介)
北海道大学大学院理学研究院の髙橋啓介教授、髙橋ローレン助教、フェルナンド・ガルシア=エスコバル博士研究員、同大学大学院理学院博士後期課程1年の田代智哉氏、修士課程2年の柴田憲伸氏らの研究グループは、機械学習によってバンドギャップ(光吸収の指標)を精密に予測・設計できるペロブスカイト無機材料の開発手法を確立しました。これまで、ペロブスカイト材料は太陽光を効率的に吸収できる優れた構造として知られていましたが、バンドギャップがわずかな構造変化で大きく変動するため、材料設計は困難でした。本研究では、過去の文献に基づく282件の実験データを用い、材料中の元素の性質と構造に基づく記述...
キーワード:機械学習/人工知能(AI)/光エネルギー/再生可能エネルギー/回帰モデル/X線回折/近赤外/太陽/赤外分光/光エネルギー変換/太陽光/バンドギャップ/ペロブスカイト/光吸収/水分解/無機材料/光触媒/材料設計/光学特性/電子顕微鏡/インフォマティクス/SEM/エネルギー変換/ベクター/構造変化
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発表日:2025年8月9日
33
有機分子の還元反応が"加圧"により進行することを発見!
~圧力応答性材料開発に向けた新たな設計指針を提供~(理学研究院准教授 石垣侑祐)
北海道大学大学院理学研究院の石垣侑祐准教授、同大学大学院総合化学院博⼠後期課程の菊池モト氏及び九州大学先導物質化学研究所の福原 学教授らの研究グループは、独自に開発したシクロファン型のジカチオンに対して、静水圧を作用させることでレドックス反応が進行することを明らかにしました。シクロファン型分子は、直鎖状分子ではもち得ない物性を示す可能性があることから、機能材料分野において盛んに研究対象とされてきました。例えば、近年大きな注目を集めているピラーアレーンもシクロファンの一種であり、分子認識やドラッグデリバリーシステムへの応用が期待されます。一方、非常に小さな電子のやり取りで駆動可能なレ...
キーワード:水分子/静水圧/分子構造/シクロファン/酸化還元反応/溶媒和/有機分子/還元反応/酸化還元/積層構造/親水性/環境応答性/生体内/機能材料/環境応答/層構造/レドックス/カチオン/構造変化/分子認識
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発表日:2025年8月7日
34
ウイルスは細胞同士の「会話」を乗っ取り感染を広げる
〜インフルエンザの新たな感染メカニズムを発見、治療薬開発に期待〜(医学研究院 准教授 藤岡容一朗 教授 大場雄介)
北海道大学大学院医学研究院の藤岡容一朗准教授、小澤史弥氏、大場雄介教授、大阪大学産業科学研究所(兼 大阪大学先導的学際研究機構)の永井健治教授、九州大学大学院医学研究院の田村友和准教授と福原崇介教授らの研究グループは、インフルエンザウイルスが体の中で感染を広げていく際に、細胞同士の"会話"を乗っ取ることを突き止めました。この発見により、ウイルス感染を抑える新たな治療法の開発が期待されます。ウイルス感染は、ごく一部の細胞から始まり、徐々に周囲の細胞へと広がっていきます。しかし、感染がどのように周囲の細胞に広がっていくのか、その詳細なメカニズムはよく分かっていませんでした。研...
キーワード:ゲーム/学際研究/カルシウムイオン/リン酸/Ca2+/細胞内カルシウムイオン/アデノシン/インフルエンザ/インフルエンザウイルス/カルシウム/細胞内カルシウム/受容体/創薬/ウイルス
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発表日:2025年8月4日
35
mRNAワクチンのカギを"片手"で握る脂質を解明
〜立体異性体の制御により、安全性と効果を両立〜(医学研究院、総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 田中伸哉、総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点特任准 教授辻信弥)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)特任教授及びマックス・プランク石炭研究所教授のリスト・ベンジャミン氏、WPI-ICReDDの辻 信弥特任准教授、WPI-ICReDD及び同大学大学院医学研究院の田中伸哉教授、津田真寿美准教授らの研究グループは、mRNAワクチンなどに用いられる脂質ナノ粒子(LNP)の一つの「ALC-0315」について、立体異性体ごとの生物学的性質の違いを世界で初めて明らかにしました。LNPは、核酸医薬品の生体内・細胞内輸送に不可欠で、COVID-19パンデミックでは、mRNAワクチンの迅速な実用化を可能にしました。LNP...
キーワード:最適化/イオン化/キラル/不斉合成/エンドソーム/ナノ粒子/生体内/立体化学/細胞膜/細胞毒性/mRNA/パンデミック/核酸医薬/細胞内輸送/ワクチン/脂質/新型コロナウイルス感染症
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発表日:2025年8月4日
36
糖尿病治療薬で生じる皮膚の難病の新規診断法を開発
~早期診断や発症予測への応用を期待~(医学研究院教授氏家英之)
北海道大学大学院医学研究院の眞井翔子客員研究員、眞井洋輔客員研究員、氏家英之教授らの研究グループは、日本で最も多く使用される糖尿病治療薬であるDPP-4阻害薬の服用に伴って発症することが知られる、DPP-4阻害薬関連水疱性類天疱瘡に特異的な自己抗体を高感度かつ高特異度で検出する新規ELISAを開発しました。水疱性類天疱瘡は高齢者に多い自己免疫性水疱症であり、本邦の指定難病の一つです。近年、2型糖尿病治療薬であるDPP-4阻害薬を服用中の方で水疱性類天疱瘡の発症頻度が高いことが報告されています。DPP-4阻害薬関連水疱性類天疱瘡は早期に診断できれば治療への反応性が良いことが知られてい...
キーワード:モニタリング/診断法/ELISA/エピトープ/早期診断/自己抗体/自己免疫性水疱症/水疱症/天疱瘡/HLA/コラーゲン/自己免疫/2型糖尿病/抗体/高齢者/糖尿病/難病
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発表日:2025年7月30日
37
膵臓がんの画期的なナノ治療薬の開発に成功!
~がん細胞のみに抗がん剤を届ける副作用の低い能動的薬物送達システムを初めて実現~(先端生命科学研究院特任教授 西村紳一郎)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の西村紳一郎特任教授と北海道大学発創薬ベンチャーの遠友ファーマ株式会社(本社:札幌市、代表取締役CEO:安井忠良)の研究グループは、これまで抗接着性の「ナノソーム」という粒径20~50ナノメートル程度の超高性能ナノ微粒子を利用したがん治療用ナノ医薬(nanomedicine)の基礎的な研究を進めてきました(例えば、J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 12507-12517;ACS Chem. Biol. 2015, 10, 2073-2086;Angew. Chem. Int. Ed. 2019...
キーワード:トポイソメラーゼ/ナノ微粒子/ナノメートル/微粒子/薬物送達システム/細胞膜/浸潤/膵臓/DDS/イリノテカン/がん細胞/がん治療/マウス/リソソーム/共培養/阻害剤/創薬/副作用/膵がん/膵臓がん/抗がん剤/早期発見/動物実験
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発表日:2025年7月29日
38
新型コロナウイルス感染症における血管障害の原因を解明
~血管内皮細胞の老化によるウイルス取り込み増加が重症化の原因のひとつだった~(歯学研究院教授 樋田京子)
北海道大学大学院歯学研究院の樋田京子教授、間石奈湖助教(研究当時)、同大学大学院歯学院博士課程(研究当時)の桜井優弥氏、同大学大学院医学研究院の大場雄介教授、藤岡容一朗准教授、同大学ワクチン研究開発拠点の澤 洋文教授、同大学人獣共通感染症国際共同研究所の大場靖子教授、佐々木道仁准教授、藤田医科大学の樋田泰浩教授らの研究グループは、血管内皮細胞の中でも特に"細胞老化した血管内皮細胞"が主要なウイルス侵入受容体であるACE2を持たないにもかかわらず、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を取り込む能力が高く、取り込んだウイルス量に応じた炎症応答が誘導されることを発見しました。新型コ...
キーワード:人獣共通感染症/SARS-CoV-2/血栓/VEGFR2/ウイルス感染症/血管障害/血管内皮/細胞老化/増殖因子/血管内皮機能/新型コロナウイルス/歯学/エンドサイトーシス/マウス/血管内皮細胞/受容体/内皮細胞/ウイルス/リスク因子/ワクチン/加齢/感染症/高齢者/新型コロナウイルス感染症/新型コロナウイルス感染症/老化
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発表日:2025年7月24日
39
皮膚エリテマトーデスの病態に「細胞老化」が関与
~老化細胞が免疫細胞の攻撃性を高めるメカニズムを解明~(保健科学研究院 教授 千見寺貴子)
北海道大学大学院保健科学院博士課程2年の山本瀬菜氏、同大学大学院保健科学研究院の千見寺貴子教授、札幌医科大学保健医療学部の齋藤悠城教授、東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センターゲノム医科学分野の新井田厚司講師らの研究グループは、皮膚エリテマトーデスにおいて表皮細胞で起こる細胞老化が病態に関与する可能性を新たに見出しました。皮膚エリテマトーデスは皮膚に慢性かつ炎症性の病変が生じる原因不明の自己免疫疾患で、全身性エリテマトーデス(SLE)症状の一つとして発症することがあります。病態として、I型インターフェロン(IFN)と呼ばれるサイトカインの発現が上昇していること、さらに正常な表...
キーワード:一細胞/ゲノム医科学/全身性エリテマトーデス/インターフェロン/ヒトゲノム/細胞老化/老化細胞/ゲノム解析/HLA/RNA/T細胞/一細胞解析/細胞死/自己免疫/自己免疫疾患/免疫細胞/ゲノム/サイトカイン/老化
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発表日:2025年7月23日
40
鱗食魚には利き眼がある -生存に有利-
~動物の利きメカニズムに迫る~(理学研究院 准教授 竹内勇一)
北海道大学大学院理研究院の竹内勇一准教授、富山大学医学部(研究当時)の樋口祐那氏、帝京大学先端総合研究機構の渡邉貴樹講師、名古屋大学大学院理学研究科の小田洋一名誉教授からなる研究グループは、アフリカ・タンガニイカ湖に棲む鱗食性シクリッド科魚類Perissodus microlepis(鱗食魚)には鋭敏に反応する利き眼があり、捕食や逃避にとって有利に働くことを突き止めました。P. microlepis(鱗食魚)は個体ごとに口部形態に左右差があり、獲物の魚の側面からウロコをはぎとって食べます。その捕食行動において、獲物の右から狙う「右利き」と左から狙う「左利...
キーワード:視覚情報/食行動/シクリッド/選択性/視覚系/運動能力/白内障
他の関係分野:情報学複合領域生物学工学医歯薬学
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発表日:2025年7月14日
41
易分解性で水に可溶なN-メチル化ナイロンの開発に成功
~忘れ去られたポリアミドの親水性材料への新展開~(理学研究院教授 佐田和己、助教 松岡慶太郎)
北海道大学大学院理学研究院の佐田和己教授、松岡慶太郎助教らの研究グループは、柔らかく水に溶ける親水性材料として「N-メチル化ナイロン」を開発し、従来"硬くて水に溶けない化学繊維"として知られていたナイロンの常識を覆す、新たな応用展開を実証しました。ナイロンは1935年にウォーレス・ヒューム・カロザース(Wallace Hume Carothers)によって開発された世界初の化学繊維であり、衣類や傘、釣り糸など、現代社会に欠かせない素材として広く利用されています。これまでのナイロン研究は、繊維としての高い機械的強度や難溶性を追求してきました。これらの特性は、主鎖に含まれ...
キーワード:水素結合ネットワーク/相分離/環境調和/アミド/ポリアミド/高分子/環境負荷/高分子材料/親水性/バイオマテリアル/機能材料/アミド結合/メチル化
他の関係分野:数物系科学化学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年7月11日
42
安定性と迅速強化を両立する自己強化ゲル材料の開発
~計算・情報・実験の融合研究によって設計指針を提案~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点准教授 江居竜、教授 龔剣萍、教授 前田理)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の江 居竜准教授、龔 剣萍教授、前田 理教授らの研究グループは、熱や光に対する高い安定性と迅速な自己強化性能を兼ね備えたゲル材料の作成に成功しました。本研究では、反応経路自動探索技術と機械学習ポテンシャル技術を組み合わせたシミュレーションによって、適切なメカノフォア分子を予測しました。さらに、それらの結果に基づき、安定性と迅速強化を両立する分子設計の指針も提案しました。2019年、龔教授のグループはダブルネットワークハイドロゲル技術によって、引っ張りで強度が増す「筋肉のような」ゲル材料を開発。引っ張りで...
キーワード:経路探索/機械学習/量子化/量子化学/量子化学計算/高分子/ハイドロゲル/シミュレーション/ポリマー/組み換え/筋肉/寿命/ラジカル/分子設計
他の関係分野:情報学数物系科学化学工学医歯薬学
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発表日:2025年7月7日
43
洞窟に暮らす「目がないゴミムシ」から探る遺伝子の退化
~洞窟進出の起源が異なる2種でも、同じ遺伝子が消失している~(地球環境科学研究院教授 越川滋行)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程の丹伊田拓磨氏(研究当時。現在は京都大学大学院農学研究科特定研究員)と同大学大学院地球環境科学研究院の越川滋行教授、近畿大学生物理工学部の芦田 久教授の研究グループは、日本の洞窟に生息するチビゴミムシ2種と、それらに近縁な地表性の種を対象にゲノム情報を取得し、視覚に関わる遺伝子について比較解析を行いました。対象にした洞窟性のチビゴミムシ2種は、進化的に別々に洞窟へ進出したと考えられますが、視覚に関わる遺伝子24個のうち、両種で共通して消失していた遺伝子は9個あり、共通して保持されていた遺伝子は12個ありました。このことから、視覚に関わる遺伝子の消失と保持...
キーワード:環境変化/地球環境/モデル生物/機能性/ゲノム情報/実験モデル/ショウジョウバエ/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:複合領域工学農学医歯薬学
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発表日:2025年7月7日
44
食習慣で鱗食魚の顎が左右非対称になることを実証
~右利き・左利きの形成メカニズムの解明に期待~(理学研究院准教授 竹内勇一)
北海道大学大学院理学研究院の竹内勇一准教授、富山大学医学部(研究当時)の丸林菜々子氏、福井県立大学海洋生物資源学部 先端増養殖科学科の八杉公基准教授からなる研究グループは、動物の右利き・左利きの教科書的な例として知られる、タンガニイカ湖産の鱗食性シクリッド科魚類Perissodus microlepis(鱗食魚)の利きが、他の魚のウロコをはぎ取って食べるという摂食経験によって顕著化されることを突き止めました。ヒトの利き手に代表される「利き」は、遺伝と生後環境の両方の影響を受けて形成されますが、その因果関係はいまだによく分かっていません。「利き」、すなわち左右性のモデル...
キーワード:人工知能(AI)/食行動/海洋/対称性/非対称性/因果関係/シクリッド/表現型可塑性/行動解析/海洋生物/生物資源/可塑性/食習慣
他の関係分野:情報学複合領域環境学数物系科学生物学農学医歯薬学
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発表日:2025年6月27日
45
イカ類は1億年前に既に誕生し爆発的に多様化していた
~古生物学を根本から変革するデジタル化石マイニング技術~(理学研究院准教授伊庭靖弘)
北海道大学大学院理学研究院の池上 森学術研究員、伊庭靖弘准教授、高輝度光科学研究センターの竹田裕介研究員、ルール大学のヨーク・ムッターローゼ教授は、岩石中の全ての化石を完全な形で取り出す手法を開発し、約1億~7,000万年前(白亜紀後期)のイカ類化石を大量に発見・分類することで、その個体数や多様性の変動を解明しました。イカ類は、無脊椎動物中で最も高い身体能力と爬虫類に匹敵する巨大脳をもつ、特異な進化を遂げた生物です。これにより現在のイカ類は海洋全域で繁栄し、生態系や漁業を支える中核となっています。しかし、骨や殻を持たない彼らはほとんど化石として保存されないため、いつ誕生しどのように...
キーワード:情報量/海洋/古生物学/白亜紀/爬虫類/脊椎動物/デジタル化/大脳/生態系/無脊椎動物/海洋生態/海洋生態系/漁業/脊椎
他の関係分野:情報学環境学数物系科学生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年6月20日
46
ナノカプセルでミトコンドリアのゲノム編集に成功
~ミトコンドリア遺伝子疾患治療に向けた新規技術の開発~(薬学研究院 教授 山田勇磨)
北海道大学大学院薬学研究院の山田勇磨教授、同大学院薬学研究院修士課程の野呂田楓氏(研究当時)、リューベック大学(ドイツ)の廣瀬みさ主任研究者らの共同研究グループは、ミトコンドリア標的型ナノカプセル(MITO-Porter)を用いてCRISPR/Cas9ゲノム編集装置(RNP)を哺乳類細胞のミトコンドリア内に直接送達し、特定の遺伝子変異を標的としたミトコンドリアDNA(mtDNA)のゲノム編集に成功しました。ミトコンドリアDNAの変異は、様々な難治性疾患の原因となることが知られていますが、その二重膜構造がゲノム編集装置の導入を困難にしてきました。本研究では、独自開発したMITO-Po...
キーワード:ミトコンドリアDNA/ナノ粒子/マイクロ/マイクロ流体/膜構造/ナノカプセル/細胞モデル/哺乳類/ゲノム編集技術/CRISPR/mtDNA/臨床応用/ゲノム編集/Hela細胞/マイクロ流体デバイス/ミトコンドリア/ゲノム/遺伝子/遺伝子変異/脂質
他の関係分野:生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年6月19日
47
エクソソーム模倣ナノ粒子の作製に成功
~エクソソーム創薬や診断技術の確立に期待~(工学研究院 准教授 真栄城正寿)
北海道大学大学院工学研究院の真栄城正寿准教授、渡慶次学教授らの研究グループは、独自に開発したマイクロ流体デバイスを用いることで、細胞間の情報伝達を担っている細胞外小胞であるエクソソームを模倣した脂質ナノ粒子の作製に成功しました。エクソソームは、内部に核酸(miRNAやmRNAなど)やタンパク質を搭載しており、がんの新たなバイオマーカーや薬物送達システム(DDS:Drug Delivery System)としての応用が期待されています。しかし、細胞から分泌される天然のエクソソームは、粒径やエクソソーム表面に存在しているタンパク質の種類や量が不均一であり、エクソソームの機能解明やDDSへの応用の...
キーワード:準粒子/ナノ粒子/マイクロ/マイクロ流体/薬物送達システム/CD8/細胞外小胞/CD9/mRNA/DDS/RNA/siRNA/インテグリン/マイクロ流体デバイス/マウス/遺伝子治療/医薬品開発/創薬/培養細胞/miRNA/エクソソーム/バイオマーカー/遺伝子/脂質/動物実験
他の関係分野:数物系科学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年6月11日
48
短期記憶の消去に関与するニューロンを発見
~前頭葉機能障害のメカニズム解明に期待~(医学研究院教授 田中真樹、助教 澤頭亮)
北海道大学大学院医学研究院の澤頭 亮助教と田中真樹教授(脳科学研究教育センター兼任)らの研究グループは、前頭葉機能検査で広く用いられているN-back課題を改変してサルに訓練し、脳活動を解析することで短期記憶の操作に関わる神経メカニズムの一端を明らかにしました。本研究では、画面上に次々と現れる視覚刺激の位置を一時的に記憶する課題をサルに行わせ、前頭連合野の神経活動を記録しました。その結果、ある特定の位置に刺激が出たことを記憶している間に活動する神経細胞(記憶ニューロン)とは別に、「その記憶が不要になる」タイミングで活動する新たなタイプのニューロン(消去ニューロン)を発見しました。課...
キーワード:脳活動/霊長類/神経活動/神経生理学/統合失調症/ニューロン/脳科学/前頭葉/電気刺激/短期記憶/病態解明/イミン/神経細胞/神経疾患/生理学/精神疾患
他の関係分野:複合領域生物学医歯薬学
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発表日:2025年6月4日
49
Y染色体はどこへ?―ユニークな進化の軌跡
~トゲネズミ性染色体の長年の謎が明らかに~(理学研究院 教授 黒岩麻里)
北海道大学大学院理学研究院の黒岩麻里教授、久留米大学医学部の奥野未来講師、東京科学大学生命理工学院の伊藤武彦教授らの研究グループは、性染色体に大変ユニークな特徴をもつ日本固有のトゲネズミのゲノム配列を解読し、Y染色体の進化の軌跡を明らかにしました。ヒトを含む哺乳類では、性染色体がXY型だと男性(オス)、XX型だと女性(メス)になります。しかし、奄美大島と徳之島にそれぞれ生息するアマミトゲネズミとトクノシマトゲネズミはY染色体を失っており、オスもメスもX染色体1本のXO/XO型です。一方で、沖縄に生息するオキナワトゲネズミはXX/XY型ではあるものの、一般的な哺乳類とは異なり、一対の...
キーワード:性染色体/染色体構造/哺乳類/ゲノム構造/ゲノム配列/性決定/性決定遺伝子/Sry/染色体/ゲノム/遺伝学/遺伝子
他の関係分野:生物学農学医歯薬学
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発表日:2025年5月21日
50
薬剤を2,000倍濃縮して閉じ込める!
~新しい薬剤キャリア(無機ナノ粒子カプセル化技術)を開発~(電子科学研究所准教授三友秀之)
北海道大学電子科学研究所の三友秀之准教授(研究当時:東北大学多元物質科学研究所兼務)、居城邦治教授、谷地赳拓博士研究員(現在:東北大学多元物質科学研究所 助教)、理化学研究所放射光科学研究センターの米倉功治グループディレクター(東北大学多元物質科学研究所 教授兼務)らの研究グループは、無機ナノ粒子を構成要素としたナノサイズの中空カプセル構造体を作製する新たな技術を開発しました。本研究で開発された中空カプセル(直径100 nm)は、薬剤を内包し、標的とする疾患部位へ適切に薬剤を送達するドラッグデリバリーキャリアとしての応用が期待されます。これまで、リポソームや高分子材料を用いた有機系...
キーワード:水溶液/物質科学/閉じ込め/相分離/放射光/磁場/金ナノ粒子/高分子/微小液滴/キャリア/赤外光/酸化鉄/ナノサイズ/ナノ粒子/高分子材料/ナノカプセル/機能性/クエン酸/副作用
他の関係分野:数物系科学化学総合理工工学農学医歯薬学
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発表日:2025年5月20日
51
産業革命から現在までの大気硝酸量の変遷を北極アイスコアから復元
~人為窒素酸化物の排出量と大気中の硝酸の存在形態が北極の大気硝酸量を制御することを解明~(低温科学研究所 准教授 飯塚芳徳)
北海道大学低温科学研究所の飯塚芳徳准教授、的場澄人助教、金沢大学の石野咲子助教、中国南京大学の服部祥平准教授、名古屋大学大学院環境学研究科の藤田耕史教授らの研究グループは、グリーンランドのアイスコアに記録された産業革命から現在までの大気硝酸濃度と、人為窒素酸化物(NOx)の排出量の変化との間にタイムラグがあり、そのタイムラグが大気酸性度に依存した大気硝酸の長距離輸送のされやすさの変化に起因することを解明しました。北極のアイスコアは大気質や気候に影響を及ぼす大気硝酸量を過去から現在まで連続して記録しています。これまで分析されたグリーンランド中央部のアイスコアでは...
キーワード:アイスコア/気候変動/大気化学/NOx/経年変化/酸化物/窒素酸化物/光分解
他の関係分野:環境学数物系科学工学
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発表日:2025年5月13日
52
コケ植物が環境に応じて隣同士の細胞間コミュニケーションを制御する新たな仕組みを発見
~環境悪化にともない、ストレスホルモン、アブシジン酸が細胞壁にあく多数の小さな孔の形成を抑制~(理学研究院 教授 藤田知道)
北海道大学大学院理学研究院の神野智世博士研究員、楢本悟史准教授、藤田知道教授らの研究グループは、東京農業大学生命科学部の坂田洋一教授、埼玉大学大学院理工学研究科の竹澤大輔教授らとの共同研究により、コケ植物が環境に応じて細胞間コミュニケーションを調節する新たな仕組みを発見しました。植物は「原形質連絡(Plasmodesmata, PD)」と呼ばれる細胞壁にある多数の微細な孔を通じて、細胞間で情報分子や栄養素をやり取りしています。このPDは直径わずか数十ナノメートルと極めて小さく、この構造を通じてRNAや代謝産物、イオンなどが通過することで細胞同士が協調し、個体全体としての成長や環境応...
キーワード:コケ植物/環境適応/ナノメートル/原形質連絡/酸化酵素/リン酸/植物ホルモン/環境ストレス/環境応答/細胞壁/細胞間コミュニケーション/ホルモン/代謝産物/脱リン酸化/RNA/リン酸化酵素/受容体/転写因子/コミュニケーション/ストレス
他の関係分野:生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年5月12日
53
イワナのあくびの長さは地域でちがう
~動物のあくびの地域集団間変異を世界で初めて実証~(水産科学研究院教授和田哲)
北海道大学大学院水産科学院修士課程の長坂玲央氏、同大学大学院水産科学研究院の和田 哲教授、同大学水産科学院博士後期課程の山田寛之氏(研究当時、現 日本学術振興会特別研究員(PD))は、北海道南部に生息するイワナの稚魚であくびの地域集団間比較を行い、稚魚のあくびの持続時間が生息地ごとに異なることを明らかにしました。本研究は、脊椎動物におけるあくびの地域集団間変異を実証した世界初の研究です。あくびは脊椎動物で広く観察されている行動であり、種間変異があることは知られていました。しかし、霊長類をはじめとする脊椎動物の全ての分類群で、あくびの地域集団間変異(種内変異)を検証した研究はありませ...
キーワード:行動生態学/個体群/脊椎動物/霊長類/血流/水産学/生態学/脊椎
他の関係分野:複合領域生物学農学医歯薬学
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発表日:2025年5月9日
54
レドックス刺激により多様な分子骨格の構築を実現
~機能性分子を構築する新規アプローチとして科学技術分野での応用性にも期待~(理学研究院准教授石垣侑祐)
北海道大学大学院理学研究院の石垣侑祐准教授及び同大学大学院総合化学院博士後期課程(研究当時)の張本 尚氏(現在:分子科学研究所助教)らの研究グループは、レドックス反応を巧みに利用することで、従来のアプローチでは到達困難であった分子骨格を含む、複数の分子構造を作り分ける戦略を考案し、その有効性を実証しました。複数の芳香環を含むπ電子系化合物は、特異な物性を示すことから機能材料分野において盛んに研究がなされてきました。分子骨格を適切にデザインすることで、その分子骨格に特有の物性(例えば、鮮やかな色調や可視-近赤外領域での発光)を示すことから、π電子系化合物は様々な分野で広く利用されてい...
キーワード:近赤外/π電子/分子構造/芳香環/芳香族/機能性分子/酸化還元/構造変換/機能材料/機能性/レドックス
他の関係分野:数物系科学化学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年5月7日
55
カニクイザル神経障害性疼痛モデルの評価法を構築
~コレステロール代謝の変化が病態に関与する可能性を解明~(歯学研究院教授飯村忠浩)
北海道大学大学院歯学研究院の飯村忠浩教授らと、旭化成ファーマ株式会社の共同研究グループは、カニクイザル神経障害性疼痛モデルの評価法構築に成功しました。神経障害性疼痛は感覚を司る神経の障害によって引き起こされる疼痛で、しばしば慢性化することにより、患者さんの生活の質(QOL)を大きく低下させることにつながります。医療現場ではより効果の高い新規鎮痛剤の創出が望まれていますが、これまで神経障害性疼痛に対する新薬の研究開発は成功率が低く、新薬開発が難しい疾患とされてきました。その一因として、神経障害性疼痛の創薬研究では、実際の患者さんでの薬効を動物実験で予測することが難しいことが知られてお...
キーワード:霊長類/行動解析/カニクイザル/神経障害性疼痛/動物モデル/評価法/歯学/創薬/コレステロール/遺伝子/遺伝子発現/疾患モデル/生活の質/動物実験/脳波/疼痛
他の関係分野:生物学医歯薬学
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発表日:2025年5月1日
56
腎疾患における好中球の関与を詳細解説
~好中球細胞外トラップを中心に~(保健科学研究院教授 石津明洋)
北海道大学大学院保健科学研究院の石津明洋教授、益田紗季子講師、西端友香講師、同大学大学院医学研究院の中沢大悟講師、楠(渡辺)加奈子助教、北海道大学病院の外丸詩野准教授らの研究グループは、腎疾患における好中球と好中球細胞外トラップの役割についての総説を発表しました。好中球は末梢血白血球中の最多の免疫担当細胞で、従来は均質な細胞集団とみなされていましたが、近年、異なる遺伝子発現プロファイルと免疫特性を持つ多様な細胞群であることが分かってきました。感染などの刺激により活性化された好中球は、刺激の種類とそれを受け取るサブセットの違いに応じて、サイトカイン、ケモカイン、タンパク分解酵素、活性...
キーワード:プロファイル/病原微生物/トラップ/生体内/微生物/血栓/腎臓病/全身性エリテマトーデス/遺伝子発現プロファイル/急性腎障害/血管障害/細胞毒性/糸球体/生体防御/白血球/自己抗原/ケモカイン/活性酸素/好中球/抗原/自然免疫/腎障害/腎臓/生理活性/生理活性物質/サイトカイン/遺伝子/遺伝子発現/慢性腎臓病
他の関係分野:情報学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年4月24日
57
カルシウムストアには"区画"があった
~記憶や学習を支える空間的カルシウム制御の仕組みに迫る~(医学研究院 准教授 山崎美和子)
北海道大学大学院医学院修士課程2年の野村左京氏(研究当時)と同大学院医学研究院の山崎美和子准教授らの研究グループは、小脳プルキンエ細胞において、カルシウム制御に関わる分子が、特定の領域の小胞体に集中して分布することを明らかにしました。これまで、小胞体のカルシウムセンサーであるSTIM1の発現様式は明らかにされていませんでしたが、本研究では、特異的抗体の使用と固定条件の最適化により、STIM1が樹状突起幹の皮質下小胞体に偏在することを明らかにしました。さらに、STIM1の分布はIP3受容体(IP3R)とはよく一致する一方で、リアノジン受容体...
キーワード:最適化/センサー/シナプス/小脳/小脳プルキンエ細胞/IP3受容体/免疫染色/カルシウムイメージング/可塑性/カルシウム/シナプス可塑性/マウス/受容体/樹状突起/小胞体/神経細胞/抗体/神経疾患
他の関係分野:情報学工学医歯薬学
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発表日:2025年4月21日
58
コロナウイルス感染を抑える香辛料由来天然化合物を発見
~変異株にも有効な抗ウイルス薬の開発に期待~(先端生命科学研究院 教授 門出健次)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の門出健次教授、同大学大学院農学研究院の村井勇太准教授、同大学人獣共通感染症国際共同研究所の佐藤彰彦客員教授(兼 塩野義製薬株式会社主席研究員)、同大学総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点の澤 洋文教授らの研究グループは、香辛料などに含まれるマラバリコーンCがSARS-CoV-2(コロナウイルス)に対して抗ウイルス活性を有することを発見しました。現在、新型コロナウイルスの抗ウイルス薬は複数あり、それぞれの作用機序や対象が異なります。また抗ウイルス薬によっては使用や併用禁忌もあり、安全性への配慮が必要となります。そこで研究グループは、安全な...
キーワード:デルタ/人獣共通感染症/変異株/脂質ラフト/SARS-CoV-2/細胞膜/新型コロナウイルス/評価法/スクリーニング/化合物ライブラリー/抗ウイルス薬/天然化合物/天然有機化合物/膜融合/ウイルス/ワクチン/感染症/脂質
他の関係分野:複合領域農学医歯薬学
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発表日:2025年4月16日
59
細菌の進化と遺伝子変異を短期間で可視化する技術を開発
~細菌感染症・薬剤耐性の克服に有用なツールとして期待~(獣医学研究院准教授佐藤豊孝)
札幌医科大学大学院医学研究科博士課程の上村幸二郎氏、同大学医学部の山本 聡講師、小笠原徳子准教授、髙橋 聡教授、千葉弘文教授、横田伸一教授、東邦大学医学部の青木弘太郎助教、大阪公立大学大学院生活科学研究科の和田崇之教授、北海道大学大学院獣医学研究院/同One Healthリサーチセンターの佐藤豊孝准教授らの研究グループは、細菌を短期間(20日以内)で急速に適応進化させ、進化の過程で出現した数多くの遺伝子変異の中から、病原性や薬剤耐性に関与する遺伝子変異を網羅的に抽出・推定する手法「RIBEA(Rapid andIntegratedBacterial...
キーワード:適応進化/リスク評価/血流/獣医学/病原性/細菌感染/遺伝子/遺伝子変異/感染症/細菌/薬剤耐性
他の関係分野:生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年4月12日
60
選ばれた神経だけが強くなる――脳の勝者総取り戦略
~シナプスの構造的な強化を3次元で可視化~(医学研究院准教授山崎美和子)
北海道⼤学⼤学院医学院博⼠課程4年の新田麻子氏(研究当時)、同大学院医学研究院の山崎美和子准教授らの研究グループは、脳が発達過程で重要な神経接続を選び取り、不要なものを除去する「神経回路の精緻化」に着目し、小脳プルキンエ細胞―登上線維シナプスの構造的強化を明らかにしました。出生直後のマウスでは、複数の登上線維が一つのプルキンエ細胞に接続していますが、生後7日頃から「勝者」となる1本が選ばれ、他の登上線維を退けて樹状突起へと移行し始めます。本研究では、連続電子顕微鏡法を用いて「勝者」登上線維シナプスの微細構造を3次元的に可視化し、免疫組織化学により、分子の分布を解析しました...
キーワード:電子顕微鏡/電子顕微鏡法/微細構造/グルタミン酸受容体/シナプス/小脳/小脳プルキンエ細胞/登上線維/組織化学/組織化/神経伝達物質/解剖学/グルタミン酸/マウス/受容体/樹状突起/神経回路/免疫組織化学
他の関係分野:工学農学医歯薬学
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発表日:2025年4月12日
61
わが国で初めてKLHL11抗体測定系の確立に成功
~原因不明の小脳性運動失調症の診断と治療への貢献に期待~(医学研究院教授矢部一郎、准教授矢口裕章)
北海道大学大学院医学院博士課程の藤井信太朗医師及び工藤彰彦医師、同大学院医学研究院の矢口裕章准教授及び矢部一郎教授らの研究グループは、近畿大学医学部内科学教室(脳神経内科部門)の山岸裕子非常勤教員及び永井義隆主任教授、福井県立大学の米田 誠教授、新潟大学の田中惠子非常勤講師、岐阜大学の木村暁夫准教授との共同研究において、2019年に北米で同定され近年注目されている、自己免疫性小脳失調症に関連する自己抗体の一つであるKLHL11抗体(自己免疫性小脳失調症関連抗体)の測定系をわが国で初めて確立し、その陽性例がわが国でも原因不明の小脳性運動失調症患者群のなかに複数例存在することを発見しました。...
キーワード:運動失調/小脳/診断法/精巣/自己抗体/免疫治療/自己免疫/コホート/医師/抗体/神経疾患
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2025年4月9日
62
3Dプリンターを活用した安価な材料合成ロボットの開発
~材料合成プロセスの自動化~(理学研究院教授髙橋啓介、助教髙橋ローレン)
北海道大学大学院理学研究院・総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の髙橋啓介教授、髙橋ローレン助教、クワハラ・ミカエル学術研究員、前田 理教授らの研究グループは、3Dプリンターを活用して完全自作可能な材料合成ロボット「FLUID」を開発しました。これまで、研究グループは触媒インフォマティクスを活用し、人工知能による材料開発を実現してきました。しかし、触媒の合成や評価は依然として人が担っており、化学実験の完全自動化には至っていませんでした。一方、海外では化学合成ロボットの販売が始まっていますが、高額かつ汎用性の低さが導入の大きな障壁となっていました。そ...
キーワード:インターフェース/AI/情報学/人工知能(AI)/産学連携/無機材料/3Dプリンター/コバルト/モーター/ロボット/ロボット制御/酸化物/自動化/流体制御/インフォマティクス/カエル
他の関係分野:情報学複合領域工学農学
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発表日:2025年4月3日
63
天然L-アミノ酸のキラリティーをワンツーパス!
~光学活性非天然アミノ酸を効率的に合成する新手法、創薬研究の加速に期待~(薬学研究院教授佐藤美洋、助教森崎一宏)
北海道大学大学院薬学研究院の佐藤美洋教授、森崎一宏助教、同大学大学院生命科学院修士課程1年の古木悠翔氏らの研究グループは、天然に豊富に存在する安価なL-アミノ酸から創薬において重要な光学活性非天然アミノ酸を効率的に合成する新手法を開発しました。アミノ酸及びその誘導体は、生命科学・創薬化学の研究において欠かすことができない重要な化合物です。多くのアミノ酸はその三次元的な配置から鏡像異性体(L体(左手型)とD体(右手型))として存在しますが、鏡像異性体間で生物活性などが異なる場合が多いため、生命科学・創薬化学において利用するためには、それぞれを別々に合成(不斉合成)することが必要となり...
キーワード:産学連携/幾何構造/キラリティー/キラル/光学活性/不斉合成/付加環化反応/生物活性/アミノ酸/環化反応/触媒的不斉合成/創薬/創薬化学/非天然アミノ酸/不斉触媒/誘導体/RCT
他の関係分野:複合領域数物系科学化学総合理工医歯薬学
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発表日:2025年4月1日
64
受精卵の細胞分化を調節する新たな仕組み
~ウシ胚を用いて明かされる細胞極性に依存しない分化制御~(農学研究院准教授川原学)
北海道大学大学院農学研究院の川原 学准教授らの研究グループは、同大学大学院農学院博士後期課程の齋藤 隼氏らとともに、我が国で最も重要な食資源動物の一つであるウシの初期胚発生における細胞分化の仕組みを明らかにしました。初期胚の発生を制御する分子経路であるHippoシグナルの調節は、Yes-associated protein 1 (YAP1)という分子の細胞内局在によって制御されます。最も研究が進んでいる実験動物マウスの初期胚を用いた研究において、細胞の方向性を決める細胞極性の確立がYAP1細胞内局在を決定していることが明らかにされています。細胞極性の確立というイベントは、全ての哺乳類初期胚に...
キーワード:産学連携/マウス胚/初期胚/胚発生/実験動物/哺乳類/ウシ/初期胚発生/受精/受精卵/着床/分化制御/マウス/細胞極性/細胞内局在/細胞分化/分子生物学
他の関係分野:複合領域生物学農学医歯薬学
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発表日:2025年4月1日
65
発酵的水素生成能の高いマリン・ビブリオの存在意義
~カーボンニュートラルの実現に向けたマリン・バイオリソースの活用に期待~(水産科学研究院教授澤辺智雄)
北海道大学大学院水産科学研究院の美野さやか助教、澤辺智雄教授、インド国立科学技術研究所のラメッシュクマー博士、ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学のトンプソン教授らの研究グループは、発酵的水素生成能の高い海洋細菌であるビブリオ・トリトニアスを見いだし、ゲノム比較、網羅的遺伝子発現解析、生理比較などを行い、この細菌が高い水素生成を維持し続けている理由を検討してきました。一連の研究は、発酵的水素生成に寄与するギ酸水素リアーゼ複合体(FHL)遺伝子群が、他の細菌には類を見ない、美しく整然と並んだ単一遺伝子クラスターを形成していることや、発酵的水素生成の過程で生じるギ酸の再取り込みが高い水素生成に寄与...
キーワード:産学連携/温室効果ガス/海洋/水素生成/温室効果/海底堆積物/堆積物/分子系統解析/分子系統/生産技術/カーボンニュートラル/カーボン/遺伝子クラスター/発酵/海洋細菌/輸送体/消化管/系統解析/バイオ燃料/微生物/遺伝子発現解析/発現解析/網羅的遺伝子発現解析/解糖系/大腸/大腸菌/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現/細菌
他の関係分野:複合領域環境学数物系科学生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年3月28日
66
牛リンパ腫発症予測診断技術RAISINGの精度の高さを証明
~国内初の14研究機関による多施設検証試験を実施~(獣医学研究院教授今内覚)
北海道大学大学院獣医学研究院の今内 覚教授、岡川朋弘特任助教、国立感染症研究所の斎藤益満主任研究官、株式会社ファスマックの松平崇弘氏らの研究グループは、牛のリンパ腫の発症予測診断技術RAISINGを改良し、国内の14研究機関における多施設検証試験により本診断技術の精度の高さを証明しました。牛伝染性リンパ腫ウイルス(bovine leukemia virus:BLV)は日本中の農場で蔓延しており、BLVの感染を原因とする牛伝染性リンパ腫(enzootic bovine leukosis:EBL)の発生が急増しています。EBL発症牛は、と畜検査で全部廃棄となり、食肉として売却できないだ...
キーワード:品質管理/がん検診/DNAポリメラーゼ/リスク評価/性能評価/診断法/リンパ腫/獣医学/ウイルス/感染症
他の関係分野:複合領域生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年2月26日
67
有機リチウム試薬の簡便かつ環境に優しい合成法の開発
~溶媒使用量を劇的に削減可能な新規有機合成プロセスの構築へ~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点 准教授 久保田浩司)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)、同大学大学院工学研究院の伊藤 肇教授、久保田浩司准教授らの研究グループは、ボールミルという粉砕機を用いたメカノケミカル法を活用し、有機合成の歴史の中で最も幅広く利用されてきた反応剤の一つである有機リチウム試薬を、有機溶媒をほとんど用いない条件で合成し、有機合成に利用する手法を開発しました。一般的に有機リチウム試薬は、水や空気を厳密に除去した反応容器内において、高純度の有機溶媒を使用し、慎重に温度管理を行いながら調製され、有機合成に利用されています。有機リチウム試薬はその高い反応性のため、有機合成におい...
キーワード:産学連携/ハロゲン/環境調和/メカノケミカル/前駆体/リチウム/化学工学/環境負荷/機能性材料/物質生産/機能性/有機合成
他の関係分野:複合領域数物系科学化学工学農学医歯薬学
北海道大学 研究シーズ