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研究分野:複合領域 に関係する研究一覧:57件
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発表日:2026年4月28日
1
絶滅動物の骨化石の脂質同位体から食生活が分かった!
~世界初、中新世に生きたカイギュウの化石骨中のステロールの炭素同位体比から食性を復元~(理学研究院教授 沢田健)
足寄動物化石博物館学芸員(北海道大学総合博物館の資料部研究員兼任)の新村龍也氏と北海道大学大学院理学研究院の沢田 健教授の研究グループは、博物館に収蔵された海生哺乳類の骨化石を有機地球化学的手法で分析しました。この研究では、北海道の中新世の地層(~約1千万年前)から産出したカイギュウ類の骨化石の中に保存された脂質を分析し、その安定炭素同位体比から食性を推定しました。約1千万年前という古いカイギュウ類の骨化石において、その中に保存された脂質の一種(C27ステロイド)が、その動物自身に由来することを示し、さらにその脂質の同位体比から食性(アマモ食orケルプ食)を推定した例は、世界で初めて...
キーワード:博物館学/安定同位体比/安定同位体/炭素同位体/炭素同位体比/地球化学/同位体/同位体比/エナメル質/脊椎動物/中新世/哺乳類/脊椎/ステロイド/脂質/食生活
他の関係分野:環境学数物系科学生物学農学医歯薬学
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発表日:2026年4月24日
2
台風かく乱後の森林は「遅れて加速」して炭素を吸収
~炭素クレジットのベースライン設計と対象森林の再考に示唆~(農学研究院教授 加藤知道)
北海道大学大学院農学研究院の加藤知道教授と同大学北方生物圏フィールド科学センター中路達郎教授、東京大学大学院農学生命科学研究科、国立環境研究所生物多様性領域の林 真智特別研究員らの研究グループは、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター苫小牧研究林の天然広葉樹が優占する森林約2,516 haを対象に、2004年の台風かく乱後の森林バイオマス回復を、多時期の航空機レーザ測量及びUAV(無人航空機)レーザ測量と現地調査を統合して18年間(2004-2022年)追跡し、その時空間動態を高解像度(2m)で定量化しました。その結果、対象地全域の18年間の平均森林地上部バイオマス成長速度は1....
キーワード:深層学習/人工知能(AI)/UAV/非線形/LiDAR/現地調査/航空機/二酸化炭素/制度設計/バイオマス/森林バイオマス/人工林/天然林/生物多様性
他の関係分野:情報学数物系科学工学農学
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発表日:2026年4月14日
3
CPCトローチが唾液中SARS-CoV-2を一時的に抑制
~COVID-19患者唾液ウイルス量低減による感染拡大抑制の可能性~(歯学研究院教授 樋田京子)
北海道大学大学院歯学研究院の樋田京子教授、間石奈湖助教(研究当時)、同大学大学院歯学院博士課程(研究当時)の武田 遼氏、同大学総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点の澤 洋文教授、同大学人獣共通感染症国際共同研究所の大場靖子教授、佐々木道仁准教授、藤田医科大学の樋田泰浩教授らの研究グループは、口腔ケア製品に広く用いられる殺菌成分セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)の臨床的抗ウイルス効果を検証しました。なお、本研究は札幌市保健福祉局の秋野憲一氏、水田むつみ氏らの協力のもと実施されました。デルタ株流行期(2021年8月)にCOVID-19患者34名を対象として唾液を経時的に採...
キーワード:デルタ/公共空間/人獣共通感染症/水田/SARS-CoV-2/歯学/RNA/ウイルス/ワクチン/感染症/新型コロナウイルス感染症/唾液/臨床研究
他の関係分野:工学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2026年4月9日
4
胎内被ばくが導くミトコンドリアDNAの次世代変化
~見た目では捉えられない"隠れた次世代影響"を明らかに~(保健科学研究院准教授 福永久典)
北海道大学大学院保健科学研究院の福永久典准教授(環境健康科学研究教育センター副センター長)、清野良輔学術研究員、池田敦子教授、同大学大学院保健科学院修士課程の久保春果氏の研究グループは、妊娠初期の放射線被ばくが母体及び仔のミトコンドリアDNAに与える影響をマウスモデルで解析し、母体と仔で異なる応答様式が生じることを明らかにしました。特に、仔では低線量から変化が検出される一方で、体重や性比といった発育指標には影響がみられず、従来の指標では捉えられない次世代影響の可能性が示されました。放射線の次世代影響とミトコンドリアゲノムを結ぶこの新たな研究成果は、今後、より安全で合理的な放射線防護・...
キーワード:放射線防護/ミトコンドリアDNA/健康リスク/リスク評価/ミトコンドリアゲノム/mtDNA/マウスモデル/マウス/ミトコンドリア/ゲノム/妊娠/放射線
他の関係分野:生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年3月28日
5
リウマチ画像解析の学習データとAIベンチマークを公開
~1,048手のX線データセットがリウマチ診断支援の進化を加速~(保健科学研究院教授 神島保)
北海道大学大学院保健科学研究院の神島保教授、同大学量子集積エレクトロニクス研究センターの池辺将之教授、同大学大学院保健科学院博士後期課程の王昊霖氏、東京科学大学工学院システム制御系の奥富正敏特任教授、博士後期課程の楊松暁氏、同大学総合研究院の欧亜非研究員らの研究グループは、関節リウマチ(RA)の診断支援に向け、手首X線画像に基づく初のマルチタスクデータセットとAIベンチマークを公開しました。RAは代表的な自己免疫疾患であり、臨床現場ではX線画像が関節破壊評価に広く用いられています。特に手首は診断上重要な部位ですが、複雑な骨構造や疾患進行による骨変形のため、高精度なアノテーションが難し...
キーワード:アーキテクチャ/セグメンテーション/ベンチマーク/アノテーション/アルゴリズム/タスク/深層学習/人工知能(AI)/自動評価/コンピュータ支援設計(CAD)/システム制御/センシング/関節/臨床応用/骨折/評価法/リウマチ/関節リウマチ/自己免疫/自己免疫疾患
他の関係分野:情報学工学医歯薬学
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発表日:2026年3月23日
6
「超酸」の中で発光し続ける色素の開発に成功
~酸による分解という最大の弱点を克服、極限環境でのイメージング応用に光明~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授 猪熊泰英)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)・同大学大学院工学研究院の猪熊泰英教授らの研究グループは、濃硫酸をはるかに超える酸性度を持つ「超酸」の中でも分解せず発光し続ける蛍光色素「超酸耐性BODIPY」の開発に成功しました。BODIPY(ボロン-ジピロメテン)は50年以上前に開発され、高い発光量子収率を有することから、細胞染色やセンサーなど幅広い用途で利用されている最も有名な蛍光色素の一つです。しかし、この色素には応用範囲を大きく制限する最大の弱点がありました。それが、酸性環境下でホウ素原子が脱離する「脱ホウ素化反応」によって蛍光発光が失われてし...
キーワード:シナジー/分子構造/樹脂/イオン交換/センサー/センシング/フッ素/耐久性/極限環境/ホウ素/光イメージング/官能基/蛍光イメージング/蛍光色素
他の関係分野:化学工学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2026年3月12日
7
コラーゲンの質量分析による遺跡出土ワニ類の同定に成功
~ワニ類を対象とした初報告~(総合博物館教授 江田真毅)
北海道大学大学院理学院博士後期課程の田中望羽氏と北海道大学総合博物館の江田真毅教授、小林快次教授らの研究グループは、骨中コラーゲンの質量分析による動物骨同定の手法(ZooMS)をワニ類に初めて適用し、形態からの識別が困難な遺跡から出土したワニ類の骨をヨウスコウワニと特定することに成功しました。本研究では、まず東アジアに生息するワニ3種(ヨウスコウワニ・イリエワニ・マレーガビアル)を対象に骨中コラーゲンの質量分析を行いました。その結果、各種に特徴的なペプチドピークを見出し、3種の識別基準の作成に成功しました。次に、この基準を中国浙江省の長江デルタ地域に位置する田螺山...
キーワード:デルタ/新石器時代/質量分析/コラーゲン
他の関係分野:生物学総合理工医歯薬学
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発表日:2026年3月9日
8
イタヤカエデの杢(もく)と樹形・成長との関係を解明
~高付加価値材となり得る個体の選木・育成方法への貢献に期待~(北方生物圏フィールド科学センター教授 吉田俊也)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程の仲谷 朗氏と同大学北方生物圏フィールド科学センター雨龍研究林の宮崎 徹技術専門職員、同大学北方生物圏フィールド科学センター北管理部の吉田俊也教授の研究グループは、北海道に広く生息するイタヤカエデ60個体を対象に、木材価格を大幅に高める「杢(もく)」(繊維の乱れが材表面に現れる複雑な模様)に着目し、その板面積に対する割合と個体ごとの成長特性(樹形や年輪幅、個体サイズなど)との関係を分析しました。その結果、杢の割合は年輪幅や個体サイズとは関係性が弱く、樹幹の曲りが大きい個体や二股の位置が近い部分で高いことを突き止めました。このことは、間伐...
キーワード:オプション/定量的評価/森林管理
他の関係分野:環境学農学
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発表日:2026年3月4日
9
アミロイドの"種類"が睡眠と脳活動を左右する
~線維化Aβ40と線維化Aβ42がマウスの睡眠・皮質脳波に異なる影響~(理学研究院准教授 常松友美)
北海道大学大学院理学研究院の常松友美准教授らの研究グループは、東北大学学際科学フロンティア研究所の佐栁友規学術研究員(研究当時)、奥村正樹准教授、韓国基礎科学研究所の李 映昊教授らとともに、アルツハイマー病の原因物質として知られる線維化アミロイドベータ(Aβ)が、マウスの睡眠と脳波活動(皮質オシレーション)に及ぼす影響が、線維化Aβの種類によって大きく異なることを明らかにしました。アルツハイマー病では記憶障害などの症状に加えて睡眠障害がしばしば報告されますが、その神経生理学的メカニズムは十分に解明されていませんでした。本研究では代表的な2種類の線維化Aβ(線維化Aβ1-40、線維化...
キーワード:脳活動/神経生理学/皮質脳波/病態解明/アミロイド/アルツハイマー病/マウス/神経細胞/海馬/睡眠/睡眠障害/生理学/線維化/脳波
他の関係分野:総合生物医歯薬学
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発表日:2026年2月4日
10
受胎前被ばくが導く次世代ミトコンドリアDNAの臓器特異的再編
~ミトコンドリアゲノムから読み解く放射線の次世代影響~(保健科学研究院准教授 福永久典)
北海道大学大学院保健科学研究院の福永久典准教授らの研究グループは、両親の妊娠前の放射線被ばくが、子どもの各臓器におけるミトコンドリアDNAの量(コピー数)に影響することを、マウスを用いた実験で明らかにしました。また、その影響は臓器ごとに異なる形で現れることも分かりました。さらに、肝臓のミトコンドリアDNAコピー数が小さいほど、肝重量が大きいという関連もみられ、ミトコンドリアゲノム量的制御の変化と出生時の臓器成長との関連も新たに示唆されました。放射線次世代影響とミトコンドリアゲノムを結ぶこの新たな知見は、今後、より安全で合理的な放射線防護・健康リスク評価を可能とする基盤的知見として活...
キーワード:放射線防護/ミトコンドリアDNA/健康リスク/リスク評価/ミトコンドリアゲノム/心臓/マウス/ミトコンドリア/ゲノム/遺伝学/妊娠/放射線
他の関係分野:生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年1月29日
11
選ばれた接続を強く育てる脳の仕組みを解明
~小脳神経回路形成におけるmGluR1シグナルの意外な二役~(医学研究院 山崎美和子 准教授)
北海道大学大学院医学研究院の山崎美和子准教授、帝京大学先端総合研究機構の狩野方伸特任教授(東京大学大学院医学系研究科 名誉教授)らを中心とする、北海道大学、帝京大学、東京大学、広島大学の研究グループは、運動学習や認知機能・社会性を担う小脳の神経回路形成過程において、重要な神経接続を強化する仕組みを明らかにしました。生まれた直後のマウスのプルキンエ細胞は、5本以上の登上線維とシナプスを形成していますが、その後の1週間で1本の線維が選ばれて「勝者」となり、これ以外の線維(敗者)は最終的に除去されます。これまでの研究では、この「勝者」が強化され、樹状突起の広い範囲へ支配を拡大する仕組みに...
キーワード:脳神経回路/グルタミン酸受容体/シナプス/小脳/神経回路形成/神経結合/登上線維/プロテインキナーゼ/mGluR1/代謝型グルタミン酸受容体/運動学習/PKC/キナーゼ/グルタミン酸/シナプス刈り込み/プロテインキナーゼC/マウス/受容体/樹状突起/神経回路/認知機能
他の関係分野:総合生物医歯薬学
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発表日:2026年1月28日
12
樽材向き北海道産ミズナラ、成長のカギを明らかに
~持続可能な樽材用立木育成への貢献に期待~(北方生物圏フィールド科学センター教授 吉田俊也)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程の仲谷 朗氏と同大学北方生物圏フィールド科学センターの吉田俊也教授、北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場の村上 了主査、大崎久司主査、同機構森林研究本部林業試験場の大野泰之森林経営部長の研究グループは、ウイスキーの樽材として需要が急増しているミズナラを対象に、237個体の材のねじれ(繊維傾斜)度合や、チロースの出現比率を調べ、個体ごとの生育特性(年輪幅や木口面の偏心度、立地環境など)との関係を分析しました。その結果、成長が遅く、年輪の中心(髄)が偏っていない個体は材のねじれ度合が小さく、道管に形成されるチロースの割合が多くなるため、液漏れ...
キーワード:環境変化/持続可能/ミズナラ/二次林
他の関係分野:工学農学
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発表日:2026年1月6日
13
太平洋側北極海の「亜寒帯化」は夏に進行することを解明
~プランクトンの12年間の長期観測データを日韓共同で解析~(北方生物圏フィールド科学センター准教授 松野孝平)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの松野孝平准教授、同大学大学院水産科学研究院の山口 篤准教授、韓国極地研究所のジ―フーン キム博士らの研究グループは、2008-2021年の12年間にわたる太平洋側北極海における動物プランクトン群集と海洋環境データを日韓共同で解析し、太平洋群集が8月には増加するが、9月になると急速に減少することを明らかにしました。動物プランクトンは、海洋生態系における重要な仲介者であり、植物プランクトンの一次生産に起因する有機物を、高次生物へ受け渡します。また動物プランクトンは、寿命が短く、⽔中を漂うため、海氷衰退のような気候変動の影響を受けやすいと考えら...
キーワード:季節変化/海氷/極地/北極海/海洋/地球温暖化/気候変動/海洋環境/有機物/生態系/プランクトン/温暖化/海洋生態/海洋生態系/植物プランクトン/動物プランクトン/寿命/将来予測
他の関係分野:環境学数物系科学工学農学医歯薬学
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発表日:2026年1月6日
14
「光る精子」をもつ精子形成可視化マウスの開発に成功
~革新的な生殖毒性スクリーニング技術・イノベーションの創出に期待~(保健科学研究院准教授 福永久典)
北海道大学大学院保健科学研究院の福永久典准教授(環境健康科学研究教育センター副センター長)、同大学大学院医学研究院の白土博樹教授、大阪大学微生物病研究所の宮田治彦准教授、英国クイーンズ大学ベルファストのケヴィン プライズ教授らの国際共同研究グループは、雄マウスの精子形成を生体内でリアルタイム可視化できる新しい遺伝子改変動物モデルの開発に成功しました。男性生殖機能に対する医薬品・環境化学物質・放射線などの影響を調べる生殖毒性試験は、新薬開発や環境リスク評価に不可欠です。しかし従来は、マウスを交配させて受胎を確認したり、解剖して精巣組織を解析したりするなど、時間・労力・個体数のコストが...
キーワード:毒性評価/化学物質/環境リスク/生殖/リスク評価/遺伝子改変/生体内/微生物/生殖細胞/ノックイン/ノックインマウス/精子形成/遺伝子改変動物/精巣/男性不妊/動物モデル/がん治療/スクリーニング/マウス/ラット/精子/創薬/遺伝子/動物実験/非侵襲/放射線
他の関係分野:環境学生物学工学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2025年12月15日
15
ゆっくり動く水生動物の行動を"見える化"
~マナマコの移動を捉える新解析手法を確立~(水産科学研究院教授 高木力)
北海道大学大学院水産科学研究院の高木 力教授、同大学大学院環境科学院博士後期課程の田中優斗氏、同大学大学院水産科学院修士課程の篠野惠利香氏(研究当時)及び神田紘暉氏(研究当時)、道立総合研究機構函館水産試験場の酒井勇一主任主査らの研究グループは、音響テレメトリーとデータ同化手法を組み合わせ、これまで目視に頼っていたマナマコの移動を長期間かつ高精度で追跡する手法を確立しました。特に放流後の移動分散行動については、これまでほとんど明らかにされてこなかった分野であり、今後の応用が期待されます。さらに、フラクタル次元解析を用いることで、10月(夏眠期)と2月(成長期)における行動の「複雑性」や「活性...
キーワード:複雑性/沿岸生態系/フラクタル/フラクタル次元/底生動物/データ同化/音響計測/底生生物/生態系/資源管理/成長期
他の関係分野:環境学数物系科学生物学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年12月13日
16
気候変動による生息環境変化が日本産サケを減少させる
~サケ資源管理や保全への貢献に期待~(北極域研究センター特任助教 アイリーンアラビア)
北海道大学北極域研究センターのアラビア アイリーン ドロルフィーノ特任助教、齊藤誠一研究員、ホルヘ ガルシア モリノス准教授、平田貴文特任准教授、帰山雅秀研究員、同大学大学院水産科学研究院の上野洋路教授、北見管内さけ・ます増殖事業協会の宮腰靖之博士、Green Life Innovation Inc.の高橋文宏氏らの共同研究グループは、1998年から2022年における北太平洋の海洋環境の変化と日本産サケのバイオマス動態との関係を分析しました。その結果、サケの摂餌海域と越冬海域が著しく変化しており、特に北太平洋の生息南限における生息域が減少し、生息北限はベーリング海北部やチュクチ海南部へ拡大し...
キーワード:環境変化/極域/空間分布/海洋/気候変動/北太平洋/海洋環境/ベーリング海/バイオマス/サケ/プランクトン/温暖化/資源管理/動物プランクトン
他の関係分野:環境学数物系科学工学農学
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発表日:2025年11月1日
17
医療機器開発における献体使用のガイダンスを策定
~医療機器の研究開発の新たな基盤構築~(医学研究院准教授/北海道大学病院先端医療技術教育研究開発センターセンター長・診療教授 七戸俊明)
北海道大学大学院医学研究院の七戸俊明准教授らの研究グループは、2023~24年度のAMED事業として、「医療機器の研究開発におけるカダバースタディーに関するガイダンス」を策定しました。本ガイダンスは、2025年9月29日(月)に経済産業省及び日本医療研究開発機構(AMED)により公表されました。これまで我が国では、医療機器開発におけるカダバースタディー(ご遺体を使用した医療機器の研究開発)に関するガイダンスが存在せず、企業や研究者が国内でなく海外で実施するケースがありました。本ガイダンスは、そのような課題を解消するため、実施手順を法的・倫理的観点を含めて体系的に...
キーワード:医療機器/解剖学
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2025年10月16日
18
胆振東部地震による高密度斜面崩壊で森林蒸発散が減少
~洪水や土砂流出に注意~(農学研究院助教桂真也)
北海道大学大学院農学研究院の桂 真也助教、同広域複合災害研究センターの厚井高志特任准教授の研究グループは、2018年に発生した北海道胆振東部地震で高密度に発生した斜面崩壊により、森林蒸発散量が減少したことを解明しました。胆振東部地震では森林に覆われた流域で斜面崩壊が高密度に発生し、森林に大きな被害をもたらしました。森林は、蒸発(降雨時に葉、枝、幹に付着した雨滴が蒸発すること)と蒸散(根から吸った水を葉の気孔から水蒸気として排出すること)により(両者をまとめて「蒸発散」と呼びます)、降雨の一部を水蒸気の形で大気に戻すという役割を担っています。研究グループは、地震から3~4年後の夏季に...
キーワード:土砂流出/水蒸気/蒸発散/斜面崩壊
他の関係分野:数物系科学工学
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発表日:2025年10月14日
19
標本庫から見つかった消息不明の新種スガワラオウギ
~約90年前にサハリン島で1度だけ採集されたマメ科ゲンゲ属~(総合博物館助教 首藤光太郎)
北海道大学総合博物館ボランティアの横山(木村)耕氏と同館の首藤光太郎助教による研究グループは、約90年前に新種として発表されたものの命名規約上無効だったマメ科ゲンゲ属の学名を再検討し、形態精査に基づき新種であったことを発見・報告しました。この植物をサハリンで最初に発見し、無効ではあったものの新種として発表した菅原繁蔵氏(1876~1967)に献名し、スガワラオウギAstragalus sugawarae Kimura-Yokoyama & Shutohと命名しました。菅原繁蔵氏は、戦前サハリンで32,000点に及ぶ植物標本を採集し、その集大成として全4巻からな...
キーワード:ボランティア/維管束
他の関係分野:生物学
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発表日:2025年9月18日
20
がんを促進するPPM1D酵素の新たな分解経路を解明
~プロテアソーム阻害薬との併用療法の可能性~(医学研究院教授畠山鎮次、講師 渡部昌)
北海道大学大学院医学院博士課程4年の高橋正樹氏、同大学大学院医学研究院の渡部 昌講師、畠山鎮次教授らの研究グループは、がんドライバー遺伝子産物であり、脱リン酸化酵素でもあるPPM1Dが、従来知られていた「ユビキチン」という目印を付ける経路を介さずに、直接プロテアソームで分解されることを発見しました。この分解はPPM1Dのカルボキシル末端領域を介して起こることも明らかにしました。細胞はタンパク質の合成と分解による品質管理で機能を維持していますが、その破綻はがんの要因となります。がんドライバーPPM1Dは腫瘍抑制因子p53を抑え進行や耐性を助長しますが、その分解機構は未解明であり、本研...
キーワード:品質管理/酸化酵素/リン酸/キチン/p53/脱リン酸化/がん細胞/がん治療/タンパク質分解/プロテアソーム/ユビキチン/ユビキチン化/リン酸化酵素/阻害剤/遺伝子
他の関係分野:農学医歯薬学
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発表日:2025年9月16日
21
高山帯のマルハナバチは温暖化でどうなるか?
~市民ボランティアとの共同研究で初めて明らかになった高山植物のポリネーターの動向~(地球環境科学研究院特任准教授 工藤岳)
北海道大学大学院地球環境科学研究院の工藤 岳特任准教授らの研究グループは、北海道大雪山系の高山帯2地域で12年間にわたる高山植物の開花時期とマルハナバチ個体数のモニタリングデータから、気候変動がマルハナバチの個体群変動に及ぼす影響を解析しました。雪渓跡地の雪田群落は働きバチの重要な採餌場所ですが、開花時期は雪解け状況により大きく年変動します。気温が1℃上昇し、融雪が10日早まった場合、高山帯全体の開花期間は9.2日短縮されると予測されました。一方で、働きバチの出現時期は気温や融雪時期の影響を受けず、毎年8月上旬に個体数がピークに達しました。そのため、雪解けが早く進んだ年には、雪田群落の開花ピ...
キーワード:ボランティア/地球温暖化/気候変動/個体群/植物群落/地球環境/モニタリング/生態系/温暖化/個体群動態
他の関係分野:環境学数物系科学生物学工学農学
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発表日:2025年9月10日
22
画像イメージングによる主要動物プランクトン動態の解析
~優占カイアシ類2属の個体群構造と昼夜鉛直分布の季節変化が明らかに~(水産科学研究院准教授 山口篤)
北海道大学大学院水産科学院修士課程(研究当時)の高 天氏と同大学大学院水産科学研究院の山口 篤准教授の研究グループは、西部北太平洋亜寒帯循環の1定点の水深0-1000m間について、4季節の昼夜鉛直区分採集を行った試料について、画像イメージング機器のZooScanによる測定を行い、動物プランクトン相に優占するカイアシ類2属(メトリディア属とユーカラヌス属)の出現個体数とバイオマスの季節変化と昼夜鉛直分布を明らかにしました。メトリディア属の優占種のメトリディア・パシフィカ(メト)は、昼間は深海に分布し、夜間は表層に移動する日周鉛直移動を行っていたのに対し、ユーカラヌス・ブンギ(ブンギ)は日周鉛直...
キーワード:画像データ/季節変化/北太平洋/個体群/バイオマス/カイアシ類/プランクトン/再生産/動物プランクトン
他の関係分野:情報学数物系科学生物学農学
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発表日:2025年9月8日
23
細菌の「DNAを切るハサミ」によるひとゲノムの書き換えががんを起こす(情報科学研究院准教授 長田直樹)
北海道大学大学院情報科学研究院の長田直樹准教授は、国内多数の研究者及びアメリカの国立がん研究所がリードするピロリ菌ゲノム国際プロジェクト(HpGP)との共同研究により、胃の中に生息するピロリ菌ががんを起こすメカニズムの一端を解明しました。胃がんの主な原因はピロリ菌ですが、それがどのようにしてヒトのゲノムに働きかけて、がんを起こすかは不明でした。本研究では、ピロリ菌の持つ特別な制限酵素(DNAを特定の配列で切るハサミ)が、ヒトのゲノムに働いて変異と切断を起こし、がんを創り出す次の四つの証拠を得ました。・世界中のピロリ菌を集めてゲノムを読んで、「胃がん患者由来であ...
キーワード:がん研究/Helicobacter pylori/がん患者/ゲノム/胃がん/細菌
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2025年8月21日
24
春季噴火湾の動物プランクトン群集の経年変化が明らかに
~群集構造に加えて、サイズ組成と魚類餌環境にも経年変化あり~(水産科学研究院准教授山口篤)
北海道大学大学院水産科学院修士課程(研究当時)の張 浩晨氏、同大学大学院水産科学研究院の山口 篤准教授、大木淳之教授、髙津哲也教授らの研究グループは、北海道の噴火湾湾央の1定点にて、2019年-2023年の5年にわたり、約1ヶ月間隔の動物プランクトンネット採集を行い、採集試料についてZooScanによる画像イメージング解析を行うことで、出現個体数、バイオマス、群集構造及びサイズ組成の季節変化と経年変化を明らかにしました。夏-秋季(7月-12月)に見られた群集Aは、調査を行った5年を通して共通して観察されました。経年変化は冬-春季(1月-6月)にあり、2019年に見られた群集Dは冷水...
キーワード:季節変化/海洋/ブルーム/経年変化/バイオマス/群集構造/カイアシ類/プランクトン/植物プランクトン/親潮/動物プランクトン/イミン
他の関係分野:環境学数物系科学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年7月23日
25
鱗食魚には利き眼がある -生存に有利-
~動物の利きメカニズムに迫る~(理学研究院 准教授 竹内勇一)
北海道大学大学院理研究院の竹内勇一准教授、富山大学医学部(研究当時)の樋口祐那氏、帝京大学先端総合研究機構の渡邉貴樹講師、名古屋大学大学院理学研究科の小田洋一名誉教授からなる研究グループは、アフリカ・タンガニイカ湖に棲む鱗食性シクリッド科魚類Perissodus microlepis(鱗食魚)には鋭敏に反応する利き眼があり、捕食や逃避にとって有利に働くことを突き止めました。P. microlepis(鱗食魚)は個体ごとに口部形態に左右差があり、獲物の魚の側面からウロコをはぎとって食べます。その捕食行動において、獲物の右から狙う「右利き」と左から狙う「左利...
キーワード:視覚情報/食行動/シクリッド/選択性/視覚系/運動能力/白内障
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発表日:2025年7月7日
26
洞窟に暮らす「目がないゴミムシ」から探る遺伝子の退化
~洞窟進出の起源が異なる2種でも、同じ遺伝子が消失している~(地球環境科学研究院教授 越川滋行)
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程の丹伊田拓磨氏(研究当時。現在は京都大学大学院農学研究科特定研究員)と同大学大学院地球環境科学研究院の越川滋行教授、近畿大学生物理工学部の芦田 久教授の研究グループは、日本の洞窟に生息するチビゴミムシ2種と、それらに近縁な地表性の種を対象にゲノム情報を取得し、視覚に関わる遺伝子について比較解析を行いました。対象にした洞窟性のチビゴミムシ2種は、進化的に別々に洞窟へ進出したと考えられますが、視覚に関わる遺伝子24個のうち、両種で共通して消失していた遺伝子は9個あり、共通して保持されていた遺伝子は12個ありました。このことから、視覚に関わる遺伝子の消失と保持...
キーワード:環境変化/地球環境/モデル生物/機能性/ゲノム情報/実験モデル/ショウジョウバエ/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現
他の関係分野:工学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2025年7月7日
27
食習慣で鱗食魚の顎が左右非対称になることを実証
~右利き・左利きの形成メカニズムの解明に期待~(理学研究院准教授 竹内勇一)
北海道大学大学院理学研究院の竹内勇一准教授、富山大学医学部(研究当時)の丸林菜々子氏、福井県立大学海洋生物資源学部 先端増養殖科学科の八杉公基准教授からなる研究グループは、動物の右利き・左利きの教科書的な例として知られる、タンガニイカ湖産の鱗食性シクリッド科魚類Perissodus microlepis(鱗食魚)の利きが、他の魚のウロコをはぎ取って食べるという摂食経験によって顕著化されることを突き止めました。ヒトの利き手に代表される「利き」は、遺伝と生後環境の両方の影響を受けて形成されますが、その因果関係はいまだによく分かっていません。「利き」、すなわち左右性のモデル...
キーワード:人工知能(AI)/食行動/海洋/対称性/非対称性/因果関係/シクリッド/表現型可塑性/行動解析/海洋生物/生物資源/可塑性/食習慣
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発表日:2025年7月4日
28
認知症高齢者の睡眠覚醒パターンと概日リズムの特徴を解析
~認知症高齢者の睡眠改善を目的とした生活リズム・環境整備にむけたデータを提供~(教育学研究院准教授 山仲勇二郎)
北海道大学大学院教育学研究院の山仲勇二郎准教授、同⼤学⼤学院教育学院博⼠後期課程(研究当時)の久保⽥直⼦⽒、株式会社フロンティアの増川直樹氏らの研究グループは、グループホームに入居する認知症高齢者の睡眠及び概日リズムの実態を明らかにすることを目的として、マット式の行動計を用いた在床中の活動量と睡眠パラメータの解析を行い、睡眠パターンと要介護度・日常生活自立度との関係、並びに概日リズムの安定性を評価しました。国内五つのグループホームに入居する認知症高齢者70名を対象に、ベッド内に設置されたマット式行動計によって2週間にわたり取得された体動データを用いて、睡眠パターン及び睡眠の質を分析...
キーワード:生活リズム/光環境/グループホーム/評価手法/日常生活/要介護/概日リズム/高齢者/睡眠/認知症/認知症高齢者
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発表日:2025年6月26日
29
クロソイの全雌種苗生産に初めて成功
~クロソイ養殖における出荷サイズ統一と生産効率化への貢献に期待~(水産科学研究院准教授 平松尚志)
北海道大学大学院水産科学院博士後期課程のムエタ フリダ ガシェリ氏、山口 燿氏(現在は長崎大学所属日本学術振興会特別研究員PD)、同大学大学院水産科学研究院の平松尚志准教授、東藤 孝教授及び北海道立総合研究機構栽培水産試験場の川崎琢真研究主幹の研究グループは、クロソイ(Sebastes schlegelii)の全雌生産に世界で初めて成功しました。胎生メバルの仲間のクロソイは、主に北海道をはじめ我が国の北方海域で漁獲される重要な水産資源であり、メバル類の中でも特に成長が早く、一尾の親から数万尾の稚魚を得られること、酸欠や水温・水質変化などの環境変化にも強いなどの特徴から...
キーワード:環境変化/個体群/性転換/種苗生産/精巣/卵巣/精子/妊娠
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発表日:2025年6月24日
30
日本における絶滅種タカネハナワラビの再発見
~希少種ミヤマハナワラビの新産地の同時発見を添えて~(総合博物館助教 首藤光太郎)
日本データーサービス株式会社の平野遥人氏、草花堂(兼北海道大学総合博物館ボランティア)の藤田 玲氏、国立科学博物館の海老原淳研究主幹、北海道大学公共政策大学院の中山隆治教授、同大学総合博物館の首藤光太郎助教らの研究グループは、これまで国内では絶滅したと考えられてきたタカネハナワラビと、本種に近縁かつ希少なミヤマハナワラビの2種が、北海道有珠山で隣接して生育していることを発見・報告しました。タカネハナワラビは、国内では1976年に北海道有珠山で一度だけ採集記録のあるシダです。発見の翌年に有珠山が噴火し生育地が壊滅したこと、その後生育記録がないことから、環境省第5次レッドリストで絶滅(...
キーワード:ボランティア/公共政策/維管束/絶滅危惧種
他の関係分野:環境学生物学農学
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発表日:2025年6月12日
31
左室補助人工心臓装着重症心不全患者における新たな治療標的が明らかに
~早期の治療介入により予後や生活の質が改善される可能性に期待~(医学研究院 准教授 永井利幸)
北海道大学病院循環器内科の竹中 秀助教、同大学大学院医学研究院循環器内科学教室の佐藤琢真客員研究員、永井利幸准教授、安斉俊久教授らの研究グループは、左室補助人工心臓(LVAD: left ventricular assist device)装着後の重症心不全患者の詳細な血行動態評価を運動負荷右心カテーテル検査により行い、LVAD装着後患者の大動脈弁開放において、従来考えられていた内因性の左室機能よりも右室予備能がより重要であり、治療標的となる可能性があることを明らかにしました。心不全に対しては、標準薬物治療や心臓再同期療法などの非薬物治療が一般的に行われますが、最大限の内科治療で心...
キーワード:ロジスティック回帰/回帰分析/運動負荷/カテーテル/超音波/合併症/治療標的/心臓移植/人工心臓/補助人工心臓/心臓/大動脈/重症心不全/生活の質/超音波検査
他の関係分野:情報学工学医歯薬学
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発表日:2025年6月11日
32
短期記憶の消去に関与するニューロンを発見
~前頭葉機能障害のメカニズム解明に期待~(医学研究院教授 田中真樹、助教 澤頭亮)
北海道大学大学院医学研究院の澤頭 亮助教と田中真樹教授(脳科学研究教育センター兼任)らの研究グループは、前頭葉機能検査で広く用いられているN-back課題を改変してサルに訓練し、脳活動を解析することで短期記憶の操作に関わる神経メカニズムの一端を明らかにしました。本研究では、画面上に次々と現れる視覚刺激の位置を一時的に記憶する課題をサルに行わせ、前頭連合野の神経活動を記録しました。その結果、ある特定の位置に刺激が出たことを記憶している間に活動する神経細胞(記憶ニューロン)とは別に、「その記憶が不要になる」タイミングで活動する新たなタイプのニューロン(消去ニューロン)を発見しました。課...
キーワード:脳活動/霊長類/神経活動/神経生理学/統合失調症/ニューロン/脳科学/前頭葉/電気刺激/短期記憶/病態解明/イミン/神経細胞/神経疾患/生理学/精神疾患
他の関係分野:生物学総合生物医歯薬学
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発表日:2025年5月16日
33
アゴハゼ稚魚は他個体の行動から摂餌課題を学ぶ
~世界で2例目の単居性魚類稚魚における社会情報利用~(水産科学研究院助教石原千晶)
北海道大学大学院水産科学院修士課程2年の中山大佑氏(研究当時)、同大学大学院水産科学研究院の石原千晶助教、和田 哲教授らの研究グループは、日本の潮間帯に多く見られるアゴハゼの稚魚が、生まれて初めて出会った「人工のフレーク餌」と「水面という餌場」について、自らの経験だけでなく、経験済みの個体を観察することによって、素早く学習することを明らかにしました。動物は、自らの試行錯誤によって得られる独自情報と、他の個体を観察することで得られる社会情報を利用できます。生まれてからの時間が短い若齢個体は、成体と比べて自らの経験に乏しいため、社会情報を利用することのメリットが特に高いと期待されますが...
キーワード:行動生態学/硬骨魚類/グッピー/底生生物/水産学/生態学
他の関係分野:生物学工学農学
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発表日:2025年5月12日
34
イワナのあくびの長さは地域でちがう
~動物のあくびの地域集団間変異を世界で初めて実証~(水産科学研究院教授和田哲)
北海道大学大学院水産科学院修士課程の長坂玲央氏、同大学大学院水産科学研究院の和田 哲教授、同大学水産科学院博士後期課程の山田寛之氏(研究当時、現 日本学術振興会特別研究員(PD))は、北海道南部に生息するイワナの稚魚であくびの地域集団間比較を行い、稚魚のあくびの持続時間が生息地ごとに異なることを明らかにしました。本研究は、脊椎動物におけるあくびの地域集団間変異を実証した世界初の研究です。あくびは脊椎動物で広く観察されている行動であり、種間変異があることは知られていました。しかし、霊長類をはじめとする脊椎動物の全ての分類群で、あくびの地域集団間変異(種内変異)を検証した研究はありませ...
キーワード:行動生態学/個体群/脊椎動物/霊長類/血流/水産学/生態学/脊椎
他の関係分野:生物学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2025年4月21日
35
コロナウイルス感染を抑える香辛料由来天然化合物を発見
~変異株にも有効な抗ウイルス薬の開発に期待~(先端生命科学研究院 教授 門出健次)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の門出健次教授、同大学大学院農学研究院の村井勇太准教授、同大学人獣共通感染症国際共同研究所の佐藤彰彦客員教授(兼 塩野義製薬株式会社主席研究員)、同大学総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点の澤 洋文教授らの研究グループは、香辛料などに含まれるマラバリコーンCがSARS-CoV-2(コロナウイルス)に対して抗ウイルス活性を有することを発見しました。現在、新型コロナウイルスの抗ウイルス薬は複数あり、それぞれの作用機序や対象が異なります。また抗ウイルス薬によっては使用や併用禁忌もあり、安全性への配慮が必要となります。そこで研究グループは、安全な...
キーワード:デルタ/人獣共通感染症/変異株/脂質ラフト/SARS-CoV-2/細胞膜/新型コロナウイルス/評価法/スクリーニング/化合物ライブラリー/抗ウイルス薬/天然化合物/天然有機化合物/膜融合/ウイルス/ワクチン/感染症/脂質
他の関係分野:総合生物農学医歯薬学
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発表日:2025年4月10日
36
肥満制御の新たな分子標的の発見
~メタボリックシンドローム治療への応用に期待~(遺伝子病制御研究所教授近藤亨、講師孫ユリ)
北海道大学遺伝子病制御研究所の孫 ユリ講師、近藤 亨教授らの研究グループは、Epithelial V-like antigen 1(Eva1)と呼ばれる細胞表面分子が肥満に伴う内臓脂肪組織の機能不全に関与することを発見しました。肥満人口の増加は世界的に問題となっていますが、肥満から生じる代謝異常症の成因・発症に関わるメカニズムについては不明な点が多く残されています。肥満の進行に伴う脂肪組織の肥大化、特に内臓脂肪が過剰に蓄積されると耐え切れなくなった脂肪細胞は死んでしまい、これを貪食するマクロファージなどの免疫細胞が脂肪組織に集まり、炎症を引き起こします。炎症の拡大は全身に悪影響を与...
キーワード:産学連携/新規治療法/肥満症/脂肪組織/高脂肪食/脂肪細胞/内臓脂肪/分子標的/ファージ/マウス/マクロファージ/免疫細胞/メタボリックシンドローム/遺伝子/糖尿病
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2025年4月10日
37
西部北太平洋の植物プランクトン群集組成を制御する栄養物質供給機構の解明
~北太平洋中層水から供給される鉄とケイ素の重要性~(低温科学研究所教授西岡純)
北海道大学低温科学研究所附属環オホーツク観測研究センターの西岡 純教授、同大学大学院地球環境科学研究院の鈴木光次教授、東京大学大気海洋研究所の小川浩史教授、安田一郎教授(研究当時)らの研究グループは、北太平洋の中層水から供給される鉄(Fe)やケイ素(Si)、窒素(N)などの栄養物質量とその化学量論比が、表層の植物プランクトン群集組成を制御することを明らかにしました。これまで、オホーツク海やベーリング海などの北方圏縁辺海から北太平洋に繋がる中層の循環によって植物プランクトンの増殖に欠かせないFeやSiやNなどの栄養物質が移送され、北太平洋の生物生産を高めていることが分かっていました。...
キーワード:産学連携/フラックス/海洋炭素循環/珪藻/海洋/炭素循環/オホーツク海/気候変動/北太平洋/乱流混合/ケイ素/地球環境/栄養塩/化学工学/ベーリング海/生態系/プランクトン/海洋生態/海洋生態系/植物プランクトン/親潮/生物生産
他の関係分野:環境学数物系科学化学工学農学
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発表日:2025年4月9日
38
3Dプリンターを活用した安価な材料合成ロボットの開発
~材料合成プロセスの自動化~(理学研究院教授髙橋啓介、助教髙橋ローレン)
北海道大学大学院理学研究院・総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の髙橋啓介教授、髙橋ローレン助教、クワハラ・ミカエル学術研究員、前田 理教授らの研究グループは、3Dプリンターを活用して完全自作可能な材料合成ロボット「FLUID」を開発しました。これまで、研究グループは触媒インフォマティクスを活用し、人工知能による材料開発を実現してきました。しかし、触媒の合成や評価は依然として人が担っており、化学実験の完全自動化には至っていませんでした。一方、海外では化学合成ロボットの販売が始まっていますが、高額かつ汎用性の低さが導入の大きな障壁となっていました。そ...
キーワード:インターフェース/AI/情報学/人工知能(AI)/産学連携/無機材料/3Dプリンター/コバルト/モーター/ロボット/ロボット制御/酸化物/自動化/流体制御/インフォマティクス/カエル
他の関係分野:情報学工学総合生物農学
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発表日:2025年4月3日
39
天然L-アミノ酸のキラリティーをワンツーパス!
~光学活性非天然アミノ酸を効率的に合成する新手法、創薬研究の加速に期待~(薬学研究院教授佐藤美洋、助教森崎一宏)
北海道大学大学院薬学研究院の佐藤美洋教授、森崎一宏助教、同大学大学院生命科学院修士課程1年の古木悠翔氏らの研究グループは、天然に豊富に存在する安価なL-アミノ酸から創薬において重要な光学活性非天然アミノ酸を効率的に合成する新手法を開発しました。アミノ酸及びその誘導体は、生命科学・創薬化学の研究において欠かすことができない重要な化合物です。多くのアミノ酸はその三次元的な配置から鏡像異性体(L体(左手型)とD体(右手型))として存在しますが、鏡像異性体間で生物活性などが異なる場合が多いため、生命科学・創薬化学において利用するためには、それぞれを別々に合成(不斉合成)することが必要となり...
キーワード:産学連携/幾何構造/キラリティー/キラル/光学活性/不斉合成/付加環化反応/生物活性/アミノ酸/環化反応/触媒的不斉合成/創薬/創薬化学/非天然アミノ酸/不斉触媒/誘導体/RCT
他の関係分野:数物系科学化学総合理工総合生物医歯薬学
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発表日:2025年4月1日
40
受精卵の細胞分化を調節する新たな仕組み
~ウシ胚を用いて明かされる細胞極性に依存しない分化制御~(農学研究院准教授川原学)
北海道大学大学院農学研究院の川原 学准教授らの研究グループは、同大学大学院農学院博士後期課程の齋藤 隼氏らとともに、我が国で最も重要な食資源動物の一つであるウシの初期胚発生における細胞分化の仕組みを明らかにしました。初期胚の発生を制御する分子経路であるHippoシグナルの調節は、Yes-associated protein 1 (YAP1)という分子の細胞内局在によって制御されます。最も研究が進んでいる実験動物マウスの初期胚を用いた研究において、細胞の方向性を決める細胞極性の確立がYAP1細胞内局在を決定していることが明らかにされています。細胞極性の確立というイベントは、全ての哺乳類初期胚に...
キーワード:産学連携/マウス胚/初期胚/胚発生/実験動物/哺乳類/ウシ/初期胚発生/受精/受精卵/着床/分化制御/マウス/細胞極性/細胞内局在/細胞分化/分子生物学
他の関係分野:生物学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2025年4月1日
41
発酵的水素生成能の高いマリン・ビブリオの存在意義
~カーボンニュートラルの実現に向けたマリン・バイオリソースの活用に期待~(水産科学研究院教授澤辺智雄)
北海道大学大学院水産科学研究院の美野さやか助教、澤辺智雄教授、インド国立科学技術研究所のラメッシュクマー博士、ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学のトンプソン教授らの研究グループは、発酵的水素生成能の高い海洋細菌であるビブリオ・トリトニアスを見いだし、ゲノム比較、網羅的遺伝子発現解析、生理比較などを行い、この細菌が高い水素生成を維持し続けている理由を検討してきました。一連の研究は、発酵的水素生成に寄与するギ酸水素リアーゼ複合体(FHL)遺伝子群が、他の細菌には類を見ない、美しく整然と並んだ単一遺伝子クラスターを形成していることや、発酵的水素生成の過程で生じるギ酸の再取り込みが高い水素生成に寄与...
キーワード:産学連携/温室効果ガス/海洋/水素生成/温室効果/海底堆積物/堆積物/分子系統解析/分子系統/生産技術/カーボンニュートラル/カーボン/遺伝子クラスター/発酵/海洋細菌/輸送体/消化管/系統解析/バイオ燃料/微生物/遺伝子発現解析/発現解析/網羅的遺伝子発現解析/解糖系/大腸/大腸菌/ゲノム/遺伝子/遺伝子発現/細菌
他の関係分野:環境学数物系科学生物学工学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2025年3月28日
42
狂犬病ウイルスが標的とする、四量体pY-STAT1の構造を初めて解明
~STATファミリーに関する新知見の提供及び、狂犬病に対するワクチン開発の貢献に期待~(先端生命科学研究院教授尾瀬農之)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の尾瀬農之教授、同大学大学院生命科学院博士後期課程の杉山 葵氏(研究当時博士後期課程三年)及び南 未来氏、同大学大学院薬学研究院の喜多俊介准教授、前仲勝実教授、京都大学医生物学研究所の杉田征彦准教授、大阪大学蛋白質研究所の廣瀬未果特任研究員(常勤)らの研究グループは、転写因子STAT1の機能体である、四量体pY-STAT1のクライオ電子顕微鏡構造を世界で初めて解明し、STATが多量体で機能し、DNAを認識する分子機構を初めて提唱しました。シグナル伝達及び転写活性化因子(STAT)は、Janus kinase(JAK)- STATシグナル伝達経路にお...
キーワード:DNA結合/ホモロジー/二量体/電子顕微鏡/リン酸/病原性/クライオ電子顕微鏡/免疫系/JAK/STAT/Src/分子機構/オリゴマー/抗ウイルス薬/転写因子/ウイルス/ワクチン/遺伝子/生理学
他の関係分野:数物系科学化学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年3月28日
43
牛リンパ腫発症予測診断技術RAISINGの精度の高さを証明
~国内初の14研究機関による多施設検証試験を実施~(獣医学研究院教授今内覚)
北海道大学大学院獣医学研究院の今内 覚教授、岡川朋弘特任助教、国立感染症研究所の斎藤益満主任研究官、株式会社ファスマックの松平崇弘氏らの研究グループは、牛のリンパ腫の発症予測診断技術RAISINGを改良し、国内の14研究機関における多施設検証試験により本診断技術の精度の高さを証明しました。牛伝染性リンパ腫ウイルス(bovine leukemia virus:BLV)は日本中の農場で蔓延しており、BLVの感染を原因とする牛伝染性リンパ腫(enzootic bovine leukosis:EBL)の発生が急増しています。EBL発症牛は、と畜検査で全部廃棄となり、食肉として売却できないだ...
キーワード:品質管理/がん検診/DNAポリメラーゼ/リスク評価/性能評価/診断法/リンパ腫/獣医学/ウイルス/感染症
他の関係分野:生物学工学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2025年3月27日
44
「打消し表示」の見落としは文字サイズ拡大では防げない
~消費者に分かりやすい広告表示への貢献に期待~(文学研究院教授河原純一郎)
北海道大学大学院文学研究院の河原純一郎教授、中京大学心理学部の伊藤資浩任期制講師は、動画広告内の「打消し表示」(例:『割引は会員限定』、『一部のコンテンツは課金対象』)は、文字サイズを拡大したとしても安定した視線停留や記憶を保証しないことを明らかにしました。動画広告では、商品やサービスの訴求点(強調表示)とともに、その条件や補足を示す打消し表示が表示されることがあります。しかし、打消し表示は小さな文字で表示されることが多く、視認性が低いです。そのため、消費者に十分に認識されず、消費者が広告内容を誤認するケースがあります。本研究では打消し表示の文字サイズを典型的な30ptか...
キーワード:視認性/コンテンツ/情報学/産学連携
他の関係分野:情報学
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発表日:2025年3月26日
45
ティラノサウルスの様に手指が2本しかない新種の恐竜発見
~獣脚類における指の減少進化を解明~(総合博物館教授小林快次)
北海道大学総合博物館の小林快次教授(筆頭著者)率いる国際研究グループは、モンゴルのゴビ砂漠に位置する白亜紀後期(約9,500万〜8,960万年前)のバヤンシレ層から、テリジノサウルス類の新種「デュオニクス・ツクトバアタリ(Duonychus tsogtbaatari)」を発見しました。この新種は、テリジノサウルス類としては初めて、二指性(Didactyly)の手を持つという特異な特徴を示しており、保存状態が極めて良好な角質の爪が確認されました。従来、テリジノサウルス類は三指性(Tridactyly)の手を持ち、植物を掴むために発達した大きな鉤爪が特徴とされていました。...
キーワード:産学連携/白亜紀
他の関係分野:数物系科学
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発表日:2025年3月25日
46
手で粉砕するだけで相転移する超セラミックスを開発
~新規圧力・応力センサーの開発に期待~(工学研究院准教授鱒渕友治)
北海道大学大学院工学研究院の鱒渕友治准教授、樋口幹雄准教授(研究当時)、同大学大学院総合化学院修士課程の山本侑瑞樹氏、久米和樹氏、宮崎涼花氏(研究当時)、同大学大学院理学研究院の篠崎彩子助教、北陸先端科学技術大学院大学サスティナブルイノベーション研究領域の宋 鵬氏(現東北大学助教)、本郷研太准教授、前園 涼教授、同大学先端科学技術研究科博士前期課程のサイード・サリア・ハサン氏、京都大学の生方宏樹氏、陰山 洋教授らの研究グループは、カルボジイミドイオンで構成される超セラミックスについて、乳鉢と乳棒を用いた手粉砕で相転移が起きることを世界で初めて実証しました。本研究では、鱒渕准教授らが...
キーワード:産学連携/静水圧/ダイヤモンドアンビル/相転移/蛍光体/せん断/構造相転移/磁気特性/光学特性/センサー/せん断応力/力センサー/結晶構造/構造変化
他の関係分野:数物系科学工学農学医歯薬学
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発表日:2025年3月21日
47
セミクラスレートハイドレートの非古典的分解過程の発見
~潜熱蓄熱材の設計に新指針~(低温科学研究所教授木村勇気)
北海道大学低温科学研究所の木村勇気教授、パナソニック株式会社の町田博宣博士、大阪大学大学院基礎工学研究科の菅原 武助教らを中心とした研究グループは、透過電子顕微鏡内で液体試料を観察できる手法を用いて、セミクラスレートハイドレートの微結晶が分解する過程をその場観察する実験に成功しました。これまで、セミクラスレートハイドレートが複数集まったクラスターを成長ユニットとした結晶化の存在は示唆されていましたが、直接的な証拠や、具体的な結晶化過程については分かっていませんでした。セミクラスレートハイドレートは、結晶化や分解などの相変化によって生じる潜熱を取り出してエネルギーとして利用できる材料...
キーワード:産学連携/相転移/潜熱/クラスレートハイドレート/単結晶/その場観察/ハイドレート/化学工学/結晶化/相変化/電子顕微鏡/透過電子顕微鏡
他の関係分野:数物系科学化学工学
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発表日:2025年3月13日
48
国内で約半世紀ぶりに確認されたモウコムカシヨモギ
~珍外来種が浜厚真の海岸を埋め尽くす~(総合博物館助教首藤光太郎)
北海道大学総合博物館の首藤光太郎助教、同ボランティアの道川富美子氏、同大学院地球環境科学研究院の露崎史朗教授、北海道野生植物研究所の五十嵐博氏らの研究グループは、北海道厚真町と石狩市で、国内で約半世紀ぶりにモウコムカシヨモギの生育を確認し、生育環境から外来種と推定されること、今後の分布拡大に注意が必要であることを報告しました。モウコムカシヨモギは、国内では約50年前に一度だけ室蘭市で採集記録のある植物です。当時から外来種であることが推定されていましたが、本種の国内分布を指摘した海外の文献もあり、分布の実態が曖昧でした。2022~2023年に、露崎教授と道川氏は、厚真町と石狩市で、そ...
キーワード:ボランティア/産学連携/外来種/地球環境/生態系
他の関係分野:環境学工学農学
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発表日:2025年3月13日
49
カギは「硬さ」だった!がんが悪くなる仕組みを発見
~膵臓がん、肺がんなどの治療の貢献に期待~(先端生命科学研究院教授芳賀永、助教石原誠一郎)
北海道大学大学院先端生命科学研究院の石原誠一郎助教、芳賀 永教授、名古屋大学大学院医学系研究科の榎本 篤教授、北海道大学大学院生命科学院博士後期課程の温田晃弘氏(研究当時)、同大学大学院歯学研究院の安田元昭准教授らの研究グループは、がんの悪化には「硬さ」が重要であることを発見しました。具体的には、「硬さ」を認識したがん細胞はATF5と呼ばれる分子の働きを強化することで増殖しやすくなることを突き止めました。この発見により、ATF5の抑制が膵臓がんや肺がんの治療に有効である可能性が示されました。「癌(がん)」という漢字は病気を表す「疒」と岩を意味する「嵒」でできており、その名の通り岩で...
キーワード:産学連携/膵臓/歯学/がん細胞/転写因子/膵臓がん/肺がん
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2025年3月11日
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多能性幹細胞の免疫寛容誘導に関する新機能を発見
~多能性幹細胞を用いた移植医療(再生医療)への応用・発展が期待~(遺伝子病制御研究所教授清野研一郎)
北海道大学大学院医学院博士課程の鎌谷智紀氏、同大学遺伝子病制御研究所の清野研一郎教授は、住友ファーマ株式会社との共同研究により、多能性幹細胞(iPS細胞またはES細胞)が移植免疫寛容を誘導することを発見し、そのメカニズムを解明しました。他家移植(他者の臓器や細胞を移植すること)では、細胞の遺伝子型が一致せず、免疫拒絶反応が生じます。そのため、通常は免疫抑制剤を投与することが必要です。このことは、他家iPS細胞やES細胞を用いた再生医療においても同様です。研究グループは、以前より免疫抑制剤を必要としない他家移植方法の研究を続け、その中で、あるマウスの組み合わせでは多能性幹細胞を他者に...
キーワード:移植医療/産学連携/抗原特異性/iPS細胞/免疫制御/免疫抑制/ES細胞/T細胞/マウス/幹細胞/拒絶反応/抗原/再生医療/制御性T細胞/多能性幹細胞/免疫寛容/免疫抑制剤/遺伝子
他の関係分野:医歯薬学
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発表日:2025年3月10日
51
肥満のカギを握る腸内古細菌と糞便中グリココール酸濃度
~腸内古細菌の枯渇と糞便中グリココール酸濃度の上昇が肥満と相関することを解明~(遺伝子病制御研究所助教山村凌大)
北海道大学遺伝子病制御研究所の山村凌大助教、同大学大学院医学研究院の玉腰暁子教授らの研究グループは、北海道寿都町に居住する一般住民を対象とする疫学研究を実施し、肥満度と関連する糞便成分や腸内細菌属を明らかにしました。本研究では対象者をボディマス指数(BMI)に基づいて「低体重」「正常体重」「肥満」の3群に分類し、30種類の糞便成分と腸内細菌叢そうの組成を比較しました。その結果、肥満群では糞便中のグリココール酸(GCA)濃度が低体重・正常体重群と比べて有意に高値を示すことが明らかになりました。また、糞便中GCA濃...
キーワード:産学連携/古細菌/腸内環境/胆汁酸/遺伝子/疫学/疫学研究/細菌/細菌叢/腸内細菌/腸内細菌叢/有病率
他の関係分野:農学医歯薬学
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発表日:2025年3月6日
52
マナマコをストレスの少ない生理状態に保ち成長を促すマリン・プロバイオティクス
~次世代のマナマコ種苗生産への応用に期待~(水産科学研究院教授澤辺智雄)
北海道大学大学院水産科学院修士課程2年の工藤梨花氏、同大学大学院水産科学研究院の美野さやか助教、澤辺智雄教授、IUF-Leibniz Research Institute for Environmental MedicineのNguyen博士、Rossi博士、北海道立総合研究機構水産研究本部函館水産試験場の酒井勇一主任主査らの研究グループは、マナマコの成長を促す新規な海洋細菌の稚ナマコに対する効果を調べるため、網羅的な遺伝子発現解析を行いました。その結果、このプロバイオティクスは餌料に不足している栄養を補助しながら、稚ナマコをストレスの少ない生理状態に維持していることが示唆されました。...
キーワード:産学連携/海洋/海洋細菌/プロバイオティクス/種苗生産/微生物/プロテオグリカン/遺伝子発現解析/発現解析/ストレス応答/トランスクリプトーム/ストレス/遺伝子/遺伝子発現/細菌/脂質
他の関係分野:環境学農学医歯薬学
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発表日:2025年3月5日
53
イジング計算による原子マッピング
~イジングマシン/量子コンピュータによる正確・高速な化学反応解析への応用に期待~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点特任助教秋山世治)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)の秋山世治特任助教、長田裕也特任准教授、WPI-ICReDD及び同大学電子科学研究所の水野雄太助教、小松崎民樹教授らの研究グループは、与えられた化学反応式に対して反応物と生成物の原子の対応関係を求める原子マッピングと呼ばれる問題を、正確かつ高速に解く手法を開発しました。原子マッピング問題は化学反応のパターンを抽出することにもつながり、化学情報学における基本的問題です。しかし、原子マッピング問題を正確かつ高速に解くことは難しく、数学的に正確に解こうとすると組合せ爆発により計算量が急激に増大し、既知のデータから構築さ...
キーワード:アルゴリズム/機械学習/最適化/情報学/産学連携/計算量/量子コンピュータ/最適化手法/組合せ最適化/マッピング
他の関係分野:情報学数物系科学工学農学
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発表日:2025年3月4日
54
亜塩素酸水を活用した乳牛の皮膚消毒技術を実証
~消毒作業の効率化を目指して~(獣医学研究院教授市居修)
北海道大学大学院獣医学研究院の市居 修教授、中村鉄平准教授、難波貴志助教らは、乳牛の手術前消毒における新たな可能性を拓きました。研究チームは、古河産業株式会社の研究員と共同で、これまで手間と時間を要していた乳牛の皮膚消毒の効率化に成功しました。従来、乳牛の開腹手術では腹部側面を使用し、手術前には毛刈り、ブラシと液体石鹸による皮膚洗浄、ヨードスクラブ、ポビドンヨードとアルコールによる消毒という一連の作業が必要でした。しかし、牛の広い腹部を対象とするこれらの作業は、術者にとって大きな負担となり、手術時間の長期化にもつながっていました。そこで研究チームは、食品の消毒にも用いられ...
キーワード:産学連携/獣医学/アルコール/大腸/大腸菌/医療の質/細菌/手術/緑膿菌
他の関係分野:農学医歯薬学
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発表日:2025年2月27日
55
化学結合の切断を利用した新しい自己強化材料の開発
~機械化学反応による急速強化が可能に~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点教授龔剣萍)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)及び同大学大学院先端生命科学研究院の龔 剣萍(グン・チェンピン)教授、WPI-ICReDD及び米国デューク大学のマイケル・ルビンスタイン教授らの研究グループは、化学結合の切断を利用した迅速な自己強化材料を開発しました。従来、材料内の化学結合が切断されると強度が低下し破壊が進行することが一般的でした。自己強化材料は、この現象を逆手に取った新しいアプローチです。結合の切断で発生する「機械的ラジカル」を活用し、材料内で新しい高分子ネットワークをラジカル重合で形成させることで、使用中に自己強化を実現します。筋肉トレーニン...
キーワード:産学連携/ラジカル重合/高分子/ハイドロゲル/ポリマー/化学工学/耐久性/トレーニング/筋肉/ラジカル
他の関係分野:化学工学医歯薬学
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発表日:2025年2月26日
56
有機リチウム試薬の簡便かつ環境に優しい合成法の開発
~溶媒使用量を劇的に削減可能な新規有機合成プロセスの構築へ~(総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点 准教授 久保田浩司)
北海道大学総合イノベーション創発機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)、同大学大学院工学研究院の伊藤 肇教授、久保田浩司准教授らの研究グループは、ボールミルという粉砕機を用いたメカノケミカル法を活用し、有機合成の歴史の中で最も幅広く利用されてきた反応剤の一つである有機リチウム試薬を、有機溶媒をほとんど用いない条件で合成し、有機合成に利用する手法を開発しました。一般的に有機リチウム試薬は、水や空気を厳密に除去した反応容器内において、高純度の有機溶媒を使用し、慎重に温度管理を行いながら調製され、有機合成に利用されています。有機リチウム試薬はその高い反応性のため、有機合成におい...
キーワード:産学連携/ハロゲン/環境調和/メカノケミカル/前駆体/リチウム/化学工学/環境負荷/機能性材料/物質生産/機能性/有機合成
他の関係分野:数物系科学化学工学総合生物農学医歯薬学
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発表日:2025年2月14日
57
動物プランクトン群集サイズ組成の海域と深度による変化
~溶存酸素とカラヌス目カイアシ類の体サイズの大きな影響が明らかに~(水産科学研究院 准教授 山口 篤)
北海道大学大学院水産科学院修士課程2年の金 東佑氏、同大学大学院水産科学研究院の松野孝平助教、山口 篤准教授、海洋生物環境研究所の米田壮汰博士らの研究グループは、西部北太平洋の亜寒帯~亜熱帯域に位置する5定点にて、海表面から水深3,000mの深海までの動物プランクトン群集サイズ組成の、定点及び深度による変化を調査し、その要因を明らかにしました。動物プランクトン群集サイズ組成は、深海への物質輸送量を表す指標です。しかし、西部北太平洋における動物プランクトン群集サイズ組成の、水深及び地理変化に関する知見は乏しいのが現状でした。研究グループは亜寒帯~亜熱帯域の5定点にて、水深0-3,00...
キーワード:産学連携/海洋/溶存酸素/北太平洋/物質輸送/海洋生物/カイアシ類/プランクトン/動物プランクトン/SPECT
他の関係分野:環境学数物系科学工学農学医歯薬学
北海道大学 研究シーズ