人工培養法を用いた海産白点虫の宿主-寄生体関係および防除に関する研究
【研究分野】水産学一般
【研究キーワード】
海産白点虫 / Cryptocaryon irritans / in vitro培養 / Miamiensis avidus / 化学療法 / ワクチン / イオノフォア / スクーチカ繊毛虫症 / in vitro 培養 / 薬剤 / スクーチカせん毛虫 / アポトーシス / 人工培養
【研究成果の概要】
海産魚の白点虫Cryptocaryon irritansのin vitro培養法を利用して、本寄生性繊毛虫によって引き起こされる海産魚白点病における宿主-寄生体関係ならびに予防治療に関する研究をおこなった。培養系内で虫体の餌となっている魚類細胞はアポトーシスを生じていることが、形態学、アポトーシスの特異的検出法(Tunnel法)、核DNAの泳動像から確認され、本虫が宿主細胞にアポトーシスを引き起こし、これを餌として利用していることが強く示唆された。
In vitro培養法を用いて、薬剤のアッセイをおこなったところ、イオノフォア系の抗生物質に虫体の殺作用があることが示された。そこで、イオノフォア系抗生物質であるサリノマイシンナトリウムとセンジュラマイシンについて、その経口投与のヒラメへの安全性を検討し、さらに、経口投与の宿主内虫体への影響を調べたところ、サリノマイシンナトリウムはヒラメに安全な濃度である飼料中濃度200ppmの経口投与で、駆虫効果と成長抑制効果があることが示された。これらの結果に基づき、サリノマイシンナトリウムによる海産白点病の予防・治療効果をヒラメを用いて検討したところ、死亡の遅延効果が確認された。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2006 - 2009
【配分額】16,770千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 2,670千円)