大学の経営改善に資する経営計画のあり方に関する研究
【研究キーワード】
大学 / 中期計画 / 経営計画 / 経営改善 / 評価 / 内部質保証 / IR / 大学経営
【研究成果の概要】
令和3年度においては、国立大学の第3期の中期計画の現状と課題の把握を行った。
まず、国立大学の第3期中期目標期間の中期計画の現状と課題を把握した。具体的には、ロジックモデルの観点から、国立大学の中期計画の構造の分析を行った。ロジックモデルは、「目的」、「インプット」、「取組」、「アウトプット」、「アウトカム」の5つの要素で構成した。調査の結果、ロジックモデルの全ての要素を備えている中期計画はほとんどなかった。また、「目的」は要素の中で最も記載の割合が高かった。中期計画は法人評価が義務付けられていることから、不達成の評価を受けるリスクを回避するために「目的」の形で規定した可能性も推察される。さらに、「アウトプット」及び「アウトカム」は、「目的」よりも記載の割合は低かった。不達成のリスク回避や予測の困難さとともに、中期計画の策定の際に取組からアウトプット、アウトカムに至るまでの論理構造が十分に整理されていないことが要因と推察される。この分析結果については、取りまとめの上で、関係する学会、研究会等において公表し、意見交換を通じて、ブラッシュアップを図る予定である。
また、研究代表者、研究分担者の所属大学において、担当業務に関係して、第4期中期目標期間の中期計画の策定の支援に従事し、策定の過程、その状況を把握した。
さらに、国立大学の場合、中期計画と法人評価、PDCAサイクル、内部質保証は密接な関係があることから、今後の法人評価の方向に関する研究を行った。
【研究代表者】