Ageing and Illness in British and Japanese Children's Picturebooks 1950-2000: Historical and Cross-Cultural Perspectives
【研究分野】英米・英語圏文学
【研究キーワード】
ageing / illness / care / children's literature / picturebooks / narrative / Japan / British children's books / gerontology / medical humanities / health humanities / British literature / Japanese literature / picturebook / comparative literature
【研究成果の概要】
本研究課題は大きく二つの要素から成る。一つは、題目にある絵本の比較研究である(下記①)。これは、基課題で計画された内容の一部を、より大きく発展させることを目指すものである。もう一つは、同テーマ(ageing and illness)をより広い文脈(地域、ジャンル、メディア)で探求するものである(下記②)。研究連携関係構築も含め、基課題全体の発展を促す効果を狙うものである。
②2019年に共同研究者と共催した国際シンポジウムを土台とした論文集(Contemporary Narratives of Ageing, Illness, Care)の編集作業を進めた。執筆者は複数国から集まっており、COVID-19の影響で執筆作業に遅れが出た。その結果、当初予定より遅れ、2022年1月に刊行された。本科研費の補助を受け、紙・電子媒体だけでなく、オープンアクセスでの刊行も行った。3月18日には、研究成果を周知する目的で、刊行記念イベントを学術集会(オンライン)の一部として開催した。論文集の紹介をし、複数の執筆者が担当章の紹介を行った。COVID-19は、各国社会と世界のレベルにおいて、既存の社会経済制度や文化価値の見直しの契機となっている。本書に収められた論考が、この流れに少しでも貢献することを期待する。
①日英の現代児童絵本の歴史・比較研究を継続した。本年度は、日本の児童絵本研究の成果を書きまとめ、上記論文集に収めた。さらに、前年度収集したイギリスの絵本の分析も始め、現代社会が直面する環境問題に、世代間関係を描いた児童絵本がどう貢献しうるか、という新たな問いを設定した。児童文学をエコ・クリティシズムの視点からとらえる研究文献講読を行い、日本と英国の絵本各一点を選び、世代間関係と自然環境の描写に注目して分析を行った。
【研究代表者】
【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
【研究期間】2018 - 2022
【配分額】9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)