タンパク質を中心とした栄養バランスと質の違いによる胆汁酸-腸内細菌相互作用解明
【研究分野】食生活学
【研究キーワード】
胆汁酸 / 栄養バランス / 腸内細菌 / 糖尿病 / 代謝疾患 / タンパク質
【研究成果の概要】
エネルギー源となる栄養素の最適なバランスは明らかになっていない。ヒトの臨床研究のメタアナリシスではタンパク質増加による顕著な代謝疾患改善効果は確認されなかった。実験動物での研究の結果、タンパク質低下により代謝疾患改善効果が確認された。メカニズム解明のため、胆汁酸組成、腸内細菌叢、腸内細菌叢代謝産物、網羅的遺伝子発現解析を実施した。タンパク質低下群では腸内細菌叢解析および代謝産物解析の結果、腸内細菌叢の変動および盲腸内容物中に抗老化物質の増加が見られ、栄養バランスの変動により約30種類胆汁酸組成・腸内細菌叢・胆汁酸シグナル応答性における差異および複雑な関連性が明らかになった。
【研究の社会的意義】
本研究では、タンパク質の量および質の違いのエビデンスを構築することを目標に、栄養疫学研究および基礎医学研究の融合研究により栄養バランスの代謝疾患への影響を明らかにした。動物実験だけではなくヒトでも結果をメタアナリシスで示し、さらにそのメカニズムを明らかにできれば説得性を持ってリアルワールドにダイレクトに還元可能である。近年の低炭水化物ダイエットの広がりを考慮すれば科学的エビデンス構築は喫緊の課題であり、本研究結果は日常生活での食選択を行う際の強力なエビデンスのひとつとなりうる。
【研究代表者】
【研究協力者】 |
渡辺 光博 | |
福田 真嗣 | |
冨田 勝 | |
本多 彰 | |
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【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)