エストロゲンによる血管のアポトーシス誘導制御及びその作用機序に関する検討
【研究分野】循環器内科学
【研究キーワード】
酸化ストレス / エスロトゲン / 血管内皮細胞 / アポトーシス / BAX / エストロゲン / 内皮新生 / 新生内膜肥厚 / 血管内皮 / フリーラジカル / 過酸化水素 / 動脈硬化 / 遺伝子産物
【研究成果の概要】
1 免疫染色によりBCECでERの発現が確認された。
2 BCECにおけるアポトーシス誘導とその検出
BCECを0.1mMH2O2に1時間暴露することでdishからの血管内皮細胞の剥離、接着細胞数の減少が認められた。agaroser gel電気泳動によりDNA ladder pattemが検出され、内皮の剥離がアポトーシスによるものであることが確認された。細胞生存率による検討では、E2単独では細胞生存率に影響を与えなかった。しかしH2O2暴露後24時間ではE2は濃度依存的に細胞生存率を増加させた。一方%apoptotic cellはE2前処置により濃度依存的に抑制された。
3 アポトーシス関連蛋白の発現:E2はBax蛋白の発現を減少させたが、P53やBcl-2蛋白の発現量には影響を与えなかった。
(4) in vivoにおけるエストロゲンと血管内皮細胞のアポトーシスとの関連は明らかではない。今回,H2O2傷害血管で、血管内皮細胞のapoptosisと内皮再生との関連をin situで検討した。H2O2暴露後のEvans blue染色では斑状の内皮傷害が出現し、同部位でapoptosisを認めた。正常内皮細胞数は暴露後6時間、24時間でE2群はP群より有意に多かった。2週後の新生内膜肥厚もE2群で有意に抑制されていた。 結論)E2は内皮のapoptosis抑制、内皮再生の促進を介し新生内膜肥厚を抑制する。この機序にApotosisを促進するBAX蛋白遺伝子の発現抑制が示唆される。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
吉栖 正雄 (吉栖 正生) | 東京大学 | 医学部・附属病院 | 助手 | (Kakenデータベース) |
鳥羽 研二 | 東京大学 | 医学部・附属病院 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1997 - 1998
【配分額】3,100千円 (直接経費: 3,100千円)