弾性率制御ハニカム多孔膜とラマン計測による幹細胞のメカノトランスダクション解明
【研究分野】高分子・繊維材料
【研究キーワード】
自己組織化 / ハニカムスキャフォールド / ラマン散乱 / 微粒子 / 幹細胞 / 原子間力顕微鏡 / フェイズフィールド / バイオナノテクノロジー / ハニカムフィルム / 分化 / 高分子構造・物性 / 発生・分化 / バイオテクノロジー / ナノ材料 / 応用数学
【研究成果の概要】
弾性率制御されたハニカムスキャフォールドの作製法を確立し、ヒト間葉系幹細胞(hMSC)やiPS細胞などの幹細胞および神経系細胞などについてその接着・増殖・分化をモニタリングすることに成功した。これらのデータベースを基に特徴的な分化制御能を与える材料変面条件を得ることに成功した。また、Coupled Cahn-Hilliard方程式を基にした高分子微粒子構造制御の理論モデル構築に成功し、本モデルを基に自己組織化による有機無機コンポジット微粒子の作製に成功した。磁性粒子と金ナノ粒子をコンポジットした高分子微粒子は液中で磁場によって任意の部位のラマン散乱測定が可能であることを明らかとした。
【研究の社会的意義】
幹細胞の分化制御は再生医療において重要な技術であり、これまでサイトカインや遺伝子導入など、液性因子を用いた分化誘導が行われてきた。本研究は幹細胞の培養環境であるスキャフォールドの構造と力学物性が幹細胞の接着・増殖・分化に与える影響を明らかとするものであり、本研究により明らかにされた幹細胞分化とスキャフォールド等の培養条件の相関は、再生医療の発展に資するものである。
さらに本研究で開発した微粒子による局所部位でのラマン散乱計測プローブは、細胞などの液体中でも特定の位置の化学物質の動態情報を3次元的に取得することを可能にするものであり、上記のスキャフォールドによる幹細胞分化機序の解明に貢献する。
【研究代表者】