インドネシアにおける個人主義化がストレスとうつ病発症に及ぼす影響の分子疫学研究
【研究分野】衛生学・公衆衛生学
【研究キーワード】
個人主義化 / ストレス / 遺伝環境 / うつ / インドネシア / 進化医学 / 精神疾患 / 鬱 / 伝統社会 / 社会変容
【研究成果の概要】
うつ病患者の方が集団主義的気質であること、収入が高いこと、教育レベルが高いことが明らかになった。また、ブギス・マカッサル人は他民族に比べて独立的気質も協調的気質もいずれも高く、民族による気質の違いも示唆された。関連4遺伝子多型について、患者と健常者で頻度分布に違いが見られた。新たなストレスマーカーであるテロメア長は患者群で短く、ストレスに曝されていることが示唆された。過去に収集されたインドネシア7島8民族のDNA試料の整備ができた。
【研究の社会的意義】
民族による気質の違いも示唆され、対照研究において、データの一般化には多大な注意を払う必要性を示した。本研究事業が開発したインドネシア語版の尺度は、他の研究でも利用できる高い有効性をもっていた。マカッサル市において、低所得者が精神疾患にかかっても受療できる体制の必要性が提示された。7島8民族にわたるオーストロネシア語民のDNA試料の整備は将来の遺伝疫学的解析の重要な試料となる。インドネシアとの国際共同研究をスマトラ島、ジャワ島、スラウェシ島で展開する基盤が出来た。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
古澤 拓郎 | 京都大学 | アジア・アフリカ地域研究研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
大橋 順 | 東京大学 | 大学院理学系研究科(理学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
清水 華 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター | その他部局等 | 上級研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)